【実施例】
【0036】
以下に、実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
【0037】
実 施 例 1
飲料の製造(1):
表1に示すBrixになるように各植物の加工物を熱水で抽出した。この抽出物にコラーゲンペプチド酸分解品(商品名:和光純薬工業株式会社製:牛皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量1,000)を1.0%およびビタミンCを0.05%の濃度で添加し、攪拌した。これらをガラス容器に充填し、キャップを施し、飲料(実施品1〜11)とした。これら飲料を65℃の恒温槽にて1日保管後、専門パネル4〜5名により、下記の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。結果を表1に示した。
【0038】
<官能評価の基準>
( 内容 ) (評点)
不快臭を非常に感じる :0点
不快臭をかなり感じる :1点
不快臭を感じる :2点
不快臭をやや感じる :3点
不快臭を僅かに感じる :4点
不快臭を感じない :5点
【0039】
【表1】
【0040】
表1から明らかなように、茶葉の半発酵物、茶葉の不発酵物にジャスミンの半開の花蕾の乾燥物の香りを移したもの、ハト麦の焙煎物、玄米の焙煎物、発芽玄米の焙煎物、ドクダミの乾燥物、クマザサの乾燥物、黒ゴマの焙煎物、ダイズの焙煎物、黒豆の焙煎物およびケツメイシの焙煎物の熱水抽出物と、牛皮由来のコラーゲンペプチドとを組み合わせて配合した飲料の不快臭は確かに顕著に軽減されることが官能評価により確認された。
【0041】
実 施 例 2
飲料の製造(2):
表2に示すBrixになるように各植物の加工物を熱水で抽出した。この抽出物にマリンマトリックス(商品名:焼津水産化学工業株式会社製:魚皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量3,000)を1.0%およびビタミンCを0.05%の濃度で添加し、攪拌した。これらをガラス容器に充填し、キャップを施し、飲料(実施品12〜18)とした。これら飲料を65℃の恒温槽にて1日保管後、専門パネル4〜5名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。結果を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
表2から明らかなように、ハト麦の焙煎物、玄米の焙煎物、発芽玄米の焙煎物、ドクダミの乾燥物、クマザサの乾燥物、黒ゴマの焙煎物およびケツメイシの焙煎物の熱水抽出物と、魚皮由来のコラーゲンペプチドとを組み合わせて配合した飲料の不快臭は確かに顕著に軽減されることが官能評価により確認された。また、牛皮または魚皮のいずれ由来のコラーゲンペプチドであっても不快臭(魚臭および獣臭)が抑制されることも確認された。
【0044】
実 施 例 3
飲料の製造(3):
精製水に、コラーゲンペプチド酸分解品(商品名:和光純薬工業株式会社製:牛皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量1,000)を1.0%および植物の加工物の香料(ハトムギフレーバー:小川香料株式会社製)を0.1%の濃度で添加し、攪拌した。これをガラス容器に充填し、キャップを施し、飲料(実施品19)とした。また、コラーゲンペプチド酸分解品に代えてマリンマトリックス(商品名:焼津水産化学工業株式会社製:魚皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量3,000)を用い、同様に飲料(実施品20)とした。これらを65℃恒温槽にて1日保管後、専門パネル4名により、上記の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。結果を表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】
表3から明らかなように、ハトムギフレーバーと、牛皮または魚皮由来のコラーゲンペプチドと組み合わせて配合した飲料の不快臭は確かに顕著に軽減されることが官能評価により確認された。
【0047】
比 較 例 1
飲料の製造(4):
精製水に、コラーゲンペプチド酸分解品(商品名:和光純薬工業株式会社製:牛皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量1,000)を1.0%の濃度で配合した水溶液に、表4に示した、他の飲料等において風味の改善効果が知られている各種成分を混合溶解し、攪拌した。これらをガラス容器に充填し、キャップを施し、飲料(比較品1〜11)とした。これら飲料を65℃の恒温槽にて1日保管後、専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。結果を表4に示した。なお、各添加物の配合量は、風味改善効果が得られ、かつ飲料として適している風味となる量である。
【0048】
【表4】
【0049】
表4よりも明らかなように、特定の植物の加工物の抽出物や香料を添加していないため、表4の添加物では、牛皮由来コラーゲンペプチド由来の不快臭を感じ、風味改善効果は限られたものだった。なお、茶葉に多く含まれ、酸化防止剤としても使用される没食子酸プロピルやエピガロカテキンガレートであっても牛皮由来コラーゲンペプチドの風味改善効果は不十分であった。また、茶葉の半発酵物と同じツバキ科ツバキ属の植物由来であっても不発酵茶の緑茶およびその焙煎物である焙茶ならびにそのフレーバーであるグリーンティーフレーバー、発酵茶の紅茶の牛皮由来コラーゲンペプチドの風味改善効果は不十分であった。
【0050】
比 較 例 2
飲料の製造(5):
精製水に、マリンマトリックス(商品名:焼津水産化学工業株式会社製:魚皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量3,000)を1.0%の濃度で配合した水溶液に、表5に示した、他の飲料等において風味の改善効果が知られている各種成分を混合溶解し、攪拌した。これらをガラス容器に充填し、キャップを施し、飲料(比較品19〜36)とした。これら飲料を65℃の恒温槽にて1日保管後、専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。結果を表5に示した。なお、各添加物の配合量は、風味改善効果が得られ、かつ飲料として適している風味となる量である。
【0051】
【表5】
【0052】
表5よりも明らかなように、特定の植物の加工物の抽出物や香料を添加していないため、表6の添加物では、魚皮由来コラーゲンペプチド由来の不快臭を感じ、風味改善効果は限られたものだった。なお、茶葉に多く含まれ、酸化防止剤としても使用される没食子酸プロピルやエピガロカテキンガレートであっても魚皮由来コラーゲンペプチドの風味改善効果は不十分であった。また、茶葉の半発酵物と同じツバキ科ツバキ属の植物由来であっても不発酵茶の緑茶およびその焙煎物である焙茶ならびにそのフレーバーであるグリーンティーフレーバー、発酵茶の紅茶の魚皮由来コラーゲンペプチドの風味改善効果は不十分であった。
【0053】
実 施 例 4
飲料の製造(6):
表6に示すBrixになるように各植物の加工物を熱水で抽出した。この抽出物にコラーゲンペプチド酸分解品(商品名:和光純薬工業株式会社製:牛皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量1,000)を0.05%およびビタミンCを0.05%の濃度で添加し、攪拌した。これらをガラス容器に充填し、キャップを施し、飲料(実施品21〜29)とした。これら飲料を65℃の恒温槽にて1日保管後、専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。結果を表6に示した。
【0054】
【表6】
【0055】
実 施 例 5
飲料の製造(7):
表7に示すBrixになるように各植物の加工物を熱水で抽出した。この抽出物にマリンマトリックス(商品名:焼津水産化学工業株式会社製:魚皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量3,000)を0.05%およびビタミンCを0.05%の濃度で添加し、攪拌した。これらをガラス容器に充填し、キャップを施し、飲料(実施品30〜35)とした。これら飲料を65℃の恒温槽にて1日保管後、専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。結果を表7に示した。
【0056】
【表7】
【0057】
実 施 例 6
飲料の製造(8):
精製水に、マリンマトリックス(商品名:焼津水産化学工業株式会社製:魚皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量3,000)を1%および植物の加工物の香料(ハトムギフレーバー:小川香料株式会社製)を0.5%の濃度で添加、攪拌し、飲料を得た。専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。評点は4.3であった。
【0058】
実 施 例 7
飲料の製造(9):
精製水に、マリンマトリックス(商品名:焼津水産化学工業株式会社製:魚皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量3,000)を1%および植物の加工物の香料(ウーロンティーフレーバー:小川香料株式会社製)を0.5%の濃度で添加、攪拌し、飲料を得た。専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。評点は4.9であった。
【0059】
実 施 例 8
飲料の製造(10):
精製水に、コラーゲンペプチド酸分解品(商品名:和光純薬工業株式会社製:牛皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量1,000)を1%および植物の加工物の香料(ハトムギフレーバー:小川香料株式会社製)を0.05%および0.5%の濃度で添加、攪拌し、飲料を得た。専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。評点は、それぞれ、4.0および4.5であった。
【0060】
実 施 例 9
飲料の製造(11):
精製水に、コラーゲンペプチド酸分解品(商品名:和光純薬工業株式会社製:牛皮由来のコラーゲンペプチド:平均分子量1,000)を1%および植物の加工物の香料(ウーロンティーフレーバー:小川香料株式会社製)を0.5%の濃度で添加、攪拌し、飲料を得た。専門パネル4名により、実施例1と同様の評価基準にて不快臭(魚臭および獣臭)を評価した。評点は、4.6であった。