(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転力伝達機構は、前記内側部材に装着された環状の弾性部材と、前記弾性部材の内周面が弾接する前記内側部材の外周面と、前記弾性部材の外周面が弾接する前記結合孔の内周面とで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、ソケットを弾性変形させることでウェイト部材とソケットの間に回転抵抗力を生じさせることから、ソケットが弾性変形し易い合成樹脂製となっている。
そのため、ウェイト部材の着脱操作を繰り返すと、ソケットの摩耗や変形が生じやすく、ソケットが摩耗や変形を生じると、ウェイト部材を係合位置に保持する回転抵抗力が低下し、ウェイト部材が脱落することが懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウェイト部材を着脱する際の操作性の向上を図りつつ装着されたウェイト部材の脱落を確実に防止する上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ソール部を有するヘッド本体と、前記ソール部に設けられた取り付け孔部と、前記取り付け孔部に挿入可能なウェイト部材とを備え、前記取り付け孔部は、第1孔部と、前記第1孔部の前記ヘッド本体内側に位置し前記第1孔部に接続する係合凹部とを備え、前記ウェイト部材は、頭部と、前記頭部と同軸上に設けられた係合凸部とを備え、前記頭部が前記第1孔部に挿脱可能、かつ、前記係合凸部が前記第1孔部および前記係合凹部に挿脱可能な係合解除位置と、前記係合解除位置から前記ウェイト部材を
時計回り方向に回転させることで前記係合凸部と前記係合凹部とが係合しそれ以上の前記係合凸部の
時計回り方向の回転が不能となり、かつ、前記係合凸部が前記ソール部の壁部に当接して前記係合凸部が前記係合凹部から抜き出し不能な係合位置となるゴルフクラブヘッドであって、前記ウェイト部材は、前記頭部と前記係合凸部とが設けられ結合孔が貫通形成された外側部材と、前記結合孔にねじ結合され
時計回り方向に回転しつつ前記結合孔の軸心方向に移動可能な内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間に設けられ前記内側部材の所定値以下の回転力を前記外側部材に伝達する回転力伝達機構とを含んで構成され、前記係合解除位置において前記内側部材を
時計回り方向に回転させると前記外側部材が
時計回り方向に回転して前記係合凸部は前記係合位置となり、さらに前記内側部材を
時計回り方向に回転させると、前記内側部材は前記外側部材に対して前記軸心方向に移動して前記内側部材の先端が前記取り付け孔部の底壁に当接し、前記係合凸部を、前記ソール部の壁部に圧接させるロック位置となることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記回転力伝達機構は、前記内側部材に装着された環状の弾性部材と、前記弾性部材の内周面が弾接する前記内側部材の外周面と、前記弾性部材の外周面が弾接する前記結合孔の内周面とで構成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記結合孔の内周に雌ねじが形成され、前記内側部材の外周に雄ねじが形成され、前記ねじ結合は、前記結合孔の雌ねじと前記内側部材の雄ねじとが螺合することでなされ、前記雌ねじおよび前記雄ねじのねじピッチPは、0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記係合凸部が前記ソール部の壁部に圧接する接触面積Sは、3mm
2以上15mm
2以下であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記結合孔の軸心方向から見て前記係合凸部は前記頭部の輪郭の内側に位置し、前記第1孔部と前記係合凹部との間に、それら第1孔部と前記係合凹部とを仕切る仕切り壁が設けられ、前記ロック位置において前記係合凸部が圧接する前記ソール部の壁部は前記仕切り壁であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記仕切り壁に、前記係合凸部を前記係合凹部に挿脱するための欠部が設けられ、前記係合凹部側に位置する前記仕切り壁の面で前記欠部に沿った箇所に面取りが施されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記内側部材の先端が当接する前記取り付け孔部の底壁の肉厚D1および前記係合凸部が当接する前記仕切り壁の肉厚D2は、0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記ロック位置において、前記外側部材の前記係合凸部側の端部と前記底壁との距離Lが0.1mm以上0.7mm以下であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、前記底壁に当接する前記内側部材の先部は、凸状の球面を呈していることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、前記係合凸部の前記頭部と反対側に位置する端面外周部に、径方向外方に至るにつれて次第に前記頭部に近づく方向に変位する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、前記取り付け孔部が前記ソール部に開口する箇所に、面取りが施されていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、前記結合孔の下縁に面取りが施されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、ウェイト部材の係合解除位置において内側部材を
時計回り方向に回転させると外側部材が
時計回り方向に回転して係合凸部は係合位置となり、さらに内側部材を
時計回り方向に回転させると、内側部材は外側部材に対して軸心方向に移動して内側部材の先端が取り付け孔部の底壁に当接し、係合凸部を、ソール部の壁部に圧接させるロック位置となる。
したがって、内側部材を係合解除位置と係合位置との間で回転するという簡単な操作でウェイト部材を着脱できるため、ウェイト部材を着脱する際の操作性の向上を図れることは無論のこと、従来のように弾性変形可能な合成樹脂材料を用いてウェイト部材をロック位置に保持する場合に比較して、耐久性の向上を図ることができウェイトの脱落を確実に防止する上で有利となる。
請求項2記載の発明によれば、弾性部材を用いることで回転力伝達機構の構成を簡素化する上で有利となる。
請求項3記載の発明によれば、ウェイト部材を取り付け孔部に対して着脱する際に回転する内側部材の回転量が少なくて済み操作性を確保する上で有利となり、また、ねじ山同士の接触面積を確保できるため、ウェイト部材の耐久性を確保する上で有利となる。
請求項4記載の発明によれば、ウェイト部材を強固に保持しつつウェイト部材の耐久性を確保する上で有利となる。
請求項5記載の発明によれば、結合孔の軸心方向から見て係合凸部が頭部の輪郭の内側に位置している場合であっても、仕切り壁を設けることでウェイト部材のロック位置を形成できる。したがって、ウェイト部材を小型化でき、また、取り付け孔部を構成するソール部の壁部を小型化でき、ゴルフクラブヘッドの設計の自由度を確保する上で有利となる。
請求項6記載の発明によれば、面取りが形成されることにより、欠部の縁部と係合凸部とが擦れ合って生じる異音の抑制を図る上で有利となる。
請求項7記載の発明によれば、取り付け孔部の底壁、ソール部の壁部の強度を確保でき、ゴルフクラブヘッドの耐久性を確保する上で有利となる。
請求項8記載の発明によれば、ウェイト部材の操作性を確保しつつ、係合凸部がソール部の壁部に圧接する力を確保することでウェイト部材の取り付け孔部に対する取付強度を確保する上で有利となる。
請求項9記載の発明によれば、内側部材の先部の先端と係合凹部の底壁とが擦れ合って生じる異音の抑制を図る上で有利となる。
請求項10記載の発明によれば、傾斜面が形成されることにより、ウェイト部材の取り付け孔部への挿入を容易とする上で有利となる。
請求項11記載の発明によれば、面取りが形成されることにより、ウェイト部材の取り付け孔部への挿入を容易とする上で有利となる。
請求項12記載の発明によれば、面取りが形成されることにより、係合凸部の端部側に位置する結合孔の縁部と係合凹部の底壁とが擦れ合って生じる異音の抑制を図る上で有利となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態)
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1〜
図4に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッドであり、ヘッド本体12と、取り付け孔部14と、ウェイト部材16とを含んで構成されている。
【0009】
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成される。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
特に、チタン合金としては、例えばTi−6Al−4V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−5.5Al−1Fe又はTi−13V−11Cr−3Al等が好適である。
【0010】
ヘッド本体12は、フェース部18と、クラウン部20と、ソール部22と、サイド部24とを備えている。
フェース部18は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部20は、フェース部18の上部から後方に延在している。
ソール部22は、フェース部18の下部から後方に延在し、ソール面22Aを有している。
図2に示すように、サイド部24は、クラウン部20とソール部22の間でフェース部18のトウ26側縁とヒール28側縁との間をフェースバック25を通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部18とクラウン部20とソール部22とサイド部24とで囲まれた内部が中空部とされた中空構造を呈している。
フェース部18の中空部と反対側には、ボールを打撃するフェース面18Aが位置している。
クラウン部20には、フェース面18A側でかつヒール28寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられている。
【0011】
図3、
図4に示すように、ソール部22に取り付け孔部14が2つ設けられ、各取り付け孔部14にウェイト部材16が着脱可能に装着されている。
ウェイト部材16は、ゴルフクラブヘッド10の重心位置を調整するためのものであり、重量が異なる複数種類のウェイト部材16が用意されている。
図5、
図6、
図11(A)、(B)に示すように、取り付け孔部14は、第1孔部32と、第1孔部32のヘッド本体12内側に位置し第1孔部32に接続する係合凹部34とを備えている。取り付け孔部14は、ソール部22を構成する壁部がヘッド本体12の内側に膨出された膨出壁2202の内側に設けられている。
【0012】
図11(A)、(B)に示すように、第1孔部32は、後述する頭部44が挿入される箇所であり、膨出壁2202の内部に形成された均一内径の内周面3202で構成され、内周面3202とソール面22Aとの境の箇所に面取り3204が形成されている。
このような面取り3204が形成されることにより、ウェイト部材16の取り付け孔部14への挿入が容易になるように図られている。
【0013】
本実施の形態では、
図5、
図11(B)に示すように、第1孔部32と係合凹部34との間に、それら第1孔部32と係合凹部34とを仕切る仕切り壁36が設けられている。
仕切り壁36は、第1孔部32の底部を構成しており、仕切り壁36には後述する係合凸部48を係合凹部34に挿脱するための欠部3602が形成されている。
欠部3602は、係合凸部48が係合凹部34に挿脱できる寸法で形成され、詳細には係合凸部48の輪郭よりも僅かに大きな輪郭の長円形で形成されている。
また、
図11(B)に示すように、係合凹部34側に位置する仕切り壁36の面で欠部3602に沿った箇所に面取り3604が施されている。
このような面取り3604が形成されることにより、欠部3602の縁部と係合凸部48とが擦れ合って生じる異音の抑制が図られている。このような異音は、金属材料の組み合わせによっては生じやすく、例えば、チタン同士では異音が発生しやすいことが知られている。したがって、このような面取りを形成することで異音の発生が効果的に抑制される。
【0014】
係合凹部34は、後述する係合凸部48が挿入される箇所である。
係合凹部34は、頭部44が第1孔部32に挿入され係合凸部48が欠部3602から係合凹部34に挿入された係合解除位置P0(
図11(A)、(B))と、係合解除位置P0から係合凸部48が第1孔部32の軸心を中心に90°回転した係合位置P1(
図12(A)、(B))との間で揺動できる形状で形成されている。
図6に示すように、係合解除位置P0では、係合凸部48の長軸方向の両端の円筒面の一方の半部が、係合凹部34の第1の内周面3402に当接することで外側部材38の反時計回り方向への回転が不能となる。
係合位置P1では、係合凸部48の長軸方向の両端の円筒面4802の他方の半部が、係合凹部34の第2の内周面3404に当接することで後述する外側部材38の時計回り方向への回転が不能となる。
また、係合凹部34の底面は底壁3410によって閉塞されている。
なお、
図6において、係合解除位置P0に位置する想像線で示す係合凸部48の外側には仕切り壁36が位置している。
【0015】
ウェイト部材16は、ゴルフクラブヘッド10の重心位置を変更するために、ヘッド本体12を構成する材料よりも大きい比重の材料で構成されている物が少なくとも1つは存在している。
ウェイト部材16の材料は、耐久性および比重の観点から金属が好ましい。
このような金属として、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、タングステン合金、及び、タングステンニッケル合金(W−Ni合金)が例示される。チタン合金の一例は、6−4Ti(Ti−6Al−4V)である。ステンレス鋼の一例は、SUS304である。
ウェイト部材16の製造方法として、鍛造、鋳造、焼結、NC加工等が挙げられる。アルミニウム合金、6−4チタン及びSUS304の場合、鋳造後NC加工されるのが好ましい。W−Ni合金の場合、焼結又は鋳造の後、NC加工されるのが好ましい。NCとは、「Numerical Control」の略である。
【0016】
図11(A)に示すように、ウェイト部材16は、外側部材38と、内側部材40と、回転力伝達機構42とを含んで構成されている。
図7〜
図9に示すように、外側部材38は、同軸上に設けられた頭部44と、小径部46と、係合凸部48と、結合孔50とを備えている。
頭部44は、第1孔部32に挿脱可能に挿入される箇所であり、端面に、ウェイト部材16が90°回転されたか否かを判断するための指標4402が設けられている。
図7(C)、
図9に示すように、係合凸部48は、長円形の板状を呈し、長軸方向の両端に設けられた一対の円筒面4802と、互いに平行しそれら円筒面4802を接続する一対の側面4804とを有している。
図8に示すように、係合凸部48は、頭部44側に位置する頭部側面4810と、頭部44と反対に位置する先端面4812とを有し、先端面4812の外周部には径方向外方に至るにつれて次第に頭部44に近づく方向に変位する傾斜面4814が形成されている。
このような傾斜面4814が形成されることにより、ウェイト部材16の取り付け孔部14への挿入が容易になるように図られている。
小径部46は、一対の側面4804間の寸法を直径とした円筒面4802で形成され、欠部3602に挿入される寸法で形成されている。
結合孔50は、頭部44、小径部46、係合凸部48の中心に沿って貫通形成され、結合孔50の係合凸部48側の端部に面取り5002が形成されている。
このような面取り5002が形成されることにより、係合凸部48の端部側に位置する結合孔50の縁部と係合凹部34の底壁3410とが擦れ合って生じる異音の抑制が図られている。
本実施の形態では、結合孔50は、係合凸部48の内側に位置する結合孔50の箇所に形成された雌ねじ5006で構成されている。
また、通常、雌ねじ5006を切った時の係合凸部48の端部は、面取りが全周均一にならないので、改めて面取り5002を形成することにより、全周均一にすることができ、外観性の向上を図る上で有利となっている。
【0017】
図11、
図12に示すように、内側部材40は、結合孔50にねじ結合され回転しつつ結合孔50の軸心方向に移動するものである。
図10(A)、(B)に示すように、内側部材40は、雌ねじ5006に螺合する雄ねじ5202が形成された先部52と、雌ねじ5006と雄ねじ5202とが螺合された状態で頭部44側に位置する基部54とを有している。
基部54の端面には、内側部材40を工具を用いて回転操作するための回転用結合凹部5402が形成され、先部52の先端5204は、凸状の球面を呈していても良い。
先部52の先端5204が凸状の球面を呈している場合は、先部52の先端と係合凹部34の底壁3410とが擦れ合って生じる異音の抑制を図る上で有利となる。
図10(B)に示すように、内側部材40の外周部で基部54の雄ねじ5202寄りの箇所に、後述する弾性部材58装着用の凹部56が設けられている。
本実施の形態では、
図11に示すように、外側部材38の軸方向長さと、内側部材40の軸方向長さとは同一の寸法で形成されている。
【0018】
図11(A)に示すように、回転力伝達機構42は、外側部材38と内側部材40との間に設けられ内側部材40の所定値以下の回転力を外側部材38に伝達するものである。
回転力伝達機構42は、弾性部材58を含んで構成され、本実施の形態では、弾性部材58としてOリングを用いている。
Oリングの材料は、弾性を有する材料であればよく、耐久性や耐衝撃性を確保する観点から、エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)、フッ素ゴムなどが例示される。
弾性部材58は、その内周面が凹部56の底面に弾接し、その外周面が外側部材38の内周面5004に弾接し、内側部材40が回転操作されることで内側部材40の所定値以下の回転力を外側部材38に伝達する。
【0019】
次に、ウェイト部材16の着脱方法について説明する。
まず、ウェイト部材16を取り付け孔部14に取り付ける場合について説明する。
軸方向の両端が同一面上に位置するように、ねじ結合を介して外側部材38と内側部材40とを結合しておく。
次に、係合凸部48の輪郭を仕切り壁36の欠部3602の輪郭に合わせ、ウェイト部材16を取り付け孔部14に挿入する。
図6、
図11(A)、(B)に示すように、この挿入によりウェイト部材16は、係合凸部48が係合凹部34に挿入され、頭部44が第1孔部32に挿入され、小径部46に仕切り壁36が位置した係合解除位置P0となる。
【0020】
次に、回転用係合凹部34に工具を係合し、内側部材40を時計回り方向に回転させる。
この内側部材40の回転により回転力伝達機構42を介し内側部材40と一体に外側部材38が回転し、係合凸部48が係合凹部34内を回転する。
図6、
図12(A)、(B)に示すように、内側部材40が90°回転され、係合凸部48が90°回転されると、係合凸部48の長軸方向の両端の円筒面4802の他方の半部が、係合凹部34の第2の内周面3404に当接する状態となり、時計回り方向への係合凸部48の回転が不能となる。この位置がウェイト部材16の係合位置P1である。
【0021】
さらに係合位置P1から内側部材40を時計回り方向に回転させると、外側部材38が回転不能となることから回転力が所定値を上回る。
したがって、回転力伝達機構42を介して内側部材40の回転力が外側部材38に伝達されなくなる。
したがって、内側部材40を回転させると、内側部材40のみが回転し、内側部材40は外側部材38の内部で結合孔50の軸心方向に移動する。
やがて、内側部材40の先端5204が取り付け孔部14の底壁3410に当接し、さらなる内側部材40の回転により、
図12(B)に示すように、係合凸部48の頭部側面4810をソール部22の壁部2210である仕切り壁36に圧接させ、ウェイト部材16は、取り付け孔部14からの取り外しが不能となるロック位置となる。ウェイト部材16の脱落を確実に防止すると共に、ウェイト部材16および取り付け孔部14に過剰な荷重が加わらないようにするため、トルクの値は、2〜5N・m程度が好ましい。
【0022】
また、ロック位置に位置したウェイト部材16を取り付け孔部14から取り外す場合には、内側部材40を反時計方向に回転させる。
係合凸部48が仕切り壁36に圧接されている状態では、内側部材40の回転力は大きく、回転力伝達機構42を介して内側部材40の回転力が外側部材38に伝達されず、内側部材40は回転しつつ結合孔50に戻される方向に移動する。
やがて、係合凸部48と仕切り壁36との圧接が解除され、ウェイト部材16はロック位置から係合位置P1となる。
ウェイト部材16が係合位置P1になると、内側部材40の回転力は小さくなり、回転力伝達機構42を介して内側部材40の回転力が外側部材38に伝達され、内側部材40と一体に外側部材38が反時計回りに回転する。
内側部材40の反時計回りの回転により、外側部材38がロック位置から90°回転されると、係合凸部48の長軸方向の両端の円筒面4802の他方の半部が、係合凹部34の第2の内周面3404に当接し、ウェイト部材16は係合解除位置P0になる。
この状態でウェイト部材16を取り付け孔部14の軸心に沿って抜き出すと、頭部44は第1孔部32から抜き出され、係合凸部48は係合凹部34から第1孔部32を介して抜き出される。
【0023】
また、本実施の形態では、結合孔50の軸心方向から見て係合凸部48は頭部44の輪郭の内側に位置している。そして、このような場合であっても、仕切り壁36を設けることでウェイト部材16のロック位置を形成できる。したがって、ウェイト部材16を小型化でき、また、取り付け孔部14を構成するソール部22の壁部を小型化でき、ゴルフクラブヘッド10の設計の自由度を確保する上で有利となる。
【0024】
また、本実施の形態では、雌ねじ5006および雄ねじ5202のねじピッチPは、0.5mm以上2.0mm以下とされている。
ねじピッチPが上記範囲内であると、後述するようにウェイト部材16を取り付け孔部14に対して着脱する際に回転する内側部材40の回転量が少なくて済み操作性を確保する上で有利となり、また、ねじ山同士の接触面積を確保できるため、ウェイト部材16の耐久性を確保する上で有利となる。
ねじピッチPが上記範囲を下回ると、ウェイト部材16を取り付け孔部14に対して着脱する際に回転する内側部材40の回転量が多くなり操作性を確保する効果が低下する。また、ねじ山同士の接触面積が低下するため、ウェイト部材16の耐久性を確保する効果が低下する。
ねじピッチPが上記範囲を上回ると、ウェイト部材16を取り付け孔部14に対して着脱する際に回転する内側部材40の回転量が少なくなり操作性を確保できる一方、ねじ山の数が減ることから、ねじ山同士の接触面積が低下するため、ウェイト部材16の耐久性を確保する効果が低下する。
【0025】
また、R&Aのゴルフルールでは、ヘッド本体12の容積の上限(470cc以下)が規定されていることから、ウェイト部材16すなわち、外側部材38の外径は、およそ10mm以上18mm以下の範囲が設計自由度を向上させる上で好ましい。すなわち、外側部材38の外径が上記範囲内であると、ウェイト部材16の操作性を確保しつつゴルフクラブヘッド10全体に占めるウェイト部材16の容積が与える影響が少ない。
外側部材38の外径が上記範囲を下回ると、ウェイト部材16が小さすぎるため、操作性を確保する効果が低下する。
外側部材38の外径が上記範囲を上回ると、ゴルフクラブヘッド10全体に占めるウェイト部材16の容積が大きくなるため、ゴルフクラブヘッド10の設計の自由度およびゴルフクラブヘッド10の外観性に影響がある。
上記のように外側部材38の外径が上記範囲内であることを考慮すると、
図15に示すように、係合凸部48がソール部22の壁部である仕切り壁36に圧接する接触面積Sは、3mm
2以上15mm
2以下とすることが好ましい。なお、
図15において仕切り壁36のハッチング部分が接触面積Sを示す。
すなわち、接触面積Sが上記範囲内であると、ウェイト部材16を強固に保持しつつウェイト部材16の耐久性を確保する上で有利となる。
接触面積Sが上記範囲を下回ると、ウェイト部材16を強固に保持しつつウェイト部材16の耐久性を確保する効果が低下する。
接触面積Sが上記範囲を上回ると、ウェイト部材16の外側部材38の小径部46の直径が低下することから、ウェイト部材16の耐久性を確保する効果が低下する。
【0026】
また、本実施の形態では、
図12(B)に示すように、内側部材40の先端5204が当接する取り付け孔部14の底壁3410の肉厚D1および係合凸部48が当接する仕切り壁36の肉厚D2は、0.5mm以上2.0mm以下とされている。
肉厚D1、D2が上記範囲内であると、取り付け孔部14の底壁3410、仕切り壁36の強度を確保でき、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する上で有利となる。
肉厚D1、D2が上記範囲を下回ると、取り付け孔部14の底壁3410、仕切り壁36の強度が低下しゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する効果が低下する。
肉厚D1、D2が上記範囲を上回ると、取り付け孔部14の底壁3410、仕切り壁36の強度が局所的に高くなり応力が集中するため、取り付け孔部14の底壁3410、仕切り壁36の強度が低下しゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する効果が低下する。
【0027】
また、本実施の形態では、
図12(B)に示すように、ロック位置において、外側部材38の係合凸部48側の端部と底壁3410との距離Lが0.1mm以上0.7mm以下とされている。
距離Lが上記範囲内であると、ウェイト部材16の操作性を確保しつつ、係合凸部48がソール部22の壁部である仕切り壁36に圧接する力を確保することでウェイト部材16の取り付け孔部14に対する取付強度を確保する上で有利となる。
距離Lが上記範囲を下回ると、係合凸部48がソール部22の壁部である仕切り壁36に圧接する力が低下し、ウェイト部材16の取り付け孔部14に対する取付強度を確保する効果が低下する。
距離Lが上記範囲を下回ると、ウェイト部材16を取り付け孔部14に対して着脱する際に回転する内側部材40の回転量が多くなり操作性を確保する効果が低下する。
【0028】
次に
図13、
図14を参照して、変形例について説明する。
この変形例では、内側部材40を反時計回り方向に回転させ、ウェイト部材16を係合位置P1から係合解除位置P0に戻す際に、内側部材40の軸方向の両端面と、外側部材38の軸方向の両端面とが同一面上に位置した状態で、内側部材40の反時計回り方向への回転を阻止するストッパ60を設けたものである。
ストッパ60は、内側部材40の先部52の先端に環状に膨出形成され、このストッパ60に当接する壁部62が、外側部材38の雌ねじ5006の先部に環状に形成されている。
なお、この変形例では、結合孔50は、頭部44の内側に位置する内周面5004と、係合凸部48の内側に位置する結合孔50の箇所に形成された雌ねじ5006とで構成されている。
このような変形例によれば、内側部材40の軸方向の両端面と、外側部材38の軸方向の両端面とが同一面上に位置した状態が簡単に形成されるため、ウェイト部材16の取り扱いがより便利となる。
【0029】
なお、実施の形態では、結合孔50の軸心方向から見て係合凸部48が頭部44の輪郭の内側に位置している場合について説明したが、係合凸部48は、結合孔50の軸心方向から見て頭部44の輪郭の外側に突出していてもよい。
この場合には、第1孔部32の対向する箇所に係合凸部48を係合凹部34に導く凹部が形成され、雌ねじ5006はこの凹部を除く残りの第1孔部32の内周部に形成されることになる。
また、この場合には、ロック位置において係合凸部48は第1孔部32の周辺のソール部22の壁部に圧接することになり、仕切り壁36を設ける必要は無くなる。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ウェイト部材16を、外側部材38と、内側部材40と、外側部材38と内側部材40との間に設けられた回転力伝達機構42とを含んで構成した。そして、ウェイト部材16の係合解除位置P0において内側部材40を回転させると外側部材38が回転して係合凸部48は係合位置P1となり、さらに内側部材40を回転させると、内側部材40は外側部材38に対して軸心方向に移動して内側部材40の先端5204が取り付け孔部14の底壁3410に当接し、係合凸部48を、ソール部22の壁部に圧接させるロック位置となるように構成した。
したがって、内側部材40を係合解除位置P0と係合位置P1との間で回転するという簡単な操作でウェイト部材16を着脱できるため、ウェイト部材16を着脱する際の操作性の向上を図れることは無論のこと、従来のように弾性変形可能な合成樹脂材料を用いてウェイト部材16をロック位置に保持する場合に比較して、耐久性の向上を図ることができウェイトの脱落を確実に防止する上で有利となる。
【0031】
以下、本発明の実験例について説明する。
なお、以下の実験例の説明では、上記の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付しその説明を省略する。
図16は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、後述する3つの評価項目を測定しその平均値を求めた。
また、試料となるゴルフクラブヘッドのヘッド本体12、ウェイト部材16の材料、重量は以下のものとした。
(1)ヘッド本体12
材質:6AL-4Vチタン合金
(2)ウェイト部材16
(2−1)ウェイト部材16の合計重量=15gの場合
外側部材38=材質:比重16のタングステン焼結合金,重量:13.3g
内側部材40=材質:SUS630,重量:1.8g
弾性部材58=材質:EPDM(A70),重量:0.02g
(2−2)ウェイト部材16の合計重量=5gの場合
外側部材38=材質:6Al-4Vチタン合金,重量:3.7g
内側部材40=材質: 6Al-4Vチタン合金,重量:1.1g
弾性部材58=材質:EPDM(A70),重量:0.02g
なお、ウェイト部材16に関する諸条件は、以下が好ましい。
ウェイト部材16の係合凸部48の最大外径10〜18mm
ウェイト部材16の締め付けトルク2.0〜5.0N・m
ウェイト部材16の質量2〜20g
【0032】
(1)操作性
1つのゴルフクラブヘッド10について5人のゴルファーがウェイト部材16の取り付け孔部14に対する着脱操作を10回ずつ繰り返して操作性を指数で評価した。実験例2の指数を100とし指数が大きいほど操作性が良いことを示す。
【0033】
(2)耐久性
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面18Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、ウェイト部材16が取り付け孔部14から脱落するまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。
この場合、実験例6のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0034】
(3)合計点
上述した操作性、耐久性の2つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例1の合計点を200とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
【0035】
次に
図16を参照しつつ実験例1〜18について説明する。
なお、実験例1〜18については以下の請求項3、4、6、7に規定する5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)を変更して実験を行っている。
(1)請求項3の規定:
雌ねじ5006および雄ねじ5202のねじピッチPが0.5mm以上2.0mm以下である。
(2)請求項4の規定:
係合凸部48がソール部22の壁部(仕切り壁36)に圧接する接触面積Sが3mm
2以上15mm
2以下である。
(3)請求項7の規定:
内側部材40の先端5204が当接する取り付け孔部14の底壁3410の肉厚D1および係合凸部48が当接する仕切り壁36の肉厚D2が0.5mm以上2.0mm以下である。
(4)請求項8の規定:
ロック位置において、外側部材38の係合凸部48側の端部と底壁3410との距離Lが0.1mm以上0.7mm以下である。
【0036】
実験例1〜18は、本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たすものである。
実験例1、2は、上記の請求項3、4、7、8の規定の全てを満たすものである。
したがって、実験例1、2は、操作性が100〜108、耐久性が95〜100、合計点が200〜203と最もよい評価となっている。
【0037】
実験例3は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、ねじピッチPが0.3mmであり、請求項3に規定する0.5mm≦P≦2.0mmの範囲を下回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が92、耐久性が90、合計点が182となっており、操作性および耐久性の何れについても実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0038】
実験例4は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、ねじピッチPが2.2mmであり、請求項3に規定する0.5mm≦P≦2.0mmの範囲を上回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が105、耐久性が80、合計点が185となっており、操作性は良好であるものの、耐久性については実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0039】
実験例5は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、ねじピッチPが0.6mmであり、請求項3に規定する0.5mm≦P≦2.0mmのほぼ下限値であり、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が96、耐久性が94、合計点が190となっており、請求項3に規定する範囲外である実験例3、4よりも評価が高いものとなっている。
【0040】
実験例6は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、ねじピッチPが1.9mmであり、請求項3に規定する0.5mm≦P≦2.0mmのほぼ上限値であり、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が100、耐久性が92、合計点が192となっており、請求項3に規定する範囲外である実験例3、4よりも評価が高いものとなっている。
【0041】
実験例7は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、接触面積Sが2.8mm
2であり、請求項4に規定する3mm
2≦S≦15mm
2の範囲を下回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が98、耐久性が86、合計点が184となっており、操作性は良好であるものの、耐久性については実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0042】
実験例8は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、接触面積Sが15.2mm
2であり、請求項4に規定する3mm
2≦S≦15mm
2の範囲を上回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が97、耐久性が87、合計点が184となっており、操作性は良好であるものの、耐久性については実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0043】
実験例9は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、接触面積Sが3.2mm
2であり、請求項4に規定する3mm
2≦S≦15mm
2のほぼ下限値となっており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が98、耐久性が92、合計点が190となっており、請求項4に規定する範囲外である実験例7、8よりも評価が高いものとなっている。
【0044】
実験例10は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、接触面積Sが14.8mm
2であり、請求項4に規定する3mm
2≦S≦15mm
2のほぼ上限値となっており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が98、耐久性が93、合計点が191となっており、請求項4に規定する範囲外である実験例7、8よりも評価が高いものとなっている。
【0045】
実験例11は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、肉厚D1、D2が0.3mmであり、請求項7に規定する0.5mm≦D1、D2≦2.0mmの範囲を下回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が98、耐久性が82、合計点が180となっており、操作性は良好であるものの、耐久性については実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0046】
実験例12は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、肉厚D1、D2が2.2mmであり、請求項7に規定する0.5mm≦D1、D2≦2.0mmの範囲を上回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が99、耐久性が82、合計点が181となっており、操作性は良好であるものの、耐久性については実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0047】
実験例13は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、肉厚D1、D2が0.6mmであり、請求項7に規定する0.5mm≦D1、D2≦2.0mmのほぼ下限値であり、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が99、耐久性が100、合計点が199となっており、請求項7に規定する範囲外である実験例11、12よりも評価が高いものとなっている。
【0048】
実験例14は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、肉厚D1、D2が1.8mmであり、請求項7に規定する0.5mm≦D1、D2≦2.0mmのほぼ上限値であり、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が99、耐久性が100、合計点が199となっており、請求項7に規定する範囲外である実験例11、12よりも評価が高いものとなっている。
【0049】
実験例15は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、距離Lが0.05mmであり、請求項8に規定する0.1mm≦L≦0.7mmの範囲を下回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が98、耐久性が81、合計点が179となっており、操作性は良好であるものの、耐久性については実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0050】
実験例16は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、距離Lが0.8mmであり、請求項8に規定する0.1mm≦L≦0.7mmの範囲を上回っており、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が82、耐久性が98、合計点が180となっており、耐久性は良好であるものの、操作性については実験例1、2よりも評価が低いものとなっている。
【0051】
実験例17は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、距離Lが0.1mmであり、請求項8に規定する0.1mm≦L≦0.7mmの範囲の下限値であり、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が99、耐久性が99、合計点が198となっており、操作性、耐久性については請求項8に規定する範囲外である実験例15、16よりも評価が高いものとなっている。
【0052】
実験例18は、5つのパラメータ(ねじピッチP、接触面積S、肉厚D1、D2、距離L)のうち、距離Lが0.7mmであり、請求項8に規定する0.1mm≦L≦0.7mmの範囲の上限値であり、残りのパラメータは範囲内である。
したがって、操作性が90、耐久性が100、合計点が190となっており、操作性、耐久性については請求項8に規定する範囲外である実験例15、16よりも評価が高いものとなっている。
【0053】
以下、各評価項目について検討する。
(1)操作性
請求項3、8の双方の規定を満たす実験例1、2、5〜14、17、18は、操作性が90〜108であり、操作性が最も優れている。
請求項3、8の何れかの規定を満たさない実験例3、4、15、16は、操作性が82〜105であり、請求項3、8の双方の規定を満たす実験例よりも操作性の評価が低下している。
【0054】
(2)耐久性
請求項3、4、7、8の全ての規定を満たす実験例1、2、5、6、9、10、13、14、17、18は、耐久性が92〜100であり、耐久性が最も優れている。
請求項3、4、7、8の何れかの規定を満たさない実験例3、4、7、8、11、12、15、16は、耐久性が80〜90であり、請求項3、4、7、8の全ての規定を満たす実験例よりも耐久性の評価が低下している。
【0055】
(3)合計点
請求項3、4、7、8の全ての規定を満たす実験例1、2、5、6、9、10、13、14、17、18は、合計が190〜203であり、合計が最も優れている。
請求項3、4、7、8の何れかの規定を満たさない実験例3、4、7、8、11、12、15、16は、合計が179〜185であり、請求項3、4、7、8の全ての規定を満たす実験例よりも合計の評価が低下している。
【解決手段】内側部材40を時計回り方向に回転させる。内側部材40の回転により回転力伝達機構42を介し内側部材40と一体に外側部材38が回転し、時計回り方向への係合凸部48の回転が不能となる係合位置P1となる。さらに内側部材40を時計回り方向に回転させると、内側部材40のみが回転し、内側部材40は外側部材38の内部で結合孔50の軸心方向に移動する。内側部材40の先端5204が取り付け孔部14の底壁3410に当接し、内側部材40の回転により、係合凸部48をソール部22の壁部である仕切り壁36に圧接させ、ウェイト部材16は、取り付け孔部14からの取り外しが不能となるロック位置となる。