(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれ基板に実装され互いに嵌合されるプラグとソケットとからなる基板接続コネクタを使用し、前記プラグ又はソケットのいずれか一方に接続方向に向けたガイド溝を有する案内部を備え、他方に前記ガイド溝に嵌合される被案内体を備え、前記被案内体を前記ガイド溝の内側面部に案内させることにより、前記各プラグとソケットとが所定の位置で嵌合されるようにした基板接続構造において、
前記被案内体及び/又は前記案内部の相手側端面部に突設されるとともに、前記プラグとソケットとが嵌合された際に相手側の基板実装面より突出するように形成された誘導用突出部を備え、
該誘導用突出部に前記被案内体又はガイド溝開口縁部に形成された一方の誘導面部と互いに摺動可能な他方の誘導面部を設け、前記被案内体が前記ガイド溝内に誘導されるようにし、且つ、前記誘導用突出部と相手側の前記基板とが互いに干渉しないようにし、
前記案内部に前記ガイド溝と連通し、前記相手側実装面側に貫通した回避孔を備え、該回避孔を通して被案内体に突設された前記誘導用突出部が前記相手側基板実装面より突出するようにしたことを特徴としてなる基板接続コネクタを使用した基板接続構造。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る基板接続コネクタを使用した基板接続構造の第1の実施態様を
図1〜
図9に示した実施例に基づいて説明する。図中符号b1,b2はそれぞれ基板であって、例えば、基板b1はPCB、基板b2はFPCである。
【0017】
この基板対基板の接続には、基板接続コネクタ1が使用され、この基板接続コネクタ1を介して基板b1と基板b2とが接続されるようになっている。
【0018】
基板接続コネクタ1は、
図1に示すように、外側部に複数のプラグ側信号端子2,2...を配置させた突条状のプラグ部3,3を有するプラグ4と、プラグ部3,3が挿入されるプラグ挿入溝5,5の内側面部に複数のソケット側信号端子6,6...を配置させたソケット7とを備え、プラグ部3,3をプラグ挿入溝5,5内に嵌合させることによりプラグ側信号端子2,2...とソケット側信号端子6,6...とが接続され、この信号端子2,6を介してそれぞれプラグ4とソケット7を実装させた基板b1,b2同士が電気的に接続されるようになっている。
【0019】
尚、本実施例においては、プラグ部3の長手方向を長手方向、長手方向と水平方向で直交する方向を幅方向、プラグ4とソケット7が互いに対向する方向を接続方向として説明する。
【0020】
この基板接続コネクタ1は、ソケット7に接続方向に向けたガイド溝8を有する案内部9,9を設けるとともに、プラグ4にガイド溝8に嵌め込まれる被案内体10,10を設け、プラグ4とソケット7とを接続する際、被案内体10をガイド溝8の内側面部に案内させることにより、各プラグ部3,3が各プラグ挿入溝5,5の所定の位置で嵌合されるようになっている。
【0021】
プラグ4は、
図5に示すように、突条状のプラグ部3,3を有する絶縁樹脂製のプラグ本体11を備え、このプラグ本体11に複数のプラグ側信号端子2,2...がインサート成形により一体的に組み込まれている。
【0022】
プラグ本体11は、絶縁性合成樹脂により一体に形成され、平板状の本体基部12と、本体基部12の表面より突出した長手方向に延びる突条状のプラグ部3,3と、長手方向両端部に配置された被案内体10,10とを備え、本体基部12と両プラグ部3,3とをもってコ字状断面が長手方向に連続した形状を成すとともに、両プラグ部3,3とその両端に配置された被案内体10,10とで平面視矩形枠状を成している。
【0023】
被案内体10は、直方体状に形成され、そのソケット側端面部にソケット7(相手)側に膨出した形状の誘導傾斜部13を一体に有している。
【0024】
誘導傾斜部13は、ソケット側端面高さがプラグ部3,3のソケット側端面高さより高く、且つ、その周縁部に誘導用傾斜面13a,13bが形成された四角錐台状に形成されている。
【0025】
また、被案内体10の相手側端面部には、相手側端面に接続方向ソケット7側に向けて突設された誘導用突出部14が備えられている。
【0026】
誘導用突出部14は、絶縁性合成樹脂により被案内体10と一体に形成された突体基部15の表面部にインサート成形により金属製板材からなるプラグ用ホールドダウン材16が組み込まれることにより形成され、被案内体10とともに長手方向端面視で凸型状を成している。
【0027】
プラグ用ホールドダウン材16は、細長帯状の導電性金属板材を折り曲げることにより、円弧状の頂部を上に向けた逆U字状に形成され、このプラグ用ホールドダウン材16がその外側表面部を露出させた状態で突出基部15の表面部に組み込まれている。
【0028】
また、この誘導用突出部14の上端部には、後述するガイド溝8の開口縁部に形成された一方(案内部側)の長手方向用誘導面部と互いに摺動可能な他方(被案内体側)の長手方向用誘導面部17が形成されている。
【0029】
この長手方向用誘導面部17は、プラグ用ホールドダウン材16の表面部により構成され、上側に膨出した断面円弧状に形成されている。
【0030】
一方、突体基部15の上端部には、幅方向両端縁に接続方向内側に向けて傾斜した傾斜面18,18が形成され、当該傾斜面18,18が後述する一方(案内部側)の幅方向用誘導面部と互いに摺動可能な他方(被案内体側)の幅方向用誘導面部を構成している。
【0031】
更に、この誘導用突出部14の頂部位置、即ち、プラグ4の基板実装面4aより誘導用突出部14の頂点までの接続方向長さは、ソケット7の全高より高く形成され、プラグ4とソケット7とが嵌合された際、誘導用突出部14は、相手側基板実装面7a、即ち、ソケット7の下面7aより基板b2側に突出するようになっている。
【0032】
一方、ソケット7は、
図6に示すように、絶縁性樹脂材からなるソケット本体20と、複数のソケット側信号端子6,6...と、導電性金属材からなるソケット用ホールドダウン材21とを備え、ソケット本体20にソケット側信号端子6,6...及びソケット用ホールドダウン材21を組み込むことにより形成され、平板状の嵌合部22の両端側にガイド溝8を有する案内部9,9が配置されている。
【0033】
嵌合部22は、平板状の底板部23の幅方向両側縁より立ち上げた形状の側壁部24,24と、底板部23中央部に配置された中央凸部25とを備え、各側壁部24,24と中央凸部25との間にプラグ部3,3が挿入される凹溝状のプラグ挿入溝5,5が幅方向に間隔を置いた平行配置に形成されている。
【0034】
案内部9,9は、ソケット本体20の両端部に導電性金属板材からなるソケット用ホールドダウン材21を組み込むことにより形成され、嵌合部22の側壁部24と連続して配置され、互いに幅方向で対向する周壁部26,26と、長手方向端部に配置された端壁部27とを備え、両周壁部26,26、端壁部27及び嵌合部22端面に囲まれて接続方向に向けたガイド溝8が形成されている。
【0035】
端壁部27は、上端内側部に、長手方向内側下向きに傾斜した一方(案内部側)の長手方向用誘導面部28を備え、この長手方向用誘導面部28が他方(被案内体側)の長手方向用誘導面部17と互いに摺動することによりプラグ4の誘導用突出部14をガイド溝8の長手方向内側に誘導できるようになっている。
【0036】
長手方向用誘導面部28は、その下縁位置が嵌合部端面位置より低位置となるように形成され、ソケット7の全高を低く抑えつつ、長手方向で位置ずれ調整可能距離が長く確保されている。
【0037】
尚、端壁部27の内側面部には、その下端部に矩形切欠き状の係合凹部29が形成され、プラグ4とソケット7を嵌合させた際、この係合凹部29にプラグ用ホールドダウン材16表面に突出した係合突部30が係合することにより、ソケット7にプラグ4が固定されるようになっている。
【0038】
周壁部26,26は、幅方向内側下向きに傾斜した一方(案内部側)の幅方向用誘導面部31を備え、この幅方向用誘導面部31が他方(被案内体側)の幅方向誘導面部18と互いに摺動することによりプラグ4の誘導用突出部14をガイド溝8の幅方向内側に誘導できるようになっている。
【0039】
尚、各幅方向用誘導面部31,31は、長手方向用誘導面部28の幅方向両端部に配置され、長手方向用誘導面部28及び各幅方向用誘導面部31,31が平面視コ字状を成している。
【0040】
また、案内部9の底部には、ガイド溝8と接続方向で連通し、基板実装面7a側に貫通した回避孔32を備え、プラグ4とソケット7とを嵌合させた際、回避孔32を通して被案内体10に突設された誘導用突出部14がソケット側基板実装面7aより突出するようにしている。
【0041】
一方、ソケット7が実装される基板b2は、
図7に示すように、ソケット7の実装位置に合わせて誘導用突出部14が挿入される孔状又は切欠き状の回避切欠部33が設けられている。
【0042】
尚、図中符号34,34...は、基板b2の表面に形成された信号伝達パターン、符号35は固定用パターンであり、各信号伝達パターン34,34...に各ソケット側信号端子6,6...の接続端子部6aを半田付けし、固定用パターン42にソケット用ホールドダウン材21の周壁部分を半田付けすることにより所定の配置でソケット7が基板b2に実装されるようになっている。
【0043】
回避切欠部33は、基板b2の両側縁を凹状に切欠いた形状に形成され、ソケット7のガイド溝8及び回避孔32とコネクタ接続方向で連続するように形成され、プラグ4とソケット7とを嵌合させた際に回避孔32を通して実装面7aより突出した誘導用突出部14が基板b2に干渉しないようにしている。
【0044】
このように構成された基板接続コネクタ1では、プラグ4とソケット7との相対位置に水平方向でずれが生じている場合、誘導用突出部14をガイド溝8の内側面に案内させて被案内体10をガイド溝8の内側面部に誘導し、その被案内体10の外側面をガイド溝8の内側面に案内させることでプラグ4とソケット7とを互いに所定の位置で嵌合させるようになっている。
【0045】
即ち、
図8(a)に示すように、プラグ4とソケット7との位置に長手方向でずれが生じている場合にあっては、まず始めに誘導用突出部14の長手方向用誘導面部17が長手方向用誘導面部28と接触し、
図8(a)〜
図8(b)に示すように、両長手方向用誘導面部17,28が互いに摺動し誘導用突出部14をガイド溝8の長手方向内側に誘導する。
【0046】
そして、誘導用突出部14の長手方向外側面部をガイド溝8の内側面8a部に案内させることにより、被案内体10の外側面部がガイド溝8の長手方向内側に誘導され、更に、被案内体10の外側面部をガイド溝8の長手方向内側面8aに案内させることにより、プラグ4とソケット7とが所定の位置で嵌合され、回避孔32を通して被案内体10に突設された誘導用突出部14がソケット7の基板実装面7aより突出し、基板b2の回避切欠部33に挿入される。
【0047】
このように、基板接続コネクタ1を使用した基板接続構造では、一方(案内部側)の長手方向用誘導面部28をその下縁位置が嵌合部22端面位置より低位置となるように形成し、ソケット7の全高を低く抑えつつ、長手方向で位置ずれ調整可能距離を広い範囲で確保した場合であっても、被案内体10の相手側端面部に誘導用突出部14を突設したことで、他の部分が接触する前に常に誘導用突出部14がガイド溝8の長手方向内側面8a部に誘導され、且つ、誘導用突出部14がガイド溝8に案内されることで被案内体10がガイド溝8の内側面部に誘導されるので、プラグ4とソケット7とが確実に所定の位置で嵌合され、意図しない接触を防止することができる。
【0048】
一方、
図9(a)に示すように、プラグ4とソケット7との相対位置に幅方向でずれが生じている場合には、まず始めに誘導用突出部14の幅方向用の他方(被案内体側)の幅方向誘導面部18がソケット7の一方(案内部側)の幅方向用誘導面部31と接触し、
図9(a)〜
図9(b)に示すように、両幅方向用誘導面部18,31が互いに摺動し誘導用突出部14をガイド溝8の幅方向内側に誘導する。
【0049】
そして、誘導用突出部14の外側面部をガイド溝8の内側面8b部に案内させることにより、
図9(b)〜
図9(c)に示すように、被案内体10の誘導部13が幅方向用誘導面部31と接触し、幅方向用誘導面部31と誘導部13の幅方向傾斜面13aとが互いに摺動し被案内体10の外側面部をガイド溝8の幅方向内側に誘導する。
【0050】
更に、
図9(c)〜
図9(d)に示すように、被案内体10の外側面部をガイド溝8の幅方向内側面8b部に案内させることにより、プラグ4とソケット7とが所定の位置で嵌合され、回避孔32を通して被案内体10に突設された誘導用突出部14がソケット7の基板実装面7aより突出し、基板b2の回避切欠部33に挿入される。
【0051】
従って、この基板接続コネクタ1を使用した基板接続構造では、被案内体10に誘導用突出部14を突設させ、その誘導用突出部14の他方(被案内体側)の幅方向誘導面部18とガイド溝側の一方(案内部側)の幅方向用誘導面部31とを互いに摺動させて誘導可能としたことにより、その分位置ずれ調整可能距離を長く確保することができるようになっている。
【0052】
また、プラグ4とソケット7との相対位置が長手方向、幅方向の双方でずれが生じている場合には、上述の
図8、
図9で示した動作が複合的にされ、被案内体10をガイド溝8の内側に誘導するようになっている。
【0053】
一方、誘導用突出部14が相手側基板実装面7aより突出し、且つ、誘導用突出部14と相手側の基板b2とが互いに干渉しないようにしたことにより、誘導用突出部14を設けても接続時の両基板b1,b2間距離を低く抑えることができる。
【0054】
更には、ガイド溝8、回避孔32及び回避切欠部33を通して誘導用突出部14及び被案内体10の位置が目視で確認することができるので、基板b1と基板b2との接続作業を効率よく行うことができる。
【0055】
次に、本発明に係る基板接続コネクタを使用した基板接続構造の第2の実施態様について
図10〜
図17に示す実施例に基づいて説明する。尚、符号b3、b4は基板であって、例えば、基板b3はFPC、基板b4はPCBである。
【0056】
この基板接続構造は、それぞれ基板b3,b4に実装されたプラグ40及びソケット41からなる基板接続コネクタ42を使用し、この基板接続コネクタ42を介して基板b3と基板b4とが接続されるようになっている。
【0057】
プラグ40は、
図14に示すように、突条状のプラグ部43,43を有する絶縁樹脂製のプラグ本体44を備え、このプラグ本体44に複数のプラグ側信号端子45,45...がインサート成形により一体的に組み込まれている。
【0058】
プラグ本体44は、絶縁性合成樹脂により一体に形成され、平板状の本体基部46と、本体基部46の表面より突出した長手方向に延びる突条状のプラグ部43,43と、長手方向両端部に配置された被案内体47,47とを備え、本体基部46と両プラグ部43,43とをもってコ字状断面が長手方向に連続した形状を成すとともに、両プラグ部43,43とその両端に配置された被案内体47,47とで平面視矩形枠状を成している。
【0059】
被案内体47は、直方体状に形成され、そのソケット41側端面部にソケット41(相手)側に膨出した形状の誘導部48を一体に有している。
【0060】
誘導部48は、ソケット41側端面高さがプラグ部43,43のソケット41側端面高さより高く、且つ、その長手方向周縁部に傾斜面からなる一方(被案内体側)の長手方向用誘導面部48aが形成され、幅方向両側縁に傾斜面からなる一方(被案内体側)の幅方向用誘導面部48b,48bが形成された四角錐台状に形成されている。
【0061】
また、各誘導面部48a,48bの下縁高さは、
図14(b)に示すように、プラグ部43の頂部高さより低い位置に形成され、その分、プラグ40の全高を低く抑えつつ、誘導面部48a,48bの水平方向距離、即ち、位置ずれ調整可能距離が大きく確保されている。
【0062】
尚、図中符号49はプラグ用ホールドダウン材であって、インサート成形によりプラグ本体44に組み込まれている。
【0063】
このプラグ40が実装される基板b3は、その両側縁部にプラグ40の実装位置に合わせて後述する誘導用突出部が挿入される孔状又は切欠き状の回避切欠部50,50が設けられ、プラグ40が実装された際、各回避切欠部50,50よりプラグ40の両端部が露出し、その位置を目視で確認できるようになっている。
【0064】
一方、ソケット41は、
図15に示すように、絶縁性樹脂材からなるソケット本体60と、複数のソケット側信号端子61,61...と、導電性金属材からなるソケット用ホールドダウン材62とを備え、ソケット本体60にソケット側信号端子61,61...及びソケット用ホールドダウン材62を組み込むことにより形成され、平板状の嵌合部63の両端側にガイド溝64を有する案内部65,65が配置されている。
【0065】
嵌合部63は、平板状の底板部66の幅方向両側縁より立ち上げた形状の側壁部67,67と、底板部66中央部に配置された中央凸部68とを備え、各側壁部67,67と中央凸部68との間にプラグ部43,43が挿入される凹溝状のプラグ挿入溝69,69が幅方向に間隔を置いた平行配置に形成されている。
【0066】
案内部65,65は、ソケット本体60の両端部に導電性金属板材からなるソケット用ホールドダウン材62を組み込むことにより形成され、嵌合部63の側壁部67と連続して配置され、互いに幅方向で対向する周壁部70,70と、長手方向両端部に配置された端壁部71とを備え、両周壁部70,70、端壁部71及び嵌合部63端面に囲まれて接続方向に向けたガイド溝64が形成されている。
【0067】
また、案内部65の相手(プラグ40)側端面部には、接続方向プラグ側に向けて突設された誘導用突出部80が備えられている。
【0068】
この誘導用突出部80は、端壁部71から周壁部70,70に跨った配置に突設され、誘導用突出部80の頂部位置、即ち、ソケット41の基板実装面41aより誘導用突出部80の頂点までの鉛直方向距離は、プラグ40の全高より高く形成され、プラグ40とソケット41とが嵌合された際、誘導用突出部80がプラグ40の長手方向両端外側を通して相手側基板実装面40a、即ち、プラグ40の下面40aより基板b3側に突出するようになっている。
【0069】
この誘導用突出部80には、内側面部にガイド溝64と連続した配置に他方(案内部側)の長手方向用誘導面部81及び他方(案内部側)の幅方向用誘導面部82,82が設けられ、この他方(案内部側)の長手方向用誘導面部81が一方(被案内体側)の長手方向用誘導面部48aと互いに摺動し、他方(案内部側)の幅方向用誘導面部82,82が一方(被案内体側)の幅方向用誘導面部48b,48bと互いに摺動することにより、被案内体47がガイド溝64内に誘導されるようになっている。
【0070】
長手方向用誘導面部81は、長手方向内側下向きに傾斜した形状に形成され、その下縁より鉛直下向きにガイド溝64の長手方向内側面64a部が連続するように形成されている。
【0071】
幅方向用誘導面部82,82は、互いに幅方向内側下向きに傾斜した形状に形成され、長手方向用誘導面部81の両端部に配置され、長手方向用誘導面部81と両幅方向用誘導面部82,82とが平面視コ字状を成している。
【0072】
尚、端壁部71の内側面部には、その下端部に矩形切欠き状の係合凹部83が形成され、プラグ40とソケット41を嵌合させた際、この係合凹部83にプラグ用ホールドダウン材49表面に突出した係合突部84が係合することにより、ソケット41にプラグ40が固定されるようになっている。
【0073】
このように構成された基板接続コネクタ42では、プラグ40とソケット41との相対位置に水平方向でずれが生じている場合、誘導用突出部80に被案内体47を案内させて被案内体47をガイド溝64の内側に誘導し、その被案内体47の外側面をガイド溝64の内側面に案内させることでプラグ40とソケット41とを互いに所定の位置で嵌合させるようになっている。
【0074】
即ち、
図16(a)に示すように、プラグ40とソケット41との位置に長手方向でずれが生じている場合にあっては、まず始めに被案内体47の一方の長手方向用誘導面部48aが誘導用突出部80の他方の長手方向用誘導面部81と接触し、
図16(a)〜
図16(b)に示すように、両長手方向用誘導面部48a,81が互いに摺動し被案内体47をガイド溝64の長手方向内側に誘導する。
【0075】
そして、被案内体47の外側面部をガイド溝64の長手方向内側面64aに案内させることにより、プラグ40とソケット41とが所定の位置で嵌合され、プラグ40の長手方向両端外側を通してプラグ40の基板実装面40aより基板b3側に突出する。
【0076】
その際、基板b3に回避用切欠部50,50を設けたことにより、誘導用突出部80と基板b3とが互いに干渉しないようになっている。
【0077】
一方、
図17(a)に示すように、プラグ40とソケット41との位置に幅方向でずれが生じている場合には、まず始めに被案内体47の幅方向用誘導面部48bが誘導用突出部80の幅方向用誘導面部82,82と接触し、
図17(a)〜
図17(b)に示すように、両誘導面部48b,82が互いに摺動し被案内体47をガイド溝64の幅方向内側に誘導する。
【0078】
そして、
図17(b)〜
図17(c)に示すように、被案内体47の外側面部を幅方向ガイド溝64の内側面64b部に案内させることにより、プラグ40とソケット41とが所定の位置で嵌合され、誘導用突出部80がプラグ40の長手方向両端外側を通して基板実装面40aより突出する。
【0079】
その際、基板b3に回避用切欠部50,50を設けたことにより、誘導用突出部80,80と基板b2とが互いに干渉しないようになっている。
【0080】
また、プラグ40とソケット41との相対位置に長手方向、幅方向の双方でずれが生じている場合には、上述の
図16、
図17で示した動作が複合的にされ、被案内体47をガイド溝64の内側に誘導するようになっている。
【0081】
このように構成された基板接続コネクタ42を使用した基板接続構造では、一方の誘導面部48a,48bをその下縁位置がプラグ部43の端面位置より低位置となるように形成し、プラグ40の全高を低く抑えつつ、位置ずれ調整可能距離を広い範囲で確保した場合であっても、案内部65の相手側端面部に誘導用突出部80を突設したことで、他の部分が接触する前に被案内体47が常に誘導用突出部80によってガイド溝64の内側に誘導され、意図せぬプラグ40とソケット41との接触を防止することができる。
【0082】
一方、誘導用突出部80が相手側基板実装面40aより突出し、且つ、誘導用突出部80と相手側の基板b3とが互いに干渉しないようにしたことにより、接続時の基板対基板距離を抑えることができる。
【0083】
更には、基板b3の両側部を通して両誘導用突出部80,30及びプラグ40の位置が目視で確認することができるので、両基板b3,b4の接続を効率よく行うことができる。
【0084】
尚、上述の実施例では、基板b2,b3に凹状の回避切欠部を設けることにより誘導用突出部と相手側基板との干渉を回避するようにした例について説明したが、誘導用突出部と相手側基板との干渉回避の態様は上述の実施例に拘泥されず、例えば、回避切欠部を孔状に形成したものであってもよく、また、基板b2、b3の幅を両誘導用突出部間距離よりも短く形成し、誘導用突出部が基板b2、b3の側縁部外側に突出するようにしたものであってもよい。
【0085】
また、上述の実施例では、プラグ4、40及びソケット7、41の構造は、上述の実施例に限定されず、例えば、プラグ部3、43が一のみである構造であってもよく、プラグ部が3以上の複数であってもよい。
【0086】
また、上述の実施例では、プラグに被案内体を設け、ソケットに案内部を設けた例について説明したが、構造によっては、プラグに案内部を設け、ソケットに被案内体を設けるようにしてもよい。