【文献】
A.Baier and H.Panzer,“Multi−rate DS−CDMAradio interface for third−genetation celluar systems”,Mobile and Personal Communications,1993,Seventh IEE European Conference,1993年12月13−15日,pp.255−260
【文献】
Chih−Lin and Richard D.Gitlin,“Multi−Code CDMA Wireless Personal Communications Networks”,Communications,1995.ICC ’95 Seattle,Gateway to Globalization,1995 IEEE International Conference,1995年6月18−22日,Vol.2,pp.1060−1064
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、無線リンク161乃至165はアップリンクおよびダウンリンク両方向の送信モードとして広帯域符号分割多元接続(B−CDMA)を組み入れる。多元接続システムに用いられるCDMA(スペクトラム拡散帯域としても知られる)通信技術は周知である。この明細書に述べるシステムは、直接系列(DS)拡散技術を用いている。
モデムの各々において、一つ以上のCDMA変調器は、スペクトラム拡散符号系列を発生する動作を行う。また、それらモデムは例えば擬似雑音(PN)スペクトラム拡散符号系列を発生し、直交位相偏移変調(QPSK)信号を同相(I)チャネルおよび直交位相(Q)チャネルに生ずるように複素DS変調する動作を行う。パイロット信号を発生し変調信号とともに送信する。本実施例のこれらパイロット信号はデータによる変調を受けない拡散符号である。パイロット信号は、システム同期、搬送波位相再生、および無線チャネルのインパルス応答の評価に用いられる。各SUは、単一のパイロット発生器と、少なくとも一つのCDMA変調器および復調器、すなわちCDMAモデムとを有する。各RCS104、105、110は単一のパイロット発生器と、すべてのSUが使うすべての論理チャネルに十分なCDMA変調器および復調器とを有する。
【0017】
CDMA復調器はマルチパス伝搬効果の解消または利用に適切な処理で信号を逆拡散する。受信電力レベルに関するパラメータを用いて自動電力制御(APC)情報を発生し、この情報を通信リンクの他端に(すなわちSUからRCSへ、またはRCSからSUへ)送信する。APC情報は順方向電力自動制御(AFPC)リンクおよび逆方向電力自動制御(ARPC)リンクの送信電力を制御するのに用いる。さらに、各RCS104、105、110は、APCと同様に保守電力制御(MPC)を実行して各SU111、112、115、117、118の初期送信電力を調整することができる。
【0018】
CDMAは拡散帯域幅により周波数ダイバーシティをもともと伴っているのでRCS104、105および110のアンテナにおけるダイバーシティ合成は不要である。しかし、受信機はマルチパス信号を合成する適応整合フィルタ(AMF)(
図1には示してない)を備えることができる。この実施例においては、AMFは最大比合成を行う。
【0019】
[論理通信チャネル]
従来の「チャネル」はインタフェースの一部であり内容に関係なくそのインタフェースのそれ以外の経路と区別できる通信経路と通常見なされる。しかし、CDMAの場合は互いに別々の通信経路はその内容だけによって互いに区別される。「論理チャネル」という用語は互いに別々のデータストリームを区別するために用いられ、論理的には従来の意味でのチャネルと等価である。本発明における論理チャネルおよびサブチャネルはすべて通常の毎秒64キロシンボル(ksym/s)のQPSKストリームにマップされる。いくつかのチャネルは、システムのグローバルパイロット符号(GPC)と同様に発生しそれと同じ機能をもたらす関連のパイロット符号と同期している。しかし、システムパイロット信号は論理チャネルとはみなされない。
【0020】
いくつかの論理通信チャネルをRCSとSUとの間のRF通信リンク上で用いる。各論理通信チャネルは、固定の予め定めた拡散符号または動的に割り当てられた拡散符号を有する。予め定めた符号の場合も割当て符号の場合も符号位相はパイロット符号と同期している。論理通信チャネルは二つの群に分けられ、グローバルチャネル(GC)群は基地局RCSから遠隔SUすべてに、または任意のSUからその区別に関係なく基地局RCSに送信される。これらのチャネルはメッセージ通信チャネルにアクセスするためにSUが用いるチャネルなど全利用者用の情報を含み得る。割当てチャネル(AC)群の中のチャネルはRCSと特定のSUとの間の通信専用のチャネルである。
【0021】
グローバルチャネル(GC)群は、(1)全SUへの一斉通報メッセージおよびSUへの呼出メッセージを一斉通報する1地点・多地点間通信サービスを提供する一斉通報制御論理チャネル、および(2)SUがシステムにアクセスし割当てチャネルを得るようにグローバルチャネル上に2地点間通信サービスを提供するアクセス制御論理チャネルを形成する。
【0022】
割当てチャネル(AC)群はRCSとSUとの間の単一の通信接続を制御する論理チャネルを含む。AC群形成時に生じる機能はアップリンク接続およびダウンリンク接続の各々について一対の電力制御論理メッセージチャネルを含み、接続の種類に応じて一つ以上の対のトラフィックチャネルを含む。ベアラ制御機能は所要の順方向誤り制御およびベアラ速度変換を行い、暗号化を行う。BC群およびAC群を構成する論理チャネルを表1にまとめてある。
【0024】
APCデータ速度は64kb/sである。APC論理チャネルは遅延を避けるためにFEC符号化せず、APC用の容量を最小にするために比較的低い電力レベルで送信する。代替的にAPCおよびオーダワイヤ(OW)データを複素拡散符号系列を用いて別々に変調することもでき、また16kb/sトラフィックチャネルと時分割多重化することもできる。
【0025】
[拡散符号]
本発明の論理チャネルの符号化に用いるCDMA符号発生器は、この技術分野では周知のとおり、フィードバック論理付きの線形シフトレジスタ(LSR)を用いる。本発明のこの実施例の符号発生器は、64の同期固有系列を発生する。各RF通信チャネルは論理チャネルの複素拡散(同相および直交位相)のためにこれら系列の一対を用い、したがって発生器は32の複素拡散系列を生ずる。系列はシフトレジスタ回路に最初にロードされる一つのシードによって発生される。
【0026】
[拡散符号系列の発生およびシード選択]
本発明の拡散符号周期は、シンボル接続時間の整数倍として定義され、符号周期の始点はシンボルの始点でもある。本発明の実施例に選ばれた帯域幅とシンボル長との関係は次のとおりである。
【0028】
拡散符号長もISDNフレームサポートのために64および96の倍数である。拡散符号はチップまたはチップ値と呼ばれるシンボル系列である。ガロア体数学を用いた擬似ランダム系列の一般の発生方法は当業者には周知であるが、本発明の発明者は符号系列の特有の組または群を誘導した。まず、符号系列発生用の線形帰還シフトレジスタの長さを選び、レジスタの初期値を「シード」と呼ぶ。次に、符号シードにより発生した符号系列が同一の符号シードにより発生した別の符号系列の循環シフトとなり得ないように制約を加える。最後に、一つのシードから発生した符号系列が別のシードにより発生した符号系列の循環シフトとなり得ないようにする。
【0029】
本発明の発明者はチップ値の拡散符号長を以下のとおりに算定した。
128×233415=29877120 (1)
拡散符号は周期233415の線形系列と周期128の非線形系列とを合成することによって発生する。
【0030】
長さ128の非線形系列は、帰還接続付きのシフトレジスタにロードされる固定系列として実働化、すなわち具体化される。固定系列は、当該分野で周知のとおり、一つの余分の論理0、1またはランダム値を埋め込んだ長さ127のm−系列によって発生できる。
【0031】
長さL=233415の線形系列は、36段線形帰還シフトレジスタ(LFSR)回路で発生する。帰還接続は、36次既約多項式h(n)に対応する。本発明の実施例に選んだ多項式h(x)は、
h(x)=x
36+x
35+x
30+x
28+x
26+x
25+x
22+x
20+x
19+x
17
+x
16+x
15+x
14+x
12+x
11+x
9+x
8+x
4+x
3+x
2+1
(2)
である。
【0032】
互いにほぼ直交する符号系列を発生させる(2)の多項式h(x)を表すLFSRの「シード」値群を算定する。シード値の第1の要件は、シード値が互いに他方の循環シフトに過ぎない二つの符号系列を発生させないことである。
【0033】
本発明は、前に判定された符号系列の特定の循環シフトを同時に使用し得ることを認めることによって、CDMA通信システムに利用可能なシードの数を増やす方法を含む。本発明のセルサイズおよび帯域幅に対する往復伝搬遅延は、3000チップを下回る。本発明の一つの実施例では、系列の十分に間隔を隔てた循環シフトは、符号系列の判定を試みる受信機に曖昧さを引き起こすことなく、同一のセル内で使用できる。この方法は使用可能な系列の組を拡大する。
【0034】
前述の試験を実働化、すなわち実施することにより、合計3879の一次シードを数値計算により算定した。これらのシードは数学的に、
d
nモジュロh(x) (3)
で与えられる。nの値を、インクリメント値d=(00,・・・00111)について付録に挙げた。付録に示したnの値と式(2)のh(x)からシードを式(3)により算定できる。
【0035】
すべての一次シードが既知である場合は、4095チップモジュロh(x)の倍数をシフトすることにより、一次シードからすべての二次シードを誘導する。一群のシード値を算定すると、それらの値をメモリに格納し必要に応じて論理チャネルに割り当てる。割り当てられると、初期シード値はそのシード値に関連する所要の拡散符号系列を生成するようにLFSRにロードされるだけである。
【0036】
[エポック構成およびサブエポック構成]
本発明のシステムで用いる長複素拡散符号は符号反復に相続く一定数のチップを有する。拡散符号系列の反復周期をエポックと呼ぶ。論理チャネルをCDMA拡散符号にマッピングするために、本発明はエポック構成およびサブエポック構成を用いる。CDMA拡散符号が論理チャネルを変調する符号周期は29877120チップ/符号周期であり、これはすべての帯域幅に対して同じチップ数である。符号周期が本発明のエポックであり、表3はサポートされたチップ速度に対するエポック持続時間を定義している。また、拡散符号エポックに対し二つのサブエポックを定義し、それらの長さはそれぞれ233415チップおよび128チップである。
【0037】
長さ233415チップのサブエポックは長サブエポックと呼ばれ、暗号化鍵切替やグローバル符号から割当て符号への変更などのRF通信インタフェースでのイベントの同期化に使われる。長さ128チップの短エポックは、付加的タイミング基準として使用するために定義する。単一のCDMA符号で使われるシンボル周波数最大値は64ksym/sである。サポートするシンボル速度64、32、16および8ksym/sについて、シンボル持続時間内のチップ数は常に整数である。
【0039】
従来技術の巡回系列は、線形帰還シフトレジスタ(LFSR)回路を用いて生成される。しかし、この方法は均一な長さの系列を発生しない。すでに発生ずみの符号シードを用いる拡散符号系列発生器の一つの実施例を
図2a、
図2bおよび
図2cに示す。この実施例のシステムは36段LFSR201を用いて周期 N'=233415=3
3×5×7×13×19の系列を生成する。この系列は
図2aではC
0である。
図2a、
図2bおよび
図2cにおいて符号
【0041】
は二進法の加算(排他的論理和)を表す。上述のとおり設計された系列発生器は複素系列組の同相部分および直交位相部分を発生する。36段LFSRのタップ接続および初期状態がこの回路の発生する系列を決定する。36段LFSRのタップ係数は系列の周期が233415になるように定める。なお、
図2aに示すタップ接続は式(2)で与えられる多項式に対応する。次に、得られた系列の各々を長さ128の系列C
0との二進法加算によってオーバーレイし、エポック周期29877120を得る。
【0042】
図2bは符号発生器で用いるフィードフォワード(FF)回路202を示す。信号x(n−1)はチップ遅延211の出力であり、チップ遅延211の入力はx(n)である。
符号チップc(n)は入力x(n)およびx(n−1)から論理加算器212によって形成される。
図2cは、拡散符号発生器全体を示す。LFSR201からは出力信号が図示のとおり縦続接続された63個までの単一段FF203のチェーンを通過する。各FFの出力は周期128=2
Tの短い偶数符号系列C
*にオーバーレイされる。この短い符号系列C
*は符号メモリ222内に格納され、FF203の供給する系列との合成時にエポックN=29877120を生ずるように擬似ランダム系列のスペクトラム特性を示す。この128の系列は、長さ127=2
7−1のm系列(PN系列)を用い、この系列に論理0など一つのビット値を付加して長さを128チップに増やすことによって決定される。
偶数符号系列C
*は連続して系列を出力する巡回レジスタである偶数符号シフトレジスタ221に入力される。次に、短系列は排他的論理和演算213、214、220を用いて長系列とに合成される。
【0043】
図2cに示すとおり、63個までの拡散符号系列C0−C63を、FF203の出力信号をタップして例えば二進法加算器213、214および220で短系列C*を論理加算することによって発生する。当業者には明らかなとおりFF203の実働化によりチェーン内の各FF段で生ずる符号系列に対して累積遅延効果が生じる。この遅延は、実働化における電子部品に非零の電気遅延が生じすることによる。この遅延に伴うタイミングの問題は、FFチェーンに追加の遅延要素を挿入することにより緩和することができる。FFチェーンの例に付加遅延素子を加えたものを
図2dに示す。
【0044】
この実施例のシステムにおける符号発生器はグローバル符号または割当て符号のいずれかを発生するように構成される。グローバル符号は、システムの全利用者が受信または送信できるCDMA符号である。割当て符号は特定の接続に割り当てられるCDMA符号である。系列組が上述のものと同じ発生器から発生される場合は、36段LFSRのシードのみを系列群の発生のために特定する。すべてのグローバル符号のための系列は、同じLFSR回路を用いて生成される。したがって、SUはRCSからのグローバルパイロット信号に同期してグローバルチャネル符号のためのLFSR回路のシードを把握すると、パイロット系列だけではなくRCS用の他のグローバル符号すべてを生成することができる。上述のとおり、この符号系列発生器は回路構成の複雑化を伴うことなく、多様な符号系列を柔軟に発生することができる。
【0045】
RFにアップコンバートされる信号は次のとおり生成する。上記のシフトレジスタ回路で生じた拡散系列を正反対の系列に変換する(0は+1にマッピングし、1は−1にマッピングする)。論理チャネルをまずQPSK信号に変換し、これを当該分野では周知のコンステレーション点にマッピングする。各QPSK信号の同相チャネルおよび直交位相チャネルが複素データ値の実部および虚部をそれぞれ形成する。同様に、二つの拡散符号を複素拡散チップ値の形成に用いる。複素データおよび複素拡散符号を乗算してスペクトラム拡散ずみのデータ信号を生ずる。同様に、逆拡散のために、受信複素データと複素拡散符号の共役値との相関をとりデータ信号を再生する。
【0046】
[短符号]
短符号は、SUがRCSにアクセスするとき初期立上りプロセスで使用される。短符号の周期はシンボル持続時間に等しく、各周期の始点はシンボルの境界と一致させてある。
SUおよびRCSはそのセルのためのグローバル符号を発生する系列発生器の最後の8個のフィードフォワード(FF)部から短符号の実部および虚部を導き出す。
【0047】
これらの短符号によって表される信号は短アクセスチャネルパイロット(SAXPT)として知られる。
【0048】
[論理チャネルの拡散符号へのマッピング]
拡散符号系列とCDMA論理チャネルおよびパイロット信号との間の正確な関係を表3aおよび表3bに示す。「−CH」で終わる信号名は論理チャネルに対応する。「−PT」で終わる信号名はパイロット信号に対応し、それらについてはあとで詳述する。
【0051】
[パイロット信号]
上述のとおり、パイロット信号は同期化、搬送波位相の再生および無線チャネルのインパルス応答の評価に用いる。RCS104は順方向リンクパイロット搬送波基準を複素パイロット符号系列として送信し、そのサービスエリア内のSU111、112、115、117および118すべてに時間基準および位相基準を提供する。グローバルパイロット(GLPT)信号の電力レベルをセルサイズで定まるRCSサービスエリア全体にわたる十分な到達範囲をもたらすように設定する。順方向リンクにパイロット信号一つだけを用いると、パイロットエネルギーによるシステム容量の低下は無視できる。
【0052】
SU111、112、115、117および118の各々はパイロット搬送波基準を直交変調ずみの(複素値からなる)パイロット拡散符号系列として送信し、逆方向リンク用のRCSに時間基準および位相基準を提供する。本発明の一つの実施例のSUによって送信されるパイロット信号は、32kb/sのPOTS(従来型電話サービス)トラフィックチャネルの電力よりも6dBだけ低い。逆方向パイロットチャネルはAPCに依存する。特定の接続に関連する逆方向リンクパイロットは割当てパイロット(ASPT)と呼ばれる。
また、アクセスチャネルに関連するパイロット信号がある。これらは長アクセスチャネルパイロット(LAXPT)と呼ばれる。短アクセスチャネルパイロット(SAXPT)もアクセスチャネルに関連し、拡散符号捕捉および初期電力立上りに使用される。
【0053】
パイロット信号は次に定義するとおりすべて複素符号から形成される。
【0057】
との乗算により逆拡散される。これに対してトラフィックチャネルは次の形をとる。
【0059】
すなわち、パイロット信号コンステレーションに対してπ/4ラジアンを成すコンステレーションを形成する形を有する。
【0060】
GLPTコンステレーションを
図3aに、TRCH0トラフィックチャネルコンステレーションを
図3bに示す。
【0061】
[FBCH、SBCHおよびトラフィックチャネルの論理チャネル割当て]
高速一斉通報チャネル(FBCH)はサービスおよびアクセスチャネル(AXCH)の利用可能性に関する動的情報の一斉通報に使われるグローバル順方向リンクチャネルである。メッセージを連続的に送り、各メッセージは約1ms継続する。FBCHメッセージは16ビット長であり、連続して反復され、エポックと整合している。FBCHは表4に定義するとおりフォーマットしてある。
【0063】
FBCHについてはビット0をまず送信する。トラフィック信号灯はアクセスチャネル(AXCH)に対応し、特定のアクセスチャネルが現在使用中(赤)または使用中でない(緑)ことを示す論理機能である。すなわち、論理「1」がトラフィック信号灯の緑を表し、論理「0」がトラフィック信号灯の赤を表す。トラフィック信号灯ビット値は8ビットごとに変化し、各16ビットメッセージがAXCHに利用可能なサービスの種類を示す個別のサービス表示ビットを含む。
【0064】
本発明の一つの実施例はサービスまたはAXCHの利用可能性を示すように次のとおりサービス表示ビットを用いる。サービス表示ビット{4、5、6、7、12、13、14、15}はビット4を最上位ビットとしビット15を最下位ビットとする符号なしの二進法数値と解釈する。各サービス種類に伴う増分は、所要容量の関連名目測定基準を有し、FBCHは利用可能な容量を連続的に一斉通報する。これをできるだけ大きい単一サービス増分に等価な最大値をもつような大きさに定める。SUが新しいサービスまたはベアラ数の増大を必要とするときは、所要容量をFBCHの示す容量と比較し、その容量が利用可能でないときは阻止されていると判断する。FBCHもトラフィックチャネルも上述のとおり拡散符号系列の繰返し周期(エポック)と関連づけられており、時間軸上の整合性を保っている。
【0065】
低速一斉通報情報フレームはすべてのSUに利用可能なシステム情報またはそれ以外の一般的な情報を含み、個別呼出情報フレームは特定のSUに対する呼要求についての情報を含む。低速一斉通報情報フレームおよび個別呼出情報フレームは低速一斉通報チャネル(SBCH)を形成する単一の論理チャネルに併せて多重化される。すでに定義したとおり、符号エポックは次の表5で定義したチップ速度の関数であるエポック持続時間を有する2987720チップの系列である。電力節約を容易にするためにチャネルをN個の「スリープ」サイクルに分割し、各サイクルをM個のスロットに再分割する。スロット長は18msのスロットを有する10.5MHz帯域幅の場合を除き19msである。
【0067】
スリープサイクルスロット#1は常に低速一斉通報情報に使われる。スロット#2乃至#M-1は延長低速一斉通報情報の挿入がなければ個別呼出群に使われる。また、スロット#0(またはスロット#M)は個別の通話または同期保持に使われる。本発明の一つの実施例ではサイクルおよびスロットのパターンは16kb/sで連続する。
【0068】
各スリープサイクル内でSUは受信機に電源投入してパイロット符号を再捕捉し、満足すべき復調およびViterbi復号化のために十分な精度で搬送波ロックを達成する。この設定時間は、長さ3スロットまでに達しよう。例えばスロット#7に割り当てられたSUはスロット#4の始点で受信機に電源投入する。SUはそのスロットの監視を行ったのち個別呼出アドレスを認識してアクセス要求を開始するか、または個別呼出アドレスを認識しない状態に留まる。後者の場合は、SUはスリープモードに戻る。
【0069】
[マルチパスチャネルにおける拡散符号トラッキングおよびAMF検出]
[拡散符号トラッキング]
マルチパスフェーディング環境で受信マルチパススペクトラム拡散信号の符号位相をトラッキングする三つのCDMA拡散符号トラッキング方法について述べる。第1の方法は出力信号最大値を有する検出器の拡散符号位相をトラッキングするだけの従来技術のトラッキング回路を用い、第2の方法はマルチパス信号群の符号位相の中間値をトラッキングするトラッキング回路を用い、この発明の第3の方法はマルチパス信号成分の最適化した最小二乗加重平均の符号位相をトラッキングする重心トラッキング回路である。受信CDMA信号の拡散符号位相をトラッキングするアルゴリズムについて次に述べる。
【0070】
トラッキング回路は時間誤差と拡散位相トラッキング回路の電圧制御発振器(VCO)を駆動する制御電圧との間の関係を表す動作特性を有する。正のタイミング誤差があるときは、この実施例のトラッキング回路はタイミング誤差を打ち消す負の制御電圧を発生する。負のタイミング誤差があるときは、この実施例のトラッキング回路はタイミング誤差を打ち消す正の制御電圧を発生する。トラッキング回路が零値を発生するときは、この値は「ロック点」と呼ばれる完全な時間整合に対応する。
図3cは基本的なトラッキング回路を示す。受信信号r(t)は整合フィルタ301に加えられ、このフィルタはr(t)と符号発生器303の発生するローカル符号系列c(t)との相関をとる。整合フィルタの出力信号x(t)をサンプリング回路302でサンプリングし、サンプルx(nT)およびx(nT+T/2)を生成する。サンプルx(nT)およびx(nT+T/2)は、符号発生器303の拡散符号c(t)の位相が正確か否かを判定するためにトラッキング回路304が用いる。トラッキング回路304は誤差信号e(t)を符号発生器303への入力として生成する。符号発生器303はこの信号e(t)を入力信号として用いて、自らの発生する符号位相を調節する。
【0071】
CDMAシステムでは基準の利用者が送信する信号は次のような低域通過表示で書き込まれる。
【0073】
ここで、ckは拡散符号係数を表し、PTc(t)は拡散符号チップ波形を表し、Tcはチップ持続時間を表す。基準利用者がデータを送信しておらず、拡散符号のみで搬送波が変調されると仮定する。
図3に示すとおり受信信号は次のとおり表される。
【0075】
ここで、aiはi番目の経路上のマルチパスチャネルのフェーディング効果に応じて変化し、τiは同じ経路に関連するランダム時間遅延である。受信機は受信信号を整合フィルタ、すなわち相関受信機として実働化される整合フィルタを通す。これについて次に述べる。この動作は2つの過程で行われる。まず、信号をチップ整合フィルタに通してサンプリングし、拡散符号チップ値を再生する。次に、このチップ系列とローカルに発生した符号系列との相関をとる。
【0076】
図3cは、チップ波形PTc(t)に整合したチップ整合フィルタ301およびサンプリング回路302を示す。チップ整合フィルタの出力端子での信号x(t)は次の式で表される。
【0078】
ここで、
g(t)=PTc(t)
*hR(t) (7)
である。ここで、hR(t)はチップ整合フィルタのインパルス応答であり、
(*)は畳込みを表す。加算の順序は次のとおり書き直すことができる。
【0082】
上述のマルチパスチャネルでは、サンプリング回路は整合フィルタの出力信号をサンプリングして、g(t)の最大電力レベル点でx(nT)を生成する。しかし、実際には波形g(t)はマルチパス信号受信の影響により激しく歪むので、信号の完全な時間整合は得られない。
【0083】
チャネル内のマルチパス歪みが無視でき、タイミングの完全な評価が可能である場合、すなわちai=1、τi=0およびai=0、i=2、・・・、Mである場合は受信信号はr(t)=s(t)である。このとき、この理想的なチャネルモデルではチップ整合フィルタの出力は次のとおりとなる。
【0085】
しかし、マルチパスフェーディングがあるときは、受信拡散符号チップ値波形は歪み、チャネル特性に依存してサンプリング間隔をいろいろな値に変動させ得る多くの局部的最大値を持つ。
【0086】
チャネル特性が迅速に変化するマルチパスフェーディングチャネルでは、チップ周期間隔で波形f(t)の最大値の位置特定を行うことは実際的でない。代わりに、迅速には変化しないf(t)の特性から時間基準を得ることができる。三つのトラッキング方法をf(t)の互いに異なる特性に基づいて次に述べる。
【0087】
[従来技術の拡散符号トラッキング方法]
従来技術のトラッキング方法は、受信機がチップ波形の整合フィルタ出力の最大値の生じるタイミングを判定して信号を適切にサンプリングしようと試みる符号トラッキング回路を含む。しかし、マルチパスフェーディングチャネルでは、受信機の逆拡散符号波形はとくに移動通信環境で多くの局部的最大値をもち得る。f(t)がチャネルインパルス応答で畳み込まれた拡散符号チップの受信信号波形を表すものとすると、f(t)の形およびこの特性の最大値の生ずる点は迅速に変化し得るので、f(t)の最大値をトラッキングするのは実際的でなくなる。
【0088】
τをトラッキング回路が特定のサンプリング間隔期間中に計算した時間見積値であると定義する。また、次の誤差関数、すなわち
【0091】
従来技術のトラッキング回路は、誤差εを最小にする入力信号の値を計算する。これらは次の式、すなわち
【0094】
f(τ)が所定の値において円滑な形状を備えるものとすると、f(τ)を最大にするτの値が誤差εを最小にし、これによりトラッキング回路はf(τ)の最大点をトラッキングする。
【0095】
[中央加重値トラッキング方法]
本発明の一つの実施例の中央値加重トラッキング方法は、次の式で定義される絶対加重誤差を最小にする、すなわち
【0097】
このトラッキング方法は、すべての経路から情報を集めることによってf(t)の「中央」信号値を計算する。ここでf(τ)は式(9)で表されるとおりである。マルチパスフェーディング環境では、波形f(t)は多数の局部的最大値をもち得るが、中央値は1つだけである。
【0098】
εを最小にするためには、τについて式(13)の導関数を求め、結果を零に等しくする。これは次の式で表される。
【0100】
式(14)を満足するτの値をf(t)の「中央値」と呼ぶ。したがって、この実施例の中央値トラッキング方法はf(t)の中央値をトラッキングする。
図4は上に定義した絶対加重誤差の最小化に基づいたトラッキング回路の実働化を示す。信号x(t)およびこれを1/2チップずらした信号x(t+T/2)を速度1/TでA/D401によりサンプリングする。以下の等式は
図4の回路の動作特性を決定する。
【0102】
マルチパス信号群の中央値をトラッキングすることにより、マルチパス信号成分の受信エネルギーをローカルに発生された正確な拡散符号位相cnの中央値の進相側および遅相側で等しく保つ。トラッキング回路は入力信号x(t)をサンプリングするA/D401からなり、半チップずれサンプルを形成する。半チップずれサンプルは、進相サンプル組x(nT+τ)と呼ばれる偶数サンプルと、遅相サンプル組x(nT+(T/2)+τ)と呼ばれる奇数サンプルとに二者択一的にグループ分けされる。第1の相関バンク適応整合フィルタ402は各進相サンプルに拡散符号位相c(n+1)、c(n+2)、・・・、c(n+L)を乗算する。ここで、Lは符号長に比べると小さく、最も位相の進んだマルチパス信号と最も位相の遅れたマルチパス信号との間の遅延のチップ数にほぼ等しい。
【0103】
各相関器の出力をそれぞれの第1の加算/ダンプバンク404に加える。L個の加算/ダンプの出力値の大きさを計算器406で計算し、次に加算器408で加算して、進相マルチパス信号の信号エネルギーに比例した出力値を生ずる。同様に、第2の相関バンク適応整合フィルタ403が符号位相c(n−1)、c(n−2)、・・・、c(n−L)を用いて遅相サンプルに作用し、各出力信号を積分器405の中のそれぞれの加算/ダンプ回路に加える。L個の加算/ダンプ出力の大きさは計算器407で計算され、次に加算器409で加算されて、遅相マルチパス信号エネルギーの値を生ずる。最後に、減算器410で差を計算し、進相および遅相信号エネルギー値の誤差信号ε(t)を生ずる。
【0104】
トラッキング回路はローカルに発生した符号位相c(t)を誤差信号c(τ)によって調節し、前記進相値および遅相値の間の差をゼロに近づけるようにする。
【0105】
[重心トラッキング方法]
本発明の一つの実施例のもう一つの拡散符号トラッキング回路は二乗加重(または重心)トラッキング回路と呼ばれる。τをf(t)のある特性に基づきトラッキング回路の計算した時間概算値を表すと定義すると、重心トラッキング回路は次式で定義される二乗加重誤差を最小にする。
【0107】
積分記号内のこの関数は二次式であり、単一の最小値を有する。εを最小にするτの値は、上式のτについての導関数をとりゼロに等しくすることによって算出でき、これは次の式で示される。
【0111】
を満たすτの値はトラッキング回路が計算するタイミング概算値であり、ここでβは定数値である。
【0112】
これらの検討に基づいて、二乗加重誤差を最小にするトラッキング回路の具体例を
図5aに示す。次式により、重心トラッキング回路の誤差信号ε(τ)が定まる。
【0114】
ε(τ)=0を満足する値がタイミングの完全な概算値である。
【0115】
重心点の進相側および遅相側の各々におけるマルチパス信号エネルギーは互いに等しい。
図5に示す重心トラッキング回路は、
図4を参照して上に述べたとおり入力信号x(t)をサンプリングして半チップずれたサンプルを形成するA/D変換器501からなる。
【0116】
半チップずれたサンプルを進相サンプル組x(nT+τ)および遅相サンプル組x(nT+(T/2)+τ)に二者択一的にグループ分けする。第1の相関バンク適応整合フィルタ502は、各進相サンプルおよび各遅相サンプルに正の拡散符号位相c(n+1)、c(n+2)、・・・、c(n+L)を乗算する。ここで、Lは符号長に比べると小さく、最も位相の進んだマルチパス信号と最も位相の遅れたマルチパス信号との間の遅延のチップ数にほぼ等しい。各相関器の出力信号を第1の加算/ダンプバンク504のL個の加算/ダンプ回路のそれぞれに加える。加算/ダンプバンク504の加算/ダンプ回路の大きさを計算器バンク506の各計算器で計算し、第1の重みバンク508の対応の重みづけ増幅器に加える。各重みづけ増幅器の出力信号はマルチパス成分信号内の重みづけエネルギーを表す。
【0117】
重み付けした進相マルチパス信号エネルギー値をサンプル加算器510で加算し、進相マルチパス信号である正の符号位相対応のマルチパス信号群の信号エネルギーに比例する出力値を生ずる。同様に、第2の相関バンク適応整合フィルタ503は、負の拡散符号位相c(n−1)、c(n−2)、・・・、c(n−L)を用いて進相サンプルおよび遅相サンプルに作用し、各出力信号を個別積分器505のそれぞれの加算/ダンプ回路に供給する。L個の加算/ダンプ出力信号の大きさを計算器バンク507のそれぞれの計算器で計算し、次に重みづけバンク509で重み付けする。重み付けした遅相マルチパス信号エネルギー値はサンプル加算器511で加算され、遅相マルチパス信号である負の符号位相対応のマルチパス信号群のエネルギー値を生ずる。最後に、加算器512は進相信号エネルギー値と遅相信号エネルギー値との差を計算して誤差サンプル値ε(τ)を生ずる。
【0118】
図5のトラッキング回路はローカルに発生した符号位相c(nT)を進相および遅相マルチパス信号群の加重平均エネルギーを等しく保つように調節するのに用いる誤差信号ε(τ)を生ずる。図示の実施例は、重心からの距離の増大とともに増大する重み値を用いる。最も位相の進んだマルチパス信号および最も位相の遅れたマルチパス信号の信号エネルギーは重心近くのマルチパス信号値よりおそらく小さいであろう。したがって、加算器510で計算した差は、最も位相の進んだマルチパス信号と最も位相の遅れたマルチパス信号の遅延の変動に対してより左右されやすい。
【0119】
[トラッキングのための直交位相検出器]
トラッキング方法のもう一つの実施例では、トラッキング回路がサンプリング位相をマルチパスに対して「最適」で安定するように調節する。f(t)が式(9)に示したとおりの受信信号波形を表すものとする。この特定の最適化方法は遅延ロックループにこのループ駆動用の誤差信号ε(τ)を加えて開始する。関数ε(τ)は、τ=τ0 においてただ一つの0をとらなければならない。ここでτ0は最適値である。ε(τ)に最適な形成は次式の正準形を備える。
【0121】
ここで、w(t,τ)はf(t)を誤差ε(τ)に関連づける重みづけ関数であり、次の等式(24)の関係も成り立つ。
【0123】
式(21)からw(t,τ)がw(t−τ)に等価であることがわかる。ロック点の近傍における誤差信号の傾斜Mを考慮すると、
【0125】
が得られる。ここで、w’(t,τ)はτについてのw(t,τ)の導関数であり、g(t)は|f(t)|
2の平均である。
【0126】
誤差ε(τ)は決定論部分と雑音部分とを有する。zがε(τ)の雑音成分を示すとすると、|z|
2は誤差関数ε(τ)の平均雑音電力である。したがって、最適トラッキング回路は次の比
【0129】
次に直交位相検出器の実働化について述べる。誤差信号ε(τ)の誤差の離散値eは次の演算
e=y
TBy (24)
を行うことによって発生する。ここで、ベクトルyは、
図5bに示すとおり受信信号成分yi、i=0、1、・・・、L−1を表す。マトリックスBはL×L行列であり、各要素は等式(23)の比率Fが最大となるように値を計算することによって決定される。
【0130】
[必要なLの最小値の算定]
前項のLの値は相関器および加算/ダンプ要素の最小数を決定する。Lはトラッキング回路の機能性を損なうことなく可能な限り小さい値になるように選ぶ。
【0131】
チャネルのマルチパス特性は受信チップ波形f(t)がQTc秒にわたって拡散されるか、またはマルチパス成分がQチップの持続時間を占有するようにした特性である。選択されたLの値はL=Qである。Qは最も位相の進んだマルチパス成分信号および最も位相の遅れたマルチパス成分信号の伝搬遅延を算定するように特定のRFチャネルの伝送特性を測定することによって得られる。QTcは、受信機での最初および最後のマルチパス成分の到着時間の差である。
【0132】
上述の2乗検波器は、
図5aに関連して上に述べた重心トラッキングシステムの実働化のために用いることができる。この実働化において、ベクトルyは加算/ダンプ回路504の出力信号、y={f(τ−LT)、f(τ−LT+T/2)、f(τ−(L−1)T)、・・・、f(τ)、f(τ+T/2)、f(τ+T)、・・・、f(τ+LT)}であり、マトリックスBは表6に示すとおりである。
【0134】
[適応ベクトル相関器]
本発明の一つの実施例はチャネルインパルス応答を概算し、受信マルチパス信号成分のコヒーレント合成のための基準値を生ずるように適応ベクトル相関器(AVC)を用いる。この実施例は、各マルチパス成分に影響を与える複素チャネル応答の概算のために相関器列を用いている。受信機はチャネル応答を補償し、受信マルチパス信号成分をコヒーレントに合成する。この手法は最大比率合成と呼ばれる。
【0135】
図6を参照すると、このシステムへの入力信号x(t)は、他のメッセージチャネルの干渉雑音、メッセージチャネルのマルチパス信号、熱雑音、およびパイロット信号のマルチパス信号を含む。この信号をAVC601、すなわちこの実施例では逆拡散手段602と、チャネル応答を評価するチャネル評価手段604と、チャネル応答の影響に対して信号を補正する補正手段603と、加算器605とから成るAVC601に加える。AVC逆拡散手段602は多数の符号相関器、すなわち各々がパイロット符号発生器608からのパイロット符号c(t)の異なる位相を用いる多数の符号相関器から成る。この逆拡散手段の出力信号は、逆拡散手段のローカルパイロット符号が入力符号信号と同位相でない場合は雑音電力レベルに対応する。入力パイロット符号とローカルに発生されたパイロット符号とが同位相である場合は、上記出力信号は受信パイロット信号電力レベルでプラス雑音電力レベルに対応する。逆拡散手段の相関器の出力信号は補正手段603によってチャネル応答に対して補正され、すべてのマルチパスパイロット信号電力を集める加算器605に加えられる。チャネル応答評価手段604はパイロット信号と逆拡散手段602の出力信号との合成信号を受け、チャネル応答評価信号w(t)をAVCの補正手段603に供給する。評価信号w(t)は後述の適応整合フィルタ(AMF)にも利用可能である。逆拡散手段602の出力信号は捕捉判定手段606、すなわち逐次確率比試験(SPRT)など特定のアルゴリズムに基づき逆拡散回路の現在の出力レベルがローカルに発生された符号の所望の入力符号位相への同期化に対応するかどうかを判定する捕捉判定手段606にも供給される。この検出器が同期化を見出せない場合は、捕捉判定手段は制御信号a(t)をローカルパイロット符号発生器608に送ってその位相をチップ周期一つ以上分だけずらす。同期化が見出せた場合は、捕捉判定手段はトラッキング回路607に通知し、このトラッキング回路は受信符号系列とローカルに発生した符号系列との間の緊密な同期関係を達成し、これを維持する。
【0136】
パイロット拡散符号を逆拡散するのに使われるパイロットAVCの実働化例を
図7に示す。この実施例では、入力信号x(t)をサンプリング周期Tでサンプリングしてサンプルx(nT+τ)を形成し、またこの入力信号が他のメッセージチャネルの干渉雑音、メッセージチャネルのマルチパス信号、熱雑音、およびパイロット符号のマルチパス信号から成るものと仮定している。信号x(nT+τ)をL個の相関器に加える。ここで、Lはマルチパス信号内に不確定性が存在する符号位相の数である。各相関器701、702、703は入力信号をパイロット拡散符号信号c((n+i)T)の特定の位相で乗算する乗算器704、705、706と加算/ダンプ回路708、709、710とを有する。各乗算器704、705、706の出力信号はそれぞれの加算/ダンプ回路708、709、710に加えられ、個別の積分演算を行う。相関器の出力に含まれる信号エネルギーを加算する前に、AVCがチャネル応答および互いに異なるマルチパス信号の搬送波位相回転を補償する。各加算/ダンプ回路708、709、710の各出力はそれぞれの乗算器714、715、716でデジタル位相同期ループ(DPLL)721からの逆回転位相器[ep(nT)の複素共役]と乗算され、搬送波信号の位相ずれおよび周波数ずれを表す。パイロットレーキAMFは、各乗算器714、715、716の出力を低域フィルタ(LPF)711、712、713に通すことによって、各マルチパス信号に対する重みづけ係数wk、k=1、・・・、Lを計算する。逆拡散マルチパス信号は、それぞれの乗算器717、718、719で対応の重みづけ係数と乗算される。乗算器717、718、719の出力信号は主加算器720で加算され、加算器720の出力信号p(nT)は雑音中の逆拡散マルチパスパイロット信号の合成成分から成る。出力信号p(nT)は搬送波位相のトラッキングのための誤差信号ep(nT)の発生のためにDPLL721にも入力される。
【0137】
図8aおよび
図8bは検出およびマルチパス信号成分の合成に使えるAVCの代替的実施例を示す。
図8aおよび
図8bのメッセージ信号AVCは、メッセージデータマルチパス信号の補正のためにパイロットAVCの発生する重みづけ係数を用いる。拡散符号信号c(nT)は、特定のメッセージチャネルの用いる拡散符号拡散シーケンスであり、パイロット拡散符号信号と同期している。値LはAVC回路内の相関器の数である。
【0138】
図8aの回路は、次式で与えられる決定変数Zを計算する。
【0140】
ここで、Nは相関ウィンドウ内のチップ数である。同じく、判定の統計は次式で与えられる。
【0142】
式(26)から得られる代替的実働化を
図8bに示す。
【0143】
図8aを参照すると、入力信号x(t)はサンプリングされてx(nT+τ)を形成し、他のメッセージチャネルの干渉雑音、メッセージチャネルのマルチパス信号、熱雑音、およびパイロット符号のマルチパス信号から成る。信号x(nT+τ)はL個の相関器に加えられる。ここで、Lはマルチパス信号内に不確定性が存在する符号位相の数である。
【0144】
相関器801、802、803は入力信号をメッセージチャネル拡散符号信号の特定の位相とそれぞれ乗算する乗算器804、805、806と、それぞれの加算/ダンプ回路808、809、810とをそれぞれ有する。乗算器804、805、806の出力信号は加算/ダンプ回路808、809、810にそれぞれ加えられ、ここでそれぞれ個別に積分される。相関器の出力信号に含まれる信号エネルギーを加算する前に、AVCは互いに異なるマルチパス信号について補償する。各逆拡散マルチパス信号とパイロットAVCの対応のマルチパス重みづけ係数から得られるその対応の重みづけ係数をそれぞれの乗算器817、818、819でそれぞれ乗算する。乗算器817、818、819の出力信号を主加算器820で加算し、したがって累算器820の出力信号z(nT)は雑音中の逆拡散ずみメッセージ信号のサンプリングされたレベルから成る。
【0145】
本発明のこの代替的実施例は、各マルチパス信号成分の加算/ダンプを同時並行に行うメッセージチャネルのためのAVC逆拡散回路の新規な実働化を含む。この回路の利点は、加算/ダンプ回路一つだけと加算器一つだけとで構成できることである。
図8bを参照すると、メッセージ符号シーケンス発生器830がメッセージ符号シーケンスを長さLのシフトレジスタ831に供給する。シフトレジスタ831の各レジスタ832、833、834、835の出力信号は1チップだけ位相シフトしたメッセージ符号シーケンスに対応する。各レジスタ832、833、834、835の出力値は乗算器836、837、838、839でパイロットAVCからの対応の重みづけ係数wk、k=1、・・・、Lと乗算される。L個の乗算器836、837、838、839の出力信号は加算回路840で加算する。次に、加算回路出力信号および受信機入力信号x(nT+τ)を乗算器841で乗算し、加算/ダンプ回路842で積分してメッセージ信号z(nT)を生ずる。
【0146】
適応ベクトル相関器の第3の実施例を
図8cに示す。図示の実施例は、最小二乗平均(LMS)統計法を用いてベクトル相関器を実働化し、受信マルチパス信号から各マルチパス成分のための逆回転係数を算定する。
図8cのAVCは、
図7に示すパイロット拡散符号の逆拡散に使われるパイロットAVCの実働化と同様である。デジタル位相同期ループ721を、電圧制御発振器851とループフィルタ852とリミタ853と虚数成分分離器854とを有する位相同期ループ850に置換する。補正ずみの逆拡散出力信号dosと理想的な逆拡散出力信号との間の差が加算器855によって生じ、その差信号が逆拡散ずみの誤差値ideであり、この値が逆回転係数の誤差の補償のために逆回転回路でさらに使われる。
【0147】
マルチパス信号環境では、送信されてきたシンボルの信号エネルギーはマルチパス信号成分全体にわたって拡散される。マルチパス信号加算の利点は、信号エネルギーの実質的な部分がAVCからの出力信号で再生されることである。したがって検出回路はより大きい信号対雑音比のAVCからの入力信号を受け、そのためにシンボルの検出をより低いビット誤り率(BER)で行うことができる。さらに、AVCの出力の測定は、送信機の送信電力を良好に表示し、またシステムの干渉雑音の良好な測定を提供する。
【0148】
[適応整合フィルタ]
本発明の一つの実施例は受信スペクトラム拡散メッセージ信号中のマルチパス信号成分を最適に合成するように適応整合フィルタ(AMF)を備える。AMFは、サンプリングされたメッセージ信号のシフト値を保持し、それらシフト値をチャネル応答に対する補正ののち合成するタップ付き遅延線である。チャネル応答に対する補正は、パイロットシーケンス信号で動作するAVCで計算されたチャネル応答推定値を用いて行う。AMFの出力信号は最大値を与えるように加算されるマルチパス成分の合成値である。この合成がマルチパス信号受信の歪みに対して補正を行う。種々のメッセージ逆拡散回路がAMFからのこの合成マルチパス成分信号で動作する。
【0149】
図8dはAMFの一つの実施例を示す。A/D変換器870からのサンプリング出力信号をL段遅延線872に加える。この遅延線872の各段は異なるマルチパス信号成分に対応する信号を保持する。チャネル応答に対する補正を、乗算器バンク874のそれぞれの乗算器で成分と遅延ずみの信号成分対応のAVCからの重みづけ係数w1、w2、・・・、wLとを乗算することによって各遅延ずみ信号成分に加える。すべての重みづけ信号成分を加算器876で加算して合成マルチパス成分信号y(t)を生ずる。
【0150】
合成マルチパス成分信号y(t)は搬送波信号の位相および周波数ずれによる補正を含まない。搬送波信号の位相および周波数ずれに対する補正は、乗算器878において搬送波位相および周波数補正値(逆回転位相器)をy(t)に乗算することによってy(t)に対して行う。上述のとおり、位相および周波数補正値はAVCで生成する。
図8dは補正値を逆拡散回路880の前に加えるように示しているが、本発明の代替的実施例では、補正値は逆拡散回路のあとで加えることができる。
【0151】
[無線搬送波局(RCS)]
本発明の無線搬送波局(RCS)は、SUと無線配信ユニット(RDU)などの遠隔処理制御回路網要素との間の電話局インタフェースとして作用する。本実施例のRDUへのインタフェースはG.704標準およびDECT V5.1の改良版によるインタフェースに準拠するが、本発明は呼制御チャネルおよびトラフィックチャネルを交換できる任意のインタフェースをサポートできる。RCSは呼制御データおよび32kb/sADPCM、64kb/s PCM、およびISDNなどのトラフィックチャネルデータ、およびシステム構成および保守データなどの情報チャネルをRDUから受ける。また、RCSはSUとのCDMA無線インタフェースベアラチャネルの終端を形成する。これらベアラチャネルは制御データおよびトラフィックチャネルデータの両方を含む。RDUまたはSUからの呼制御データに応答して、RCSはトラフィックチャネルをRF通信リンク上のベアラチャネルに割り当て、SUと電話網との間の通信接続をRDU経由で形成する。
【0152】
図9に示すとおり、RCSはMUX905、906および907への呼制御情報データおよびメッセージ情報データをインタフェース線路901、902および903経由で受ける。図にはE1フォーマットを示すが、それ以外の同様の通信フォーマットも後述のとおり同様にサポートできる。各MUXはPCMハイウェイ910経由の無線アクセスコントローラ(WAC)920への接続を提供する。
図1に示した実施例のシステムはE1インタフェースを用いているが、T1回線や私設交換機(PBX)とのインタフェースを形成するそれ以外の回線など多数の呼を伝送する上記以外の種類の電話回線も利用することを想定している。
【0153】
無線アクセスコントローラ(WAC)920は、呼制御機能およびMUX905、906、907とモテ゛ムインタフェースユニット(MIU)931、932、933との間のデータストリームの相互接続を管理するRCSシステムコントローラである。また、WAC920はVDC940、RF950および電力増幅器960など上記以外のRCS構成要素を制御し監視する。
【0154】
RF送/受信機950、VDC940および電力増幅器960相互間の制御信号およびステータス信号の転送のためにWAC920に低速バス912が接続してある。WAC920は制御信号を供給し、それによってRF送/受信機950または電力増幅器960をイネーブルしまたはディスエーブルし、ステータス信号がRF送/受信機950または電力増幅器960から返送されて故障状態の有無を監視する。
【0155】
実施例のRCSは
図10に示した後述のMIU931を少なくとも一つ含む。この実施例のMIUは六つのCDMAモデムを備えるが、本発明はモデムの数を6に限定するわけではない。このMIUは、PCMインタフェース1220経由でCDMAモデム1210、1211、1212および1215の各々に接続したシステムPCMハイウェイ1201と、MIUコントローラ1230並びにCDMAモデム1210、1211、1212および1213の各々に接続した制御チャネルバス1221と、MIUクロック信号発生器(CLK)1231と、モデム出力合成器1232とを含む。MIUはRCSに次の機能、すなわち:MIUコントローラがWACからCDMAチャネル割当て命令を受けてモデムをMUXの回線インタフェースへのユーザ情報信号に割り当てるとともにSUからのCDMAチャネル受信用のモデムを割り当てる;MIUCDMAモデムの各々についてCDMA送信モデムデータを合成する;VDCへの送信のためにCDMAモデムからのIおよびQ送信メッセージデータを多重化する;VDCからのアナログIおよびQ受信メッセージを受信する;これらIおよびQデータをCDMAモデムに分配する;デジタルAGCデータを送受信する;AGCデータをCDMAモデムに分配する;およびMIUボード状態および保守情報をWAC920に送る、などの機能をもたらす。
【0156】
本発明の実施例のMIUコントローラ1230はMC68360「QUICC」プロセッサなどの通信マイクロプロセッサ1240を1個備え、フラッシュPROM1243およびSRAM1244を備えるメモリ1242を含む。フラッシュPROM1243は、マイクロプロセッサ1240のためのプログラム符号の格納のために備えてあり、メモリ1243はプログラムの新たなヴァージョンのサポートのためにダウンロードおよび再プログラミングが可能である。SRAM1244はMIUコントローラ1230によるデータ読出し/書込み時にMC68360マイクロプロセッサ1240が必要とする一時的なデータスペースを備えるように設けてある。
【0157】
MIU CLK回路1231はMIUコントローラ1230にタイミング信号を供給するとともにCDMAモデムにもタイミング信号を供給する。MIUCLK回路1231はシステムクロック信号w0(t)を受けてその信号に同期する。また、コントローラクロック信号発生器1231はMUXからCDMAモデム1210、1211、1212および1215に分配される拡散符号クロック信号pn(t)も受けてその信号に同期する。
【0158】
本実施例のRCSは一つのMIUに設けたシステムモデム1210を含む。システムモデム1210は一斉通報拡散器(図示せず)およびパイロット発生器(図示せず)を備える。一斉通報モデムは、この実施例のシステムが用いる一斉通報情報を供給し、この一斉通報メッセージデータをMIUコントローラ1230からシステムモデム1210に転送する。システムモデムは信号CT1乃至CT4および信号AX1乃至AX4の送信に用いる四つの追加のモデム(図示せず)も備える。システムモデム1210はVDCに供給される重みづけなしのIおよびQ一斉通報メッセージデータ信号を供給する。VDCは一斉通報メッセージデータ信号をCDMAモデム1210、1211、1212および1215すべてのMIUCDMAモデム送信データおよびグローバルパイロット信号に加える。
【0159】
パイロット発生器(PG)1250は本発明に用いるグローバルパイロット信号を供給し、このグローバルパイロット信号はMIUコントローラ1230によってCDMAモデム1210、1211、1212および1215に供給される。しかし、本発明の他の実施例ではMIUコントローラでグローバルパイロット信号を発生する必要はなく、任意の形式のCDMA符号系列発生器の発生したグローバルパイロット信号を用いる。この実施例においては、重みづけなしのIおよびQグローバルパイロット信号をもVDCに送り、そのVDCで重み付けしてMIUCDMAモデム送信データおよび一斉通報メッセージデータ信号に加える。
【0160】
RCSにおけるシステムタイミングはE1インタフェースから抽出する。RCSには四つのMUXがあり、そのうちの三つ(905、906および907)が
図9に示してある。各シャーシには二つのMUXが設けてある。各シャーシに設けた二つのMUXの一方をマスターに指定し、マスターの一つをシステムマスターに指定する。システムマスターを構成するMUXは位相同期ループ(図示せず)を用いてE1インタフェースから2.048MHzのPCMクロック信号を抽出する。システムマスターMUXはこの2.048MHzのPCMクロック信号を16で分周して128KHz基準クロック信号を生ずる。この128KHz基準クロック信号をシステムマスターであるMUXからすべての他のMUXに分配する。各MUXは128KHz基準クロック信号を周波数乗算し、PNクロック信号の2倍の周波数のシステムクロック信号を合成する。また、MUXは128KHzのクロック信号を16分の1に分周してMIU向けの8KHzフレーム同期信号を生ずる。この実施例のためのシステムクロック信号は帯域幅7MHzのCDMAチャネルについては11.648MHzの周波数を有する。また、各MUXはシステムクロック信号を2分の1に分周しPNクロック信号を生じ、そのPNクロック信号を29877 120(PN系列長)でさらに分周し、エポック境界指示用のPN同期信号を生ずる。システムマスターMUXからのPN同期信号もすべてのMUXに分配し、それによって各MUXについて内部発生クロック信号の位相整合を維持する。PN同期信号とフレーム同期信号とは同期状態になる。次に、各シャーシでマスターMUXに指定された二つのMUXはシステムクロック信号およびPNクロック信号の両方をMIUおよびVDCに分配する。
【0161】
PCMハイウェイインタフェース1220はシステムPCMハイウェイ911をCDMAモデム1210、1211、1212、1215の各々に接続する。WACコントローラは、各対応ユーザ情報信号についてのトラフィックメッセージ制御信号を含むモデムを制御情報をHSB970経由でMIUコントローラ1230に送信する。CDMAモデム1210、1211、1212、1215の各々はMIUコントローラ1111からシグナリング情報などのトラフィックメッセージ制御信号を受ける。トラフィックメッセージ制御信号は呼制御(CC)情報と拡散符号および逆拡散符号系列情報とを含む。
【0162】
MIUはMIUの中のCDMAモデム1210、1211、1212、1215からの同相(I)および直交位相(Q)モデム送信データを含む重みづけずみのCDMAモデム送信データを加算する送信データ合成器1232を含む。この同相(I)モデム送信データを直交位相(Q)モデム送信データとは別に加算する。送信データ合成器1232からの結合ずみのIおよびQモデム送信データ出力信号をIおよびQマルチプレクサ1233に加え、デジタルデータストリームの形に多重化されるIおよびQモデム送信データから成る単一のCDMA送信メッセージチャネルを生ずる。
【0163】
受信データ入力回路(RDI)1234は
図9に示したビデオ分配回路(VDC)940からアナログ差動IおよびQデータを受け、それらアナログ差動IおよびQデータをMIUのCDMAモデム1210、1211、1212、1215の各々に分配する。自動利得制御分配回路(AGC)1235はVDCからAGCデータ信号を受け、そのAGCデータをMIUのCDMAモデムの各々に分配する。TRL回路1233はトラフィック信号灯情報受け、そのトラフィック信号灯データをモデム1210、1211、1212、1215の各々に同様に分配する。
【0164】
[CDMAモデム]
CDMAモデムはCDMA拡散符号系列を発生し送信機と受信機との間の同期をとる。また、CDMAは特定の電力レベルでのスペクトラム拡散および送信に備えて64ksym/秒、32ksym/秒、16ksym/秒および8ksym/秒にそれぞれプログラム可能な四つの全二重チャネル(TR0、TR1、TR2およびTR3)を提供する。CDMAモデムは自動電力制御を可能にするように受信信号強度を測定し、パイロット信号の発生および送信を行い、前向き誤り補正(FEC)用の信号により符号化および復号化を行う。SUの中のモデムはFIRフィルタを用いて送信機拡散符号パルスの整形を行う。CDMAモデムは加入者ユニット(SU)で使われ、以下の説明においてSUのみで使う特徴についてはその旨を明確に指摘する。CDMAモデムの動作周波数を表7に示す。
【0166】
図10のCDMAモデム1210、1211、1212、1215の各々は、
図11に示すとおり、送信部1301および受信部1302から構成される。CDMAモデムは外部システムから制御メッセージCNTRLを受信する制御部1303も備える。これらの制御メッセージは、例えば特定の拡散符号の割当てや、拡散または逆拡散の起動や、送信速度の割当てなどに用いられる。また、CDMAモデムはそのCDMAモデムの用いる種々の拡散符号および逆拡散符号の発生に用いる符号発生器1304を有する。送信部1301は入力情報および制御信号mi(t)、i=1、2、・・・、Iをスペクトラム拡散処理ずみのユーザ情報信号scj(t)、j=1、2、・・・、Jとして送信するためのものである。送信部1301は制御手段1303によって制御される符号発生器1304からグローバルパイロット符号を受ける。スペクトラム拡散処理ずみのユーザ情報信号は同様に処理された他の信号に加えられ、CDMARF順方向メッセージリンク経由でCDMAチャネルとして例えばSUに送信される。受信部1302は、r(t)としてのCDMAチャネルを受信し、例えばSUからRCSにCDMARF逆方向メッセージリンク経由で送信されてきた利用者情報および制御信号rck(t)、k=1、2、・・・、Kを逆拡散し、再生する。
【0167】
[CDMAモデム送信部]
図12を参照すると、符号発生手段1304は送信同期制御ロジック1401および拡散符号PN発生器1402を含み、送信部1301はモデム入力信号受信装置(MISR)1410と畳込み符号化装置1411、1412、1413および1414と、拡散装置1420、1421、1422、1423および1424と、合成器1430とを含む。送信部1301は、メッセージデータチャネルMESSAGEを受信し、各メッセージデータチャネルをそれぞれの畳込み符号化装置1411、1412、1413、1414において畳込み符号化し、それぞれの拡散装置1420、1421、1422、1423、1424においてランダム拡散符号系列でそれらのデータを変調し、この実施例では符号発生器からの受信パイロット符号を含むすべてのチャネルからの被変調データを合成器1430で合成し、RF送信のためのIおよびQ成分を生ずる。この実施例の送信部1301は、64kb/s、32kb/s、16kb/s、および8kb/sの四つのプログラム可能なチャネル(TR0、TR1、TR2およびTR3)をサポートする。メッセージチャネルデータはPCMインタフェース1220経由でPCMハイウェイ1201から受信された時間多重化信号であり、MISR1410に入力される。
【0168】
図13は、MISR1410の例のブロック図である。本発明の実施例では、カウンタを8KHzのフレーム同期信号MPCMSYNCでセットし、タイミング回路1401からの2.048MHzのMPCMCLKで増分計数する。カウンタ出力をTR0、TR1、TR2、TR3のメッセージデータへのスロット時間位置対応のTRCFG値と比較器1502で比較し、TRCFG値はMCTRLの中のMIUコントローラ1230から受ける。比較器はシステムクロックから得られるTXPCNCLKタイミング信号を用いて、メッセージチャネルデータをバッファ1510、1511、1512、1513に同期入力するレジスタ1505、1506、1507、1508にカウント出力を送る。メッセージデータは、タイミング制御ロジック1401からのイネーブル信号TR0EN、TR1EN、TR2EN、TR3ENが活性状態のときPCMハイウェイ信号MESSAGEからの信号MSGDATから供給される。他の実施例では、MESSAGEは暗号化速度またはデータ速度に応じてレジスタをイネーブルする信号を含めることもできる。カウンタ出力がチャネル位置アドレスの一つと等しい場合は、レジスタ1510、1511、1512、1513の中の特定の送信メッセージデータを
図12に示した畳込み符号化装置1411、1412、1413、1414に入力する。
【0169】
畳込み符号化装置はこの技術分野で周知の前向き誤り訂正(FEC)手法の利用を可能にする。FEC手法は、符号化ずみの形式でデータを発生する際の冗長度の導入に依存する。符号化ずみのデータは送信され、データの冗長度は受信復号化装置による誤り検出および誤り訂正を可能にする。本発明の一つの実施例は畳込み符号化を用いる。追加データビットを符号化処理の段階でデータに加え、符号化オーバーヘッドとする。符号化速度は送信ずみの全ビット(符号データ+冗長データ)に対する送信ずみのデータビットの割合で表され、符号速度「R」と呼ばれる。
【0170】
畳込み符号はすでに符号化ずみの多数のビットで新たな未符号化ビットの各々を畳み込むことによって各符号ビットを生じさせた符号である。符号化処理で使われるビットの総数を符号の拘束長「K」と呼ぶ。畳込み符号化では、データをKビット長のシフトレジスタにクロックで1ビットごとに格納し、入来ビットとその時点で格納ずみのK−1ビットとを畳込み符号化して新たなシンボルを生ずる。畳込み処理は、利用可能なビットの特定のパターン、すなわち少なくとも一つのシンボルにおける最初のビットおよび最後のビットを常に含むビットの特定のパターンのモジュロ−2和から成るシンボルを生ずる処理である。
【0171】
図14は、
図12の符号化装置1411として用いるのに適したK=7、R=1/2畳込み符号化装置のブロック図を示す。この回路は本発明の一つの実施例で用いたTR0チャネルを符号化する。レジスタ段Q1乃至Q7から成る7ビットレジスタ1601はTR0EN信号のアサート時に信号TXPNCLKを用いてTR0データをクロックごとに1ビットずつ格納する。レジスタ段Q1、Q2、Q3、Q4、Q6およびQ7の出力値を排他的論理和回路1602および1603でそれぞれ合成し、それによってTR0チャネルFECTR0DIおよびFECTR0DQについてのそれぞれのIチャネルFECデータおよびQチャネルFECデータを生ずる。
【0172】
二つの出力シンボルストリームFECTR0DIおよびFECTR0DQを生ずる。シンボルストリームFECTR0DIはビット6、5、4、3および0(8進法171)に対応するシフトレジスタの出力の排他的論理和回路1602によって生成され、送信メッセージチャネルデータの同相成分「I」となる。同様に、シンボルストリームFECTR0DQはビット6、4、3、1および0(8進法133)からのシフトレジスタ出力の排他的論理和回路1603によって生成され、送信メッセージチャネルデータの直交位相成分「Q」となる。受信側での誤差補正を可能にするのに必要な冗長度を生ずる、単一の符号化ずみビットを表すように二つのシンボルを送信する。
【0173】
図14を参照すると、送信メッセージチャネルデータのためのシフトイネーブルクロック信号を制御タイミングロジック1401で発生する構成が示してある。各チャネルについての畳込み符号化ずみの送信メッセージチャネル出力データは、送信メッセージチャネルデータを符号発生器1402からの予め割当てずみの拡散符号系列と乗算するそれぞれの拡散器1420、1421、1422、1423および1424に加える。この拡散符号系列は上述のとおり制御回路1303で生成され、ランダム擬似雑音シグネチャ系列(PN−符号)と呼ばれる。
【0174】
拡散器1420、1421、1422、1423、1424の各々の出力信号は、スペクトラム拡散ずみの送信データチャネルである。拡散器の動作は次のとおりである:すなわち、ランダム系列(PNI+jPNQ)を乗算したチャネル出力(I+jQ)のスペクトラム拡散により(IxorPNI)および(−QxorPNQ)から成る出力の同相成分Iが得られる。なお、この出力の直交位相成分Qは、(QxorPNI)および(IxorPNQ)である。パイロットチャネルロジック(I=1、Qの値は禁止されている)へのチャネルデータ入力は存在しないので、パイロットチャネルについての拡散ずみ出力信号はI成分についての系列PNIおよびQ成分についての系列PNQを生ずる。
【0175】
合成器1430はIおよびQ拡散送信データチャネルを受信し、それらチャネルを合成してIモデム送信データ信号(TXIDAT)およびQモデム送信データ信号(TXQDAT)にする。I拡散送信データおよびQ拡散送信データは別々に加算する。
【0176】
SUについては、CDMAモデム送信部1301が合成器からIおよびQチャネルを受信して、送信されてきた信号のパルス整形、隣接スペクトラム制御およびx/sin(x)補正を行うためのFIRフィルタを含む。互いに別個ではあるが互いに同一のFIRフィルタがIおよびQ拡散ずみ送信データストリームをチップ速度で受け、各フィルタの出力信号はチップ速度の2倍になる。これらFIRフィルタの一つの例は2倍のアップサンプリング(補間)を行う28タップの偶数対称フィルタである。アップサンプリングはフィルタ処理の前に行うので、28個のタップはチップ速度の2倍での28個のタップを意味し、アップサンプリングは一つおきのサンプルを0に設定することにより達成する。係数の例を表8に示す。
【0178】
[CDMAモデム受信部]
図9および10を参照すると、本実施例のRF受信機950は、VDC940からMIU931、932、933経由でCDMAモデム1210、1211、1212、1215に送信されてきたアナログ入力IおよびQCDMAチャネルを受ける。これらのIおよびQCDMAチャネル信号をCDMAモデム受信部1302(
図11に示す)でサンプリングし、
図15に示すA−D変換器1730によりIおよびQデジタル受信メッセージ信号に変換する。本発明の実施例のA−D変換器のサンプリング速度は、逆拡散符号速度と等価である。次に、IおよびQデジタル受信メッセージ信号を四つのチャネル(TR0、TR1、TR2およびTR3)の逆拡散符号系列、APC情報およびパイロット符号に対応する六つの互いに異なる複素拡散符号系列を用いて相関器で逆拡散する。
【0179】
受信信号への受信機の同期引込みは、2つの段階に分けられる。すなわち、まず初期捕捉段階があり、次に信号タイミング捕捉のあとのトラッキング段階がある。初期捕捉は受信機でローカルに発生したパイロット符号系列の位相を受信信号に対してシフトさせ、パイロット逆拡散器の出力をしきい値と比較することによって行う。この手法は逐次サーチと呼ばれる。二つのしきい値(整合および却下)を補助逆拡散装置から計算する。信号を捕捉すると、サーチ処理を中止してトラッキング処理を開始する。トラッキング処理は受信機の用いる符号発生器1304(
図11および15に示す)を入来信号と同期した状態に維持する。この実施例で用いるトラッキングループは遅延同期ループ(DLL)であり、
図15の捕捉およびトラックブロック1701およびIPMブロック1702で実働化する。
【0180】
図11において、モデムコントローラ1303は送信信号に対する受信信号の位相シフトおよび周波数シフトを計算する
図15のSWPLLロジック1724中のソフトウェアアルゴリズムとして位相同期ループ(PLL)を実働化する。位相シフトの計算値をマルチパスデータ信号位相回転合成ブロック1718、1719、1720、1721で位相シフトを逆転させるのに用い、受信チャネルTR0’、TR1’、TR2’およびTR3’対応の出力信号の生成のための合成に備える。次に、データをViterbi復号器1713、1714、1715、1716でViterbi復号し、受信メッセージチャネルの各々における畳込み符号化を除去する。
【0181】
図15は、符号発生器1304が受信チャネル逆拡散装置1703、1704、1705、1706、1707、1708、1709の用いる符号系列PNi(t)(i=1、2、・・・、I)を供給することを示す。生成される上記符号系列はシステムクロック信号のSYNK信号に応答して同期を確保してあり、
図11のモデムコントローラ1301からのCCNTRL信号で定まる。
図15を参照すると、CDMAモデム受信部1302は適応整合フィルタ(AMF)1710と、チャネル逆拡散装置1703、1704、1705、1706、1707、1708、1709と、パイロットAVC1711と、補助AVC1712と、Viterbi復号器1713、1714、1715、1716と、モデム出力インタフェース(MOI)1717と、位相回転および合成ロジック1718、1719、1720、1721と、AMF重み発生器1722と、量分位数推算ロジック1723とを含む。
【0182】
本発明の別の実施例では、CDMAモデム受信機にチャネルのBERおよびViterbi復号器1713、1714、1715、1716とMOI1717との間の空き符号挿入ロジックのBERを測定するビットエラー積分器を併せて含み、メッセージデータ喪失時の空き符号の挿入に備える。
【0183】
適応整合フィルタ(AMF)1710は無線チャネルに起因するマルチパス干渉を解消する。実施例のAMF1710は
図16に示すとおり11段の複素FIRフィルタを用いる。受信したIおよびQデジタルメッセージ信号を
図15のA−D変換器1730からレジスタ1820に受け、乗算器1801、1802、1803、1810、1811において
図15のAMF重み発生器1722からのIおよびQチャネル重み係数W1乃至W11と乗算する。図示の実施例では、A−D変換器1730は、2の補数値としてIおよびQデジタル受信メッセージ信号データ、すなわち、受信拡散符号クロック信号RXPNCLKに応答する11段シフトレジスタ1820を通じてクロック歩進するIデータ6ビットおよびQデータ6ビットが供給される。信号RXPNCLKは符号発生ロジック1304のタイミング部1401によって生成する。上記シフトレジスタの各段にはタップ接続を設け、各段の出力を乗算器1801、1802、1803、1810、1811で個々の(6ビットIおよび6ビットQ)重み係数と複素乗算し、それによって11個のタップでそれぞれ重みづけられた積を発生し、それら積を加算器1830で加算して7ビットのI値および7ビットのQ値に限定した出力を生ずる。
【0184】
CDMAモデム受信部1302(
図11に示す)はメッセージチャネルを逆拡散するための独立したチャネル逆拡散装置1703、1704、1705、1706、1707、1708、1709(
図15に示す)を備える。この実施例は七つのメッセージチャネルを逆拡散し、各逆拡散装置は1ビットI逆拡散符号信号および1ビットQ逆拡散符号信号を受けてこれら符号と8ビットIデータ入力×8ビットQデータ入力との間の複素相関をとる。これら七つの逆拡散装置が七つのチャネル、すなわちトラフィックチャネル0(TR0’)、TR1’、TR2’、TR3’、補助チャネルAUX、自動電力制御APCチャネルおよびパイロットチャネルPLTにそれぞれ対応する。
【0185】
図17に示すパイロットAVC1711はタイミング信号RXPNCLKに応答してIおよびQパイロット拡散符号系列値PCIおよびPCQをシフトレジスタ1920に受けるものであるが、このパイロットAVC1711は、各々がIおよびQデジタル受信メッセージ信号データと同じパイロット符号系列の1チップ遅延出力との間の相関をとる11個の個別の逆拡散装置1901乃至1911を含む。信号OE1、OE2、・・・、OE11をモデム制御1303が用いて逆拡散動作をイネーブルする。逆拡散装置の出力信号を合成器1920で合成し、ACQ&トラックロジック1701(
図15に示す)で受け、最終的にモデムコントローラ1303(
図11に示す)で受けるパイロットAVC1711の相関信号DSPRDATを形成する。捕捉&トラックロジック1701はこの相関信号値を用いて市内局に近い方の受信機が遠い方の送信機と同期しているかどうかを判定する。
【0186】
補助AVC1712はIおよびQデジタル受信メッセージ信号データをも受信し、この実施例では
図18に示すとおり四つの個別の逆拡散装置2001、2002、2003、2004を含む。各逆拡散装置はIおよびQデジタル受信メッセージデータを受け、これらのメッセージデータと、シフトレジスタ2020に入力され格納されている符号発生器1304供給の同じ逆拡散符号系列PARIおよびPARQの遅延出力との間の相関をとる。逆拡散装置2001、2002、2003、2004の出力信号は雑音相関信号ARDSPRDATを生ずる合成器2030で合成する。補助AVC拡散符号系列はシステムの送信拡散符号系列のいずれにも対応しない。信号OE1、OE2、・・・、OE4は逆拡散動作をイネーブルするようにモデム制御回路1303が用いる。補助AVC1712は量分位数推算値を量分位数推算器1733で計算するもととなる雑音相関信号ARDSPRDATを生ずるとともに、捕捉&トラックロジック1701(
図15に示す)およびモデムコントローラ1303(
図11に示す)への雑音レベル測定値を提供する。
【0187】
受信メッセージチャネルTR0’、TR1’、TR2’、TR3’に対応する逆拡散チャネル出力信号の各々は畳込み符号化されたデータに前向き誤り訂正を加える
図15の対応Viterbi復号器1713、1714、1715、1716に入力する。この実施例のViterbi復号器は、制約長K=7および比R=1/2を有する。復号化した逆拡散メッセージチャネル信号はMOI1717経由でCDMAモデムからPCMハイウェイ1201に転送される。MOIの動作は、逆方向動作であることを除き、送信部1301(
図11に示す)のMISRの動作と実質的に同じである。
【0188】
CDMAモデム受信部1302は受信CDMAメッセージ信号の捕捉、トラッキングおよび逆拡散の互いに異なる段階の間にいくつかの互いに異なるアルゴリズムを実働化する。
【0189】
受信信号が一時的に途切れた(または甚だしく劣化した)場合は、空き符号挿入アルゴリズムがそれら途切れたり劣化したりした受信メッセージデータの代わりに空き符号を挿入し、大きい雑音バーストが音声呼進行中にユーザに聞こえることがないようにする。空き符号は、Viterbi復号器1713、1714、1715、1716からの復号化ずみメッセージチャネル出力信号の代わりにMOI1717(
図15に示す)に送る。各トラフィックチャネルに用いられる空き符号は適切なパターンIDLE、すなわちこの実施例では64kb/sストリームについて8ビットワードで、32kb/sストリームについて4ビットワードで構成するパターンIDLEをMOIに書き込むことによりモデムコントローラ1303がプログラムする。
【0190】
[受信パイロット信号の捕捉およびトラッキングのためのモデムアルゴリズム]
捕捉およびトラッキングアルゴリズムは、受信信号のおおよその符号位相の算定、ローカルモデム受信機逆拡散装置の入来パイロット信号への同期、および受信パイロット符号系列位相のトラッキングのために受信機で用いる。
図11および15を参照すると、このアルゴリズムは符号発生器1304にクロック調整信号を供給するモデムコントローラ1303が実行する。これらの調整信号により、逆拡散装置用符号発生器がパイロットレーキ1711の測定出力値および量分位数推算装置1723Bからの量分位数の値に応答してローカル生成符号系列を調整するようにする。量分位数の値はAUXベクトル相関器1712(
図15に示す)の出力値からの同相チャネルおよび直交位相チャネルで測定した雑音統計値である。受信機を受信信号に同期させることは初期捕捉段階とトラッキング段階との二つの段階に分けられる。初期捕捉段階は、ローカル生成パイロット拡散符号系列を受信信号の拡散符号速度よりも高速度または低速度でクロックし、ローカル生成パイロット拡散符号系列をスライドさせ、パイロットベクトル相関器1711の出力について逐次確率比率試験(SPRT)を行うことによって達成する。トラッキング段階はローカル生成拡散符号パイロット系列を入来パイロット信号と同期した状態に維持する。
【0191】
SUのコールド捕捉アルゴリズムは、SUCDMAモデムが電源オンになったとき、したがって正しいパイロット拡散符号位相が未知であるとき、またはSUが入来パイロット信号との同期の再捕捉を試みたものの所要時間が長すぎたとき、SUCDMAモデムが用いる。このコールド捕捉アルゴリズムは二つの下位段階に分けられる。第1の下位段階は、FBCHが用いる長さ233415の符号にわたる検索から成る。このサブ符号位相が捕捉されると、このパイロットの233415×128長の符号が128の可能な位相の曖昧さの中にあることが把握される。第2の下位段階はこれら残りの128の可能な位相の検索である。FBCHとの同期が外れないようにするために、この検索の第2段階ではFBCH符号のトラッキングとパイロット符号の捕捉の試みとを相互に切り替えるのが望ましい。
【0192】
短アクセスパイロット(SAXPT)アルゴリズムのRCS捕捉はSUのSAXPTパイロット信号の捕捉のためにRCSCDMAモデムが用いる。このアルゴリズムはSAXPTが長さNの短符号系列(ただし、N=チップ/シンボル)、すなわちシステムの帯域幅に応じてその長さが45から195の範囲にわたる短符号系列であるために高速検索アルゴリズムである。このサーチは捕捉完了まですべての可能な位相を通じて巡回する。
【0193】
長アクセスパイロット(LAXPT)アルゴリズムのRCS捕捉はSAXPTの捕捉の直後に開始する。SUの符号位相は複数のシンボル持続時間内で既知であり、この発明の実施例ではRCSからの往復遅延内にサーチすべき位相は7乃至66あり得る。この範囲はSUパイロット信号がRCSグローバルパイロット信号に同期している結果である。
【0194】
再捕捉アルゴリズムは符号ロック(LOL)外れが生じたときに開始される。Z検索アルゴリズムはシステムのロック外れ直前の状態から符号位相があまり大きくドリフトしていないことを前提として処理を高速化するのに用いる。RCSは最大往復伝搬遅延で画されるZ検索窓の最大幅を用いる。
【0195】
プレトラック期間を捕捉アルゴリズムまたは再捕捉アルゴリズムの直後からトラッキングアルゴリズムの直前までに設ける。プレトラックはモデムの供給する受信データが有効とは考えられない固定の期間である。このプレトラック期間により、ISWPLL1724、捕捉およびトラッキング1701、AMF重み発生器1722の用いるものなど上記以外のモデムアルゴリズムが現用のチャネルを準備しそれに適応することを可能にする。
プレトラック期間は二つの部分から成る。第1の部分は符号トラッキングループの引込み時の遅延である。第2の部分は決定ずみの重みづけ係数を生ずるようにAMF重み発生器1722が行うAMFタップ重み計算に伴う遅延である。また、プレトラック期間の第2の部分において、搬送波トラッキングループがSWPLL1724によって引込み可能になり、スカラー量分位数推算が量分位数推算器1723Aで行われる。
【0196】
プレトラック期間の終了ののちトラッキング処理に入る。この処理は実際には反復的サイクルであり、モデムの供給する受信データが有効と見られる唯一の処理段階である。下記の動作、すなわちAMFタップ重み更新、搬送波トラッキング、符号トラッキング、ベクトル量分位数更新、スカラー量分位数更新、符号同期チェック、逆転およびシンボル加算、および電力制御(順方向および逆方向)はこの段階で行われる。
【0197】
ロック外れ(LOL)が検出されると、モデム受信機はトラックアルゴリズムを終了させ、自動的に再捕捉アルゴリズムに入る。SUにおいては、LOLが送信機を遮断状態にする。RCSでは、LOLはロック外れの直前のレベルに送信電力を固定した状態で順方向電力制御をディスエーブルする。また、LOLは送信中の応答電力制御情報が010101・・・パターンになるようにし、それによってSUが送信電力を一定に保つようにする。この動作は捕捉およびトラッキング回路1701へのリセット信号を発生する信号ロックチェック機能を用いて行うことができる。
【0198】
ふた組の量分位数統計の値を一方は量分位数推算器1723Bで維持し、もう一方はスカラー量分位数推算器1723Aで維持する。これら推算器はともにモデムコントローラ1303が用いる。上記第1の組の統計値はAUXAVC受信機1712の生成する四つの複素数のベクトルから計算される「ベクトル」量分位数情報と呼ばれる。上記第2の組の統計値は、補助逆拡散装置1707から出力される単一の複素数AUX信号から計算されるスカラー量分位数情報である。これらふた組の情報は予め定めた誤警報確率(Pfa)の維持に用いる雑音統計の互いに異なる組を表す。ベクトル量分位数データは雑音中に受信信号があることを判定するためにモデムコントローラ1303が実働化する捕捉および再捕捉アルゴリズムが用い、スカラー量分位数情報は符号ロックチェックアルゴリズムが用いる。
【0199】
ベクトルの場合もスカラーの場合も、量分位数情報はラムダ0乃至ラムダ2の算出値、すなわち逆拡散受信信号の確率分布関数(p.d.f)の推算およびモデムのPN符号へのロックの有無判定に用いる境界値から成る。次に述べるCサブルーチンに用いるAux_Power値は、スカラー量分位数のためのスカラー相関器アレーのAUX信号出力を二乗した大きさであり、ベクトルについては二乗した大きさの和である。いずれの場合も、量分位数を次のCサブルーチンを用いて計算する:
【0201】
ただし、CG[n]は、正の定数であり、GM[n]は負の定数である(スカラー量分位数およびベクトル量分位数について互いに異なる値を用いている)。
【0202】
捕捉段階の期間中は、ローカルに生成されたパイロット符号系列を用いた入来パイロット信号のサーチは、ローカル発生パイロット符号が受信信号に対して正しい符号位相を有するかどうかの判定のために、一連の逐次試験を用いる。サーチアルゴリズムは受信符号系列とローカル発生符号系列との位相が合っているかどうかの判定のための逐次確率比率試験(SPRT)を用いる。捕捉はマルチフィンガー受信機を有することから生じる並行処理によって高速化する。例えば、本発明のこの実施例では、主パイロットレーキ1711が11チップ期間相当の全位相期間を表す合計11のフィンガーを有する。捕捉のために八つの個別の逐次確率比率試験(SPRT)を各SPRTが四つのチップウィンドウを監視する形で実働化する。各ウィンドウは先行のウィンドウからずれており、サーチ系列では所与の符号位相は四つのウィンドウでカバーする。八つのSPRT試験がすべて拒絶されると、ウィンドウ組を8チップ分だけ動かす。SPRTのいずれかが許容されれば、ローカル発生パイロット符号系列の符号位相をパイロットAVC内で許容SPRT位相を中心におくように調整する。二つ以上のSPRTが同時に許容しきい値に達する可能性がある。あり得る356種類の許容/拒絶の組合せをカバーするように参照テーブルを用い、モデムコントローラはパイロットレーキ1711内で正しい中心符号位相を推定するのにその情報を用いる。各SPRTは、次のとおり実働化される(すべての動作は、64kシンボル速度で行う):フィンガー出力レベル値をI_Finger[n]およびQ_Finger[n]で表す、ただしn=0・・・10(包括的、0は最先の(最も進んだ)フィンガーである)。その場合、各ウィンドウの電力は:
【0204】
SPRTを実働化するために、モデムコントローラは各ウィンドウについて擬似符号サブルーチンとして表される次の計算を行う:
/
* find bin for Power
*/
tmp = SIGMA[0];
for (k=0; k<3; k++){
if (Power
> lambda[k]) tmp = SIGMA[k+1];
}
test_statistic + =
tmp;/
*update statistic
*/
if (test_statistic >
ACCEPTANCE_THRESTHOLD) you've got ACQ;
else if (test_statistic <
DISMISSAL_THRESHOLD){
forget this
code phase;
} else keep trying - get more statistics;
ただし、lambda[k]は量分位数推算に関して上に定義したとおりであり、SIGMA[k]、ACCPECTANCE_THRESHOLD、DISMISSAL_THRESHOLDは、予め定めた定数である。なお、SIGMA[k]は小さいkの対応の値については負であり、kの正しい値については正であり、許可および拒否しきい値が統計上シンボル何個分のデータが累算されたかの関数ではなく定数となり得るようにしてある。
【0205】
モデムコントローラは、lambda[k]の値で範囲の定まるどのbinに電力レベルが入るかを判定し、これによって概算の統計値を生ずることが可能になる。
【0206】
このアルゴリズムについては、制御電圧をε=y
TByとして形成する。ただし、yはパイロットベクトル相関器1711の複素出力値から形成されるベクトルであり、Bは二乗検波器を参照して上述したとおり雑音を最小限に抑えながら動作特性を最適化するように予め定めた定数値で形成したマトリクスである。
【0207】
二乗検波器の動作の理解には次の点を考慮することが有用である。すなわち、スペクトラム拡散(CDMA)信号s(t)はインパルス応答hc(t)を有するマルチパスチャネルを通過する。ベースバンドスペクトラム拡散信号は式(27)、すなわち
【0209】
で表される。ただし、Ciは複素拡散符号シンボルであり、p(t)は予め規定されたチップパルスであり、TCはチップ時間間隔であり、TC=1/RC、RCはチップ速度である。
【0210】
受信されたベースバンド信号は式(28)、すなわち
【0212】
で表される。ただし、q(t)=p(t)*hc(t)であり、τは未知の遅延量であり、n(t)は付加雑音である。この受信信号は、フィルタhR(t)で処理され、処理すべき波形x(t)は式(29)、すなわち
【0214】
で表される。ただし、f(t)=q(t)*hR(t)およびz(t)=n(T)*hR(t)である。
【0215】
受信機の例においては、受信信号をチップ速度、すなわち1/TCでサンプリングする。これらのサンプル、すなわちx(mTC+τ’)は、r番目の相関動作期間中に式(30)で表される量分位数を計算する相関器アレイで処理される。
【0217】
これらの量分位数は、雑音成分および式(31)で与えられる決定論成分y
k(r)から成る。
【0219】
なお、関数f(t)は時間とともに低速で変化するが式の表現を容易にするために時間指数rは消去してもよい。
【0220】
上記サンプルを整合フィルタ処理など受信機における後続の処理に最適な形でサンプリング位相τ’の調整のために処理する。この調整を次に説明する。この処理の表示を単純化するために、関数f(t+τ)(ただし、τは調整すべき時間シフト)について説明するのが便利である。なお、関数f(t+τ)は、雑音を伴う中で測定したものである。したがって、位相τ’を信号f(t+τ)の測定に基づいて調整することは問題になり得る。雑音を説明するために関数v(t):v(t)=f(t)+m(t)を導入する(ただし、項m(t)は、雑音処理を表す)。このシステムプロセッサは、関数v(t)の考慮に基づいて形成できる。
【0221】
この処理は非コヒーレントであり、したがって包絡線電力関数|v(t+τ)|
2に基づく。式(32)で与えられる関数e(τ’)は、この処理の説明に役立つ。
【0223】
シフトパラメータを区間(−∞、τ’−τ)上のエネルギーが区間[τ’−τ、∞]上のエネルギーに等しい場合に生じるe(τ’)=0について調整する。誤り特性は単調であり、したがって単一の零交差点を有する。これはこの特性の望ましい点である。この特性の不利な点は、雑音が伴う場合に積分が制限されないため十分に規定されない点である。
しかし関数e(τ’)は式(33)で与えられる形に表現できる。
【0225】
ただし、特性関数w(t)は、signum関数、すなわちsgn(t)に等しい。
【0226】
特性関数w(t)の最適化には式(34)に示す指数Fを規定するのが有用である。
【0228】
Fの分子はトラックずみの値τ0’の前後の区間[−TA、TA]についての平均誤り特性の数値勾配である。統計平均値を雑音およびランダムチャネルhc(t)についてとる。この統計平均値の算出には、チャネルの統計特性を指定するのが望ましい。例えば、チャネルをインパルス応答hc(t)と式(35)に示すとおりの強度関数g(t)を有する白色雑音処理U(t)とを備える広方向定常無相関散乱チャネルとして形成することもできる。
【0230】
e(τ)の分散は、変動の自乗平均値として計算される。
e'(τ)=e(τ)−<e(τ)> (36)
ただし、<e(τ)>は雑音に対するe(τ)の平均である。
【0231】
関数w(t)に対する指数Fの最適化は周知の最適化の変分的方法を用いて行うことができる。
【0232】
最適のw(t)が算定されると、その結果生じるプロセッサは次のとおり誘導される直交サンプルプロセッサにより正確に近似できる。
【0233】
サンプリング定理により、帯域幅Wに帯域制限した信号v(t)は、式(37)で示すとおり、その信号のサンプルで表現できる。
【0235】
この展開式を式(z+6)に代入することにより、サンプルv(k/W+τ’−τ)の中の無限二次式が得られる。信号帯域幅がチップ速度に等しいと仮定することにより、チップクロック信号でクロックしたサンプリングをサンプルの生成に使用できる。これらのサンプルvkは、式(38)で表される。
【0237】
この仮定によって実働化が単純になる。エイリアシング誤差が小さければ、これは有効である。
【0238】
実際には、ここに誘導された二次形式は切り捨てられる。正規化したBマトリクスの例を表12に示す。この例ではτが1チップに等しいとして指数関数的遅延拡散プロフィールg(t)=exp(−t/τ)を仮定している。また、1.5チップに等しい開口パラメータTAを仮定している。基礎となるチップパルスは20%余分の帯域幅を有する余弦帯域を有する。
【0240】
符号トラッキングは次のとおり実働化したループ位相検出器経由で実働化している。ベクトルyはパイロットAVC1711の11個の複素出力レベル値を表す列ベクトルと定義し、Bは非コヒーレントパイロットAVC出力値yで性能を最適化する所定値を有する11×11の対称実数値係数マトリクスを示す。位相検出器の出力信号εは式(39)で与えられる。
ε=y
TBy (39)
次に、比例プラス積分のループフィルタおよびVCOの実働化のために、特定の送信チャネルおよび用途についてのシステム性能の最適化をめざしてシステムを構成することにより選択した定数αおよびβについて、以下の計算を行う。
x[n]=x[n−1]+βε
z[n]=z[n−1]+x[n]+αε
ただし、x[n]はループフィルタの積分器出力値であり、z[n]はVCO出力値である。符号位相調整はモデムコントローラが次のC−サブルーチンを実行することによって行う。
if (z>zmx){
delay phase
1/16 chip;
z- = zmax;
} else if (z < -zmax){
advance phase
1/16 chip;
z+ = zmax;
}
【0241】
本発明と整合した上記擬似符号には、別の遅延位相を用いることもできる。
【0242】
AMF重み発生器1722(
図15に示す)のAMFタップ重み更新アルゴリズムは、パイロットレーキ1711の各フィンガー値の位相の逆転、およびメモリ付けのために、パイロットAVCフィンガー値と搬送波トラッキングループの現在の出力値の複素共役値との複素乗算を行い、その値を低域フィルタに加えるとともにAMFタップ重み値、すなわちCDMAモデムのAMFフィルタに周期的に書き込まれるAMFタップ重み値を生ずるようにフィルタ値の複素共役値を形成することによって周期的に起動する。
【0243】
図15に示したロックチェックアルゴリズムは、スカラー相関器アレーの出力信号に対してSPRT動作を行うモデムコントローラ1303によって実働化する。SPRT手法はロックの検出確率の向上のために許可および拒否しきい値を変化させること以外は、捕捉アルゴリズムの手法と同じである。
【0244】
搬送波トラッキングはスカラー相関アレーのパイロット出力値に対して作動する2次ループ経由で達成される。位相検出器出力はスカラー相関アレーの(複素数)パイロット出力信号とVCO出力信号との積の直交成分の厳格限定出力である。ループフィルタは比例および積分構成を備える。VCOは純粋に加算累計された位相φを伴い、この誤差はメモリ中の参照テーブルにより複素位相cosφ+jsinφに変換される。
【0245】
捕捉およびトラッキングアルゴリズムに関する上述の説明は、捕捉の期間中はAMF、パイロットAVC、AuxAVC、およびDPLLが平衡状態になるまでコヒーレント基準が得られないため非コヒーレントトラッキングによる非コヒーレント捕捉追従を捕捉およびトラッキングアルゴリズムが必要とするので非コヒーレント手法に絞っている。しかし、この技術分野で周知のとおり、非コヒーレントトラッキングおよび非コヒーレント合成においては各パイロットAVCフィンガーの出力位相情報がなくなるのでコヒーレントトラッキングおよびコヒーレント合成が常に最適である。したがって、本発明のもう一つの実施例は二段階捕捉およびトラッキングシステム、すなわち上述の非コヒーレントトラッキング手法に切り換える二段階捕捉およびトラッキングシステムを採用している。コヒーレント合成およびトラッキング手法はトラックずみの誤差信号が次の式で表される形をとることを除き上述のものと同じである。すなわち、
ε=y
TAy (40)
ただし、yはパイロットAVC1711の11の複素出力レベル値を表す縦ベクトルを表し、AはコヒーレントパイロットAVC出力yで動作を最適化するための予め定めた値を有する11×11対称実数値係数マトリクスを表す。マトリクスAの例を次に示す。
【0247】
本発明を複数の実施例について説明してきたが、本発明が請求の範囲記載の本発明の範囲から逸脱することなく上記実施例への改変を伴って実施され得ることは当業者には理解されよう。