特許第5751585号(P5751585)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5751585フィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5751585
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】フィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   H05K13/02 Z
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-138958(P2011-138958)
(22)【出願日】2011年6月22日
(65)【公開番号】特開2013-8756(P2013-8756A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【弁理士】
【氏名又は名称】東口 倫昭
(74)【代理人】
【識別番号】100115657
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 素子
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】竹内 真也
(72)【発明者】
【氏名】矢野 高光
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−032877(JP,A)
【文献】 特開2008−010707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品が配置される複数のフィーダーと該フィーダーが生産中に脱着可能に取り付けられるフィーダー保持部とを有し該電子部品を基板に装着する電子部品実装機を備える生産ラインの、フィーダー脱着時期案内方法であって、
前記フィーダーの取り外し時期および取り付け時期のうち少なくとも一方を脱着時期として、
前記生産ラインで生産される前記基板の生産プログラムを複数作成する生産プログラム作成ステップと、
複数の該生産プログラムを基に、該基板の生産中における脱着時期に関する脱着時期案内を、該フィーダー単位で該脱着時期が認識できるように、該基板の生産開始前に作成する脱着時期案内作成ステップと、
を有することを特徴とするフィーダー脱着時期案内方法。
【請求項2】
前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、
複数の前記基板は、第一基板と第二基板と第三基板とを含み、
複数の前記生産プログラムは、該第一基板を生産するための第一プログラムと、時系列的に該第一プログラムよりも後に実行される該第二基板を生産するための第二プログラムと、時系列的に該第二プログラムよりも後に実行される該第三基板を生産するための第三プログラムと、を含み、
複数の前記フィーダーは、該第一プログラムまで使用される前記電子部品が配置される第一フィーダーと、該第二プログラムから使用される該電子部品が配置される第二フィーダーと、該第三プログラムから使用される該電子部品が配置される第三フィーダーと、を有し、
該第一フィーダーと該第二フィーダーと該第三フィーダーとは、同一の該フィーダー取付部に取り付けられ、
前記脱着時期案内作成ステップにおいては、該第一フィーダーの前記取り外し時期、該第二フィーダーの前記取り付け時期および該取り外し時期、該第三フィーダーの該取り付け時期に関する前記脱着時期案内が作成される請求項1に記載のフィーダー脱着時期案内方法。
【請求項3】
前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、
前記脱着時期案内は、縦軸および横軸のうち、一方に該フィーダー取付部に関する項目が、他方に前記生産プログラムに関する項目が、各々設定される脱着時期案内表である請求項1または請求項2に記載のフィーダー脱着時期案内方法。
【請求項4】
前記フィーダーは、テープフィーダー、トレイユニット、トレイフィーダー、バルクフィーダーからなる群より選ばれる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフィーダー脱着時期案内方法。
【請求項5】
複数の電子部品が配置される複数のフィーダーと該フィーダーが生産中に脱着可能に取り付けられるフィーダー保持部とを有し該電子部品を基板に装着する電子部品実装機を備える生産ラインと、該基板の生産プログラムを作成する総合制御装置と、を備える生産ライン管理システムであって、
前記フィーダーの取り外し時期および取り付け時期のうち少なくとも一方を脱着時期として、
前記総合制御装置は、
前記生産ラインで生産される前記基板の生産プログラムを複数作成する生産プログラム作成ステップと、
複数の該生産プログラムを基に、該基板の生産中における脱着時期に関する脱着時期案内を、該フィーダー単位で該脱着時期が認識できるように、該基板の生産開始前に作成する脱着時期案内作成ステップと、
を実行することを特徴とする生産ライン管理システム。
【請求項6】
前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、
複数の前記基板は、第一基板と第二基板と第三基板とを含み、
複数の前記生産プログラムは、該第一基板を生産するための第一プログラムと、時系列的に該第一プログラムよりも後に実行される該第二基板を生産するための第二プログラムと、時系列的に該第二プログラムよりも後に実行される該第三基板を生産するための第三プログラムと、を含み、
複数の前記フィーダーは、該第一プログラムまで使用される前記電子部品が配置される第一フィーダーと、該第二プログラムから使用される該電子部品が配置される第二フィーダーと、該第三プログラムから使用される該電子部品が配置される第三フィーダーと、を有し、
該第一フィーダーと該第二フィーダーと該第三フィーダーとは、同一の該フィーダー取付部に取り付けられ、
前記脱着時期案内作成ステップにおいては、該第一フィーダーの前記取り外し時期、該第二フィーダーの前記取り付け時期および該取り外し時期、該第三フィーダーの該取り付け時期に関する前記脱着時期案内が作成される請求項5に記載の生産ライン管理システム。
【請求項7】
前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、
前記脱着時期案内は、縦軸および横軸のうち、一方に該フィーダー取付部に関する項目が、他方に前記生産プログラムに関する項目が、各々設定される脱着時期案内表である請求項5または請求項6に記載の生産ライン管理システム。
【請求項8】
前記フィーダーは、テープフィーダー、トレイユニット、トレイフィーダー、バルクフィーダーからなる群より選ばれる請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の生産ライン管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装機のフィーダーの脱着時期をオペレーターに案内するフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図6に、電子部品実装機の斜視図を示す。図6に示すように、電子部品実装機100には、デバイスパレット101が配置されている。デバイスパレット101には、多数のテープフィーダー102が上下二段に配置されている。テープフィーダー102は、テープ103を備えている。テープ103には、長手方向に所定間隔ずつ離間して、多数の電子部品が配置されている。単一のテープ103には、同じ部品種の電子部品が配置されている。異なるテープ103には、異なる部品種の電子部品が配置されている。電子部品実装機100は、予め設定された生産プログラムに従って、基板に電子部品を装着する。
【0003】
生産対象となる基板の基板種が切り替えられる場合、不要になる電子部品と、必要になる電子部品と、が発生する。すなわち、交換が必要な電子部品が発生する。図7に、パレット交換台車の斜視図を示す。図7に示すように、パレット交換台車104には、デバイスパレット101が搭載されている。従来は、交換が必要な多数の電子部品、つまりテープフィーダー102を、一括交換していた。すなわち、基板の基板種の切替により不要になった多数のテープフィーダー102を、デバイスパレット101ごとパレット交換台車104に載せ、電子部品実装機100から取り外していた。また、基板の切替により必要になった多数のテープフィーダー102を、デバイスパレット101ごとパレット交換台車104に載せ、電子部品実装機100に取り付けていた。
【0004】
しかしながら、基板種の切替により不要になったテープフィーダー102でも、切替後のテープフィーダー102の配置上邪魔でなければ、そのまま電子部品実装機100に残しておいても支障はない。
【0005】
この点に鑑み、特許文献1には、基板種の切替前後のテープフィーダー102の種類、配置を比較して、基板種の切替により不要になったテープフィーダー102でも、切替後のテープフィーダー102の配置上邪魔でなければ、そのまま電子部品実装機100に残しておくフィーダー交換方法が開示されている。同文献記載のフィーダー交換方法によると、基板種の切替に伴うオペレーターの作業負荷を軽減することができる。また、基板種の切替に速やかに対応することができる。
【0006】
特許文献2にも、特許文献1と同様に、基板種の切替前の部品配置情報(部品供給ユニット配置番号情報と部品情報)と、基板種の切替後の部品配置情報と、を比較して、段取り替え用の情報を作成する段取り替え情報作成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−32877号公報
【特許文献2】特開2005−277121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2の方法によると、基板種の切替の際に、取り外し対象となるフィーダーの数を減らすことができる。しかしながら、基板種の切替により必要になる電子部品がある以上、言い換えると取り付け対象となるフィーダーがある以上、必ず生産ラインを一旦停止する必要がある。このため、生産ラインの稼働率が低下する。
【0009】
特に近年では、同一の生産ラインにおいて、少量(同じ基板種の基板の生産枚数が少ない)多品種(基板種が多い)の基板が生産される場合が多い。この場合、基板種の切替の際に逐一生産ラインを停止すると、稼働率が大幅に低下してしまう。
【0010】
また、同一の生産ラインに配置される電子部品実装機の数が多い場合、電子部品の一括交換作業時間、つまり生産ラインの停止時間は長期化してしまう。この場合も生産ラインの稼働率が大幅に低下してしまう。
【0011】
本発明のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システムは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、生産ラインの稼働率が低下しにくいフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記課題を解決するため、本発明のフィーダー脱着時期案内方法は、複数の電子部品が配置される複数のフィーダーと該フィーダーが生産中に脱着可能に取り付けられるフィーダー保持部とを有し該電子部品を基板に装着する電子部品実装機を備える生産ラインの、フィーダー脱着時期案内方法であって、前記生産ラインで生産される前記基板の生産プログラムを複数作成する生産プログラム作成ステップと、複数の該生産プログラムを基に、生産中における、前記フィーダーの取り外し時期および取り付け時期のうち少なくとも一方である脱着時期に関する脱着時期案内を、該フィーダー単位で該脱着時期が認識できるように、作成する脱着時期案内作成ステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明のフィーダー脱着時期案内方法は、生産プログラム作成ステップと脱着時期案内作成ステップとを有している。
【0014】
生産プログラム作成ステップにおいては、例えば半日生産分、一日生産分、三日生産分、一週間生産分など、同一の生産ラインを用いて生産される複数の基板の生産プログラムをまとめて作成する。本ステップは、複数の基板の生産開始前に実行される。
【0015】
脱着時期案内作成ステップにおいては、生産中におけるフィーダーの脱着時期に関する脱着時期案内を作成する。脱着時期案内は、オペレーターがフィーダー単位で生産中における脱着時期を認識できるように作成される。
【0016】
前出の特許文献1、2の方法の場合、基板種の切替前後だけに局所的に着目して、フィーダーの交換の要否が判別される。これに対して、本発明のフィーダー脱着時期案内方法によると、同一の生産ラインを用いて生産される複数の基板の生産プログラムを基に、脱着時期案内が作成される。すなわち、生産計画全体を踏まえて、脱着時期案内が作成される。このため、生産ラインの稼働率が低下するのを抑制することができる。
【0017】
また、本発明のフィーダー脱着時期案内方法によると、オペレーターがフィーダー単位で生産中における脱着時期を認識できるように、脱着時期案内が作成される。脱着時期案内を参照することにより、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、不要なフィーダーを取り外すことができる。また、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、必要なフィーダーを取り付けることができる。また、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、不要なフィーダーを取り外すと共に、必要なフィーダーを取り付けることができる。以下、「取り外し」および「取り付け」を、まとめて「交換」と総称する場合がある。
【0018】
このように、本発明のフィーダー脱着時期案内方法によると、基板生産中に、オペレーターがフィーダーの脱着作業を行うことができる。このため、生産ラインの稼働率が低下するのを抑制することができる。
【0019】
また、本発明のフィーダー脱着時期案内方法によると、脱着時期案内を参照することにより、オペレーターは、脱着対象となるフィーダーと、当該フィーダーの脱着時期と、を確認することができる。このため、オペレーターは、脱着時期内のどのタイミングで脱着作業を行うかを、自在に決定することができる。例えば、オペレーターは、自身の作業負荷が軽いときに、脱着作業を行うことができる。このように、本発明のフィーダー脱着時期案内方法によると、脱着作業のタイミングに対する自由度が高くなる。
【0020】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、複数の前記基板は、第一基板と第二基板とを含み、複数の前記生産プログラムは、該第一基板を生産するための第一プログラムと、時系列的に該第一プログラムよりも後に実行される該第二基板を生産するための第二プログラムと、を含み、複数の前記フィーダーは、該第一プログラムまで使用される前記電子部品が配置される第一フィーダーと、該第二プログラムから使用される該電子部品が配置される第二フィーダーと、を有し、該第一フィーダーと該第二フィーダーとは、同一の該フィーダー取付部に取り付けられ、前記脱着時期案内作成ステップにおいては、該第一フィーダーの前記取り外し時期、および該第二フィーダーの前記取り付け時期に関する前記脱着時期案内が作成される構成とする方がよい。
【0021】
図1(a)に、従来の基板切替作業の模式図を示す。図1(b)に、本構成の基板切替作業の模式図を示す。なお、図1(a)、(b)は、本構成の作用効果を説明するための模式図である。例えば、フィーダー取付部の数、生産プログラムの数、取り外し対象となるフィーダーの数、配置、取り付け対象となるフィーダーの数、配置など、本発明の内容を何等限定するものではない。
【0022】
図1(a)に示すように、フィーダー取付部Aのフィーダーa1(つまり電子部品)は、1番目からn番目(nは2以上の整数)までの生産プログラム(つまり基板)において、使用される。フィーダーa1は、n+1番目からの生産プログラムにおいては使用されない。また、フィーダー取付部Bのフィーダーb1は、1番目からn+1番目までの生産プログラムにおいて、使用される。フィーダーb1は、n+2番目からの生産プログラムにおいては使用されない。また、フィーダー取付部Cのフィーダーc1は、1番目からn+2番目までの生産プログラムにおいて、使用される。フィーダーc1は、n+3番目からの生産プログラムにおいては使用されない。一方、フィーダーa2、b2、c2は、n+4番目からの生産プログラムにおいて使用される。また、フィーダー取付部Dのフィーダーd1は、全ての生産プログラムにおいて、使用される。
【0023】
従来は、図1(a)にハッチングで示すように、n+3番目のプログラムとn+4番目のプログラムとの間で、生産ラインを停止していた。そして、前出図7に示すパレット交換台車104などを用いて、フィーダーa1をフィーダーa2に、フィーダーb1をフィーダーb2に、フィーダーc1をフィーダーc2に、一括交換していた。このため、生産ラインの稼働率が低下していた。
【0024】
この点、本構成によると、図1(b)に示すように、第一フィーダー(フィーダーa1、b1、c1)の取り外し時期、第二フィーダー(フィーダーa2、b2、c2)の取り付け時期に関する脱着時期案内が作成される。
【0025】
脱着時期案内を参照することにより、オペレーターは、フィーダー取付部Aに対するフィーダーa1とフィーダーa2との交換作業を、n+1番目の生産プログラムからn+3番目の生産プログラムまでの間に実行すればよいことを認識することができる。また、オペレーターは、フィーダー取付部Bに対するフィーダーb1とフィーダーb2との交換作業を、n+2番目の生産プログラムからn+3番目の生産プログラムまでの間に実行すればよいことを認識することができる。また、オペレーターは、フィーダー取付部Cに対するフィーダーc1とフィーダーc2との交換作業を、n+3番目の生産プログラム内に実行すればよいことを認識することができる。
【0026】
また、オペレーターは、三つの交換作業に優先順位をつけることができる。例えば、n+3番目の生産プログラム内においては、当該生産プログラム内でしか実行できないフィーダーc1とフィーダーc2との交換作業を行い、n+2番目の生産プログラム内においては、当該生産プログラム内およびn+3番目の生産プログラム内でしか実行できないフィーダーb1とフィーダーb2との交換作業を行い、n+1番目の生産プログラム内においては、当該生産プログラムからn+3番目の生産プログラムまで実行できるフィーダーa1とフィーダーa2との交換作業を行うことを、オペレーターが判断することができる。
【0027】
このように、本構成によると、フィーダーの一括交換に伴う生産ラインの停止時間を短縮することができる。このため、生産ラインの稼働率が低下するのを抑制することができる。また、交換作業のタイミングに対する自由度が高くなる。また、交換作業を時系列的に分散することができる。また、オペレーターの作業負荷を軽減することができる。
【0028】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、複数の前記基板は、第三基板を含み、複数の前記生産プログラムは、二番目以降に実行される該第三基板を生産するための第三プログラムを含み、複数の前記フィーダーは、該第三プログラムから使用される前記電子部品が配置される第三フィーダーを有し、前記脱着時期案内作成ステップにおいては、該第三フィーダーの前記取り付け時期に関する前記脱着時期案内が作成される構成とする方がよい。ここで、「二番目以降」には「二番目」も含まれる。
【0029】
第三フィーダーは、第三プログラムから使用される。このため、第三フィーダーは、第三プログラムが開始される時点で取り付けられていればよい。逆に言えば、第三フィーダーは、第一プログラムが開始される時点で取り付けられていなくてもよい。
【0030】
本構成によると、第三フィーダーの使用開始時期(第三プログラムの実行時期)に応じて、オペレーターが第三フィーダーの取り付け作業を行うことができる。このため、取り付け作業のタイミングに対する自由度が高くなる。また、取り付け作業を時系列的に分散することができる。また、オペレーターの作業負荷を軽減することができる。
【0031】
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、前記脱着時期案内は、縦軸および横軸のうち、一方に該フィーダー取付部に関する項目が、他方に前記生産プログラムに関する項目が、各々設定される脱着時期案内表である構成とする方がよい。
【0032】
本構成によると、複数の生産プログラムに対して、一覧表形式の脱着時期案内表を作成することができる。このため、複数の基板の生産開始前の段階で、全フィーダーに対して、フィーダー単位で、俯瞰的に脱着時期を認識することができる。したがって、作業負荷の程度を把握しやすい。例えば、複数のフィーダーの脱着時期が重なる時間帯においては、オペレーターを増員するなどの対策を、事前に準備することができる。
【0033】
(5)上記課題を解決するため、本発明の生産ライン管理システムは、複数の電子部品が配置される複数のフィーダーと該フィーダーが生産中に脱着可能に取り付けられるフィーダー保持部とを有し該電子部品を基板に装着する電子部品実装機を備える生産ラインと、該基板の生産プログラムを作成する総合制御装置と、を備える生産ライン管理システムであって、前記総合制御装置は、前記生産ラインで生産される前記基板の生産プログラムを複数作成する生産プログラム作成ステップと、複数の該生産プログラムを基に、生産中における、前記フィーダーの取り外し時期および取り付け時期のうち少なくとも一方である脱着時期に関する脱着時期案内を、該フィーダー単位で該脱着時期が認識できるように、作成する脱着時期案内作成ステップと、を実行することを特徴とする。
【0034】
本発明の生産ライン管理システムは、生産ラインと総合制御装置とを備えている。生産ラインは、少なくとも一つの電子部品実装機から構成されている。電子部品実装機は、複数のフィーダーとフィーダー保持部とを備えている。基板の生産中であっても、フィーダーは、フィーダー保持部に対して、脱着可能である。
【0035】
総合制御装置は、生産プログラム作成ステップと脱着時期案内作成ステップとを実行する。これら二つのステップは、上記(1)の構成と同様に実行される。
【0036】
本発明の生産ライン管理システムによると、同一の生産ラインを用いて生産される複数の基板の生産プログラムを基に、脱着時期案内が作成される。すなわち、生産計画全体を踏まえて、脱着時期案内が作成される。このため、生産ラインの稼働率が低下するのを抑制することができる。
【0037】
また、本発明の生産ライン管理システムによると、オペレーターがフィーダー単位で生産中における脱着時期を認識できるように、脱着時期案内が作成される。脱着時期案内を参照することにより、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、不要なフィーダーを取り外すことができる。また、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、必要なフィーダーを取り付けることができる。また、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、不要なフィーダーを取り外すと共に、必要なフィーダーを取り付けることができる。このように、本発明の生産ライン管理システムによると、基板生産中に、オペレーターがフィーダーの脱着作業を行うことができる。このため、生産ラインの稼働率が低下するのを抑制することができる。
【0038】
また、本発明の生産ライン管理システムによると、脱着時期案内を参照することにより、オペレーターは、脱着対象となるフィーダーと、当該フィーダーの脱着時期と、を確認することができる。このため、オペレーターは、脱着時期内のどのタイミングで脱着作業を行うかを、自在に決定することができる。例えば、オペレーターは、自身の作業負荷が軽いときに、脱着作業を行うことができる。このように、本発明の生産ライン管理システムによると、脱着作業のタイミングに対する自由度が高くなる。
【0039】
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、複数の前記基板は、第一基板と第二基板とを含み、複数の前記生産プログラムは、該第一基板を生産するための第一プログラムと、時系列的に該第一プログラムよりも後に実行される該第二基板を生産するための第二プログラムと、を含み、複数の前記フィーダーは、該第一プログラムまで使用される前記電子部品が配置される第一フィーダーと、該第二プログラムから使用される該電子部品が配置される第二フィーダーと、を有し、該第一フィーダーと該第二フィーダーとは、同一の該フィーダー取付部に取り付けられ、前記脱着時期案内作成ステップにおいては、該第一フィーダーの前記取り外し時期、および該第二フィーダーの前記取り付け時期に関する前記脱着時期案内が作成される構成とする方がよい。
【0040】
本構成によると、上記(2)の構成と同様に、フィーダーの一括交換に伴う生産ラインの停止時間を短縮することができる。このため、生産ラインの稼働率が低下するのを抑制することができる。また、交換作業のタイミングに対する自由度が高くなる。また、交換作業を時系列的に分散することができる。また、オペレーターの作業負荷を軽減することができる。
【0041】
(7)好ましくは、上記(5)または(6)の構成において、複数の前記基板は、第三基板を含み、複数の前記生産プログラムは、二番目以降に実行される該第三基板を生産するための第三プログラムを含み、複数の前記フィーダーは、該第三プログラムから使用される前記電子部品が配置される第三フィーダーを有し、前記脱着時期案内作成ステップにおいては、該第三フィーダーの前記取り付け時期に関する前記脱着時期案内が作成される構成とする方がよい。
【0042】
本構成によると、上記(3)の構成と同様に、第三フィーダーの使用開始時期(第三プログラムの実行時期)に応じて、オペレーターが第三フィーダーの取り付け作業を行うことができる。このため、取り付け作業のタイミングに対する自由度が高くなる。また、取り付け作業を時系列的に分散することができる。また、オペレーターの作業負荷を軽減することができる。
【0043】
(8)好ましくは、上記(5)ないし(7)のいずれかの構成において、前記フィーダー保持部は、前記フィーダーが個別に脱着可能に取り付けられる複数のフィーダー取付部を有し、前記脱着時期案内は、縦軸および横軸のうち、一方に該フィーダー取付部に関する項目が、他方に前記生産プログラムに関する項目が、各々設定される脱着時期案内表である構成とする方がよい。
【0044】
本構成によると、上記(4)の構成と同様に、複数の生産プログラムに対して、一覧表形式の脱着時期案内表を作成することができる。このため、複数の基板の生産開始前の段階で、全フィーダーに対して、フィーダー単位で、俯瞰的に脱着時期を認識することができる。したがって、作業負荷の程度を把握しやすい。例えば、複数のフィーダーの脱着時期が重なる時間帯においては、オペレーターを増員するなどの対策を、事前に準備することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によると、生産ラインの稼働率が低下しにくいフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】(a)は、従来の基板切替作業の模式図である。(b)は、(2)の構成の基板切替作業の模式図である。
図2】本発明の生産ライン管理システムの一実施形態の生産ライン管理システムの模式図である。
図3】同生産ライン管理システムの電子部品実装機の斜視図である。
図4】同電子部品実装機のデバイスパレットの斜視図である。
図5】本発明のフィーダー脱着時期案内方法の一実施形態のフィーダー脱着時期案内方法により作成される脱着時期案内表である。
図6】電子部品実装機の斜視図である。
図7】パレット交換台車の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システムの実施の形態について説明する。
【0048】
<生産ライン管理システム>
まず、本実施形態の生産ライン管理システムについて説明する。図2に、本実施形態の生産ライン管理システムの模式図を示す。図2に示すように、本実施形態の生産ライン管理システム8は、前後二つの生産ラインLf、Lrと、総合制御装置9と、を備えている。
【0049】
[生産ラインLf、Lr]
前後二つの生産ラインLf、Lrは、各々、四台の電子部品実装機1a〜1dが一列に連なって構成されている。以下、四台の電子部品実装機1a〜1dを代表して、電子部品実装機1aの構成について説明する。
【0050】
図3に、本実施形態の生産ライン管理システムの電子部品実装機の斜視図を示す。なお、ハウジング36は透過して示す。図3に示すように、電子部品実装機1aは、ベース2と、モジュール3と、45個のテープフィーダー4と、デバイスパレット5と、制御装置6(図2参照)と、を備えている。テープフィーダー4は、本発明の「フィーダー」の概念に含まれる。デバイスパレット5は、本発明の「フィーダー保持部」の概念に含まれる。
【0051】
ベース2は、工場のフロアFに配置されている。モジュール3は、ベース2の上面に脱着可能に配置されている。モジュール3は、基板搬送部30と、XYロボット31と、装着ヘッド32と、ハウジング36と、表示部37と、を備えている。
【0052】
ハウジング36は、モジュール3の外殻を形成している。表示部37は画面である。表示部37は、ハウジング36の前面に配置されている。基板搬送部30は、前後一対の搬送部303f、303rを備えている。搬送部303fは、前後一対のベルト303faを備えている。前後一対のベルト303faには、基板Bfが架設されている。同様に、搬送部303rの前後一対のベルト303raには、基板Brが架設されている。
【0053】
XYロボット31は、Y方向スライダ310と、X方向スライダ311と、左右一対のY方向ガイドレール312と、上下一対のX方向ガイドレール313と、を備えている。
【0054】
左右一対のY方向ガイドレール312は、ハウジング36の上壁下面に配置されている。Y方向スライダ310は、左右一対のY方向ガイドレール312に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。上下一対のX方向ガイドレール313は、Y方向スライダ310の前面に配置されている。X方向スライダ311は、上下一対のX方向ガイドレール313に、左右方向に摺動可能に取り付けられている。
【0055】
装着ヘッド32は、X方向スライダ311に取り付けられている。このため、装着ヘッド32は、XYロボット31により、前後左右方向に移動可能である。装着ヘッド32の下方には、吸着ノズル320が交換可能に取り付けられている。吸着ノズル320は、装着ヘッド32に対して、下方、および水平面内における回転方向に移動可能である。このため、吸着ノズル320は、前後、左右、上下、回転方向に移動可能である。
【0056】
デバイスパレット5は、モジュール3の前部開口に装着されている。図4に、デバイスパレットの斜視図を示す。図4に示すように、デバイスパレット5は、45個のスロット50を備えている。スロット50は、本発明の「フィーダー取付部」の概念に含まれる。45個のスロット50には、左側から右側に向かって、1番〜45番の番号(後述するテープフィーダー4のアドレス)が割り付けられている。スロット50には、コネクタ500が配置されている。コネクタ500は、後述する制御装置6に電気的に接続されている。
【0057】
45個のテープフィーダー4は、各々、スロット50に脱着可能に取り付けられている。テープフィーダー4は、コネクタ500を介して、後述する制御装置6に電気的に接続されている。テープフィーダー4は、テープ40と、リール41と、リールホルダ42と、を備えている。テープ40には、長手方向に所定間隔ずつ離間して、多数の電子部品が配置されている。単一のテープ40には、同じ部品種の電子部品が配置されている。テープ40は、リール41に巻装されている。リール41は、リールホルダ42に収容されている。テープ40の先端は、リール41から後方に引き出されている。電子部品は、図3に示す吸着ノズル320により、テープ40の先端から取り出される。取り出された電子部品は、装着ヘッド32およびXYロボット31により基板Bf、Brまで搬送され、所定の装着位置に装着される。図2に示す制御装置6は、基板搬送部30、XYロボット31、装着ヘッド32、テープフィーダー4を駆動する。
【0058】
[総合制御装置9]
図2に示すように、総合制御装置9は、全ての電子部品実装機1a〜1dの制御装置6に電気的に接続されている。総合制御装置9は、生産ラインLf、Lrを用いて生産される基板Bf、Brの生産プログラムを、基板種ごとに作成する。
【0059】
<フィーダー脱着時期案内方法>
次に、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法について説明する。以下、生産ラインLf、Lrを代表して、生産ラインLfについて説明する。本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法は、総合制御装置9により実行される。フィーダー脱着時期案内方法は、生産プログラム作成ステップと、脱着時期案内作成ステップと、を有している。
【0060】
[生産プログラム作成ステップ]
本ステップにおいては、総合制御装置9は、34種類の基板Bfの生産プログラムを作成する。すなわち、基板Bfの全ての電子部品の装着担当を、電子部品実装機1a〜1dに割り当てる。具体的には、34種類の基板Bfの各々に対して、どの電子部品実装機1a〜1dで、どのテープフィーダー4を用いて、どの装着位置に、電子部品を装着するかを決定する。
【0061】
[脱着時期案内作成ステップ]
本ステップにおいては、総合制御装置9は脱着時期案内表を作成する。図5に、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法により作成される脱着時期案内表を示す。なお、図5に示すのは、電子部品実装機1aの担当分だけである。電子部品実装機1b〜1dの担当分についても、同様の脱着時期案内表が作成される。図2に示すように、脱着時期案内表は、総合制御装置9から、各電子部品実装機1a〜1dの制御装置6に伝送される。伝送された脱着時期案内表は、表示部37に表示される。
【0062】
図5中、縦軸の項目「Pos.」は、図4のデバイスパレット5のスロット50のスロット番号(1番〜45番)である。横軸の上の項目「生産順」は、生産プログラム(1番〜34番)である。横軸の下の項目「Qty」は、電子部品の装着数である。例えば、Pos.11の生産順2のスペースに記入されている「15」は、2番目の生産プログラムで生産される基板Bfに対して、電子部品実装機1aの11番のスロット50に配置されたテープフィーダー4の電子部品が、合計15個装着されることを示している。
【0063】
オペレーターは、図5の脱着時期案内表を見ることにより、テープフィーダー4の脱着時期を認識することができる。
【0064】
まず、テープフィーダー4の交換時期の認識方法について説明する。図5に示すように、項目「Pos.」中、Pos.11、15、19、23〜30、32、33、35には、各々、太実線枠が施されている。これにより、オペレーターは、当該スロット50に取り付けられているテープフィーダー4を、34個の生産プログラム実行中のいずれかのタイミングで、異なる部品種のテープフィーダー4に交換する必要があることを認識する。
【0065】
また、太実線枠で囲まれている任意の項目「Pos.」に対して、生産プログラム順に使用される電子部品のQty(装着数)を見ると、Qty=0が連続する時期(太実線枠で囲まれている区間)が存在する。当該区間が、本発明の「脱着時期」に該当する。脱着時期の左右両側の生産プログラムにおいては、使用される電子部品の部品種が異なっている。このため、脱着時期内のいずれかのタイミングにおいて、テープフィーダー4を交換する必要がある。
【0066】
例えば、Pos.11(スロット番号11)の場合、2番目の生産プログラムにおいて、15個の電子部品が使用される。脱着時期(3番目の生産プログラムから28番目の生産プログラムまでの区間)においては、電子部品が使用されない。29番目の生産プログラムにおいて、10個の電子部品が使用される。ここで、2番目の生産プログラムにおいて使用される電子部品と、29番目の生産プログラムにおいて使用される電子部品と、は部品種が異なる。このため、脱着時期内のいずれかのタイミングにおいて、Pos.11のスロット50から、2番目の生産プログラム用のテープフィーダー4を取り外す必要がある。並びに、脱着時期内のいずれかのタイミングにおいて、Pos.11のスロット50に、29番目の生産プログラム用のテープフィーダー4を取り付ける必要がある。
【0067】
このように、オペレーターは、脱着時期を見ることにより、テープフィーダー4の交換時期を認識することができる。
【0068】
次に、テープフィーダー4の取り付け時期の認識方法について説明する。一例として、太点線枠が施されたPos.2に対して、生産プログラム順に使用される電子部品のQty(装着数)を見ると、1番目の生産プログラムから14番目の生産プログラムまで、Qty=0が連続する時期(太点線枠で囲まれている区間)が存在する。当該区間が、本発明の「脱着時期」に該当する。オペレーターは、脱着時期を見ることにより、Pos.2(スロット番号2)のスロット50には、15番目の生産プログラムが開始されるまでに、テープフィーダー4を取り付ければよいことを認識することができる。逆に言えば、1〜14番目の生産プログラムが開始される時点において、Pos.2のスロット50にテープフィーダー4を取り付けておく必要がないことを認識することができる。
【0069】
次に、テープフィーダー4の取り外し時期の認識方法について説明する。一例として、太点線枠が施されたPos.2に対して、生産プログラム順に使用される電子部品のQty(装着数)を見ると、19番目の生産プログラムから34番目(最終)の生産プログラムまで、Qty=0が連続する時期(太一点鎖線枠で囲まれている区間)が存在する。当該区間が、本発明の「脱着時期」に該当する。オペレーターは、脱着時期を見ることにより、18番目の生産プログラムが終了した時点で、Pos.2(スロット番号2)のスロット50から、テープフィーダー4を取り外してよいことを認識することができる。
【0070】
<作用効果>
次に、本発明のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システムの作用効果について説明する。本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム8によると、図2に示す同一の生産ラインLf(または生産ラインLr)を用いて生産される34種類の基板Bf(または基板Br)の生産プログラムを基に、図5に示す脱着時期案内表が作成される。すなわち、基板Bf、Brの生産計画全体を踏まえて、脱着時期案内表が作成される。このため、生産ラインLf、Lrの稼働率が低下するのを抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム8によると、オペレーターがスロット50ごとに(つまりテープフィーダー4単位で)生産中における脱着時期を認識できるように、図5に示す脱着時期案内表が作成される。
【0072】
脱着時期案内表を参照することにより、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず(電子部品実装機1a〜1dが動いているにもかかわらず)、不要なテープフィーダー4を取り外すことができる。例えば、18番目の生産プログラムの終了後、Pos.2(スロット番号2)のスロット50から、テープフィーダー4を取り外すことができる。
【0073】
また、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、必要なテープフィーダー4を取り付けることができる。例えば、15番目の生産プログラムの開始までに、Pos.2(スロット番号2)のスロット50に、テープフィーダー4を取り付けることができる。
【0074】
また、オペレーターは、基板生産中であるにもかかわらず、不要なテープフィーダー4を取り外すと共に、必要なテープフィーダー4を取り付けることができる。つまり、テープフィーダー4を交換することができる。例えば、3番目の生産プログラムから28番目の生産プログラムまでの間に、Pos.11(スロット番号11)のスロット50から不要なテープフィーダー4を取り外し、当該スロット50に必要なテープフィーダー4を取り付けることができる。
【0075】
このように、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム8によると、基板生産中に、オペレーターがテープフィーダー4の脱着作業を行うことができる。このため、テープフィーダー4を一括交換する場合と比較して、生産ラインLf、Lrの停止時間を短縮することができる。したがって、生産ラインLf、Lrの稼働率が低下するのを抑制することができる。
【0076】
また、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム8によると、図5に示す脱着時期案内表を参照することにより、オペレーターは、脱着対象となるテープフィーダー4と、当該テープフィーダー4の脱着時期と、を確認することができる。このため、オペレーターは、脱着時期内のどのタイミングで脱着作業を行うかを、自在に決定することができる。
【0077】
例えば、Pos.2(スロット番号2)のスロット50には、15番目の生産プログラムが開始されるまでに、テープフィーダー4を取り付ける必要がある。ここで、2番目の生産プログラムにおいては、Pos.2(スロット番号2)の脱着時期と、Pos.32(スロット番号32)の脱着時期と、が重複している。また、3番目〜5番目の生産プログラムにおいては、上記脱着時期に加えて、Pos.11(スロット番号11)およびPos.35(スロット番号35)の脱着時期が重複している。また、6番目〜9番目の生産プログラムにおいては、上記脱着時期に加えて、Pos.33(スロット番号33)の脱着時期が重複している。また、10番目の生産プログラムにおいては、上記脱着時期に加えて、Pos.26(スロット番号26)の脱着時期が重複している。また、11番目〜14番目の生産プログラムにおいては、上記脱着時期に加えて、Pos.19(スロット番号19)およびPos.23(スロット番号23)の脱着時期が重複している。
【0078】
これに対して、1番目の生産プログラムにおいては、Pos.2(スロット番号2)の脱着時期に重複する脱着時期が存在しない。このため、オペレーターは、作業負荷の軽い1番目の生産プログラム内のいずれかのタイミングで、Pos.2(スロット番号2)のスロット50に、テープフィーダー4を取り付けることを決定することができる。このように、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム8によると、脱着作業のタイミングに対する自由度が高くなる。
【0079】
また、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム8によると、図5に示すように、一覧表形式で脱着時期案内表が作成される。このため、基板Bf、Brの生産開始前の段階で、全テープフィーダー4に対して、フィーダー単位で、脱着時期を認識することができる。したがって、作業負荷の程度を把握しやすい。例えば、複数のテープフィーダー4の脱着時期が重なる時間帯(例えば、図5に示す27番目の生産プログラム)においては、オペレーターを増員するなどの対策を、事前に準備することができる。
【0080】
また、本実施形態のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システム8によると、図5に示す脱着時期案内表を参照することにより、テープフィーダー4の休止中に、当該テープフィーダー4のテープ40に対して、新しいテープ40を継ぎ足すことができる。また、リール41ごと、テープ40を交換することができる。
【0081】
例えば、Pos.17(スロット番号17)のスロット50のテープフィーダー4は、9番目、27番目の生産プログラムにおいて使用される一方、10番目〜26番目の生産プログラムにおいては使用されない。すなわち休止している。この休止時期を利用して、当該テープフィーダー4のテープ40にテープ40を継ぎ足すことができる。また、テープ40を丸ごと交換することができる。
【0082】
<その他>
以上、本発明のフィーダー脱着時期案内方法および生産ライン管理システムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0083】
例えば、図2に示す生産ラインLf、Lrの本数、電子部品実装機1a〜1dの配置数は特に限定しない。また、テープフィーダー4の代わりにトレイユニット、トレイフィーダー、バルクフィーダーなど、他のフィーダーを用いてもよい。
【0084】
また、図5に示す脱着時期案内表においては、太実線枠、太点線枠、太一点鎖線枠で、脱着時期などの表示の識別性を強調したが、識別性を強調する手段は特に限定しない。例えば、色、背景、ハッチング、矢印、枠、レタリング、画像の輝度のコントラストなどを工夫することにより、識別性を強調してもよい。
【0085】
上記実施形態においては、図5に示す脱着時期案内表を、図3に示す表示部37に表示したが、紙、プラスチック板などにプリントアウトしてもよい。また、上記実施形態においては、図3に示すように、デバイスパレット5を一つだけ用いたが、デバイスパレット5の配置数は特に限定しない。上下二段にデバイスパレット5を配置してもよい。また、電子部品実装機1a〜1dの前後両側にデバイスパレット5を配置してもよい。複数のデバイスパレット5を配置する場合、図5に示す脱着時期案内表において、デバイスパレット5ごとに区切ってPos.(スロット番号)を表示してもよい。
【0086】
また、上記実施形態においては、脱着時期案内を、図5に示す脱着時期案内表という一覧表形式で出力したが、グラフ、文字、図形、記号、音声などの形式で出力してもよい。例えば、図3に示す表示部37に、「スロット番号11のテープフィーダーを、α(テープフィーダーの種類)からβ(テープフィーダーの種類)に、○○時から××時までの間に、交換して下さい。」という文章を表示してもよい。また、当該文章を音声ソフトで読み上げてもよい。
【0087】
また、図5に示す脱着時期案内表にまとめて示される生産プログラム数は特に限定しない。半日生産分、一日生産分、三日生産分、一週間生産分、一ヶ月生産分などでもよい。脱着時期案内表は、基板の生産開始前までに作成されていればよい。また、スロット数、スロット番号の付け方も特に限定しない。また、縦軸と横軸とを逆に配置してもよい。また、「Qty」のスペースに、電子部品の装着数ではなく、装着の要否を、「○」−「×」、「YES」−「NO」など二択形式で記入してもよい。そして、「×」や「NO」が連続する区間を脱着時期としてもよい。
【0088】
また、図5に示す脱着時期案内表の生産プログラムの実行順は特に限定しない。複数の生産プログラムにおいて、できるだけテープフィーダー4の配置を共通化できるように、生産プログラムの実行順を最適化してもよい。また、生産ラインLf、Lrの停止時間ができるだけ少なくなるように、生産プログラムの実行順を最適化してもよい。また、任意(単一でも複数でもよい)のテープフィーダー4の脱着時期が長くなるように、生産プログラムの実行順を最適化してもよい。また、任意(単一でも複数でもよい)のテープフィーダー4の脱着作業の回数が少なくなるように、生産プログラムの実行順を最適化してもよい。
【符号の説明】
【0089】
1a〜1d:電子部品実装機、2:ベース、3:モジュール、4:テープフィーダー(フィーダー)、5:デバイスパレット(フィーダー保持部)、6:制御装置、8:生産ライン管理システム、9:総合制御装置。
30:基板搬送部、31:XYロボット、32:装着ヘッド、36:ハウジング、37:表示部、40:テープ、41:リール、42:リールホルダ、50:スロット(フィーダー取付部)。
303f:搬送部、303fa:ベルト、303r:搬送部、303ra:ベルト、310:Y方向スライダ、311:X方向スライダ、312:Y方向ガイドレール、313:X方向ガイドレール、320:吸着ノズル、500:コネクタ。
A〜D:フィーダー取付部、Bf:基板、Br:基板、F:フロア、Lf:生産ライン、Lr:生産ライン、Pos.スロット番号、Qty:装着数、a1:フィーダー、a2:フィーダー、b1:フィーダー、b2:フィーダー、c1:フィーダー、c2:フィーダー、d1:フィーダー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7