(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明のネットワーク機器が接続された環境の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように本形態においては、一般家庭で使用するような無線LANルータやハブ等のネットワーク機器1と、パソコン2,3とがネットワーク接続されて構成されている。ネットワーク機器1とパソコン2とは無線LAN接続され、また、ネットワーク機器1とパソコン3とはLANケーブル4を介して有線LANで接続されている。また、ネットワーク機器1には、ケーブル5を介して上位のネットワーク機器(不図示)と接続されている。ネットワーク機器1には、本発明の表示インタフェースとなるLED部6,7が設けられている。LED部6は、電源ON状態を示すPOWER LEDランプや上位ネットワーク機器との通信状態を表示するLEDランプや、無線LANの無線通信状態を表示するLEDランプ等、装置固有にいろいろな状態を表示しユーザーに動作状態を知らせるLEDランプになり、ネットワーク機器1の装置仕様に応じてLED表示は任意に設計可能である。LED部7は、一般的に有線LANポートに配置されているリンク用LEDランプになり、LEDランプの下側に配置されたLANポートのリンクアップ時やデータ通信時などの通信状態を表示するLEDランプになる。仮に、ネットワーク機器1にはLED部6にLEDランプを4個、LED部7には、LANポート×4とWANポート×1をあわせて、LAN LEDランプを5個の構成とする。同じくネットワーク機器1の装置仕様によりLEDランプの数量等は任意に設計可能である。なお、
図1の構成ではLCD表示部は説明していないが、LED6,7の動作状態表示の代わりにLCDパネル上に文字、アイコンなどを使い動作状態を表示することが可能である。
【0017】
図2は、
図1に示したネットワーク機器1の実施の一形態を示すブロック図である。
【0018】
本形態におけるネットワーク機器1は
図2に示すように、本発明の表示制御手段となるCPU10と、RFデバイス11、MAC(Media Access Control)12と、PHY13と、LANポート14と、記憶部15と、LCD制御部16と、LCD表示部17と、LED制御部18と、
図1に示したLED部6,7となるLED表示部19とから構成されている。CPU10、RFデバイス11、MAC12、PHY13、LCD制御部16及びLED制御部18の構成は、使用するデバイス(チップ)仕様に依存するため、1チップ構成や2チップ構成等、デバイスによって決まる。LANポート14、LCD表示部17及びLED表示部19はまとめて記載しているが、ネットワーク機器1の仕様により任意の数だけ備えることが可能である。記憶部15は、LCD表示部17に表示されるべき画像データ等を記憶する用途に使用することができる。また、必要に応じて起動用のプログラムを含めた様々なプログラムの格納が可能である。
【0019】
上記のように構成されたネットワーク機器1においては、電源が投入されることで、
図2に示した各部に電源が供給される。そして、CPU10が起動し、記憶部5から必要なプログラムが読み出されて実行される。また、CPU10において、ネットワーク機器1の消費電流を低減させるため、LED制御部16を制御することで、LED表示部19となるLED部6,7のON/OFF制御を行い、省電力制御を実現する。
【0020】
以下に、上述したネットワーク機器1の動作について説明する。
【0021】
図3は、
図1及び
図2に示したネットワーク機器1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0022】
まず、ネットワーク機器1の電源が投入されるとシステムが起動する(ステップA1)。
【0023】
次に、CPU10が、LED制御部16を介し、LED部6,7の動作状態をネットワーク装置1の仕様に応じて、その時の動作状態に応じてLED表示をONする(装置仕様に従い、各LEDランプを点灯、点滅、消灯させる)(ステップA2)。例えば、POWER LEDランプであれば、電源が投入された時点でLEDランプを点灯する。また、上位ネットワーク機器との通信状態を表示するLEDランプや、無線LANの無線通信状態を表示するLEDランプ等も装置状態に応じて、LEDランプを点灯させたり、点滅させたりする。また、LED制御部16がCPU10とは別個に設けられておらず、CPU10に内蔵されるケースも存在する。
【0024】
次に、CPU10は省電力機能フローを開始する(ステップA3)。
【0025】
CPU10は、ネットワーク機器1のネットワーク上での通信状態を監視し、まず、ネットワーク機器1が、パソコン2,3と接続され、リンクアップ中であるかどうかを検出する(ステップA4)。そして、任意に決めた一定の時間の間にリンクアップがない場合には、CPU10は、通常の動作時よりも消費電力が少ない省電力モードに移行し、LED部6,7のLEDが点灯、点滅しているのであれば、LED制御部18を介し、全てのLEDランプを消灯する(ステップA7)。
【0026】
一方、ネットワーク機器1がリンクアップしている場合は、CPU10は、すぐに省電力設定に移行せず、次に、リンクアップしているLANポートでデータ送受信があるかどうかを検出する(ステップA5)。そして、リンクアップのみではなくデータ送受信がある場合(CPU10もしくはCPU10がMAC12及びPHY13ブロックを使用することで通信中のデータパケット数をカウントし、データ送受信中であるかどうか判断可能で)は、ユーザーがパソコン2もしくはパソコン3を使用してネットワークを利用していることになる。その場合、ユーザーはネットワークの通信状態を確認するためLED部6,7を見る可能性があり、動作状態を確認できるようLED表示部19やLCD表示部17をONする必要がある。具体的には、データ送受信がない場合は、CPU10は、ネットワーク機器1とパソコン2もしくはパソコン3とはリンクアップしているのみで、ユーザーはデータ通信を行っていないと判断して、ステップA7の省電力モードに移行し、LED部6,7のLEDが点灯、点滅しているのであれば、全てのLEDランプを消灯する。また、データ送受信があると判断した場合、CPU10は、データ通信状態を確認する(ステップA6)。
【0027】
通信状態が安定しておらずに通信状態が予め決められた異常状態であると判断した場合は、CPU10は、任意の一定期間の待ち時間を設け、通信状態が安定するまでステップA6における処理を繰り返し、通信状態が安定して通信状態が異常状態ではないと判断した場合、ステップA7の省電力モードに移行する。なお、通信状態の安定を判断する方法に関しては後述する。また、ステップA6で通信状態を判断する場合、任意の一定時間もしくは任意の回数連続して通信状態が安定と判断した場合にステップA7に進むとすれば、なお、安定度は増す傾向になる。
【0028】
そして、ステップA7における省電力モードにおいて、CPU10は、LED制御部18を介し、LED部6,7の全てのLEDランプを消灯し、消費電力の低減を行う。ステップ7で省電力モードに移行した場合、ネットワーク機器1のLED表示部19及びLCD表示部17はOFFすることを目的としており、OFFされた状態ではユーザーは容易にネットワーク機器1の状態を確認できないため、ステップA4〜A6での判断は確実に行い、ステップA7に進むフローになるよう、十分な判断をできる手段を用いる必要がある。
【0029】
以上、電源投入から省電力設定への移行までの処理について説明したが、次に全てのポートがリンクダウンしている状態からの再リンクアップ時の動作について説明する。具体的には、ネットワーク機器1は24時間常時電源がONしており、ユーザーがパソコン等の機器をネットワーク機器1に接続した場合の説明になる。ユーザーはパソコンをネットワーク機器1に接続するため、ネットワーク機器1の動作状態をLED表示で確認することが想定でき、そのためデータ送受信が安定するまで、省電力には移行しないこととする。上述したように、電源ON時の動作では、以下の3つの条件で省電力モードに移行し、全てのLEDランプは消灯する。
【0030】
(1)ステップA4でリンクアップが確立していない場合(ネットワーク機器1への接続がない場合)
(2)ステップA5でリンクアップは確立しているが、データ送受信がない場合
(3)ステップA6でデータ送受信が安定している場合
図4は、
図1及び
図2に示したネットワーク機器1におけるCPU10の再リンクアップ時の省電力への移行動作を説明するためのフローチャートである。
【0031】
ネットワーク機器1にて再リンクアップが発生した場合(ステップB1)、CPU10は、省電力モードから通常状態に復帰する処理を行う(ステップB2)。
【0032】
まず、CPU10は、現在のネットワーク装置1の動作状態を表示するように、LED部6,7のLEDランプを点灯、点滅動作を行い、ユーザーに対して再リンクアップ時のネットワーク装置1の動作状態を知らせる(ステップB3)。これによって省電力モードに移行する前の通常状態に戻る。
【0033】
次に、CPU10は、あらためて省電力機能フローを開始する(ステップB4)。
【0034】
CPU10は、リンクアップしているLANポートでデータ送受信があるか検出する(ステップB5)。そして、データ送受信がない場合は、CPU10は、ネットワーク機器1とパソコン2もしくはパソコン3はリンクアップしているのみで、ユーザーはデータ通信を行っていないと判断し、省電力モードに移行し、LED部6,7のLEDが点灯、点滅しているのであれば、全てのLEDランプを消灯する(ステップB7)。
【0035】
一方、CPU10は、データ送受信があると判断した場合は、データ通信状態を確認する(ステップB6)。そして、通信状態が安定していないと判断した場合は、任意の一定期間の待ち時間を設け、通信状態が安定するまでステップB6における処理を繰り返し、通信状態が安定したと判断した場合、ステップB7の省電力モードに移行し、LED部6,7の全てのLEDランプを消灯する。この省電力モードへの移行後にユーザーの使用しているネットワーク装置1は消費電力を低減した状態で動作することになる。
【0036】
次に、ユーザー操作が終了し、パソコン2,3とのリンクが切断された場合、あるいはユーザー操作はないが異常事態が発生しリンクが切断されるような場合(ステップB8)、CPU10は、再リンクアップがあるかどうかを検出する(ステップB9)。
【0037】
そして、再びリンクアップが行われない場合は、CPU10は、任意の一定時間の待ち時間の後、何も変更しないまま省電力モードを維持する(ステップB10)。一方、再びリンクアップが行われた場合は、ステップB1に移行し、CPU10は上述したステップB1からの一連の処理を行う。
【0038】
上記のように、ユーザーがしばらく安定してデータ送受信を行った後、
図3もしくは
図4に示したフローチャートで省電力モードに移行し、全てのLED表示、LCD表示がOFFしたと仮定する。その場合、ユーザーはネットワークを快適に使用している間、ネットワーク装置1のLEDランプの状態を気にする必要はなく使用できる。従って、LEDランプが全て消灯していても、ユーザーの操作性が不便になることはないが、何らかの要因で通信動作が不安定になった場合には、今のネットワーク機器1の動作状態を確認するため、ユーザーはLED表示、LCD表示の状態を確認することになる。例えば、LEDランプを確認することで、電源がONされているのか、LANポートはリンクしているのか、等、ネットワーク機器1の動作状態を確認する必要がある。その時にネットワーク装置1のLED表示、LCD表示をONしておくことは、ユーザーの操作性を不便にさせない意味で必要である。以下に、その処理について説明する。なお、通信状態が安定している場合には、以下の処理は不要となる。
【0039】
図5は、
図1及び
図2に示したネットワーク機器1における通信状態異常による省電力モードから通常状態への復帰の動作を説明するためのフローチャートである。
【0040】
CPU10は、ネットワーク機器1における通信の不安定動作を検出すると(ステップC1)、省電力モードから通常状態に復帰し、LED表示、LCD表示をネットワーク装置1の動作状態にあわせて点灯、点滅させる(ステップC2)。
【0041】
次に、CPU10は、データ送受信があるかどうかを確認する(ステップC3)。なお、本フローでは、データ通信状態が不安定であることを検出して動作しているので、データ送受信があることが殆どであると考えてよい。そして、データ送受信がなくなっていた場合には、CPU10は、再び省電力モードへ移行する(ステップC5)。一方、データ送受信がある場合は、CPU10は、通信状態が安定しているかどうかを確認する(ステップC4)。そして、通信状態が安定していないと判断した場合は、CPU10は、任意の一定期間の待ち時間を設け、通信状態が安定するまでステップC4における処理を繰り返し、通信状態が安定したと判断した場合、ステップC5における省電力モードに移行する。なお、ステップC4で通信状態を判断する場合、任意の一定時間の待ち時間を設け、任意の回数連続して通信状態が安定と判断した場合にステップC5に移行すれば、なお、安定度は増す傾向になる。省電力からの復帰条件は以下となる。
【0042】
(1)再リンクアップ(一度切断され、再度リンクアップした時)
(2)通信状態が不安定になった時
以下に、通信状態の安定度の確認方法について説明する。上述したように、通信の不安定の症状の一つであるリンクダウンが発生した場合には自動的に省電力モードから通常状態に復帰する。別症状でリンクアップはできているが通信状態が不安定な場合の判別方法について以下に説明する。
【0043】
図6は、
図1及び
図2に示したネットワーク機器1における通信状態の安定度の確認方法を説明するためのフローチャートである。
【0044】
CPU10は、通信安定度の判断を開始すると(ステップD1)。まず、有線LAN通信か無線LAN通信かを判別する(ステップD2)。そして、ネットワーク機器1とパソコン3間や、ネットワーク機器1と上位のネットワーク機器との間の有線LANでの接続等の有線LAN通信の場合、CPU10は、有線LANが接続されたポートのリンクレートを確認し、予め設定しておいたリンクレートの任意の閾値に対する大小で安定度判別を行う(ステップD3)。そして、リンクレートが任意の閾値よりも大きな場合は、CPU10は、通信状態が安定していると判別する(ステップD5)。一方、リンクレートが閾値よりも小さな場合は、CPU10は、通信状態が不安定であると判別する(ステップD6)。
【0045】
また、ネットワーク機器1とパソコン2との無線接続の状態等、無線LAN通信の場合は、CPU10は、予め任意に設定した受信電波強度(RSSI値)に閾値を設けておき、その閾値に対する大小で安定度判別を行う(ステップD4)。そして、無線LAN通信のRSSI値が閾値よりも大きな場合は、CPU10は、ステップD5に移行し、通信状態が安定していると判別する。一方、無線LAN通信のRSSI値が閾値よりも小さな場合は、CPU10は、ステップD6に移行し、通信状態が不安定であると判別する。
【0046】
なお、本形態においては、CPU10によるLED制御部18を介してのLED表示部19の制御を例に挙げて説明したが、LCD制御部16を介してのLCD表示部(液晶)17の場合も同様に制御可能であり、そのLCD制御に関して簡単に説明する。
【0047】
装置構成は
図2のブロック図に示すように、CPU10、LCD制御部16、LCD表示部17がLEDランプの制御に代わる部分である。LED表示部19とLCD表示部17の両方を搭載する装置構成も設計可能であり、LED制御部18とLCD制御部16で各々の省電力制御を独立して行うことができる。
【0048】
LCDの省電力制御に関しては、LEDの制御と異なり複数の構成が考えられる。
【0049】
1つ目に、省電力モードに移行した場合、CPU10の制御で、LCD表示部17とLCD制御部16のLCD制御に関わるブロックの電源OFFを行う。その場合、LCD制御ブロックを大半の電源を切断するため、省電力の効果は大きいが、省電力から復帰してLCD画面に表示を行う場合、再度LCDブロックの初期化を行う必要があるため、LCDパネル表示までに時間がかかってしまう可能性がある。
【0050】
2つ目にLCD制御部16は電源を入れたままの状態で、LCD表示部17を制御する方法である。LCD表示部17の電源をON/OFFする、またはLCD表示部17のバックライトをON/OFFすることで省電力を実現する方法がある。ネットワーク機器1の通信安定度を検出し、省電力モードに移行する際に、バックライト制御、電源ON/OFF制御を組み合わせることで段階的に省電力に移行する等、LCDへの再表示の速度と省電力を考慮した制御が可能となる。バックライトの制御に関しては、ON/OFF制御のみではなく、バックライトの明るさを制御し、省電力を行うことも可能である。類似したもので、LEDの輝度調整を行うことで省電力を実現する方法も考えられ、後述する。
【0051】
(他の実施の形態1)
本形態においては、一般家庭で使用するアクセスポイントのようなネットワーク機器ではなく、ハブのようにLANポートをたくさん備えたネットワーク機器について説明する。
【0052】
上述した実施の形態にて説明したアクセスポイントは、LANポート用のLEDだけでなく、電源状態、無線状態等を表示する複数の機能のLED表示が備えられていることが一般的である。本形態で説明するハブは、多機能なLED表示は備えず、複数のLANポートを備える製品が一般的であるため、その制御を効率的に行うことで省電力を実現する例である。
【0053】
図7は、
図1に示したネットワーク機器1の構成を示す図であり、(a)は複数のLANポート及びLED表示の制御をまとめて行う構成を示す図、(b)は複数のLANポート及びLED表示の制御を個別に行う構成を示す図である。
【0054】
上述した実施の形態においては、有線LANや無線LANの通信状態を確認し、ネットワーク機器1のLED表示やLCD表示を制御し省電力を実現している。その際、
図7(a)に示すようにLANポートのブロック20に複数のLANポート1〜LANポートnがある場合(ハブをイメージ)、CPU10は、LANポートのブロック20の通信状態を確認し、省電力制御部21において、LEDのブロック22の全てのLED1〜LEDnのON/OFF(点灯/消灯)制御をまとめて行う。
【0055】
これに対し、本形態においては、
図7(b)に示すように、LANポートのブロック23に複数のLANポート1〜LANポートnがある場合、CPU10は、LANポートのブロック23の通信状態を確認し、省電力制御部のブロック24で、LEDのブロック25の全てのLED1〜LEDnのON/OFF制御を個別に行う。省電力制御のブロック24は、
図7(a)に示す省電力のブロック21とは異なり、各LANポートに個別に存在するため、LED表示の省電力制御も個別に行うことができる。
【0056】
本形態では、ネットワーク機器に多数のパソコンが接続可能であり、各々の有線LANのポートにパソコンもしくはネットワーク機器が接続可能である。
図7(a)に示す構成では、無線LANや有線LANの接続において、各々の接続が安定するまで、LEDやLCDの表示部は表示が可能であり、通信状態の安定が確立された後、各々の表示部は一斉に消灯し省電力に移行する。これに対して
図7(b)に示す構成は、ハブなどのネットワーク機器を想定しており、その有線LANポートへのリンクアップ/リンクダウンは頻繁に発生すると想定する。何度もリンクアップ/リンクダウンが起きることで、LED表示やLCD表示の表示状態の時間が増え、省電力の効果が低減する可能性がある。そのため、有線LANポートのLED表示を個別に制御し、複数のポートにパソコンとのリンクアップが確立した状態で、新しいポートのリンクアップが検出された場合には、リンクアップしたLANポートのLEDのみを点滅/点灯して表示することで省電力を実現することが可能である。接続状態、動作状態の変化のないLANポートはそのままの表示状態を維持し、変化のあるLANポートのみ省電力制御することで実現する。
【0057】
(他の実施の形態2)
上述した2つの実施の形態では、LED表示のON(点灯)、OFF(消灯)制御をすることで省電力を行う手段を説明したが、本形態では、LEDの輝度を下げることで省電力を実現する構成について説明する。なお、上述した説明でもLCDの輝度調整について触れているが、LEDの輝度調整同様の効果が得られる。
【0058】
図8は、
図1及び
図2に示したネットワーク機器1においてLED表示部19の輝度を下げることで省電力を実現するための回路構成を示す図である。
【0059】
本形態における回路構成は
図8に示すように、LED制御部30と、互いに並列に接続された抵抗値が互いに異なる3つの抵抗32〜34と、抵抗32〜34に接続されたLED35と、電源36と、抵抗32〜34とLED制御部30との接続を切り替えるスイッチ31とから構成されている。
【0060】
上記のような回路構成を有するネットワーク機器においては、LED表示部19の明るさを調整する場合、LED制御部30に接続される抵抗を選択することにより、LED35に流れる電流を制御し、それにより、LED35の輝度調整を行って消費電力の低減が実現できる。例えば、抵抗値が、抵抗32<抵抗33<抵抗34とした場合、抵抗32の抵抗値が最も小さいため、LED35には最も多くの電流を流すことができ、輝度も一番明るい。そして、抵抗値の逆の順番で消費電力の低減効果は大きい(消費電力低減効果:抵抗R3>抵抗R2>抵抗R1)。なお、ここでは3種類の抵抗値で説明しているが、任意に設計可能である。ネットワーク機器1の動作状態により、LEDの輝度調整を段階的に行うことで、輝度を下げた分の消費電力の削減が可能になる。
【0061】
本形態においても、CPU10がネットワーク機器の通信状態を監視して省電力の制御をすることは上述した実施の形態に示したものと同様であるが、LED表示部19のON/OFF制御ではなく、LEDの輝度を調整する点では、上述した実施の形態に示したものとは異なる。
【0062】
また、上述した3つの実施の形態を組み合わせることで、LEDのON/OFF制御とLED輝度の段階的な調整で省電力を実現することも可能である。
【0063】
上述した実施の形態にて示されるように、本発明は、ネットワークに接続されるネットワーク機器のLED表示部やLCD表示部の電源ON/OFF制御を行うことで、消費電力を低減することができる。ネットワークの通信状態を監視しながら制御することで、ユーザーの操作は不要であり、効率よく省電力化を行うことができる。
【0064】
また、ネットワークの通信状態を監視し、自動的に省電力モードへの移行、省電力モードから通常状態への復帰ができる。これにより、ユーザーが省電力を意識して意図的にLED表示やLCD表示の動作をOFFする操作をすることなく、簡単に消費電力の低減を行うことができる。また、ユーザーが使用するネットワーク機器の動作状態や通信状態を監視し、自動的に省電力モードに移行し、また、ユーザーに告知する必要がある異常状態では省電力モードから通常状態に復帰してLED表示部とLCD表示部を表示状態に戻すことができる。
【0065】
また、最近は、家庭内のネットワークにも複数のパーソナルコンピュータ、プリンタ、ファクシミリまで有線LANや無線LANで接続されている。そのため、本発明で提案しているネットワーク機器等の電源はOFFすることなく24時間稼動していることが多い。そこで、ネットワーク機器の電源を入れた状態でも、しばらくの間使用しない場合には自動的に省電力モードに移行することにより、例えば、意図的にネットワーク機器のLED表示、LCD表示をOFFし暗くして作業したい場合、データ通信が行われない状態とデータ通信が安定した状態では、全てのLED表示、LCD表示をOFFすることができるので、意図的に暗くした状態で使用できる。その際、わざわざネットワーク機器の電源をOFFすることや、LED表示、LCD表示をOFFする操作をする必要がない。
【0066】
なお、本発明においては、ネットワーク機器1内の処理は上述の専用のハードウェアにより実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムをネットワーク機器1にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをネットワーク機器1に読み込ませ、実行するものであっても良い。ネットワーク機器1にて読取可能な記録媒体とは、ICカードやメモリカード、あるいは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CD等の移設可能な記録媒体の他、ネットワーク機器1に内蔵されたHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、例えば、制御ブロックにて読み込まれ、制御ブロックの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。