(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0022】
<発明の実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る半導体集積回路装置1の構成例を示している。半導体集積回路装置1は、各々が同一機能を持つ複数の部分回路11〜13を有する。なお、
図1の構成例では、説明の便宜上、部分回路の数を3つとしているがこれは一例に過ぎない。部分回路の数は、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。
図1の例では、部分回路11〜13は、電源配線50から動作に必要な電力の供給を受ける。電源配線50は、半導体集積回路装置1の内部または外部に配置された電源回路(不図示)に接続される。
【0023】
部分回路11〜13が有する機能については特に限定されない。部分回路11〜13は、半導体集積回路装置1に対する要求性能又は要求仕様に応じて、これらのうち一部のみを選択的に使用できる。部分回路11〜13の各々は、例えば、プロセッサ・モジュールまたはキャッシュメモリ・モジュールである。
【0024】
電源供給制御部20は、部分回路11〜13それぞれに対する電源の供給及び停止を制御可能である。
図1の例では、電源供給制御部20は、遮断回路21〜23を制御することによって各部分回路への電源供給および停止を個別に定める。遮断回路21〜23は、電源配線50と部分回路11〜13の間にそれぞれ配置されており、部分回路11〜13に対する電源供給を遮断することができる。
【0025】
さらに、電源供給制御部20は、部分回路11〜13に過去に電源が供給されたときの温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を、部分回路11〜13のうち電源供給が行われる少なくとも1つの回路として優先的に選択する。言い換えると、電源供給制御部20は、部分回路11〜13に過去に電源が供給されたときの温度上昇速度が相対的に大きい部分回路を、電源供給が停止される部分回路として優先的に選択する。電源供給制御部20は、遮断回路21〜23に電源遮断制御信号S11〜S13をそれぞれ供給することによって、選択された部分回路に電源を供給し、選択されなかった部分回路への電源供給を停止する。
【0026】
既に述べた通り、部分回路11〜13は、同一の機能を有するとはいえ、製造ばらつきに起因して電力効率が互いに異なる場合がある。具体的には、回路内の半導体、抵抗、及び配線などの回路要素の寄与による各部分回路の抵抗値は、これらの回路要素の製造ばらつきによって変化する。部分回路の温度上昇速度が相対的に小さいことは、その部分回路の電力効率が相対的に大きいことを意味する。したがって、部分回路11〜13の一部のみに電源を供給して使用する場合に、温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を優先的に選択することによって、半導体集積回路装置1の実効消費電力を効果的に低減することができる。
【0027】
図1の例では、電源供給制御部20は、部分回路11〜13のそれぞれに対する電源の供給及び停止を制御するために、制御パラメータ生成部40によって生成される制御パラメータを用いる。制御パラメータは、部分回路11〜13に過去に(言い換えると実際に)電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度を反映している。
【0028】
制御パラメータは、部分回路11〜13の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含んでいればよく、様々なバリエーションがある。例えば、制御パラメータは、部分回路11〜13に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づく第1のパラメータを含んでもよい。非通電状態において熱が十分一様に拡散し、半導体集積回路装置1の全体(あるいは部分回路11〜13を含む基板全体)がほぼ一定温度となった状態から部分回路11〜13に実質的に同時に電源供給を開始した場合、所定時間経過後の各部分回路の温度又はそれらに基づく第1のパラメータは、各部分回路の温度上昇速度を表す。電源供給の開始時点における部分回路11〜13の温度がほぼ同一と見なせるからである。
【0029】
第1のパラメータは、具体的には、温度の測定値そのものでもよいし、測定温度の大きさを示す他の値でもよいし、測定温度の大きさ順を示す数値でもよい。ここで、「実質的に同時に」とは、配線長の違いに制御信号の伝搬遅延や、遮断回路21〜23の誤差などによって、電源供給の開始時間に僅かな相違が生じることは許容されることを意味する。また、「実質的に同時に」とは、温度測定に要求される精度に影響を与えない電源供給の開始時間の差が存在することは許容されることを意味する。
【0030】
また、例えば、制御パラメータは、部分回路11〜13に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の測定温度と、電源供給を開始した後の各部分回路の測定温度との差分に基づく第2のパラメータを含んでもよい。第2のパラメータは、温度差の計算値そのもとでもよいし、温度差の大きさを示す他の値でもよいし、温度差の大きさ順を示す数値でもよい。
【0031】
制御パラメータ生成部40は、上述した制御パラメータを生成する。制御パラメータの生成は、例えば、電源供給制御部20および温度測定部30を利用して行われる。具体例を述べると、制御パラメータ生成部40は、部分回路11〜13の全てに対する電源供給の開始を電源供給制御部20に指示すればよい。そして、電源供給の開始を指示してから所定時間経過後に温度測定部30によって得られる各部分回路の温度に関する測定値を取得すればよい。なお、このとき、部分回路11〜13には同一の動作(e.g. 起動シーケンス)を行わせればよい。
【0032】
制御パラメータ生成部40は、例えば、半導体集積回路装置1の初期設定時に、制御パラメータの生成を行なってもよい。初期設定時に生成された制御パラメータは、半導体集積回路装置1に対する電源供給の停止後も保持しておけるように、不揮発性メモリ(不図示)に格納してもよい。そして、電源供給制御部20は、初期設定が完了した後の次回以降の半導体集積回路装置1の起動時(電源供給時)において、電源供給する部分回路を不揮発性メモリ(不図示)に格納された制御パラメータに従って選択してもよい。このようにすれば、初期設定が完了した後の次回以降の起動時に制御パラメータの生成が不要になるため、半導体集積回路装置1の起動時間を短縮することができる。
【0033】
温度測定部30は、部分回路11〜13それぞれの温度を測定する。温度測定部30は、例えば、部分回路11〜13が形成されている半導体基材(チップ)の温度を測定し、測定温度の大きさを示すアナログ又はデジタル電気信号を出力すればよい。温度測定部30は、例えば、部分回路11〜13それぞれの近傍に配置された複数の、つまりこの例では3つの、温度センサ(e.g. サーミスタ、熱電対、測温抵抗体、又は半導体センサ)を含んでもよい。
【0034】
図2は、半導体集積回路装置1における部分回路の選択手順の具体例を示すフローチャートである。ステップS101では、電源供給制御部20は、全ての部分回路11〜13に対する電源供給を開始する。ステップS102では、温度測定部30は、部分回路11〜13それぞれの温度を測定する。スッテプS103では、制御パラメータ生成部40は、温度測定部30による測定結果を用いて、部分回路11〜13それぞれの温度上昇速度が反映された制御パラメータを生成する。制御パラメータは、上述したように、電源供給開始後の温度測定値でもよいし、開始前後の温度差を示す計算値であってもよい。ステップS104では、電源供給制御部20は、制御パラメータに基づいて、温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を優先的に選択し、選択した部分回路に電源を供給し、選択しなかった部分回路への電源供給を停止する。なお、上述したように、ステップS101〜S103は、初期設定時にのみ実施され、初期設定完了後の通常起動時には省略されてもよい。
【0035】
本実施の形態に係る半導体集積回路装置1は、既に述べた通り、部分回路11〜13の一部のみに電源を供給して使用する場合に、温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を優先的に選択することによって、半導体集積回路装置1の実効消費電力を効果的に低減することができる。
【0036】
また、実効消費電力を低減することで、半導体集積回路装置1の発熱量の低減も期待できる。これにより、半導体集積回路装置1、及びこれを実装した装置/システム、さらには装置/システムを設置したマシンルーム又はデータセンターの冷却に要する負荷を低減できるため、冷却に要する消費電力の低減も期待できる。
【0037】
なお、半導体集積回路装置1は、SoC(System-on-a-chip)による半導体製品でもよいし、SiP(System In Package)による半導体製品でもよい。また、本実施の形態に係る半導体集積回路装置は、複数の半導体製品(パッケージされたIC(Integrated Circuit))がプリント基板に搭載されたシステムであってもよい。
【0038】
また、既に述べた通り、半導体集積回路装置1は、制御パラメータ生成部40の制御に基づいて生成される制御パラメータを格納するための不揮発性メモリを有していてもよい。例えば、半導体集積回路装置1の初期設定時に制御パラメータを生成して不揮発性メモリに格納しておけばよい。そして、初期設定後の半導体集積回路装置1の起動時には、制御パラメータの生成処理を省略し、不揮発性メモリに格納された制御パラメータに従って複数の部分回路11〜13に対する電源供給を制御すればよい。
【0039】
また、制御パラメータ生成部40および電源供給制御部のいずれかは、半導体集積回路装置1の外部に配置されてもよい。具体的には、制御パラメータ生成部40は、半導体集積回路装置1の検査工程において使用されるテスタ(e.g. LSI(Large Scale Integration)テスタ)に配置されてもよい。また、電源供給制御部20は、複数の部分回路を含むICとは別のICに配置されてもよい。
【0040】
また、制御パラメータ生成部40および電源供給制御部20の両方とも半導体集積回路装置1の外部に配置されてもよい。この場合、半導体集積回路装置1は、制御パラメータ生成部40の制御に基づいて生成される制御パラメータを格納した不揮発性メモリを有してもよい。電源供給制御部20は、当該不揮発性メモリから読み出した制御パラメータを用いて、複数の部分回路11〜13に対する電源供給を制御すればよい。
【0041】
図3〜
図6は、半導体集積回路装置1のいくつかの変形例を具体的に示している。
図3の構成例は、不揮発性メモリ41を含む。不揮発性メモリ41は、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、EFUSE、フラッシュメモリである。不揮発性メモリ41は、制御パラメータ生成部40による制御に従って、上述した制御パラメータを初期設定時に記憶する。そして、不揮発性メモリ41は、初期設定の完了後に行われる通常起動時において、電源供給制御部20に制御パラメータを供給する。
【0042】
図4の構成例は、半導体集積回路装置1の外部に配置された電源供給制御部20を有する。
図4の構成例は、
図3に示された不揮発性メモリ41を有してもよい。
【0043】
図5の構成例も、
図4の構成例と同様に、半導体集積回路装置1の外部に配置された電源供給制御部20を有する。さらに、
図5の構成例では、半導体集積回路装置1は、遮断回路21〜23を有していない。
図5の例では、電源供給制御部20は、電源部51〜53に対して電源遮断制御信号S11〜S13を供給する。電源部51〜53は、部分回路11〜13に電源を供給可能であり、電源遮断制御信号S11〜S13に応じて電源の供給及び停止を行う。
図5の構成例は、
図3に示された不揮発性メモリ41を有してもよい。
【0044】
図6の構成例は、半導体集積回路装置1の外部に配置された制御パラメータ生成部40を有する。不揮発性メモリ41は、制御パラメータ生成部40による制御に従って、上述した制御パラメータを初期設定時に記憶する。そして、不揮発性メモリ41は、初期設定の完了後に行われる通常起動時において、電源供給制御部20に制御パラメータを供給する。制御パラメータ生成部40は、例えば、LSIテスタに配置される。この場合、不揮発性メモリ41への制御パラメータの書き込みは、半導体集積回路装置1の出荷前に行われてもよい。つまり、半導体集積回路装置1の出荷後の通常使用時には、制御パラメータ生成部40を用いることなく、電源供給制御部20が、不揮発性メモリ41に記憶されている制御パラメータに従って部分回路11〜13の選択を行う。
【0045】
図3又は4に示した構成例と
図6に示した構成例を組み合わせてもよい。つまり、
図7に示すように、電源供給制御部20及び制御パラメータ生成部40が半導体集積回路装置1の外部に配置されてもよい。
【0046】
<実施の形態2>
本実施の形態では、
図3に示した構成例に関する更なる具体例を説明する。
図8は、本実施の形態に係る半導体集積回路装置2の構成例を示している。なお、
図8の構成例では、
図1と同様に、部分回路の数を3つとしているがこれは一例に過ぎない。部分回路の数は、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。
【0047】
図8の構成例は、温度測定部30の具体例としての温度センサ301〜303を含む。温度センサ301〜303は、部分回路11〜13の温度をそれぞれ測定し、測定温度が数値化された測定温度データを示す測定温度信号S21〜S23を出力する。測定温度データの値は、部分回路の温度と相関関係を持ち、セルシウス温度や絶対温度への換算が可能である。測定温度信号S21〜S23は、不揮発性メモリ41の書き込みデータ(WD)端子に供給される。
【0048】
制御パラメータ生成部40は、半導体集積回路装置2の初期設定時において、温度測定制御信号S1及びS2を用いて、実施の形態1で述べた制御パラメータの生成を制御する。具体的には、制御パラメータ生成部40は、制御信号S1を電源供給制御部20に供給することよって、全ての部分回路11〜13に対する電源供給を電源供給制御部20に指示する。さらに、制御パラメータ生成部40は、電源供給の指示から所定時間経過後に制御信号S2を不揮発性メモリ41に供給することで、温度センサ301〜303から出力される測定温度信号S21〜S23(つまり、測定温度データ)の記憶を不揮発性メモリ41に指示する。つまり、制御信号S2は、いわゆるライトイネーブル(WE)信号に相当する。
【0049】
初期設定の終了後において、および半導体集積回路装置2の通常起動時において、不揮発性メモリ41は、過去の初期設定時に記憶済みの部分回路11〜13の測定温度データを示す信号S31〜S33を電源供給制御部20に供給する。ここでは、信号S31は部分回路11の測定温度データを示す信号S21に対応し、信号S32は部分回路12の測定温度データを示す信号S22に対応し、信号S33は部分回路13の測定温度データを示す信号S23に対応する。
【0050】
図9は、遮断回路21の構成例を示している。
図9の例では、遮断回路21は、複数のPチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタで構成されている。各トランジスタのゲート電極には電源遮断制御信号S11が接続される。電源遮断制御信号S11が論理"1"の場合にトランジスタがOFFになり、電源配線50からの電力は遮断されて部分回路11に供給されない。電源遮断制御信号S11が論理"0"の場合にトランジスタがONになり、電源配線50からの電力が部分回路11に供給される。遮断回路22および23は、遮断回路21と同一構成とすればよい。
【0051】
図10は、不揮発性メモリ41及び電源供給制御部20の構成例を示している。
図10の例では、温度センサ301〜303による測定信号S21〜S23(つまり測定温度データ)は、それぞれ16ビットの2進数で表される。不揮発性メモリ41は、ライトイネーブル(WE)端子に供給される制御信号S2(つまりWE信号)に応じて、書き込みデータ(WD)端子に与えられた3つの測定温度データを記憶する。そして、不揮発性メモリ41は、部分回路11〜13にそれぞれ対応する測定温度データを信号S31〜S33として出力する。以下では、説明の便宜上、信号S31〜S33の値をそれぞれ記号A、B、Cで表すものとする。
【0052】
信号S31〜S33が示す測定温度データA、B、Cは、典型的には、非通電状態で熱が半導体基材に十分一様に拡散して部分回路11〜13がほぼ同一の温度となった状態において部分回路11〜13に同時に給電を開始し、部分回路11〜13を同一の条件で稼働させ、所定時間が経過した後の部分回路11〜13それぞれの温度を示している。既に述べた通り、消費電力の小さい部分回路ほど温度上昇速度が小さい。このため、使用する(つまり電源を供給する)部分回路を選択する際に、測定温度データA、B、Cのうち値が小さいものに対応する部分回路を選んで使用することで、半導体集積回路装置2の消費電力を低減することができる。
【0053】
3つの測定温度データA、B、Cを値の小さい順で選択する際の順列は、
図11に示すように全部で6パタンである。該当する順列のパタンが判明すれば、これに基づいて温度上昇の少ない部分回路から順に選択して使用することができる。順列パタンの判定では、測定温度データA、B、Cの中に互いに等しい値が含まれている場合でも、パタンを一意に判定する必要がある。
図11の表に示された判定式はその一例を示している。
図11の判定式によれば、任意の値の組(A、B、C)に対して6つのパタンの判定式のうち1つだけが真となり、該当する唯一のパタンが確定される。
【0054】
次に、
図10の電源供給制御部20について説明する。
図10の例では、電源供給制御部20は、組み合わせ論理回路によって構成されている。
図10の比較回路201〜203、反転回路211〜213、並びにAND回路221〜226は、
図11に示した判定式に基づくパタン判定回路を構成している。
図10の構成例によれば、信号S31〜S33によって示される測定温度データA、B、Cのあらゆる値の組合せに対して、AND回路221〜226の何れか一つの出力のみが真、つまり論理"1"となるよう動作する。AND回路221〜226の論理"1"の出力は、
図11のパタン1〜6にそれぞれ対応する。
【0055】
図10の電源供給制御部20に供給される選択制御信号S41〜S43は、その組合せで、
図12の表に示すように、必要とされる部分回路の個数を示す。信号S41〜S43は、半導体集積回路装置2の内部回路、または半導体集積回路装置2の外部から電源供給制御部20に与えられる。
【0056】
OR回路231〜233、並びにAND回路241〜243は、選択制御信号S41が論理"1"の場合に、AND回路221〜226が示す順列パタンに従って、最も測定温度が低い(言い換えると温度上昇速度が小さい、さらに言い換えると消費電力の少ない)部分回路を判定する。OR回路251〜253、並びにAND回路261〜263は、選択制御信号S42が論理"1"の場合に、同じく順列パタンに従って、2番目に測定温度が低い部分回路を判定する。NOR回路271〜273は、前述の順列パタンに基づく判定結果と制御信号S43の値に基づいて、電源を供給すべき部分回路を決定し、電源遮断制御信号S11〜S13をそれぞれ出力する。電源遮断制御信号S11〜S13は、遮断回路21〜23に対して、論理"1"のとき電源の遮断を、論理"0"のとき電源の供給を指示する。なお、選択制御信号S43は、3つの部分回路11〜13の全てを使用することを示しており、この信号が論理"1"の場合、電源遮断制御信号S11〜S13は全て論理"0"となる。
【0057】
続いて以下では、半導体集積回路装置2の初期設定時の動作の一例について、
図13のタイミングチャートを用いて説明する。時刻T0において、半導体集積回路装置2への電源供給は断たれており、半導体集積回路装置2が有する半導体基材において熱は十分一様に拡散していると仮定する。このとき、部分回路11〜13の温度はほぼ等しい。
【0058】
時刻T1において、半導体集積回路装置2に(a)電源が供給され、半導体集積回路装置2のリセットが行われる。このとき、制御パラメータ生成部40により出力される(b)温度測定制御信号S1は論理"0"である。したがって、電源供給制御部20は、部分回路11〜13に対する温度測定(言い換えると温度上昇速度の測定、さらに言い換えると消費電力測定)の為の給電の指示を受けていない。また、制御パラメータ生成部40により出力される(i)温度測定制御信号S2も論理"0"である。したがって、不揮発性メモリ41は、温度センサ301〜303が出力する測定温度データ(測定温度信号S21〜S23)を記憶する指示は受けていない。
【0059】
時刻T2において、例えば半導体集積回路装置2外部から制御パラメータ生成部40に初期設定開始の指示がなされると、制御パラメータ生成部40は(b)信号S1に論理"1"を出力する。つまり、制御パラメータ生成部40は、部分回路11〜13に対する電源の供給を電源供給制御部20に指示する。このとき、
図10の構成例では、NOR回路271〜273が制御信号S1を受信し、(c〜e)電源遮断制御信号S11〜S13に論理"0"を出力する。これにより、遮断回路21〜23に対して電源供給が指示される。遮断回路21〜23は、電源配線50から部分回路11〜13のそれぞれに電源供給を開始する。
【0060】
電源が供給された部分回路11〜13は、それぞれ稼働し、基本的に同一の動作をするものとする。すなわち、部分回路11〜13は、半導体プロセスの特性に基づきある程度のリーク電流を消費し、例えばクロック信号が供給されてダイナミック消費電力も生じる。また、例えば、半導体集積回路装置2に組み込まれた自己診断機能であるメモリBIST (Built-In Self Test)又はロジックBISTが稼働し、製造ばらつきを反映した消費電力が部分回路11〜13のそれぞれで発生する。これに伴って、部分回路11〜13で消費された電力はほぼ全てが熱に変換され、各部分回路で半導体基材の温度が急速に上昇する。このときの温度上昇速度は、製造ばらつきを反映した消費電力と相関を有するため、各部分回路に対応して配置された温度センサ301〜303の出力はそれぞれ異なった値を示す。温度センサ301〜303は、部分回路11〜13に関する測定温度データを(f〜h)信号S21〜S23として継続的に出力する。
【0061】
時刻T3では、制御パラメータ生成部40は、測定に必要な所定時間の経過を検出し、(i)温度測定制御信号S2に論理"1"を出力する。これにより、制御パラメータ生成部40は、不揮発性メモリ41に対して、温度センサ301〜303が出力する測定温度データS21〜S23の記憶を指示する。なお、時刻T2からT3に至る測定に必要な所定時間の最適値は、半導体基材の熱容量や部分回路11〜13の消費電力すなわち発熱量によって異なる。具体的には、時刻T3は、半導体集積回路装置2の発熱と放熱が均衡して部分回路11〜13の温度上昇が止まるよりも前のタイミングとすればよい。
【0062】
時刻T4において、制御パラメータ生成部40は、不揮発性メモリ41に対する所定のパルス幅の出力を終えると、(i)制御信号S2を論理"0"に戻し、これにより不揮発性メモリ41への記憶指示を終了する。ついで、時刻T5において、制御パラメータ生成部40は、(a)制御信号S1を論理"0"に戻し、これにより温度測定の為の部分回路11〜13への給電の指示を解除する。
【0063】
時刻T5より後では、電源供給制御部20は、不揮発性メモリ41に記録された部分回路11〜13それぞれの測定温度データを参照することによって、電源供給を行う部分回路を決定する。ここで、不揮発性メモリ41に記録された部分回路11〜13それぞれの測定温度データは、過去に実際に部分回路11〜13に給電することにより測定されたデータであって、部分回路11〜13の温度上昇速度つまり電力効率を反映した制御パラメータである。電源供給制御部20は、部分回路11〜13のうち温度上昇速度の小さい(言い換えると電力効率の大きい、さらに言い換えると消費電力の小さい)部分回路から順に必要数の部分回路が選択し選択した部分回路のみに給電を行う。
図10に示した構成例では、電源供給制御部20は、選択制御信号S41〜S43の指示に基づいて、消費電力の少ない部分回路から順に必要数の部分回路が選択する。そして、電源遮断制御信号S11〜S13は、NOR回路271〜273から出力される。
【0064】
図13を用いて説明した初期設定は、例えば、半導体集積回路装置2の検査工程において、LSIテスタを使用して実施することができる。また、この初期設定は、半導体集積回路装置2をプリント基板等に搭載して装置/システムに実装した後、装置/システムの初期化または診断機能を使用して実施することもできる。
【0065】
続いて、初期設定の終了後に行われる通常起動時の動作を
図14のタイミングチャートを用いて説明する。時刻T0において、半導体集積回路装置2への電源の供給は断たれている。しかしながら、不揮発性メモリ41に記憶された測定温度データ(つまり制御パラメータ)は、半導体集積回路装置2の電源が断たれても保存されている。
【0066】
時刻T1において、半導体集積回路装置2に(a)電源が供給され、半導体集積回路装置2のリセットが行われる。このとき、(b)温度測定制御信号S1及び(c)制御信号S2は共に論理"0"である。つまり、制御パラメータ生成のための温度測定の指示は出ていない。通常起動時には制御パラメータ生成部40に対して初期設定開始の指示はなされず、信号S1及びS2の状態は論理"0"のまま維持される。
【0067】
また、時刻T1から時刻T2の間では、(d〜f)選択制御信号S41〜S43は全て論理"0"である。つまり、選択制御信号S41〜S43は、必要な部分回路の数が0であることを示している。
図10の構成例に従うと、NOR回路271〜273は、(g〜h)電源遮断制御信号131〜133に論理"1"を出力する。つまり、電源供給制御部20は、部分回路11〜13への電源供給の遮断を遮断回路21〜23に指示している。
【0068】
時刻T2において、(e)選択制御信号S41が論理"1"となり、必要な部分回路の数が1に変わる。このとき、電源供給制御部20は、不揮発性メモリ41に記憶されている各部分回路の測定温度データ(つまり制御パラメータ)を参照して、不揮発性メモリ41に記憶された測定温度の最も低い(つまり、温度上昇速度が最も小さい、言い換えると電力効率が最も大きい)部分回路1つを選択する。ここでは、部分回路12が選択されるものとする。そして、電源供給制御部20は、部分回路12への電源供給を開始するべく、遮断回路22に与える(h)電源遮断制御信号S12を論理"0"とする。
【0069】
時刻T2での動作を
図10の構成例に従って説明すると、
図11に示した6通りの順列パタンの何れに該当するかが判定され、AND回路221〜226の何れか1つの出力のみが真、すなわち論理"1"となる。選択制御信号S41〜S43は、部分回路の必要数が1であることを示しているので、判定した順列パタンに従って、不揮発性メモリ41に記憶された測定温度の最も低い(つまり、温度上昇速度が最も小さい、言い換えると電力効率が最も大きい)部分回路が選択される。ここでは、部分回路12の温度上昇速度が最も小さく、ついで部分回路13の温度上昇速度が小さく、部分回路11の温度上昇速度が最も大きいことを想定している。したがって、比較回路201、202、203の出力はそれぞれ論理"0"、"1"、"0"となる。よって、AND回路224の出力が論理"1"となり、
図12に示されたパタン4の順列であることを示す。その他のAND回路221、222、223、225、226の出力は論理"0"となる。判定された順列パタンと、(d〜f)選択制御信号S41〜S42の指示に基づいて、NOR回路272が(h)電源遮断制御信号S12に論理"0"を出力する。これにより、部分回路12への電源供給が指示される。一方、(g)制御信号S11及び(i)制御信号S13には論理"1"が出力され、部分回路11及び13への電源供給の遮断が指示される。
【0070】
時刻T3において、(e)選択制御信号S42も論理"1"となり、必要な部分回路の数が2に変わる。
図10の構成例及び先の仮定(B<C<A)に従って説明すると、不揮発性メモリ41が出力する測定温度データは時刻T2と変わらないので、判定される順列パタンはパタン4のまま変わらない。選択制御信号S42が論理"1"となることで、判定された順列パタン4で2番目に消費電力の小さい部分回路(つまり部分回路13)への給電が指示される。具体的には、AND回路263の出力が論理"1"に変わり、NOR回路273が電源遮断制御信号S13への出力を論理"0"とする。これにより、部分回路13への電力の供給が行われる。
【0071】
時刻T4において、さらに(f)選択制御信号S43も論理"1"となり、必要な部分回路の数が3に変わる。
図10の構成例に従って説明すると、不揮発性メモリ41が記憶している測定温度データ(つまり制御パラメータ)に基づく順列パタンの判定に関係なく、NOR回路271〜273の全てが論理"0"を出力する。つまり、(g〜h)電源制御信号S11〜S13によって、部分回路11〜13の全てに対する電源の供給が指示される。
【0072】
<その他の実施の形態>
実施の形態2では、電源供給制御部20を組み合わせ論理回路により構成する例を示した。しかしながら、電源供給制御部20の動作、具体的には、"部分回路11〜13に過去に電源が供給されたときの温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を、部分回路11〜13のうち電源供給が行われる少なくとも1つの回路として優先的に選択する動作"は、マイクロプロセッサ等のコンピュータにプログラムを実行させることによって実現されてもよい。また、制御パラメータ生成部40の動作、具体的には、"部分回路11〜13に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度を反映しており、部分回路11〜13それぞれに対する電源の供給及び停止を制御するために使用される制御パラメータを生成する動作"も、マイクロプロセッサ等のコンピュータにプログラムを実行させることによって実現されてもよい。
【0073】
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0074】
上述した複数の実施の形態は、適宜組み合わせることも可能である。さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0075】
上記の複数の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0076】
(付記1)
各々が同一機能を有する複数の部分回路と、
前記複数の部分回路それぞれの温度を測定する温度測定手段と、
前記複数の部分回路それぞれに対する電源の供給及び停止を制御可能であって、前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を、前記複数の部分回路のうち電源供給が行われる少なくとも1つの回路として優先的に選択する電源供給制御手段と、
を備える、半導体集積回路装置。
(付記2)
前記電源供給制御手段は、前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度が反映された制御パラメータに基づいて、前記少なくとも1つの回路を選択する、付記1に記載の半導体集積回路装置。
(付記3)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づくパラメータを含む、付記2に記載の半導体集積回路装置。
(付記4)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含む、付記2に記載の半導体集積回路装置。
(付記5)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の第1の測定温度と前記電源供給を開始した後の各部分回路の第2の測定温度との差分に基づくパラメータを含む、付記2に記載の半導体集積回路装置。
(付記6)
前記電源供給制御手段は、前記複数の部分回路のうち、電源供給時の温度上昇速度が相対的に大きい部分回路を電源供給が停止される部分回路として優先的に選択する、付記1〜5のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記7)
前記温度測定手段による測定結果に基づいて前記制御パラメータを生成する生成手段をさらに備える、付記2〜5のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記8)
前記生成手段は、前記半導体集積回路装置の初期設定時において、前記複数の部分回路に対する電源供給を実質的に同時に開始してから所定時間経過後に前記温度測定手段によって測定される各部分回路の温度を取得し、取得された温度に基づいて前記制御パラメータを生成する、付記7に記載の半導体集積回路装置。
(付記9)
前記制御パラメータを記憶可能な不揮発性メモリをさらに備え、
前記電源供給制御手段は、前記不揮発性メモリから前記制御パラメータを取得する、
付記2〜5、7、8のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記10)
前記温度測定手段は、各々が前記複数の部分回路のいずれかと一対一に対応する複数の温度センサ回路を含む、付記1〜9のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記11)
各々が同一機能を有する複数の部分回路と、
前記複数の部分回路それぞれの温度を測定する温度測定手段と、
前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度を反映しており、前記複数の部分回路それぞれに対する電源の供給及び停止を制御するために使用される制御パラメータを記憶した不揮発性メモリと、
を備える半導体集積回路装置。
(付記12)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づくパラメータを含む、付記11に記載の半導体集積回路装置。
(付記13)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含む、付記11に記載の半導体集積回路装置。
(付記14)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の第1の測定温度と前記電源供給を開始した後の各部分回路の第2の測定温度との差分に基づくパラメータを含む、付記11に記載の半導体集積回路装置。
(付記15)
前記温度測定手段による測定結果に基づいて前記制御パラメータを生成する生成手段をさらに備える、付記11〜14のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記16)
前記生成手段は、前記半導体集積回路装置の初期設定時において、前記複数の部分回路に対する電源供給が実質的に同時に開始されてから所定時間経過後に前記温度測定手段によって測定される各部分回路の温度を取得し、取得された温度に基づいて前記制御パラメータを生成する、付記15に記載の半導体集積回路装置。
(付記17)
前記不揮発性メモリから取得した前記制御パラメータに基づいて、前記複数の部分回路それぞれに対する電源の供給及び停止を制御する電源供給制御手段をさらに備える、付記8〜12のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記18)
前記電源供給制御手段は、前記複数の部分回路の中から電源供給が行われる少なくとも1つの回路を選択する際に、前記制御パラメータに基づいて、電源供給時の温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を前記少なくとも1つの回路として優先的に選択する、付記17に記載の半導体集積回路装置。
(付記19)
各々が同一機能を有する複数の部分回路と、
前記複数の部分回路それぞれの温度を測定する温度測定手段と、
前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度を反映しており、前記複数の部分回路それぞれに対する電源の供給及び停止を制御するために使用される制御パラメータを生成する生成手段と、
を備える、半導体集積回路装置。
(付記20)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づくパラメータを含む、付記19に記載の半導体集積回路装置。
(付記21)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含む、付記19に記載の半導体集積回路装置。
(付記22)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の第1の測定温度と前記電源供給を開始した後の各部分回路の第2の測定温度との差分に基づくパラメータを含む、付記19に記載の半導体集積回路装置。
(付記23)
前記生成手段は、前記半導体集積回路装置の初期設定時において、前記複数の部分回路に対する電源供給が実質的に同時に開始されてから所定時間経過後に前記温度測定手段によって測定される各部分回路の温度を取得し、取得された温度に基づいて前記制御パラメータを生成する、付記19〜22のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
(付記24)
各々が同一機能を有する複数の部分回路を含む半導体集積回路の制御方法であって、
前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を、前記複数の部分回路のうち電源供給が行われる少なくとも1つの回路として優先的に選択すること、
を備える、半導体集積回路の制御方法。
(付記25)
前記選択することは、前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度が反映された制御パラメータに基づいて、前記少なくとも1つの回路を選択することを含む、付記24に記載の方法。
(付記26)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づくパラメータを含む、付記25に記載の方法。
(付記27)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含む、付記25に記載の方法。
(付記28)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の第1の測定温度と前記電源供給を開始した後の各部分回路の第2の測定温度との差分に基づくパラメータを含む、付記25に記載の方法。
(付記29)
前記温度測定手段による測定結果に基づいて前記制御パラメータを生成することをさらに備える、付記25〜28のいずれか1項に記載の方法。
(付記30)
前記生成することは、前記半導体集積回路装置の初期設定時において、前記複数の部分回路に対する電源供給が実質的に同時に開始されてから所定時間経過後に前記温度測定手段によって測定される各部分回路の温度を取得し、取得された温度に基づいて前記制御パラメータを生成することを含む、付記29に記載の方法。
(付記31)
各々が同一機能を有する複数の部分回路を含む半導体集積回路に関する制御パラメータの生成方法であって、
前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度を反映しており、前記複数の部分回路それぞれに対する電源の供給及び停止を制御するために使用される制御パラメータを生成すること、
を備える、制御パラメータの生成方法。
(付記32)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づくパラメータを含む、付記31に記載の方法。
(付記33)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含む、付記31に記載の方法。
(付記34)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の第1の測定温度と前記電源供給を開始した後の各部分回路の第2の測定温度との差分に基づくパラメータを含む、付記31に記載の方法。
(付記35)
前記生成することは、前記半導体集積回路装置の初期設定時において、前記複数の部分回路に対する電源供給が実質的に同時に開始されてから所定時間経過後に前記温度測定手段によって測定される各部分回路の温度を取得し、取得された温度に基づいて前記制御パラメータを生成することを含む、付記31〜34のいずれか1項に記載の方法。
(付記36)
各々が同一機能を有する複数の部分回路を含む半導体集積回路の制御方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの温度上昇速度が相対的に小さい部分回路を、前記複数の部分回路のうち電源供給が行われる少なくとも1つの回路として優先的に選択すること、
を備える、プログラム。
(付記37)
前記選択することは、前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度が反映された制御パラメータに基づいて、前記少なくとも1つの回路を選択することを含む、付記36に記載のプログラム。
(付記38)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づくパラメータを含む、付記37に記載のプログラム。
(付記39)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含む、付記37に記載のプログラム。
(付記40)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の第1の測定温度と前記電源供給を開始した後の各部分回路の第2の測定温度との差分に基づくパラメータを含む、付記37に記載のプログラム。
(付記41)
前記方法は、前記温度測定手段による測定結果に基づいて前記制御パラメータを生成することをさらに備える、付記37〜40のいずれか1項に記載の方法。
(付記42)
各々が同一機能を有する複数の部分回路を含む半導体集積回路に関する制御パラメータの生成方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
前記複数の部分回路に過去に電源が供給されたときの各部分回路の温度上昇速度を反映しており、前記複数の部分回路それぞれに対する電源の供給及び停止を制御するために使用される制御パラメータを生成すること、
を備える、プログラム。
(付記43)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始した後に測定された各部分回路の温度に基づくパラメータを含む、付記42に記載のプログラム。
(付記44)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路の間の温度上昇速度の違いを特定できるパラメータを含む、付記42に記載のプログラム。
(付記45)
前記制御パラメータは、前記複数の部分回路に対して実質的に同時に電源供給を開始する前の各部分回路の第1の測定温度と前記電源供給を開始した後の各部分回路の第2の測定温度との差分に基づくパラメータを含む、付記42に記載のプログラム。
(付記46)
前記生成することは、前記半導体集積回路装置の初期設定時において、前記複数の部分回路に対する電源供給が実質的に同時に開始されてから所定時間経過後に前記温度測定手段によって測定される各部分回路の温度を取得し、取得された温度に基づいて前記制御パラメータを生成することを含む、付記42〜45のいずれか1項に記載のプログラム。