(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2つの立設部分には、第一立設部分(63a)と第二立設部分(63b)が含まれ、前記第二コンタクト部材には、第一接触子と第二接触子が含まれ、これら第一接触子と第二接触子は、前記第一立設部分と前記第二立設部分のそれぞれに、前記第一コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子の変位方向に沿って相対した状態で設けられており、
前記第一立設部分と前記第二立設部分によって形成された隙間に前記第一コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子が収容される際、前記第一立設部分において前記第二コンタクト部材の第一接触子が前記第一コンタクト部材の第一接触子と接触して前記第一コンタクト部材の第一接触子を前記第二コンタクト部材の第二接触子の側に変位させ、また、前記第二立設部分において前記第二コンタクト部材の第二接触子が前記第一コンタクト部材の第二接触子と接触して前記第一コンタクト部材の第二接触子を前記第二コンタクト部材の第一接触子の側に変位させる、請求項3に記載のコネクタ装置。
前記第一コンタクト部材の第一接触子と第二接触子はそれぞれ、前記組を構成する相手側の接触子から前記変位方向において遠ざかる側に凸湾曲した第一接触部と第二接触部を有し、
前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に、前記第一コンタクト部材の第一接触子及び前記第二接触子がそれぞれ、前記第二コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子と弾性接触することにより、前記第一コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子はそれぞれ、前記組を構成する相手側の接触子に前記変位方向において接近するようになっており、
前記第一コンタクト部材の第一接触子の第一接触部は、前記第一コンタクト部材の第二接触子の第二接触部よりも、前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合側に近い側に配置され、前記第一コンタクト部材の第一接触子と第二接触子がそれぞれ、前記貫通穴を通じて前記組を構成する相手側の接触子に前記変位方向において接近したときに、前記第一コンタクト部材の第二接触子の第二接触部付近が、前記第一コンタクト部材の第一接触部の凸湾曲を利用して前記組を構成する相手側の接触子に向って形成された凹湾曲空間に逃げる、請求項5に記載のコネクタ装置。
【背景技術】
【0002】
図17、18に、特開2012−38497号公報に開示された従来のコネクタ装置110の一例を示す。これらの図は、レセプタクルコネクタ120とプラグコネクタ160の嵌合動作を示す断面図であって、
図17は特に、嵌合前の状態を、
図20は、嵌合途中の状態を、それぞれ示したものである。
【0003】
コネクタ装置110は、図示矢印「ア」方向(嵌合方向)に沿って嵌合可能なレセプタクルコネクタ120とプラグコネクタ160の対で形成されている。
レセプタクルコネクタ120は、挿入口123を有するハウジング121と、このハウジング121に設けられたコンタクト部材130を有する。コンタクト部材130には、短端子142と長端子151が含まれる。
プラグコネクタ160は、ハウジング161と、このハウジング161に設けられたコンタクト部材170を有する。コンタクト部材170は、板状部分に固定され、相対して配置された板状端子177と板状端子178を組として構成されており、これら板状端子の隙間を利用して嵌合穴164が形成されている。
【0004】
レセプタクルコネクタ120とプラグコネクタ160の嵌合時には、レセプタクルコネクタ120の短端子142と長端子151が、プラグコネクタ160の嵌合穴164に挿入され、短端子142は、嵌合穴164の一の側面を形成する一方の板状端子177と弾性接触し、一方、長端子151は、嵌合穴164の他の側面を形成する他方の板状端子178と弾性接触する。
【0005】
挿入口123には、嵌合穴164を仕切る壁部124が並列に配置されている。この壁部124は、レセプタクルコネクタ120の挿入孔123へ指が侵入等して端子142、151と触れることを防止する機能も有する。
レセプタクルコネクタ120とプラグコネクタ160の嵌合時には、レセプタクルコネクタ120の壁部124は、プラグコネクタ160の嵌合穴164と嵌合穴164との間に位置する壁に設けた隙間165に収容される。プラグコネクタ160に、このような隙間165を設けることにより、レセプタクルコネクタ120の壁部124が、レセプタクルコネクタ120とプラグコネクタ160の嵌合を妨げることが防止されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような構造の従来のコネクタ装置では、嵌合穴164同士の間に、壁部124を収容するためのスペースが必要とされることから、このスペースを確保するために装置が大型化するといった問題が生じていた。一方、壁部124を設けない場合には、指の侵入等を防止することができなくなるといった問題が生じてしまう。
【0008】
本願発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、指の侵入等を防止しつつ、装置を小型化することができるコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコネクタ装置は、互いに嵌合可能な第一コネクタと第二コネクタとから成るコネクタ装置であって、前記第一コネクタは、挿入口を有する第一ハウジングと、前記第一ハウジングに設けられた第一コンタクト部材と、を有し、前記第二コネクタは、第二ハウジングと、前記第二ハウジングに設けられた第二コンタクト部材と、を有し、前記第二ハウジングは、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コネクタの前記挿入口を通じて前記第一ハウジングにそれぞれが挿入される、前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合方向に沿って立設された複数の立設部分を有し、前記複数の立設部分は、対向する2つの立設部分を組として隙間を形成し、該隙間に、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に前記第一コンタクト部材が挿入されるようになっており、前記第二コンタクト部材は、前記立設部分において前記2つの立設部分の隙間に挿入された前記第一コンタクト部材の対応位置に設けられ、前記2つの立設部分の隙間に前記第一コンタクト部材が挿入される際に前記第一コンタクト部材と接触するようになっており、前記第一コネクタの前記挿入口には、前記第二コネクタの前記複数の立設部分の隙間に対応する位置に、前記挿入口の一部を塞ぐ塞部が設けられており、前記塞部は、前記第一コンタクト部材よりも前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合側に近い側に配置され、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に、前記第一コンタクト部材とともに前記2つの立設部分の隙間に収容されることを特徴とする。
このように、挿入口の一部を塞ぐ塞部を、第二コネクタの複数の立設部分の隙間に対応する位置に設けたことにより、装置を大型にすることなく、指の侵入等を防止することができる。
【0010】
上記コネクタ装置において
、前記塞部は前記挿入口に格子状に設けられていてもよい。
【0011】
また、上記コネクタ装置において、前記第一コンタクト部材には、相手側の接触子に向って変位可能な状態
で相対して配置された、互いに組を構成する、第一接触子と第二接触子が含まれていてもよい。
【0012】
更に、上記コネクタ装置において、前記2つの立設部分には、第一立設部分と第二立設部分が含まれ、前記第二コンタクト部材には、第一接触子と第二接触子が含まれ、これら第一接触子と第二接触子は、前記第一立設部分と前記第二立設部分のそれぞれに、前記第一コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子
の変位方向に沿って相対した状態で設けられており、前記第一立設部分と前記第二立設部分によって形成された隙間に前記第一コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子が収容される際、前記第一立設部分において前記第二コンタクト部材の第一接触子が前記
第一コンタクト部材の第一接触子と接触して前記第一コンタクト部材の第一接触子を前記第二コンタクト部材の第二接触子の側に変位させ、また、前記第二立設部分において前記第二コンタクト部材の第二接触子が前記第一コンタクト部材の第二接触子と接触して前記第一コンタクト部材の第二接触子を前記第二コンタクト部材の第一接触子の側に変位させる、ものであってもよい。
【0013】
また、上記コネクタ装置において、前記塞部は、前記第一コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子の変位を許容する貫通穴又は凹部を有していてもよい。
更に、上記コネクタ装置において、前記第一コンタクト部材の第一接触子と第二接触子はそれぞれ、前記組を構成する相手側の接触子から前記変位方向において遠ざかる側に凸湾曲した第一接触部と第二接触部を有し、前記第一コネクタと前記第二コネクタの嵌合時に、前記
第一コンタクト部材の第一接触子及び前記第二
接触子がそれぞれ、前記第二コンタクト部材の第一接触子及び第二接触子と弾性接触することにより、前記
第一コンタクト部材の第一接触子
及び第二接触子はそれぞれ、
前記組を構成する相手側の接触子に
前記変位方向において接近す
るようになっており、前記第一コンタクト部材の第一接触子の
第一接触部は、前記第一コンタクト部材の第二接触子の
第二接触部よりも、前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合側に近い側に配置され
、前記第一コンタクト部材の第一接触子と第二接触子がそれぞれ
、前記貫通穴を通じて
前記組を構成する相手側の接触子に前記変位方向において接近したときに、前記第一コンタクト部材の第二接触子の
第二接触部付近が、前記第一コンタクト部材の
第一接触部
の凸湾曲を利用して前記組を構成する相手側の接触子
の側に形成された凹湾曲空間に逃げる、構造となっているのが好ましい。
本発明は更に、互いに嵌合可能なコネクタと他のコネクタとから成るコネクタ装置に用いる、前記コネクタであって、前記コネクタは、挿入口を有するハウジングと、前記ハウジングに設けられたコンタクト部材と、を有し、前記他のコネクタは、他のハウジングと、前記他のハウジングに設けられた他のコンタクト部材と、を有し、前
記コネクタと前記
他のコネクタの嵌合時に、前記他のコンタクト部材は、前記コンタクト部材と接触するようになっており、前記コネクタの前記挿入口には、前記挿入口の一部を塞ぐ塞部が設けられており、前記塞部は、前記コンタクト部材よりも前記コネクタと前記他のコネクタとの嵌合側に近い側に配置され、
前記コンタクト部材は、相手側の接触子に向って変位可能な状態で相対して配置された、互いに組を構成する、第一接触子と第二接触子を含み、前記塞部を形成するために設けられた貫通穴又は凹部によって、前
記第一接触子及び第二接触子の変位を許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願発明によれば、指の侵入等を防止するための塞部を有するにもかかわらず、小型のコネクタ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照しつつ、本発明の一つの好適な実施形態を説明する。
本発明のコネクタ装置10は、互いに嵌合可能なレセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60から成る。
図1に、本発明による一例としてのコネクタ装置10のレセプタクルコネクタ20の斜視図を、
図2に、このレセプタクルコネクタ20と嵌合可能なプラグコネクタ60の斜視図を、それぞれ示す。これらレセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60は着脱自在に嵌合して互いに電気的に接続され得る。
【0017】
図1に示すように、レセプタクルコネクタ20は、主に、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合時にプラグコネクタ60の所定部分が挿入される挿入口23を有したレセプタクルハウジング21と、この挿入口23との関係でレセプタクルハウジング21に固定して設けられたコンタクト部材30から成る。コンタクト部材30は、例えば、基板11に半田付けすることによって固定した状態で使用される。
【0018】
レセプタクルコネクタ20の挿入口23に、挿入口23の一部を閉塞する複数の塞部24が格子状に設けられている。これら複数の塞部24は、コンタクト部材30よりもレセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60との嵌合側に近い側に突出した状態で設けられており、これにより、プラグコネクタ60の挿入を許容しつつ、挿入口23を通じた不用意な指の挿入等を防止することができる。尚、塞部24は、ハウジング21の両側壁から、挿入口2を閉塞する方向に延びていればよく、必ずしも図示のようにブリッジ状に繋がっている必要はない。指等の挿入を防止できればよいのであって、その形状は限定されない。また、塞部24同士の間隔は設計事項であって、状況に応じて自由に設定することができる。レセプタクルコネクタ20の挿入口23は、ここでは基板11に対して垂直に配置されている。尚、レセプタクルコネクタ20は、補強金具13を利用して基板11に固定されていてもよい。
【0019】
プラグコネクタ60は、主に、プラグハウジング61と、このプラグハウジング61に固定して設けられたコンタクト部材70から成る。コンタクト部材70は、例えば、基板12に半田付けすることにより固定した状態で使用される。尚、プラグコネクタ60は、補強金具73を利用して基板12に固定されていてもよい。
【0020】
プラグコネクタ60のプラグハウジング61には、基台62と、この基台62からレセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60との嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って櫛歯状に立設された複数の板状体63が含まれる。これら複数の板状体63は、それぞれ、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合時に、レセプタクルコネクタ20の挿入口23を通じてレセプタクルハウジング21に挿入される。
【0021】
板状体63は、互いに面する方向(図示矢印「イ」方向)に沿って対向する2つの板状体63a、63bを組として、図示矢印「ウ」方向に開放された隙間78を形成している。レセプタクルコネクタ20の挿入口23に図示矢印「イ」方向に沿って並列に配した複数の塞部24は、これらの各隙間78にそれぞれに対応して設けられており、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合時には、プラグコネクタ60に設けられたこれらの各隙間78に、レセプタクルコネクタ20のコンタクト部材30が挿入されるとともに、各塞部24も収容される。
【0022】
各隙間78を形成する板状体63a、63bには、各隙間78に挿入されたレセプタクルコネクタ20のコンタクト部材30の対応位置において、各板状体63a、63bに沿ってコンタクト部材70が設置されている。レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合時には、プラグコネクタ60のコンタクト部材70と、各隙間78に挿入されたレセプタクルコネクタ20のコンタクト部材30とが接触し通電し得る。
【0023】
図3、
図4に、コネクタ装置の他の例を斜視図で示す。
図3は、コネクタ装置10’のレセプタクルコネクタ20’の斜視図を、
図4は、このレセプタクルコネクタ20’と対で使用されるプラグコネクタ60’の斜視図を、それぞれ示している。これらの図では、
図1と同様の部材には同様の参照番号を用い、「’」を付している。コネクタ装置10のレセプタクルコネクタ20やプラグコネクタ60と同様に、これらレセプタクルコネクタ20’とプラグコネクタ60’は着脱自在に互いに嵌合して電気的に接続され得る。コネクタ装置10’の基本構成は、
図1に示したコネクタ装置10と同じである。相違は、基板11’や基板12’に対する、レセプタクルコネクタ20’やプラグコネクタ60’の設置向きのみである。尚、設置向きの相違により、当然に、嵌合方向は異なる。例えば、
図1の例では、基板11、12の基板面同士を互いに接近させるようにして、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60を嵌合させるタイプのものであったが、
図3、
図4のコネクタ装置10’では、レセプタクルコネクタ20’の嵌合穴23’が基板11’に対して水平に、また、プラグコネクタ60’の板状体63’が基板12’に対して水平に、それぞれ立設していることから、基板11’、12’の縁同士を互いに接近させるようにして、レセプタクルコネクタ20’とプラグコネクタ60’を嵌合させることになる。
【0024】
尚、これら
図1、
図2に示した例は、組み合わせ方法を限定するものではない。例えば、
図1のレセプタクルコネクタ20と
図4のプラグコネクタ60’を組み合わせることもできるし、或いは、
図2のプラグコネクタ60と
図3のレセプタクルコネクタ20’を組み合わせることもできる。組み合わせは、状況に応じて自由に変更できる。
【0025】
図5乃至
図7を参照して、レセプタクルコネクタ20のコンタクト部材30の構成を、更に詳細に説明する。
図5は、コンタクト部材30の斜視図、
図6は、その前面図、
図7は、その平面図である。
【0026】
コンタクト部材30は、基部40、50からそれぞれ延びる、厚み方向(図示矢印「イ」方向)に弾性変位作用を有する複数の接触子、例えば4個の接触子41、52、51、42を有する。これら複数の接触子41、52、51、42は、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60との嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って立設した状態で設けられている。
【0027】
接触子41、52、51、42には、2つのタイプが含まれる。即ち、比較的長さの長い長接触子52、51と、比較的長さの短接触子41、42である。長接触子52、51と短接触子41、42の実質的な相違は、基部40、50からの長さが長いか短いかにある。
【0028】
長さの異なるこれら長接触子52、51と短接触子41、42はそれぞれ、相手側の接触子に向かう変位方向(図示矢印「イ」方向)において相対して配置され、相隣り合って互いに組を構成している。例えば、長接触子52と短接触子41が一つの組を構成し、また、長接触子51と短接触子42が一つの組を構成し得る。
【0029】
これら長接触子52、51と短接触子41、42は、例えば、変位方向(図示矢印「イ」方向)においてある所定幅(
図6の「a」)で互いに離間して設けられており、各接触子52、51、41、42に対応して、固定部52D、51D、41D、42Dを有する。これら固定部52D、51D、41D、42Dと、コンタクト部材30の基部40との間には、それぞれ、曲部52C、51C、41C、42Cが設けられており、これらの曲部52C、51C、41C、42Cを設けることによって、固定部52Dと固定部41D、或いは、固定部51Dと固定部42Dは、互いに近接した状態とすることができる。互いに近接させたこれらの固定部52Dと固定部41D、或いは、固定部51Dと固定部42Dは、それぞれ、基板11に設けた所定の各穴(後述する
図12、13、15の各「穴16」)に挿入されて、そこに半田付けされ得る。
【0030】
コンタクト部材30とハウジング21を固定するため、各基部40、50の両側部に、圧入部41E、51Eや圧入部52E、42Eが設けられていてもよい。ハウジング21の所定部分にこれらを圧入することによって、接触子をハウジング21の所定位置に立設した状態で設けることができる。
【0031】
また、長接触子52、51及び短接触子41、42は、それぞれ、外方に、即ち、相隣り合って組を構成する相手側の接触子(例えば、長接触子52の相手側の接触子は短接触子41、長接触子51の相手側の接触子は短接触子42)から変位方向(図示矢印「イ」方向)において遠ざかる側に、凸湾曲した凸湾曲部52A、51A、41A、42Aを、またこれらに対応する凹湾曲部52B、51B、41B、42Bを有する。
【0032】
レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合時には、これら凸湾曲部52A、51A、41A、42Aはそれぞれ、少なくともプラグコネクタ60の隙間78に一部が配置されたコンタクト部材70と弾性接触し、この結果、長接触子51と短接触子42、或いは、長接触子52と短接触子41は、それぞれ、内方に、即ち、相隣り合って組を構成する相手側の接触子(例えば、長接触子52の相手側の接触子は短接触子41、短接触子41の相手側の接触子は長接触子52である)に変位方向(図示矢印「イ」方向)において接近する方向に変位する。
【0033】
尚、短接触子41、42は、長接触子51、52に比べ、基部40、50からの嵌合方向(図示矢印「ア」方向)における長さが短く設定されていることから、長接触子52、51の接触部52A、51Aは、嵌合方向に沿う方向においては、短接触子41、42の接触部41A、42Aよりも、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60との嵌合側に近い側に配置される。この結果、長接触子52、51の接触部52A、51Aと、短接触子41、42の接触部41A、42Aが、それぞれ、変位方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、内方に変位したとき、短接触子41、42の接触部41A、42A付近は、長接触子52、51の接触部52A、51Aによって内方に形成された凹湾曲空間52G、51Gに逃げるため、長接触子52、51と短接触子41、42が衝突することはない。このような構成により、接触子の変位量を十分に確保する一方で、装置の小型化も図られる。
【0034】
レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合時に、長接触子52と短接触子41、或いは、長接触子51と短接触子42とが、可能な限り互いに接近することを許容するため、それら長接触子52と短接触子41の間、或いは、長接触子51と短接触子42の間に、貫通穴25が設けられている。貫通穴25を設けて、長接触子と短接触子とを可能な限り接近可能とすることにより、接触子と塞部25との衝突を防止するとともに、装置の小型化を図ることができる。この場合、塞部24は、貫通穴25の上部にブリッジ状に形成され、また、長接触子52、51と短接触子41、42の略中間に位置付けられる。
【0035】
尚、
図5、
図6に示す例では、長接触子52及び短接触子42を、一枚の板から、また、長接触子51及び短接触子41を、他の一枚の板から、それぞれ形成し、後にそれらを組み合わせるものとしたが、長接触子52及び短接触子42と、長接触子51及び短接触子41は、互いに電気的に接続されていてもよい。従って、例えば、これらの接触子の全てを、一枚の金属板を打ち抜き、折り曲げることによって形成することができる。但し、接触の信頼性を高めるため、コンタクト部材30には金メッキが施すのが好ましい。
【0036】
図8乃至
図10を参照して、プラグコネクタ60のコンタクト部材70の構成を、更に詳細に説明する。
図8は、コンタクト部材70の斜視図、
図9は、その前面図、
図10は、その平面図である。
【0037】
コンタクト部材70は、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60との嵌合方向に沿って立設された板状の接触子76と接触子77を備える。これら接触子76及び接触子77はいずれも、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)に沿って面を形成し、また、コンタクト部材30に含まれる長接触子52、51及び短接触子41、42の変位方向(図示矢印「イ」方向)に沿って相対した状態で設けてある。接触子76、接触子77の両側部には、圧入部76E、76E’、及び、圧入部77E、77E’が設けられていてもよい。
【0038】
接触子76及び接触子77は、それぞれ、プラグハウジング61、更に言えば、1つの組を構成する対向する2つの板状体63a、63bの各々に配置される。従って、接触子76と接触子77は、2つの板状体63a、63bと同様に、互いに、変位方向(図示矢印「イ」方向)に沿って相対した状態で設けられる。
【0039】
接触子76及び接触子77は、例えば、コンタクト部材30の接触子52、41、42、51の変位方向(図示矢印「イ」方向)に沿って、ある所定幅(
図9の「b」)で互いに離間して設けられている。接触子76には、固定部76D、76D’が、また、接触子77には、固定部77D、77D’が、それぞれ設けられており、更に、固定部76D、76D’と接触子76との間、或いは、固定部77D、77D’と接触子77との間には、それぞれ、曲部76C、76C’、或いは、曲部77C、77C’が設けられている。これらの曲部76C、76C’、77C、77C’を設けたことにより、固定部76Dと固定部77D、或いは、固定部76D’と固定部77D’を、互いに近接した状態とすることができ、互いに近接させたこれらの固定部76Dと固定部77D、或いは、固定部76D’と固定部77D’は、それぞれ、基板12に設けた所定の各穴(後述する
図12、13、15の各「穴17」)に挿入されて、そこに半田付けされ得る。
【0040】
尚、接触子76及び接触子77は、互いに電気的に接続されていてもよい。従って、例えば、これらの接触子76、77の双方を、一枚の金属板を打ち抜き、折り曲げることによって形成することができる。但し、接触の信頼性を高めるため、コンタクト部材70には金メッキが施すのが好ましい。
【0041】
図11は、本コネクタ装置10の概観を示す図であって、(a)は、その正面図、(b)は、その左側面図、
図12は、
図11の(a)におけるI−I線断面図、
図13は、
図11の(b)におけるII−II線断面図である。これら
図11乃至
図13は、特に、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合前の状態を示している。
これに対し、
図14乃至
図16は、
図11乃至
図13のそれぞれに対応する図であって、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合後の状態を示したものである。
【0042】
これらの図から明らかなように、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合時には、プラグコネクタ60の板状体63aと板状体63bによって形成された隙間78に、図示矢印「ア」方向において、コンタクト部材30の長接触子52、51、及び、短接触子41、42が収容される。また、これと同時に、接触子の組同士の間に形成された隙間27、つまり、長接触子52と短接触子41や長接触子51と短接触子42によって構成される接触子の第一の組「A」と、同様の接触子によって構成された、図示矢印「イ」方向において第一の組「A」と相隣り合う第二の組「B」と、の間に形成された隙間27に、図示矢印「ア」方向において、板状の接触子76、77を設けた板状体63が収容される。
また、この際、板状体63aにおいては、板状体63aに設けたプラグコネクタ60のコンタクト部材70の接触子76が、レセプタクルコネクタ20のコンタクト部材30の長接触子52及び短接触子42と、それらの接触部52A及び接触部42Aにおいて弾性接触し、長接触子52及び短接触子42を、プラグコネクタ60のコンタクト部材70の板状体63b(及び接触子77)の側に変位させる。一方、板状体63bにおいては、板状体63bに設けたプラグコネクタ60のコンタクト部材70の接触子77が、レセプタクルコネクタ20のコンタクト部材30の短接触子41及び長接触子51とそれらの接触部41A及び接触部51Aにおいて弾性接触し、短接触子41及び長接触子51を、プラグコネクタ60のコンタクト部材70の板状体63a(及び接触子76)の側に変位させる。
これら各接触子の変位時には、各組を構成する長接触子52と短接触子41が、或いは、長接触子51と短接触子42が、それぞれ、互いに接近することになるが、上述したように、塞部24には貫通穴25が設けられていることから、これら接触子と塞部24とが衝突することはない。また、長接触子と短接触子に関しても、上述したように、短接触子41、42の接触部41A、42A付近は、長接触子52、51の接触部52A、51Aによって内方に形成された凹湾曲空間52G、51Gに逃げることから、長接触子52、51と短接触子41、42が衝突することはない。
【0043】
ここで、長接触子51と長接触子52は、嵌合方向に沿う方向において同位置に配置されていることから、また、短接触子41と短接触子42は、嵌合方向に沿う方向において同位置に配置されていることから、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ60の嵌合の際、それらは同じタイミングでコンタクト部材70の接触子76や接触子77とそれぞれ接触し得る。このように、同じタイミングで接触させることにより、長接触子51、52や、短接触子41、42によってコンタクト部材70に加わる力を効率的に分散させることができる。また、本実施例では、長接触子51と長接触子52が点対照に、また、短接触子41と短接触子42が点対称に、それぞれ配置されていることから、コンタクト部材70は、均等に分散された力を受けることになる。よって、嵌合動作をより安定したものとすることができる。更に、短接触子41、42は、嵌合方向(図示矢印「ア」方向)において長接触子51、52よりもプラグコネクタ60から遠くに位置付けられていることから、長接触子51、52が接触した後にコンタクト部材70と接触することになり、この結果、コンタクト部材70が受ける力を効率よく分散させることができる。
尚、上の実施形態では、コンタクト部材30、70を、図示矢印「イ」方向において組を形成するもの、つまり、コンタクト部材30に関しては長接触子と短接触子の組を、コンタクト部材70に関しては板状の接触子76と板状の接触子77の組を形成するものとして説明したが、必ずしも組を構成する必要はなく、図示矢印「イ」方向において一方の側にのみ接触子を設けた構成であってもよい。
また、塞部の下側には貫通穴を設け、また、塞部はブリッジ状とすることとしていたが、接触子の変位が許容されれば足り、必ずしも貫通穴とする必要はなく、例えば、凹部等であってもよいし、また、必ずしもブリッジ状とする必要はなく、例えば、片持ち梁状等としてもよい。