【実施例】
【0011】
本発明の第1実施形態である局データ管理システムは、
図1に示すように、電子式自動構内交換機10と、電子式自動構内交換機10にLAN等の回線を介して接続された第1の端末19及び第2の端末20とで構成されている。
【0012】
電子式自動構内交換機10は、
図1に示すように、中央制御部11と、電子式自動構内交換機10の局データを保持する局データ記憶部12と、記憶部18と、記憶部18に格納されるユーザ情報テーブル13と、記憶部18に格納されるログイン情報テーブル14と、記憶部18に格納される局データ変更履歴テーブル15と、時刻情報を供給する内部時計16と、通信を行う通信部17とを有している。
【0013】
中央制御部11は、CPU等で構成され、局データ記憶部12及び記憶部18は、ROM、RAM等で構成されている。なお、本実施形態では、各種テーブル13、14、15が記憶部18に格納されているものとして説明するが、各種テーブル13、14、15の保持形態は如何なるものでもよい。
【0014】
中央制御部11は、
図2に示すように、電子式自動構内交換機10へのログイン認証を制御するログイン制御部11aと、電子式自動構内交換機10からのログアウトを制御するログアウト制御部11bと、ログイン中のユーザからの指示に基づいて局データを変更する局データ変更部11cとを有している。
【0015】
ユーザ情報テーブル13は、電子式自動構内交換機10にログインするユーザを識別するためのユーザ識別情報を格納している。
【0016】
ログイン情報テーブル14は、
図3に示すように、ユーザ名と、ユーザがログインしたログイン日時と、ユーザがログアウトしたログアウト日時と、ユーザが作成した作業メモとを格納する。
【0017】
局データ変更履歴テーブル15は、
図4に示すように、ユーザ名と、局データを変更した変更日時と、変更した局データとを格納する。
【0018】
第1の端末19及び第2の端末20は、
図1に示すように、保守者(ユーザ)A、Bが局データの保守を行うために利用する端末である。第1の端末19及び第2の端末20は、本実施形態では通常のパーソナルコンピュータとして構成され、ディスプレイ等の表示部19a、20a、制御部、記憶部、キーボード等の入力部、出力部、ネットワークインターフェース等を備えている。なお、以下の説明においては、局データの保守を行うために、保守者Aが第1の端末19を利用し、保守者Bが第2の端末20を利用するものとして説明するが、保守者A、Bが同一の端末を利用して局データの保守を行うようにしてもよい。なお、本実施形態では、保守者A、Bに対して各種情報を通知する通知手段として、表示部19a、20aを用いているが、通知手段の具体的な態様は如何なるものでもよい。
【0019】
つぎに、第1実施形態における局データ管理システムの処理フローについて、
図5及び
図6に基づいて以下に説明する。
【0020】
以下においては、保守者Aが電子式自動構内交換機10にログインして局データの変更を行った後にログアウトし、その後、保守者Bが電子式自動構内交換機10にログインしたときに、保守者Aによって局データが変更された旨が保守者Bに対して通知される流れを説明する。ユーザ情報テーブル13には、局データを保守する保守者のユーザ識別情報が予め登録されている。
【0021】
まず、保守者Aが第1の端末19を利用してログインを開始する(STEP30)と、ログイン制御部11aは、通信部17を通じて保守者Aからログインの要求を受け取り、ユーザ情報テーブル13を参照して保守者Aのログイン認証を行う(STEP31)。
【0022】
次に、保守者Aのログイン認証が成功すると、ログイン制御部11aは、ログイン情報テーブル14を参照し、保守者Aの前回のログイン以降に他のユーザがログインしたかを確認する(STEP32)。
【0023】
この際、他のユーザのログインがない場合は、内部時計16を参照してログイン日時を取得してログイン日時を保持し(STEP33)、ログイン処理は完了となる(STEP34)。
【0024】
次に、保守者Aが第1の端末19を利用して局データの変更を開始する(STEP35)と、局データ変更部11cは、通信部17を通じて保守者Aからの指示を受け取り、局データ記憶部12内の局データを更新し(STEP36)、内部時計16を参照して変更日時を取得し(STEP37)、局データ変更履歴テーブル15に、ユーザ名、変更日時、変更した局データを保存する(STEP38)。
【0025】
以降、保守者Aが局データの変更を終了する(STEP39)まで、局データを更新する度に、STEP36〜STEP38の処理を繰り返す。
【0026】
次に、保守者Aが第1の端末19を用いてログアウトを開始する(STEP40)と、ログアウト制御部11bは、通信部17を通じて保守者Aからログアウトの要求を受け取り、局データ変更履歴テーブル15を参照し、保持しておいた保守者Aの今回のログイン日時をもとに、保守者Aの今回のログイン以降に更新した情報を抽出し(STEP41)、保守者Aが利用する第1の端末19の第1の表示部19aに、変更した局データを表示させる(STEP42)。
【0027】
次に、保守者Aは、第1の表示部19aに表示された局データを参照して、第1の端末19を用いて作業メモを入力する(STEP43)。ここで、作業メモは、保守作業の概要や目的を記録するものである。
【0028】
次に、ログアウト制御部11bは、内部時計16を参照してログアウト日時を取得し(STEP44)、保持しておいたログイン日時、ログアウト日時、作業メモを、ログイン情報テーブル14に保存し(STEP45)、保守者Aのログアウト処理は完了となる(STEP46)。
【0029】
以下に、保守者Bがログインを行う場合について説明する。
【0030】
まず、保守者Bが第2の端末20を利用してログインを開始する(STEP30)と、ログイン制御部11aは、通信部17を通じて保守者Bからログインの要求を受け取り、ユーザ情報テーブル13を参照して保守者Bのログイン認証を行う(STEP31)。
【0031】
次に、保守者Bのログイン認証が成功すると、ログイン制御部11aは、ログイン情報テーブル14を参照し、保守者Bの前回のログイン以降に他のユーザがログインしたかを確認する(STEP32)。
【0032】
ここで、本ケースでは、保守者Bの前回のログイン以降に保守者Aがログインしているため、ログイン制御部11aは、ログイン情報テーブル14を参照し、保守者Aのログイン日時および作業メモを取得し(STEP47)、保守者Bが利用する第2の端末20の第2の表示部20aに、保守者Aのログイン日時および作業メモを表示する(STEP48)。
【0033】
このようにして、保守者Bは、ログイン時に保守者Aが局データを変更したことを知ることができる。
【0034】
このようにして得られた本実施形態では、ログイン時に、ログイン者に対して、他のユーザによる局データの変更に関する事項を記録した作業メモを通知することにより、局データの変更状況を確実かつ容易に把握することができる。
【0035】
また、局データの変更を行ったユーザは、自身が行った局データの変更内容を他のユーザに通知する必要がなくなる。
【0036】
また、ログイン時にログイン者に対して通知される通知情報に、局データの変更を行ったユーザを特定するユーザ識別情報が含まれることにより、どのユーザが局データの変更を行ったかを把握することが可能であるため、円滑な保守業務を実現できる。
【0037】
また、ログアウト時にログアウト者に対して作業メモの作成を要求することにより、局データの変更に関する目的や概要を忘れずに記録しておくことができる。
【0038】
また、ログアウト者に対して作業メモの作成を要求する際に、ログアウト者がログイン中に変更した局データを、ログアウト者に通知することにより、自らが変更した局データを確認しながら作業メモを作成することが可能であるため、円滑な作業メモの作成が可能になる。
【0039】
なお、上述した第1実施形態では、ログイン時にログイン者に対して通知される通知情報に、他のユーザのログイン日時、作業メモが含まれるものとして説明したが、通知情報の具体的態様はこれに限定されない。例えば、通知情報に、上記の情報に加えて変更した局データの詳細を含めてもよい。
【0040】
また、上述した第1実施形態では、ログイン時にログイン者に対して、他のユーザのログイン情報(すなわち、ログイン情報テーブル14に格納された情報)を抽出して表示したが、ログイン者自身が前回ログイン時のログイン情報を通知することも可能である。これにより、前回の作業内容を確認することが可能となる。
【0041】
つぎに、本発明の第2実施形態である局データ管理システムについて、
図7乃至
図10に基づいて以下に説明する。なお、以下には、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0042】
まず、第2実施形態における局データ管理システムの処理フローについて、以下に説明する。
【0043】
以下においては、
図7に概略的に示すように、保守者Aが電子式自動構内交換機10にログインした後に、保守者Bが電子式自動構内交換機10にログインすると、保守者Bに、既に保守者Aがログイン済みである旨を通知し、保守者Aに保守者Bがログインした旨を通知することと、保守者Bがログアウトした時に、保守者Aに保守者Bの作業内容を通知する流れを、説明する。ユーザ情報テーブル13には、局データを保守する保守者のユーザ識別情報が予め登録されている。
【0044】
まず、
図8に示すように、保守者Aが第1の端末19を利用してログインを開始する(STEP30)と、ログイン制御部11aは、通信部17を通じて保守者Aからログインの要求を受け取り、ユーザ情報テーブル13を参照して保守者Aのログイン認証を行う(STEP31)。
【0045】
次に、保守者Aのログイン認証が成功すると、ログイン制御部11aは、ログイン情報テーブル14を参照し、保守者Aの前回のログイン以降に他のユーザがログインしたかを確認する(STEP32)。
【0046】
次に、ログイン制御部11aは、ログイン情報テーブル14を参照し、既にログインしているユーザがいないかを確認する(STEP50)。
【0047】
ここで、既にログインしているユーザがいない場合は、ログイン制御部11aは、ログインを要求したユーザと、内部時計16を参照して取得したログイン日時(X)とをログイン情報テーブル14に保存し(STEP51)、保守者Aのログイン処理は完了となる(STEP34)。このとき、ログイン情報テーブル14は、保守者Aのユーザ識別情報と、ログイン日時とが書き込まれた状態になっている。
【0048】
次に、保守者Bが第2の端末20を利用してログインを開始する(STEP30)と、ログイン制御部11aは、保守者Bのログイン認証を行い(STEP31)、前回の保守者Bのログイン以降に他のユーザがログインしたかを確認する(STEP32)。
【0049】
次に、ログイン制御部11aは、ログイン情報テーブル14を参照し、既にログインしているユーザがいないか確認する(STEP50)。
【0050】
このとき、ログイン情報テーブル14には保守者Aのユーザ識別情報とログイン日時が書き込まれているが、保守者Aのログアウト日時が書き込まれていないため、ログイン制御部11aは、保守者Aがログイン中であると判断する(STEP50)。
【0051】
次に、既にログインしているユーザがある場合、ログイン制御部11aは、ログイン者である保守者Bの情報を保持し、ログイン情報テーブル14を参照し、既にログインしている保守者Aの情報と、保守者Aのログイン日時を保持する(STEP52)。
【0052】
次に、ログイン制御部11aは、局データ変更履歴テーブル15を参照し、既にログインしている保守者Aが局データを変更しているかを確認し(STEP53)、第2の表示部20aを用いて保守者Bに対して、既にログインしている保守者Aの情報と局データの変更の有無を表示し(STEP54)、第1の表示部19aを用いて保守者Aに対して、保守者Bがログインした旨を表示する(STEP55)。
【0053】
次に、ログイン制御部11aは、保守者Bのユーザ識別情報とログイン日時をログイン情報テーブル14に保存し(STEP51)、保守者Bのログイン処理は完了となる(STEP34)。
【0054】
ここで、保守者Bが局データの変更を行った場合の動作は、上述した第1実施形態で説明したSTEP35〜STEP39と同様である。
【0055】
次に、保守者Bがログアウトを開始する(STEP40)と、ログアウト制御部11bは、上述した第1実施形態で説明したSTEP40〜STEP45の動作を行い、ログイン情報テーブル14を参照し、既にログインしているユーザがいないかを確認する(STEP56)。ここで、保守者Aが既にログインしているユーザとして検出する方法は、STEP50で説明した方法と同様である。
【0056】
次に、既にログインしているユーザがある場合、ログアウト制御部11bは、ログイン情報テーブル14を参照し、既にログインしているユーザ情報を保持し(STEP57)、第1の表示部19aを用いて保守者Aに対し、ログイン者である保守者Bの情報と、(STEP43)で保持しておいた保守者Bの作業メモの情報を表示する(STEP58)。
【0057】
このようにして得られた第2実施形態では、あるユーザがログイン中に他のユーザがログインした場合であっても、他のユーザのログイン状況及び局データの変更状況を把握することが可能であるため、より円滑な局データの保守業務を実現できる。
【0058】
つぎに、本発明の第3実施形態である局データ管理システムについて、
図11及び
図12に基づいて以下に説明する。なお、以下には、第1及び第2実施形態との相違点のみを説明する。
【0059】
まず、第1及び第2実施形態との構成上の相違点として、第3実施形態の局データ管理システムでは、
図11に示すように、中央制御部11が、ログイン制御部11a等に加えて、確認部11dを有している。
【0060】
以下に、第3実施形態における局データ管理システムの処理フローについて、
図12に基づいて説明する。
【0061】
以下においては、保守者Aが電子式自動構内交換機10にログインした後に、保守者Bが電子式自動構内交換機10にログインし、保守者Bが局データを変更した後に、保守者Aが確認コマンドを送信することで、保守者Bのユーザ情報と、保守者Bが変更した局データの内容とを取得する流れを説明する。なお、保守者A、Bのログイン処理と局データの変更処理とは、第2実施形態に示す通り実施されていることとする。
【0062】
まず、
図12に示すように、保守者Aが第1の端末19から確認コマンドを送信すると(STEP60)、確認部11dは、確認コマンドを送信した保守者Aの情報を保持し(STEP61)、ログイン情報テーブル14を参照し、既にログインしている他のユーザがいないかを確認する(STEP62)。
【0063】
ここで、既にログインしているユーザがある場合は、ログイン情報テーブル14を参照し、既にログインしているユーザである保守者Bの情報を保持する(STEP63)。
【0064】
次に、確認部11dは、局データ変更履歴テーブル15を参照し、既にログインしているユーザが変更した局データを取得し(STEP64)、第1の端末19を用いて保守者Aに対して、既にログインしているユーザである保守者Bの情報と、保守者Bが変更した局データを通知する(STEP65)。
【0065】
このようにして得られた第3実施形態では、ユーザが任意のタイミングで他のユーザの局データの変更状況を確認することが可能であるため、より円滑な局データの保守業務を実現できる。