【実施例】
【0014】
実施例に係る図書保管管理システムにつき、
図1から
図15を参照して説明する。以下、
図1の紙面左側をステーションの正面側(前方側)とし、
図3及び
図7の紙面下側をステーションの正面側(前方側)とし、
図5及び
図6の紙面右側をステーションの正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用された図書保管管理システムである。この図書保管管理システム1は、
図1に示すように、例えば、図書館にて地上階に設けられ、利用者に公開されている開架書庫2と、図書館の地下階に設けられ、利用者に公開されていない閉架書庫3と、の間に亘って設置されており、閉架書庫3に収容されている図書4を利用者の要求に応じて開架書庫2まで搬送するシステムである。
【0016】
閉架書庫3には、図書4を収容するための複数の書棚5が配置されている。
図8に示すように、これら書棚5には、複数の図書4が収容された複数のコンテナ6が収容されている。尚、本実施例における図書保管管理システム1は、コンテナ6毎に図書4を文学、スポーツ、評論等の分野毎に収容する固定ロケーション方式を採用している。
【0017】
本実施例では、収容される図書4のサイズ毎に、A4用、B5用、A5用の複数種類のコンテナ6が用意されている。各コンテナ6は、少なくともその幅寸法(外形)が各種類に応じて異なっており、A4用コンテナ6が最も大きく、A5用コンテナ6が最も小さいサイズのコンテナ6となっている。閉架書庫3の書棚5は、各種類のコンテナ6に応じたサイズのコンテナ載置棚(図示略)を有している。このように、各サイズの図書4がそのサイズ毎に各種類のコンテナ6に収納され、かつ各種類のコンテナ6が対応する書棚5に収納されることで、各書棚5における図書4の収容効率を高められるようになっている。
【0018】
コンテナ6に収容されている図書4には、各図書4毎に固有の図書ID(図書識別情報)や図書関連情報が記憶されているRFIDタグ7が貼り付けられており、このRFIDタグ7の図書IDは、後述する図書用タグリーダ8a,8b(図書識別情報受付手段)及び貸出返却用タグリーダ9(図書識別情報受付手段)によってID情報を読み取り可能となっている。尚、この図書関連情報とは、各図書4のタイトル、著者、出版社、ページ数等である。
【0019】
また、本実施例におけるRFIDタグ7は、内蔵したICチップを非接触方式(無線方式)で、後述する図書用タグリーダ8a,8bと貸出返却用タグリーダ9とで読み取らせる公知のパッシブ型のRFIDタグである。
【0020】
図1に示すように、図書保管管理システム1は、閉架書庫3にて書棚5から図書4が収容されたコンテナ6を取り出すための複数基のスタッカクレーン10と、地下階である閉架書庫3と地上階である開架書庫2との間を昇降可能とする搬送エレベータ11と、を備えている。そして、スタッカクレーン10によって書棚5から取り出されたコンテナ6は、コンベア12を介して搬送エレベータ11に受け渡されるようになっている。
【0021】
また、図書保管管理システム1は、閉架書庫3からコンテナ6を搬送可能であって、利用者が目的の図書4の貸し出し、若しくは返却を行うことができるステーション13と、コンテナ6を一時保管するためのロータリーラック14と、を備えている。搬送エレベータ11によって地上階まで搬送されたコンテナ6は、コンベア15aを介してステーション13及びロータリーラック14まで搬送されるようになっている。尚、本実施例における利用者とは、図書館の司書や、図書館が設置された学校の学生や教授等である。
【0022】
また、開架書庫2に設けられたステーション13にて設定された指令に基づき、スタッカクレーン10は、各書棚5におけるコンテナ6の収容位置まで前後並びに上下方向に自動走行して、コンテナ6の出し入れを行うようになっている。
【0023】
図2に示すように、ステーション13の上部には、その内部が中空である中空部16が形成されている。この中空部16内には、搬送エレベータ11側から出庫用コンベア15a(搬送部,第1の搬送手段)と入庫用コンベア15b(第2の搬送手段)が延設されており、図書4が収容されているコンテナ6を中空部16内に搬送可能となっている。更に、出庫用コンベア15aの端部から入庫用コンベア15bの端部までコンテナ6を搭載して搬送する電動台車40(台部,移送手段)が配置されている。
【0024】
電動台車40について、
図3から
図7を参照して詳述する。
図4及び
図5に示すように、電動台車40は、床面から所定の高さ位置に配置された2本のレール41上を走行可能となっている。この電動台車40は、レール41上を走行する走行ユニット42(走行手段)と、この走行ユニット42の上部に設けられるターンテーブル43(回転手段)と、で構成されている。走行ユニット42は、レール41上を左右方向に自在に移動可能となっている。また、ターンテーブル43は、その上面がコンテナ6を載置する載置面となっており、この載置面にコンテナ6を載置した状態でターンテーブル43が水平方向に自在に回転可能となっている。
【0025】
図6に示すように、走行ユニット42は、ターンテーブル43が配置される上部筐体44と、その下方の下部筐体45とを有している。下部筐体45の内部には、ターンテーブル43を回転させるための回転モータ46が設けられている。また、レール41の上面を走行するための車輪47が設けられ、この車輪47を駆動して走行させるための走行モータ48が設けられている。
【0026】
更に、走行ユニット42には、車輪47がレール41から脱輪されることを防止するための前後一対の案内ローラ49が設けられている。この一対の案内ローラ49がレール41を前後方向から挟み込み、走行ユニット42が前後にぐらつかないようにしている。尚、走行ユニット42には、走行ユニット42がレール41において左右方向のいずれの位置にあるかを検出する位置検出センサ50が取り付けられている。
【0027】
図7に示すように、ターンテーブル43は、平面視で四角形状をなし、最も大きなコンテナ6を載置可能な大きさに形成されている。このターンテーブル43には、前後方向に延びる2本の載置ベルト51(位置移動手段)が架け渡されている。
図6に示すように、ターンテーブル43の内部には、載置ベルト51を駆動するためのベルト駆動モータ52が設けられている。この載置ベルト51は、ターンテーブル43の載置面上でコンテナ6の載置位置を移動させるためと、ターンテーブル43とコンベア15a,15bとの間でコンテナ6を移載するために用いられる。
【0028】
図7に示すように、このターンテーブル43の載置面における左右縁辺には、コンテナ6を案内するように上方に突出された案内条53が設けられている。また、ターンテーブル43の載置面における前後縁辺には、コンテナ6の移動を阻止するストッパー54(移動阻止手段)が設けられている。このストッパー54は、左右方向に延びる凸条部材となっており、ストッパー54は、ターンテーブル43内部に設けられた昇降アクチュエータ55により昇降されるようになっている(
図6参照)。ストッパー54が突出された状態では、コンテナ6がストッパー54に係止されるようになっている。ストッパー54が降下した状態では、ストッパー54の上端がターンテーブル43の載置面と略面一をなす。
【0029】
図4に示すように、走行ユニット42の上部筐体44は、正面視で略U字形状をなし、その中央部にターンテーブル43が配置されている。上部筐体44の上端部には、コンテナ6の位置決め用の位置決めセンサ56(位置検出手段)と、コンテナ6がターンテーブル43に載置されたことを検知する載置センサ57(位置検出手段)と、各種類のコンテナ6のサイズを検出するサイズ検出センサ58(種類検出手段)と、が設けられている。
【0030】
図3に示すように、搬送エレベータ11側から延びる出庫用コンベア15a及び入庫用コンベア15bと電動台車40が走行されるレール41とが平面視で略U字状をなすように配置されている。出庫用コンベア15aからターンテーブル43の載置面にコンテナ6が移載される際に、載置ベルト51を駆動するとともに、前方側のストッパー54を突出させる。
【0031】
そして、載置センサ57よりコンテナ6の載置を検出すると載置ベルト51を停止させるとともに、コンテナ6は、前方側のストッパー54に係止されて停止するようになっている。更に、位置決めセンサ56によりコンテナ6が正確にターンテーブル43の前端で停止したか否かの確認ができるようになっている。また、サイズ検出センサ58によってターンテーブル43に載置されたコンテナ6のサイズも確認できるようになっている。
【0032】
図3及び
図4に示すように、コンテナ6は、出庫用コンベア15aから電動台車40のターンテーブル43に載置され、その後、ステーション13において、後述する図書4の貸出作業または返却作業が行われる。貸出作業または返却作業が終了すると、電動台車40は、入庫用コンベア15bまで移動されるようになっている。その移動経路の途中には、コンテナ6に収容された図書4の高さを検出する高さ検出センサ59が設けられたゲート部60と、レール41の正面側と背面側の両側に対応して設けられ、コンテナ6に収容されている図書4のRFIDタグ7から図書ID等の情報を読み取るための図書用タグリーダ8a,8bと、が設置されている。
【0033】
各図書用タグリーダ8a,8bは、略平板状をなし、その電磁波の照射面がコンテナ6の正面及び背面に対向して配置されている。また、背面側の図書用タグリーダ8bは、前後動アクチュエータ61(リーダ移動手段)に取り付けられており、この図書用タグリーダ8bが前後方向に移動されることで、図書用タグリーダ8bがコンテナ6の背面側に向かって近接されるようになっている。尚、正面側の図書用タグリーダ8aは、固定的に配置されている。更に、本実施例では、図書4の背表紙にRFIDタグ7が貼り付けられており、各図書用タグリーダ8a,8bは、図書4の背表紙に向かって近接するようになっている。
【0034】
図6に示すように、各図書用タグリーダ8a,8bには、コンテナ6に接触する接触ローラ62(保護手段)が取り付けられている。この接触ローラ62は、垂直方向に延びる軸に対して回転可能となっており、各図書用タグリーダ8a,8bの左右位置に2つずつ設けられている。また、接触ローラ62がコンテナ6の正面側及び背面側に接触して回転されることで、コンテナ6が左右方向に案内移動される。そして、この接触ローラ62が設けられていることで、コンテナ6が各図書用タグリーダ8a,8bに衝突することを防止できるようになっている。
【0035】
図2及び
図3に示すように、コンテナ6の内部は、複数の図書4を収容するための上方が開口する収容空間17となっている。この収容空間17は、磁性部材からなる磁性板によって正面側と背面側とに分割されており、複数の図書4が前後2列に配置され、背表紙4aをコンテナ6の正面側または背面側に向けた状態で、かつ図書4の厚み方向である左右方向に並べられた状態で収容されている。
【0036】
尚、ステーション13の利用者は、後述するタッチパネル20(表示手段)の操作によって電動台車40のターンテーブル19を回転させてコンテナ6を水平回転させることができる。そのため、コンテナ6は、その正面側及び背面側のいずれの側面も利用者側に向けることができるようになり、コンテナ6の正面側及び背面側の両側に図書4を収容しておくことができ、コンテナ6内のスペースを有効利用できる。
【0037】
そして、ステーション13の上部正面側には、左右方向に中空部16を開閉自在なスライド扉21が取り付けられており、利用者は、このスライド扉21を開放することによって出納口36を開口して搬送されてきたコンテナ6から図書4を取り出せるようになっている。
【0038】
また、コンテナ6の左右側面には、各コンテナ6を識別可能なバーコード部22が貼り付けられている。尚、このバーコード部22には、各コンテナ6を識別できる固有のコンテナIDやコンテナ6のいずれの面が前後方向を向いているかを示す情報が書き込まれている。尚、
図3及び
図4に示すように、ステーション13の中空部16内には、コンテナ6に取り付けられたバーコード部22からコンテナID等の情報を読み取るためのバーコードリーダ23が設けられている。
【0039】
また、ステーション13に設けられたバーコードリーダ23と同様のバーコードリーダ(図示略)が開架書庫2におけるステーション13外のコンベア15及び閉架書庫3におけるコンベア12近傍にも複数箇所に取り付けられている。コンテナ6のバーコード部22がコンベア12,15a,15bに設けられたバーコードリーダ(図示略)で読み取られることにより、各コンテナ6の搬送経路における現在位置情報などを後述する管理装置24が把握することができるようになっている。
【0040】
尚、前述のロータリーラック14は、内部に複数のコンテナ6を収容可能となっており、後述するコンテナ呼出処理によって閉架書庫3からステーション13に呼び出されたコンテナ6が複数ある場合などにコンテナ6をロータリーラック14に待機させることができるようになっている。
【0041】
搬送エレベータ11を介して地上階に搬送された複数のコンテナ6がロータリーラック14に一時保管された後、コンテナ6は所定の順序でロータリーラック14から運び出される。そして、ロータリーラック14から運び出されたコンテナ6は、平面視で右側のコンベア15aから中央のステーション13に搬送され、ステーション13での処理が終わったコンテナ6は、左側のコンベア15bに載せられて再び搬送エレベータ11によって地下階の閉架書庫3へと搬送されるようになっている。
【0042】
図2に示すように、ステーション13の正面側には、利用者がコンテナ6から取り出した図書4を載置するための天板25が設けられている。この天板25上には、ステーション13を利用する利用者に対して、図書4の貸し出し及び返却作業の指示を行うためのタッチパネル20が設けられている。このタッチパネル20は、利用者が直接指等を接触させて操作可能になっている。
【0043】
また、天板25には、図書4のRFIDタグ7から図書ID等の情報を読み取るための貸出返却用タグリーダ9が埋設されている。更に、
図8に示すように、ステーション13には、図書館の利用者が所有するICカード26から利用者の利用者IDを読取可能なカードリーダ27が設けられている。尚、このICカード26には、RFIDタグが内蔵され、固有の利用者IDが記憶されている。
【0044】
一方、図書館の管理室(図示略)等には、
図8に示すように、閉架書庫3からの図書4の貸し出し及び返却を管理する管理装置24が設けられている。この管理装置24は、
図13〜
図15に示す図書情報テーブルとコンテナ情報テーブルと利用者情報テーブルが記憶されている記憶部28(記憶手段)と、管理装置24内で各種制御を行う制御部29と、から構成されている。
【0045】
この制御部29には、ステーション13のバーコードリーダ23と、図書用タグリーダ8a,8bと、貸出返却用タグリーダ9と、ターンテーブル19と、タッチパネル20と、カードリーダ27と、が接続されている。また、制御部29には、コンベア15a,15bと、ロータリーラック14と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、本実施例における図書保管管理システム1には、複数のステーション13が設けられており、管理装置24は、各ステーション13とそれぞれ接続されている。
【0046】
更に、制御部29には、閉架書庫3のコンベア12と、スタッカクレーン10と、搬送エレベータ11と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、制御部29は、LAN回線等の通信回線30を介して図書館内部または図書館外部の複数の予約端末31に接続されている。例えば、図書館の利用者は、予約端末31から管理装置24に対して所望の図書4の貸出予約を行うことができるようになっている。
【0047】
図13に示すように、記憶部28に記憶されている図書情報テーブルには、図書4の図書IDに対して、図書4のタイトルと、巻号、年次、厚さと、この図書4が収容されているコンテナ6のコンテナIDと、コンテナ6内における図書4の所在を示す配置位置(配置情報)と、後述する点検作業を行うか否かを図書4毎に指定するチェック要否と、点検作業の結果を示す照合結果と、点検作業において照合不良となった場合にその理由が登録される照合不良情報と、図書4が現在収容されているコンテナ6のコンテナIDが登録される現コンテナIDと、が対応付けられて記憶されている。
【0048】
このうち、コンテナ6内の図書4の配置位置は、コンテナ6の前後をA及びBとして登録し、それぞれの側を正面側としたときの左右方向の位置を本実施例では3分割して左側、中央部、右側の位置を1〜3で登録するようにしている。すなわち、配置位置がB−2とあるのは、B側の中央部に図書4が収容されている、ということを示している。
【0049】
尚、図書情報テーブルに記憶されるこれらの情報は、図書4のRFIDタグ7を図書用タグリーダ8a,8bによって読み取った際に自動で図書情報テーブルに登録されるようにしてもよいし、管理者が手作業による入力をして登録するようにしてもよい。
【0050】
図14に示すように、記憶部28に記憶されているコンテナ情報テーブルには、コンテナ6のコンテナIDに対して、該当するコンテナ6がA4用、B5用、A5用のいずれに該当するかを示すコンテナサイズと、後述するアサイン方式と、コンテナ6が閉架書庫3内のいずれの書棚5にあるかを示すロケーションと、貸し出しまたは返却によって入出庫が行われた最新の日付を示す入出庫日付と、後述する点検作業を行うか否かをコンテナ6毎に指定するチェック要否と、各コンテナ6の前後のいずれかをA及びBで示す前後位置と、図書保管管理システム1の管理者や図書館の司書が自由に入力することができるメモと、点検作業の結果を示す照合結果と、照合結果が不良であった場合にその理由が登録される照合不良情報と、からなるコンテナ関連情報が関連付けて記憶されている。
【0051】
図15に示すように、記憶部28に記憶されている利用者情報テーブルには、利用者が図書館を利用するために図書館に登録した固有の利用者IDと利用者が貸し出しを行う図書4の図書IDとに対して、貸出予定日が関連付けて記憶されている。制御部29が予約端末31から貸出予約を受けると、制御部29は、予約を行った利用者の利用者IDと予約がされた図書IDと貸出予定日を利用者情報テーブルに記憶させるようになっている。更に、利用者IDに対して所定のアクセス権限の有無も登録されている。
【0052】
次に、予約端末31によって貸出予約が行われた図書4の貸出処理について、
図9から
図11を参照して説明する。尚、本実施例においては、図書館が設置された学校の学生が貸出予約を行い、図書館の司書が学生のICカード26を用いてステーション13で図書4の貸し出しを行うものとして説明する。
【0053】
学生が予約端末31によって図書4の貸出予約をした際には、
図15に示す利用者情報テーブルの貸出予定日に日付が入った状態になっている。また、司書がステーション13に設置されたタッチパネル20に表示された指示に従ってタッチパネル20を操作することによって、図書4の貸出作業を行うことができる。
【0054】
先ず、司書が学生からICカード26を受け取り、ICカード26をカードリーダ27にかざすと、ICカード26に内蔵されたRFIDタグに記憶されている固有の利用者IDが読み取られる。管理装置24の制御部29は、カードリーダ27が読み取った利用者IDに基づいて、
図15に示す利用者情報テーブルを参照し、貸出予定日に日付が入っている、即ち貸出予約がなされている図書4の図書IDを特定する。更に、制御部29は、その図書IDに基づいて
図13に示す図書情報テーブルを参照してタイトル等の情報を読み出すとともに、図書4が収容されているコンテナIDを特定する。
【0055】
図9に示すように、制御部29によって、タッチパネル20の表示がコンテナ取出しメニュー画面に切り替えられ、図書情報テーブルの情報を基に、貸出予約が行われた図書4のタイトル、巻号、年月次が図書4毎にリスト表示される。
【0056】
本実施例では、2冊の図書4が貸出対象となっており、貸出予約を行った図書4が複数ある場合は複数の図書4の情報が表示され、一画面で表示しきれない場合には、複数ページで表示し、図示しない前頁ボタンや次頁ボタンで照会可能に表示されるようになっている。また、画面右上には、貸出対象の図書4が収容されたコンテナ6の件数が表示され、本実施例では1件のコンテナ6が呼出対象となっていることが表示されている。
【0057】
そして、制御部29は、表示されたリストの内容を確認してコンテナ呼出ボタン32を押す旨の指示を表示し、司書が表示されたリストを確認してタッチパネル20に表示されたコンテナ呼出ボタン32を押すと、制御部29は、リスト表示された図書4が収容されたコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送する処理を行う。具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12,15aや搬送エレベータ11によってステーション13に搬送させる。
【0058】
尚、コンテナ取出しメニュー画面には、詳細ボタンと取消ボタンが表示されている。詳細ボタンを押すと、その図書4の著者や出版社等の更なる詳細情報が表示され、取消ボタンを押すと、タッチパネル20のリストからその図書4の情報が非表示となり、コンテナ呼出を行わない、すなわち今回はその図書4の貸し出しを行わないように変更することができる。
【0059】
尚、搬送経路の所定の複数箇所に設置されたバーコードリーダ(図示略)によってコンテナ6のコンテナIDが読み取られると、制御部29は、バーコードリーダ(図示略)が読み取ったコンテナIDを基に、読み取りを行ったバーコードリーダ(図示略)の位置から各コンテナ6の現在位置情報を把握することができるようになっている。
【0060】
前述したようにステーション13にもバーコードリーダ23が設置されており、制御部29は、ステーション13のバーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基に、コンテナ6がステーション13に搬送されたことを把握する。コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29によって、
図10に示す図書の取出し及び読取指示を行う読取処理画面に切り替えられる。
【0061】
尚、呼び出されたコンテナ6が複数ある場合には、前述したロータリーラック14に一時保管され、先にステーション13に搬送されたコンテナ6に収容された図書4の貸出処理の終了後に、順次ステーション13に搬送されるようになっている。
【0062】
コンテナ6のバーコード部22には、A側であるかB側であるかを示す前後情報が含まれており、制御部29は、ステーション13に搬送されたコンテナ6のバーコード部22の情報からコンテナ6の前後方向を判断し、ステーション13内で正面側となっている側がA側かB側であるかを判定する。
【0063】
図10に示すように、制御部29は、図書4のタイトル、巻号、年月次とともに、図書IDと対応付けて図書情報テーブルに記憶されている配置位置を抽出し、コンテナ6内の図書4の配置位置を示す書籍の位置を、図書毎にタッチパネル20にリスト表示(図書単位表示)させる。本発明における配置情報抽出手段は、制御部29によって構成されている。更に、制御部29は、図書4が読取済か否かの状態を示す表示もさせる。尚、ステーション13に搬送されたコンテナ6内に収容されている図書4の情報を最上列に表示されるようになっている。
【0064】
このように、制御部29は、図書4の配置位置と、図書4のタイトル、巻号、年月次等の図書関連情報と、を対応付けてリスト表示させることによって、司書はタッチパネルのリスト表示を参照することで、1つのコンテナから2冊以上の図書4の貸し出しを行う際には、各図書4がコンテナ6内のいずれの配置位置に配置されているかを容易に把握できる。
【0065】
書籍の位置について更に詳しく説明すると、例えば、ステーション13に搬送されたコンテナ6のA側がステーション13内で正面側となっていて、図書情報テーブルにおいて目的の図書4の配置位置がB−2である場合には、図書4がコンテナ6の背面側に配置されているため、制御部29はそれらの情報を基に、タッチパネル20の書籍の位置に、コンテナ6内の図書4の位置を概略的に示す位置画像33を表示させる。
【0066】
具体的には、位置画像33は、前後2列に図書4が収容された状態を示すコンテナ6を簡略化した斜視図となっており、目的の図書4が背面側に配置されている場合には、背面側の図書4の列を緑色に塗り潰した位置画像33を表示させる。また、目的の図書4がコンテナ6の正面側に配置されている場合には、制御部29は、正面側の図書4の列を黄色に塗り潰した位置画像33を表示させる。概略的なコンテナ6の斜視図の位置画像33を表示させることによって、利用者が一目で図書4の前後位置を認識できるようになっている。
【0067】
更に詳細な配置位置を表示させる位置画像33について、
図11を参照して説明する。例えばステーション13内でコンテナ6のA側が正面側となっており、図書情報テーブルにおいて目的の図書4の図書IDと対応付けられた配置位置がA−1である場合には、制御部29は、コンテナ6のA側かつ左側に目的の図書4が配置されているとして位置画像33の左下部を黄色に塗り潰して表示させる(
図11(a)参照)。
【0068】
同様に、図書情報テーブルにおける配置位置がA−2である場合には、制御部29は、コンテナ6のA側かつ中央部に目的の図書4が配置されているとして位置画像33の中央下部を黄色に塗り潰して表示させる(
図11(b)参照)。図書情報テーブルにおける配置位置がA−3である場合には、制御部29は、コンテナ6のA側かつ右側に目的の図書4が配置されているとして位置画像33の右下部を黄色に塗り潰して表示させる(
図11(c)参照)。
【0069】
これにより、司書は、タッチパネル20に表示された位置画像33の塗り潰しの色と位置を見てコンテナ6内における図書4の配置位置を容易に把握することができるようになり、実際にコンテナ6から図書4を取り出す際に、目的の図書4を発見し易くなり、作業効率が向上する。また、正面側と背面側とで異なる色を用いて表示することで、貸出対象の図書4がいずれの側に配置されているかを司書が容易に認識することができる。
【0070】
尚、図書保管管理システム1においては、図書館の休館日や夜間等の任意の時間帯に、入出庫日付の範囲やコンテナ6のロケーションの範囲を指定して、図書情報テーブルの登録内容と実際の図書4の配置に差異が生じていないかを点検する図書4の点検作業を自動的に行うことができるようになっている。この点検作業によって照合不良となった図書4がある場合には、図書情報テーブル及びコンテナ情報テーブルにおいて照合不良情報に不足、過剰、前後違い、該当外などが登録されている。
【0071】
後日、司書が照合不良となった図書4を確認する際には、制御部29は、司書が行うタッチパネル20の操作に基づいて、照合不良となった図書4をリスト表示させ、コンテナ呼出ボタン32でステーション13に対象のコンテナ6を搬送させる。そして、制御部29は、ステーション13にコンテナ6が搬送された際にタッチパネル20にリスト表示させ、このリストでも同様に、
図11(a)〜(c)に示す位置画像33を表示させ、図書4の配置位置を示す表示を行う。これにより、司書は照合不良となった図書4の配置位置を容易に認識することができる。
【0072】
図10に示すように、図書4がコンテナ6内における背面側(後位置)に配置されている場合には、制御部29はコンテナ6の回転操作を促すために、タッチパネル20の位置画像33の近傍に、コンテナ回転ボタン34と「回転させてください」というメッセージとを表示させるようになっている。そのため、司書がコンテナ6を回転させる必要があるか否かを容易に判断できる。尚、このコンテナ回転ボタン34及びメッセージは、各図書4のリスト表示に対してそれぞれ表示される。
【0073】
司書がタッチパネル20に表示されたコンテナ回転ボタン34を押すと、制御部29によって、ターンテーブル19が回転し、コンテナ6の向きが180度回転される。尚、本発明における回転操作手段は、コンテナ回転ボタン34と、制御部29と、ターンテーブル19と、によって構成されている。
【0074】
ターンテーブル19の回転が完了すると、制御部29は、タッチパネル20の位置画像33における正面側の図書4の列を黄色に塗り潰して表示させ、コンテナ回転ボタン34を表示しないようにする。これにより、司書は正面側に目的とする図書4が配置されたことを認識することができる。
【0075】
そして、制御部29は、コンテナ6から図書4を取り出して貸出返却用タグリーダ9に図書4のRFIDタグ7を読み取らせる旨の指示を表示する。司書がステーション13のスライド扉21を開放してタッチパネル20に表示されたコンテナ6内における図書4の位置画像33を基にコンテナ6内から目的の図書4を取り出し、貸出返却用タグリーダ9に図書4のRFIDタグ7を読み取らせると、制御部29は、タッチパネル20に表示されたリストにおいて読み取られた図書4の状態が読取待ちから読取済に表示が切り替わり、読取済となった図書4の情報が表示される列は色が反転して読取が完了したことが視認可能となる。
【0076】
読取が完了し、ステーション13にあるコンテナ6において貸出対象の図書4が他にない場合には、制御部29は、そのコンテナ6をステーション13からコンベア12,15bや搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行い、貸出処理が完了する。
【0077】
尚、他の読取待ちの図書4が他のコンテナ6に収容されている場合には、そのコンテナ6がロータリーラック14に一時保管されており、制御部29は、ロータリーラック14からステーション13内にコンテナ6を搬送する処理を行う。司書は、前述したように再度タッチパネル20の表示に従い同様に貸出処理を行う。貸出予約が行われた図書4の全ての貸出処理が完了すると、司書はコンテナ6から取り出した図書4とICカード26とを学生に受け渡し、図書4が貸し出される。
【0078】
次に、図書4の返却処理について、
図12を参照して説明する。貸し出された図書4が学生から返却された場合に、司書がステーション13においてタッチパネル20を操作し、図書4の閉架書庫3への返却作業を行う。本実施例における図書保管管理システム1は、固定ロケーション方式を採用しているため、図書4が保管されるコンテナ6が一意に決められるようになっている。
【0079】
司書が返却対象の図書4を貸出返却用タグリーダ9にかざすと、制御部29は図書4のRFIDタグ7から読み取った図書IDを基に図書情報テーブルを参照し、タイトル等の情報を読み出すとともに、図書4が収容されるべきコンテナIDを特定する。尚、複数の図書4を連続して貸出返却用タグリーダ9に読み取らせることもできる。
【0080】
特に図示しないが、貸出処理と同様に、タッチパネル20には、図書4のタイトル、巻号、年月次等の情報がリスト表示されるとともにコンテナ呼出ボタン32が表示される。司書がコンテナ呼出ボタン32を押すと、制御部29は、リスト表示された図書4が収容されるべきコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送する処理を行う。具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12と、搬送エレベータ11と、コンベア15aと、によってステーション13に搬送させる。
【0081】
コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29によって、
図12に示すコンテナ返却メニュー画面に切り替えられ、対象の図書4の図書IDに対応付けられて図書情報テーブルに登録されている図書4のタイトル、巻号、年月次、書籍の位置が図書4毎にリスト表示される。書籍の位置には、貸出処理の際と同様に、コンテナ6内の図書4の位置を概略的に示す位置画像33が表示される。
【0082】
このように、制御部29は、図書4の配置位置と、図書4のタイトル、巻号、年月次等の図書関連情報と、を対応付けてリスト表示させることによって、司書はタッチパネルのリスト表示を参照することで、1つのコンテナに2冊以上の図書4を返却する際には、各図書4をコンテナ6内のいずれの配置位置に配置すればよいかを容易に把握できる。
【0083】
ステーション13のバーコードリーダ23によってコンテナ6のバーコード部22が読み取られ、制御部29は、バーコードリーダ23が読み取った情報を基にコンテナ6の向きを判断し、返却対象の図書4の収容する位置がステーション13内で正面側となっているか背面側となっているかを判定する。
【0084】
そして、コンテナ6がステーション13に搬送された際に、返却対象の図書4の収容箇所が背面側となっている場合には、制御部29は、位置画像33における背面側の図書4の列を緑色に塗り潰して収容箇所を示す表示をするとともに、コンテナ回転ボタン34を表示させる。
【0085】
司書がタッチパネル20に表示されたコンテナ回転ボタン34を押すと、制御部29は、ターンテーブル19を回転させ、コンテナ6の向きを180度回転させる。ターンテーブル19の回転が完了すると、制御部29は、タッチパネル20の位置画像33における正面側の図書4の列を黄色に塗り潰して表示させ、コンテナ回転ボタン34を表示しないようにする。
【0086】
これにより、司書はコンテナ6における図書4を返却すべき位置が正面側に配置されたことを認識できる。書籍の位置には、貸出処理の際と同様に、制御部29によって、図書情報テーブルに登録された配置位置を基に、
図11(a)〜(c)に示すように、図書4のコンテナ6内の左右方向における配置位置が位置画像33によって表示される。そして、返却する図書4をコンテナ6に返して図書4のチェックボタン35を押す旨の指示が表示される。
【0087】
司書が図書4をコンテナ6に戻して図書のチェックボタン35を押すと、制御部29は、ステーション13の下流側にコンテナ6を搬送し、ステーション13に設けられた図書用タグリーダ8a,8bによって、コンテナ6に収容された図書4のRFIDタグ7を読み取り、コンテナ6内の図書4と図書情報テーブルに登録されている情報とを照合するチェック処理を行う。制御部29は、チェック処理が完了すると、コンテナ6をステーション13からコンベア12,15bや搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行い、返却処理が完了する。
【0088】
次に、図書4の貸出処理及び返却処理において行われる電動台車40の動作について、
図3から
図7を参照して詳述する。
【0089】
図3及び
図7に示すように、貸出処理及び返却処理において、コンテナ6がコンベア15aによってステーション13に搬送されると、電動台車40のターンテーブル43の載置ベルト51が駆動される。すると、コンベア15aの駆動によりターンテーブル43の載置面上に載置されたコンテナ6は、載置ベルト51の駆動によってターンテーブル43の前方側に移動される。このときターンテーブル43の背面側のストッパー54は降下しており、正面側のストッパー54は突出されている。
【0090】
管理装置24は、ステーション13に搬送されたコンテナ6のサイズを把握しており、コンベア15aからターンテーブル43の載置面上にコンテナ6が移載された際に、コンテナ6のサイズにより載置ベルト51の駆動量(移動距離)を決定する。ターンテーブル43の載置面に搭載されたコンテナ6のサイズ(種類)に応じてターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の移動距離を異ならせることができる。これにより、ステーション13の出納口36に対してターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の位置をコンテナのサイズに応じて適切に近接するようにできる。
【0091】
また、管理装置24は、載置センサ57及び位置決めセンサ56により、コンテナ6が実際に適切な位置に載置されたか否かを把握しており、コンテナ6が、載置センサ57により検出されると載置ベルト51の駆動が停止される。この停止位置は、コンテナ6の前端が正面側のストッパー54に当接するような位置に設定されている。このとき位置決めセンサ56によりコンテナ6の前端が検出されていない場合には、載置ベルト51を駆動してコンテナ6を正面側のストッパー54側まで幅寄せし、位置決めセンサ56によりコンテナ6の前端が検出されるまで、載置ベルト51を駆動することができる。更に、コンテナ6は、その前端が正面側のストッパー54に係止されて停止されるようにしてもよい。また、仮に、位置決めセンサ56によりコンテナ6の前端が検出されないようなことが起こっても、載置ベルト51を駆動してコンテナ6が正面側のストッパー54に当接した場合には、載置ベルト51の駆動を停止させるようにしてもよい。
【0092】
タッチパネル20(表示手段)の操作によって電動台車40のターンテーブル19を回転させてコンテナ6を水平回転させた場合には、コンテナ6の背面側の側面が、正面側を向くように回転される。その際には、コンテナの搭載位置が、回転前に背面側にあって、回転後の正面側のストッパー54に当接するよう移動させるために、逆側のストッパー54も突出させる。そして、管理装置24は、載置ベルト51を駆動させて、コンテナ6を移動させ、コンテナ6が位置決めセンサ56により検出されたときに、載置ベルト51の駆動が停止され、コンテナ6の搭載位置が逆側のストッパー54に当接するように移動される。これにより、電動台車40のターンテーブル19が回転したときにも、回転後のコンテナ6の搭載位置は、ステーション13の出納口36に、より近接させた位置とすることができる。
【0093】
さらに、コンテナ6の正面側にある、突出しているストッパー54を、降下させて、ストッパー54の上端がターンテーブル43の載置面と略面一となったときに、管理装置24は、載置ベルト51を所定の移動量分駆動させて、コンテナ6をさらに正面側に移動させ、載置面上のコンテナの正面側の側面が、載置面の端部より外側に少しはみ出すぐらいまでコンテナを移動させて、ステーションの出納口に対してコンテナがより近接するように移動させるようにしてもよい。これにより、図書の取り出しがより容易になるとともに、また図書の収納がより容易となる。また、図書の取り出しまたは収納後、コンテナ6を左右方向に移動させる前に、管理装置24は、載置ベルト51を所定の移動量分逆回転で駆動させて、コンテナ6を背面側に移動させることで、載置面上のコンテナの正面側の側面が、載置面の端部であるストッパー54の内側にくるまでコンテナを移動させて、コンテナを元の位置に戻し、正面側のストッパー54を突出させた後に、コンテナ6を左右方向に移動させるようにしてもよい。
【0094】
位置決めセンサ56(または載置センサ57)が、ターンテーブル43の載置面にコンテナ6が搭載されたときのターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の載置位置を検出するため、載置ベルト51は、位置決めセンサ56により検出された載置位置に応じてコンテナ6の移動を行うことができる。
【0095】
また、本実施例のように、コンテナ6の外形の大きさが異なる複数のサイズ(種類)のコンテナ6を備えているような場合に、サイズ検出センサ58がターンテーブル43の載置面に搭載されたコンテナ6のサイズを検出し、載置ベルト51は、コンテナ6のサイズに応じてコンテナ6の移動を行うことができる。これにより、ステーション13の出納口36に対してターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の位置をコンテナ6のサイズに応じて適切に近接するようにできる。
【0096】
そして、スライド扉21を開放して利用者が出納口36から図書4の貸出作業または返却作業を行う。このように、ステーション13の出納口36に対してコンテナ6がより近接するように、ターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の載置位置を移動させることができ、いずれのサイズのコンテナ6が搬送されてきても、常に、コンテナ6の前端がターンテーブル43の前端に配置されるようになり、利用者がコンテナ6内の図書4の出し入れがし易くなる。
【0097】
これにより、ターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の載置位置がどの位置にあっても、ターンテーブル43により載置面が回転し、所望するコンテナ6の側面がステーション13の出納口36に向いたときに、ターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の位置を、ステーション13の出納口36により近接するようにできるので、所望するコンテナ6の側面からの図書4の取り出しがより容易になるとともに、また所望するコンテナ6の側面への収納がより容易となり、使い勝手を向上させることができる。
【0098】
また、ターンテーブル43により、コンテナ6が載置された載置面を水平方向に回転させることで、所望するコンテナ6の側面がステーション13の出納口36を向くように載置面上のコンテナ6を回転させることができるので、所望するコンテナ6の側面からの図書の取り出しが容易になるとともに、また所望するコンテナ6の側面への収納が容易となる。
【0099】
尚、本実施例のように、複数の図書4がコンテナ6に前後2列に配置されているような場合には、コンテナ6の前後のいずれかの面のうち、所望する図書4が収納されている面がステーション13の出納口36に向くように、ターンテーブル43により回転させることができる。
【0100】
利用者が図書4の貸出作業または返却作業にコンテナ6内の図書4を出し入れすると、その出入作業によってコンテナ6が背面側にずれることがある。そこで、利用者が図書4の貸出作業または返却作業を終了すると、スライド扉21を閉鎖するとともに、位置決めセンサ56によりコンテナ6が検出できるか否かを確認し、位置決めセンサ56によりコンテナ6が検出できない場合には、載置ベルト51を駆動してコンテナ6を正面側のストッパー54側に幅寄せすることができる。
【0101】
そして、コンテナ6を入庫用コンベア15b側に移動させるために、電動台車40がレール41上を左方側に移動する。このときゲート部60にて高さ検出センサ59を用いてコンテナ6に収容された図書4の高さを検出することで、コンテナ6内に図書4が整然と収まっているか否かの判別を行うことができる。尚、高さ検出センサ59にて図書4が検出された場合には、図書4が整然と収まっていないと判定してステーション13の出納口36にコンテナ6を戻してタッチパネル20にてエラー報知を行うようになっている。
【0102】
図6に示すように、背面側の図書用タグリーダ8bは、前後動アクチュエータ61の駆動により、電動台車40に載置されたコンテナ6のサイズに応じた位置に配置される。各図書用タグリーダ8a,8bの離間幅は、一番大きなA4用コンテナ6の幅と略同一寸法に広げることができ、各図書用タグリーダ8a,8bの間をコンテナ6が通過されるようになっている。各図書用タグリーダ8a,8bの間をコンテナ6が通過する際には、電動台車40の走行速度が若干減速されるようになっており、図書4のRFIDタグ7を図書用タグリーダ8a,8bによって確実に読み取ることができる。
【0103】
また、図書用タグリーダ8bによる読み取りの際には、前後動アクチュエータ61が、ターンテーブル43の載置面にコンテナ6が搭載されたときの載置面上のコンテナ6に応じて、コンテナ6に、より近接するように図書用タグリーダ8bを移動させる。例えば、A5用コンテナ6の場合には、コンテナ6が正面側のストッパー54に当接するような位置にあるので、背面側は、図書用タグリーダ8bから離れた位置にあるため、前後動アクチュエータ61を駆動させて、コンテナ6により近接するように図書用タグリーダ8bを移動させることで、図書用タグリーダ8bをコンテナ6に収容されている各図書4に近接させることができ、各図書4に付加されているRFIDタグ7の識別情報を図書用タグリーダ8bでより確実に読み取ることができる。これにより、ターンテーブル43の載置面上のコンテナ6がどのようなものであっても、また、載置面上のコンテナ6の載置位置がどの位置にあっても、前後動アクチュエータ61により、コンテナ6に、より近接するように図書用タグリーダ8bを移動させるため、読み取り可能距離が短い図書用タグリーダ8bであっても、読み取り可能な位置まで図書用タグリーダ8bを各図書4に、より近づけさせて、各図書4に付加されている識別情報を図書用タグリーダ8bでより確実に読み取らせることができる。このため、コンテナ6内に収容されている各図書4の配置位置または各図書4の識別情報を示すRFIDタグ7などの付加位置を考慮する必要がないので、移動制御がより簡単になる。
【0104】
また、位置決めセンサ56(または載置センサ57)がターンテーブル43の載置面にコンテナ6が搭載されたときのターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の載置位置を検出するため、前後動アクチュエータ61は、位置決めセンサ56により検出された載置位置に応じて図書用タグリーダ8bの移動を行うことができる。これにより、位置決めセンサ56が検出した載置位置により、前後動アクチュエータ61は、例えば、移動量や移動方向などを決定して図書用タグリーダ8bを移動させることができるので、ターンテーブル43の載置面上のどのような位置にコンテナ6が搭載されても図書用タグリーダ8bを適切に移動させて、図書用タグリーダ8bを各図書4に、より近づけさせて、各図書4のRFIDタグ7に付加されている識別情報を図書用タグリーダ8bでより確実に読み取らせることができる。
【0105】
尚、サイズ検出センサ58がターンテーブル43の載置面に搭載されたコンテナ6のサイズ(種類)を検出し、前後動アクチュエータ61は、コンテナ6のサイズに応じて図書用タグリーダ8bの移動を行うことができる。これにより、ターンテーブル43の載置面上のコンテナ6のサイズにより、前後動アクチュエータ61は、例えば、移動量や移動方向などを決定して図書用タグリーダ8bを移動させることができるので、どのような種類のコンテナ6が搭載されても図書用タグリーダ8bを適切に移動させて、図書用タグリーダ8bを各図書4に、より近づけさせて、各図書4に付加されている識別情報を図書用タグリーダ8bでより確実に読み取らせることができる。
【0106】
本実施例においては、載置ベルト51により、前後方向に移動させるようにしているが、左右方向に移動させるような載置ベルトを設けたり、あるいは、斜め方向に移動させるような載置ベルトを設けたりして、どのような方向にも移動させることができるようにしてもよい。また、位置移動手段は、載置ベルトの代わりに、コンテナを移動させるフォークリフトのような構成としてもよい。
【0107】
尚、本実施例のように、コンテナ6の外形の大きさが異なる複数のサイズ(種類)のコンテナ6を備えているような場合に、前後動アクチュエータ61は、コンテナ6のサイズに応じて図書用タグリーダ8bの移動距離を異ならせるため、コンテナ6のサイズに応じた移動距離で、図書用タグリーダ8bを移動させることができる。これにより、どのようなサイズのコンテナ6が搭載されても図書用タグリーダ8bの移動距離を適切にすることができ、図書用タグリーダ8bを各図書4に、より近づけさせて、各図書4に付加されている識別情報を図書用タグリーダ8bでより確実に読み取らせることができる。
【0108】
尚、正面側及び背面側の図書用タグリーダ8a,8bは、ターンテーブル43の載置面上のコンテナ6の外形の異なる面にそれぞれ対向するように配置され、前後動アクチュエータ61は、各図書用タグリーダ8a,8bのうちの一方の図書用タグリーダ8bの移動を行うことで、前後動アクチュエータ61は、各図書用タグリーダ8a,8bのうちの一方の図書用タグリーダ8bの移動を行うことで済むようになり、前後動アクチュエータ61の設置数を低減させることができる。
【0109】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0110】
例えば、前記実施例では、各図書4のRFIDタグ7に付加されている識別情報を図書用タグリーダ8bで読み取るようにしているが、識別情報が付加されるタグは、RFIDタグ7に限らずバーコードタグであってもよい。また、これらのタグを読み取るリーダも、バーコードリーダ、無線タグリーダなどを適宜用いることができる。
【0111】
また、前記実施例では、前後動アクチュエータ61は、正面側及び背面側の図書用タグリーダ8a,8bのうちの一方の図書用タグリーダ8bの移動を行うようにしているが、正面側及び背面側の図書用タグリーダ8a,8bのそれぞれに前後動アクチュエータ61を設けて、各図書用タグリーダ8a,8bを移動させるようにしてもよい。
【0112】
また、前記実施例において保護手段としての接触ローラ62は、ステーション13内の図書用タグリーダ8a,8bに近接する位置に設けることができる。例えば、リーダを配置した支持部材にローラを突出させて設けておき、ローラがコンテナに接触して回転することで支持部材とコンテナとの間に空間を設け、支持部材に配置したリーダを、ローラより外側に突出して移動しないようにしておくことで、リーダがコンテナに接触しないようにして保護することができる。また、このローラは、コンテナ側の側面に設けるようにしてもよい。