特許第5751690号(P5751690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5751690
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2008-504312(P2008-504312)
(86)(22)【出願日】2006年3月29日
(65)【公表番号】特表2008-535262(P2008-535262A)
(43)【公表日】2008年8月28日
(86)【国際出願番号】US2006011461
(87)【国際公開番号】WO2006105195
(87)【国際公開日】20061005
【審査請求日】2009年3月25日
【審判番号】不服2013-20830(P2013-20830/J1)
【審判請求日】2013年10月25日
(31)【優先権主張番号】11/093,480
(32)【優先日】2005年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】ハリス クリントン エム.
【合議体】
【審判長】 久保 克彦
【審判官】 長屋 陽二郎
【審判官】 栗田 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−307614(JP,A)
【文献】 特開2000−150618(JP,A)
【文献】 特開2001−053131(JP,A)
【文献】 特開2000−312463(JP,A)
【文献】 特開平06−151552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67 - 21/687
B65G 49/06 - 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次基板ハンドリングシステムによって接続される第1ワークステーションシステムと第2ワークステーションシステムとを少なくとも有する半導体製造装置であって、
前記第1ワークステーション及び第2ワークステーションシステムは、前記1次基板ハンドリングシステムから独立した2次搬送システムにより接続され、前記2次搬送システムは少なくとも前記第1及び第2ワークステーションシステムと通じるブリッジングチャンバを含み、少なくとも1つの基板を通過させるように形成され、
前記1次基板ハンドリングシステムは前記第1ワークステーションシステムと前記第2ワークステーションシステムとの間において基板を搬送する1次経路である1次搬送経路を形成し、前記ブリッジングチャンバは前記第1及び第2ワークステーションシステムの各々を介して1次基板ハンドリングシステムに接続され、前記1次基板ハンドリングシステムに対するバイパスを形成し、
前記2次搬送システムにはコントローラが接続され、前記コントローラは、前記1次搬送経路が使用できない場合、前記2次搬送システムとして、基板を搬送するための前記ブリッジングチャンバを経由するバイパス搬送経路を形成するように構成されていることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
前記第1ワークステーションシステム内の少なくとも1つの基板を搬送する前記第1ワークステーションシステムに形成された第1搬送機構と、
前記第2ワークステーション内の少なくとも1つの基板を搬送する前記第2ワークステーションシステムに形成された第2搬送機構と、を含み、
前記第1搬送機構は前記第1ワークステーションシステムから前記ブリッジングチャンバへ前記少なくとも1つの基板を移送するように形成され、前記第2搬送機構は前記ブリッジングチャンバから前記第2ワークステーションシステムへ前記少なくとも1つの基板を移送するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記ブリッジングチャンバは前記ブリッジングチャンバにおいて前記少なくとも1つの基板の特性を測定する計測機器を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記ブリッジングチャンバは所定の位置において前記少なくとも1つの基板を調整するアライメント装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記ブリッジングチャンバは、前記ブリッジングチャンバを前記第1及び第2ワークステーションシステムに繋ぐ搬入ポート及び搬出ポートを開閉し、所定のサイクルに従い前記ブリッジングチャンバ内の雰囲気を隔離するよう機能するバルブを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記ブリッジングチャンバは、前記ブリッジングチャンバの雰囲気を制御する雰囲気制御システムを含み、前記第1ワークステーションシステムと前記第2ワークステーションシステムとの間に移送ロック部を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記第1搬送機構は前記第1ワークステーションシステムのフロントエンドローディングシステムの一部を形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体製造装置。
【請求項8】
前記第2搬送機構は前記第2ワークステーションシステムのフロントエンドローディングシステムの一部を形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体製造装置。
【請求項9】
前記第1ワークステーションシステムは、共通の搬送チャンバと通じる多数の処理チャンバを有するバッチ処理システムであり、前記第1搬送機構は前記共通の搬送チャンバに収容された搬送ロボットを含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体製造装置。
【請求項10】
前記第2ワークステーションシステムは、共通の搬送チャンバと通じる多数の処理チャンバを有するバッチ処理システムであり、前記第2搬送機構は前記共通の搬送チャンバに収容された搬送ロボットを含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体製造装置。
【請求項11】
少なくとも前記第1及び第2ワークステーションシステムは、共通の搬送チャンバと通じる多数の処理チャンバを有するバッチ処理システムであり、前記ブリッジングチャンバは前記第1ワークステーションシステムの前記搬送チャンバに形成された搬出ポートに接続される搬入ポートを有しており、前記第2ワークステーションシステムの前記搬送チャンバに形成された搬入ポートに接続された搬出ポートを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板を搬送する機構に関する。詳しくは、搬送チャンバが提供され、当該搬送チャンバにより基板が所定の処理ワークステーションシステムから隣接する処理ワークステーションシステムに移送される。
【背景技術】
【0002】
半導体の処理は化学気相成長(CVD)による基板上のフィルム蒸着、フィルムのフォトエッチング、加熱、冷却、及び洗浄、等の複数の処理ステップをしばしば含んでいる。
【0003】
このような処理操作は専門の処理チャンバにおいて真空下で実施されてもよい。一般的に、複数の処理チャンバが基板ハンドリング装置に対してグループ化され、ワークステーションシステムを形成する。各処理の性質に応じて、半導体基板のバッチ処理か個別基板処理が使用される。
【0004】
バッチ処理では、処理チャンバのクラスタがワークステーションシステムを形成するように配置される。処理チャンバは基板搬送チャンバの周りに置かれ、制御された雰囲気か真空に保たれるように構成される。1つ以上のロードロックチャンバがスリットバルブを介して搬送チャンバに接続され、周囲雰囲気と処理雰囲気との間の移送ステーションとして機能する。
【0005】
一般的にロボットの形のロボット搬送機構が搬送チャンバ内にマウントされ、ロードロックチャンバから基板を取り出し、選択された処理チャンバに基板を移送する働きをする。処理の後、基板はロボットにより取り上げられ、搬送チャンバから取り除くために次の処理チャンバ若しくはロードロックに搬送される。
【0006】
この種類のシステムは米国特許第5,882,413号に説明されており、ロボット移送機構の例は米国特許第5,647,724号に示されており、これら米国特許は本願出願人に譲渡されている。これら米国特許の開示内容は全内容を参照することにより本出願に組み込まれる。
【0007】
直径200mmまでの基板がクラスタ型ワークステーションシステムによって効率的に処理されることがわかっている。しかしながら、直径は増大傾向にあり、直径300mm以上の基板を処理する場合、クラスタシステムは過度に大きくなる。ある状況では、小さな設置面積内に並んで設置可能な、よりコンパクトな処理ハンドリングモジュールを設けることが必要である。さらに、幅広い範囲の処理チャンバ及びフロントエンド搬送移送に、より適合可能であるシステムモジュールが必要である。この種類のシステムは2001年7月2日出願の本願出願人の特許出願第09/897,202号に説明されている。このようなシステムは並んで置かれた一対の処理チャンバのロードロックに接続されるフロントエンドローダを使用している。ロボットはフロントエンドローダ内にマウントされ、処理のためにカセットから基板を取り出してもよい。米国特許第6,002,840号に示されたように、ロボットは軌道にマウントされ、一方のロードロックチャンバから他方のロードロックチャンバへ往復移動する。
【0008】
製造装置に使用するシステム(すなわち、バッチ処理若しくは個別処理)の種類に関わらず、(しかし、通常、バッチ処理の大部分の場合において)基板は、製造過程においてワークステーションシステムから他のワークステーションシステムへ、自動マテリアルハンドリングシステム(automated material handling system)若しくはオペレータによりカセットで従来通り搬送されてもよい。例えば、自動マテリアルハンドリングシステムは天井吊下式搬送装置(overhead hoist transports)、自動搬送車(automated guided vehicles)、レールガイド搬送車(rail guided vehicles)である。従って、自動マテリアルハンドリングシステムの処理能力(bandwidth)(すなわち、容量及び速度)は製造装置のワークステーションのスループット、従って、装置全体のスループットに影響する要因となる。例えば、基板が従来のシステムにおいて搬送されるためには、基板は所定のワークステーションでカセットに置かれ、所定のワークステーションシステムのフロントエンドローダから取り出され、次のワークステーションシステムに送るために搬送部に置かれる。これは増大された汚染リスクと大きな時間損失とを生ずる。
【0009】
制限された設置面積を有する場所内の離れた位置の間で基板つまりワークピースを動かす高スループットの搬送装置は高い要望がある。ワークピースを所定の位置から次の位置へ動かしたいという望みは、高スループット率だけでなく、保持面において所定の向きに合わされるワークピースの反復可能で正確な配置も含んでいる。
【0010】
本発明の特徴を含み、以下において説明する代表的な実施例は、隣接するワークステーションシステムの処理チャンバにおいて基板を連続的に処理することが望まれる場合、カセット若しくは他の自動搬送システムを回避し、この結果、従来のシステムと比較してスループットを増大する手段を提供する。これは以下においてさらに説明する。さらに、代表的な実施例は、設置面積の制約に影響を及ぼさずにスループットをさらに増大するためにバイパス移送の一部としてアライメント機能及び計測機能を含んでいる。
【発明の開示】
【0011】
本発明の1つの典型的な実施例によれば、ブリッジング(bridging)チャンバが隣接する基板処理ワークステーションの間に形成され、バルブにより隣接するワークステーションシステムのフロントエンドロードシステムに形成されたポートに接続される。フロントエンドロードステーションはフロントエンドロードステーションからブリッジングチャンバへ伸びることができるロボット移送機構を使用している。バッファプラットホームがブリッジングチャンバ内に形成され、所定のフロントエンドロボットから基板を収容し、隣接するワークステーションシステムのフロントエンドロボットにより取り上げるために基板を保持する。
【0012】
本発明の他の典型的な実施例によれば、ブリッジングチャンバはブリッジングチャンバに形成された搬入及び搬出ポートを開閉する適切なバルブを形成させられる。さらに、この実施例のブリッジングチャンバは隣接するワークステーションシステムの異なる操作雰囲気を調整する雰囲気調整システムを設けられる。
【0013】
代表的な実施例の上記したアスペクト及び他の特徴は添付図面を参照すると共に、以下においてさらに詳しく説明される。
【好適実施例の説明】
【0014】
図1を参照すると、本発明の特徴を含む装置100を伴う製造装置FABの全体図が示されている。本発明は図面に示した実施例に関して説明されるが、本発明は実施例の多数の異なる代替形態に実施され得る。さらに、任意の適切な大きさ、形状、若しくは種類の要素若しくは材料が使用され得る。
【0015】
以下において説明する典型的な実施例は材料移送装置に関する。移送材料は、シリコン及びガリウムヒ素のような200mm若しくは300mm半導体ウエハと、高密度配線(high density interconnects)HDIのような半導体実装基板と、マスク若しくはレチクルのような半導体製造処理イメージプレートと、アクティブマトリックスLCD基板のような大面積ディスプレイパネルとであってもよく、半導体ウエハは200mm若しくは300mmに限定されない。本出願では、用語「基板」はこのような素子に関して、最も広い意味で使用される。
【0016】
さらに図1を参照する。そして上記したように、製造装置FABは処理装置100及び自動マテリアルハンドリングシステム106、107を有している。図1では、ストッカー105及びソーター若しくは他の処理装置104のような他のステーションを有する装置FABが例示目的のために示されている。処理装置100及び他のステーション104、105は望まれるようにどのように配置されてもよい。しかし、例示目的のためだけに通常の格子パターンを有するベイに配置されたステーション100、104、105が図1に示されている。自動マテリアルハンドリングシステム106、107は任意の数の装置100を互いに及び他のステーション104、105に接続するか繋げるように(例えば、インターベイ(interbay)106及びイントラベイ(intrabay)107A乃至107D部のように)配置され、搬送(FOUP若しくはSMIF又は任意の他の望まれる形態のような半導体処理の場合)コンテナは任意の望まれる装置100若しくはステーション104、105から他の任意の装置若しくはステーションに搬送される。自動マテリアルハンドリングシステム(AMHS)は、望まれる搬送コンテナを動かすことができる任意の適切な種類のハンドリングシステム(例えば、天井レール搬送装置(overhead rail transport)、自動搬送車、床レール搬送装置(ground rail transport))であってもよい。AMHSは装置100のインターフェイス部に直接接触(interface)(すなわち、コンテナを取り出すこと及び置く)できてもよい。適切なAMHSシステムの例はブルックスオートメーション社(Brooks Automation,Inc)のエアロトラック(AEROTRACKTM、登録商標)である。装置100の各々は多数のワークステーション103を通常含んでいる。コンテナがワークステーション103から直接AMHSシステムにより所定の場所に置かれるか取り出されるように、装置100のワークステーション103の1つ以上はAMHS107と直接接触することができてもよい。以下においてさらに詳しく説明するように、各装置は装置100の隣接するワークステーション間を繋ぐ移送チャンバ160を有している。移送チャンバ160はワークステーション間にAMHSシステム107に対するバイパスを形成する。
【0017】
図2を参照すると、図1の装置100とほぼ同じである装置1が示されている。図2の装置1は代表的な実施例であり、通常、同様の要素を有するワークステーション50a及び50bの対からなる。ワークステーション50aだけが以下において説明される。特に指定されない限り、ワークステーション50a及び50bは同じであると仮定されるべきである。ワークステーションシステムが同じであることは望まれなく、本発明は異なる種類のワークステーションを接続することに適していることに注意されたい。
【0018】
ワークステーション50a及び50bの各々は多数の処理モジュール4を含んでいてもよい。図2に示した実施例では、モジュール4は並んで配置されているが、代替実施例では、モジュールは任意の望まれる配置に置かれてもよい。2つのモジュール4が例示のために示されており、ワークステーションはより多い若しくはより少ないモジュールを有していてもよい。ロードロック2は処理モジュール4とフロントエンド移送システム若しくはモジュール3を接続している。フロントエンドモジュール3はドアオープナー15及び16を設けられてもよい。ドアオープナーは基板保持コンテナ17及び18の接続(docking)(AMHS107によりワークステーションへのFOUP若しくはSMIFの搬送)を許可する。フロントエンドモジュール3は、モジュール3に接続(docked)される場合、カセット17、18が置かれるロードポート若しくは他の適切な形成物(図示せず)を含んでいてもよい。フロントエンドモジュール3はロボット19を含んでおり、該ロボット19は該ロボット19が用いられる接続ポートの数に応じて軌道20に固定されるかマウントされてもよい。この種類の搬送装置は図4に示されており、本願出願人の米国特許第6,002,840号に説明されている。この米国特許の開示内容は全内容を本出願に含める。搬送ロボット19は「スカラ(scara)」型ロボットとして図4に示されているが、代替実施例では任意の適切なロボットが使用されてもよい。
【0019】
図4は他の代表的な実施例によるワークステーションシステムの他のフロントエンドモジュール3’を示している。特に指定のない限り、本実施例のフロントエンドモジュール3’は図1に示したモジュール3と同様である。
【0020】
図4に示したフロントエンドモジュール3’はフレーム21、軌道20にマウントされたカー22、及びロボット19を通常含んでいる。この実施例では、フレーム21は多数の基板カセット26を保持することができる(5つのカセットが例示目的のために示されている)。フロントエンドモジュール3’はカセット26とロードロック2との間で基板を動かすように構成される。従って、ロボット19はカセット26から基板(ロボットエンドエフェクター19bの構造に応じて個別か多数)を取り出すのに使用され、基板をロードロック2に挿入する。処理モジュール4が基板の処理を終えた場合、フロントエンドモジュール3’はロボット19によりロードロック2からカセット26へ基板を戻す。モジュール3、3’は大気圧下で通常操作するが、真空を含む他の圧力の状態においての使用にも適している。いずれにせよ、図2及び図4に示した実施例のフロントエンドモジュール3、3’は制御された環境を有していてもよい。フレーム21はカセット26を取り外し可能に保持するように構成される。13個若しくは26個の半導体ウエハを保持するカセットのようなカセット26は当該技術分野において周知である。フレーム21はロードロック2の前端に堅固に取り付けられる。カー22はフレーム21の軌道20に移動自在に取りマウントされ、経路Aに沿って位置BとCとの間を移動するか転動する。カー駆動機構23はカー22をフレーム21に駆動するように接続し、カー22を軌道領域20に沿って異なる位置に制御自在に動かす。
【0021】
図3を参照すると、フロントエンドモジュール3はアクセスポート27を形成され、該アクセスポート27はワークステーション50aのモジュール3をワークステーション50bに接続するのに使用される。図2乃至図4に示した実施例では、スリットバルブ64、65若しくは任意の他の適切なドアがアクセスポート27に置かれ、必要ならば、ワークステーション50a、50bのモジュール3におけるミニエンバイロメント(mini-environment)を隣接するワークステーション若しくはブリッジングチャンバ60から隔離する。代替実施例では、アクセスポート27は閉成可能でなくてもよい。ロボット19の移動範囲の位置B(図4を参照されたい)では、ロボット19はポート27を経てブリッジングチャンバ60へ伸びるように構成される。ロボット19のこの伸長はワークステーションシステム50aからブリッジングチャンバ60に基板を置くために使用される。同様のロボット19がワークステーション50bのフロントエンドモジュール3に設けられ、チャンバ60へ伸び、搬送中の基板を取り上げ、基板をワークステーションシステム50bの処理サイクルに置く。従って、以下においてさらに説明するように、自動マテリアルハンドリングシステム107(図2を参照されたい)に対するバイパスがチャンバ60によりワークステーションと50bとの間に設けられる。
【0022】
上記したように、ワークステーションシステム50a及び50bのフロントエンドモジュール3、3’は、ロードロック2を介して制御された雰囲気若しくは真空を有する処理モジュール4(図2を参照されたい)に接続される。ロードロック2の各々は隔離されていてもよく、スリットバルブ9及び10により制御される処理ポート6及び移送ポート7を設けられてもよい。バルブは処理制御システム42により操作される。ポート7はフロントエンド移送モジュール3からロードロック2へのアクセスを可能にする。この実施例では、説明したように、フロントエンドモジュール3若しくはワークステーションシステム50a、50bの雰囲気は周囲雰囲気及び処理モジュールに対して制御されてもよい。よって、この実施例では、ブリッジングチャンバに対するフロントエンドモジュール3のポート27は開放したままでよく、閉成可能なドア若しくはバルブを設けられなくてもよい。
【0023】
図3に示したように、ワークステーションシステム50a及び50bはブリッジングチャンバ60を介して接続されている。ブリッジングチャンバ60はハウジング61内に閉じこめられてもよく、アクセスポート62及び63を設けられてもよい。この実施例では、ハウジング61は独立したモジュールとして示されているが、代替実施例では、ブリッジングチャンバは隣接するフロントエンドモジュールのどちらかのフレーム内に含まれていてもよい。バッファプラットホーム70がチャンバ60内に形成され、ワークステーションシステム50aからワークステーションシステム50bへ搬送中の基板を収容する。モジュール3のポート27と同様に、ハウジング61のポート62及び63は開放されたままであってもよく、若しくは、必要ならば、スリットバルブ64及び65により制御されてもよい。必要ならば、チャンバ60内の雰囲気はバルブ64及び65の操作により隔離されてもよく、雰囲気制御モジュール66により所定のパラメータ(例えば、圧力及び温度)を調整されてもよい。ロードロックと同様の方法で、チャンバ60内の雰囲気は、スリットバルブ64及び65と協働して、隣接するワークステーションシステム内の状態に一致するように連続的に調整される。バルブ操作及びチャンバ60の他の機能は処理制御モジュール67により行われる。
【0024】
図3に示した実施例では、チャンバ60は計測機器68を設けられ、基板がチャンバ60を通過する場合、基板の測定及び検査が可能になる。計測機器は適切なセンサ、検出器、若しくはチャンバ内に保持された基板の望まれる特性を検出可能な計器を含んでいてもよい。さらに、アライメントコントローラ69がチャンバ60内に含まれることができ、更なる処理若しくは測定のために基板の位置の調整を行う。アライナ(aligner)はアライメントセンサ(図示せず)として基板を保持及び位置決めする回転可能チャック(chuck)を含んでいてもよい。従来的には、これら2つの機能はアライメント若しくは計測ステーションにおいて別々の操作を必要とし、更なる搬送を必要とする。代表的な実施例では、基板のワークステーションシステム間の搬送のためにチャンバ60により設けられたバイパスを用いる場合、これら機能は効率的に実施され得る。ワークステーションシステムは処理チャンバ、ロードロック及びフロントエンドローダの単純なアセンブリであってもよい。フロントエンドローダはロードロック若しくはアセンブリの他の要素の搬送機構に頼った受動装置である。代替実施例では、隣接するワークステーションシステムへの搬送のために、ブリッジングチャンバ内に適切なロボット機構を形成し、ワークステーションシステムに形成されたフロントエンドローダ若しくは他のアクセスポートに入り、基板をブリッジングチャンバ内に引き出すことが可能である。この実施例では、ブリッジングチャンバのロボットは、他の搬送機構が利用できない場合若しくはワークステーションシステムの使用可能な搬送機構が利用される必要がない場合に使用されてもよい。
【0025】
ブリッジングチャンバ60により接続された隣接するバッチ処理ワークステーションシステム250a及び250bの対からなる他の代表的な実施例の装置210aが図5に全体を示されている。バッチ処理ワークステーションシステムの各々は基板処理(treatment)部211及び基板ローディング部213(ローディング部は前述したフロントエンドモジュールと類似していてもよい)からなる。処理部211は搬送チャンバ215にマウントされたロボットアーム搬送機構212を含んでいる。基板処理モジュール214はロードロック216と同様に、搬送チャンバ215に接続される。処理部211は材料の蒸着、エッチング、洗浄(bathing)のような多くの基板処理部のいずれかであるか、多数の処理部の組み合わせであってもよい。フロントエンドローディング部213がロードロック216の前端に取り付けられている。
【0026】
図5に見られるように、ワークステーションシステム250a及び250bはブリッジングチャンバ260を形成するバイパスにより連通されている。当該ブリッジングチャンバ260は図3に関して説明したチャンバ60とほぼ同じであってもよい。図5に示したように、ワークステーションシステムは、搬送ロボットアーム212がチャンバ217へ伸び、処理部211からの処理された基板を降ろすことを許すように、搬送チャンバ217のアクセスポートを介して接続される。ブリッジングチャンバ260は図4に示したフロントエンドローダ機構を用いるフロントエンドローダ213を介して接続され得ることにも注意されたい。必要ならば、移送の間、処理制御モジュール267を用いて、適切な雰囲気のサイクルが雰囲気制御モジュール266と協働するスリットバルブ264及び265の操作により行われる。
【0027】
ブリッジングチャンバのシステムの通常の操作が図6の全体ブロック図に示されている。そこに示したように、基板は、ワークステーションシステム50aのフロントエンドモジュール3からチャンバ60へ、そしてワークステーションシステム50bのフロントエンドローダ3への経路Dに沿ったシステムを経て動かされる。この移動の機能ステップはワークステーションシステム同士の相対的な雰囲気の状態に依存しているが、基板が一方のワークステーションシステムから他方のワークステーションへ動かされる場合、図2に示したように、バルブ64及び65の適切な交互の開閉を伴うことができ、ブリッジングチャンバ60の雰囲気のバランスを保つ。これはロードロックの操作と同様である。ブリッジングチャンバ60の直接の機能は処理制御モジュール67により行われる。これら機能が行われる場合、これらはワークステーションシステムの処理コントローラ42により各ワークステーションシステムの操作と協働される。
【0028】
図5に示した実施例では、搬送チャンバ217は真空下で連続的に作動するので、雰囲気の釣り合いが起こり得る。これは雰囲気制御モジュール266及び処理制御モジュール267の制御の下でスリットバルブ264及び265の使用によりなされる。代替実施例では、基板がブリッジングチャンバ260において停止する場合、基板は所定の場所に正確に調整され、測定される。ブリッジングチャンバ260の直接の機能は処理制御モジュール267により行われる。これら処理が行われる場合、これらはワークステーションシステムの処理コントローラ242により各ワークステーションシステムの操作と協働される。
【0029】
特に図5の実施例では、バイパスの特徴が容易に理解される。ブリッジングチャンバ260は、ロードロック216及びフロントエンドローダ213を経る通常の操作経路を回避すると共に、基板が処理システム211aの搬送チャンバから処理システム211bの搬送チャンバに直接搬送される手段を提供し、従って従来技術の移送プロセスの大部分を省略できる(shunting)。
【0030】
このように、効率的にアライメント及び測定のような中間の仕事を行うと共に、隣接するワークステーション間を単純な搬送機構を用いて基板を容易に搬送する手段が提供される。
【0031】
上記説明は単に本発明の例示のためである。様々な代替物及び変更物が本発明から逸脱せずに当業者により形成されることができる。従って、本発明は特許請求の範囲内の代替物、変更物及び変形物の全てを包含することを意図している
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は製造装置に配置された本発明の特徴を包含するワークステーションシステム及びワークステーションシステムに繋がる自動マテリアルハンドリングシステムを伴う製造装置の全体斜視図である。
図2図2は並んだ処理チャンバを伴い、本発明によるブリッジングチャンバにより接続された一対のワークステーションシステムの全体図である。
図3図3は本発明のブリッジングチャンバ配置の全体図である。
図4図4は本発明に従う使用に適したフロントエンドローダの全体図である。
図5図5はバッチ型処理チャンバを伴い、本発明の代替実施例のブリッジングチャンバにより接続された一対のワークステーションシステムの全体図である。
図6図6は本発明の搬送システムの全体ブロック図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6