特許第5751696号(P5751696)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5751696発光素子、発光素子パッケージ、及び照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5751696
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】発光素子、発光素子パッケージ、及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/32 20100101AFI20150702BHJP
【FI】
   H01L33/00 186
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-277127(P2010-277127)
(22)【出願日】2010年12月13日
(65)【公開番号】特開2011-129915(P2011-129915A)
(43)【公開日】2011年6月30日
【審査請求日】2013年12月13日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0127189
(32)【優先日】2009年12月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510039426
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(73)【特許権者】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000153236
【氏名又は名称】株式会社光波
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ヨンテ
【審査官】 吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−042928(JP,A)
【文献】 特開2007−059371(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0046456(US,A1)
【文献】 特開2008−258042(JP,A)
【文献】 特開2007−234902(JP,A)
【文献】 特開2009−060005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ガリウム基板の上にガリウムアルミニウムを含む酸化物と、
前記ガリウムアルミニウムを含む酸化物の上にガリウムアルミニウムを含む窒化物と、
前記ガリウムアルミニウムを含む窒化物の上に発光構造物と、を含み、
前記ガリウムアルミニウムを含む酸化物と前記ガリウムアルミニウムを含む窒化物との間の界面結合力が前記酸化ガリウム基板と前記発光構造物との間の界面結合力より強く、
前記ガリウムアルミニウムを含む酸化物は、1μm以下に形成し、
前記ガリウムアルミニウムを含む窒化物は、前記ガリウムアルミニウムを含む酸化物と前記発光構造物との間に形成され、
前記発光構造物は、
前記ガリウムアルミニウムを含む窒化物の上に第2導電型半導体層と、
前記第2導電型半導体層の上に活性層と、
前記活性層の上に第1導電型半導体層と、を含み、
前記第1導電型半導体層はInAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有することを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記ガリウムアルミニウムを含む酸化物は、
GaxAlyOz(但し、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1)を含み、
前記発光構造物は、前記ガリウムアルミニウムを含む窒化物の上に直接的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記ガリウムアルミニウムを含む窒化物は、
GaxAlyNz(但し、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1)を含み、
前記ガリウムアルミニウムを含む窒化物は、前記ガリウムアルミニウムを含む酸化物の上に直接的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項4】
パッケージ胴体と、
前記パッケージ胴体に設けられた第3電極層及び第4電極層と、
前記第3電極層及び第4電極層に電気的に連結された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光素子と、
を含むことを特徴とする発光素子パッケージ。
【請求項5】
基板と、前記基板の上に設けられた発光素子パッケージを含む発光モジュールを含み、
前記発光素子パッケージは、パッケージ胴体と、前記パッケージ胴体に設けられた第3電極層及び第4電極層と、前記第3電極層及び第4電極層に電気的に連結された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光素子と、を含むことを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子、発光素子パッケージ、及び照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、電気エネルギーが光エネルギーに変換される特性のp−n接合ダイオードを周期律表の上でIII族とV族の元素が化合して生成できる。発光素子は化合物半導体の組成比を調節することによって多様なカラー具現が可能である。
【0003】
発光素子は、順方向電圧印加時、n層の電子とp層の正孔(hole)とが結合して伝導帯(Conduction band)と価電子帯(Valance band)のエネルギーギャップに該当するだけのエネルギーを発散するが、このエネルギーは主に熱や光の形態で放出され、光の形態で発散されれば発光素子になるものである。
【0004】
例えば、窒化物半導体は高い熱的安定性と幅広いバンドギャップエネルギーにより光素子及び高出力電子素子開発分野で大いなる関心を受けている。特に、窒化物半導体を用いた青色(Blue)発光素子、緑色(Green)発光素子、紫外線(UV)発光素子などは商用化されて広く使われている。
【0005】
一方、窒化物半導体発光素子は、電極層の位置によって水平型(Lateral Type)発光素子と垂直型(Vertical type)発光素子とに分けられる。
【0006】
ところが、垂直型発光素子はサファイア基板のような非伝導性基板の上に窒化物半導体を形成後、非伝導性基板を分離しなければならない工程上の面倒な問題がある。ここに、垂直型発光素子の製造時、伝導性基板を使用することによって、基板を分離する必要のない窒化物半導体発光素子に対する研究がたくさん進行されている。
【0007】
例えば、従来技術によれば、酸化ガリウム基板の上に窒化物半導体層を形成できる。
【0008】
ところが、従来技術によれば、酸化ガリウム基板と窒化物半導体層とが剥離される問題がある。
【0009】
例えば、酸化ガリウムは高温で水素ガス雰囲気で容易にエッチングされる属性があるが、窒化物半導体層は高温でアンモニアと水素混合雰囲気で成長される。これによって、窒化物半導体層の成長時、酸化ガリウム基板と窒化物半導体層との間の界面が高温で水素ガスにより一部不均一にエッチングされる。このような不均一な界面のエッチングは界面の接着力を落として窒化物半導体層と酸化ガリウム基板との間に剥離の問題点を引き起こす。
【0010】
また、酸化ガリウム基板と窒化物半導体層とは熱膨張係数が異なる。したがって、窒化物半導体層の成長後、冷却中あるいは発光素子製造のための熱処理工程ステップで、熱膨張係数差により生じる応力により酸化ガリウム基板と窒化物半導体層界面の剥離が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、高品質の窒化物半導体層を酸化ガリウム基板の上に具現して上述した剥離の問題を解決した高性能の窒化物半導体発光素子、発光素子パッケージ、及び照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従う発光素子は、酸化ガリウム基板の上にガリウムアルミニウムを含む酸化物、上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物の上にガリウムアルミニウムを含む窒化物、及び上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物の上に発光構造物を含む。
【0013】
また、本発明に従う発光素子パッケージは、パッケージ胴体、上記パッケージ胴体に設けられた第3電極層及び第4電極層、及び上記第3電極層及び第4電極層に電気的に連結された上記発光素子を含む。
【0014】
また、本発明に従う照明システムは、基板と、上記基板の上に設けられた発光素子パッケージを含む発光モジュールとを含み、上記発光素子パッケージは、パッケージ胴体と、上記パッケージ胴体に設けられた第3電極層及び第4電極層と、上記第3電極層及び第4電極層に電気的に連結された上記発光素子とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に従う発光素子の断面図である。
図2】本発明の実施形態に従う発光素子の製造方法の工程断面図である。
図3】本発明の実施形態に従う発光素子の製造方法の工程断面図である。
図4】本発明の実施形態に従う発光素子の製造方法の工程断面図である。
図5】本発明の実施形態に従う発光素子の製造方法の工程断面図である。
図6】本発明の実施形態に従う発光素子の製造方法の工程断面図である。
図7】本発明の実施形態に従う発光素子パッケージの断面図である。
図8】本発明の実施形態に従う照明ユニットの斜視図である。
図9】本発明の実施形態に従うバックライトユニットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に従う発光素子、発光素子パッケージ、及び照明システムを添付の図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に従う発光素子の断面図である。
【0018】
本発明の実施形態に従う発光素子100は、酸化ガリウム基板105の上にガリウムアルミニウムを含む酸化物110、上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110の上に形成されたガリウムアルミニウムを含む窒化物120、及び上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120の上に形成された発光構造物130を含むことができる。
【0019】
上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110は、GaAl(但し、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1)を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0020】
上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120は、GaAl(但し、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1)を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0021】
上記発光構造物130は、上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120の上に形成された第2導電型半導体層132、上記第2導電型半導体層132の上に形成された活性層134、及び上記活性層134の上に形成された第1導電型半導体層136を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0022】
本発明によれば、ガリウム(Ga)と酸素(O)との間の結合力よりアルミニウム(Al)と酸素(O)との間の結合力が一層強く、ガリウム(Ga)と窒素(N)との間の結合力よりアルミニウム(Al)と窒素(N)との結合力が一層強い。
【0023】
これによって、ガリウムアルミニウムを含む酸化物110とガリウムアルミニウムを含む窒化物120との間の界面結合力が酸化ガリウム基板105/窒化物半導体層の発光構造物130の界面結合力より一層強くて酸化ガリウム基板と発光構造物との間の剥離問題を解決できる。また、ガリウムアルミニウムを含む酸化物110とガリウムアルミニウムを含む窒化物120との間の界面結合力がガリウム酸化窒化物と窒化物半導体層界面の結合力より強くて剥離問題を解決できる。
【0024】
本発明の実施形態に従う発光素子及びその製造方法によれば、ガリウム酸化物基板と界面結合力強化に従う高品位窒化物半導体層を具現することによって、信頼性及び性能に優れる発光素子が具現できる。
【0025】
以下、図2乃至図6を参照しつつ本発明の実施形態に従う発光素子の製造方法を説明する。
【0026】
まず、図2のように、酸化ガリウム基板105を用意する。上記酸化ガリウム基板105は伝導性基板でありうる。上記酸化ガリウム基板105は、Ga基板を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0027】
上記酸化ガリウム基板105は、ドーパントをドーピングすることにより優れる電気伝導性を有することができる。
【0028】
上記酸化ガリウム基板105に対して湿式洗浄を行って酸化ガリウム基板105の上の有機物及び無機物を除去できる。
【0029】
次に、図3のように、上記酸化ガリウム基板105の上にガリウムアルミニウムを含む酸化物110を形成する。上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110は、GaAl(但し、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1)を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0030】
上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110は、原子間の結合力が強くてエネルギーギャップが大きい。したがって、電気伝導性がガリウム酸化物基板より小さいことがあるので、厚さを1μm以下に形成できるが、これに限定されるのではない。
【0031】
上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110を形成するステップは、上記ガリウム酸化物基板105の上に薄膜蒸着装備により蒸着して形成できる。例えば、液相エピタキシ(エピタキシャル成長)、気相エピタキシ、分子線エピタキシ、スパッタリング等で形成できるが、これに限定されるのではない。
【0032】
または、上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110を形成するステップは、上記酸化ガリウム基板105の上にアルミニウム層(図示せず)を形成する。以後、酸素雰囲気下で熱処理してアルミニウム層のAl原子が上記酸化ガリウム基板105に拡散するようにして、ガリウムアルミニウムを含む酸化物110を形成できる。
【0033】
例えば、上記酸化ガリウム基板105の上にAl薄膜層を形成した後、チャンバーに酸素ガスまたは酸素ガスを主なガスとして含む混合ガスを注入し、約500−1200℃温度で上記酸化ガリウム基板105に対する熱処理を遂行することによって、ガリウムアルミニウムを含む酸化物110を形成できるが、これに限定されるのではない。
【0034】
次に、図4のように、上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110の上にガリウムアルミニウムを含む窒化物120を形成する。
【0035】
上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120は、GaAl(但し、0<x≦1、0<y≦1、0<z≦1)を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0036】
上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120は、上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110の上に薄膜蒸着装備により蒸着できる。例えば、液相エピタキシ、気相エピタキシ、分子線エピタキシなどで形成できるが、これに限定されるのではない。
【0037】
または、上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120を形成するステップは、上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110の一部を窒化処理して形成できる。
【0038】
例えば、上記酸化ガリウム基板105の上にアルミニウム層(図示せず)を形成する。以後、酸素雰囲気下で熱処理してアルミニウム層のAl原子が上記酸化ガリウム基板105に拡散するようにして、ガリウムアルミニウムを含む酸化物110を形成する。以後、上記ガリウムアルミニウムを含む酸化物110の一部をアンモニア雰囲気で高温の窒化処理してガリウムアルミニウムを含む窒化物120を形成できる。
【0039】
上記高温窒化処理は、チャンバーにアンモニアガス、またはアンモニアガスと酸素ガスとの混合ガス、またはアンモニアガスと窒素ガスとの混合ガスを注入して行われる。
【0040】
この際、上記チャンバーに注入されるガスにドーパントガスを注入することによって、上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120の電気伝導性を向上させることもできる。
【0041】
本発明によれば、ガリウム(Ga)と酸素(O)との間の結合力よりアルミニウム(Al)と酸素(O)との間の結合力が一層強く、ガリウム(Ga)と窒素(N)との間の結合力よりアルミニウム(Al)と窒素(N)との結合力が一層強い。
【0042】
これによって、ガリウムアルミニウムを含む酸化物110とガリウムアルミニウムを含む窒化物120との間の界面結合力が酸化ガリウム基板105/窒化物半導体層の発光構造物130の界面結合力より一層強くて、酸化ガリウム基板と発光構造物との間の剥離問題を解決できる。
【0043】
本発明の実施形態に従う発光素子及びその製造方法によれば、酸化ガリウム基板との界面結合力の強化に従う高品位窒化物半導体層を具現することによって、信頼性及び性能に優れる発光素子が具現できる。
【0044】
次に、図5のように、上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120の上に発光構造物130を形成できる。図6は、発光構造物130に対する部分拡大図である。
【0045】
上記発光構造物130は、上記ガリウムアルミニウムを含む窒化物120の上に形成された第2導電型半導体層132、上記第2導電型半導体層132の上に形成された活性層134、及び上記活性層134の上に形成された第1導電型半導体層136を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0046】
上記第1導電型半導体層136は、第1導電型ドーパントがドーピングされた3族−5族化合物半導体で具現されることができ、上記第1導電型半導体層136がN型半導体層の場合、上記第1導電型ドーパントはN型ドーパントとして、Si、Ge、Sn、Se、Teを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0047】
上記第1導電型半導体層136は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができる。
【0048】
上記第1導電型半導体層136は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaP、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InPのうち、いずれか1つ以上で形成できる。
【0049】
上記第1導電型半導体層136は、化学蒸着方法(CVD)、分子線エピタキシ(MBE)、スパッタリング、あるいは水酸化物蒸気相エピタキシ(HVPE)などの方法を使用してN型Gan層を形成できる。また、上記第1導電型半導体層136は、チャンバーにトリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、及びシリコン(Si)のようなn型ドーパントを含むシランガス(SiH)が注入されて形成できる。
【0050】
上記活性層134は、第1導電型半導体層136を通じて注入される電子と、以後に形成される第2導電型半導体層132を通じて注入される正孔とが合って活性層(発光層)物質固有のエネルギーバンドにより決まるエネルギーを有する光を放出する層である。
【0051】
上記活性層134は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子線(Quantum-Wire)構造、または量子点(Quantum Dot)構造のうち、少なくともいずれか1つで形成できる。例えば、上記活性層134は、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、及びトリメチルインジウムガス(TMIn)が注入されて多重量子井戸構造が形成できるが、これに限定されるのではない。
【0052】
上記活性層134の井戸層/障壁層は、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN、InAlGaN/GaN、GaAs(InGaAs)/AlGaAs、GaP(InGaP)/AlGaPのうち、いずれか1つ以上のペア構造で形成できるが、これに限定されるのではない。上記井戸層は、上記障壁層のバンドギャップより低いバンドギャップを有する物質で形成できる。
【0053】
上記活性層134の上または/及び下には導電型クラッド層が形成できる。上記導電型クラッド層はAlGaN系半導体で形成されることができ、上記活性層134のバンドギャップよりは高いバンドギャップを有することができる。
【0054】
上記第2導電型半導体層132は、第2導電型ドーパントがドーピングされた3族−5族元素の化合物半導体、例えば、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができる。上記第2導電型半導体層132は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPなどから選択できる。上記第2導電型半導体層132がP型半導体層の場合、上記第2導電型ドーパントはP型ドーパントとして、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。上記第2導電型半導体層132は単層または多層で形成されることができ、これに対して限定するのではない。
【0055】
上記第2導電型半導体層132は、チャンバーにトリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、及びマグネシウム(Mg)のようなP型ドーパントを含むビセチルサイクロペンタジエニルマグネシウム(EtCpMg){Mg(C}が注入されてP型GaN層が形成できるが、これに限定されるのではない。
【0056】
本実施形態において、上記第1導電型半導体層136はN型半導体層、上記第2導電型半導体層132はP型半導体層で具現することができ、その逆も可能である。
【0057】
また、上記第2導電型半導体層132の上には上記第2導電型と反対の極性を有する半導体、例えばN型半導体層(図示せず)を形成できる。これによって、発光構造物130は、N−P接合構造、P−N接合構造、N−P−N接合構造、P−N−P接合構造のうち、いずれか1つの構造で具現できる。
【0058】
以後、上記酸化ガリウム基板105の下側に第2電極(図示せず)を形成し、上記第1導電型半導体層136の上に第1電極(図示せず)を形成できる。
【0059】
上記第2電極は、オーミック層(図示せず)、反射層(図示せず)、伝導性支持基板(図示せず)などを含むことができる。
【0060】
例えば、上記第2電極はオーミック層を含むことができ、正孔注入を効率的にすることができるように単一金属あるいは金属合金、金属酸化物などを多重に積層して形成することができる。
【0061】
例えば、上記オーミック層は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IZON(IZO Nitride)、AGZO(Al-Ga ZnO)、IGZO(In-Ga ZnO)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITO、Ag、Ni、Cr、Ti、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfのうち、少なくとも1つを含んで形成されることができ、このような材料に限定されるのではない。
【0062】
また、上記反射層は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfのうち、少なくとも1つを含む金属または合金で形成できる。また、上記反射層は、上記金属または合金とIZO、IZTO、IAZO、IGZO、IGTO、AZO、ATOなどの透光性の伝導性物質を用いて多層で形成することができ、例えば、IZO/Ni、AZO/Ag、IZO/Ag/Ni、AZO/Ag/Niなどで積層することができる。
【0063】
また、上記伝導性支持基板は、銅(Cu)、銅合金(Cu Alloy)、金(Au)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅−タングステン(Cu−W)、キャリヤウエハ(例えば、Si、Ge、GaAs、GaN、ZnO、SiGe、SiC等)のうち、少なくとも1つを含むことができる。
【0064】
本実施形態に従う発光素子によれば、酸化ガリウム基板との界面結合力強化に従う高品位窒化物半導体層を具現することによって、信頼性及び性能に優れる発光素子が具現できる。
【0065】
図7は、本発明の実施形態に従う発光素子が設けられた発光素子パッケージを示す図である。
【0066】
図7を参照すると、本発明の実施形態に従う発光素子パッケージ200は、パッケージ胴体部205と、上記パッケージ胴体部205に設けられた第3電極層213及び第4電極層214と、上記パッケージ胴体部205に設けられて上記第3電極層213及び第4電極層214と電気的に連結される発光素子100と、上記発光素子100を囲むモールディング部材240とが含まれる。
【0067】
上記パッケージ胴体部205は、シリコン材質、合成樹脂材質、または金属材質を含んで形成されることができ、上記発光素子100の周囲に傾斜面が形成できる。
【0068】
上記第3電極層213及び第4電極層214は互いに電気的に分離され、上記発光素子100に電源を提供する役割をする。また、上記第3電極層213及び第4電極層214は、上記発光素子100で発生した光を反射させて光効率を増加させる役割をすることができ、上記発光素子100で発生した熱を外部に排出させる役割をすることもできる。
【0069】
上記発光素子100は、図1に例示された垂直型タイプの発光素子が適用できるが、これに限定されるのではない。
【0070】
上記発光素子100は、上記パッケージ胴体部205の上に設置されるか、上記第3電極層213または第4電極層214の上に設置できる。
【0071】
上記発光素子100は、上記第3電極層213及び/または第4電極層214とワイヤー方式、フリップチップ方式、またはダイボンディング方式のうち、いずれか1つにより電気的に連結されることもできる。本実施形態では、上記発光素子100が上記第3電極層213とワイヤー230を介して電気的に連結され、上記第4電極層214と直接接触して電気的に連結されたものが例示されている。
【0072】
上記モールディング部材240は、上記発光素子100を囲んで上記発光素子100を保護することができる。また、上記モールディング部材240には蛍光体が含まれて上記発光素子100から放出された光の波長を変化させることができる。
【0073】
本実施形態に従う発光素子パッケージは複数個が基板の上にアレイされ、上記発光素子パッケージから放出される光の経路上に、光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シート、蛍光シートなどが配置できる。このような発光素子パッケージ、基板、及び光学部材は、バックライトユニットとして機能するか、照明ユニットとして機能することができ、例えば、照明システムは、バックライトユニット、照明ユニット、指示装置、ランプ、及び街灯を含むことができる。
【0074】
図8は、本発明の実施形態に従う照明ユニットの斜視図1100である。但し、図8の照明ユニット1100は照明システムの一例であり、これに対して限定するのではない。
【0075】
図8を参照すると、上記照明ユニット1100は、ケース胴体1110と、上記ケース胴体1110に設けられた発光モジュール部1130と、上記ケース胴体1110に設けられて外部電源から電源の提供を受ける連結端子1120と、を含むことができる。
【0076】
上記ケース胴体1110は、放熱特性のよい材質で形成されることが好ましく、例えば金属材質または樹脂材質で形成できる。
【0077】
上記発光モジュール部1130は、基板1132と、上記基板1132に載置される少なくとも1つの発光素子パッケージ200と、を含むことができる。
【0078】
上記基板1132は、絶縁体に回路パターンが印刷されたものであることができ、例えば、一般印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)、メタルコア(Metal Core)PCB、軟性(Flexible)PCB、セラミックPCBなどを含むことができる。
【0079】
また、上記基板1132は光を効率的に反射する材質で形成されるか、表面は光が効率的に反射されるカラー、例えば白色、銀色などで形成できる。
【0080】
上記基板1132の上には上記少なくとも1つの発光素子パッケージ200が載置できる。上記発光素子パッケージ200の各々は少なくとも1つの発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)100を含むことができる。上記発光ダイオード100は、赤色、緑色、青色、または白色の有色光を各々発光する有色発光ダイオード、及び紫外線(UV;UltraViolet)を発光するUV発光ダイオードを含むことができる。
【0081】
上記発光モジュール部1130は、色感及び輝度を得るために多様な発光素子パッケージ200の組合せを有するように配置できる。例えば、高演色性(CRI)を確保するために、白色発光ダイオード、赤色発光ダイオード、及び緑色発光ダイオードを組合せて配置できる。
【0082】
上記連結端子1120は、上記発光モジュール部1130と電気的に連結されて電源を供給できる。図8の図示によると、上記連結端子1120はソケット方式により外部電源に螺合して結合されるが、これに対して限定するのではない。例えば、上記連結端子1120は、ピン(pin)形態で形成されて外部電源に挿入されるか、配線により外部電源に連結されることもできる。
【0083】
図9は、本発明の実施形態に従うバックライトユニットの分解斜視図1200である。但し、図9のバックライトユニット1200は照明システムの一例であり、これに対して限定するのではない。
【0084】
本発明の実施形態に従うバックライトユニット1200は、導光板1210と、上記導光板1210に光を提供する発光モジュール部1240と、上記導光板1210の下に反射部材1220と、上記導光板1210、発光モジュール部1240、及び反射部材1220を収納するボトムカバー1230と、を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0085】
上記導光板1210は光を拡散させて面光源化させる役割をする。上記導光板1210は透明な材質からなり、例えば、PMMA(polymethyl metaacrylate)のようなアクリル樹脂系列、PET(polyethylene terephthlate)、PC(poly carbonate)、COC(cycloolefin copolymer)、及びPEN(polyethylene naphthalate)樹脂のうち、1つを含むことができる。
【0086】
上記発光モジュール部1240は、上記導光板1210の少なくとも一側面に光を提供し、窮極的には上記バックライトユニットが設けられるディスプレイ装置の光源として作用するようになる。
【0087】
上記発光モジュール部1240は上記導光板1210と接することができるが、これに限定されるのではない。具体的には、上記発光モジュール部1240は、基板1242と、上記基板1242に載置された多数の発光素子パッケージ200とを含むが、上記基板1242が上記導光板1210と接することができるが、これに限定されるのではない。
【0088】
上記基板1242は回路パターン(図示せず)を含む印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)でありうる。但し、上記基板1242は一般のPCBだけでなく、メタルコアPCB(MCPCB:Metal Core PCB)、軟性PCB(FPCB:Flexible PCB)などを含むこともでき、これに対して限定するのではない。
【0089】
そして、上記多数の発光素子パッケージ200は、上記基板1242の上に光が放出される発光面が上記導光板1210と所定距離離隔するように載置できる。
【0090】
上記導光板1210の下には上記反射部材1220が形成できる。上記反射部材1220は、上記導光板1210の下面に入射された光を反射させて上方に向かうようにすることによって、上記バックライトユニットの輝度を向上させることができる。上記反射部材1220は、例えば、PET、PC、PVCレジン(樹脂)などで形成できるが、これに対して限定するのではない。
【0091】
上記ボトムカバー1230は、上記導光板1210、発光モジュール部1240、及び反射部材1220などを収納できる。このために、上記ボトムカバー1230は、上面が開口されたボックス(box)形状で形成できるが、これに対して限定するのではない。
【0092】
上記ボトムカバー1230は金属材質または樹脂材質で形成されることができ、プレス成形または押出成形などの工程を用いて製造できる。
【0093】
本実施形態に従う発光素子、発光素子パッケージ、及び照明システムによれば、酸化ガリウム基板との界面結合力強化に従う高品位窒化物半導体層を具現することによって、信頼性及び性能に優れる発光素子が具現できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9