(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
音源データ割当手段が、X軸、Y軸又はZ軸の少なくとも1つの軸方向で、音の高さ又は音色が段階的に変化するよう音源データを割り当てることを特徴とする請求項3に記載の携帯型音生成装置。
音生成手段が、X軸、Y軸又はZ軸の少なくとも1つの軸方向で、生成される音量が段階的に変化するよう音を生成することを特徴とする請求項3又は4に記載の携帯型音生成装置。
前記位置特定手段により特定された携帯型音生成装置の位置が所定の時間以上の間所定の範囲以上変化していない場合前記携帯型音生成手段による音の生成を停止する請求項1〜5のいずれか1つに記載の携帯型音生成装置。
前記位置特定手段により特定された携帯型音生成装置の位置が所定の分割された空間に属している間前記音生成手段は前記所定の分割された空間に対応する音源データをもとに音を生成する請求項1〜5のいずれか1つに記載の携帯型音生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら地磁気の強さに対応する信号を出力する磁気センサーを利用する場合も、水平面からの所定の傾き角度を検出する傾斜検出手段を利用する場合も、垂直あるいは水平を基準とするため、音を奏でる際にユーザーは携帯端末装置を必ず垂直あるいは水平に保つ、もしくは特定の位置に特定の方向を向いたままで携帯端末装置を扱う必要を強いられるなどの制限がつく上、複数の押しボタンを押す必要もあり、操作が複雑で自由度が低く、思い通りの自然な音楽を奏でることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、音の生成が可能であり、ユーザーが空間における位置を変化させることで、生成される音が変化する携帯型音生成装置であって、複数の音源データを記憶する音源データ記憶手段と、音源データ記憶手段に記憶された複数の音源データについて、各音源データと空間における位置との対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、携帯型音生成装置の位置を特定する位置特定手段と、対応関係記憶手段に記憶された対応関係に従って、位置特定手段により特定された携帯型音生成装置の位置をもとに、音源データを特定する音源データ特定手段と、音源データ特定手段により特定された音源データをもとに音を生成する音生成手段とを備えることを特徴とする携帯型音生成装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯型音生成装置において、携帯型音生成装置の位置を特定する基準となる基準点の位置を特定する基準点位置特定手段とを備え、位置特定手段が、基準点位置特定手段により特定された基準点の位置からの携帯型音生成装置の移動距離を、携帯型音生成装置に備えられた3軸加速度センサーにより得られる加速度をもとに算出することで、携帯型音生成装置の位置を特定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の携帯型音生成装置において、対応関係記憶手段により各音源データとの対応関係が記憶される音源空間を設定する音源空間設定手段と、音源空間設定手段により設定された音源空間を分割し、分割された空間毎に各音源データを割り当てる音源データ割当手段とを備え、対応関係記憶手段が、音源データ割当手段により割り当てられた各音源データと空間における位置との対応関係を記憶することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の携帯型音生成装置において、空間においてX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標を設定する直交座標設定手段と、音源データ割当手段が、音源空間をX軸、Y軸及びZ軸に平行な面で分割し、分割された空間毎に各音源データを割り当てることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の携帯型音生成装置において、音源データ割当手段が、X軸、Y軸又はZ軸の少なくとも1つの軸方向で、音の高さ又は音色が段階的に変化するよう音源データを割り当てることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の携帯型音生成装置において、音生成手段が、X軸、Y軸又はZ軸の少なくとも1つの軸方向で、生成される音量が段階的に変化するよう音を生成することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、ユーザーが携帯可能であり、ユーザーの動きに合わせて音楽を生成することが可能な携帯型音楽生成装置であって、複数の音源データを記憶する音源データ記憶手段と、音源データの割り当て対象となる音源空間を設定する音源空間設定手段と、音源空間設定手段により設定された音源空間を分割し、分割された分割空間毎に各音源データを割り当てる音源データ割当手段と、音源データ割当手段により割り当てられた各音源データと、分割空間との対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、ユーザーの動きに合わせて変化する携帯型音楽生成装置の位置を特定する位置特定手段と、位置特定手段により特定された携帯型音楽生成装置の位置が、いずれの分割空間に属するかを特定する分割空間特定手段と、対応関係記憶手段により記憶された対応関係に従って、特定された分割空間と対応関係を有する音源データを特定し、特定された音源データをもとに音を生成することで音楽を生成する音楽生成手段とを備えることを特徴とする携帯型音楽生成装置に関するものである。
【0013】
なお、本発明は楽器として携帯端末装置を扱うのではなく、たとえば携帯型音生成装置を持って踊った場合、ユーザーの動きに合わせて楽器を演奏しているというような意識を持つことなく自然に音楽を奏でることができるというような効果を得るものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる携帯型音生成装置の構成を示すブロック図である。図示するように、この携帯型音生成装置は、CPU(Central Processing Unit)101と、メインメモリ102と、入力装置103と、表示装置104と、ワークメモリ105と、半導体メモリスロット106とスピーカー107と3軸加速度センサー108を備えている。また、半導体メモリスロット106には半導体メモリ121(例えば、SDメモリ)を着用し得る。
【0016】
CPU101は、ワークメモリ105や半導体メモリ121上に格納されたプログラムを実行し、装置本体の制御を行う。メインメモリ102は、CPU101のワークエリアである。また、ワークメモリ105は、プログラムやデータを保存するための記憶領域として用いられるもので、例えば、音源データが記憶されている。
【0017】
半導体メモリスロット106は、半導体メモリ121に対しプログラム及びデータの読み出しを行う。入力装置103は方向キー及びボタンを備えている。入力装置103は、表示画面104上に表示されるタッチセンサー型パネルによる方向キー及びボタンであってもよい。また、ポインティングデバイスとして使用されるマウス及び方向キーを備えているキーボード等を入力装置103として用いてもよい。入力装置103からの入力データはメインメモリ102に出力され、CPU101がそれを解釈して演算処理を実行する。
【0018】
本発明に係る携帯型音生成装置で実行されるプログラム及びデータはワークメモリ105又は半導体メモリ121に記憶されている。半導体メモリ121に記憶されたプログラム及びデータは、実行時に半導体メモリスロット106により読みだされて、メインメモリ102にロードされる。CPU101は、メインメモリ102にロードされたプログラム及びデータを処理し、音出力命令をスピーカー107に出力する。CPU101が処理を行っている間の中間的なデータは、メインメモリ102に記憶される。CPU101は楽音データを展開し、それをスピーカー107から出力する。また、3軸加速度センサー108は、携帯型音生成装置の所定の単位時間毎に加速度を検知し、検知された加速度はメインメモリ102にて記憶される。
【0019】
本発明では、各音源データと空間における位置との対応関係が記憶された音源テーブルをもとに、携帯型音生成装置の位置に対応する音源データが特定され、特定された音源データをもとに音が生成される。例えば、X軸方向の一辺の長さが2a、Y軸方向の一辺の長さが2b、Z軸方向の一辺の長さが2cとなる直方体状の空間に音源が割り当てられている場合を考える。この場合、この立方体状の空間は、各辺がX軸、Y軸及びZ軸に平行又は直交する面により形成されており、直交座標系で基準となる点の座標(X,Y,Z)=(0,0,0)としたとき、X、Y、Zの値は、それぞれ−aからaまで、−bからbまで、−cからcまでの値を取るとする。なお、ここでは、ユーザーが地面に直立した場合に、ユーザーの前方から後方に向かう奥行き方向にZ軸を設定し、Z軸とは垂直で且つユーザーの左右に向かう横方向でX軸を設定し、さらに高さ方向にY軸を設定した。
【0020】
たとえば、空間がX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に8分割されるような場合は、−a≦X<−3/4a、−3/4a≦X<−2/4a、−2/4a≦X<−1/4a、−1/4a≦X<0、0≦X<1/4a、1/4a≦X<2/4a、2/4a≦X<3/4a、3/4a≦X≦aにそれぞれ分割される。Y軸方向、Z軸方向もX軸方向と同様に分割される。
【0021】
図2は、ワークメモリ105に記憶された音源テーブルの一部を表す図である。音源テーブル200には、音源ID201、X座標202、Y座標203が記憶されている。音源ID201はそれぞれX座標202、Y座標203との対応関係が定められており、携帯型音生成装置の位置(X座標の値、Y座標の値)に応じて音源ID201が特定される。なお、携帯型音生成装置の位置がZ軸方向に変化した場合は、ボリュームがコントロールされる。たとえば、空間がZ軸方向に8分割されるような場合は、イ〜リまで8段階のボリューム調整が可能となる。
【0022】
次に本発明の実施の形態にかかる携帯型音生成装置における音の生成処理について
図3のフローチャートを用いて説明する。まず、携帯型音生成装置の表示装置104に基準点の設定開始の表示がなされた後と、ユーザーは携帯型音生成装置を一定時間内に任意の基準点と設定したい位置に移動させる。例えば、ユーザーは、携帯型音生成装置を自身の胸の中央の位置に移動させる。携帯型音生成装置の位置が固定されてから一定時間が経過するか、或いは、ユーザーが入力装置103を操作することにより、基準点の登録が行なわれる(ステップS1)。
【0023】
次に、境界点の設定を行うことにより、音源テーブルにて各音源データとの対応関係が記憶される空間(音源空間)の設定がされる(ステップS2)。音源空間とは、音源データの割り当ての対象となる空間であり、携帯型音生成装置が音源空間より外側に位置すると、音の生成は行われない。例えば、ユーザーが手足を伸ばした時に手足が届く範囲内に音源空間を設定すると、ユーザーはその場でダンスを踊ることで、踊りに合わせた音楽が生成されることになる。音源空間の設定は、基準点の設定と同様の方法が用いられる。例えば、ユーザーが基準点近傍に立った状態で、携帯型音生成装置を手に持ちながら、ユーザーの左右いずれかの方向に地面と平行になるように手を広げる。そして、3軸加速度センサー108により基準点P0の座標を(0,0,0)としたときの、ユーザーが手を広げた際の携帯型音生成装置が存在する点(境界点Aという)での座標が求められる。なお、直交座標系におけるX軸、Y軸、Z軸の設定は、次のように行なうことができる。先に述べたように、ユーザーが基準点として自身の胸の中央の位置を基準点として設定した場合は、通常、境界点Aと基準点P0の地面からの高さは同じであり、境界点Aと基準点P0を結ぶ直線を自動的にX軸と設定することができる。仮に、境界点Aと基準点P0の地面からの高さが異なる場合は、境界点Aの高さ方向の座標を基準点P0と同じ値になるように補正をしたうえで、補正後の境界点Aと基準点P0を結ぶ直線がX軸として設定される。この場合、基準点P0でX軸と直交する軸であって高さ方向へのびる軸をY軸とし、残りの基準点P0でX軸及びY軸と直交する軸をZ軸とすることができる。この場合、境界点A(高さ方向の座標の補正を行った場合は、補正後の境界点A)の座標は(a,0,0)となり、音源空間のX座標の取りうる値はaから−aまでの値となる。
【0024】
Y軸、Z軸の方向が決定すると、表示装置104には、境界点B、境界点Cの設定登録指示表示が順番になされ、ユーザーは携帯型音生成装置の位置を移動させることで、それぞれ任意の境界点となる境界点B、境界点Cを登録し、本発明の実施に必要な基準点と複数の境界点がメインメモリ102にすべて記憶される。同様に、音源空間のY座標、Z座標の取りうる範囲は、それぞれbから−bまで、cから−cまでの値となる。
【0025】
本発明の実施に必要な基準点と複数の境界点がメインメモリ102にすべて記憶されると、音源空間はそれぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向で等分(ここでは8分割)に分割され、ユーザーの周辺の空間上に複数(ここでは512個)の直方体(立方体であることもある)からなる仮想音源ボックスが生成される。
図2で示した音源テーブルでは、512個の仮想音源ボックスと音源データが関連付けて割り当てられる。(ステップS3)
【0026】
仮想音源ボックスが生成され、
図2で示した音源テーブルを関連させ音が割り当てられたのち、ユーザーは携帯型音生成装置を空間にて自由に傾けたり振ったりする。設定したそれぞれの境界点までの範囲内で携帯型音生成装置を持ち踊るなど、全身を利用して自由な動きをしてもよい。
【0027】
ユーザーの動きに合わせ、携帯型音生成装置に備えられた3軸加速度センサー108を利用することで、携帯型音生成装置が現在どの位置に位置しているかが算出される。端末の位置は、3軸加速度センサー108を利用して特定することができる。端末の時間tにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の加速度をdx(t)、dy(t)、dz(t)とすると、端末の時間tにおける速度はVx(t)、Vy(t)、Vz(t)は、以下の式(1)〜(3)で算出される。
x(t)=∫dx(t)dt ・・・ 式(1)
Vy(t)=∫dy(t)dt ・・・ 式(2)
Vz(t)=∫dz(t)dt ・・・ 式(3)
【0028】
また、X軸、Y軸、Z軸方向の位置(X,Y,Z)は、それぞれ以下の式(4)〜(6)で算出される。
X=∫Vx(t)dt ・・・ 式(4)
Y=∫Vy(t)dt ・・・ 式(5)
Z=∫Vz(t)dt ・・・ 式(6)
【0029】
ステップS3にて、仮想音源ボックスが設定されると、ユーザーの動作に
合わせて、以下に述べるステップS4〜S6の処理が繰り返され、音楽が生成される。
【0030】
3軸加速度センサー108によって携帯型音生成装置の位置(X1、Y1、Z1)が特定されると(ステップS4)、仮想的に空間に設けられた複数の仮想音源ボックスの中のどのボックスに位置しているのかが特定され、音源テーブルから関連付けられた音源IDが特定される(ステップS5)
【0031】
特定された音源IDは携帯型音生成装置に具備されているスピーカー107から発生される(ステップS6)
【0032】
以後、ユーザーが携帯型音生成装置を動かすたびにS4からS6までのステップが、ユーザーが入力装置103に「終了」と入力するまで(ステップS7にてYES)繰り返される。また、「終了」の入力はユーザーが携帯型音生成装置を小刻みに降る、表示画面104上に表示されるタッチセンサー型パネルをタッチした時、などユーザーが自由に設定することもできる。
【0033】
次に本発明の実施の形態にかかる音源テーブルの設定処理(ステップS3の処理)について、
図4のフローチャートを用いて説明する。X軸は基準点P0と、ユーザーが任意に設定した境界点Aの位置をもとに設定される。既に述べたように、基準点P0と境界点Aの高さが同じ場合は、基準点P0と境界点Aを結ぶ直線上に設定され、高さが異なる場合は、境界点Aの高さ方向の座標を補正したうえで、基準点P0と補正後の境界点Aの直線上に設定される。Y軸とZ軸はX軸に直交する2つの直線上にそれぞれ設定される(ステップS11)。ここでは、高さ方向をZ軸とし、残りをY軸とする。
【0034】
境界点AのX座標をaとした場合、aから−aがX座標の取りうる値となる。基準点の座標を(0,0,0)とした場合、点Aの座標は(a,0,0)である。たとえば空間がX軸方向に8つに分割されるような場合は、空間は、X座標の値に応じて、−a〜−3/4a、−3/4a〜−2/4a、−2/4a〜−1/4a、−1/4a〜0、0〜1/4a、1/4a〜2/4a、2/4a〜3/4a、3/4a〜aにそれぞれ分割される。また、Y座標の値に応じて−b〜−3/4b、−3/4b〜−2/4b…に空間は分割され、Z座標もX、Y座標同様に分割される(ステップS12)。そして、分割されて得られた直方体状の仮想音源空間にそれぞれ音源ID1、音源ID2、音源ID3…が設定される。
【0035】
音源空間はX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向で、等分(ここでは8分割)に分割され、ユーザーの周辺の空間上に仮想イメージとして複数(ここでは512個)の直方体(立方体であることもある)からなる仮想音源ボックスが生成される。なお、音源データの割り当ては、X軸方向又はY軸方向で、高さ又は音色が段階的に変化するよう割り当てられる。例えば、ある仮想音源ボックスの音の高さが「ド」の音の場合、これに隣り合う仮想音源ボックスの音の高さは「レ♯」の音となり、さらに、これに隣り合う仮想音源ボックスの音の高さは「レ」の音となる。同様に、ある仮想音源ボックスの音色が「ピアノ」の音色であった場合に、段階的に「バイオリン」の音色に変化する。音源データの割り当て方(例えば、X軸方向に沿って音の高さが変化し、Y軸方向に沿って音色が変化するといった割り当ての形態)は、ユーザーが任意に設定することが可能である。
【0036】
仮想イメージとして作られた複数の仮想音源ボックスに、
図2で示した音源テーブルのように、音源IDを割り当てる。複数の仮想音源ボックスのそれぞれの位置と割り当てられた音源IDはメインメモリ102に記憶され、音源テーブルの更新が完了する(ステップS13)。
【0037】
以後、ユーザーが新たに音源テーブルを更新する行為を行うまで、更新された音源テーブルが有効となり続ける。
【0038】
図5は本発明の実施の形態にかかるユーザーの位置と基準点設定の設定方法を表した図である。基準点P0を設定するにあたりユーザーはまず携帯型音生成装置の表示装置104に表示される基準点設定開始の表示がなされてから一定時間内に基準点となる任意の位置(0,0,0)を設定するため、身体の一部(ここでは腹部)に携帯型音生成装置を配置し、入力装置103のボタンを入力することによってその位置を登録し、基準点位置情報がメインメモリ102に記憶される。
【0039】
次に、
図6は、本発明の実施の形態にかかる基準点P0を中心とするX軸、Y軸、Z軸とそれぞれの境界点の設定方法を表した図である。
図6(a)はX軸と境界点A〜境界点−Aの設定方法を表した図である。ユーザーはまずX軸と境界点Aを設定するために、表示装置104に表示される境界点Aの設定開始の表示がなされてから一定時間内に基準点からX方面に、携帯型音生成装置を移動させ3軸加速度センサー108によって基準点からの「距離」と「傾き」を検出し入力装置103のボタンを入力することによってその位置を登録し、境界点Aの位置情報がメインメモリ102に記憶される。また、このときY軸、Z軸が決定される。次に表示画面104にX軸に沿って境界点−Aの設定開始の表示がなされ、同様に境界点−Aを設定する。
【0040】
図6(b)は境界点B〜境界点−Bの設定方法を表した図である。ユーザーはまず境界点Bを設定するために、表示装置104に表示される指示に沿って、境界点Bの設定開始の表示がなされてから一定時間内に基準点からY軸方向に、携帯型音生成装置を移動させる。3軸加速度センサー108によって基準点からの「距離」と「傾き」を検出し入力装置103のボタンを入力することによってその位置を登録し境界点Bの位置情報がメインメモリ102に記憶される。次に表示画面104にY軸方向に沿って境界点−Bの設定開始の表示がなされ、同様に境界点−Bを設定する。
【0041】
図6(c)は境界点C〜境界点−Cの設定方法を表した図である。ユーザーはまず境界点Cを設定するために、表示装置104に表示されるZ軸に沿って境界点Cの設定開始の表示がなされてから一定時間内に基準点からZ軸方向に、携帯型音生成装置を移動させ、3軸加速度センサー108によって基準点からの「距離」と「傾き」を検出し、入力装置103のボタンを入力することによってその位置を登録し、境界点Cの位置情報がメインメモリ102に記憶される。次に表示画面104にZ軸に沿って、境界点−Cの設定開始の表示がなされ、同様に境界点−Cを設定する。
【0042】
なお、
図5と
図6において、入力装置103は、表示画面104上に表示されるタッチセンサーパネルによる方向キー及びボタンであってもよく、タップすることによっての入力であってもよい。また、上記の境界点設定方法は、設定登録開始ボタンを設け設定開始入力とすることで設定登録行為を開始し、境界点となる位置に一定時間以上携帯型音生成装置を固定させておくことで決定される方法であってもよい。
【0043】
また、携帯型音生成装置が複数ある場合は、携帯型音生成装置の位置情報の検出方法は、
図6(d)のように基準点P0とX軸、Y軸、Z軸の境界点にそれぞれ携帯型音生成装置を備え、ユーザーの動きに合わせて基準点P0以外に供えられた携帯型音生成装置の3軸センサーにより基準点からの「距離」と「傾き」を常に検出し座標を決定する方法であってもよい。
【0044】
図7は本発明の実施の形態にかかる空間上に仮想イメージとして作られた直方体(立方体の場合もある)のイメージ図である。本発明の実施に必要な基準点と複数の境界点が
図5、
図6の方法でメインメモリ102にすべて記憶されると、X軸、Y軸、Z軸はそれぞれ等分の複数分(ここでは8分割)に分割され、ユーザーの周辺の空間上に仮想イメージとして複数(ここでは512個)の直方体(立方体であることもある)からなる仮想音源ボックスを作成する。X軸とY軸とZ軸によって作成された複数の仮想音源ボックスには
図2で示した音源テーブルを関連させ音源IDが割り当てられる。
【0045】
その他の位置設定方法として、例えば、位置決定方法は地磁力センサーによって「傾き」かつ重力センサーによって重力の差を検出し「距離」を検出する方法であってもよい。
【0046】
図8は、本実施形態の携帯型音生成装置100を音源空間300内にて移動させた際の携帯型音生成装置100の動きを示す動作図である。携帯型音生成装置100内にあるメインメモリ102には
図5に示した方法で基準点位置情報、
図6に示した方法で基準点P0を中心とするX軸、Y軸、Z軸とそれぞれの境界点とそれぞれの距離が記憶されている。また、基準点P0を中心とするユーザー周辺の空間上には、基準点P0を中心としてX軸、Y軸、Z軸それぞれの境界点までの距離を複数に分割することによって作成された仮想音源ボックスが生成されている。
【0047】
ユーザー500が携帯型音声装置100上に表示される表示装置104の案内により音を発生する「オン」を入力装置103によって決定し入力することにより、音楽の発生が開始される。ユーザー500が音源空間300内で自由な動きをすると、携帯型音声装置100が音源空間300内のどの仮想音源ボックスに位置しているかが特定される。そして、特定された仮想音源ボックスをもとに、
図2でワークメモリ105に記憶された音源テーブルから音源IDが特定され、特定された音源IDに対応する音がスピーカー107より発生される。ユーザー500が入力装置103へ「オフ」の入力を行うと、音の発生は停止される。なお、「オフ」の入力は、入力装置103への入力ではなく、携帯型音生成装置100の位置を一定時間以上移動させずに停止させる、或いは、ユーザー500が任意に設定をした動きをした場合に停止させるなどによって、「オフ」の入力と同様の効果を得ることとしてもよい。
【0048】
図8において、ユーザー500aが携帯型音生成装置100を音源空間300内の仮想音源ボックスA(1/4a≦X<2/4a,b≦Y<1/4b,0)の位置に移動させており、例えば「ラ」の音が生成されている。ユーザー500が踊ることで、ユーザー500bのような状態になると、携帯型音生成装置100は仮想音源ボックスFまで移動する。この場合、例えば「ド」の音が生成されている。携帯型音生成装置100の位置は、例えば、1/30秒毎に特定され、携帯型音生成装置100が音源空間300内のどの仮想音源ボックスに属するかが特定される。携帯型音生成装置100が属する仮想音源ボックスが変わらない場合は同じ音が生成され続け、属する仮想音源ボックスが変わった場合に、それまでとは異なった音が生成される。したがって、ユーザー500が踊って、携帯型音生成装置100の位置が変わることにより、異なった音階の音が連続して生成され、1つの音楽が生成されることになる。また、1つの音の長さは、携帯型音生成装置100が同じ仮想音源ボックスに属している時間によって決まるため、ユーザー500の動きの素早さや、どのような移動奇跡400をたどるかによって、一音の音の長さが変わることになる。したがって、ユーザー500がより素早い動きをした場合は、リズミカルな音楽が生成され、ユーザー500がゆっくりとした動きをした場合は、スローテンポな音楽が生成されることになる。このように、ユーザー500の踊りに合わせて、様々な種類の音楽を生成することが可能である。
【0049】
図8の場合、移動奇跡400は、ユーザーがボックスAからボックスFまで携帯型音生成装置100を移動させた際に出来る移動軌跡である。例えば、ボックスA(1/4a≦X<2/4a,b≦Y<1/4b,0)では「ラ」の音を生成し、ボックスB(2/4a≦X<3/4a,b≦Y<1/4b,0)では「シ」、ボックスC(2/4a≦X<3/4a,1/4b≦Y<2/4b,0)では1オクターヴ高くなった「シ」が生成され、ボックスD(2/4a≦X<3/4a,2/4b≦Y<3/4b,0)ではさらに1オクターヴ高くなった「シ」が生成され、ボックスE(3/4a≦X<a,2/4b≦Y<3/4b,0)では同オクターヴの「ド」、ボックスF(3/4a≦X<a,3/4b≦Y<b,0)ではさらに1段階高いオクターヴの「ド」がスピーカー107よりユーザーが「オフ」の入力を行うまで発生されることになる。したがって、「ラ」、「シ」(通常)、「シ」(通常より1オクターヴ高い)、「シ」(通常より2オクターヴ高い)」、「ド」(通常より2オクターヴ高い)、「ド」(通常より3オクターヴ高い)の順序で音階が変化する音楽が発生される。
【0050】
図9は本実施形態において、X軸に垂直で且つY軸に平行な方向から見た、携帯型音生成装置100を音源空間300内にて移動させた際の携帯型音生成装置100の動きを示す動作図である。この場合、Z軸方向に携帯型音生成装置を移動させることで、ボリュームが変化する。すなわち、仮想音源ボックスの位置がX軸方向とY軸方向で同じであれば、特定される音源IDは同じであり、同じ音階の音が発生される。ただし、Z軸方向の位置が変われば、ボリュームが変化する。Z軸はイ点からリ点(上で述べたボックスAについてはZ軸の値が0となっていたが、0というのはここでいうホ点を示す)を通過する8つの軸に分割されており、たとえばユーザー500が携帯型音生成装置100を前に突き出し、携帯型音生成装置100がイ点を通る軸に近ければ8段階あるボリュームの最大の音が発生され、ユーザー500が徐々に後ろに振り下げるなどして携帯型音生成装置100がリ点を通る軸に近づけば近づくほどボリュームは小さくなる。
【0051】
以上はX軸に音階、Y軸に音程、Z軸にボリュームを設定した場合であるが、X軸にボリューム、Y軸に音階、Z軸に音程を振り分けるなどでも良く、ユーザーが自由に設定できるようにしてもよい。また、X軸、Y軸、Z軸を8つに分割した例を記載したもので、8つ以上、または8つ以下に分割し、音階、楽器音、その他の音源の種類などを増やしてもよい。