特許第5751710号(P5751710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5751710材料を抽出する方法及び同方法を実施するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5751710
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】材料を抽出する方法及び同方法を実施するための装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 11/02 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   B01D11/02 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-543465(P2011-543465)
(86)(22)【出願日】2010年2月26日
(65)【公表番号】特表2013-520294(P2013-520294A)
(43)【公表日】2013年6月6日
(86)【国際出願番号】RU2010000090
(87)【国際公開番号】WO2010082870
(87)【国際公開日】20100722
【審査請求日】2012年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】511154319
【氏名又は名称】ザクルイトエ・アクツィオネルノエ・オブスチェストヴォ“ツイン・トレーディング・カンパニー”
【氏名又は名称原語表記】ZAKRYTOE AKCIONERNOE OBSCHESTVO ‘TWIN TRADING COMPANY’
(74)【代理人】
【識別番号】100078662
【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】アブラモフ,ヤコブ・クズミッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェセロフ,ウラジミール・ミハイロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ザレフスキー,ヴィクトル・ミハイロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】タムルカ,ヴィタリー・グリゴレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォロジン,ベニアミン・セルゲーヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェセロワ,ナターリヤ・ウラジミロフナ
(72)【発明者】
【氏名】エルマコワ,ラリサ・セルゲーフナ
(72)【発明者】
【氏名】コンドラシュキナ,ニーナ・セミョーノフナ
(72)【発明者】
【氏名】タレーヴァ,エレナ・ウラジミロフナ
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−028007(JP,A)
【文献】 特開2005−193114(JP,A)
【文献】 特開2002−336834(JP,A)
【文献】 特開2001−302659(JP,A)
【文献】 特開昭61−141901(JP,A)
【文献】 特開平04−183796(JP,A)
【文献】 特開平01−283226(JP,A)
【文献】 特開平01−159004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 11/00−11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
速やかな真空リリーフによって真空状態を形成し、この真空状態に原材料と抽出剤との混合物を曝露する真空衝撃モードの下で、含浸処理、抽出処理及びろ過処理を実施する材料抽出方法であって、
前記含浸処理よりも前に、
蒸留水又は濃度20%以上の水で割ったアルコールである前記抽出剤を、所定の温度まで加熱することと、
抽出比(抽出剤:原材料)が2以下となる量の前記抽出剤を、前記原材料に混合することと、
前記原材料と前記抽出剤との混合物を加熱ロールにより加熱し、前記原材料を予備的に抽出することと、
を含む材料抽出法。
【請求項2】
前記原材料が植物であり、
前記ろ過処理のあとに得られる抽出物を、捕集容器中で蒸発させることと、
前記抽出物から発生した水蒸気を、凝縮器中で凝縮して精油を捕らえることと
前記水蒸気から分離し水滴を水滴キャッチャで捕らえることと
をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ろ過処理のあとに得られる抽出物を、前記真空衝撃モードで低温蒸発に付すことをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
請求項1〜3の方法を実施するための材料抽出装置であって、
前記抽出剤を所定の温度に加熱する抽出剤容器と、
前記原材料と前記抽出剤とを混合するためのスクリュー式計量供給装置と、
前記原材料と前記抽出剤との混合物を加熱し、前記原材料を予備的に抽出する加熱ロールと、
前記混合物に前記含浸処理及び前記抽出処理を実施するための第1の抽出器と、
前記混合物に前記含浸処理及び前記抽出処理を実施するための第2の抽出器と、
前記抽出処理のあとに得られる抽出物を捕集するための蓄積容器と、
前記抽出物に前記ろ過処理を実施するための真空フィルタと、
前記含浸処理、前記抽出処理及び前記ろ過処理において、前記真空衝撃モードを実施するための真空ポンプと、
前記真空ポンプに接続された受け器と、
これらの器具を相互に接続するパイプラインと、
前記パイプラインに接続され、0.5〜1.0秒間の速やかな真空リリーフが可能な速応弁と、
前記原材料の含浸と抽出を実施するための抽出器と、
を含む材料抽出装置。
【請求項5】
前記抽出物を蒸発させる捕集容器と、
冷媒によって冷却され、前記抽出物から発生した水蒸気を凝縮して精油を捕らえる二つの凝縮器
前記パイプラインを介して前記二つの凝縮器に接続され、前記水蒸気から分離した前記パイプライン中の水滴を捕らえる水滴キャッチャと、
をさらに含む請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記パイプラインに接続され、前記抽出剤に含まれる気泡を取り除くための消泡装置を、さらに含む請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記複数の抽出器が、互いに並列に設置され、弁を介して前記抽出剤容器に前記パイプラインで接続されている請求項4〜6記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の装置は、真空を援用する抽出技術で作用し、食品及び医薬品産業において使用される貴重な生物学的活性剤を植物、動物、魚、海産食品及び他の原材料から抽出するために使用することができる。
【0002】
技術水準
現在使用されている抽出法(SU 1286232 B01D 11/02)は、原材料の粉砕及び真空曝露による20〜30Kpaの残留圧力までの真空排気処理、原材料と抽出剤との混合、40〜80℃での混合物の加熱、混合物の定期的な真空排気処理及び混合物の温度を沸点よりも高い5〜15℃に維持するための熱供給、真空曝露及び大気レベルまでの圧力上昇を含む。
【0003】
この抽出法には一定の運用上の制約がある。この方法は、大気圧で40℃未満の沸点を有する抽出剤の使用を含まない。そのうえ、この方法は、多孔質開放粒子構造の原材料の抽出にしか使用することができない。
【0004】
現在使用されている原材料抽出法は(RU 2213606 B01D 11/02)である。この方法は、原材料の粉砕及び加熱、原材料及び抽出剤のガス抜き、原材料加熱温度未満の5〜15℃の温度への抽出剤の加熱を含む。原材料及び抽出剤のガス抜きは、衝撃真空処理を使用して別々に実施され、各衝撃真空処理サイクルののち、3〜5分間の真空曝露が続く。抽出は、真空衝撃モード中、5〜10分間の真空曝露及び同時加熱を含め、受け器内で70℃の温度及び1〜10mmHgの残留圧力で実施される。曝露ののち、抽出器中の圧力は大気レベルに上げられる。
【0005】
上記材料抽出法にはいくつかの制約がある。加熱された抽出剤と原材料との間の結果として、混合物温度が低下し、これが、後続の真空処理における混合物の沸騰速度に対してマイナスの影響を及ぼす。これに関連して、原材料は、高温に加熱されるべきであり、これが、得られる抽出物の質に影響する。さらに、抽出剤の予備的なガス抜きが最初の抽出段階における効率を低下させる。
【0006】
現在、植物原材料を抽出するための、ボディ、ボディに対して同軸のシリンダ、かく拌機を有するシャフト、かく拌機のための駆動装置を有するカバー、接続パイプ及びボトムサイドを含む装置が使用されている(RU 2225242 B01D 11/02)。ボディは、絞り装置を有するハッチを備えている。カバーの上にはパルスチャンバが設置され、空気圧パルスの外部発生器と接続されている。
【0007】
しかし、このような装置における抽出処置は、多くの時間(70〜90分)を要し、高い温度(70〜80℃)を必要とし、これが、得られる産物の質にマイナスに影響する。
【0008】
技術的本質及び達成される効果においてもっとも近いものが、もっとも近い類似物とみなされる発明(RU 2163827 B01D 11/02)「The method for extraction of materials」である。この方法は、原材料及び抽出剤の下処理、成分と抽出剤との接触のような段階を考えている。原材料は、粉砕され、加工温度(産物変性の温度よりも低い)に加熱されたのち、衝撃真空排気処理及び1〜3分間の真空曝露によってガス抜きされる。その結果、粒子の間、毛管空間及び原材料の表面からガスが除かれる。下処理された原材料は、上方向に真空曝露に付され、抽出剤と同じ温度に加熱され、抽出比(抽出剤:原材料)=10であり、速やかな真空リリーフが実施され、原材料は抽出剤で含浸される。そして、混合物は周囲圧で加熱され、衝撃真空排気で処理され、真空曝露を受ける。原材料及び抽出剤の過熱のせいで、混合物は沸騰し、原材料の標的成分の抽出量までの拡散が起こる。抽出剤沸騰ののち、システムの圧力が周囲レベルまで上げられ、抽出可能な塊が抽出剤で含浸される。
【0009】
この方法は以下のモードを考えている。原材料を下処理し、抽出する際、真空及びリリーフを得るサイクルによる、0.1〜13.3Kpaの残留圧力までの真空排気処理0.5〜1.0秒及び真空曝露時間1.0〜10.0分。抽出サイクルは、原材料からの貴重な成分の最大抽出収率を得るように実施されるべきである。合計抽出時間は30〜180分である。
【0010】
この抽出法を現在使用している装置(特許RU 2213606 B01D 11/02)は、発案された装置にもっとも近い類似物であり、パイプラインによって速応弁を介してリンクされた抽出剤容器及び抽出器ならびに凝縮物受け器及び抽出器ならびに受け器に接続された真空ポンプを含む。抽出剤蒸気を凝縮するための環流凝縮器が抽出器の上方に設置され、加熱媒体を加熱し、抽出剤の容器のジャケット及び抽出器に供給するためのヒータ及びポンプがある。
【0011】
この抽出法及び装置にはいくつかの運用上の制限がある。提供された真空排気処理作動モードにおいて、方法及び装置は一般に、植物原材料を抽出するために使用され、抽出は多量の抽出剤を要し(抽出剤:原材料の比=10)、多くの場合、精油のような貴重な成分を損失する。貴重な成分の最大収率を達成するために、真空・衝撃真空排気のサイクル数が増え、それが結果としてパワー消費増大を招く。
【0012】
発明の開示
本発明の目的は、最小量の抽出剤を使用して様々なタイプの生物学的原材料を抽出するための条件を創成することによって処置の運転容量を増し、同時に処置の強さ、抽出可能な生物学的活性物質の収率を高め、その質及び精油の収率を改善するための抽出法及び装置の開発である。
【0013】
これらの問題を解決するため、抽出剤加熱、抽出剤による原材料の真空衝撃含浸及び真空衝撃モード中、原材料又はその抽出可能成分の変性を生じさせない温度における原材料の抽出を含む方法は、原材料が、抽出剤によって予備的に抽出されたのち、真空衝撃含浸を受けることを要する。抽出剤は、加熱連続ロール上の、蒸留水又は濃度20%以上の水で割ったアルコールであるべきであり、比(抽出剤:原材料)は2以下である。熱真空衝撃抽出ののち得られた液体抽出物は、真空衝撃ろ過、熱真空衝撃モード中の低温蒸発を受けて濃縮され、後続の乾燥に備えて下処理される。抽出及び蒸発を経て得られる精油は、真空ライン中に捕らえられ、専用の凝縮器中、それらの沸点に応じて水蒸気から分離される。水の余剰分は真空ライン中の水滴キャッチャによって捕らえられる。
【0014】
この抽出法を実施するために、パイプラインへの弁を介して環流凝縮器、抽出剤容器及び抽出物のための蓄積容器と接続された抽出器を含む装置が使用される。そのうえ、上述の器具はすべて相互接続され、受け器にリンクされ、この受け器は他方で真空ポンプに接続されている。抽出器の入口において、装置は、中間容器を介して抽出剤の容器と接続された連続的に設置されたスクリュー式計量供給装置及び抽出剤で含浸されたプレスケーキを捕集するための受けネット容器を備えた常時加熱ロールを備えている。抽出物のための蓄積容器及びパイプラインを有する捕集容器に接続された二つの真空フィルタが装置の一部である。装置は、様々な冷媒によって冷却される二つの凝縮器を有する。これらの凝縮器は相互接続され、速応弁によってパイプラインを介して器具に接続されている。パイプラインの前に、通常真空ライン中に設置された水滴キャッチャがある。さらには、抽出剤の気泡から真空ラインを保護するために、環流凝縮器の上方に消泡装置が設置されている。消泡装置は通常真空ラインに接続されている。抽出処置の連続性を提供するために、装置は、第一の抽出器と並列に設置された第二の抽出器を備えている。第二の抽出器は、弁を介して環流凝縮器及び抽出剤容器に接続されている。
【0015】
このように、違いは、原材料及び抽出剤の下処理及び接触の異なるモード、これらの変更を実施するための装置の異なる設計にあり、すなわち、本発明は新規性を有する。
【0016】
連続ロールによって予備的抽出を実施するとき、原材料の繊維構造が転位変形によって部分的破壊を受け、これが、原材料の湿潤及び含浸を改善し、より少量の抽出剤しか使用しない、後続のより効果的かつ強力な抽出のための条件を創成する。後続の原材料の熱真空衝撃抽出、得られた抽出物のろ過及び濃縮(蒸発)の間に、貴重な高揮発性精油が発生する。その損失を避けるために、精油は、捕らえられ、凝縮器中で水蒸気から分離され、容器の中に捕集される。この処置が生物学的活性剤の合計収率を高める。抽出物の真空衝撃ろ過は、その処理の質を高めること、すなわち、最終産物の質を高めることを可能にする。
【0017】
上記特徴によって達成される技術的結果は、より低い抽出剤費用における抽出処置の増強及び高効率化、抽出可能成分の質及び収率の改善につながる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る材料抽出装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面は、スクリュー式計量供給装置1を含み、この装置のホッパーに中間容器2から原材料が送り込まれ、抽出剤が計量供給される材料抽出装置を示す。予備的抽出処置を実施するために、スクリュー式計量供給装置の下にロール3が設置されている。ロールののち、抽出剤で含浸されたプレスケーキが容器5の受けネット容器4の中に捕集される。抽出処置を実施するために、装置は、最初のプレスケーキを含む溶液が中に入れられる抽出器6を備えている。環流凝縮器7が抽出器の上方に設置され、抽出器に対して、弁24を有する通常ライン23を介して接続されている。消泡装置8が環流凝縮器の上方に設置されている。抽出剤は、抽出剤容器9から中間容器及び抽出器に送られる。得られた抽出物は、抽出物のための蓄積容器10の中に捕集され、その後、真空衝撃ろ過が捕集容器11に加えられる。産物はネットフィルタ12及びセラミック又は金属セラミックフィルタ13中でろ過される。抽出物の水及び精油の蒸気は二つの凝縮器14の中で凝縮され、水及び冷媒によってそれぞれ冷却され、捕集容器15に接続される。水滴は水滴キャッチャ16によって捕らえられる。すべての器具及び受け器17はパイプラインによって相互接続されている。受け器中、ポンプ18により、速応弁18を介して真空が提供され、弁20を介して大気に通気される。ユニットの各装置は、真空ライン21及び通常ライン22に接続する弁を備えている(図面を参照)。
【0020】
抽出装置は以下の方法で作動する。
【0021】
原材料及び抽出剤の下処理
原材料は、洗浄され、清浄されて不純物を除かれる。
【0022】
抽出剤は、容器9中、原材料の貴重な成分の特質の変性温度未満である作動温度まで加熱される。抽出剤は、蒸留水又はアルコール濃度20%以上の水で割ったアルコールである。抽出される原材料及び最終産物上に発生するモールド中に低めのアルコール濃度が得られる。
【0023】
下処理された原材料のローリング
下処理された原材料は、スクリュー式計量供給装置1によって加熱連続ローラ3に供給される。抽出比(2以下の抽出剤:原材料)を保証するために必要な量の加熱された抽出剤が、中間容器2を介してスクリュー式計量供給装置のホッパーに同時に計量供給される。ロール上で、原材料と抽出剤との混合物が加熱される。原材料は剪断変形によって粉砕され、抽出剤と激しく混合され、抽出剤によって予備的に抽出される。剪断変形時の粉砕された原材料による抽出剤吸収により、抽出処置は、ロールによる原材料のプレス加工の開始まで継続する。原材料を粉砕するとき、材料の繊維構造及び膜壁の一部の部分的破壊が起こる。その後、抽出剤による原材料の真空衝撃含浸において、材料構造への抽出剤の拡散が増大し、増強して、抽出可能成分の収率増大につながる。
【0024】
材料の真空衝撃含浸
ロールで加熱され、抽出剤と混合されて得られた初期プレスケーキで満たされる受けネット容器4が、加熱ジャケットを備えた抽出器6の一つの中に設置されている。抽出器は、速応弁19を有する真空ラインによって排気カートと接続されている。装置中、二つの抽出器が処置の連続性を保証すると考えられる。一つの抽出器の中で混合物の加熱が実施されている間、別の抽出器の中で真空排気処理が実施される、またその逆である。加熱された抽出剤は、比(抽出剤:原材料)が4以下になるよう、抽出剤容器9から抽出器に送られる。そして、速やかな真空リリーフが実施され(0.5〜1.0秒間)、混合物は真空排気処理に1〜3分間曝露される。そして、抽出器は大気に接続される。原材料の含浸中、残留ガス及び蒸気が原材料の表面及び内面から除去され、表面積が増し、それが、後続の真空含浸抽出の効率化を可能にする。
【0025】
抽出
作動温度で熱真空衝撃抽出が実施される。
【0026】
ロール上の予備的抽出が、4以下の抽出比で抽出処置を実施することを可能にする。混合物は加熱され、その後、設定パラメータ(真空比、混合物温度、抽出比)にしたがって混合物の衝撃真空排気処理が実施される。受け器17はポンプ18に接続され、ポンプ18は1.3Kpaの真空速度を提供する。
【0027】
受け器から抽出器までの真空ビルドアップの衝撃期間は合計0.5〜1.0秒である。材料の繊維膜構造が部分的に破壊される。抽出可能材料のタイプに依存して、混合物は、1〜5分間、真空曝露される。混合物の激しい沸騰が起こり、抽出剤は、混合物の体積中で沸騰するだけでなく、抽出可能材料の内側でも沸騰し、これが、強い熱及び質量移動ならびに抽出剤の中への材料の移動を伴う。抽出剤は部分的に蒸発し、その結果、混合物の温度が低下し、結果的に沸騰は停止する。混合物の真空曝露が完了すると、速やかな真空リリーフが3秒間実施される(真空ライン21の弁19が閉じられ、大気ラインの弁20が開かれる)。この期間中、抽出材料は材料の構造により深く浸透する。抽出サイクルの回数は原材料のタイプに依存し、3〜5回実施される。
【0028】
抽出物の真空衝撃ろ過
得られた抽出物は、真空によって容器10からネットフィルタ12又はセラミックフィルタ13に送られる。フィルタによる抽出物のろ過は真空衝撃モードで実施される。抽出物は、プレスケーキの残留物を除去され、その後、ろ過物は捕集容器11に送られる。
【0029】
抽出物濃縮
濃縮され、乾燥した抽出物を得るために、抽出物を容器11中で蒸発させる。このために、容器11は、速応弁19を開くことによって真空ラインと接続される。真空ラインからの水は水滴キャッチャ16によって捕らえられる。抽出物の水蒸気は、冷水によって冷却される凝縮器14の中で凝縮され、精油が、冷媒によって冷却される凝縮器14によって捕らえられる。凝縮器からの凝縮物は捕集容器15の中に捕集される。湿潤した濃縮抽出物は、必要な残留水分を得るために、乾燥に送られる。パイプライン及び容器中、抽出物及び抽出剤の輸送は、専用の機械的分配機器を用いることなく、真空によって実施される。
【0030】
植物及び動物原材料の抽出の例を以下に示す。
1.カンゾウの抽出
清浄したカンゾウ根0.5kgをスクリュー式計量供給装置のホッパーに入れた。カンゾウの塊を、40℃の温度に加熱した抽出剤(蒸留水)で覆った(抽出比2)。この混合物をスクリュー式計量供給装置によって加熱ロールに送り、ロールによって混合物の温度を40℃に維持し、3分間ローリングした。さらなる量の加熱された抽出剤を加えた(抽出比4)。ロールから得られた、添加された抽出剤のプレスケーキを、1.3Kpaの残留圧力まで5秒間の衝撃真空排気処理に付し、この圧力に2分間曝露したのち、真空リリーフした。真空処置の間に冷却された塊を40℃、大気圧で3分間加熱した。混合物の加熱、真空ビルドアップ、真空曝露3分間、速やかな真空リリーフ及び大気圧への混合物曝露、を3サイクル実施した。合計抽出時間は15分であった。ろ過ののち得られた抽出物はGOST22840-77「カンゾウ抽出物」の要件を完全に満たした。もっとも近い類似物に比較して、抽出時間は4倍減となり、抽出剤の使用量は1.5倍減となった。
【0031】
2.バラの抽出
ローズヒップ0.5kgをスクリュー式計量供給装置のホッパーに入れ、56℃に加熱した抽出剤(水)で抽出比1.5で覆い、56℃に加熱されたロールによって3分間ローリングした。得られた塊を抽出器に入れ、抽出剤の残留分を加えた(抽出比4)。混合物を、1.3Kpaの残留圧力及び真空ビルドアップ速度で0.5秒間抽出し、2分間真空曝露した。塊を25℃に冷却した。次いで、塊を56℃、大気圧で3分間加熱し、抽出サイクルを繰り返した。抽出サイクル数は3であり、合計抽出時間は20分であった。抽出時間は3倍減となり、抽出剤使用量もまた減少した。得られた抽出物の質はTU9370-022-02068315の要件を完全に満たした。さらに、バラ精油が捕らえられた。
【0032】
3.ゴボウ根(セイヨウキンミズヒキ根)の抽出
清浄し、乾燥させたゴボウ根0.5kgを、スクリュー式計量供給装置のホッパー中、50〜55℃に加熱した抽出剤(蒸留水、抽出比1)で覆い、この混合物をロールに適用した。混合物を5分間ローリングした。この間に、根表面の粘液が破壊され、後続の熱真空衝撃抽出の処置を増強した。得られたプレスケーキを抽出器中で抽出剤の残り部分と混合し(抽出比4)、混合物の衝撃真空排気処理を実施した。0.5秒間の真空ビルドアップ及び3分間の真空曝露ののち、真空リリーフを0.5秒間実施した。次いで、塊を50〜55℃で3分間加熱し、抽出サイクルを繰り返した。合計抽出時間は30分であった。ロール処置は、ゴボウ根抽出の処置を増強することを可能にし、それが抽出時間を5倍減させることにつながった。産物の質はTUを満たした。
【0033】
4.ブタ大脳の抽出
ブタ大脳0.5kgをスクリュー式計量供給装置のホッパーに入れ、37〜39℃に加熱し、抽出剤(水で割ったアルコール、アルコール濃度20%、抽出比1)を何回かに分けて送り出した。混合物を2分間ローリングして均質な塊を得た。塊を入れた容器を抽出器に入れ、抽出剤の残留分を何回かに分けて加えた(抽出比2)。この混合物を0.5秒間衝撃真空排気し、4分間真空曝露したのち、真空リリーフを実施し、混合物を2分間大気圧曝露し、同時に37〜39℃に加熱した。抽出サイクルを4回繰り返した。合計抽出時間は30分であった。セレブロリジンの収率は1.5倍増となった。
【0034】
5.骨材料の抽出
子羊骨(助骨)0.5kgを、50〜55℃に加熱した蒸留水とともに(抽出比2)、加熱ロール上で5分間ローリングした。容器中の徹底的に粉砕された塊を抽出器に入れ、さらなる量の抽出剤(抽出比4)を加えた。塊を衝撃真空排気処理し、4分間真空曝露し、真空リリーフし、4分間大気圧曝露し、同時に塊を50〜55℃に加熱した。抽出サイクルを5回繰り返した。合計抽出時間は30分であった。モールドボックスに注いだのち、冷却されたブロックは形状を維持し、製造ラベルを付けたアルミ箔に包装した。得られた抽出物は、食品産業において使用されているものに比較して1.5倍の成分を含有する飽和骨スープであった。
【0035】
6.魚の抽出
鱗を落とし、カットした新鮮なサケ0.5kgを、37〜38℃に加熱した抽出剤(水で割ったアルコール、アルコール濃度20%、抽出比1)とともに、スクリュー式計量供給装置のホッパーに入れた。次いで、この混合物をロールに適用し、4分間ローリングした。容器中の塊を抽出器に入れ、さらなる量の蒸留水(抽出比2)を加えた。混合物を0.5秒間衝撃真空排気処理し、3分間真空曝露したのち、真空リリーフを実施した。混合物を37〜38℃、大気圧で2分間加熱した。熱真空衝撃サイクルを4回繰り返した。合計抽出時間は20分であった。プレスによるプレス加工ののち、抽出された成分(魚油)の収率は1.4〜1.7倍増となった。
図1