特許第5751719号(P5751719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5751719
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】吸気フィルタ挿入体およびフィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/024 20060101AFI20150702BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20150702BHJP
   B01D 46/00 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   F02M35/024 501G
   B01D46/52 C
   B01D46/00 302
   F02M35/024 501E
   F02M35/024 501F
【請求項の数】21
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-533575(P2012-533575)
(86)(22)【出願日】2010年10月6日
(65)【公表番号】特表2013-507569(P2013-507569A)
(43)【公表日】2013年3月4日
(86)【国際出願番号】EP2010064930
(87)【国際公開番号】WO2011045220
(87)【国際公開日】20110421
【審査請求日】2013年6月4日
(31)【優先権主張番号】102009049170.8
(32)【優先日】2009年10月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】シュタインズ、オリバー
(72)【発明者】
【氏名】メンセン、ヨルグ
(72)【発明者】
【氏名】ヒラリウス、カイ
【審査官】 津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/106588(WO,A1)
【文献】 特開2001−329921(JP,A)
【文献】 特開平11−132117(JP,A)
【文献】 特表2005−524797(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/106589(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/080129(WO,A1)
【文献】 特表2001−500940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/024
B01D 46/00
B01D 46/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の吸気フィルタ挿入体において、
a. 流入側の端面と、該流入側の端面から主流方向に離間した流出側の端面を備えたフィルタエレメントと、
b. フィルタエレメントの側面の周囲を周方向に延伸してフィルタエレメントと接続されたフレームであって、そのシール方向が、主流方向または主流方向と反対方向に向けられている軸シールを支持し、前記吸気フィルタ挿入体の流入側が流出側と気密に分離されるように、前記シールが前記シール方向においてフィルタハウジングのシール面と接触することができるように構成されたフレームと、を備え、
前記フレームは、前記フィルタエレメントの両側に、第1クランプ要素および第2クランプ要素によって前記フィルタエレメントをクランプするための第1接触面および第2接触面を有し、
前記接触面は実質的に前記シール方向とは逆方向に配向され、
前記接触面の各々は高さプロファイルを有し、
前記第1接触面は第1高さプロファイルを有し、前記第2接触面は前記第1高さプロファイルと異なる第2高さプロファイルを有することを特徴とする吸気フィルタ挿入体。
【請求項2】
内燃機関用の吸気フィルタ挿入体において、
a. 流入側の端面と、該流入側の端面から主流方向に離間した流出側の端面を備えたフィルタエレメントと、
b. 前記フィルタエレメントの側面の周囲を周方向に延伸し、前記フィルタエレメントに接続され、フィルタハウジングのシール面にシール方向に押圧される軸シールを有するフレームと、を備え、
前記フレームは、前記フィルタエレメントの両側に、第1クランプ要素および第2クランプ要素によって前記フィルタエレメントをクランプするための第1接触面および第2接触面を有し、
前記接触面の標準的なものは、実質的にシール方向と反対側に配向され、高さプロファイルを有し、
前記第1接触面は第1高さプロファイルを有し、前記第2接触面は前記第1高さプロファイルとは異なる第2高さプロファイルを有するとともに、前記吸気フィルタ挿入体が、特に前記接触面の2つの高さプロファイルに対してそれぞれ逆形状をなしている2つのクランプ要素によってハウジング内でクランプされるように構成されていることを特徴とする吸気フィルタ挿入体。
【請求項3】
前記高さプロファイルの高さは、前記シールによって規定される平面から夫々の前記接触面までの距離として定義されることを特徴とする請求項1または2に記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項4】
実質的に真直ぐまたは僅かに楕円状に曲がった対向する2つの側面に沿った前記高さプロファイルは共通の方向を有し、該共通の方向に沿って前記高さプロファイルが延び、且つ、前記高さが主として増加し、該増加は連続的または階段状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項5】
前記共通の方向が、前記吸気フィルタ挿入体を前記フィルタハウジングに装着する装着方向であることを特徴とする請求項4に記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項6】
前記フレームは、真直ぐまたは僅かに曲がった前記第1および/または第2の側面の領域に、その平面と前記接触面との間のシールによって規定される平面に対して平行に延伸し、且つ前記共通の方向と反対方向に前記高さプロファイルの一部後方を切り取った少なくとも一つの溝を有することを特徴とする請求項4または5に記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項7】
前記フレームは、流入側の端面または流出側の端面の領域に配置され、環状のエンドディスクと接続されるかまたはそれとともに一体的に形成されており、
前記エンドディスクは端面の外側領域を部分的に覆うとともに、貫流開口を有し、
前記エンドディスクには、部分的または全体的に周状に延びる環状のリブがシールの内側に配置され、該リブは、前記エンドディスクから突設し、クランプされていない状態において前記シールのシール面によって規定される面を遮ることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項8】
前記フレームのエンドディスクの平坦面に、第1突起および第2突起が装着方向に配置されることを特徴とする請求項7に記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項9】
前記フレームと反対側の端面の領域における前記吸気フィルタ挿入体の側面に、弾性材料からなる少なくとも2つのスペーサーノブを備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項10】
前記フィルタエレメントは、少なくとも一つの星形に折り畳まれたフィルタ媒体を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項11】
前記フィルタエレメントは、2つの星形に折り畳まれた環状のフィルタ媒体ベローズを備えており、小さい方のフィルタベローズは、大きい方のフィルタベローズの内側にその中心を合わせて配置され、第1端面の領域の前記フレームは、前記大きい方のフィルタ媒体ベローズと気密に接続され、前記第1端面の領域では、小さい方のフィルタ媒体ベローズの内側は完全に塞がれており、第2端面の領域では、前記2つのフィルタ媒体ベローズの端面が互いに気密に接続されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項12】
前記フィルタエレメントは、前記端面の領域において交互に閉塞されている多数の通路を備えた小型空気フィルタエレメントであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項13】
前記フィルタエレメントは、矩形状のジグザグに折り畳まれたフィルタエレメントであり、前記フィルタエレメントの端面が折り端によって形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載された吸気フィルタ挿入体と、
濾過される媒体の流入領域および流出領域を備えたフィルタハウジングと、を備えたフィルタ装置であって、
前記流入領域または流出領域は、前記吸気フィルタ挿入体のシールと対応する環状のシール面を備えた収容領域を有することを特徴とするフィルタ装置。
【請求項15】
ハウジング側には、前記主流方向に対して垂直をなす装着方向に、前記吸気フィルタ挿入体を前記ハウジングに挿入自在とする装着口が形成され、
前記装着口は蓋によって閉塞自在であり、該蓋には前記フィルタハウジング内側に突出した2つのクランプブラケットが設けられており、
前記第1クランプブラケットは前記吸気フィルタ挿入体の第1側面に沿って延びるとともに、前記第2クランプブラケットは前記吸気フィルタ挿入体の第2側面に沿って延び、該2つのクランプブラケットは、収容領域に向かう方向に配向されたクランプ面を有し、
前記夫々のクランプ面は高さプロファイルを有し、該高さプロファイルは、前記フレームに設けられた前記接触面の対応する高さプロファイルと対応するとともに、それらに対して逆形状をなし、
前記蓋が装着され、前記クランプブラケットが前記フィルタハウジング内に完全に突出した時に、前記吸気フィルタ挿入体のシールが前記ハウジングのシール面に押し付けられ、これにより前記吸気フィルタ挿入体が前記ハウジング内に固定されるように、前記クランプブラケットが前記吸気フィルタ挿入体の対応する前記接触面に力を供給することを特徴とする請求項14に記載のフィルタ装置。
【請求項16】
前記ハウジング壁に設けられ、前記収容領域に向かう方向に向けられた支持平面を有する2つのハウジング拡張部を備え、前記支持平面は、前記クランプ面とは反対側に位置する前記クランプブラケットの支持平面に支持されることを特徴とする請求項15に記載のフィルタ装置
【請求項17】
前記フィルタハウジングにおいて、前記フィルタハウジングの側面に設けられるとともに、前記フィルタハウジングの底を起点として装着口に向かう方向に延びる少なくとも一つのリブを備え、前記リブは、前記吸気フィルタ挿入体を装着する際に、前記吸気フィルタ挿入体の溝と係合することを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項18】
前記フィルタハウジングの内側は両側壁がそれぞれに傾斜した外殻形状をなし、その傾斜面は前記収容領域に向いており、前記傾斜面と前記収容領域との離間距離は装着方向に向かって小さくなっており、前記吸気フィルタ挿入体を装着する際に、前記ハウジングのリブが前記吸気フィルタ挿入体の溝と係合可能となるよう前記吸気フィルタ挿入体が位置決めされるように、前記エンドディスクの突起が前記傾斜面によって前記収容領域に向かって案内されることを特徴とする請求項14から17のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項19】
前記装着口は、前記吸気フィルタ挿入体の前記フレームが収容される収容領域側の前記ハウジングの側壁の方が、前記吸気フィルタ挿入体の他の端面の領域よりも深く切り開かれていることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項20】
前記フィルタハウジングはシール面の内側に開口を有し、該開口は、前記フィルタエレメントが、装着方向に向けて完全に前記フィルタハウジングに装着された時に、前記吸気フィルタ挿入体のエンドディスク上を部分的または完全に周方向に延びる前記環状のリブを囲むようにデザインされたことを特徴とする請求項14から19のいずれかに記載のフィルタ装置。
【請求項21】
請求項14から20のいずれかに記載のフィルタ装置の製品群であって、蓋、請求項1から13のいずれかに記載の吸気フィルタ挿入体、及び、ハウジングを有し、
前記吸気フィルタ挿入体のフィルタエレメントは、以下の特徴a〜c:
a. 前記フィルタエレメントの溝は、前記フィルタエレメントの両側または片側に備えられるか、またはいずれにも備えられておらず;
b. 前記フィルタハウジングのリブは、前記ハウジングの両方の側壁または片方の側壁に備えられるか、またはいずれにも備えられておらず;
c. 少なくとも一つの前記クランプ面および前記フィルタエレメントの対応する一つの接触面は、前記製品群の他のフィルタ装置の高さプロファイルとは異なる高さプロファイルを有する;
の組み合わせがそれとともに夫々に関連づけられたものであることを特徴とするフィルタ装置の製品群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の吸気フィルタ挿入体、および請求項13のフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DE 198 49 089 A1は、実質的に星形に折り畳まれたフィルタ材料からなるハウジング内に配置されたフィルタエレメントだけでなく、ローエア流入口およびクリーンエア流出口が形成されたハウジングも備えた、特に内燃機関の吸気用のフィルタを開示する。ハウジングは、2段または3段構造であり、円筒状のハウジング壁、脱着自在に接続されたカップおよびクリーン空気側のカバーから構成されている。
【0003】
WO2008/080129 A1は、複数の平面および傾斜部を両面に有するフレームを備えた吸気フィルタ挿入体を開示するが、異なるタイプのフィルタエレメントおよびフィルタ媒体に関して、それらを可変とする使用方法は提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、管理可能な方法で変更可能なように、類似する構造のフィルタ装置をデザインすること、特に、種々のフィルタエレメントに対して同じハウジング構造を使用することができ、同時に、一定の特性を有するフィルタエレメントだけが使用されるのを保証するように、類似する構造のフィルタ装置をデザインすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る吸気フィルタ挿入体は、
a. 流入側の端面および流出側の端面を備え、前記流入の端面と前記流出側の端面との直進的な接続は、特にフィルタ装置の全体に対するマクロ的な主流方向と一致するフィルタエレメントと、
b. フィルタエレメントの側面の周囲を周方向に延伸してフィルタエレメントと接続されるとともに、そのシール方向が、主流方向または主流方向と反対方向に向けられている軸シールを支持し、吸気フィルタ挿入体の流入側が流出側と気密に分離されるように、前記シールがシール方向においてフィルタハウジングのシール面と接触することができるように構成されたフレームと、を備え、
前記フレームは、前記端面のある領域において、フィルタエレメントの両側に第1クランプ要素および第2クランプ要素によってフィルタエレメントをクランプする第1接触面および第2接触面を有し、該接触面は実質的に前記シール方向とは逆方向に配向され、前記接触面は前記側面に沿って延びる別々の高さプロファイルを有している。
【0006】
本発明はさらに吸気フィルタ挿入体、特に本発明によるエレメント装置に使用される内燃機関用の流入空気吸気フィルタ挿入体に関し、
a. 特にローエア流れが案内される流入側の端面および作動時に浄化された空気がフィルタエレメントを離れる流出側の端面を備えたフィルタエレメントと、
b. 貫流されないフィルタエレメントの側面の周囲を周方向に延伸し、フィルタエレメントに接続され、フィルタハウジングのシール面にシール方向に押圧される軸シールを有するフレームと、を備え、
前記フレームは、フィルタエレメントの両側に第1クランプ要素および第2クランプ要素によって吸気フィルタ挿入体をフィルタハウジング内でクランプする第1接触面および第2接触面を有し、前記接触面の標準的なものは、実質的にシール方向と反対側に配向され、高さプロファイルを有し、
前記第1接触面は第1高さプロファイルを有し、前記第2接触面は前記第1高さプロファイルとは異なる第2高さプロファイルを有し、
前記吸気フィルタ挿入体は、特に2つのクランプ要素によってハウジング内でクランプされるように構成されており、該クランプ要素は、前記2つの高さプロファイルに対してそれぞれ逆形状をなしている。
【0007】
この点において、前記シール方向とは、シール作用を生成するために軸シールがシール面に押圧される方向である。
【0008】
本発明による吸気フィルタ挿入体は、異なるこのような吸気フィルタ挿入体が、例えば異なるフィルタ媒体を備えても良く、したがって、収塵容量、差圧、耐湿性、耐炎性に関して異なる性能特性を有していても良い点において有利である。個々のフレーム、および対応する個々のクランプ要素を備えることもでき、全ての変形物において、同じハウジング構造を使用することができる。
【0009】
このように、同じハウジングを使用することができるフィルタ装置の変形物を最小の経費で形成することができる。それぞれの変形物では、フレームジオメトリおよびクランプエレメントのジオメトリの個々の組み合わせを採用することができる。
【0010】
好適には、このようにして、規定された発明の目的のためにクランプエレメントの形状を予め規定することによって、ある特性を備えたフィルタエレメントだけが採用されることを保証することができる
【0011】
例えば、本発明による吸気フィルタ挿入体によって吸気が浄化される内燃機関のために、指定された用途において十分な耐湿性を有するフィルタ媒体が使用されたフィルタエレメントだけが使用されることを保証することができる。したがって、機械、駆動装置の異なる使用場面および使用条件に単純に適応させることも可能であり、それぞれの周辺環境において、最適な濾過性能を達成することができる。
【0012】
クランプエレメントだけを適合させ、フィルタ装置をそれぞれの境界条件に対して使用現場にて適応させることは、特に有利である。
【0013】
一実施形態では、シール方向は主流方向に配向されている。すなわち、シールは主流方向に押圧される。他の実施形態では、シール方向は、主流方向の反対向きである。
【0014】
一実施形態では、高さプロファイルの高さは、吸気フィルタ挿入体のシールによって規定される平面からそれぞれの接触面部までの離間距離として定義される。
【0015】
一実施形態では、高さプロファイルは、一つのセクションでは吸気フィルタ挿入体の流出側の端面に対して角度を持って延伸し、隣のセクションでは吸気フィルタ挿入体の流出側の端面に対して平行に延伸する少なくとも2つの隣接するセクションを有している。加えて、または代わりとして、円セクションや放物線セクションや他のカーブ形状などの非連続的な傾斜を有するセクションを採用することもできる。
【0016】
一実施形態では、高さプロファイルは、対向する2つの吸気フィルタ挿入体の側面に沿った好ましい共通の方向を有しており、その高さは好ましい方向に沿って主として連続的にまたはいくつかの階段状に高さが大きくなっている。
【0017】
一実施形態によれば、好ましい方向とは、吸気フィルタ挿入体がフィルタハウジングに装着される装着方向と定義される。
【0018】
一実施形態では、フレームは、前記第1および/または第2の側面の領域に、組立ての間に吸気フィルタ挿入体を位置決めするための少なくとも一つの溝を有しており、この溝は、シールによって規定される平面と接触面との間にて、該平面に対して平行に延伸し、且つ好ましい方向と反対方向に高さプロファイルの一部後方を切り取っている
【0019】
溝は、フィルタハウジングの側壁のリブによって形成される舌部との相互作用によって、吸気フィルタ挿入体をフィルタハウジングに装着した時に、装着工程の終わりにおいてフィルタエレメントが傾いたり回転するのを防ぐよう、吸気フィルタ挿入体をフィルタハウジング内側の最適な位置に案内するにおいて有利である。
【0020】
また、ある吸気フィルタ挿入体の変形物では、ある方の側だけに溝が設けられていても良い。こうすれば、異なるフィルタハウジングの追加的な変形物もまた、リブを切除することで、したがって単純な方法でその幾何形状を順応させることができる。例えば、耐湿性が要求される場合は、主として一方の側にリブを設けるとともに、耐湿性が要求されない場合は、この側には溝を設けないようにすることができる。また同時に、フレームおよびクランプ要素の異なる幾何形状によって、対火性などの更なる特の区別を達成することもできる。
【0021】
更なる実施形態によれば、フレームは、流入側の端面または流出側の端面の領域に配置され、環状のエンドディスクと接続されている。エンドディスクは端面の外側領域を部分的に覆うとともに、そこを通って流体が流れる貫流開口を有している。エンドディスクには、部分的または全体的に周状に延びる環状のリブがシールの内側に配置され、該リブは、エンドディスクから突出し、クランプされていない状態においてシールのシール面によって規定される面を遮る。環状は、円形状、楕円形状、または卵形状とすることもできる。周状に延びるリブは、ハウジングの内側のシール面に設けられた開口に嵌め込まれ、開口に囲まれるように形成される。
【0022】
これは、吸気フィルタ挿入体を装着する際、ハウジング内壁のシール面に付着している粒子がシールによって引き剥がされてクリーンサイドに到達するのを防ぐことができるように、シール、装着工程における初期の大部分にわたって、シール面と接触しないか僅かに接触するだけである、という点において有利である
【0023】
更なる好ましい実施形態では、環状に延びるリブは、ハウジング蓋に面する領域において増大されたさを備えている。この領域は、他の領域よりも、ハウジングのシール面内側の開口に深くまで進入する吸気フィルタ挿入体をハウジング内底から上に向かってオーパーヘッド配置で装着した時に、その高くなっている部分が、吸気フィルタ挿入体が完全に挿入されると直ぐに開口に支持されて、吸気フィルタ挿入体が脱落するのを防止する。このように、吸気フィルタ挿入体後で外される吸気フィルタ挿入体を固定するハウジング蓋は、手動で所定位置に固定せずとも順に装着することができるので、組み立て性が向上する。
【0024】
代わりに、周状に延びるリブがシールの外側に配置されていてもよい。この場合は、ハウジングのシール面の外側に、凹部または溝が設けられる必要がある。
【0025】
一実施形態では、接触面に隣接し、突出した環状のシール面を超えて装着方向に伸びるように、フレームに第1突起および第2突起が配置される。これらの突起は、ハウジングの内部の2つの側面にそれぞれ設けられているランプの輪郭と相互的に作用する。ランプの表面は、収容領域に向かって配向されており、ランプの表面から収容領域までの離間距離は、装着方向に向かって小さくなっている。このフレームの突起は、吸気フィルタ挿入体を装着する際に、ハウジングのリブが吸気フィルタ挿入体の溝と係合するように吸気フィルタ挿入体が位置決めされるよう、ランプの表面によってシール面に向かう方向に案内される。
【0026】
これは、案動作が擦抵抗を増加させることなく、可能な遊び量を徐々に減少させながら、最終位置に向かって段階的に吸気フィルタ挿入体が装着時に段階的に案内される点において有利である。また、組立工程の始めにおいて、極めて高い位置決め精度が要求されない。また、装着時に吸気フィルタ挿入体が傾く危険性が減少し、クランプ要素が、完全に装着された状態におけるルーズな位置と、クランプして気密にシールされた状態における作動位置との間の大きな隔たりを克服する必要がないように、吸気フィルタ挿入体が予め位置決めされる。
【0027】
一実施形態では、吸気フィルタ挿入体は、フレームと反対側の端面の領域における吸気フィルタ挿入体の側面に、弾性材料からなる少なくとも2つのスペーサーノブを備えている。これらは、好適には、装着状態においてハウジング内における吸気フィルタ挿入体を無振動で支持するようにデザインされる。
【0028】
本発明による吸気フィルタ挿入体は、異なるタイプおよび構造のフィルタエレメントを備えることができる。
【0029】
一実施形態では、フィルタエレメントは、少なくとも一つの星形に折り畳まれたフィルタ媒体を備え、該フィルタ媒体の端面が、フィルタエレメントの流入側および流出側の端面を形成している。
【0030】
好適な一実施形態では、フィルタエレメントは、2つの星形に折り畳まれた環状のフィルタ媒体ベローズを備えており、小さい方のフィルタベローズは、大きい方のフィルタベローズの内側にその中心を合わせて配置され、第1端面の領域のフレームは、大きい方のフィルタ媒体ベローズと気密に接続され、第1端面の領域では、小さい方のフィルタ媒体ベローズの内側は完全に塞がれており、第2端面の領域では、2つのフィルタ媒体ベローズの端面が互いに気密に接続されている。
【0031】
この点について、一実施形態の外側のフィルタ媒体ベローズでは、外側から内側に貫流し、内側のフィルタ媒体ベローズでは、内側から外側に貫流する。この実施形態では、吸気フィルタ挿入体のフレームおよびシールは、フィルタエレメントの流出側の端面の領域に配置される。代わりに、流れ方向を逆向きにしたものも考えられる。
【0032】
一実施形態では、フィルタエレメントは、端面の領域において交互に閉塞されている多数の通路を備えた小型空気フィルタエレメントであり、とりわけ、平坦状のフィルタ媒体と波状のフィルタ媒体とが交互に積層されることで形成されている。
【0033】
一実施形態では、フィルタエレメントは、矩形状のジグザグに折り畳まれたフィルタエレメントであり、フィルタエレメントの端面が折り端によって形成されている。
【0034】
さらに本発明はフィルタ媒体とエンドディスクを備えた吸気フィルタ挿入体に関する。エンドディスクには、周状に延びる軸シールまたはラジアルシールが設けられとともに、エンドディスクは、後述する周状の延びるリブを備えている。このフィルタエレメントのさらなる構造は、請求項7から12における個々の特徴の組み合わせによってもたらされる。
【0035】
本発明はさらに、記載された一実施形態の吸気フィルタ挿入体と、濾過される媒体の流入領域および流出領域を備えたフィルタハウジングと、を備えたフィルタ装置であり、流入領域または流出領域は、吸気フィルタ挿入体のシールと対応する環状のシール面を備えた収容領域を有している。
【0036】
一実施形態では、ハウジング側には、主流方向に対して垂直をなす装着方向に、吸気フィルタ挿入体を前記ハウジングに挿入自在とする装着口が形成されている。この点について、装着口は蓋によって特に気密に閉塞自在であり、蓋にはフィルタハウジング内側に突出した2つのクランプブラケットが設けられており、第1クランプブラケットは吸気フィルタ挿入体の第1側面に沿って延びるとともに、第2クランプブラケットは吸気フィルタ挿入体の第2側面に沿って延びている。2つのクランプブラケットは、収容領域に向かう方向に配向されたクランプ面を有し、夫々のクランプ面は高さプロファイルを有し、高さプロファイルは、フレームに設けられた前記接触面の対応する高さプロファイルと対応するとともに、それらに対して逆形状をなしている。蓋が装着され、クランプブラケットが前記フィルタハウジング内に完全に突出した時に、吸気フィルタ挿入体のシールがハウジングのシール面に押し付けられ、これにより吸気フィルタ挿入体がハウジング内に固定されるように、クランプブラケットが吸気フィルタ挿入体の対応する接触面に力を供給する。
【0037】
一実施形態では、収容領域に向かう方向に向けられた、クランプ面と反対側に位置するクランプブラケットの支持平面を支持する支持平面を有する、ハウジング壁に設けられた2つのハウジング拡張部を備えている。
【0038】
フィルタ装置の一実施形態では、フィルタハウジングにおいて、フィルタハウジングの側面に設けられるとともに、フィルタハウジングの底を起点として装着口に向かう方向に延びる少なくとも一つのリブを備え、リブは、吸気フィルタ挿入体を装着する際に、吸気フィルタ挿入体の溝と係合する。
【0039】
一実施形態では、フィルタハウジングの内側は両側壁がそれぞれに傾斜した外殻形状を有し、その傾斜面は収容領域に向いており、傾斜面と収容領域面との離間距離は装着方向に向かって小さくなっており、吸気フィルタ挿入体を装着する際に、ハウジングのリブが吸気フィルタ挿入体の溝と係合可能となるよう吸気フィルタ挿入体が位置決めされるように、エンドディスクの突起が傾斜面によって収容領域に向かって案内可能となっている。
一実施形態では、装着口は、吸気フィルタ挿入体のフレームが収容される収容領域側のハウジングの側壁の方が、吸気フィルタ挿入体の他の端面の領域よりも深く切り開かれている。
【0040】
一実施形態では、流入側の装着口は、吸気フィルタ挿入体がハウジング内で傾いた時に吸気フィルタ挿入体が接触するとともに、内側に向かって突設された傾斜リブが設けられた弓部材によってその形状が定められる。このようにして、取り外しの際に吸気フィルタ挿入体が弓部材に引っ掛かるのが防止される。
【0041】
一実施形態では、フィルタハウジングはシール面の内側に開口を有し、開口は、フィルタエレメントが、装着方向に向けて完全にフィルタハウジングに装着された時に、吸気フィルタ挿入体のエンドディスク上を部分的または完全に周方向に延びる環状のリブを囲むようにデザインされている。
【0042】
本発明はまたフィルタ装置に製品群に関し、種々の蓋および本発明の吸気フィルタ挿入体を備えた種々のハウジングを有し、
種々のフィルタエレメントは、以下の特徴a〜c:
a. フィルタエレメントの溝は、フィルタエレメントの両側または片側に備えられるか、またはいずれにも備えられておらず;
b. フィルタハウジングのリブは、2つのハウジング壁の両方の側壁または片方の側壁に備えられるか、またはいずれにも備えられておらず
c. 少なくとも一つのクランプ面およびフィルタエレメントの対応する一つの接触面は、製品群の他のフィルタ装置の高さプロファイルとは異なる高さプロファイルを有する;
の組み合わせがそれとともに夫々に関連づけられたものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明による吸気フィルタ挿入体1の実施形態を示している。
図2】本発明によるフィルタ装置のハウジングを示している。
図3】本発明によるフィルタ装置のハウジングの蓋を示している。
図4】本発明によるサイクロン型のフィルタ装置の実施形態の部分断面を示している。
図5】本発明による吸気フィルタ挿入体の断面を示している。
図6】本発明による吸気フィルタ挿入体の更なる断面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1および図5は、本発明による吸気フィルタ挿入体1の実施形態を示している。この実施形態では、フィルタエレメント6の流出側の端面3には、軸方向に作用するシール5を支持するフレーム4が配置されている。フィルタエレメント6は、2つの星形に折り畳まれた環状のフィルタ媒体ベローズ6aおよび6bとから構成されている。フィルタ媒体ベローズの夫々は、互いに対向する2つの真直ぐで平行な部分を備えた楕円形状の断面を有している。小さいフィルタ媒体ベローズ6aは、大きいフィルタ媒体ベローズ6bで囲まれた環状の空間内にその中心を合わせて配置される。フィルタ媒体ベローズ間には、濾過される媒体が通って流れる流れ通路7が備えられている
【0045】
フィルタエレメント6の流出側の端面3の領域において、流れ通路7は、フィルタエレメント6の流出口を備えている。一方、流入側の端面2では、フィルタ媒体ベローズ6a、6bが互いに接続されてしっかりとシールされている。小さいフィルタ媒体ベローズ6aの内側は、流出側の端面3の領域において、エンドディスクや類似の構造要素によって気密に塞がれている。
【0046】
このように、大きいフィルタ媒体ベローズ6bでは外側から内側に貫流し、小さいフィルタ媒体ベローズ6aでは内側から外側に貫流する。このように、吸気フィルタ挿入体1によって流れの偏向が達成され、流入の端面と流出側の端面とを接続することによって規定される主流方向8から流れがそれるようになっている。
【0047】
フレーム4は、流出側の端面3の領域において、フィルタエレメント6の側面を取り囲んでおり、真直ぐな(またはほんの僅かに曲がった)フィルタエレメント6の側面9に沿って延伸する4つの突起部材によって、矩形断面を形成している。
【0048】
フィルタエレメント6の真直ぐな両側面9に沿って、フレームはハウジング内の吸気フィルタ挿入体を夫々固定する接触面10を有している。接触面は、シール方向および主流方向8に対向して配置されている。
【0049】
接触面10は、側面9に沿って高さプロファイルを有している。接触面は、この高さプロファイルのある領域において、主流方向に対して平行でなく、表面に対して角度をもって位置する垂直面を有している。図示した実施形態では、高さプロファイルは、流出側の端面3に対して平行に延びる平面部と、真直ぐな側面9に沿って装着方向にはっきりと傾斜する傾斜部をさらに有しており、流出側の端面に対する接触面の高さまたは距離は増加している。このように装着方向とは、高さが主として増加する好ましい方向と定義される。
【0050】
接触面は、フィルタハウジングのクランプ要素と接触可能なようにデザインされている。クランプ要素は高さプロファイルを有しクランプ要素の高さプロファイルは、搭載状態において高さプロファイル間に明確な閉止動作が生じるように、接触面の高さプロファイルと対応している。フィルタエレメント6の真直ぐな側面に沿った2つの高さプロファイルは、その両側において、異なる対応形状を備えたクランプ要素が採用されるべく、夫々幾何的な形状が異なっている。
【0051】
本発明による吸気フィルタ挿入体の一実施形態では、接触面には、階段状に設けられたいくつかの傾斜部または平面部が、交互にまたは順々に配置されている。これは、装着過程の最後においてのみ、対応する吸気フィルタ挿入体の接触面の平面部とクランプブラケットのクランプ面とが互いにもたれあう点で好適である。このように、シールのクランプに必要な力は、装着過程の最後にだけ生み出される。このように、吸気フィルタ挿入体の装着に必要な力の最小化が達成される。また、摩擦熱によって融着する危険性が最小化されるように、互いの表面が擦れる距離は極めて小さくなる。
【0052】
一実施形態では、接触面の平面部は、フィルタエレメントのどちら側においても、同じ高さだが装着方向に位置が異なる階段状に形成することができる。
【0053】
フレーム4には、装着方向11での端から延び、シール5によって規定される平面に対して平行に延伸する溝28が、流出側の端面3と接触面10との間に形成されている。それらは、吸気フィルタ挿入体を搭載する際に傾斜する危険性が減少するように、ハウジングに備えられている舌のような形をしたリブと係合可能となっている。
【0054】
流出側のフィルタエレメント6の端面3では、フレーム4は、大きいフィルタ媒体ベローズ6bを覆うエンドディスク12を形成する。このエンドディスク12には、大きいフィルタ媒体ベローズ6bの外郭形状と整合する軸方向に作用するシール5が配置されている。シールの内側には、周状に延びるリブ13が設けられている。リブ13は、エンドディスク12から軸方向に突出しそして、特にシールまで等しい距離で、流れ通路7の周りをびている。
【0055】
装着方向11でのフレームの端では、環状のリブ13は低くなっており、その反対側では、周状のリブ13は残りの領域よりも高くなっている。この点につきリブ13は、低くなっている領域を除いて、シールを通り越して突出している。したがって、未変形状態においてシールの接触面によって規定される平面は、周状に延びるリブ13によって遮られる。
【0056】
本発明による一実施形態では、フレームは、装着方向11とは反対側である吸気フィルタ挿入体の端に、2つの案内突起14を有している。2つの案内突起14は、主流方向とは反対側に向かってエンドディスク12から延伸し、フレームの隣接する領域よりも、真直ぐな側面またはそれらの仮想延長面から大きい距離を有する。これらの案内突起は、クランプブラケットが傾いたりすることなく真直ぐ装着されるように、吸気フィルタ挿入体の装着の際、クランプブラケットを案内する役割を果たす。また突起は、吸気フィルタ挿入体が特に吸気フィルタ挿入体の意図した装着方向と反対側の方向に搭載されるのを防いでも良い。
【0057】
入側のフィルタ媒体ベローズ6a、6bの端面は、例えば発泡ポリウレタン(foamed PUR)などの弾性材料のエンドディスク15によって互いに気密に接続されており、これにより端面が完全にシールされる。このエンドディスクは、吸気フィルタ挿入体の端部領域だけでなく真直ぐな側面9の領域にも、ハウジング内の吸気フィルタ挿入体の柔軟な耐振動性サポートを確保する一体に形成されたスペーサーノブ16を有している。
【0058】
図2は、本発明によるフィルタ装置のハウジング17を示している。上側の領域において、フィルタハウジングは、装着方向11において上から下に吸気フィルタ挿入体1が挿入される装着口18を有している。図2に示されている装着口は、図3に示されている蓋19によって閉塞可能になっている。ハウジング17には、蓋19に接続されているクランプブラケット21が挿入される2つのハウジング拡張部20が設けられている。
【0059】
クランプブラケットは、対応する吸気フィルタ挿入体1の接触面10の高さプロファイルにしっかりとロッキング係合される高さプロファイルをそれぞれ有するクランプ面22を備えている。対応する高さプロファイルは、それぞれ、互いに逆形状(counter-shape)に形成されている。図示された実施形態では、それぞれの高さプロファイルは、装着された状態で互いにもたれ合う傾斜部および直線部を有している。
【0060】
一実施形態では、装着口は流入側の弓部材38によってその形状が定められ、弓部材38には傾斜リブ37が設けられている。傾斜リブ37は、内側に向かって突設され、吸気フィルタ挿入体1がハウジング内で傾いた時に吸気フィルタ挿入体1が衝突するこのようにして、取り外しの際に吸気フィルタ挿入体が弓部材38に引っ掛かるのが防止される。
【0061】
ハウジング拡張部20には、シール面23の反対側に、対応する支持平面25においてクランプブラケット21を支持する支持平面24が設けられている。シール面に隣接する内部では、狭い空間における吸気フィルタ挿入体1の装着を容易にするために、装着口18が下方、すなわち装着方向に向かって凹んでいる。代わりの実施形態では、ハウジングの支持平面24およびクランプブラケット21の対応する支持平面25は、クランプ面22のために提案されたプロファイルの一つを備えていても良い。
【0062】
主流方向には、シール面の内側およびそれに隣接して、二次的な空気フィルタエレメント33の装着空間26がある。装着空間26の開口は、吸気フィルタ挿入体1の周方向に延びるリブ13を収容でき、且つ該リブをとりわけ幅1−5mmの隙間をもって取り囲むように、幾何学的に具現化される。緩く装着され、まだクランプされていない吸気フィルタ挿入体は、オーバーヘッド配置しても脱落が防止される。
【0063】
装着空間26には、クリーンエア流出口27が隣接している。
図4は、吸気フィルタ挿入体がクランプされてしっかりと固定された本発明によるフィルタ装置の実施形態の部分断面を示している。すなわち、クランプブラケット21は、吸気フィルタ挿入体の接触面10およびハウジング拡張部20の支持平面に沿って支持作用を提供するので、クランプブラケット21が装着される際に、シール5が圧縮される。
【0064】
ハウジングのリブ29は、フレーム4の溝28に遊びを持って係合されている。吸気フィルタ挿入体をハウジング17に装着する際に、装着過程の初期では、周状のリブ13がシール面23の上部領域に支えられているので、シール5はシール面23から離間している。更に装着を進めると、吸気フィルタ挿入体の装着時に利用される遊びの動き、例えば凹んでいる装着口18による遊びの動きは、吸気フィルタ挿入体が傾くのを防ぐために制限される。
【0065】
これは、フレームに設けられ装着方向11に向かって延びる案内突起31が、更に装着を進めた際に、装着過程の終わりの直前において、吸気フィルタ挿入体1をシール面23に向かう方向に移動させる案内ランプ32の少なくとも一つと衝突することで、達成される。
【0066】
その後、ハウジングのリブ29が、フレームの溝28と係合する。一方では、ハウジング17内で吸気フィルタ挿入体が傾く可能性が小さくなるまで吸気フィルタ挿入体の動きの自由は制限されるが、他方では、シール5が折れ曲がったり、傾いたりする危険性小さくなるように、シール面に対しシールを早まって押圧しないようにするための十分な遊びが利用可能となっている。装着過程の終わりには、周状リブ13の高い部分は、二次的空気フィルタエレメントの装着空間26と係合することで、オーバーヘッド搭載の場合において、蓋が装着される前に吸気フィルタ挿入体が脱落してしまうのを防止する。
【0067】
吸気フィルタ挿入体1を予め配置した後、クランプブラケットが傾く危険性が減少するように、先ずクランプブラケットが案内突起14によって案内され、蓋19が装着される。クランプブラケット21のクランプ面22が吸気フィルタ挿入体の接触面10に接触すると直ぐに、吸気フィルタ挿入体がシール面23の方向に移動され、フィルタ装置のローサイドクリーンサイドと気密に分離されるように、シールがシール面23に押圧される。
【0068】
一実施形態では、フィルタ装置は、図4に示したように、流入側に予分離器を備えている。予分離器は、いくつかの小さい別々のサイクロンを備えた2段サイクロンブロック30を有している。
【0069】
図6は、図4に対してハッチングが施されたフィルタ装置に収容された、本発明の吸気フィルタ挿入体の実施形態の詳細断面を示している。断面に表されている装着空間26には、装着空間において液密に二次的フィルタエレメント33をクランプする周状のラジアルシールを備えた、二次的フィルタエレメント33が設けられている。
【0070】
吸気フィルタ挿入体1の周状のリブは、装着空間26と係合する。また、シール5がシール面に押圧される。この実施形態では、そのシール方向は、主流方向8と一致している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6