【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る吸気フィルタ挿入体は、
a. 流入側の端面および流出側の端面を備え、前記流入
側の端面と前記流出側の端面との直進的な接続は、特にフィルタ装置の全体に対するマクロ的な主流方向と一致するフィルタエレメントと、
b. フィルタエレメントの側面の周囲を周方向に延伸してフィルタエレメントと接続されるとともに、そのシール方向が、主流方向または主流方向と反対方向に向けられている軸シールを支持し、
吸気フィルタ挿入体の流入側が流出側と気密に分離されるように、前記シールがシール方向においてフィルタハウジングのシール面と接触することができるように構成されたフレームと、を備え、
前記フレームは、
前記端面のある領域において、フィルタエレメントの
両側に第1クランプ要素および第2クランプ要素によってフィルタエレメントをクランプする第1接触面および第2接触面を有し、該接触面は実質的に前記シール方向とは逆方向に配向され、
前記接触面は前記側面に沿って延びる別々の高さプロファイルを有している。
【0006】
本発明はさらに
吸気フィルタ挿入体、特に本発明によるエレメント装置に使用される内燃機関用の流入空気
吸気フィルタ挿入体に関し、
a. 特にローエア流れが案内される流入側の端面および作動時に浄化された空気がフィルタエレメントを離れる流出側の端面を備えたフィルタエレメントと、
b.
貫流されないフィルタエレメントの側面の周囲を周方向に延伸し
、フィルタエレメントに接続され、フィルタハウジングのシール面にシール方向に押圧される軸シールを有するフレームと、を備え、
前記フレームは、フィルタエレメントの
両側に第1クランプ要素および第2クランプ要素によって
吸気フィルタ挿入体をフィルタハウジング内でクランプする第1接触面および第2接触面を有し、前記接触面の標準的なものは、実質的にシール方向と反対側に配向され、高さプロファイルを有し、
前記第1接触面は第1高さプロファイルを有し、前記第2接触面は前記第1高さプロファイルとは異なる第2高さプロファイルを有し、
前記
吸気フィルタ挿入体は、特に2つのクランプ要素によってハウジング内でクランプされるように構成されており、該クランプ要素は、前記2つの高さプロファイルに対してそれぞれ逆形状をなしている。
【0007】
この点において、前記シール方向とは、シール作用を生成するために軸シールがシール面に押圧される方向である。
【0008】
本発明による
吸気フィルタ挿入体は、異なるこのような
吸気フィルタ挿入体が、例えば異なるフィルタ媒体を備えても良く、したがって、収塵容量、差圧、耐湿性、耐炎性に関して異なる性能特性を有していても良い点において有利である。個々のフレーム、および対応する個々のクランプ要素を備えることもでき、全ての変形物において、同じハウジング構造を使用することができる。
【0009】
このように、同じハウジングを使用することができるフィルタ装置の変形物を最小の経費で形成することができる。それぞれの変形物では、フレームジオメトリおよびクランプエレメントのジオメトリの個々の組み合わせを採用することができる。
【0010】
好適には、
このようにして、規定された発明の目的
のために、
クランプエレメントの形状を予め規定することによって、ある特性を備えたフィルタエレメントだけが採用される
ことを保証することができる。
【0011】
例えば、本発明による
吸気フィルタ挿入体によって
吸気が浄化され
る内燃機関
のために、指定された用途において十分な耐湿性を有するフィルタ媒体が使用されたフィルタエレメントだけ
が使用されることを保証することができる。したがって、機械、駆動装置の異なる使用場面および使用条件に単純に適応させることも可能であり、それぞれの周辺環境において、最適な濾過性能を達成することができる。
【0012】
クランプエレメントだけを適合させ、フィルタ装置をそれぞれの境界条件に対して使用現場にて適応させることは、特に有利である。
【0013】
一実施形態では、シール方向は主流方向に配向されている。すなわち、シールは主流方向に押圧される。
他の実施形態では、シール方向は、主流方向の反対向きである。
【0014】
一実施形態では、高さプロファイルの高さは、
吸気フィルタ挿入体のシールによって規定される平面からそれぞれの接触面部までの離間距離として定義される。
【0015】
一実施形態では、高さプロファイルは、一つのセクションでは
吸気フィルタ挿入体の流出側の端面に対して角度を持って延伸し、隣のセクションでは
吸気フィルタ挿入体の流出側の端面に対して平行に延伸する少なくとも2つの隣接するセクションを有している。加えて、または代わりとして、円セクションや放物線セクションや他のカーブ形状などの非連続的な傾斜を有するセクションを採用することもできる。
【0016】
一実施形態では、高さプロファイルは、対向する2つの
吸気フィルタ挿入体の側面に沿った好ましい共通の方向を有しており、その高さは好ましい方向に沿って主として連続的にまたはいくつかの階段状に高さが大きくなっている。
【0017】
一実施形態によれば、好ましい方向とは、
吸気フィルタ挿入体がフィルタハウジングに装着される装着方向と定義される。
【0018】
一実施形態では、フレームは
、前記第1および/または第2の側面の領域に、
組立ての間に吸気フィルタ挿入体を位置決めするための少なくとも一つの溝を有しており、この溝は、シールによって規定される平面
と接触面との間にて、該平面に対して平行に延伸し、且つ好ましい方向と反対方向に高さプロファイルの
一部後方を切り取っ
ている。
【0019】
溝は、フィルタハウジングの側壁のリブによって形成される舌部との相互作用によって、
吸気フィルタ挿入体をフィルタハウジングに装着した時に、装着工程の終わりにおいてフィルタエレメントが傾いたり回転するのを防ぐよう、
吸気フィルタ挿入体をフィルタハウジング内側の最適な位置に案内するにおいて有利である。
【0020】
また、ある
吸気フィルタ挿入体の変形物では、ある方の側だけに溝が設けられていても良い。こうすれば、異なるフィルタハウジングの
追加的な変形物もまた、リブを切除することで、したがって単純な方法でその幾何形状を順応させることができる。例えば、耐湿性が要求される場合は、主として一方の側にリブを設けるとともに、耐湿性が要求されない場合は、この側には溝を設けないようにすることができる。また同時に
、フレームおよびクランプ要素の異なる幾何形状によって、対火性などの更な
る特性
の区別を達成することもできる。
【0021】
更なる実施形態によれば、フレームは、流入側の端面または流出側の端面の領域に配置され、環状のエンドディスクと接続されている。エンドディスクは端面の外側領域を部分的に覆うとともに、そこを通って流体が流れる貫流開口を有している。エンドディスクには、部分的または全体的に周状に延びる環状のリブがシールの内側に配置され、該リブは、エンドディスクから
突出し、クランプされていない状態においてシールのシール面によって規定される面を遮る。環状は、円形状、楕円形状、または卵形状とすることもできる。周状に延びるリブは、ハウジングの内側のシール面に設けられた開口に嵌め込まれ、開口に囲まれるように形成される。
【0022】
これは、吸気フィルタ挿入体を装着する際、ハウジング内壁のシール面に付着している粒子がシールによって引き剥がされてクリーンサイドに到達するのを防ぐ
ことができるように、シール
が、装着工程における初期の大部分にわたって、シール面と接触しないか僅かに接触するだけである
、という点において有利である。
【0023】
更なる好ましい実施形態では、環状に
延びるリブは、ハウジング蓋に面する領域において
増大された高
さを備えている。この領域は、他の領域よりも、ハウジングのシール面内側の開口に深くまで
進入する。
吸気フィルタ挿入体をハウジング内
で底から上に
向かってオーパーヘッド配置で装着した時に、その高くなっている部分が、
吸気フィルタ挿入体が完全に挿入されると直ぐに開口に支持されて、
吸気フィルタ挿入体が脱落するのを防止する。このように、
吸気フィルタ挿入体と
後で外される吸気フィルタ挿入体を固定するハウジング蓋は
、手動で
所定位置に固定せずとも
順に装着することができるので、組み立て性が向上する。
【0024】
代わりに、周状に延びるリブがシールの外側に配置されていてもよい。この場合は、ハウジングのシール面の外側に、凹部または溝が設けられる必要がある。
【0025】
一実施形態では、接触面に隣接し、突出した環状のシール面を超えて装着方向に伸びる
ように、フレームに第1突起および第2突起
が配置される。これらの突起は、ハウジングの内部の2つの側面にそれぞれ設けられているランプの輪郭と相互的に作用する。ランプの表面は、収容領域に向かって配向されており、ランプの表面から収容領域までの離間距離は、装着方向に向かって小さくなっている。このフレームの突起は、
吸気フィルタ挿入体を装着する際に、ハウジングのリブが
吸気フィルタ挿入体の溝と係合するように
吸気フィルタ挿入体が位置決めされるよう、ランプの表面によってシール面に向かう方向に案内される。
【0026】
これは
、案内
動作が摩
擦抵抗を増加させることなく、
可能な遊び量を徐々に減少させながら、最終位置に向かって段階的に
吸気フィルタ挿入体が装着時に段階的に案内される点において有利である。また、組立工程の始めにおいて、極めて高い位置決め精度が要求されない。また、装着時に
吸気フィルタ挿入体が傾く危険性が減少し、クランプ要素が、完全に装着された状態におけるルーズな位置と、クランプして気密にシールされた状態における作動位置との間の大きな隔たりを
克服する必要がないように、
吸気フィルタ挿入体が予め位置決めされる。
【0027】
一実施形態では、
吸気フィルタ挿入体は、フレームと反対側の端面の領域における
吸気フィルタ挿入体の側面に、弾性材料からなる少なくとも2つのスペーサーノブを備えている。これらは、好適には、装着状態においてハウジング内における
吸気フィルタ挿入体を無
振動で支持するようにデザインされる。
【0028】
本発明による
吸気フィルタ挿入体は、異なるタイプおよび構造のフィルタエレメントを備えることができる。
【0029】
一実施形態では、フィルタエレメントは、少なくとも一つの星形に折り畳まれたフィルタ媒体を備え、該フィルタ媒体の端面が、フィルタエレメントの流入側および流出側の端面を形成している。
【0030】
好適な一実施形態では、フィルタエレメントは、2つの星形に折り畳まれた環状のフィルタ媒体ベローズを備えており、小さい方のフィルタベローズは、大きい方のフィルタベローズの内側にその中心を合わせて配置され、第1端面の領域のフレームは、大きい方のフィルタ媒体ベローズと気密に接続され、第1端面の領域では、小さい方のフィルタ媒体ベローズの内側は完全に塞がれており、第2端面の領域では、2つのフィルタ媒体ベローズの端面が互いに気密に接続されている。
【0031】
この点について、一実施形態の外側のフィルタ媒体ベローズでは、外側から内側に貫流し、内側のフィルタ媒体ベローズでは、内側から外側に貫流する。この実施形態では、
吸気フィルタ挿入体のフレームおよびシールは、フィルタエレメントの流出側の端面の領域に配置される。代わりに、流れ方向を逆向きにしたものも考えられる。
【0032】
一実施形態では、フィルタエレメントは、端面の領域において交互に閉塞されている多数の通路を備えた小型空気フィルタエレメントであり、とりわけ、平坦状のフィルタ媒体と波状のフィルタ媒体とが交互に積層されることで形成されている。
【0033】
一実施形態では、フィルタエレメントは、矩形状のジグザグに折り畳まれたフィルタエレメントであり、フィルタエレメントの端面が折り端によって形成されている。
【0034】
さらに本発明はフィルタ媒体とエンドディスクを備えた
吸気フィルタ挿入体に関する。エンドディスクには、周状に延びる軸シールまたはラジアルシールが設けられとともに、エンドディスクは、後述する周状の延びるリブを備えている。このフィルタエレメントのさらなる構造は、請求項7から12における個々の特徴の組み合わせによってもたらされる。
【0035】
本発明はさらに、記載された一実施形態の
吸気フィルタ挿入体と、濾過される媒体の流入領域および流出領域を備えたフィルタハウジングと、を備えたフィルタ装置であり、流入領域または流出領域は、
吸気フィルタ挿入体のシールと
対応する環状のシール面を備えた収容領域を有している。
【0036】
一実施形態では、ハウジング側には、主流方向に対して垂直をなす装着方向に、
吸気フィルタ挿入体を前記ハウジングに挿入自在とする装着口が形成されている。この点について、装着口は蓋によって特に気密に閉塞自在であり、蓋にはフィルタハウジング内側に突出した2つのクランプブラケットが設けられており、第1クランプブラケットは
吸気フィルタ挿入体の第1側面に沿って延びるとともに、第2クランプブラケットは
吸気フィルタ挿入体の第2側面に沿って延びている。2つのクランプブラケットは、収容領域に向かう方向に配向されたクランプ面を有し、夫々のクランプ面は高さプロファイルを有し、高さプロファイルは、フレームに設けられた前記接触面の対応する高さプロファイルと
対応するとともに、それらに対して逆形状をなしている。蓋が装着され、クランプブラケットが前記フィルタハウジング内に完全に突出した時に、
吸気フィルタ挿入体のシールがハウジングのシール面に押し付けられ、これにより
吸気フィルタ挿入体がハウジング内に固定されるように、クランプブラケットが
吸気フィルタ挿入体の対応する接触面に力を供給する。
【0037】
一実施形態では、収容領域に向かう方向に向けられた、クランプ面と
反対側に位置するクランプブラケットの支持平面
を支持する支持平面を有する、ハウジング壁に設けられた2つのハウジング拡張部を備えている。
【0038】
フィルタ装置の一実施形態では、フィルタハウジングにおいて、フィルタハウジングの側面に設けられるとともに、フィルタハウジングの底を起点として装着口に向かう方向に延びる少なくとも一つのリブを備え、リブは、
吸気フィルタ挿入体を装着する際に、
吸気フィルタ挿入体の溝と係合する。
【0039】
一実施形態では、フィルタハウジングの内側は両側壁がそれぞれに傾斜した外殻形状を有し、その傾斜面は収容領域に向いており、傾斜面と収容領域面との離間距離は装着方向に向かって小さくなっており、
吸気フィルタ挿入体を装着する際に、ハウジングのリブが
吸気フィルタ挿入体の溝と係合可能となるよう
吸気フィルタ挿入体が位置決めされるように、エンドディスクの突起が傾斜面によって収容領域に向かって案内可能となっている。
一実施形態では、装着口は、吸気フィルタ挿入体のフレームが収容される収容領域側のハウジングの側壁の方が、吸気フィルタ挿入体の他の端面の領域よりも深く切り開かれている。
【0040】
一実施形態では、流入側の装着口は、
吸気フィルタ挿入体がハウジング内で傾いた時に
吸気フィルタ挿入体が接触するとともに、内側に向かって突設された傾斜リブが設けられた弓部材によってその形状が定められる。このようにして、取り外しの際に
吸気フィルタ挿入体が弓部材に引っ掛かるのが防止される。
【0041】
一実施形態では、フィルタハウジングはシール面の内側に開口を有し、開口は、フィルタエレメントが、装着方向に向けて完全にフィルタハウジングに装着された時に、
吸気フィルタ挿入体のエンドディスク上を部分的または完全に周方向に延びる環状のリブを囲むようにデザインされている。
【0042】
本発明はまたフィルタ装置に製品群に関し、種々の蓋および本発明の
吸気フィルタ挿入体を備えた種々のハウジングを有し、
種々のフィルタエレメントは、以下の特徴a〜c:
a. フィルタエレメントの溝は、フィルタエレメントの両側または片側に備えられるか、またはいずれにも備えられておらず;
b. フィルタハウジングのリブは、2つのハウジング壁の両方の側壁または片方の側壁に備えられるか、またはいずれにも備えられて
おらず;
c. 少なくとも一つのクランプ面およびフィルタエレメントの対応する一つの接触面は、製品群の他のフィルタ装置の高さプロファイルとは異なる高さプロファイルを有する;
の組み合わせがそれとともに夫々に関連づけられたものである。