(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替ユニットは、前記第1のモードでは、前記一の送受信部の前記送信部及び前記受信部を同じ超音波振動子に接続させる第1の信号経路を形成し、前記第2のモードでは、当該送信部及び当該受信部のうちの一方を一の超音波振動子に接続させる第2の信号経路と、他方を他の超音波振動子に接続させる第3の信号経路とを形成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成について
図1及び
図2を参照しながら説明する。まず
図1を参照する。
図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ2aと、装置本体1とを含んで構成される。
【0010】
装置本体1は、送信ビーム合成処理部10と、送受信部11と、切替ユニット12と、遅延処理部14と、信号処理部15と、画像生成部16と、表示部17と、制御部18とを含んで構成される。
【0011】
また本実施形態に係る超音波診断装置は、複数のモードを切替えて動作可能に構成されている。この複数のモードには、パルス波を用いたモード(以降は「パルスモード」と呼ぶ場合がある)と、連続波ドプラモードのように連続波を用いたモード(以降は「連続波モード」と呼ぶ場合がある)とが含まれている。パルスモードとは、Bモードのように、1つの超音波振動子で超音波の送信及び受信の双方を時分割で行うモードである。また、連続波モードとは、複数の超音波振動子を、送信用と受信用とに分けて、連続波を送受信するモードである。なお、パルスモードが「第1のモード」に相当し、連続波モードが「第2のモード」に相当する。
【0012】
制御部18は、操作者からの操作を受け、装置本体1が動作するモードを切替える。また制御部18は、操作者からの操作を受け、動作するモードや走査条件に基づき、装置本体1内の各構成、即ち、送信ビーム合成処理部10、送受信部11、切替ユニット12、遅延処理部14、信号処理部15、画像生成部16、及び表示部17の動作を制御する。また、制御部18は、切替ユニット12を制御し、送受信部11に接続させる超音波振動子を切替える。なお、送受信部11との接続が確立された超音波振動子、即ち、超音波を送受信する超音波振動子で形成される領域を「開口」と呼ぶ場合がある。また、以降では、装置本体1内の各構成の動作は、この制御部18の制御に基づき動作するものとして説明する。
【0013】
送信ビーム合成処理部10は、制御部18からモードの情報や、開口の位置(超音波を送信する超音波振動子の位置)を含む走査条件を受けて、この開口の位置に対応した超音波を送信するための制御情報を算出する。送信ビーム合成処理部10は、算出した制御情報を送受信部11に出力する。
【0014】
ここで
図2を参照する。
図2は、本実施形態に係る超音波診断装置について、送受信部11と超音波プローブ2aとの接続に係る詳細な構成を示したブロック図である。
【0015】
超音波プローブ2aは、複数の超音波振動子を備える。以降では、超音波プローブ
2aは、超音波振動子X1〜X32を含むものとして説明する。超音波プローブ2aは、プローブセレクタ13により装置本体1に接続されている。プローブセレクタ13については後述する。超音波振動子X1〜X32は、プローブセレクタ13を介し、一方の端部がマトリックススイッチ122に接続された信号線L1〜L32の他方の端部に電気的に接続されている。
【0016】
超音波プローブ2aは、送信部111からの駆動信号により所定の走査条件に従って超音波振動子を駆動させることで被検体内に超音波を送信し、被検体内からの超音波エコーを超音波振動子で受信する。超音波プローブ2aは、受信した超音波エコーを、超音波振動子で電気的な信号(以降では「エコー信号」と呼ぶ場合がある)に変換し出力する。超音波プローブ2aから出力されたエコー信号は、受信部112で受信される。送信部111及び受信部112については後述する。
【0017】
プローブセレクタ13は、複数の超音波プローブ(例えば、超音波プローブ2a及び2b)のうち、いずれかが超音波診断装置の装置本体1に電気的に接続されるように切替える切替機構である。プローブセレクタ13により、いずれかの超音波プローブの超音波振動子が、信号線L1〜L32に電気的に接続される。なお、プローブセレクタ13に代えて、超音波プローブを着脱可能に構成されたプローブコネクタを設けてもよい。この場合、使用する超音波プローブを、このプローブコネクタに接続させることで、その超音波プローブと超音波診断装置の装置本体1とが電気的に接続される。
【0018】
送受信部11は、超音波振動子に駆動信号を送信し、超音波振動子から送信されたエコー信号を受信する。送受信部11は、超音波診断装置のチャンネル数分設けられている。本実施形態に係る超音波診断装置は、送受信部11の数Nが、超音波振動子の数Mより少なく、厳密にはM≧2Nとなるように構成されている。ここでは、8チャンネルの場合を例に、送受信部11a〜11hが設けられているものとして説明する。なお、送受信部11a〜11hは、同様の構成を有している。ここでは、各送受信部11a〜11hの構成について、送受信部11aを例に説明する。
【0019】
送受信部11aは、送信部111と、受信部112とを含んで構成されている。送信部111及び受信部112はそれぞれ、切替ユニット12により、M個の超音波振動子(超音波振動子X1〜X32)のいずれかと電気的に接続される。切替ユニット12の詳細については後述する。
【0020】
送信部111は、送信ビーム合成処理部10からの制御情報に基づき、超音波振動子X1〜X32のうち、制御部18により開口に設定された超音波振動子を駆動させるための駆動信号を生成する。即ち、超音波診断装置が連続波モードで動作する場合には、超音波振動子から連続波を送信するための駆動信号を生成する。また超音波診断装置がパルスモードで動作する場合には、超音波振動子からパルス波を送信するための駆動信号を生成する。送信部111は、生成した駆動信号を、切替ユニット12を介して、開口に設定された超音波振動子に送信する。
【0021】
受信部112は、超音波振動子から出力されたエコー信号を、切替ユニット12を介して受ける。受信部112は、このエコー信号を遅延処理部14に出力する。遅延処理部14については後述する。
【0022】
切替ユニット12は、超音波プローブ2aと、送受信部11a〜11hとの間に設けられている。切替ユニット12は、各送受信部11a〜11hの送信部111及び受信部112を、超音波振動子X1〜X32のいずれかと接続させる。具体的には、切替ユニット12は、パルスモードの場合には、各送受信部11a〜11hを構成する送信部111と受信部112とが同じ超音波振動子に接続されるように配線を切替える。また、連続波モードの場合には、切替ユニット12は、各送受信部11a〜11hを構成する送信部111と受信部112とが、互いに異なる超音波振動子に接続されるように配線を切替える。切替ユニット12の詳細な構成について、以下に具体的に説明する。
【0023】
切替ユニット12は、切替部121a〜121hと、マトリックススイッチ122とを含んで構成される。
【0024】
切替部121a〜121hはそれぞれ、送受信部11a〜11hに接続されている。なお、切替部121a〜121hは、同様の構成を有している。以下、各切替部121a〜121hの構成について、送受信部11aに接続された切替部121aを例に説明する。切替部121aは、切替スイッチSW1a及びSW1bと、切替スイッチSW2a及びSW2bとを含んで構成される。
【0025】
送受信部11aに含まれる送信部111及び受信部112のそれぞれからの信号線は、互いに区別されて切替部121aに配線されている。送信部111と切替部121aとの間の信号線は、信号線CL11aと信号線CL2aとに分けられる。信号線CL11aには、切替スイッチSW1aが設けられている。また、信号線CL2aには、切替スイッチSW1bが設けられている。また、受信部112と切替部121aとの間の信号線は、信号線CL12aと信号線CL3aとに分けられる。信号線CL12aには、切替スイッチSW2aが設けられている。また、信号線CL3aには、切替スイッチSW2bが設けられている。送受信部11b〜11hと、切替部121b〜121hとの関係についても同様である。即ち、切替部121b〜121hにおける信号線CL11b〜CL11hが、切替部121aにおける信号線CL11aに対応し、切替部121b〜121hにおける信号線CL12b〜CL12hが切替部121aにおける信号線CL12aに対応する。また、切替部121b〜121hにおける信号線CL2b〜CL2hが切替部121aにおける信号線CL2aに対応し、切替部121b〜121hにおける信号線CL3b〜CL3hが切替部121aにおける信号線CL3aに対応する。なお、切替スイッチSW1a、SW1b、SW2a、及びSW2bの切替えに係る制御については後述する。また、切替部121a〜121hは、「第2の切替部」に相当する。
【0026】
信号線CL11a及び信号線CL12aは、束ねられたうえで、信号線CL1の一方の端部に電気的に接続されている。また、信号線CL1aの他方の端部は、マトリックススイッチ122に電気的に接続されている。マトリックススイッチ122の詳細については後述する。同様に、信号線CL11b〜CL11hと、信号線CL12b〜CL12hとは、それぞれ束ねられたうえで、信号線CL1b〜CL1hの一方の端部に電気的に接続されている。また、信号線CL1b〜CL1hの他方の端部は、それぞれマトリックススイッチ122に電気的に接続されている。信号線CL1a〜CL1hは、マトリックススイッチ122の両端部のうち、信号線L1〜L32が接続された端部とは逆側の端部に接続されている。
【0027】
信号線CL2a〜CL2hは、信号線L1〜L32のうち、あらかじめ決められたそれぞれ異なる信号線に、マトリックススイッチ122をバイパスして接続されている。具体的には、信号線CL2aは、信号線L9と接続されている。同様にして、信号線CL2b〜CL2hは、信号線L10〜L16とそれぞれ接続されている。このように信号線CL2a〜信号線CL2h及び信号線L9〜L16により、送受信部11a〜11hの各送信部111と、超音波振動子X9〜X16とが、マトリックススイッチ122をバイパスして接続される。超音波振動子X9〜X16は、連続波モードにおける送信用として使用される。なお、超音波振動子X9〜X16は、「第1の群に含まれる所定の超音波振動子」に相当する。
【0028】
また信号線CL3a〜CL3hは、信号線L1〜L32のうち、信号線CL2b〜CL2hが接続された信号線とは異なり、かつ、あらかじめ決められたそれぞれ異なる信号線に、マトリックススイッチ122をバイパスして接続されている。具体的には、信号線CL3aは、信号線L17と接続されている。同様にして、信号線CL3b〜CL3hは、信号線L18〜L24とそれぞれ接続されている。このように信号線CL3a〜信号線CL3h及び信号線L17〜L24により、送受信部11a〜11hの各受信部112と、超音波振動子X17〜X24とが、マトリックススイッチ122をバイパスして接続される。超音波振動子X17〜X24は、連続波モードにおける受信用として使用される。なお、この超音波振動子X17〜X24は、「第2の群に含まれる所定の超音波振動子」に相当する。
【0029】
マトリックススイッチ122の、一方の端部には信号線CL1a〜CL1hが接続され、他方の端部には信号線L1〜L32が接続されている。マトリックススイッチ122は、制御部18による制御に基づき、信号線L1〜L32のうち開口に設定された超音波振動子に接続された信号線と、信号線CL1a〜CL1hとを電気的に接続させる。具体的には、超音波振動子X1〜X8が開口に設定されている場合、マトリックススイッチ122は、信号線L1〜L8と、信号線CL1〜CLhとを電気的に接続させる。また、開口が超音波振動子X9〜X16に変更された場合、マトリックススイッチ122は、信号線CL1〜CLhに接続させる信号線を、信号線L9〜L16に切替える。このようにマトリックススイッチ122は、開口の位置に応じて、送受信部11a〜11hと電気的に接続される超音波振動子を切替える。なお、マトリックススイッチ122は、「第1の切替部」に相当する。
【0030】
次に、切替部121a〜121hに含まれる切替スイッチSW1a、SW1b、SW2a、及びSW2bの切替えに係る制御について、切替部121aの場合を例に、パルスモードで動作する場合と、連続波モードで動作する場合とに分けて説明する。
【0031】
(パルスモードで動作する場合)
パルスモードの場合には、制御部18は、切替部121aを制御して切替スイッチSW1a及びSW2aをONにし、切替スイッチSW1b及びSW2bをOFFにする。これにより、送信部111及び受信部112は、信号線CL1aに接続される。
【0032】
マトリックススイッチ122は、制御部18による制御に基づき、開口に設定された超音波振動子に接続された信号線に、信号線CL1aを電気的に接続させる。例えば、超音波振動子X1が開口に設定されている場合には、マトリックススイッチ122は、信号線CL1aを信号線L1に電気的に接続させる。これにより、送信部111及び受信部112と、超音波振動子X1との間の信号経路が確立される。即ち、送受信部11aを構成する送信部111及び受信部112が、同じ超音波振動子X1に共通で接続される。同様にして、送受信部11b〜送受信部11hを構成する、各送信部111及び各受信部112は、信号線CL1b〜CL1h、マトリックススイッチ122、及び信号線L2〜L8を介し、超音波振動子X2〜X8にそれぞれ接続される。このときの信号経路が「第1の信号経路」に相当する。
【0033】
次に、送信部111は、信号線CL1a、マトリックススイッチ122、及び信号線L1を介し、駆動信号を超音波振動子X1に送信する。この駆動信号を受けて、超音波振動子X1は、被検体に超音波を送信し、被検体内で反射した超音波エコーを受信する。超音波振動子X1は、受信した超音波エコーを、電気信号、即ちエコー信号に変換し、信号線L1に出力する。信号線L1に出力されたエコー信号は、マトリックススイッチ122、及び信号線CL1aを介して受信部112で受信される。受信部112は、受信したエコー信号を遅延処理部14に出力する。遅延処理部14については後述する。
【0034】
なお、パルスモードの場合には、この超音波の送受信に係る一連の動作を、マトリックススイッチ122により送受信部11a〜11hに接続する超音波振動子を切替えながら(開口を移動させながら)遂次行うことで、開口合成を実現することが可能となる。具体的には、例えば、1回目の送受信では送受信部11a〜11hと超音波振動子X1〜X8とを接続し、以降は、超音波の送受信毎に送受信部11a〜11hに接続させる超音波振動子を、X9〜X16、X17〜X24、X25〜X32の順に遂次切替える。
【0035】
(連続波モードで動作する場合)
次に連続波モードで動作する場合について説明する。連続波モードの場合には、制御部18は、切替部121aを制御して切替スイッチSW1a及びSW2aをOFFにし、切替スイッチSW1b及びSW2bをONにする。これにより、送信部111は、信号線CL2aに接続され、受信部112は、信号線CL3aに接続される。また、送信部111及び受信部112と、マトリックススイッチ122との間の信号路は遮断される。これにより、送信部111は、信号線CL2a及び信号線L9を介して、超音波振動子X9に電気的に接続される。即ち、送信部111は、マトリックススイッチ122をバイパスして(マトリックススイッチ122を介さずに)、超音波振動子X9に接続される。このときの信号経路が「第2の信号経路」に相当する。また、受信部112は、信号線CL3a及び信号線L17を介して、超音波振動子X17に接続される。このときの信号経路が「第3の信号経路」に相当する。即ち、送受信部11aを構成する送信部111及び受信部112が、それぞれ異なる超音波振動子X9及びX17に接続される。
【0036】
同様にして、送受信部11b〜送受信部11hに含まれる複数の送信部111は、信号線CL2b〜CL2h及び信号線L10〜L16を介し、超音波振動子X10〜X16にそれぞれ接続される。また、送受信部11b〜送受信部11hに含まれる複数の受信部112は、信号線CL3b〜CL3h及び信号線L17〜L24を介し、超音波振動子X17〜X24にそれぞれ接続される。
【0037】
次に、送信部111は、信号線CL2a及び信号線L9を介し、駆動信号を超音波振動子X9に送信する。この駆動信号を受けて、超音波振動子X9は、被検体に超音波を送信する。超音波振動子X9から送信された超音波は、被検体内で反射し、超音波エコーとして超音波振動子X17で受信される。超音波振動子X17は、受信した超音波エコーを、電気信号、即ちエコー信号に変換し、信号線L17に出力する。信号線L17に出力されたエコー信号は、信号線CL3aを介して受信部112で受信される。受信部112は、受信したエコー信号を遅延処理部14に出力する。遅延処理部14については後述する。
【0038】
ここで
図1を参照する。遅延処理部14は、例えばディジタルビームフォーマユニット等の遅延加算回路で構成されている。遅延処理部14は、送受信部11a〜11hに含まれる各受信部112からエコー信号を受け、このエコー信号を整相加算する。このとき、遅延加算回路の入力側に前置増幅器等の増幅回路を設け、この増幅回路により信号を増幅した後、整相加算を行う構成としてもよい。また、開口合成を行う場合には、遅延処理部14は、開口を移動しながら各受信部112で受信されたエコー信号を、それぞれ整相加算し、一連の信号として纏める。これにより、複数の開口で取得されたエコー信号を重ねて、大口径の超音波画像を生成することが可能となる。
【0039】
遅延処理部14により整相加算された信号は、信号処理部15にて検波されてエンベロープが抽出される。更に、この抽出されたエンベロープは、画像生成部16にて被観測体の断面に合わせて座標変換されたり、画像表示に適した階調処理等が施されたりした後、超音波画像として表示部17に表示される。
【0040】
ここで
図7を参照する。
図7は、従来の超音波診断装置について、送受信部と超音波プローブとの接続に係る詳細な構成を示したブロック図である。従来の超音波診断装置は、連続波モードで動作する場合には、
図7に示すように、送受信部11a〜11hを、超音波を送信させるための群G1と、超音波エコーを受信させるための群G2とに分けて動作させていた。具体的には、送受信部11a〜11hに接続された超音波振動子X9〜X12から、被検体に超音波を送信する。また、被検体内で反射した超音波エコーを、送受信部11a〜11hに接続された超音波振動子X13〜X16で受信する。即ち、連続波モードで動作する場合には、送受信部の数の1/2の数の4チャンネル分の開口を形成していた。また、このとき群G1に含まれる各受信部112と、群G2に含まれる各送信部111は動作させていなかった。
【0041】
これに対し本実施形態に係る超音波診断装置は、連続波モードで動作する場合には、1つの送受信部11aを構成する送信部111及び受信部112を、それぞれ異なる超音波振動子に接続させる構成とした。具体的には、送受信部11a〜11hに含まれる各送信部111は、超音波振動子X9〜X16に接続される。また、送受信部11a〜11hに含まれる各受信部112は、超音波振動子X17〜X24に接続される。このような構成とすることで、連続波モードで動作する場合に、送受信部11a〜11hを構成する各送信部111及び各受信部112を無駄なく動作させ、送受信部の数と同じ数の8チャンネル分の開口を形成することが可能となる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成について、
図3を参照しながら、第1の実施形態と異なる部分に着目し説明する。
図3は、本実施形態に係る超音波診断装置について、送受信部11と超音波プローブ2aとの接続に係る詳細な構成を示したブロック図である。
【0043】
パルスモードで動作する場合には、切替部121a〜121hの各切替スイッチSW1bはOFFとなる。そのため、この場合の信号は、信号線CL2a〜CL2hを経由しない。しかしながら、パルスモードで動作する場合に、信号が経由する回路群(例えば、送受信部11a、信号線CL1a、マトリックススイッチ122、信号線CL9、及び超音波振動子X9)に、信号が経由しない回路群(即ち、信号線CL2a)が付加されている。そのため、この信号が経由しない回路群の寄生容量などのインピーダンスが付加され、例えば、受信されたエコー信号に対して損失が発生し、超音波画像の画質が劣化する場合がある。そこで、本実施形態に係る切替ユニット12は、第1の実施形態に係る構成に加え、更に信号線CL2a〜CL2hに遮断部123a〜123hが設けられている。
【0044】
遮断部123a〜123hは、信号線CL2a〜CL2hの、信号線L9〜L16に接続される側に近い位置に設けられている。遮断部123a〜123hは、パルスモードで動作する場合には、信号線CL2a〜CL2hを流れる信号を遮断するように制御部18に制御される。また遮断部123a〜123hは、連続波モードで動作する場合には、信号線CL2a〜CL2hを流れる信号を通過させるように制御部18に制御される。
【0045】
ここで
図4A及び
図4Bを参照する。
図4A及び
図4Bは、遮断部123a〜123hの具体的な回路図の一例である。なお、遮断部123a〜123hは、同様の構成を有している。以下、ここでは、各回路の特徴について、信号線CL2aに設けられた遮断部123aを例に説明する。
【0046】
まず
図4Aを参照する。
図4Aは、スイッチにより遮断部123aを構成した場合の回路図である。このスイッチは、制御部18による制御により、超音波診断装置が連続波モードで動作する場合にはONとなり、パルスモードで動作する場合にはOFFとなる。即ち、連続波モードで動作する場合には、遮断部123aは、信号線CL2aを流れる信号を通過させる。また、パルスモードで動作する場合には、遮断部123aは、信号線CL2aを流れる信号を遮断する。
【0047】
次に
図4Bを参照する。
図4Bは、ダイオードにより遮断部123aを構成した場合の回路図である。この場合には遮断部123aは、
図4Bに示すように、2つのダイオードが、並列に接続されている。このとき2つのダイオードは、一方のアノード端子と他方のカソード端子が同じ信号線に接続されるように配置されている。
【0048】
これらの2つのダイオードは、例えば、通過する信号(パルス波、または連続波)の振幅が、1.4Vpp(電圧±0.7V相当)の振幅以上の場合に信号を通過させ、1.4Vpp未満の場合には信号を遮断するように働く。送信部111から超音波振動子に送信される信号は、20Vpp(電圧±10V相当)〜200Vpp(電圧±100V相当)の振幅を有するため、この遮断部123aを通過する。これに対し、超音波振動子からの信号は、振幅が1.0Vpp(電圧±0.5V相当)以下のため、遮断部123aで遮断される。なお、
図4Bに示しされた構成が「ダイオードスイッチ」に相当する。
【0049】
以上のように、遮断部123aは、超音波診断装置が連続波モードで動作する場合には、送信部111から信号線CL2aを介し送信された駆動信号を通過させる。また遮断部123aは、超音波診断装置がパルスモードで動作する場合には、信号線CL2aへのエコー信号の流入を遮断する。
【0050】
このように遮断部123aを設けることにより、パルスモードで動作する場合に、信号線CL2aを含む信号の送受信に使用されていない回路による寄生容量などのインピーダンスの付加を防止することが可能となる。
【0051】
また遮断部123a〜123hと同様の構成の遮断部124a〜124hを、信号線CL11a〜CL11gに設けてもよい。遮断部124a〜124hは、超音波診断装置がパルスモードで動作する場合には、送信部111から信号線CL11aを介し送信された駆動信号を通過させるように動作させる。また超音波診断装置が連続波モードで動作する場合には、遮断部124a〜124hは、信号線CL11aへのエコー信号の流入を遮断するように動作させる。
【0052】
このように遮断部124a〜124hを設けることにより、連続波モードで動作する場合に、マトリックススイッチ122を含む信号の送受信に使用されていない回路による寄生容量などのインピーダンスの付加を防止することが可能となる。
【0053】
以上、本実施形態に係る超音波診断に依れば、第1の実施形態に係る超音波診断装置の特徴に加え、各モードにおいて、信号の送受信に使用されていない回路による寄生容量などのインピーダンスの付加を防止するという特徴を有する。これにより、本実施形態に係る超音波診断装置は、このインピーダンスの付加に伴う超音波画像の劣化を防止することが可能となる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。本実施形態に係る超音波診断装置は、第1及び第2の実施形態に係る超音波診断装置と切替ユニット12の構成が異なる。以下、本実施形態に係る超音波診断装置の構成について、
図5を参照しながら、第1及び第2の実施形態と異なる部分に着目し説明する。
図5は、本実施形態に係る超音波診断装置について、送受信部11と超音波プローブ2aとの接続に係る詳細な構成を示したブロック図である。
【0055】
本実施形態に係る切替ユニット12は、切替部121a〜121hと、マトリックススイッチ122とを含んで構成される。
【0056】
本実施形態に係る切替部121a〜121hはそれぞれ、切替スイッチSW2a及びSW2bを含んで構成される。以下、切替部121a〜121hの構成について、送受信部11aに接続された切替部121aを例に説明する。
【0057】
送受信部11aに含まれる送信部111及び受信部112からの信号線は、それぞれ区別されて切替部121aに配線されている。送信部111と切替部121aとの間の信号線を、信号線CL11aとする。また、受信部112と切替部121aとの間の信号線は、信号線CL12aと信号線CL3aとに分けられる。信号線CL12aには、切替スイッチSW2aが設けられている。また、信号線CL3aには、切替スイッチSW2bが設けられている。送受信部11b〜11hと、切替部121b〜121hとの関係についても同様である。即ち、切替部121b〜121hにおける信号線CL11b〜CL11hが、切替部121aにおける信号線CL11aに対応し、切替部121b〜121hにおける信号線CL12b〜CL12hが切替部121aにおける信号線CL12aに対応する。また、切替部121b〜121hにおける信号線CL3b〜CL3hが切替部121aにおける信号線CL3aに対応する。なお、切替スイッチSW2a及びSW2bの切替えに係る制御については後述する。
【0058】
信号線CL11a及び信号線CL12aは、束ねられたうえで、信号線CL1の一方の端部に電気的に接続されている。また、信号線CL1aの他方の端部は、マトリックススイッチ122に電気的に接続されている。同様に、信号線CL11b〜CL11hと、信号線CL12b〜CL12hとは、それぞれ束ねられたうえで、信号線CL1b〜CL1hの一方の端部に電気的に接続されている。また、信号線CL1b〜CL1hの他方の端部は、それぞれマトリックススイッチ122に電気的に接続されている。信号線CL1a〜CL1hは、マトリックススイッチ122の両端部のうち、信号線L1〜L32が接続された端部とは逆側の端部に接続されている。
【0059】
信号線CL3a〜CL3hは、信号線L1〜L32のうち、あらかじめ決められたそれぞれ異なる信号線に、マトリックススイッチ122をバイパスして接続されている。具体的には、信号線CL3aは、信号線L17と接続されている。同様にして、信号線CL3b〜CL3hは、信号線L18〜L24とそれぞれ接続されている。このように信号線CL3a〜信号線CL3h及び信号線L17〜L24により、送受信部11a〜11hの各受信部112と、超音波振動子X17〜X24とが、マトリックススイッチ122をバイパスして接続される。超音波振動子X17〜X24は、連続波モードにおける受信用として使用される。
【0060】
マトリックススイッチ122は、一方の端部に信号線CL1a〜CL1hが接続され、他方の端部に信号線L1〜L32が接続されている。
【0061】
マトリックススイッチ122は、パルスモードで動作する場合には、制御部18による制御に基づき、信号線L1〜L32のうち開口に設定された超音波振動子に接続された信号線と、信号線CL1a〜CL1hとを電気的に接続させる。具体的には、超音波振動子X1〜X8が開口に設定されている場合、マトリックススイッチ122は、信号線L1〜L8と、信号線CL1〜CLhとを電気的に接続させる。また、開口が超音波振動子X9〜X16に変更された場合、マトリックススイッチ122は、信号線CL1a〜CL1hに接続させる信号線を、信号線L9〜L16に切替える。このようにマトリックススイッチ122は、開口の位置に応じて、送受信部11a〜11hと電気的に接続される超音波振動子を切替える。
【0062】
またマトリックススイッチ122は、連続波モードで動作する場合には、信号線L1〜L32のうち、あらかじめ決められたそれぞれ異なる信号線と、信号線CL1a〜CL1hとを電気的に接続させる。このとき、マトリックススイッチ122は、信号線CL3b〜CL3hが接続された信号線とは異なる信号線に、信号線CL1〜CL1hを接続させる。以降では、この場合にマトリックススイッチ122は、信号線CL1a〜CL1hと、信号線L9〜L16とを電気的に接続させるものとして説明する。なお、この信号線L9〜L16に接続された超音波振動子X9〜X16は、連続波モードにおける送信用として使用される。
【0063】
次に、切替部121a〜121hに含まれる切替スイッチSW2a及びSW2bの切替えに係る制御について、切替部121aの場合を例に、パルスモードで動作する場合と、連続波モードで動作する場合とに分けて説明する。
【0064】
(パルスモードで動作する場合)
パルスモードの場合には、制御部18は、切替部121aを制御して切替スイッチSW2aをONにし、切替スイッチSW2bをOFFにする。これにより、送信部111及び受信部112は、信号線CL1aに接続される。
【0065】
パルスモードで動作する場合の、マトリックススイッチ122の動作は第1の実施形態と同様である。即ち、マトリックススイッチ122は、信号線CL1a〜CL1hを、開口に設定された超音波振動子に接続された信号線に接続させる。また、超音波の送受信に係る、各送信部111、各受信部112、及び各超音波振動子の動作、並びに信号の経路についても第1の実施形態と同様である。
【0066】
(連続波モードで動作する場合)
次に連続波モードで動作する場合について説明する。連続波モードの場合には、制御部18は、切替部121aを制御して切替スイッチSW2aをOFFにし、切替スイッチSW2bをONにする。これにより、受信部112は、信号線CL3a及び信号線L17を介して、超音波振動子X17に接続される。
【0067】
また、マトリックススイッチ122は、信号線CL1aと、信号線L9とを電気的に接続させる。これにより、送信部111は、信号線CL1a、マトリックススイッチ122、及び信号線L9を介して、超音波振動子X9に接続される。
【0068】
これにより、送受信部11aを構成する送信部111及び受信部112が、それぞれ異なる超音波振動子X9及びX17に接続される。
【0069】
同様にして、送受信部11b〜送受信部11hに含まれる各送信部111は、信号線CL1b〜CL1h、マトリックススイッチ122、及び信号線L10〜L16を介し、超音波振動子X10〜X16にそれぞれ接続される。また、送受信部11b〜送受信部11hに含まれる各受信部112は、信号線CL3b〜CL3h及び信号線L17〜L24を介し、超音波振動子X17〜X24にそれぞれ接続される。
【0070】
次に、送信部111は、信号線CL1a、マトリックススイッチ122、及び信号線L9を介し、駆動信号を超音波振動子X9に送信する。この駆動信号を受けて、超音波振動子X9は、被検体に超音波を送信する。超音波振動子X9から送信された超音波は、被検体内で反射し、超音波エコーとして超音波振動子X17で受信される。超音波振動子X17は、受信した超音波エコーを、電気信号、即ちエコー信号に変換し、信号線L17に出力する。信号線L17に出力されたエコー信号は、信号線CL3aを介して受信部112で受信される。受信部112は、受信したエコー信号を遅延処理部14に出力する。遅延処理部14以降の構成の動作については第1の実施形態と同様である。
【0071】
以上、本実施形態に係る超音波診断装置に依れば、第1の実施形態に係る超音波診断装置と同様の作用効果を得つつ、追加する回路の規模を、第1の実施形態に係る超音波診断装置よりも小さく抑えることが可能となる。これにより、本実施形態に係る超音波診断装置は、第1の実施形態に係る超音波診断装置よりも装置の規模を小型化することが可能となる。
【0072】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。本実施形態に係る超音波診断装置は、第1及び第2の実施形態に係る超音波診断装置と切替ユニット12の構成が異なる。以下、本実施形態に係る超音波診断装置の構成について、
図6を参照しながら、第2の実施形態と異なる部分に着目し説明する。
図6は、本実施形態に係る超音波診断装置について、送受信部11と超音波プローブ2aとの接続に係る詳細な構成を示したブロック図である。
【0073】
本実施形態に係る切替ユニット12は、切替部121a〜121hと、マトリックススイッチ122とを含んで構成される。
【0074】
本実施形態に係る切替部121a〜121hはそれぞれ、切替スイッチSW1a及びSW1bを含んで構成される。なお、送受信部11a〜11hは、同様の構成を有している。ここでは、各切替部121a〜121hの構成について、送受信部11aに接続された切替部121aを例に説明する。
【0075】
送受信部11aに含まれる送信部111及び受信部112からの信号線は、それぞれ区別されて切替部121aに配線されている。送信部111と切替部121aとの間の信号線は、信号線CL11aと信号線CL2aとに分けられる。信号線CL11aには、切替スイッチSW1aが設けられている。また、信号線CL2aには、切替スイッチSW1bが設けられている。また、受信部112と切替部121aとの間の信号線を、信号線CL12aとする。送受信部11b〜11hと、切替部121b〜121hとの関係についても同様である。即ち、切替部121b〜121hにおける信号線CL11b〜CL11hが、切替部121aにおける信号線CL11aに対応し、切替部121b〜121hにおける信号線CL12b〜CL12hが切替部121aにおける信号線CL12aに対応する。また、切替部121b〜121hにおける信号線CL2b〜CL2hが切替部121aにおける信号線CL2aに対応する。なお、切替スイッチSW1a及びSW1bの切替えに係る制御については後述する。
【0076】
信号線CL11a及び信号線CL12aは、束ねられたうえで、信号線CL1の一方の端部に電気的に接続されている。また、信号線CL1aの他方の端部は、マトリックススイッチ122に電気的に接続されている。同様に、信号線CL11b〜CL11hと、信号線CL12b〜CL12hとは、それぞれ束ねられたうえで、信号線CL1b〜CL1hの一方の端部に電気的に接続されている。また、信号線CL1b〜CL1hの他方の端部は、それぞれマトリックススイッチ122に電気的に接続されている。信号線CL1a〜CL1hは、マトリックススイッチ122の両端部のうち、信号線L1〜L32が接続された端部とは逆側の端部に接続されている。
【0077】
信号線CL2a〜CL2hは、信号線L1〜L32のうち、あらかじめ決められたそれぞれ異なる信号線に、マトリックススイッチ122をバイパスして接続されている。具体的には、信号線CL2aは、信号線L9と接続されている。同様にして、信号線CL2b〜CL2hは、信号線L10〜L16とそれぞれ接続されている。このように信号線CL2a〜信号線CL2h及び信号線L9〜L16により、送受信部11a〜11hの各送信部111と、超音波振動子X9〜X16とが、マトリックススイッチ122をバイパスして接続される。超音波振動子X9〜X16は、連続波モードにおける送信用として使用される。
【0078】
マトリックススイッチ122は、一方の端部に信号線CL1a〜CL1hが接続され、他方の端部に信号線L1〜L32が接続されている。
【0079】
マトリックススイッチ122は、パルスモードで動作する場合には、制御部18による制御に基づき、信号線L1〜L32のうち開口に設定された超音波振動子に接続された信号線と、信号線CL1a〜CL1hとを電気的に接続させる。パルスモードで動作する場合の、マトリックススイッチ122の動作は、第3の実施形態と同様である。
【0080】
またマトリックススイッチ122は、連続波モードで動作する場合には、信号線L1〜L32のうち、あらかじめ決められたそれぞれ異なる信号線と、信号線CL1a〜CL1hとを電気的に接続させる。このとき、マトリックススイッチ122は、信号線CL2b〜CL2hが接続された信号線とは異なる信号線に、信号線CL1〜CL1hを接続させる。以降では、この場合にマトリックススイッチ122は、信号線CL1a〜CL1hと、信号線L17〜L24とを電気的に接続させるものとして説明する。なお、信号線L17〜L24に接続された超音波振動子X17〜X24は、連続波モードにおける受信用として使用される。
【0081】
次に、切替部121a〜121hに含まれる切替スイッチSW1a及びSW1bの切替えに係る制御について、切替部121aの場合を例に、パルスモードで動作する場合と、連続波モードで動作する場合とに分けて説明する。
【0082】
(パルスモードで動作する場合)
パルスモードの場合には、制御部18は、切替部121aを制御して切替スイッチSW1aをONにし、切替スイッチSW1bをOFFにする。これにより、送信部111及び受信部112は、信号線CL1aに接続される。
【0083】
パルスモードで動作する場合の、マトリックススイッチ122の動作は第1の実施形態と同様である。即ち、マトリックススイッチ122は、信号線CL1a〜CL1hを、開口に設定された超音波振動子に接続された信号線に接続させる。また、超音波の送受信に係る、各送信部111、各受信部112、及び各超音波振動子の動作、及び信号の経路についても第1の実施形態と同様である。
【0084】
(連続波モードで動作する場合)
次に連続波モードで動作する場合について説明する。連続波モードの場合には、制御部18は、切替部121aを制御して切替スイッチSW1aをOFFにし、切替スイッチSW1bをONにする。これにより、送信部111は、信号線CL2a及び信号線L9を介して、超音波振動子X9に接続される。
【0085】
また、マトリックススイッチ122は、信号線CL1aと、信号線L17とを電気的に接続させる。これにより、受信部112は、信号線CL1a、マトリックススイッチ122、及び信号線L17を介して、超音波振動子X9に接続される。
【0086】
これにより、送受信部11aを構成する送信部111及び受信部112が、それぞれ異なる超音波振動子X9及びX17に接続される。
【0087】
同様にして、送受信部11b〜送受信部11hに含まれる各送信部111は、信号線CL2b〜CL2h及び信号線L10〜L16を介し、超音波振動子X10〜X16にそれぞれ接続される。また、送受信部11b〜送受信部11hに含まれる各受信部112は、信号線CL1b〜CL1h、マトリックススイッチ122、及び信号線L17〜L24を介し、超音波振動子X17〜X24にそれぞれ接続される。
【0088】
次に、送信部111は、信号線CL2a及び信号線L9を介し、駆動信号を超音波振動子X9に送信する。この駆動信号を受けて、超音波振動子X9は、被検体に超音波を送信する。超音波振動子X9から送信された超音波は、被検体内で反射し、超音波エコーとして超音波振動子X17で受信される。超音波振動子X17は、受信した超音波エコーを、電気信号、即ちエコー信号に変換し、信号線L17に出力する。信号線L17に出力されたエコー信号は、マトリックススイッチ122及び信号線CL1aを介して受信部112で受信される。受信部112は、受信したエコー信号を遅延処理部14に出力する。遅延処理部14以降の構成の動作については第1の実施形態と同様である。
【0089】
以上、本実施形態に係る超音波診断装置に依れば、第1の実施形態に係る超音波診断装置と同様の作用効果を得つつ、追加する回路の規模を、第1の実施形態に係る超音波診断装置よりも小さく抑えることが可能となる。これにより、本実施形態に係る超音波診断装置は、第1の実施形態に係る超音波診断装置よりも装置の規模を小型化することが可能となる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載されたその均等の範囲に含まれる。