特許第5751937号(P5751937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5751937
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】ばね締付要素および直列端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/26 20060101AFI20150702BHJP
   H01R 4/42 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   H01R9/26
   H01R4/42
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-129303(P2011-129303)
(22)【出願日】2011年6月9日
(65)【公開番号】特開2012-4111(P2012-4111A)
(43)【公開日】2012年1月5日
【審査請求日】2014年3月31日
(31)【優先権主張番号】10 2010 023 423.0
(32)【優先日】2010年6月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ガッサウアー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・シュトウシュロフ
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ハルトマン
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−345638(JP,A)
【文献】 米国特許第03304392(US,A)
【文献】 特開平04−355071(JP,A)
【文献】 特開2001−102111(JP,A)
【文献】 実公平07−020855(JP,Y2)
【文献】 特許第3620014(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/26
H01R 4/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体(L)を案内する導体レール部分(2)と、
前記導体レール部分(2)に対して相対的に可動となるよう当該導体レール部分(2)に支持されたテンション・フレーム(3)であって、前記導体(L)を当該導体レール部分(2)との間に挟み付ける締付端縁(5a、5b)を有するテンション・フレーム(3)と、
前記導体レール部分(2)および前記テンション・フレーム(3)と作動結合をなし且つ、当該導体レール部分(2)および当該テンション・フレーム(3)の間にばね力を与えるコイルばね(8)と、
を備えるばね締付要素(1)において、
ねじ山(11)を有し、前記導体レール部分(2)または前記テンション・フレーム(3)に回転可能に且つ伸長方向において位置固定に支持された操作シリンダ(10、19)と、
前記操作シリンダ(10、19)の前記ねじ山(11)とかみ合うよう構成されたねじ山(12、21)を有し、前記導体レール部分(2)または前記テンション・フレーム(3)と結合された操作部(13、14、20)であって、当該操作シリンダ(10、19)の回転により当該テンション・フレーム(3)を当該導体レール部分(2)に対して相対的に移動させる、操作部(13、14、20)と、を更に備え、
前記操作シリンダ(10、19)は、前記コイルばね(8)のばね力により前記操作部(13,14,20)に対して回転可動に構成され、当該操作シリンダ(10、19)を回転させて前記操作部(13,14,20)から引き出して前記導体(L)を前記締付端縁(5a、5b)と前記導体レール部分(2)との間に挟み付け、
前記操作シリンダ(10、19)および前記操作部(13、14、20)から構成される操作機構の一部は、前記テンション・フレーム(3)に装着されているか、当該テンション・フレーム(3)の内部空間内に配置されている、ばね締付要素(1)。
【請求項2】
前記操作シリンダ(19)は、外ねじ山を有し、
スリーブ(20)は、内ねじ山を有し、
前記スリーブ(20)は、前記操作シリンダ(19)が当該スリーブ(20)内に入り込み且つ前記外ねじ山を前記内ねじ山と協働させる操作部を形成する、請求項1に記載のばね締付要素(1)。
【請求項3】
前記操作部(13)は、外ねじ山を有し、
スリーブ(20)は、内ねじ山を有し、
前記スリーブ(20)は、前記操作部(13)が当該スリーブ(20)内に入り込み且つ前記外ねじ山を前記内ねじ山と協働させる操作シリンダ(19)を形成する、請求項1に記載のばね締付要素(1)。
【請求項4】
前記スリーブ(20)は、当該スリーブ(20)の外周に突出部(22)を有し、
前記コイルばね(8)は、前記突出部(22)に当接する請求項2または3に記載のばね締付要素(1)。
【請求項5】
前記コイルばね(8)は、前記スリーブ(20)の内部空間内に受け入れられ且つ当該スリーブ(20)内に入り込んだ前記操作シリンダ(19)の自由端部と当該スリーブ(20)の底部との間に配置されている請求項2ないし4のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
【請求項6】
前記操作シリンダ(10、19)の前記ねじ山(11)は、前記コイルばね(8)の内部空間内に入り込んで伸長している請求項1ないし4のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
【請求項7】
前記操作シリンダ(10、19)は、前記導体レール部分(2)の方向に伸長して前記コイルばね(8)の前記内部空間内に入り込み、且つ、前記テンション・フレーム(3)に支持され
前記操作部(20)は、前記コイルばね(8)の伸長方向に前記導体レール部分(2)に対して相対的に軸方向に固定支持され、前記操作シリンダ(10、19)とは反対方向に伸長して当該コイルばね(8)の前記内部空間内に入り込み、
前記操作部(20)は、前記操作シリンダ(10、19)の前記ねじ山(11)とかみ合うよう構成されたねじ山を有する請求項6に記載のばね締付要素(1)。
【請求項8】
前記操作シリンダ(19)は、当該操作シリンダ(19)の外周に突出部(24)を有し
前記テンション・フレーム(3)は、前記突出部(24)に当接する請求項1ないし7のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
【請求項9】
前記操作シリンダ(19)の前記突出部(24)は周方向に配置され且つ止め凹部(26)を有し、
なくとも1つの終端位置において回らないように前記操作シリンダ(19)を固定するために、前記止め凹部(26)内に係止可能な回転止め(25)が設けられている請求項8に記載のばね締付要素(1)。
【請求項10】
前記導体レール部分(2)は、トンネル薄板(6)を有し、当該トンネル薄板(6)は、導体レール部分の一部と当該導体レール部分の一部に向かい合う当該トンネル薄板(6)の内壁との間に接続空間(7)を提供して当該導体レール部分の一部に取り付けられている請求項1ないし9のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
【請求項11】
前記接続空間(7)内に挿入可能な接点ピンに接点圧力を与えるための、当該接続空間(7)内に配置された板ばね(18)を備える請求項10に記載のばね締付要素(1)。
【請求項12】
絶縁材ハウジング(30)と、当該絶縁材ハウジング(30)内に受け入れられた請求項1ないし11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのばね締付要素(1)と、を備える、直列端子(29)。
【請求項13】
共通の導体レール部分(2)に、それぞれ、1つのテンション・フレーム(3)と、および1つの操作シリンダ(10、19)および1つの操作部(13、20)から構成される操作機構と、により提供される少なくとも2つの締付位置が存在する請求項12に記載の直列端子(29)。
【請求項14】
前記コイルばね(8)が予め付勢されて前記テンション・フレーム(3)の終端位置において回転止め(25)が前記操作シリンダ(19)の止め凹部(26)とかみ合うように、それぞれ1つの回転止め(25)が前記絶縁材ハウジング(30)内に可動に支持されている請求項12または13に記載の直列端子(29)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
導体レール部分と、
導体レール部分に対して相対的に可動に導体レール部分に支持され且つ導体を締付端縁と導体レール部分との間に挟み付けるために導体レール部分の下側で挟む少なくとも1つの締付端縁を有するテンション・フレームと、および
導体レール部分およびテンション・フレームと作動結合をなし且つテンション・フレームおよび導体レール部分の間にばね力を与えるコイルばねと、を有するばね締付要素に関するものである。
【0002】
本発明は、さらに、絶縁材ハウジングと、および絶縁材ハウジング内に受け入れられた少なくとも1つのばね締付要素と、を有する直列端子に関するものである。
【背景技術】
【0003】
このようなテンション・フレーム/ばね力端子は特に大電流利用に適している。コイルばねはテンション・フレームの締付端縁に十分な締付力を与え、これにより大電流用に適した締付作用を締付端縁に当接する導体に与えることが可能である。
【0004】
DE19817924C2から、このようなテンション・フレーム/ばね力締付接続を有する大電流端子が既知である。締付位置を開放するために、テンション・フレームは送り/回転シリンダにより下方に押し付けられ、このときコイル圧縮ばねが圧縮される。この場合、送り/回転シリンダは大電流端子の絶縁材ハウジング内において案内される。
【0005】
送り/回転シリンダの最大下方位置において、送り/回転シリンダは、ばねの復元力に抗して移動可能な固定バーにより開放終端位置に保持可能である。
DE102008008651A1に、かご形引張ばねとして形成されたばね締付接続を有する電気端子が記載されている。かご形引張ばねは接点かご内に挿入され且つかご形引張ばねの締付脚部はねじを介して可動である。ねじは端子の絶縁材ハウジング内に位置固定に且つ回転可能に支持され且つ回転することなく絶縁材ハウジング内で縦方向に可動に案内されたねじ山ナットと協働する。導体を受け入れるための締付接続の開放は、かご形引張ばねの締付脚部におけるねじ山ナットを引っ張ることにより行われる。
【0006】
DE60007149T2に、テンション・フレーム/ばね締付接続を有する接続端子が記載され、この接続端子においては、回転可能に支持された外周にねじ面を有するジャーナルが、対応するねじ面を有する2つのスリーブ間に挿入されている。一方のスリーブはテンション・フレームに支持され、他方のスリーブは絶縁材ハウジングと一体に成形されている。操作ジャーナルを回転することにより、テンション・フレームはねじ面の相互滑りを介して移動可能である。
【0007】
さらに、DE19513281A1から、固定された接続フレーム並びに接続フレームに対して相対的に可動なブッシュ端子を有する接続端子が既知である。ブッシュ端子と接続フレームとの間に圧縮ばねが配置されている。締付ねじのねじ山軸が接続フレームの内孔を貫通し且つブッシュ端子のねじ山部内にかみ合っている。締付ねじのねじ頭は、操作したときにハウジングに当接するように支持され、これにより、ブッシュ端子は受入空間を開放することが可能である。受入空間をさらに開くことは、締付ねじをさらに押し下げることによって作動可能である。
【0008】
テンション・フレームを有する既知のばね力締付接続においては、絶縁材ハウジングへの力作用によるテンション・フレーム接続の操作の問題が発生する。したがって、このようなテンション・フレーム/ばね締付接続を有する接続端子は、比較的大型に形成されなければならず、このことは構造寸法に対して不利に働く。さらに、テンション・フレームの上方の操作機構は比較的大きな空間をとり、このことは同様に構造寸法を増大させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】DE19817924C2
【特許文献2】DE102008008651A1
【特許文献3】DE60007149T2
【特許文献4】DE19513281A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、改善されたばね締付要素およびこのようなばね締付要素を有する改善された直列端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、冒頭記載のタイプのばね締付要素により、操作シリンダが、ねじ山により回転可能に且つ操作シリンダの伸長方向において位置固定に、テンション・フレームまたは導体レール部分に支持されていること、操作シリンダは、そのねじ山により、少なくとも導体を挟み付けた締付状態において、ほぼテンション・フレームの内部空間内に配置されていること、および操作シリンダのねじ山は、操作シリンダを回転させてテンション・フレームを導体レール部分に対して相対的に移動させるために、テンション・フレームまたは導体レール部分と結合された操作部のねじ山とかみ合っていること、によって解決される。
【0012】
本発明の教示により、ねじ山を有する操作シリンダは、少なくとも締付状態において、テンション・フレームの内部空間内に入り込んで伸長している。しかしながら、この場合、操作シリンダは、回転可能に且つその伸長方向において位置固定に、テンション・フレームまたは導体レール部分に支持されている。操作シリンダを回転したときの操作シリンダと操作部との間の相互の相対運動により、コイルばねの軸方向の荷重除去または荷重付加したがってばね締付要素の開放および閉鎖が行われる。操作シリンダをテンション・フレームの内部空間内に受け入れることにより、ばね締付要素の操作のために必要な作用空間は、利用されていないテンション・フレームの内部空間内に移動される。テンション・フレームの上方に操作機構のための追加構造空間は必要ではない。
【0013】
さらに、操作シリンダにより、自己支持タイプのばね締付要素が提供され、このばね締付要素においては、ばね締付要素の操作を行わせるために、操作機構はもはや直列端子の絶縁材ハウジングに支持される必要はない。操作シリンダと操作部との間の相互の相対回転において、操作力は、操作シリンダをテンション・フレームに装着することによりテンション・フレームによって受け止められ、および操作相手部分を直接または間接にコイルばねに装着することにより、ばね締付要素それ自身によって受け止められる。
【0014】
このようにして、直列端子のための絶縁材ハウジングの形成は、これが堅固に且つ補強されて形成される必要なく簡単化可能である。
操作シリンダが外ねじ山を有しおよび操作相手部分内の操作部が内ねじ山を有するスリーブの形に形成されているとき、それは特に有利である。このとき、操作シリンダがスリーブ内に入り込み且つその外ねじ山をスリーブの内ねじ山と協働させる。
【0015】
操作シリンダが内ねじ山を有し且つ外ねじ山を有する操作相手部分が操作シリンダの内部空間内にかみ合う逆の変更態様もまた考えられることは当然であり、これにより、両方の部分の一方を回転したときに操作ボルトと操作相手部分との間の相対運動を行わせることが可能である。
【0016】
ねじ山を有する操作シリンダがコイルばねの内部空間内に入り込んで伸長し、これにより、コイルばねの内部空間が受入空間として利用されるとき、それは特に有利である。
ここで、さらに、操作部特にスリーブがその外周に例えば突出部を有していてもよく、この場合、コイルばねはこの突出部に当接する。したがって、スリーブ並びに操作シリンダはコイルばねの内部空間内に入り込み、これにより、これまで利用されなかったこの空間が利用され且つばね締付要素の構造寸法が従来の方法に比較して著しく低減される。
【0017】
同様に、操作シリンダがその外周に突出部を有し且つテンション・フレームがこの突出部に当接していてもよい。突出部は外周の少なくとも1つの部分領域内に存在していてもよいが、場合により、変化する深さで外周の周りをリング状に包囲してもよい。
【0018】
代替態様として、コイルばねがスリーブの内部空間内に受け入れられ且つスリーブ内に入り込んだ操作シリンダの自由端部とスリーブの底部との間に配置されていることもまた考えられる。この場合、通常利用されないスリーブの内部空間が受入空間として利用され且つ同様に小さい構造寸法が達成される。ここで、コイルばねはスリーブの底部に対しておよび操作シリンダ即ちボルトの端面側に対して作用する。
【0019】
周方向突出部が止め凹部を有し、および少なくとも1つの終端位置において回らないように操作シリンダを固定するために、止め凹部内に係止可能な回転止めが設けられているとき、それは特に有利である。回転止めを止め凹部内にはめ込んだとき、操作シリンダのそれ以後の回転は阻止される。このような回転は、コイルばねが予め付勢され且つ圧力が操作シリンダに作用し、この圧力が操作シリンダを自動的に回転運動させ、したがってばね締付要素を自動的に閉鎖させるであろうとき、特に発生する。
【0020】
導体レール部分と導体レール部分に向かい合うトンネル薄板の内壁との間に接続空間を提供して導体レール部分にトンネル薄板が固定されているとき、それは特に有利である。コイルばねおよび場合により操作相手部分ないしはスリーブはトンネル薄板に支持される。トンネル薄板の内壁と導体レール部分との間の接続空間は、このとき、例えば横ブリッジの接点ピンを挿入するために利用可能である。このような接点ピンを、トンネル薄板および特に導体レール部分と確実に電気的に接触させるために、接続空間内に挿入可能な接点ピンに接点圧力を与えるための板ばねが接続空間内に配置されているとき、それは特に有利である。これにより、ばね力ないしは差込力は接続される導体とは無関係であることが保証されている。
【0021】
課題は、さらに、絶縁材ハウジングと、および絶縁材ハウジング内に受け入れられた上記のタイプの少なくとも1つのばね締付要素と、を有する直列端子によって解決される。
共通の導体レール部分に少なくとも2つの締付位置が存在するとき、それは特に有利である。締付位置は、このとき、それぞれ、1つのテンション・フレームと、および1つの操作機構と、により提供される。操作機構は、それぞれ、相互にかみ合って対をなす付属された操作シリンダおよびねじ山を有する操作部によって形成されている。
【0022】
さらに、コイルばねが予め付勢されてテンション・フレームの終端位置において回転止めが操作シリンダの止め凹部とかみ合うように、それぞれ1つの回転止めが絶縁材ハウジング内に可動に支持されているとき、それは有利である。このようにして、回転止めは操作シリンダの自動回転を阻止し、したがってばね締付要素の自動閉鎖を阻止する。
【0023】
以下に本発明が実施例により添付の図面を用いて詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、共通の導体レール部分上に配置された2つのばね締付要素の第1の実施形態の側断面図を示す。
図2図2は、図1からのばね締付要素の正面斜視図を示す。
図3図3は、図1および2からのばね締付要素の側面図を示す。
図4図4は、共通の導体レール部分上に配置された2つのばね締付要素の第2の実施形態の非操作状態または操作状態における正面断面図を示す。
図5図5は、図4からのばね締付要素の正面斜視図を示す。
図6図6は、図4および5からのばね締付要素の側面図を示す。
図7図7は、ばね締付要素の第2の実施形態を有する直列端子の正面図を示す。
図8図8は、回転止めを設けた操作シリンダの、止め凹部を有する突出部の平面図を示す。
図9図9は、横ブリッジを有する、支持レール上に並列に配置された2つの直列端子の斜視図を示す。
図10図10は、挿入された横ブリッジを有する図9からの直列端子の、並列に配置された2つのばね締付要素の斜視図を示す。
図11図11は、スリーブ内にコイルばねを有するばね締付要素の他の実施形態の側面図を示す。
図12図12は、図11からのばね締付要素の変更実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、ばね締付要素(換言すれば、ばね端子)1の第1の実施形態を示す。図示の実施例においては、共通の導体レール部分(換言すれば、母線)2上に2つのばね締付要素1a、1bが形成されている。
【0026】
ばね締付要素1a、1bはそれぞれ導体レール部分2の一部を利用し、その一部内にテンション・フレーム3が可動に支持されている。このために、テンション・フレーム3は、テンション・フレーム3の向かい合う側壁に例えば開口4a、4bを有し、開口4a、4b内を導体レール部分2が貫通して案内されている。開口4a、4bはそれぞれ締付端縁5a、5bにより境界が形成され、締付端縁5a、5bは導体レール部分2の下側に配置されている。
【0027】
この実施例においては、導体レール部分2はトンネル金属薄板6を有し、トンネル薄板6は、導体レール部分2から出発して、その一部において導体レール部分2に平行に伸長し、導体レール部分2とトンネル薄板6の内壁との間に接続空間7が提供されるように曲げられている。トンネル薄板6の上方にコイル圧縮ばねの形のコイルばね8が配置され、コイルばね8は、その下端部をトンネル薄板6に当接させ、その上端部をテンション・フレーム3の上部閉鎖壁9に当接させている。コイルばね8の力により、テンション・フレーム3はコイルばね8の軸方向上方に押し付けられているので、導体を締め付けるために締付端縁5aおよび5bと導体レール部分2との間に締付力が提供される。
【0028】
導体を挟み込むように締付端縁5a、5bと導体レール部分2との間に形成された締付位置を開放可能にするために、コイルばね8は圧縮されなければならない。このために、操作シリンダ10が設けられ、操作シリンダ10は、コイルばね8の内部空間内に入り込んで伸長し且つ外周に外ねじ山の形のねじ山11を有している。ねじ山11は対応する操作部13のねじ山12とかみ合っている。閉鎖壁9上に、上部閉鎖壁9と共に内ねじ山を提供するねじ山ナット部分14が装着されていることにより、操作部13は閉鎖壁9に接して形成されている。
【0029】
操作シリンダ10はその下端部がトンネル薄板6に回転可能に支持されているので、コイルばね8の下端部、トンネル薄板6および導体レール部分2に対して軸方向に位置固定に装着されている。
【0030】
操作シリンダ10を回転したとき、テンション・フレーム3は、操作シリンダ10のねじ山11と操作部13のねじ山12との協働により、操作シリンダ10の伸長方向即ち軸方向下方に移動され、この場合、コイルばね8は圧縮され且つ締付端縁5aおよび5bと導体レール部分2との間の間隔は増大される。このとき、導体のための締付位置は開放され且つ導体は取出し可能である。
【0031】
図2は、図1からのばね締付要素1a、1bの正面斜視図を示す。操作シリンダ10がそれぞれコイルばね8の内部空間内に入り込んで伸長し、その長さがほぼ内部空間内に受け入れられ、したがって、きわめて僅かな追加空間を占めるにすぎないことが明らかとなる。
【0032】
ばね締付要素1bにおいて、即ち右側に示された変更態様においては、上部閉鎖壁9にねじ山ナット要素14が装着されていないこともまた明らかとなる。操作部13のねじ山12はむしろ閉鎖壁9の対応する貫通開口内にのみ形成される。
【0033】
図1および2にさらに深さストッパ15が示され、深さストッパ15は、両方のばね締付要素1a、1bの間において、操作シリンダ10の伸長方向に対して平行に導体レール部分2内に入り込んで伸長している。
【0034】
この深さストッパ15は、上部壁および2つの向かい合う側壁、および場合により下部壁により箱形に形成されている導体レール部分2内において、導体レール部分2内に挿入された導体のためのストッパとして働く。さらに、深さストッパ15は端子の上側においてテスト用ピックアップとして働く。
【0035】
図2から、さらに、トンネル金属薄板6がブラケット(換言すれば、突片)16により導体レール部分2の側壁の対応する受入開口17内にはめ込まれ且つそこに固定されていることがわかる。
【0036】
さらに、トンネル薄板6が、トンネル薄板6を導体レール部分2上に支持するための、導体レール部分2の方向に下側に曲げられた足部を有していることが明らかとなる。
図3は、ばね締付要素1の側面図を示す。図1に示す断面を定義するための切断線B−Bが明確に示されている。
【0037】
さらに、操作シリンダ10がコイルばね8の内部空間内に案内されていることがわかる。
図1および3から、さらに、接続空間7内においてトンネル薄板6の下側に板ばね18が配置され、板ばね18は接続空間7内に挿入された接点ピンにばね力を与えることがわかる。このような接点ピンは、例えば、横ブリッジの、断面が矩形または楕円形の接点シューであってもよい。
【0038】
図4は、ばね締付要素1の第2の実施形態を示す。この場合もまた、2つのばね締付要素1a、1bが共通の導体レール部分2上に配置されている。左側のばね締付要素1aは閉鎖状態にあるが、右側のばね締付要素1bは、コイルばね8が圧縮されて開放状態に存在するので、接続されるべき導体ないしは導体の心線端末スリーブが挿入または取り出し可能である。
【0039】
ばね締付要素1のこの実施形態においては、同様に、操作シリンダ19が回転可能にテンション・フレーム3に支持され且つそのねじ山11をコイルばね8の内部空間内に入り込ませて伸長している。
【0040】
さらに、内ねじ山21を有するスリーブ20が設けられ、スリーブ20はトンネル薄板6に当接している。操作シリンダ19の自由端部はスリーブ20の内部空間内に入り込んで伸長しているので、操作シリンダ19のねじ山11はスリーブ20のねじ山21とかみ合っている。スリーブ20は、このように、スリーブ20および操作シリンダ19から形成される操作機構に対する操作部を提供する。
【0041】
スリーブ20は下端部に全周突出部22(フランジ)を有し、突出部22にコイルばね8の下端部が当接している。さらに、トンネル薄板6からピン23が上方に突出し、ピン23は突出部22の凹部内に入り込み、これにより、スリーブ20を回転しないようにトンネル薄板6に固定している。突出部22は矩形フランジであってもよく、その側壁は絶縁材ハウジング30またはテンション・フレーム3に支持されているので、回転運動を阻止する。
【0042】
操作シリンダ19は、同様に、上端部の範囲内に全周突出部24を有し、突出部24はテンション・フレーム3の閉鎖壁9に当接している。このようにして、操作シリンダ19を回転したとき、操作シリンダ19はスリーブ20内にねじ込まれ且つテンション・フレーム3はコイルばね8を圧縮して導体レール部分2の方向に下方に移動される。
【0043】
さらに、トンネル薄板6は導体レール部分2と間隔をなしてそれに平行に伸長する部分を有し、この部分により、隣接する導体レール部分の一部とそれに向かい合うトンネル薄板6の内壁との間に接続空間7が提供されることが明らかとなる。一方で、トンネル薄板6の下側に、接続空間7内に挿入された例えば横ブリッジの接点ピンとのばね力による接触を形成するための板ばね18が配置されている。
【0044】
図4の右側に示す操作されたばね締付要素1bの図から、締付位置の開放状態においてコイルばね8が圧縮されていることが明らかとなる。このために、操作シリンダ19のねじ山11はほぼ完全にスリーブ20内にねじ込まれている。締付位置が開放されたこの終端位置において、操作シリンダ19はコイルばね8の力により回転運動を受け、この回転運動が締付位置を閉鎖させ且つ操作シリンダ19を回転させてスリーブ20から引き出すように働くであろう。この場合でも開放された締付位置において導体を確実に締付可能にし且つ締付位置を開放したまま保持するために、回転止め25が設けられ、回転止め25は操作シリンダ19の突出部24の止め凹部26内に移動して入り込む。しかしながら、これは終端位置においてのみ可能であり、その理由は、終端位置以外においては、回転止め25はテンション・フレーム3にあたるからである。このことは、左側に示した閉鎖されたばね締付要素1aからわかる。
【0045】
図4から、さらに、導体レール部分2の内壁に接点突出部27が配置され、接点突出部27は導体レール部分2の表面から突出し且つ接点突出部27内に心線端末スリーブLまたは導体が引っ掻き接触(換言すれば、係合)することが明らかとなる。このようにして、改善された電気接触が保証され、および場合によりその心線端末スリーブLを有する導体が大きな引張荷重においても締付位置から抜け出すことがないことが保証される。
【0046】
図5は、図4に示すばね締付要素1a、1bの第2の実施形態の正面斜視図を示す。この図から、導体レール部分2がU形状に曲げられ且つ上部壁および2つの向かい合う側壁を有し、これらの壁の間に、場合によりその心線端末スリーブLを有する導体が受け入れられることが明らかとなる。
【0047】
締付端縁5a、5bは、場合により、導体レール部分2の側壁の切り込み28内において案内されている。
図5から、さらに、操作シリンダ19が、上端部において、テンション・フレーム3の上部閉鎖壁9に隣接して、止め凹部26を設けた全周突出部24を有していることが明らかとなる。突出部24は、このように、4つの突出フィンガにより星形に形成されている。右側のばね締付要素1bの図示の終端位置において、このとき、フィンガ間の中間空間内に回転止め25がかみ合い可能であり、回転止め25は、下方に移動されたテンション・フレーム3に基づき、操作シリンダ19の中心軸線の方向に移動可能に、例えば直列端子の絶縁材ハウジング内に支持されている。
【0048】
図6は、図4からのばね締付要素1aの側面図を示す。同様に、図4の断面図の断面を示す切断線B−Bが明らかとなる。
さらに、操作シリンダ19はコイルばね8の内部空間内のスリーブ20内にのみ伸長しているので、このようにして、ばね締付要素1aの操作のための追加構造空間は必要ではないことが明らかとなる。
【0049】
図7は、絶縁材ハウジング30を有する直列端子(換言すれば、端子ブロック)29の正面図を示し、絶縁材ハウジング30内に図4−6の両方のばね締付要素1a、1bが共通の導体レール部分2と共に組み込まれている。
【0050】
同様に、両方のばね締付要素1a、1bの間において、深さストッパ15が絶縁材ハウジング30内に案内されている。深さストッパ15の上端部へのアクセスを確保するために、深さストッパ15の上端部内に絶縁材ハウジング30はテスト用開口31を有している。
【0051】
このように、導体レール部分2と係合している深さストッパ15はテスト用ピックアップ(換言すれば、テスト接点)として利用可能である。深さストッパ15は、さらに、導体レール部分2内において、開放側から導体レール部分2内に挿入された導体ないしはその心線端末スリーブLのための終端ストッパとして働く。
【0052】
図から、さらに、直列端子29が下部領域内に止め凹部32を有し、止め凹部32により、直列端子29はそれ自身既知のように支持レール33上に固定可能であることが明らかとなる。代替態様として、直列端子29はねじ結合により支持台に固定されてもよい。
【0053】
さらに、特に右側の操作ばね締付要素1bにより、ばね締付要素1a、1bは自己支持タイプであり且つ操作において絶縁材ハウジング30に顕著な操作力が与えられないことが明らかとなる。むしろ、操作シリンダ19およびスリーブ20から形成された操作機構はコイルばね8の内部空間内で作動し、且つテンション・フレーム3と、および導体レール部分2例えばトンネル薄板6に隣接するコイルばね8の自由端部と、に力を与えるにすぎず、絶縁材ハウジング30に力を与えることはない。
【0054】
図8は、図4−7のばね締付要素1の平面図を示す。ここでは、操作シリンダ19の突出部24内に止め凹部26があることが明確にわかる。操作シリンダ19の回転は、例えば六角レンチまたはねじ回しのような操作工具により可能となり、操作工具は、操作シリンダ19の上方自由端部の六角形開口34内に挿入可能である。
【0055】
さらに、回転止め25が操作シリンダの中心軸線の方向に移動され且つ止めフィンガ35を突出部24の止め凹部26内にかみ合わせていることがわかる。このようにして、コイルばね8を弛緩させて締付位置を閉鎖させることになる操作シリンダ19の自動回転が阻止される。
【0056】
図9は、支持レール33上に並列に配置された2つの直列端子29a、29bの斜視図を示し、直列端子29a、29bは上記の第1または第2の実施形態の締付要素を内部空間内に有している。
【0057】
接続空間7内に横ブリッジ36の接点ピンが挿入されていることが明らかとなる。このようにして、直列端子29aの電位が隣接する直列端子29bに供給可能である。
接点ピン37を有する横ブリッジ36の接続空間7内への差込みが図10から明らかとなる。ここでは、絶縁材ハウジングが取り除かれた2つの直列端子の並列配置が示されているので、接続空間7およびその中に差し込まれた接点ピン37が一部見られる。
【0058】
図9から、回転止め25がそれぞれ、絶縁材ハウジング30の受入開口内に、回転止め25が絶縁材ハウジング30内において導体の差込方向に可動に支持されているように挿入されていることがわかる。回転止め25は、操作シリンダ10、19から外方に押し出されるように、圧縮ばねD(図10)により予め付勢されている。回転を止めるために、このとき、回転止め25がばね力に抗して絶縁材ハウジング30内に押し込まれなければならない。この場合、回転止め25が突出部24の止め凹部26内にかみ合い且つばね付勢された操作シリンダ10、19から回転止め25に顕著な力が作用したとき直ちに、絶縁材ハウジング30にかかっている荷重を除去するために、回転止め25はテンション・フレーム3の凹部A内に案内される。回転止め25は、このとき、突出部24が回転止め25に押し付けられることにより、摩擦力によって止め位置内に保持される。
【0059】
回転止め25は、突出部24と回転止め25との間の摩擦結合が除去されることにより、操作シリンダ10、19の過回転により解放される。回転止め25はこのとき自動的にばね力により外方に押し出される。この過程が止め凹部26の輪郭によって支援される。
【0060】
図11は、スリーブ20から形成された操作部13が導体レール部分2のトンネル薄板6に当接しているばね締付要素1の他の実施形態を示す。スリーブ20は内ねじを有し、この内ねじ内に、テンション・フレーム3のフランジによって支持された操作シリンダ19の外ねじがかみ合っている。操作シリンダ19の操作部はテンション・フレーム3を貫通して上方に突出している。操作部内に例えば多角形開口が設けられ、これにより、操作シリンダ19は、多角形開口内に挿入され且つそれと係合する工具により回転可能となる。
【0061】
図示の実施形態は、コイルばね8がスリーブ20の内部空間内に受け入れられ且つスリーブ20の底部および操作シリンダ19(ねじ山ボルト)の端面側に対して作用することを特徴とする。ばね力により、操作シリンダ19は、固定されていない状態において、即ち回転止め25の解放後において、したがってテンション・フレーム3の解放後において、上方にさらにスリーブ20から抜け出すように回転されるので、テンション・フレーム3は上方に移動し且つ導体Lを導体レール部分2に圧着する。この実施形態は、外側に存在するコイルばねを有する上記の方法に比較して締付システムの摩擦がより小さいことを特徴とし且つ特に端子間のより大きなピッチ幅(換言すれば、分離幅)における使用に対して提供されている。
【0062】
図12は、図11からの実施形態の一変更態様を示す。スリーブ20内に配置されたコイルばね8を有するばね締付要素1の構造およびその機能は原理的に同じである。しかしながら、この変更態様においては、操作シリンダ19はスリーブ20として形成され、スリーブ20内に、操作部13を形成するねじ山ボルトがかみ合っている。ねじ山ボルトは導体レール部分2のトンネル薄板6上に支持されている。
〔態様1〕
導体レール部分(2)と、
前記導体レール部分(2)に対して相対的に可動に導体レール部分(2)に支持され且つ導体(L)を締付端縁(5a、5b)と導体レール部分(2)との間に挟み付けるために導体レール部分(2)の下側で挟む締付端縁(5a、5b)を有するテンション・フレーム(3)と、および
前記導体レール部分(2)および前記テンション・フレーム(3)と作動結合をなし且つテンション・フレーム(3)および導体レール部分(2)の間にばね力を与えるコイルばね(8)と、を有するばね締付要素(1)において、
操作シリンダ(10、19)が、ねじ山(11)により回転可能に且つ操作シリンダ(10、19)の伸長方向において位置固定に、テンション・フレーム(3)または導体レール部分(2)に支持されていること、
前記操作シリンダ(10、19)は、そのねじ山(11)により、少なくとも導体(L)を挟み付けた締付状態において、ほぼテンション・フレーム(3)の内部空間内に配置されていること、および
操作シリンダ(10、19)のねじ山(11)は、操作シリンダ(10、19)を回転させてテンション・フレーム(3)を導体レール部分(2)に対して相対的に移動させるために、テンション・フレーム(3)または導体レール部分(2)と結合された操作部(13)のねじ山(12)とかみ合っていること、を特徴とするばね締付要素(1)。
〔態様2〕
操作シリンダ(19)が外ねじ山を有し、内ねじ山を有するスリーブ(20)が操作部(13)を形成し、この場合、操作シリンダ(19)がスリーブ(20)内に入り込み且つその外ねじ山をスリーブ(20)の内ねじ山と協働させることを特徴とする態様1に記載のばね締付要素(1)。
〔態様3〕
操作部(13)が外ねじ山を有し、内ねじ山を有するスリーブ(20)が操作シリンダ(19)を形成し、この場合、操作部(13)がスリーブ(20)内に入り込み且つその外ねじ山をスリーブ(20)の内ねじ山と協働させることを特徴とする態様1に記載のばね締付要素(1)。
〔態様4〕
スリーブ(20)がその外周に突出部(22)を有し且つコイルばね(8)がこの突出部(22)に当接することを特徴とする態様2または3に記載のばね締付要素(1)。
〔態様5〕
コイルばね(8)がスリーブ(20)の内部空間内に受け入れられ且つスリーブ(20)内に入り込んだ操作シリンダ(19)の自由端部とスリーブ(20)の底部との間に配置されていることを特徴とする態様2ないし4のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
〔態様6〕
ねじ山(11)を有する操作シリンダ(10、19)がコイルばね(8)の内部空間内に入り込んで伸長していることを特徴とする態様1ないし4のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
〔態様7〕
操作シリンダ(10、19)が導体レール部分(2)の方向にコイルばね(8)の内部空間内に入り込んで伸長し且つテンション・フレーム(3)に支持されていること、および
コイルばね(8)の伸長方向に導体レール部分(2)に対して相対的に軸方向に固定支持された操作相手部分が、操作シリンダ(10、19)とは反対方向にコイルばね(8)の内部空間内に入り込んで伸長し、この場合、操作相手部分は操作シリンダ(10、19)のねじ山(11)とかみ合うねじ山を有すること、を特徴とする態様6に記載のばね締付要素(1)。
〔態様8〕
操作シリンダ(19)がその外周に突出部(24)を有し且つテンション・フレーム(3)がこの突出部(24)に当接することを特徴とする態様1ないし7のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
〔態様9〕
前記操作シリンダ(19)の突出部(24)は周方向に配置され且つ止め凹部(26)を有し、および少なくとも1つの終端位置において回らないように操作シリンダ(19)を固定するために、止め凹部(26)内に係止可能な回転止め(25)が設けられていることを特徴とする態様8に記載のばね締付要素(1)。
〔態様10〕
導体レール部分(2)がトンネル薄板(6)を有し、トンネル薄板(6)は、導体レール部分の一部と導体レール部分の一部に向かい合うトンネル薄板(6)の内壁との間に接続空間(7)を提供して導体レール部分の一部に取り付けられていることを特徴とする態様1ないし9のいずれか一項に記載のばね締付要素(1)。
〔態様11〕
前記接続空間(7)内に挿入可能な接点ピンに接点圧力を与えるための、接続空間(7)内に配置された板ばね(18)を備えることを特徴とする態様10に記載のばね締付要素(1)。
〔態様12〕
絶縁材ハウジング(30)と、および絶縁材ハウジング(30)内に受け入れられた態様1ないし11のいずれか一項に記載の少なくとも1つのばね締付要素(1)と、を有する直列端子(29)。
〔態様13〕
共通の導体レール部分(2)に、それぞれ、1つのテンション・フレーム(3)と、および1つの操作シリンダ(10、19)および1つの操作部(13、20)により形成された操作機構と、により提供される少なくとも2つの締付位置が存在することを特徴とする態様12に記載の直列端子(29)。
〔態様14〕
コイルばね(8)が予め付勢されてテンション・フレーム(3)の終端位置において回転止め(25)が操作シリンダ(19)の止め凹部(26)とかみ合うように、それぞれ1つの回転止め(25)が絶縁材ハウジング(30)内に可動に支持されていることを特徴とする態様12または13に記載の直列端子(29)。
【符号の説明】
【0063】
1、1a、1b ばね締付要素
2 導体レール部分
3 テンション・フレーム
4a、4b 開口
5a、5b 締付端縁
6 トンネル薄板
7 接続空間
8 コイルばね
9 閉鎖壁
10、19 操作シリンダ
11、12、21 ねじ山
13 操作部
14 ねじ山ナット部分(ねじ山ナット要素)
15 深さストッパ
16 ブラケット
17 受入開口
18 板ばね
20 スリーブ(操作部)
22、24 突出部
23 ピン
25 回転止め
26、32 止め凹部
27 接点突出部
28 切り込み
29、29a、29b 直列端子
30 絶縁材ハウジング
31 テスト用ピックアップ
33 支持レール
34 六角形開口
35 止めフィンガ
36 横ブリッジ
37 接点ピン
A 凹部
D 圧縮ばね
L 導体(心線端末スリーブ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12