(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
開口枠に障子がスライド移動可能に設けられた既設窓の室内側の額縁部材に載置することで、既設窓の室内側において開口枠に障子がスライド移動可能に設けられた新設窓の取付可否を判別するゲージであって、
前記新設窓の障子に設けられたクレセント錠を含む新設窓の横断面図の一部であって該クレセント錠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれた判別用横断面図が上面に設けられた平板状の基部と、
前記基部に連続しつつ上下方向に沿って延在し、かつ前記新設窓の開口枠を構成する下枠を含む新設窓の縦断面図の一部であって該下枠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれた判別用縦断面図が一方の側面に設けられた平板状の上下延在部と、
室内外方向に沿って進退移動可能に設けられ、かつ前記既設窓を構成する障子のパネル材との間の離間距離を測定するための測定部材と
を備えたことを特徴とする窓取付用ゲージ。
前記上下延在部は、前記基部の一方の端部より下方に向けて延在し、かつ外面に前記判別用縦断面図が設けられた第1垂下部と、前記基部の他方の端部より下方に向けて延在する第2垂下部とを有することで、基部、第1垂下部及び第2垂下部を含む縦断面形状がコ字状を成すことを特徴とする請求項1に記載の窓取付用ゲージ。
前記第2垂下部の外面には、前記新設窓の縦断面図の一部であって前記クレセント錠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれた他の判別用縦断面図が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の窓取付用ゲージ。
前記判別用横断面図及び前記判別用縦断面図は、折り線を介して互いに連続するよう1枚の紙に描かれたものであり、前記折り線に沿って折り曲げてそれぞれ前記基部の上面及び前記上下延在部の外面に貼付されたことを特徴とする請求項1に記載の窓取付用ゲージ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に提案されているようなゲージプレートは平板状のものであるため、かかるゲージプレートを新設窓の取付可否の判別に用いようとしても、ゲージプレートを作業者が保持しながら該ゲージプレートの姿勢を変えて新設窓の取付状態を想像しながら行う必要があり、依然として新設窓の取付可否の判別を行うことは困難であった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、既設窓の室内側において新設窓の取付可否を容易に判別することができる窓取付用ゲージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る窓取付用ゲージは、開口枠に障子がスライド移動可能に設けられた既設窓の室内側の額縁部材に載置することで、既設窓の室内側において開口枠に障子がスライド移動可能に設けられた新設窓の取付可否を判別するゲージであって、前記新設窓の障子に設けられたクレセント錠を含む新設窓の横断面図の一部であって該クレセント錠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれた判別用横断面図が上面に設けられた平板状の基部と、前記基部に連続しつつ上下方向に沿って延在し、かつ前記新設窓の開口枠を構成する下枠を含む新設窓の縦断面図の一部であって該下枠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれた判別用縦断面図が一方の側面に設けられた平板状の上下延在部と、室内外方向に沿って進退移動可能に設けられ、かつ前記既設窓を構成する障子のパネル材との間の離間距離を測定するための測定部材とを備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、基部の上面に設けられた判別用横断面図には、新設窓の障子に設けられたクレセント錠を含む新設窓の横断面図の一部であって該クレセント錠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、額縁部材に載置した場合に、既設窓に設けられたクレセント錠を回動させることで該クレセント錠との干渉の有無を目視にて確認することができる。また、上記基部に連続しつつ上下方向に沿って延在する上下延在部の一方の側面に設けられた判別用縦断面図には、新設窓の開口枠を構成する下枠を含む新設窓の縦断面図の一部であって該下枠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、既設窓のクレセント錠と干渉しない位置に載置させる場合に、額縁部材が新設窓の取付に必要な寸法を有しているかを目視にて確認することができる。さらに、測定部材が室外方向に進出移動して既設窓を構成するパネル材に当接することにより、該パネル材との離間距離を目視にて測定することができ、これにより新設窓を取り付けた場合における既設窓との間の空気層の大きさを確認することができる。このように既設窓の室内側における額縁部材の所定個所に載置した場合に、判別用横断面図を用いて既設窓のクレセント錠との干渉の有無を目視にて確認することができ、判別用縦断面図を用いて該額縁部材が必要寸法を有しているかを目視にて確認することができ、さらに測定部材を用いて既設窓のパネル材との間の空気層の大きさを測定することができるので、従来のように平板状のゲージプレートを用いたり、種々の寸法を測定して条件式に当てはめたりするのに比して判別作業の短縮化を図ることができるとともに作業者の測定技術の熟練度を問わないものとすることができる。
【0011】
また、本発明は、上述した窓取付用ゲージにおいて、前記上下延在部は、前記基部の一方の端部より下方に向けて延在し、かつ外面に前記判別用縦断面図が設けられた第1垂下部と、前記基部の他方の端部より下方に向けて延在する第2垂下部とを有することで、基部、第1垂下部及び第2垂下部を含む縦断面形状がコ字状を成すことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、基部の上面に設けられた判別用横断面図には、新設窓の障子に設けられたクレセント錠を含む新設窓の横断面図の一部であって該クレセント錠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、額縁部材に載置した場合に、既設窓に設けられたクレセント錠を回動させることで該クレセント錠との干渉の有無を目視にて確認することができる。また、上記基部に連続するとともに該基部の一方の端部より下方に向けて延在する第1垂下部の外面に設けられた判別用縦断面図には、新設窓の開口枠を構成する下枠を含む新設窓の縦断面図の一部であって該下枠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、既設窓のクレセント錠と干渉しない位置に載置させる場合に、額縁部材が新設窓の取付に必要な寸法を有しているかを目視にて確認することができる。さらに、測定部材が室外方向に進出移動して既設窓を構成するパネル材に当接することにより、該パネル材との離間距離を測定することができ、これにより新設窓を取り付けた場合における既設窓との間の空気層の大きさを確認することができる。
【0013】
また、本発明は、上述した窓取付用ゲージにおいて、前記第2垂下部の外面には、前記新設窓の縦断面図の一部であって前記クレセント錠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれた他の判別用縦断面図が設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、上記基部に連続するとともに該基部の他方の端部より下方に向けて延在する第2垂下部の外面に設けられた他の判別用縦断面図には、新設窓の縦断面図の一部であってクレセント錠を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、新設窓のクレセント錠と既設窓のクレセント錠との干渉の有無を目視にて確認することができる。
【0015】
また、本発明は、上述した窓取付用ゲージにおいて、前記判別用横断面図及び前記判別用縦断面図は、折り線を介して互いに連続するよう1枚の紙に描かれたものであり、前記折り線に沿って折り曲げてそれぞれ前記基部の上面及び前記上下延在部の外面に貼付されたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、判別用横断面図及び判別用縦断面図が、折り線を介して互いに連続するよう1枚の紙に描かれたものであり、折り線に沿って折り曲げてそれぞれ基部の上面及び上下延在部の外面に貼付されたものであるので、作業現場においても容易に製作することができる。
【0017】
また、本発明は、上述した窓取付用ゲージにおいて、前記測定部材は、目盛りが設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、測定部材には目盛りが設けられているので、測定部材が室外方向に進出移動して既設窓を構成するパネル材に当接することにより、該パネル材との離間距離を目視にて測定することができ、これにより新設窓を取り付けた場合における既設窓との間の空気層の大きさを目視にて確認することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、既設窓の室内側において新設窓の取付可否を容易に判別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る窓取付用ゲージの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態である窓取付用ゲージが適用される建具である既設窓を示すものであり、(a)は横断面図であり、(b)は縦断面図である。
【0023】
ここで例示する既設窓10は、建物1の開口2に設置されたものであり、開口枠11と左右2枚の障子12とを備え、開口枠11に対して2枚の障子12を左右方向にスライド移動させて開閉する、いわゆる「引き違い窓」と称されるものである。かかる既設窓10においては、さらに開口枠11において室外側に位置する部位に網戸13を1枚備えたものを例示している。
【0024】
開口枠11は、上枠11a、下枠11b及び左右一対の縦枠11cを四周枠組みすることによって横長に構成した矩形状を成すものである。上枠11a、下枠11b及び縦枠11cには、それぞれの室外側に位置する縁部に網戸レール11dが設けてある。
【0025】
2枚の障子12は、それぞれ上框12a、下框12b及び左右一対の縦框12c,12dを四周框組みし、かつこれら上框12a、下框12b及び縦框12c,12dの間にガラス板等のパネル材12eを配設することにより構成したものである。これら障子12は、開口枠11の内部に左右方向に沿ってスライド移動可能に配設してある。これらの障子12は、互いに同一の大きさを有し、かつそれぞれの一方の縦框(以下、召合せ框ともいう)12dを重ね合わせて左右に並設した場合に開口枠11の開口を閉塞することのできる大きさに構成してある。
【0026】
網戸13は、障子12と同様、網戸用上框13a、網戸用下框13b及び左右一対の網戸用縦框13cを四周框組みすることによって構成した網戸用框の内部に網13dを張って構成したものである。この網戸13は、網戸レール11dに係合することで開口枠11の内部において障子12よりも室外側に位置する部位に左右方向に沿ってスライド移動可能に配設してある。ここで網戸レール11dは、各枠の見込み面から突出したヒレ状部分である。上枠11a及び下枠11bに設けられた網戸レール11dは、網戸13の網戸用上框13a及び網戸用下框13bの溝に係合することによって網戸13のスライドを案内するためのものである。縦枠11cに設けられた網戸レール11dは、網戸13を閉めた際に網戸用縦框13cの溝に係合するものである。
【0027】
このような既設窓10の室内側には、建物1の開口2において室内側に位置する四周の見込み面にそれぞれ額縁部材14が取り付けてある。尚、
図1中の符号15は、室内側の障子12の召合せ框12dに設けられたクレセント錠である。
【0028】
図2〜
図6は、それぞれ本発明の実施の形態である窓取付用ゲージを示すものであり、
図2は斜視図、
図3は平面図、
図4は右側面図、
図5は左側面図、
図6は室内側から見た正面図である。ここで例示する窓取付用ゲージ20は、上記既設窓10の室内側において該既設窓10と同様の構成を有する新設窓の取付可否を判別するためのもので、ゲージ本体21と、判別用断面
図22とを備えて構成してある。
【0029】
ここでは、まず新設窓について説明する。尚、以下においては上述した既設窓10の構成要素と区別するため、新設窓の各構成要素に「新設」という接頭語を付してそれぞれを説明する。
【0030】
図7は、既設窓の室内側の額縁部材に新設窓を取り付けた場合を示すもので、(a)は横断面図であり、(b)は縦断面図である。この
図7に示すように、新設窓30は、既設窓10と大きさは異なるが、同様の構成を有するものであり、額縁部材14に設置された新設開口枠31と、左右2枚の新設障子32とを備え、新設開口枠31に対して2枚の新設障子32を左右方向にスライド移動させて開閉する、いわゆる「引き違い窓」と称されるものである。
【0031】
新設開口枠31は、新設上枠31a、新設下枠31b及び左右一対の新設縦枠31cを四周枠組みすることによって横長に構成した矩形状を成すものである。
【0032】
2枚の新設障子32は、それぞれ新設上框32a、新設下框32b及び左右一対の新設縦框32c,32dを四周框組みし、かつこれら新設上框32a、新設下框32b及び新設縦框32c,32dの間にガラス板等の新設パネル材32eを配設することにより構成したものである。これら新設障子32は、新設開口枠31の内部に左右方向に沿ってスライド移動可能に配設してある。これらの新設障子32は、互いに同一の大きさを有し、かつそれぞれの一方の新設縦框(以下、新設召合せ框ともいう)32dを重ね合わせて左右に並設した場合に新設開口枠31の開口を閉塞することのできる大きさに構成してある。尚、
図7中の符号35は、室内側の新設障子32の新設召合せ框32dに設けられた新設クレセント錠である。
【0033】
このような新設窓30の取付可否を判別するための窓取付用ゲージ20を構成するゲージ本体21は、水平部(基部)21aと、右側垂下部(第1垂下部)21b、左側垂下部(第2垂下部)21cとを備えて構成してある。
【0034】
水平部21aは、水平方向に延在する平板状を成しており、左右方向、すなわち既設窓10の見付け方向が長手方向となる矩形状部位である。この水平部21aの室内外方向の幅、すなわち既設窓10の見込み方向と平行な方向の幅は、新設窓30の見込み方向の寸法と同程度の大きさを有している。
【0035】
右側垂下部21bは、水平部21aの右側端部より下方に向けて延在する矩形状部位であり、水平部21aと直交する方向に延在するものである。この右側垂下部21bの室内外方向の幅、すなわち既設窓10の見込み方向と平行な方向の幅は、水平部21aと同様に新設窓30の見込み方向の寸法と同程度の大きさを有している。また、この右側垂下部21bの延在長さであるが、上端部分が既設窓10を構成する障子12のパネル材12eを臨むことが可能な大きさにしてある。
【0036】
このような右側垂下部21bの上端部分の左面(内面)には、長尺平板状の測定部材23が設けてある。測定部材23は、右側面に室外側端部を零とする目盛り23aが設けられており、右側垂下部21bの上端部分の左面に設けられたフック部24に係合した状態で、室内外方向に沿って進退移動可能に設けられている。この測定部材23は、既設窓10の障子12を構成するパネル材12eとの離間距離を測定するものである。
【0037】
左側垂下部21cは、水平部21aの左側端部より下方に向けて延在する矩形状部位であり、水平部21aと直交する方向に延在するものである。この左側垂下部21cの室内外方向の幅、すなわち既設窓10の見込み方向と平行な方向の幅は、水平部21aと同様に新設窓30の見込み方向の寸法と同程度の大きさを有している。また、この左側垂下部21cの延在長さであるが、上端部分が既設窓10を構成する障子12のパネル材12eを臨むことが可能な大きさにしてある。
【0038】
判別用断面
図22は、判別用横断面
図22aと、第1判別用縦断面
図22bと、第2判別用縦断面
図22cとを備えて構成してある。
【0039】
判別用横断面
図22aは、取付可否の判別対象となる新設窓30の横断面図の一部であって、より詳細には、新設クレセント錠35を含む新設窓30の横断面図の一部であって該新設クレセント錠35を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれたものである。このような判別用横断面
図22aは、ゲージ本体21の水平部21aの上面21a1と同程度の大きさを有している。尚、判別用横断面
図22aにおいては、室外側の新設障子32が開いた状態を示している。
【0040】
第1判別用縦断面
図22bは、取付可否の判別対象となる新設窓30の縦断面図の一部であって、より詳細には、新設下枠31bを含む新設窓30の縦断面図の一部であって該新設下枠31bを通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれたものである。このような第1判別用縦断面
図22bは、ゲージ本体21の右側垂下部21bの右面(外面)21b1と同程度の大きさを有している。
【0041】
第2判別用縦断面
図22cは、取付可否の判別対象となる新設窓30の縦断面図の一部であって、新設クレセント錠35を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれたものである。このような第2判別用縦断面
図22cは、ゲージ本体21の左側垂下部21cの左面(外面)21c1と同程度の大きさを有している。
【0042】
これら判別用横断面
図22a、第1判別用縦断面
図22b及び第2判別用縦断面
図22cを備える判別用断面
図22は、例えばパンフレット等の冊子に綴じられた1枚の紙において、
図8の(a)に示すように、判別用横断面
図22aの一端部に連続するよう折り線22dを介して第1判別用縦断面
図22bが描かれ、かつ判別用横断面
図22aの他端部に連続するよう折り線22dを介して第2判別用縦断面
図22cが描かれたものである。
【0043】
そして、
図8の(b)に示すように、判別用断面
図22を折り線22dが山となるようにして折り曲げ、水平部21aの上面21a1に判別用横断面
図22aをのり等の接着部材を用いて貼付するとともに、右側垂下部21bの右面21b1に第1判別用縦断面
図22bをのり等の接着部材を用いて貼付し、さらに左側垂下部21cの左面21c1に第2判別用縦断面
図22cをのり等の接着部材を用いて貼付することで、判別用断面
図22をゲージ本体21に設けてある。
【0044】
これにより、水平部21aの上面21a1には判別用横断面
図22aが設けてあり、右側垂下部21bの右面21b1には第1判別用縦断面
図22bが設けてあり、左側垂下部21cの左面21c1には第2判別用縦断面
図22cが設けてあり、ゲージ本体21及び判別用断面
図22を備える窓取付用ゲージ20は、ゲージ本体21の水平部21a、右側垂下部21b及び左側垂下部21cを含む縦断面形状がコ字状を成している。
【0045】
以上のような構成を有する窓取付用ゲージ20を、
図9の(a)及び(b)に示すように、下側の額縁部材14における既設窓10の召合せ框12dの室内側に載置することで新設窓30の取付可否を次のように判別することができる。
【0046】
すなわち、水平部21aの上面21a1に設けられた判別用横断面
図22aには、新設クレセント錠35を含む新設窓30の横断面図の一部であって該新設クレセント錠35を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、既設窓10の召合せ框12dに設けられたクレセント錠15を回動させることで該クレセント錠15との干渉の有無を目視にて確認することができる。
【0047】
そして、右側垂下部21bの右面21b1に設けられた第1判別用縦断面
図22bには、新設下枠31bを含む新設窓30の縦断面図の一部であって該新設下枠31bを通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、窓取付用ゲージ20を既設窓10のクレセント錠15と干渉しない位置に載置させる場合に、額縁部材14が新設窓30の取付に必要な寸法を有しているかを目視にて確認することができる。また、左側垂下部21cの左面21c1に設けられた第2判別用縦断面
図22cには、新設窓30の縦断面図の一部であって新設クレセント錠35を通過する見込み方向の寸法を構成する要素が原寸大で描かれているので、新設クレセント錠35とクレセント錠15との干渉の有無を目視にて確認することができる。
【0048】
さらに、測定部材23を既設窓10に対して進出移動させて該既設窓10のパネル材12eとの離間距離を目視にて測定することができ、これにより新設窓30を取り付けた場合における新設パネル材32eと既設窓10のパネル材12eとの間の空気層の大きさを確認することができる。
【0049】
このようなクレセント錠15の干渉の有無の確認、額縁部材14が必要寸法を有しているかの確認、並びに両パネル材12e間の空気層の大きさの確認を行った結果、新設窓30の取付条件を具備していれば新設窓30の取付可能と判別することができる。そして、取付可能の判別を行うことにより、
図7や
図10に示すように、額縁部材14に新設窓30を良好に取り付けることができる。
【0050】
一方、窓取付用ゲージ20を既設窓10のクレセント錠15と干渉しない位置に載置させる場合に該窓取付用ゲージ20が額縁部材14より室内側に所定量以上突出してしまう等により額縁部材14が新設窓30の取付に必要な寸法を有していなければ、新設窓30の取付不可と判別することができる。
【0051】
以上説明したように本実施の形態である窓取付用ゲージ20によれば、既設窓10の室内側における下側の額縁部材14の所定個所に載置した場合に、判別用横断面
図22a及び第2判別用縦断面
図22cを用いて既設窓10のクレセント錠15との干渉の有無を目視にて確認することができ、第1判別用縦断面
図22bを用いて該額縁部材14が必要寸法を有しているかを目視にて確認することができ、さらに測定部材23を用いて既設窓10のパネル材12eとの間の空気層の大きさを測定することができるので、従来のように平板状のゲージプレートを用いたり、種々の寸法を測定して条件式に当てはめたりするのに比して判別作業の短縮化を図ることができるとともに作業者の測定技術の熟練度を問わないものとすることができる。従って、既設窓10の室内側において新設窓30の取付可否を容易に判別することができる。
【0052】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0053】
上述した実施の形態においては、ゲージ本体21の水平部21a、右側垂下部21b及び左側垂下部21cを含む縦断面形状がコ字状を成す窓取付用ゲージ20について説明しているが、本発明においては、縦断面形状がコ字状である必要はなく、判別用横断面図が上面に設けられた基部と、該基部に連続するよう上下方向に沿って延在し、かつ一方の側面に判別用縦断面図が設けられた上下延在部とが連続して形成されていれば、縦断面形状がL字状、T字状、I字状、あるいはZ字状であっても構わない。
【0054】
また、上述した実施の形態においては、水平部21aは、水平方向に延在する平板状を成しているが、本発明においては、基部は、上面に判別用横断面図が設けられた平板状であれば、必ずしも水平方向に延在していなくても良い。
【0055】
また、上述した実施の形態においては、ゲージ本体21の水平部21a、右側垂下部21b及び左側垂下部21cは、それぞれ室内外方向の幅が新設窓30の見込み方向の寸法と同程度の大きさを有するものであったが、本発明においては、基部及び上下延在部の室内外方向の幅は、新設窓の見込み方向の寸法以上の大きさを有していればよい。
【0056】
また、上述した実施の形態においては、ゲージ本体21の左側垂下部21cの左面21c1には、第2判別用縦断面
図22cが設けてあるが、本発明においては、第2判別用縦断面
図22cは設けられていなくても良い。
【0057】
また、上述した実施の形態においては、判別用断面
図22は、例えばパンフレット等の冊子に綴じられた1枚の紙に描かれたものであるが、本発明においては、判別用横断面図及び判別用縦断面図は、基部及び上下延在部に直接描かれたものであっても構わない。
【0058】
また、上述した実施の形態においては、測定部材23の右側面に目盛り23aが設けれているが、本発明においては、測定部材に目盛りが設けられていなくても良い。