(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752129
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】設定可能なアクティブジャーク制御
(51)【国際特許分類】
F15B 11/028 20060101AFI20150702BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
F15B11/02 X
E02F9/20 Z
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-530347(P2012-530347)
(86)(22)【出願日】2010年9月21日
(65)【公表番号】特表2013-505413(P2013-505413A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】IB2010002357
(87)【国際公開番号】WO2011036534
(87)【国際公開日】20110331
【審査請求日】2013年9月24日
(31)【優先権主張番号】12/564,069
(32)【優先日】2009年9月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ウェイド エル. ジェロフ
【審査官】
柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−191285(JP,A)
【文献】
特開2001−090705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/028
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(20)の油圧システム(22)におけるジャークを制限する方法であって、該方法は、
出力圧力率を決定するために前記油圧システム(22)の弁(28)からの油圧油の出力圧力を常時測定する工程、
初期の流速から要求された流速になるように、前記弁(28)を通る油圧油の流れの変化を要求する指令を入力する工程、
前記弁(28)からの前記測定される油圧油の出力圧力によって決まる可変の最大圧力率を定める工程、
前記測定された出力圧力率を最大圧力率と比較する工程、及び、
油圧油の前記測定された出力圧力率が、前記油圧システム(22)におけるジャークを制限するために最大圧力率よりも大きいとき、前記初期の流速から、要求された流速と異なる許容された流速に油圧油の流れを調整する工程を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記初期の流速から、要求された流速と異なる許容された流速に油圧油の流れを調整する工程は、さらに、初期の流速から、要求された流速よりも小さい許容された流速に油圧油の流れを調整し、前記要求された流速に対して前記弁(28)からの油圧油の流速を減速するように定められることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記初期の流速から、要求された流速と異なる許容された流速に油圧油の流れを調整する工程は、さらに、初期の流速から、要求された流速よりも大きい許容された流速に油圧油の流れを調整し、前記要求された流速に対して前記弁(28)からの油圧油の流速を加速するように定められることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記最大圧力率は、前記弁(28)からの油圧油の出力圧力に逆比例することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記初期の流速から、許容された流速に油圧油の流れを調整する工程は、さらに、油圧油の流れを制御するために前記弁(28)の位置を調整するように定められることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
油圧油の前記測定された出力圧力率が前記最大圧力率より小さいとき、前記初期の流速から、要求された流速に油圧油の流れを調整する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記機械(20)は、前記弁(28)のワークポート(32)に連結された圧力センサ(44)を含み、かつ油圧油の出力圧力を常時測定する工程は、さらに、前記弁(28)のワークポート(32)からの油圧油の圧力を検出することを特徴とする請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に機械の分野でジャーク(加加速度)を制限する方法に関し、特に、オフロード車両内の油圧式作動システムにおいてジャークを制限することに関する。
【背景技術】
【0002】
大型車両用設備および/または機械、特に、フロントエンド・ローダ、バックホー
、掘削機、ブルドーザー等の大型のオフロード車両は、一般的に、油圧システムを含んでいる。この油圧システムは、油圧モータおよび/または油圧ピストンを作動させるために、油圧油を用いる。油圧モータおよび/または油圧ピストンに出入りする油圧油の流れは、一般的に、油圧弁によって制御される。
【0003】
油圧弁は、ポンプからの油圧油を受け入れる供給ポートと、油圧弁から油圧モータおよび/または油圧ピストンに油圧油を供給するワークポートとを含む。油圧システムの作動中、オペレータは、例えば、制御レバーまたは同等物を作動させることによって、指令を入力する。この入力された指令により、油圧弁が急速に弁位置を切り替えて、油圧油の流れ方向を変え、油圧システムの動きを変化させる。例えば、第1位置と第2位置間の制御レバーの動きによって、油圧システムがフロントエンド・ローダのバケットを上げたり、下げたりする。
【0004】
大型設備における位置間の急速な動きは、急速な変化率、即ち、設備上の種々の部品の加速又は減速を発生させる。油圧システムの急速な加速または減速によって生じる機械の動きは、一般的に、ジャークと呼ばれる。大型設備のこれらのパーツを動かす重荷重を伴うとき、この設備及びオペレータを緊張させる過度のジャークが発生する。
【発明の概要】
【0005】
機械の油圧システムにおけるジャークを制限する方法が提供される。この方法は、出力圧力率を決定するために、油圧システムの弁から時間とともに供給される油圧油の出力圧力を常時測定し、弁を通じて初期の流速から要求された流速に油圧油の流れを調整する指令を入力し、測定された出力圧力率と最大圧力率とを比較し、そして、油圧システムにおけるジャークを制限するために、測定された油圧油の出力圧力率が最大圧力率よりも大きいとき、油圧油の流れを初期の流速から要求された流速と異なる許容された流速に調整することを含んでいる。
【0006】
本発明の別の構成によれば、また、機械の油圧システムにおけるジャークを制限する方法が提供される。この方法は、出力圧力率を決定するために油圧システムの弁から油圧油の出力圧力を常時測定する工程、初期の流速から要求された流速に、前記弁を通る油圧油の流れを調整するための指令を入力する工程、前記測定された出力圧力率を最大圧力率と比較する工程、そして、油圧システムにおけるジャークを制限するために、油圧油の測定された出力圧力率が最大圧力率より大きいとき、初期の流速から要求された流速と異なる許容された流速に油圧油の流れを調整する工程を含んでいる。許容された流速は、要求された流速に対する弁からの油圧油の流速を減速せるために、要求された流速より小さいか、あるいは、要求された流速に対して弁からの油圧油の流速を加速するために、要求された流速より大きいかのいずれかである。
【0007】
したがって、この開示された方法は、測定された出力圧力率、即ち、油圧油の出力圧力の変化率が、油圧油の圧力の変化率を制限するために、最大圧力よりも大きいときにのみ、弁を通る油圧油の流速を減少又は増加させる。これにより、油圧システムの加速又は減速を制限し、そして、油圧システムの急速な動きに対応して発生したジャークを制限する。弁からの油圧油の測定された出力圧力率は、システム上の最大負荷に相当する。油圧油の測定された流速が最大圧力率よりも大きいときにのみ、要求された流速と異なる値に許容された流速を制限することにより、油圧システムは、軽い負荷の下で十分な速度で作動させることができる。また、より高い負荷の下では、機械及びオペレータへのジャークを制限することができる。
【0008】
本発明の上記特徴及び利点ならびに他の特徴及び利点は、添付の図面に関連して見るとき、以下の詳細な記載から本発明を実行するための最良の形態が容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、油圧システムを含む機械の概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、機械の油圧システムにおけるジャークを制限する方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1において、機械は、一般的に参照番号20で示される。この機械20は、フロントエンド・ローダ、バックホー、掘削機、ブルドーザー等の大型のオフロード車両を含むが、これに制限されるものではない。この機械20は、ここに記載以外の機械20を含むことができ、さらに、固定の機械、即ち、車両を含む必要のない機械20を含むことができる。
【0011】
機械20は、油圧システム22を含む。この油圧システム22は、油圧ピストンおよび/または油圧モータを含むが、これらに限定されるものではない装置24を作動させる。油圧システム22は、機械20のコンポーネント26を動かすために2つ以上の位置間で急速移動することができる。機械20のコンポーネント26は、フロントエンド・ローダのバケット、バックホーまたは掘削機のブーム、ブルドーザーのブレードを含むが、これに制限されるものではない。油圧システム22は、ここに記載しない他のいくつかの装置24を含むことができ、また、ここに記載しない他のいくつかのコンポーネント26を動かすことができる。
【0012】
油圧システム22は、油圧油を用いて、従来公知のように油圧装置24を作動させる。油圧装置に出入りする油圧油の流れは、一般的に1つ以上の油圧弁によって制御される。
【0013】
油圧弁28は、各々特定の利用に適した油圧弁28の形式及び構造を含む。一般的に、油圧弁28は、ボアを形成するハウジングを含む。このボア内にスプールが配置され、スプールは、少なくとも第1位置と第2位置との間を移動可能である。ハウジングは、さらに、供給ポート30、少なくとも1つのワークポート32、及び少なくとも1つの戻りポート34を形成する。供給ポート30、ワークポート32、戻りポート34の各々は、ボアを通じて連通している。
【0014】
供給ポート30は、ポンプ36から油圧油を供給する。ワークポート32は、油圧油を油圧装置24に出入りさせる。戻りポート34は、油圧装置24からの油圧油をタンク38に戻し、このタンクは、次にポンプ36に供給する。ボア内のスプールの動きは、種々のポート間の流体の連通を開閉し、公知のように、油圧システム22を通る油圧油の流れを制御する。基本的な油圧システム22は、ここに記載されているが、この油圧システム22は、ここに記載した以外の構成であってもよく、また、他の種々のコンポーネントを含むこともできる。
【0015】
油圧システム22の作動中、オペレータは、入力装置40を介して指令を入力する。入力装置40は、制御弁に連結したレバーを含み、この制御弁は、油圧弁28と流体連通している。代わりに、入力装置40は、油圧弁28を制御するために、油圧弁28に電気信号を送るように形成された電子コントローラ42を含む。入力装置40は、いくつかの他の適当な形式の入力装置および/または制御装置24を含み、油圧弁28を制御しかつ動作させる。
【0016】
入力した指令は、弁位置間を移動させるために油圧弁28を作動させ、油圧油の流れを変えて、油圧システム22の動きを変化させる。例えば、第1位置と第2位置との間で制御装置24の動きにより、油圧システム22が、フロントエンド・ローダのバケットを上下動させる。油圧システム22が低負荷の状態にあるとき、例えば、フロントエンド・ローダのバケットが空であるとき、油圧システム22の加速における急速な変化は、僅かにジャークを発生させる。しかし、油圧システム22が高負荷の状態にあるとき、例えば、フロントエンド・ローダのバケットが十分に積載されているとき、油圧システム22の加速における急速な変化は、大きなジャークを発生させる。
【0017】
機械20は、さらに、コントローラ42と、油圧弁28に連結された少なくとも1つの圧力センサ44を含む。コントローラ42は、コンピュータまたは同等物を含み、プロセッサ、メモリ、制御用ソフトウエア、及び機械20を作動かつ制御するために必要な他の部品を含むことができる。圧力センサ44は、ワークポート32に連結され、そして、ワークポート32と油圧装置24の間に流れる油圧油の出力圧力を検出するように構成されている。
【0018】
図2において、機械20の油圧システム22におけるジャークを制限する方法が示されている。機械20の油圧システム22におけるジャークを制限する方法は、油圧システム22の弁28から油圧油の出力圧力を常時測定する工程(ブロック46)を含む。油圧油の出力圧力は、出力圧力の変化量、即ち、時間に対する弁28からの油圧油の出力圧力の変化率を決めるために常時監視される。圧力センサ44は、時間に対する油圧弁28のワークポート32から流れる油圧油の出力圧力を測定する。このように、圧力センサ44は、油圧弁28のワークポート32から流れる油圧油の出力圧力を常時検出する。圧力センサ44は、測定された出力圧力をコントローラ42に伝達しており、このコントローラは、以下に記載するように、制御用ソフトウエアにおける測定された出力圧力に関係したデータを利用する。
【0019】
本発明の方法は、さらに、油圧油の出力圧力の変化率を計算する工程(ブロック48)を含む。出力圧力の変化率は、油圧システム22がどのように早く加速又は減速されているかを示す。油圧弁28の出力圧力の高い変化率は、高い加速または減速を示し、過度のジャークを導くことになる。コントローラ42は、ソフトウエアを用いて出力圧力の変化率を計算し、そして、メモリ内に出力圧力の変化率を記憶することができる。
【0020】
本発明の方法は、さらに、最大圧力率を定める工程(ブロック50)を含む。最大圧力率は、油圧システム22内の油圧油の時間に対する上側作動圧力の変化率である。この最大圧力率は、さらに、ワークポート32で測定された、油圧弁28から油圧油の出力圧力に依存している、可変の最大圧力の変化量を含むように定めることができる。好ましくは、最大圧力率は、弁28からの油圧油の出力圧力に反比例している。上述したように、弁28のワークポート32での出力圧力の変化率は、油圧システム22に加えられるより高い負荷に対応する。したがって、より高い出力圧力の変化率は、油圧システム22に加えられた高い負荷に関係する。同様に、より低い出力圧力の変化率は、油圧システム22に加えられるより低い負荷に関連する。このように、低い出力圧力の変化率、即ち、低負荷では、最大圧力の変化率は、最大である。同様に、高い出力圧力の変化率、即ち、高負荷では、最大圧力の変化率は、最小である。最大圧力率は、最低の出力圧力率に関連した最高レベルと最高の出力圧力率に関連した最低レベルとの間で変化する。最大圧力率は、コントローラ42に、例えば、所定の出力圧力率に対する最大圧力率の表として、蓄積される。
【0021】
本方法は、さらに、油圧システム22に指令を入力する工程(ブロック52)を含み、初期の流速から要求された流速に弁28を通る油圧油の流れに変化を要求する。この要求された流速は、与えられた入力を所定速度にするために、要求された所望の流速である。このように、油圧システム22の動きにおける急速な変化を要求する入力は、入力された指令を実行するために初期の流速よりも十分に高いか低い油圧油の要求された流速を要求する。指令は、いずれかの適切な装置24と上述したようないずれかの適切な方法によって入力することができる。
【0022】
本方法は、さらに、測定された出力圧力率と最大圧力率とを比較する工程(ブロック54)を含み、この工程は、測定された出力圧力率と最大圧力率のどちらが、最も高いかを決定する。コントローラ42の制御用ソフトウエアは、測定された出力圧力率が、最大圧力率よりも大きいかどうかを決定するために、最大圧力率に対して、測定された出力圧力率を比較する。測定された出力圧力率が、最大出力圧力率よりも大きい場合、そのとき、コントローラ42は、最大圧力率に適合して要求された流速を修正する。測定された出力圧力が、最大圧力率より小さい場合、そのとき、コントローラ42は、要求された流速を修正しない。
【0023】
したがって、本方法は、油圧油の測定された出力圧力率が最大圧力率よりも大きいとき、初期流速から、上述したように、要求された流速と異なる許容された流速に油圧油の流れを調整する工程(ブロック56)を含む。流速を調整して、油圧システム22における加速または減速の変化を制限することは、油圧システム22におけるジャークを制限することである。上述したように、弁28の位置を調整することによって流速が調整され、弁28を通る油圧油の流れを制御する。
【0024】
初期の流速から許容された流速に油圧油の流速を調整することは、弁28を通る油圧油の流れにおける変化が増加するかまたは減少するかを決定する工程(ブロック58)を含む。弁28を通る油圧油の流速が増加すると、そのとき、油圧システム22は、加速される。弁28を通る油圧油の流速が減少すると、そのとき、油圧システム22は、減速される。
【0025】
油圧油の流速が増加していると決定される場合、そのとき、初期の流速から許容された流速に油圧油の流れを調整する工程は、さらに、初期の流速から要求された流速よりも小さい許容された流速に油圧油の流れを調整するように定められる。即ち、油圧油の出力圧力の変化率が最大圧力率よりも小さくなるまで、油圧油の流速が減少する(ブロック60)。
流速を減少することは、要求された流速に対して弁28からの油圧油の流速を減速させる。これにより、油圧油の圧力が減少する。
【0026】
コントローラ42は、油圧油の出力圧力の変化率を監視し、出力圧力の変化率が最大圧力率より上方に上昇しないことを確実にする(ブロック62)。出力圧力の変化率は、最大圧力率より上方に上昇する場合、油圧油の流速がさらに減少する。出力圧力の変化率が最大圧力率より下方に留まる場合、そのとき、油圧油の流速が要求された流速に等しくなるまで、油圧油の流れは増加する(ブロック64)。コントローラ42は、最大圧力率に対する出力圧力の変化率を監視することを続行し、出力圧力の変化率が最大圧力率より下方に留まることを確実にする(ブロック66)。したがって、コントローラ42は、油圧システム22が平衡となるまで弁28を通る油圧油の流速を減少または増加し続ける。
【0027】
弁28を通る油圧油の流速が減少していると決定される場合、そのとき、初期の流速から許容された流速の油圧油の流れを調整する工程は、さらに、初期の流速から、要求された流速よりも大きい許容された流速の油圧油の流れを調整するように定めることができ、即ち、油圧油の出力圧力の変化率が最大圧力率よりも小さくなるまで、弁28を通る油圧油の流速が増加する(ブロック68)。流速を増加すると、要求された流速に対して弁28からの油圧油の流速を加速させる。この結果、流体の圧力が増加する。
【0028】
コントローラ42は、出力圧力の変化率を監視し、出力圧力の変化率が最大圧力率よりも上方に上昇しないことを確実にする(ブロック70)。出力圧力の変化率は、最大圧力率よりも上方に上昇する場合、そのとき、油圧油の流速がさらに増加する。出力圧力の変化率が、最大圧力率よりも下方に留まる場合、そのとき、油圧油の流速が要求された流速に等しくなるまで、油圧油の流れが減少する(ブロック72)。コントローラ42は、最大圧力率に対する出力圧力の変化率を監視し続け、出力圧力の変化率が最大圧力率よりも下方に留まることを確実にする(ブロック74)。したがって、コントローラ42は、油圧システム22が平衡となるまで、弁28を通る油圧油の流速を増加または減少し続ける。
【0029】
上述したように、本方法は、さらに、測定された油圧油の出力圧力が、最大圧力率よりも小さいとき、初期の流速から要求された流速に油圧油の流れを調整する工程(ブロック76)をさらに含む。このように、弁28のワークポート32からの出力圧力が最大圧力率よりも小さいとき、要求された流速に調整する必要はない。言い換えれば、出力圧力が、最大圧力率より小さいとき、要求された流速は、油圧システム22における十分な加速変化を発生させず、その結果、大きいレベルのジャークを発生させない。
【0030】
本発明を実施するための最良の形態を詳細に記載してきたが、この発明に関する技術の当業者には、添付の請求項に記載の範囲内で、本発明を実施するための種々の変形例及び実施形態を認めることができよう。