(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752131
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】装飾されたカード
(51)【国際特許分類】
B42D 15/02 20060101AFI20150702BHJP
G09F 1/08 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
B42D15/02 511A
G09F1/08 Z
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-531470(P2012-531470)
(86)(22)【出願日】2010年9月29日
(65)【公表番号】特表2013-506576(P2013-506576A)
(43)【公表日】2013年2月28日
(86)【国際出願番号】FR2010000647
(87)【国際公開番号】WO2011039433
(87)【国際公開日】20110407
【審査請求日】2013年5月2日
(31)【優先権主張番号】0904702
(32)【優先日】2009年10月2日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506273087
【氏名又は名称】シャネル パルファン ボーテ
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィ ルガストロワ
【審査官】
宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】
西独国実用新案公開第01871062(DE,U)
【文献】
米国特許第02943416(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0129520(US,A1)
【文献】
実開昭50−139187(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/00 − 15/08
G09F 1/00 − 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾されたカードであって、
少なくとも1枚のリーフ(1)と、
前記リーフ内に形成され、切り抜き輪郭(2)によって規定された切り抜きと
を備え、
前記装飾されたカードは、張力が印加された状態で前記切り抜き輪郭を横切って延びる、互いに交差しない少なくとも2本の糸(5)と、複数のスパングル(6)とを有し、
張力が印加された前記糸(5)のそれぞれは、前記複数のスパングルのうちの一部を吊って保持し、
前記複数のスパングルは、前記切り抜き輪郭(2)によって規定される領域の少なくとも一部をカバーする
カード。
【請求項2】
前記糸(5)は互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記スパングル(6)は、前記糸(5)の方向に対して横切るように延びるスロット(23)によって分離されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカード。
【請求項4】
前記リーフ(1)は、互いに重ねられた、前記切り抜きを有する前面パネル(13)と、背面パネル(14)と、前記前面パネル(13)及び背面パネル(14)で挟持される中間パネル(15)とからなり、
前記前面パネル(13)内の切り抜き輪郭(19)、及び前記背面パネル(14)内の切り抜き輪郭(20)は、前記リーフ(1)内の前記切り抜き輪郭(2)を規定し、
前記スロット(23)は、前記中間パネル(15)内に形成され、前記スロット(23)は、スロット端部の輪郭を規定する端部を有し、
前記前面パネル(13)内の切り抜き輪郭(19)は前記スロット端部の前記輪郭内に完全に含まれる
ことを特徴とする請求項3に記載のカード。
【請求項5】
前記スパングル(6)は、同じ形状かつ同じ寸法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカード。
【請求項6】
前記スパングル(6)は、前記切り抜き輪郭(2)の領域の少なくとも70%をカバーすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカード。
【請求項7】
前記糸(5)のそれぞれが、スパングル(6)のそれぞれの面に沿った張力が印加され
た2本の糸(5’,5”)を備え、2本の糸(5’,5”)は、スパングル(6)の中央部に位置する穴及び前記スパングル(6)をその上下のスパングルから分離するギャップにおいて交差することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカード。
【請求項8】
糸(5)がそれぞれのスパングル(6)をその中央部において通過することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカード。
【請求項9】
装飾されたカードを製造する方法であって、
切り抜き輪郭(19,20)によって規定される空間を規定するように第1パネル(13,14)中に切り抜きを形成すること、
第2パネル(15)中に非交差スロット(23)を形成することであって、前記スロットは前記スロット端部の輪郭の内部に設けられ、その輪郭内で前記切り抜き輪郭が設けられ、前記スロットはその間に連続したストリップ(24)を規定する、非交差スロットを形成すること、
張力が印加された状態で少なくとも2本の糸(5)を交差しない線(27)に沿って、前記スロット端部(23)の前記輪郭を横切って、前記スロットの全体的な方向に対して横切る方向に取り付け、同時に前記糸を前記ストリップ(24)のそれぞれに締め付けること、
前記糸(5)によって吊られて保持された複数の個々のスパングル(6)を形成するように、2つの連続する線の間で前記ストリップ(24)を分離すること、及び
前記第1及び第2パネル(13,14,15)を重ねること
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモ用カード、グリーティングカード、広告用カード、雑誌への挿入物、ぶら下げるモビール、つまり「ダングラー(dangler)」の構成要素などとして用いられ得る装飾されたカードに関する。また本発明は、そのようなカードを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メッセージカードは、2枚のリーフを形成するよう折られたカード用紙から形成され得ることが知られている。これら2枚のリーフを互いに重なるよう折りたたむことによって、保管のため、または郵送するため、そのようなカードを封筒に入れることができる。そしていったん封筒から出し、いったんリーフが開かれると、カードは、例えば家具の上、または机上のような支持物上に立てられ得る。
【0003】
そのようなカードが多くの人に訴求するのは、それが持つ装飾に直接、関係している。
【0004】
よってリーフの間に挿入され、リーフが開かれたときに平らな構成から展開された構成へと変化する構造でカードを装飾することが例えば知られている。仏国特許出願公開第2646126号明細書はそのような物品を記載している。
【0005】
2枚のリーフのうちの一つにおいて切り抜きを形成し、その切り抜きの領域を異なる材料のパネル、例えば織物のパネルで覆うことによって装飾的効果を作ることも可能である。開口部の形状は、物品、動物または他のものの輪郭を呼び起こし得る。欧州特許出願公開第1449678号明細書は、そのようなカードを記載している。しかしそのような形態の装飾で得られる結果は比較的、凡庸である。切り抜きの装飾物は画一的なものであって、比較的、特徴のない浮き彫りを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、切り抜き、及びより優位性をもつようさらなるコントラスト及びさらなる浮き彫りによって切り抜きの形状を引き立たせる改良された装飾を有する装飾されたカードを提案することである。
【0007】
本発明の他の目的は、実現が容易な装飾されたカードを製造する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の装飾されたカードは、少なくとも1枚のリーフと、リーフ内に形成され、切り抜き輪郭によって規定された切り抜きとを備え、少なくとも2本の糸が張力が印加された状態で切り抜き輪郭を横切って延び、複数のスパングルを有し、スパングルは、張力が印加された糸のそれぞれから吊られて保持されることによって、切り抜き輪郭によって規定される領域の少なくとも一部をカバーする。
【0009】
装飾されたカードを製造する方法は、以下のステップを備える。すなわち、切り抜き輪郭によって規定される空間を規定するように第1パネル中に切り抜きを形成すること、第2パネル中に非交差スロットを形成することであって、スロットはスロット端部の輪郭の内部に設けられ、その輪郭内で切り抜き輪郭が設けられ、スロットはその間に連続したストリップを規定する、非交差スロットを形成すること、張力が印加された状態で少なくとも2本の糸を交差しない線に沿って、スロット端部の輪郭を横切って、スロットの全体的な方向に対して横切る方向に取り付け、同時に糸をストリップのそれぞれに締め付けること、糸によって吊られて保持された複数の個々のスパングルを形成するように、2つの連続する線の間でストリップを分離すること、及び第1及び第2パネルを重ねることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本発明の装飾されたカードの非限定的実施形態の正面図である。
【
図2】
図2は
図1のカードの装飾のより大きい縮尺の図である。
【
図3】
図3は
図1及び2に示されるスパングルがどのように取り付けられるかを示す図である。
【
図4】
図4はスパングルを取り付け方法の変形例を示す図である。
【
図5】
図5はカードがどのように組み立てられるかを示す図である。
【
図6】
図6は
図1のカードの製造におけるステップを示す図である。
【
図7】
図7は
図1のカードの製造におけるステップを示す図である。
【
図8】
図8は
図1のカードの製造におけるステップを示す図である。
【
図9】
図9は
図1のカードの製造におけるステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、以下の記載と添付の図面とを参照すればよりよく理解されよう。
【0012】
図1に示される装飾されたカードは、任意の適切な材料でできたリーフ1を有する。例えば、1平方メートル当たり270グラム(g/m
2)より重いカード用紙の一部である。違う重さや異なる材料でも適切であり得る。
【0013】
記載の理解を容易にするために、高さ方向は
図1において下から上へ延び、幅方向は
図1において左から右へ延びることを理解されたい。深さ方向は、
図1の平面に垂直な方向であると理解されよう。
【0014】
よってリーフ1の辺は、高さ方向及び幅方向に平行に延びる。表面において、リーフは単色でもよく、または色のついたパターンを有してもよく、またはエンボスによって形成された浮き彫りパターンを有してもよい。
【0015】
その中央部において、リーフ1は、切り抜き輪郭2によって定義される切り抜きを有する。この例では、切り抜き輪郭は、瓶の外側の形状を有する。この形状には限定されず、任意の他の適切な形状が可能である。特に切り抜きの輪郭は、物品、ロゴ、アルファベットの文字、数字、またはその他のものを想起させ得る。
図1においては、切り抜きは1個である。これには限定されず、切り抜きは複数の部分から構成されていてもよく、例えばブランド名、商用名、その他を想起させるようにしてもよい。
【0016】
切り抜きは、切り抜き輪郭2によって定義され、この輪郭自体が切り抜き領域を定義する。
【0017】
本発明によれば、切り抜き領域には、切り抜き輪郭の一端から他端へと張力を持って複数の糸5が張られている。
【0018】
この糸は任意の適切なタイプであり、例えばそれらは天然繊維でつくられてもよく、合成繊維であってもよい。糸それ自身が装飾されてもよい。例えば、糸に金色に着色されてもよい。
【0019】
糸5は、交差しないように切り抜きにわたって延びている。好ましくは、糸は互いに平行である。
図1では、糸は高さ方向に延びている。しかし糸が他の方向に延びていることも可能である。
【0020】
それぞれの糸5は、1つ以上のスパングル6を備える。これらスパングルは、切り抜きの寸法と比較すると小さい寸法の小片である。例えば、これら小片は紙またはカードのシートから切り抜かれている。
【0021】
有利なことに、上記シートの面は、リーフのテクスチャ及び/又は色とコントラストをなすテクスチャ及び/又は色による装飾で覆われている。加えて、有利なことにシートの2つの面は、色またはテクスチャの点で異なるように装飾されている。例えば片方が光沢面で、片方がツヤ消し面である。
【0022】
好ましくは、全てのスパングルは、実質的に同じ形状と寸法である。形状は、好ましくは正方形または長方形である。しかしこれには限定されず、例えばスパングルは円形であってもよい。スパングルの寸法、糸5の間隔、及び糸に沿ったスパングルの構成は、2つの隣接するスパングルがまったく重ならないように規定される。糸が交差せず、平行でもないときは、スパングルは台形であってもよい。
【0023】
糸5は、張力が加えられ、すなわち糸はリーフの位置に関係なく、切り抜きの平面内に留まっており、スパングルを保持するのに適している。
【0024】
スパングルは糸で吊られており、すなわち糸は、スパングルの2つの辺が糸の方向と平行に延びるよう、スパングルを結び付けて保持する。スパングルは、糸に沿って滑り落ちない。しかしスパングルは、糸がねじれる機能により糸の周りに回転できる。
【0025】
さまざまな形態の吊り方が適切であり得る。
図3は、
図1及び2に示されるカードについて用いられる吊り方の形態を示す。糸5は、互いに平行で、深さ方向にずれている、実際には2つの糸5’及び5”を備える。糸5’及び5”は、スパングル6のそれぞれの面に沿って張力を持って延びる。どのスパングル6についても、糸5’及び5”が、スパングルの中央部に位置する穴で交差する(cross over)。また糸は、そのスパングルの下にあるスパングルから、かつそのスパングルの上にあるスパングルから隔てている隙間で交差する。交差領域は、
図2で8及び9と参照番号が付されている。典型的には、糸のストランド(strands of thread)は、「ストレートステッチ」法を用いてミシンによって通される。よって、それぞれのスパングルは、3つの糸ストランド(thread strand)交差によって保持され、すなわち1つはスパングルを貫通し、2つはスパングルの側面を通る。これらの条件の下で、スパングルは抜け落ちない。
【0026】
変形例が
図4に示される。どの糸もさまざまなスパングルのそれぞれを、スパングルの中央部に位置する領域において2度通る。糸が通る領域は
図4において10及び11と参照番号が付されている。上述のように、スパングルは、スレッド5の張力によって保持され、したがってスパングルは滑り落ちない。しかしスパングルは、糸がねじれる機能により糸の周りに回転できる。
【0027】
スパングルを固定する他の形態も可能であり、例えば糸はスパングルの表面に接着により固着され得る。
【0028】
より詳細に以下に記載するように、カードの製造の好ましい形態においては、リーフはさまざまな重ねられたパネルからできており、糸及びスパングルは、切り抜き2を持つパネルとは別個であるパネル上に位置する。
【0029】
よってスパングルは、糸5の大まかな方向に延びつつ、糸5によって吊られて保持される。最初は、スパングルは切り抜き領域の平面にわたって平らに延びる。しかし糸5がねじれる機能によって、糸5についてのスパングルの角度位置は、約半回転に至るくらい変化し得る。
【0030】
スパングルが平らに延びているとき、スパングルは切り抜き2の領域の50%より大きい部分を覆い、好ましくは前記領域の少なくとも70%を覆い、またはさらに好ましくは前記領域の少なくとも80%を覆う。
【0031】
最終的には、スパングルは、切り抜き2の領域を覆うある種のモザイクを形成する。スパングルはリーフ1の残りの部分とは明らかに別個の構造を形成するので、スパングルは切り抜きの形状を強調する。スパングルのカット(cut)、それらの外観、及び糸5に対してそれらが有する角度位置は、自然なやすらぎと、リーフの残りとは顕著に異なる対比効果とを与える。カード1枚1枚について、スパングルの角度位置は同じではない。
【0032】
図5から10は、上述されたカードのような装飾されたカードを製造する方法を示す。
【0033】
図5に示されるように、リーフ1は、3つの重ねられたパネル、すなわち前面パネル13、背面パネル14、及び前記2つのパネルに挟持される中間パネル15からなる。
【0034】
有利なことに、前面パネル及び背面パネルは、ある材料の同じ一片から作られ、それらは互いの上に畳み込まれる。加えて、前面パネル13を形成する一片の領域は、背面パネルと対向して延びることによって、刻み線17によって第1リーフ1と接続される第2リーフ16を形成する。この第2リーフ16は、リーフ1と同じ寸法を有し、それと共に二つ折り書板(diptych)を形成するよう設計されている。
【0035】
また第2リーフは、スパングルの間の隙間を通して見ることができる背景を形成する。それはさらに切り抜きの強調を際だたせるように特定の装飾によって覆われてもよく、例えばそれは単一の色で色づけされてもよく、薄いシート、例えば金色のシートで覆われてもよい。しかし第2のリーフは任意である。それは別個のもので、接着による固着で取り付けられてもされてもよい。
【0036】
2つのパネル13及び14のそれぞれは、切り抜き輪郭19,20によって規定される切り抜きを有する。切り抜きは、同一の形状であり、それらはリーフ1が組み立てられるときに重なるようにパネル中に配置される。
【0037】
平行して、中間パネル15が用意される。例えばそれは、リーフ13または14のカードストックと同じ重さのカードストックからできていて、それはリーフ13及び14の寸法と実質的に等しい寸法を有する。
【0038】
パネル15には、互いに平行に延びる複数のスルースロット23が設けられ、変形例としては非交差の状態で延びてもよい。
図7に示される実施形態において、スロットは幅方向に延びる。スロット23は、それらの間にストリップ24を規定する。例えば、スロットは、5ミリの間隔が空けられ、それらは1ミリ(mm)の幅を有し、よってそれらの間に幅4ミリのストリップを規定する。当然、これらの値は例示のために示されるに過ぎない。スロットの長さ及び本数は、スロットによってカバーされる領域が、リーフ13及び14の切り抜き19及び20の輪郭を完全にカバーするよう決定される。換言すれば、スロットの端部は、輪郭19及び20がその内部に含まれる閉じた曲線を形成する。これを図示するため、
図7においては、鎖線25は、パネル15上に投影された輪郭19及び20の像を示す。この像はスロット端部の輪郭の内部に完全に含まれる。
【0039】
スロットは、任意の適切な手段によって、例えばパンチング操作によって、パネル15内に形成される。
【0040】
次のステップは
図8に示される。これは張力を持った糸をスロット端部の輪郭の一端から他端へ、ストリップ及びスロットを横切って取り付けること、及び糸がストリップを横切るときに糸をストリップのそれぞれに縫いつけることを含む。示される実施形態において、連続した凹部28を形成するように互いに接続された平行線27に沿ってパネル15を縫うためにミシンが用いられる。線27は、スロットの方向に対して横切るように延びることによって、スロット及びストリップを連続して横切って通る。
図8において、線は高さ方向に延びる。従来のやり方では、ミシンは、ストレートステッチを形成するようにパネルを2本の糸で縫う。2本の糸はそれぞれの面に沿って延び、縫い目で交差する。ミシンの縫い目のピッチは、縫い目がスロット23のそれぞれにおいて、かつそれぞれのストリップ24の中央に向かって位置するように定義付けられ、すなわちピッチは、スロットの間隔の半分である。
【0041】
好ましくは、凹部28は同一であり、よって線27は互いに等距離であって同じ長さである。したがって、ある周辺領域においては、線はスロット端部の輪郭の外側まで延びる。
【0042】
図9に示される次のステップにおいて、ストリップは、例えば切断刃によって線27の間で分離される。分離線29は、凹部28のそれぞれの中にある糸の線に平行に延びる。
【0043】
このように高さ方向において分離されるストリップ24はスパングル6を形成し、線27はスパングルを吊るための糸5を形成する。
【0044】
カードを組み立てる次のステップにおいて、パネル15は、パネル13及び14の間に挿入され、それらは、例えば接着剤によって、または任意の適切な手段によって一体に組み立てられる。スパングル6は、フロントパネル13内の切り抜き19の輪郭の中に現れ、パネル16がパネル14の切り抜きを通して見られることを可能にする。ねじれる吊り糸5の効果の下、スパングルは、パネル15の平面内に置かれる平坦な位置に対して、さまざまな角度位置をとる。カードが折り畳まれて閉じられると、スパングルの回転の大きさは、リーフ1の厚さに限られる。カードが開かれると、それらはより大きな大きさで回転し得る。
【0045】
スパングルのいくつかは、具体的には輪郭イメージ25の外に位置するスパングルは、スパングルが吊られている糸の一部と共にマスクされる。それらは2つのパネル13及び14の穴が空けられていない部分の間で留められ保持される。
【0046】
当然、本記載は、例示によって提供されるに過ぎず、本発明の他の実現方法も本発明の範囲を超えることなく採用され得る。
【0047】
特に、糸の本数は限定されず、少なくとも2本の糸を有することだけが必要である。また、第2リーフ16は任意(optional)である。同様に、2つのパネル13または14のうち1つ、特に背面パネル14は任意である。
【0048】
もし両方のパネルが存在するなら、パネルのうちの一方、具体的にはフロントパネル13またはバックパネル14にある切り抜きは任意であり、または前記切り抜きは、他方のパネル中の切り抜きの形状とは異なる形状であってもよい。例えば、輪郭のうちの一方は、他方の輪郭の大きさが小さくなったバージョンであってもよい。スロット端部の輪郭は、両方の切り抜きの輪郭がスロット端部の輪郭の内部に含まれるようにそれから決定され、それによってより大きい切り抜きの輪郭がスロット端部の輪郭の内部に含まれる。
【0049】
切り抜き輪郭は、必ずしも閉じた曲線である必要はなく、外側に開いた切り抜き輪郭を有してもよく、特に糸の方向と平行な辺において開いている輪郭を有してもよい。
【0050】
加えて切り抜きは、複数の部分から構成され得て、それによって前記部分が合わさって物のセットまたは文字のセットを形成し得る。
【0051】
ストリップを分離してスパングルを形成するときは、2つの隣接する糸の間において近くにある2つの分離線を形成することも可能であり、これにより幅方向においてスパングルの間にギャップを形成できる。
【0052】
スパングルは、上述の四角形の形状以外の形状であってもよい。