(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752139
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】保安機能を有するデータ記録媒体及びその出力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/10 20130101AFI20150702BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20150702BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
G06F21/10
G06F21/44
G11B20/10 H
G11B20/10 D
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-535133(P2012-535133)
(86)(22)【出願日】2010年10月21日
(65)【公表番号】特表2013-510345(P2013-510345A)
(43)【公表日】2013年3月21日
(86)【国際出願番号】KR2010007253
(87)【国際公開番号】WO2011049393
(87)【国際公開日】20110428
【審査請求日】2012年4月20日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0100469
(32)【優先日】2009年10月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン−ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】イン−キョン・ヨ
(72)【発明者】
【氏名】ホ−ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】チュル−ウー・パク
【審査官】
岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−224769(JP,A)
【文献】
特開平06−202686(JP,A)
【文献】
特開2006−208866(JP,A)
【文献】
特開2000−214970(JP,A)
【文献】
特開2002−091828(JP,A)
【文献】
特開2001−014441(JP,A)
【文献】
特開2007−241519(JP,A)
【文献】
特開2005−353128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/10
G06F 21/44
G11B 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア・コンテンツを保存するメモリ部と、
前記メディア・コンテンツを出力する出力装置と電気的に接続するための接続部と、
前記メモリ部に保存されたメディア・コンテンツの前記出力装置への伝送を制御するために、前記接続部のピン位置を変換する制御部と、を具備する
ことを特徴とするデータ記録媒体。
【請求項2】
前記制御部は、前記出力装置の認証が成功した場合、前記メモリ部に保存されたメディア・コンテンツの伝送を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項3】
前記メモリ部は、前記出力装置に係わる少なくとも1つの固有番号を保存し、前記制御部は、前記出力装置から提供される固有番号と、前記保存された固有番号とを比較し、前記出力装置の認証を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項4】
前記メモリ部は、一度だけ保存が可能な少なくとも1つのOTP(one−time programmable)メモリを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項5】
前記メモリ部は、少なくとも1つの1D1R(one diode one resister)メモリを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項6】
前記接続部のピン位置、及び前記メモリ部での前記メディア・コンテンツの保存位置は、前記メモリ部に保存された固有番号を利用して生成されるキーデータに変換される
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項7】
前記制御部は、
前記出力装置から提供される固有番号と、前記メモリ部に保存された固有番号とを比較して認証を行い、前記出力装置が認証された場合、イネーブル信号を生成するメモリ制御部と、
前記イネーブル信号によって動作し、前記接続部のピン位置を変換し、前記メモリ部に保存されたメディア・コンテンツに係わる保安機能を提供する保安制御部と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項8】
前記接続部のピン位置、及び前記メモリ部での前記メディア・コンテンツの保存位置は、前記メモリ部に保存された固有番号を利用して生成されるキーデータに変換される
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項9】
前記制御部は、前記メモリ部で、前記出力装置に係わる少なくとも1つの固有番号が保存される領域は、さらなる書き込み/読み取りが行われないように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録媒体。
【請求項10】
少なくとも1枚のパネルと、
前記パネルに設けられ、請求項1ないし請求項9のうち、いずれか1項に記載のデータ記録媒体が挿入される挿入部と、
前記パネルに設けられ、前記データ記録媒体に保存された前記メディア・コンテンツを外部に出力する少なくとも1つのディスプレイ部と、を具備し、
前記挿入部は、前記データ記録媒体の接続部のピンと電気的に接続する複数のピンを備え、前記接続部の変換されたピン位置に対応するピンから前記メディア・コンテンツを取得する
ことを特徴とする出力装置。
【請求項11】
前記パネルは、音響の出力のためのスピーカ及びイヤホン挿入口をさらに含む
ことを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項12】
前記挿入部は、前記パネルの外面または側面に設けられ、その内部には、前記データ記録媒体との電気的接続のための多数のピンが設けられた
ことを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項13】
前記パネルは、外部機器との通信のための通信ポートをさらに具備した
ことを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア・コンテンツを保存する記録媒体、及びその記録媒体に保存されたデータを出力する出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、教科書、学習誌、辞典及び小説のような書籍がペーパー本だけではなく、電子的記録媒体を介しても供給されている。すなわち、電子的記録媒体、例えば、メモリカードに書籍データを保存させた後、このメモリカードに保存された書籍データを携帯用ディスプレイ機器を介して示すことによって、ユーザがそのディスプレイ機器を介して、書籍の内容を読んだり見たりことができるようにするのである。
【0003】
ところで、電子的記録媒体に保存された書籍データは、著作権として保護される必要性があるものが多いが、現実において、不法な無断複製あるいはハッキングがたやすくなされているが、電子的記録媒体に保存された書籍データの著作権的保護は、不十分であるという実情である。一方、かような著作権的保護は、ただ書籍データだけではなく、映像データまたはオーディオデータを含む全体メディア・コンテンツにわたって切実に要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、書籍データ、映像データまたはオーディオデータのようなメディア・コンテンツを保存しつつ、保安機能を有する記録媒体と、この記録媒体に保存されたデータを出力する出力装置とが提供されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面(aspect)によれば、メディア・コンテンツを保存するメモリ部と、前記メディア・コンテンツを出力する出力装置と電気的に接続するための接続部と、前記メモリ部に保存されたメディア・コンテンツの前記出力装置への伝送を制御するために、前記接続部のピン位置、及び前記メモリ部での前記メディア・コンテンツの保存位置のうち少なくとも一つを変換する制御部と、を具備するデータ記録媒体が提供される。
【0006】
前記制御部は、前記出力装置の認証が成功した場合、前記メモリ部に保存されたメディア・コンテンツの伝送を制御することができる。
【0007】
前記メモリ部は、前記出力装置に係わる少なくとも1つの固有番号を保存し、前記制御部は、前記出力装置から提供される固有番号と、前記保存された固有番号とを比較して認証を行うことができる。
【0008】
前記メモリ部は、一度だけ保存が可能な少なくとも1つのOTP(one-time programmable)メモリを含んでもよい。
【0009】
前記メモリ部は、少なくとも1つの1D1R(one diode one resister)メモリを含んでもよい。
【0010】
前記制御部は、前記出力装置から提供される固有番号と、前記メモリ部に保存された固有番号とを比較して認証を行い、前記出力装置が認証された場合、イネーブル信号を生成するメモリ制御部と、前記イネーブル信号によって動作し、前記接続部のピン位置、及び前記メモリ部での前記メディア・コンテンツの保存位置のうち少なくとも一つを変換し、前記メモリ部に保存されたメディア・コンテンツに係わる保安機能を提供する保安制御部と、を含んでもよい。
【0011】
前記接続部のピン位置、及び前記メモリ部での前記メディア・コンテンツの保存位置は前記メモリ部に保存された固有番号を利用して生成されるキーデータに変換されてもよい。
【0012】
前記メモリ制御部は、前記メモリ部で前記出力装置に係わる少なくとも1つの固有番号が保存される領域は、さらなる書き込み/読み取りが行われないように制御することができる。
【0013】
本発明の他の側面によれば、少なくとも1つのパネルと、前記パネルに設けられ、データ記録媒体が挿入される挿入部と、前記パネルに設けられ、前記データ記録媒体に保存されたデータを外部に出力する少なくとも1つのディスプレイ部と、を具備する出力装置を提供する。
【0014】
前記パネルは、音響の出力のためのスピーカ及びイヤホン挿入口をさらに含んでもよい。
【0015】
前記挿入部は、前記パネルの外面または側面に設けられ、その内部には、前記データ記録媒体との電気的接続のための多数のピンが設けられてもよい。
【0016】
前記パネルは、外部機器との通信のための通信ポートをさらに具備することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、書籍データ、映像データまたはオーディオデータのようなメディア・コンテンツを、一回のみ保存の可能なOTPメモリに保存し、自体的に保安機能を有した制御部を具備することによって、記録媒体に保存されたデータの無断複製またはハッキングを、さらに信頼性あるように防止することができ、ハードウェアの追加を最小化しつつも、保存されたデータに対する著作権的保護が忠実になされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態によるデータ記録媒体を図示した斜視図である。
【
図2】
図1に図示された記録媒体の構成を示す図面である。
【
図3】本発明の他の実施形態によるデータ記録媒体を図示した斜視図である。
【
図4】
図3に図示された記録媒体の構成を示す図面である。
【
図5】
図1及び
図3に図示された記録媒体に保存されたデータを外部に示す出力装置の例を図示した斜視図である。
【
図6】
図2及び
図4に図示された保安制御部の細部構成を示す図面である。
【
図7】
図6の入出力位置変換部の具現例を示す図面である。
【
図8】
図2及び
図4に図示されたメモリ制御部の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、以下に例示された実施形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明を、当該技術分野で当業者に十分に説明するために提供されるのである。以下の図面で同じ参照符号は、同じ構成要素を指し、図面上で各構成要素の大きさは、説明の明瞭性及び便宜性のために誇張されていることがある。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるデータ記録媒体を図示した斜視図である。
【0021】
図1を参照すれば、電子的記録媒体110は、著作権的保護が必要な教科書、学習誌、辞典及び小説のような書籍データ、映画のような映像データ、または音楽のようなオーディオデータを保存するためのものである。電子的記録媒体110は、出力装置500(
図5)に接続されることによって、記録媒体110に保存された書籍データ、映像データまたはオーディオデータのようなメディア・コンテンツは、出力装置500のディスプレイ部527(
図5)またはスピーカ521(
図5)を介して、ユーザが読んだり見たり聞いたりすることができるように外部に表示されるのである。
【0022】
記録媒体110は、カード状であり、その表面には、保存された書籍データ及び/または映像データ及び/またはオーディオデータの内容を識別することができるように、題目表示部130がさらに設けられてもよい。
【0023】
記録媒体110は、出力装置500に電気的に接続させるための、記録媒体110の表面に露出されるように設けられた多数のピン150を含んでもよい。多数のピン150は、記録媒体110の前面に露出されていると図示されているが、記録媒体110の背面に露出されるように設けられてもよい。ここで、多数のピン150は、コンタクト概念を含んでもよい。
【0024】
ここで、記録媒体110は、電子ブック(e−book)、モバイルホン(mobile phone)、MP3プレイヤ、PMP(portable media player)、ナビゲーション(navigation)、ソリッドステートドライブ(SSD:solid state drive)のような多様な携帯用機器に、着脱式で接続されたり、スロットを介して挿入されたりする。
【0025】
図2は、
図1に図示された記録媒体の構成を示す図面である。
【0026】
図2を参照すれば、記録媒体110は、出力装置500に係わる少なくとも1つの固有番号と、メディア・コンテンツのようなデータとを保存するメモリ部210、制御部230、及び出力装置500(
図5)との接続のための接続部250を含んでもよい。
【0027】
メモリ部210は、一回だけ保存が可能な少なくとも1つのOTP(one-time programmable)メモリ213からなり、ここに書籍データ、映像データ及び/またはオーディオデータが保存される。一方、メモリ部210は、OTPメモリ213内の別途の領域や、さらなるOTPメモリ211を具備し、出力装置に係わる少なくとも1つの固有番号が保存される。出力装置に係わる少なくとも1つの固有番号が保存される別途の領域や、さらなるOTPメモリ211は、外部から書き込み及び読み取りが不可能なように制御される。メモリ部210は、フラッシュメモリまたは1D1R(one diode one resistor)メモリによって具現されるが、必ずしもこれに限定されるものではない。1D1Rメモリを、使用時には占める領域を最小化しつつ、ロジックプロセスが簡単なだけではなく、優秀な互換性を得ることができる。
【0028】
制御部230は、メモリ部210に保存されたメディア・コンテンツの出力装置500への伝送を制御するために、メモリ部210から読み取られるメディア・コンテンツが出力される接続部250のピン位置、及びメモリ部210でのメディア・コンテンツの保存位置のうち少なくとも一つを変換する。制御部230は、保安制御部231とメモリ制御部233とを含んでもよい。メモリ制御部233は、出力装置500から提供される固有番号と、メモリ部210に保存された固有番号とを比較して認証を行い、出力装置500が認証された場合、イネーブル信号を生成する。保安制御部231は、メモリ制御部233で生成されるイネーブル信号によって動作し、接続部250のピン位置、及びメモリ部210でのメディア・コンテンツの保存位置のうち少なくとも一つを変換し、メモリ部210に保存されたメディア・コンテンツに係わる保安機能を提供する。
【0029】
具体的には、メモリ制御部233は、記録媒体110が出力装置500に接続され、接続された後で電源ボタンがオンになってパワーアップ状態になれば、出力装置500から、出力装置500に割り当てられている固有番号を受信する一方、メモリ部210から、固有番号を読み取る。メモリ制御部233は、受信された固有番号と、読み取られた固有番号とを比較し、同一であるならば、出力装置500が記録媒体110にアクセス可能なように認証されたことを意味する。すなわち、出力装置500が認証されたものである場合、記録媒体110から出力装置500に、メディア・コンテンツを読み取るために、保安制御部231をイネーブルにする。一方、メモリ制御部233は、受信された固有番号と、読み取られた固有番号とを比較し、同一でなければ、出力装置500が記録媒体110にアクセス可能なように認証されていないことを意味する。すなわち、出力装置500が認証されていないものである場合、記録媒体110から出力装置500に、メディア・コンテンツの読み取りを防止するために、接続部250をディセーブルにする。記録媒体110は、少なくとも一つ以上の固有番号を保存することによって、少なくとも一つ以上の出力装置にメディア・コンテンツを出力することができる。
【0030】
一方、メモリ制御部233は、出力装置500が認証されたものである場合、出力装置500から信号を受信し、受信された信号に対応して、メモリ部210に保存されたデータが、出力装置500に伝送されるように制御する。このように、記録媒体110から出力装置500に伝送されたデータは、出力装置500のディスプレイ部527またはスピーカ521を介して、見たり聞いたりすることが可能である。
【0031】
接続部250は、記録媒体110を出力装置500に電気的に接続させるためのものであるが、多数のピン150によって具現可能である。
【0032】
前記のように、記録媒体110は、書籍データ、映像データ及び/またはオーディオデータのようなメディア・コンテンツを、一回のみ保存が可能なOTPメモリ213に保存し、自体的に保安機能を有した制御部230を具備することによって、記録媒体110に保存されたデータの無断複製またはハッキングを、さらに信頼性あるように防止することができる。
【0033】
また、記録媒体110は、メモリ制御部233で出力装置500の認証を行い、認証された出力装置500に対してのみ、メモリ部210からメディア・コンテンツがアクセスされるようにすることにより、記録媒体110に保存されたデータに係わる著作権的保護がさらに忠実になされるのである。
【0034】
図3は、本発明の他の実施形態によるデータ記録媒体を図示した斜視図である。
【0035】
図3を参照すれば、記録媒体310は、
図1と同様に、題目表示部330及び多数のピン350を含み、小型ディスプレイ部370をさらに含んでもよい。小型ディスプレイ部370は、記録媒体310の表面に設置され、メモリ部410(
図4)に保存されたメディア・コンテンツの一部、例えば、書籍の特徴やあらすじ、映画予告編または音楽の歌詞などを示すためのものであり、記録媒体310のユーザの選択を手助けする役割を行う。
【0036】
記録媒体310の表面には、小型ディスプレイ部370に付け加え、小型ディスプレイ部370の作動のための操作ボタン390が設けられてもよい。
【0037】
図4は、
図3に図示された記録媒体の構成を示す図面である。
【0038】
図4を参照すれば、記録媒体310は、
図2と同様に、メモリ部410、制御部430及び接続部450を含み、制御部430は、小型ディスプレイ部370の作動を制御するための出力制御部435と、小型ディスプレイ部370用電源として、小型バッテリ390が設けられてもよい。ここで、
図4に図示されたメモリ部410、制御部430の保安制御部431・メモリ制御部433や接続部450は、
図2に図示されたところと同一であるので、これに係わる詳細な説明は省略する。
【0039】
図5は、
図1及び
図3に図示された記録媒体に保存されたデータを外部に出力する出力装置を図示した斜視図である。
【0040】
図5を参照すれば、出力装置500は、少なくとも1枚のパネル520を含み、このとき、ヒンジ結合されて、開閉可能な複数枚のパネルを含んでもよい。パネル520には、少なくとも1つのディスプレイ部527が設けられ、ディスプレイ部527を作動させるための操作ボタン529が設けられてもよい。
【0041】
パネル520の外面には、記録媒体510が挿入される挿入部528が設けられ、挿入部528の内部には、多数のピンが設けられている。挿入部528の内部に記録媒体510が挿入されたとき、挿入部528内部のピンは、記録媒体510のピンと互いに接触することによって、記録媒体510と出力装置500との電気的接続がなされる。一方、記録媒体510が挿入される挿入部528は、パネル520の側面に設けられもする。ここで、挿入部528は、カード状の記録媒体510である場合、スロット形態でなり、一般的なメモリ形態である場合、着脱式でなされることも可能である。
【0042】
一方、パネル520には、スピーカ521、イヤホン挿入口523、通信ポート525が設けられる。出力装置500は、書籍データに対応するテキストデータを読み取り、朗読機能を有することができ、このとき、スピーカ521とイヤホン挿入口523とが利用される。また、スピーカ521とイヤホン挿入口523は、出力装置500を介して、映画または音楽などを鑑賞するとき、音響の出力のためにも使われる。そして、通信ポート525は、外部機器と有線あるいは無線の通信をおこなうときに使われる。
【0043】
図示されてはいないが、パネル520の内部には、メモリ部、出力装置500を制御する制御部が設けられ、出力装置500を作動させるための電源として、バッテリブロックが設置されもする。パネル520に備わるメモリ部は、何回も書き換えが可能な多数のMTP(many-times programmable)メモリチップからなってもよい。また、パネル520には、追加して外部メモリを使用できるように、メモリが挿入される挿入部がさらに設けられてもよい。
【0044】
図6は、
図2及び
図4に図示された保安制御部231または431の細部構成を示す図面である。
【0045】
図6を参照すれば、保安制御部231または431は、キー生成部610、アドレス変換部630、データ位置変換部650及び入出力位置変換部670を含んでもよい。さらに具体的に説明すれば、キー生成部610は、メモリ部210または410に保存された固有番号を利用してキーデータを生成する。ここで、固有番号を利用したキーデータは、ハッシュ関数(Hash function)を使用して生成される。キーデータ生成に使われる関数は、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な暗号化関数が適用されてもよい。一方、生成されたキーデータは、固定されたものではなく、周期的に更新されることによって、さらに高レベルの保安機能を提供することができる。
【0046】
アドレス変換部630は、メモリ制御部233または433から提供される読み取りアドレスあるいは書き込みアドレスを、キー生成部610で生成されるキーデータを利用して変換する。ここで、任意のデータを利用したアドレス変換は、公知の多様な方法によって行われる。
【0047】
データ位置変換部650は、メモリ部210または410から、アドレス変換部630で変換された読み取りアドレスに対応する位置のデータを読み取り、入出力位置制御部670に提供し、入出力位置制御部670を介して受信されたデータを、変換された書き込みアドレスに対応する位置に書き込むことによって、読み取りデータあるいは書き込みデータの位置変換が行われる。ここで、データ位置変換部650は、例えば、8ワードの64ビットレジスタによって具現されてもよい。具体的には、データ位置変換部650は、メモリ部210または410から、アドレス変換部630で変換、すなわち、暗号化された読み取りアドレスに対応する位置のデータを読み取った後、読み取ったデータの暗号化された読み取りアドレスが、キーデータを利用して、逆変換、すなわち、復号化される。すなわち、メモリ部210または410から読み取られたり書き込まれたりするデータの位置が、キーデータにより変換されることによって、暗号化及び復号化の機能を実現することができる。
【0048】
入出力位置変換部670は、キー生成部610で生成されるキーデータを利用し、接続部250または450の入出力ピンの位置を変換させる。ここで、入出力位置変換部670は、キー生成部610から提供されるキーデータをデコーディングするデコーディング・レジスタをさらに含んでもよい。すなわち、入出力ピンの位置が、キーデータによって変換されることによって、暗号化及び復号化の機能を実現することができる。
【0049】
記録媒体の差別化された保安機能を提供するために、データ位置変換部650と入出力位置変換部670とのうち、少なくとも一つを具備することも可能である。
【0050】
図7は、
図6の入出力位置変換部670の具現例を示す図面である。
図7を参照すれば、
図6のキー生成部610で、メモリ部210または410に保存された固有番号を利用し、A<0:3>、B<0:3>、C<0:3>、D<0:3>のようなキーデータを生成し、入出力位置変換部670は、各キーデータをスイッチング素子の制御信号として使用することによって、接続部250または450の入出力ピンの信号接続経路が再構成される。
【0051】
図8は、
図2及び
図4に図示されたメモリ制御部233または433の動作を説明するフローチャートである。
【0052】
図8を参照すれば、810段階では、記録媒体を出力装置に接続し、パワーアップ状態にする。パワーアップ状態は、出力装置に記録媒体が接続されることのみでなるか、あるいは出力装置に記録媒体が接続された後、別途の電源ボタンを作動させてなされる。
【0053】
820段階では、出力装置から記録媒体に固有番号を伝送する。ここで、固有番号は、出力装置に割り当てられる製品番号、あるいは機種を示す番号になるが、必ずしもそれらに限定されるものではない。
【0054】
830段階では、記録媒体で、出力装置から伝送された固有番号と、記録媒体に保存している少なくとも1つの固有番号とを比較する。
【0055】
840段階では、記録媒体で、出力装置から伝送された固有番号と、記録媒体に保存している少なくとも1つの固有番号とが同一であるか否かを判断する。
【0056】
850段階では、記録媒体で、出力装置から伝送された固有番号と、記録媒体に保存している少なくとも1つの固有番号とが同じである場合、該当出力装置は、記録媒体からメディア・コンテンツを出力することができるという認証を受けたものであるので、記録媒体をイネーブル(enable)状態にする。具体的には、メモリ制御部233または433は、イネーブル信号を生成し、記録媒体の保安制御部231または431に提供する。これにより、記録媒体に保存されたメディア・コンテンツが、保安機能を有しつつ出力装置に伝送される。
【0057】
860段階では、記録媒体で、出力装置から伝送された固有番号と、記録媒体に保存している少なくとも1つの固有番号とが同一ではない場合、当該出力装置は、記録媒体からメディア・コンテンツを出力することができるという認証を受けていないものであるから、記録媒体をディセーブル(disable)状態にする。具体的には、メモリ制御部233または433は、ディセーブル信号を生成して接続部250または450に提供し、あらゆるピンがフローティング(floating)状態になる。これにより、記録媒体に保存されたメディア・コンテンツの外部機器への伝送、または外部機器からのデータ受信が不可能になる。
【0058】
870段階では、出力装置へのデータ伝送のためのスタンバイ状態、または記録媒体または出力装置の交替のためのスタンバイ状態となる。
【0059】
前記の説明で、多くの事項について具体的に記載されているが、それらは、発明の範囲を限定するものとするより、具体的な実施形態の例示として解釈されねばならない。例えば、本発明が属する技術分野で当業者であるならば、
図1及び
図3の構造は、多様に変形可能であると理解することができ、その動作方法も、多様に変化可能であることを理解するであろう。よって、本発明の範囲は、説明された実施形態によって定められるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって定められるものである。
【符号の説明】
【0060】
110 電子的記録媒体
130、330 題目表示部
150、350 ピン
210、410 メモリ部
211 メモリ
213 OTPメモリ
230、430 制御部
231、431 保安制御部
233、433 メモリ制御部
250、450 接続部
310、510 記録媒体
370 小型ディスプレイ部
390 小型バッテリ
435 出力制御部
500 出力装置
520 パネル
521 スピーカ
523 イヤホン挿入部
525 通信ポート
527 ディスプレイ部
528 挿入部
529 操作ボタン
610 キー生成部
630 アドレス変換部
650 データ位置変換部
670 入出力位置変換部