【文献】
Frangeul, L,Genbank [online],2007年,Accession No.CA087868, GenInfo Identifier No.159025894,URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/159025894
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<発明の要約>
本願発明の第一の態様に従って、
(i)アミノ酸残基-Leu-Ser-Arg-His-Val-Leu-Gln-(LSRHVLQ)を含む、分子量700から20000ダルトンの配列番号1を有するペプチド(i);または
(ii) アミノ酸残基-His-Gly-His-Pro-Phe-Ala-Pro-(HGHPFAP)を含む配列番号2を有するペプチド(ii)
より選択されるペプチドが提供される。
【0016】
本願発明のより好ましい態様に従い、美容上許容可能なベース(cosmetically acceptable base)に加えて本願発明の第一の態様のペプチドを含む肌美白組成物を提供する。
【0017】
本願発明の他の態様に従い、肌美白のための本願発明の第一の態様のペプチドの使用が提供される。
【0018】
本願発明の他の態様に従い、免疫調節のための本願発明の第一の態様のペプチドの使用が提供される。
【0019】
本願発明の他の態様に従い、体重調節のための本願発明の第一の態様のペプチドの使用が提供される。
【0020】
前記およびその他の態様、特徴ならびに利点は、以下の詳細な記述および添付の請求項を読むことで、当業者にとって明らかとなり得る。疑惑を避けるため、本願発明のある態様の任意の特徴は、本願発明の任意の他の態様において利用され得る。「含む」という用語は、「含有する」という意味を意図しており、必ずしも「から成る」または「を構成する」意味を意図していない。言い換えると、上記の工程または選択肢は包括的である必要はない。以下の記述で与えられる実施例は、本願発明を明らかにすることを意図し、本願発明を実施例それ自体に制限することを意図しないことを注意すべきである。同様に、すべてのパーセント表示は、特に記載のない限り、重量/重量パーセントである。実施例および比較例を除き、または特に明示されない限り、反応の原料または条件、原料および/または使用の物理的性質を示す本記述におけるすべての数字は、「約」という単語で修飾されるものとして理解されるべきである。「xからyまで」という形式で表される数字の範囲は、xおよびyを含んで理解される。ある特徴に対する複数の好ましい範囲が「xからyまで」という形式で記述される場合、異なる終点でつながっているすべての範囲もまた考慮される。本願明細書に存在する発明の開示は、特許請求の範囲に見いだされるすべての実施態様に及ぶものであると考えられ、特許請求の範囲は複数の従属性または冗長性なしに存在し得るという事実に関わりなく、相互に多重に従属する。
【0021】
<発明の詳細な記載>
本願発明においては、二つのペプチドすなわち配列番号1を有するペプチド(i)または配列番号2を有するペプチド(ii)の権利を請求している。これら二つの新規ペプチドは、α-MSH(α-メラノサイト刺激ホルモン)に優先的に結合し、α-MSHのMC1R上への結合を阻害する。この阻害は、局所用および食品組成物中で前記ペプチドを使用した際に、肌美白、免疫調節および体重調節の分野において利点を提供する。前記の二つのペプチドは、ファージディスプレイ、すなわち生物工学領域における、標的分子に特異的に結合するペプチドを同定するために使用される手法を使用して、同定された。約10億の候補から、二つのペプチドを最終候補に選ぶ過程全体は、以下に示す過程を含む。
【0023】
非常に多数の候補ペプチド(約10億の候補)より、七つのユニークなペプチドが、最初にα-MSH結合体候補として同定された。これら七つのペプチドの中で、二つのペプチドがα-MSH結合体へ非常に強く結合することが見いだされ、前記の二つのペプチドは機能的利点の調査のために選択された。その後、機能的有効性すなわち前記ペプチドのメラニン含有量を減少させる能力は、メラニン含有量アッセイによって試験された。前記の二つのペプチドがメラニン減少を提供することが確認されただけでなく、それらを同時に使用することで相乗的に相互作用することも見いだされた。
【0024】
配列番号1を有するペプチド(i)は、特異的な配列すなわち-Leu-Ser-Arg-His-Val-Leu-Gln-の七つのアミノ酸配列を含む。配列番号1を有するペプチド(i)は分子量700から20000ダルトンの間であることが重要である。配列番号1を有するペプチド(i)の分子量は、好ましくは18000ダルトン未満、さらに好ましくは15000ダルトン未満、さらにより好ましくは12000ダルトン未満である。配列番号1を有するペプチド(i)の分子量は、好ましくは750ダルトンより大きく、さらに好ましくは1000ダルトンより大きく、よりさらに好ましくは2000ダルトンより大きく、最も好ましくは4500ダルトンより大きい。好ましい範囲は、好ましい分子量の下限と好ましい分子量の上限の任意のひとつとの、任意の組み合わせを含んでいることが重要である。配列番号1を有するペプチド(i)は、分子量1000から8000の間であることが特に好ましい。前記の範囲の配列番号1のペプチドの分子量の利点は、このような短鎖長のペプチドと共に、このペプチドがα-MSH(α-メラノサイト刺激ホルモン)に結合しその後α-MSHのMC1R上への結合をより阻害する可能性がより高い点である。本願発明で権利を請求されているアミノ酸配列を有するタンパク質がα-MSHに結合する可能性は、もしタンパク質分子量20000よりも大きい場合が生じれば非常に低く、従って権利を請求されていない。
【0025】
配列番号1を有するペプチドが下記環状アミノ酸残基を含むことが好ましい。
【0027】
すなわち、七員環アミノ酸残基は、いずれかの末端がジスルフィド結合を介して結合しているシステインを有する。前記ペプチドの好ましい態様は、配列番号3を有するペプチド(iii)として本願明細書に参照される。
【0028】
配列番号1を有するペプチド(i)は、下記アミノ酸残基を含むことがより好ましい。
【0030】
前記態様のペプチドは、配列番号4を有するペプチド(iv)として本願明細書に参照される。このペプチドは、より安定であると観察されるため、特に好ましい。
【0031】
アミノ酸配列-His-Gly-His-Pro-Phe-Ala-Pro-を含む配列番号2を有するペプチド(ii)はまた、本願発明において権利を請求されている。本願発明で権利を請求されている様々な用途に対するこのペプチドの分子量には制限がないが、ペプチド(ii)は分子量700から20000ダルトンであることが好ましい。配列番号2を有するペプチド(ii)は、好ましくは18000ダルトン未満、さらに好ましくは15000ダルトン未満、よりさらに好ましくは12000ダルトン未満である。配列番号2を有するペプチド2の分子量は、好ましくは750ダルトンより大きく、さらに好ましくは1000ダルトンより大きく、よりさらに好ましくは2000ダルトンより大きく、および、もっとも好ましくは4500ダルトンより大きい。
【0032】
配列番号2を有するペプチド(ii)は、下記環状アミノ酸残基を含むことが好ましい。
【0034】
すなわち、いずれかの末端がジスルフィド結合を介して結合しているシステインを有する七員環アミノ酸残基である。前記ペプチドは、配列番号5を有するペプチド(v)として本願明細書に参照される。
【0035】
配列番号2を有するペプチド(ii)は、下記アミノ酸残基を含むことがより好ましい。
【0037】
前記態様のペプチドは、配列番号6を有するペプチド(vi)として本願明細書に参照される。配列番号4を有するペプチド(iv)と共に、一方の末端での-Gly-アミノ酸および他方の末端での-Ala-アミノ酸の存在が、消費者用の組成物において使用された際のペプチド(iv)のより優れた安定性を提供することが見いだされている。
【0038】
前記のアミノ酸配列は表1に要約されている[表中、各Xは20アミノ酸からなる群より選択され(その中でグリシン以外の残りは、タンパク質中ではL-アイソマーである):
【0040】
mおよびnは各々独立して0から10までの整数で、好ましくは0から5、より好ましくは0から2である]。
【0042】
さらに好ましくは、配列番号1を有するペプチド(i)または配列番号2を有するペプチド(ii)のいずれかは肌用の実質的なポリマーで誘導体化される。適切な肌用の実質的なポリマーはポリエチレングリコールを含む。
【0043】
本願発明のその他の態様に従い、本願発明の第一の態様において権利が請求されているペプチド、および、美容的に許容可能なベースを含む肌美白組成物が提供される。
【0044】
本願明細書において使用される肌用美白組成物は、ヒトが肌美白における利点を得るための、肌への局所的な利用のための組成物を含むことを意図している。そのような組成物は、一般的に、つけたままにするもの、または、洗い流すものに分類され得る。本願発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、フォーム、スクラブ、ジェル、棒状石鹸もしくは肌洗浄用化粧水の形態で、または、器具とともに、または、顔用マスク、パッドもしくはパッチを介して利用され得る。制限のない肌用美白組成物の実施例は、つけたままにする肌用ローションおよびクリーム、シャワージェルや化粧用棒状石鹸、制汗剤、デオドラント剤、口紅、ファンデーションン、マスカラ、サンレス・タナー(sunless tanner)およびサンスクリーンローションを含む。本願明細書で使用される「肌」は、顔および体の肌を含む(例えば、首、胸、背中、腕、脇の下、手、脚、臀部および頭皮)。
【0045】
肌用美白組成物は、好ましくは0.0001から10重量%の本願発明のペプチドを含む。より好ましいペプチドの量は、0.001から3重量%で、さらにより好ましい量は、0.001から1重量%である。
【0046】
本願発明の肌用美白組成物は美容的に許容可能なベースを含む。前記の美容的に許容可能なベースは、好ましくはクリーム、ローション、ジェルおよびエマルジョンの形態である。
【0047】
本願発明の肌用美白組成物は、美容的に許容可能な、様々な乳化系または非乳化系およびビヒクルを用いて調製され得る。よく適した美容的に許容可能なベースは、クリームの形態である。バニシングクリーム(vanishing cream)は特に好ましい。バニシングクリームは一般的に、5から25%w/wの脂肪酸および0.1から10%w/wの石鹸を含む。バニシングクリームは、非常に好まれるマットな質感を肌に提供する。C12からC20脂肪酸が特に好ましく、よりさらに、C14からC18脂肪酸が好ましい。最も好ましい脂肪酸は、ステアリン酸である。前記組成物中の脂肪酸は、より好ましくは組成物の5から20重量%の範囲の量である。石鹸は、ナトリウム塩またはカリウム塩など、最も好ましくはステアリン酸カリウムである、脂肪酸のアルカリ金属塩を含む。石鹸は一般的に、組成物の0.1から10重量%の範囲の量が好ましく、さらに好ましくは0.1から3重量%である。バニシングクリームは一般的に、望ましい量の総脂肪分を取り、望ましい量の水酸化カリウムとの混合によって調製される。石鹸は通常、混合の間中in-situで形成される。
【0048】
前記肌美白組成物は、本願発明にて権利が請求されているペプチド以外の肌美白剤を含み得る。その他の適する肌美白剤は、ビタミンB3もしくはその誘導体、例えばナイアシン、ニコチン酸もしくはナイアシンアミド、またはその他のよく知られた肌美白剤、例えばアロエ抽出物、乳酸アンモニウム、アルブチン、アゼライン酸、コウジ酸、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸エステル、3-ジフェニルプロパン誘導体、2,5-ジヒドロキシベンゾイン酸およびその誘導体、エラグ酸、フェンネル抽出物、グルコピラノシル-1-アスコルベート、グルコン酸、グルコリン酸、緑茶抽出物、ヒドロキノン、4-ヒドロキシアニソールおよびその誘導体、4-ヒドロキシベンゾイン酸誘導体、ヒドロキシカプリル酸、レモン抽出物、リノレイン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、マルベリー根抽出物、2,4-レゾルシノール誘導体、3,5-レゾルシノール誘導体、サリチル酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCもしくはビタミンAなどのビタミン、ジカルボン酸、レゾルシノール誘導体、乳酸およびその塩、例えば乳酸ナトリウムなどのヒドロキシカルボン酸、並びにそれらの混合物である。ビタミンB3化合物またはその誘導体、例えばナイアシン、ニコチン酸またはニコチンアミドは、より好ましいその他の肌美白剤であり、最も好ましいのはニコチンアミドである。ニコチンアミドが使用される際は、組成物の0.1から10重量%の範囲の量で、より好ましくは0.2から5重量%の範囲の量で好ましくは存在する。
【0049】
肌美白組成物は、好ましくは、追加的に一つまたは複数の紫外線サンスクリーンを含み得る。紫外線サンスクリーンは無機または有機であり得る。
【0050】
多種多様な有機サンスクリーン剤が、本願発明の必須成分と組み合わせた使用に適する。適切なUV-A/UV-Bサンスクリーン剤は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル-p-アミノベンゾイン酸、ジガロイルトリオレエート(digaroyltrioleate)、2,2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、エチル-4-(ビス(ヒドロキシプロピル))アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エチルヘキシルサリチレート、グリセリル-p-アミノベンゾエート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルサリチレート、アントラニル酸メチル、p-ジメチルアミノベンゾイン酸またはアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ジメチル-アミノ-ベンゾエート、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、2-(p-ジメチルアミノフェニル)-5-スルホニックベンゾキサゾイックアシッド(2-(p-dimethylaminophenyl)-5-sulfonicbenzoxazoic acid)、2-エチルヘキシル-p-メチルシンナマート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル-p-アミノベンゾイン酸およびそれらの混合物を含む。最も適する有機サンスクリーンは、2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナマートおよびブチルメトキシジベンゾイルメタンである。
【0051】
安全で効果的な量のサンスクリーンは、本願発明の肌美白組成物において使用され得る。前記組成物は、好ましくは約0.1から約10%、より好ましくは約0.1から約5%のサンスクリーン剤を含む。
【0052】
有益な無機サンスクリーンもまた、本願発明において好ましく使用される。これらは例えば、酸化亜鉛、酸化鉄、ヒュームドシリカなどのシリカおよび二酸化チタンなどを含む。
【0053】
超微粒子二酸化チタンは、いわゆる水分散性二酸化チタンおよび油分散性二酸化チタンの二つの形態のいずれかであり、特に本願発明に適する。水分散性二酸化チタンは超微粒子二酸化チタンであり、非コート、または、親水性表面性質を粒子に付与する素材で粒子表面がコートされている。このような物質の例は、アルミニウム酸化物およびケイ酸アルミニウムを含む。
【0054】
油分散型二酸化チタンは、超微粒子二酸化チタンで、その粒子は疎水性表面の性質を示し、この目的のためにアルミニウムステアレート、アルミニウムラウレートおよび亜鉛ステアレートなどの金属石鹸または有機シリコン化合物でコートされている。
【0055】
「超微粒子二酸化チタン」は、平均粒子サイズ100ナノメートル未満、好ましくは70ナノメートルまたはそれ未満、より好ましくは10から40ナノメートルおよび最も好ましくは15から25ナノメートルである二酸化チタン粒子を意味する。
【0056】
水分散性および油分散性超微粒子二酸化チタンの両方の混合物の、肌への局所塗布により、UV-AおよびUV-Bの有害性に対する相乗的に改良された肌防御が達成されることができる。
【0057】
超微粒子二酸化チタンは、本願発明の通り好ましい無機サンブロック剤である。本願発明に従って組成物に含まれる好ましいサンブロックの総量は、組成物の0.1から5重量%である。
【0058】
本願発明に従った組成物はまた、その他の希釈剤を含み得る。前記希釈剤はまた、組成物が肌に塗布された際にのびが良くなるように、組成物中に存在するその他の物質の分散剤または担体として作用する。
【0059】
水以外の希釈剤は、液体または固体の皮膚軟化剤、溶媒、保湿剤、増粘剤および粉末を含む。単独または一つまたは複数のビヒクルの混合物として使用され得るこれら各タイプのビヒクルの例は以下の通りである。
【0060】
ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、ミンクオイル、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン-2-オール、イソセチルアルコール、エイコサニルアルコール、ベヘニルアルコール、パルミチン酸セチル、ジメチルポリシリオキサンなどのシリコンオイル、ジ-n-ブチル-セバケート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ココアバター、コットンシードオイル、オリーブオイル、菜種油、ベニバナ油、月見草油、大豆油、ヒマワリ種油、アボカドオイル、セサミシードオイル、ココナッツオイル、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、ワセリン、ミネラルオイル、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノレイン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、およびミリスチン酸ミリスチルなどの保湿剤;
【0061】
エチルアルコール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの溶媒;
【0062】
チョーク、タルク、酸性白土、カオリン、スターチ、ゴム、コドイド様シリカポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルおよび/またはトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾されたケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機修飾されたモンモリロナイト粘土、水酸化ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびモノステアリン酸エチレングリコールなどの粉末。
【0063】
美容的に許容可能なベースは通常、組成物の10から99.9重量%、好ましくは50から99.9%重量であり、その他の化粧品添加物がない場合は組成物のバランスを形成し得る。
【0064】
本願発明の組成物は、美容的に許容可能なベースとして従来のデオドラント効果のあるベースを含み得る。デオドラントとは、棒状、ロールオン、または、デオドラントのために個人で使用されるスプレーガス媒質(例えば制汗活性剤を含み得るまたは含み得ない、脇の下の領域への塗布)の製品を意味する。
【0065】
デオドラント組成物は一般的に、硬質固体、軟質固体、ジェル、クリームおよび液体の形態を取り得て、組成物の物理的性質に適した塗布器を用いて、使用される。
【0066】
ロールオンで用いられるデオドラント組成物は、一般的に液体担体を含む。このような液体担体は、疎水性または親水性および疎水性の液体の両方の混合物であり得る。それらはエマルジョンまたはマイクロエマルジョンの形態であり得る。液体担体または担体の混合物は時に、組成物の30から95重量%を構成し、多くの例では40から80%を構成する。
【0067】
疎水性液体担体は通常、融点が25℃以下で沸点が100℃以上であるシロキサン、炭水化物、分枝脂肪族アルコール、エステルおよびエーテルの化学的分類から選択された一つまたは複数の物質を含み得る。
【0068】
本願明細書の組成物で通常用いられ得る親水性液体担体は、水、および/または、モノもしくはポリヒドリックアルコールまたは水混和性ホモログを含む。モノヒドリックアルコールは時に炭素数6まで含むことを意味する短鎖であり、および、実際にはエタノールまたは時にイソプロピルアルコールであることが最も多い。ポリヒドリックアルコールは通常、エチレンもしくはプロピレングリコールを含み、または、ジエチレングリコールなどのホモログが用いられ得る。
【0069】
液体形態であり続ける組成物は、ロールオン、または、spray-generating orificeのポンプもしくは絞り出しによる従来の塗布器を用いて塗布し得る。このような組成物は、例えば、本願明細書の以下に記載の一つまたは複数の増粘剤を用いて、増粘され得る。
【0070】
ゲル化剤または構造化剤(structurant)の使用によって通常得られる硬質固体の組成物は、棒状塗布器を用いて塗布することができ、軟質固体、ジェルおよびクリームは、穏やかな圧力で軟質固体、ジェルまたはクリームを押し出す、少なくとも一つの開口部のある供給口を有する塗布器を用いて塗布することができる。
【0071】
前記を達成するために使用され得る、適した増粘剤またはゲル化剤は、様々な乳化剤を含む高粘度の水溶性もしくは水分散性物質、ならびに/または、ポリアクリレートを含む増粘もしくはゲル化された水溶性もしくは水分散性ポリマー、ならびに、水溶性ポリサッカライドもしくはアルギネート、カラギナン、アガロースなどのスターチ誘導体およびセルロース誘導体を含む水分散性ポリマーなどの水溶性もしくは水分散性天然ポリマー、の使用による。
【0072】
組成物中のこのようなポリマーの濃度は時に、必要とされる粘度または構造の程度、および、液体/混合物中の選択されたポリマーの有効性によって、1から20%の範囲より選択される。
【0073】
長い間継続して硬質固体を生み出す能力が証明されており、さらに近年軟質固体を作ることができるという理由で望ましい構造化剤(structurant)の分類の一つは、ワックスを含む。本願明細書において、ワックスという用語は、蝋質の感触の固体で、30-40度では水に不溶であるが、幾分高い温度、典型的には50から95℃の間で融解する(蜜蝋、candelillaまたはcarnaubaワックスなど)天然由来の物質だけではなく、類似の性質を持つ物質も含む。このような他のワックスは、炭水化物ワックス(例えばパラフィンワックス、ミネラルワックスおよびミクロクリスタリンワックス);2000から10000ダルトンのポリエチレンなどの合成ワックス;ワックス誘導体または天然ワックス中のワックス成分、を含む。
【0074】
ゲル化剤/構造化剤の各分類中の物質の混合物は、用いられ得る。
【0075】
本願明細書で用いられるデオドラント組成物がエアロゾル組成物を含む場合、本願明細書に前記したベース組成物に加えて、通常は噴霧ガスを重量比95:5から40:60で含み、多くの処方においては、重量比90:10から50:50である。
【0076】
噴霧ガスは、低沸点の物質、典型的には-5℃未満で沸騰するもの、例えばプロパン、ブタンもしくはイソブタンなどのアルカンであり、ペンタンもしくはイソペンタンの画分もおそらく含まれ、または、ヒドロキシフルオロカーボンもしくは同程度の炭素含有量であるフルオロカーボン、が好都合である。エアロゾルの缶を充填する間、噴霧ガスはその中で発生する高圧ガスのために液化している。
【0077】
本願発明の組成物は、追加的に制汗活性剤を含み得る。制汗活性剤は、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウムの金属塩、および、ジルコニウム、アルミニウム混合物の硫化物、塩化物、クロロヒドロキシド、テトラクロロハイドレックス、グリシネート、ミョウバン、フォルマート(formate)、ラクテート、硫酸ベンジル、スクシネート、フェノールスルホネートおよびその類のものを含む。制汗/デオドラント活性剤の典型的な濃度は、組成物の約0から約35重量%、好ましくは約0から約25重量%である。組成物はさらに、制汗剤の金属塩と共に錯体を形成することができる有機酸またはその誘導体などの錯化剤を含み得る。このような錯化剤の例として、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、グリシンおよびその類のものと美容的に許容可能なそれらの塩を含むが、これらに限らない。錯化剤の典型的な濃度は、組成物の約0から約15重量%、好ましくは約0から約10重量%である。
【0078】
本願発明の組成物は幅広い追加的な成分を含み得る。本願明細書に参照にて全体が含まれるCTFA化粧品成分ハンドブック第二版、1992年には、本願発明の組成物中での使用に適し、スキンケア産業で通常使用されている、幅広く制限のない化粧品および医薬成分が記載されている。例として、抗酸化剤、結合剤、生物的添加物、緩衝剤、着色剤、増粘剤、ポリマー、収斂剤、香料、保湿剤、乳白剤、調整剤、角質除去剤、pH調整剤、保存剤、天然抽出物、エッセンシャルオイル、皮膚感触改善剤、皮膚潤滑剤および皮膚治癒剤を含む。
【0079】
本願発明の他の態様によると、本願発明の第一の態様で権利を請求されているペプチドの肌への塗布を含む肌美白の方法が提供される。
【0080】
本願発明のさらに他の態様によると、肌美白のための本願発明の第一の態様のペプチドの使用が提供される。この使用は、好ましくは非治療的である。
【0081】
本願発明のさらに他の態様によると、免疫調節のための本願発明の第一の態様のペプチドの使用が提供される。この使用は治療的または非治療的であり得るが、好ましくは非治療的である。
【0082】
本願発明のさらに他の態様によると、体重調節のための請求項1で権利が請求されているペプチドの使用が提供される。この使用は治療的または非治療的であり得るが、好ましくは非治療的である。
【0083】
本願発明は、ここから、以下の制限のない実施例によってさらに記述される。
【実施例】
【0084】
<実施例1から7>
様々な物質の肌美白剤として作用する能力を、メラニン含量アッセイを用いて測定した。以下の手順に従って実験を実施した。
【0085】
10000の新生児ヒト上皮性ケラチノサイト(human epidermal keratinocyte neonatal:HeKn)(Cascade Biologicalsの新生児包皮ケラチノサイト)および50000の新生児ヒト上皮性メラニン黒色素細胞(human epidermal keratinocyte neonatal darkly pigmented:HeKnDP)を2:1の割合で含む混合物を、24ウェル培養プレートの各ウェルに播き、共培養系を確立した。一晩インキュベーションした後、テスト活性剤(並行して準備した無処理またはビヒクルコントロール)を含む新鮮な培地で細胞を処理し、処理後72時間インキュベートした。次に、培地を除き、80マイクロリットルのジメチルスルホキシド(dimethyl surfoxiede:DMSO)に交換した。プレートをDMSOでさらに65℃で1時間インキュベートし、ウェルの内容物を粉末化した後、同じサンプルをメラニン含有量(プレートリーダー450nmで測定した)およびタンパク概算量(regular BiCinchoninic Acid method, Pierce製キット)の両方のアッセイに用いた。メラニン減少%は、無処理コントロールに対する。様々な物質でのメラニン含有量の減少を、表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
前記表のペプチド1は下記ペプチドに関する。
【0088】
【化6】
【0089】
前記表のペプチド2は下記ペプチドに関する。
【0090】
【化7】
【0091】
表2のデータは、本願発明によるペプチドはメラニン含有量を低下させ、従って過去に使用されていた剤、例えばコウジ酸に匹敵する美白を提供したことを示している。前記データはまた、本願発明の二つのペプチドの相乗的相互作用とその結果改良された肌美白が提供されることを明らかにしている。
【0092】
独立した一連の実施例を、以前に記載されたものと類似した方法を用いて実施し、データの再現性を調査した。この独立した一連の実験のデータは、再現性を確認した。