特許第5752174号(P5752174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752174
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】棟の換気構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/16 20060101AFI20150702BHJP
   E04D 1/30 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   E04D13/16 E
   E04D1/30 601P
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-88974(P2013-88974)
(22)【出願日】2013年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-211061(P2014-211061A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2014年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000118073
【氏名又は名称】伊藤 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 義雄
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−002140(JP,A)
【文献】 特開2004−316270(JP,A)
【文献】 特開2007−327319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/16
E04D 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棟の屋根地に立設した垂木支持金具で垂木を支持し、垂木で冠瓦を支持し、冠瓦と棟の最上段の平板瓦との間に扁平な第1換気部材を配設し、野地に形成した棟換気口に被せるように第2換気部材を野地に立設し、冠瓦と野地の間に葺土、モルタル等の充填材を充填して充填層を形成し、第1換気部材と第2換気部材及び棟換気口を通して小屋裏と屋外を連通する主通気通路を形成し、
前記垂木に横断通気通路を形成し、前記第1換気部材と横断通気通路によって冠瓦の裏側に垂木を跨いで棟の一側から他側へ通じる第1副通気通路を形成した棟の換気構造であって、
前記第1換気部材が扁平な略箱型本体を有し、
本体の一端面と上面にそれぞれ第1通気口と第2通気口が形成され、
本体の一端に連結片が設けられ、
本体の他端部に冠瓦の裏面を支持する支持部を設けるとともに、該支持部に第3通気口を形成し、
支持部の下に本体内部に侵入した雨水を排出する水抜き溝又は水抜き穴を形成するとともに、所定の隙間をあけて水抜き溝又は水抜き穴の外側開口端面を覆蓋する止水片を設け、
連結片を垂木の上面に連結して本体を垂木に固定したとき、前記横断通気通路と第1通気口と第2通気口及び第3通気口によって前記第1副通気通路が形成されるように構成したことを特長とする棟の換気構造。
【請求項2】
棟の屋根地に立設した垂木支持金具で垂木を支持し、垂木で冠瓦を支持し、冠瓦と棟の最上段の平板瓦との間に扁平な第1換気部材を配設し、野地に形成した棟換気口に被せるように第2換気部材を野地に立設し、冠瓦と野地の間に葺土、モルタル等の充填材を充填して充填層を形成し、第1換気部材と第2換気部材及び棟換気口を通して小屋裏と屋外を連通する主通気通路を形成し、
前記垂木に横断通気通路を形成し、前記第1換気部材と横断通気通路によって冠瓦の裏側に垂木を跨いで棟の一側から他側へ通じる第1副通気通路を形成した棟の換気構造における前記第1換気部材であって、
前記第1換気部材が扁平な略箱型本体を有し、
本体の一端面と上面にそれぞれ第1通気口と第2通気口が形成され、
本体の一端に連結片が設けられ、
本体の他端部に冠瓦の裏面を支持する支持部を設けるとともに、該支持部に第3通気口を形成し、
支持部の下に本体内部に侵入した雨水を排出する水抜き溝又は水抜き穴を形成するとともに、所定の隙間をあけて水抜き溝又は水抜き穴の外側開口端面を覆蓋する止水片を設け、
連結片を垂木の上面に連結して本体を垂木に固定したとき、前記横断通気通路と第1通気口と第2通気口及び第3通気口によって前記第1副通気通路が形成されるように構成しことを特長とする第1換気部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は棟の換気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
棟の換気構造の一形式として、特開平10−317589号には棟の屋根地に立設した垂木支持金具で垂木を支持し、垂木で冠瓦を支持し、冠瓦と棟の屋根地の間に葺土、モルタル等の充填材を充填して充填層を形成した棟における換気構造が開示されている。
【0003】
この棟の換気構造では、冠瓦と棟の最上段の平板瓦との間に扁平な第1換気部材を配設し、棟の屋根地に形成した棟換気口に被せるように第2換気部材を屋根地に立設し、第1換気部材と第2換気部材及び棟換気口を通して小屋裏と屋外を連通する通気通路を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−317589号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の棟の換気構造によれば小屋裏の換気が可能となるものの、必ずしも小屋裏の換気に必要な空気の流量を確保できるとは限らない。
また、近時、小屋裏の換気だけでなく、野地の腐食を防止するため平板瓦が葺設されている野地上の換気も望まれている。
【0006】
本発明はかかる点に鑑み、小屋裏の十分な換気を可能にする棟の換気構造を提供することを目的とする。
また、本発明は平板瓦が葺設されている野地上の換気を可能にする棟の換気構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、棟の屋根地に立設した垂木支持金具で垂木を支持し、垂木で冠瓦を支持し、冠瓦と棟の最上段の平板瓦との間に扁平な第1換気部材を配設し、野地に形成した棟換気口に被せるように第2換気部材を野地に立設し、冠瓦と野地の間に葺土、モルタル等の充填材を充填して充填層を形成し、第1換気部材と第2換気部材及び棟換気口を通して小屋裏と屋外を連通する主通気通路を形成し、
前記垂木に横断通気通路を形成し、前記第1換気部材と横断通気通路によって冠瓦の裏側に垂木を跨いで棟の一側から他側へ通じる第1副通気通路を形成した棟の換気構造であって、
前記第1換気部材が扁平な略箱型本体を有し、
本体の一端面と上面にそれぞれ第1通気口と第2通気口が形成され、
本体の一端に連結片が設けられ、
本体の他端部に冠瓦の裏面を支持する支持部を設けるとともに、該支持部に第3通気口を形成し、
支持部の下に本体内部に侵入した雨水を排出する水抜き溝又は水抜き穴を形成するとともに、所定の隙間をあけて水抜き溝又は水抜き穴の外側開口端面を覆蓋する止水片を設け、
連結片を垂木の上面に連結して本体を垂木に固定したとき、前記横断通気通路と第1通気口と第2通気口及び第3通気口によって前記第1副通気通路が形成されるように構成しことを特長とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、棟の屋根地に立設した垂木支持金具で垂木を支持し、垂木で冠瓦を支持し、冠瓦と棟の最上段の平板瓦との間に扁平な第1換気部材を配設し、野地に形成した棟換気口に被せるように第2換気部材を野地に立設し、冠瓦と野地の間に葺土、モルタル等の充填材を充填して充填層を形成し、第1換気部材と第2換気部材及び棟換気口を通して小屋裏と屋外を連通する主通気通路を形成し、
前記垂木に横断通気通路を形成し、前記第1換気部材と横断通気通路によって冠瓦の裏側に垂木を跨いで棟の一側から他側へ通じる第1副通気通路を形成した棟の換気構造における前記第1換気部材であって、
前記第1換気部材が扁平な略箱型本体を有し、
本体の一端面と上面にそれぞれ第1通気口と第2通気口が形成され、
本体の一端に連結片が設けられ、
本体の他端部に冠瓦の裏面を支持する支持部を設けるとともに、該支持部に第3通気口を形成し、
支持部の下に本体内部に侵入した雨水を排出する水抜き溝又は水抜き穴を形成するとともに、所定の隙間をあけて水抜き溝又は水抜き穴の外側開口端面を覆蓋する止水片を設け、
連結片を垂木の上面に連結して本体を垂木に固定したとき、前記横断通気通路と第1通気口と第2通気口及び第3通気口によって前記第1副通気通路が形成されるように構成しことを特長とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、屋外で風が吹くと第1副通気通路を通って屋外の空気が棟の一側から他側へ流れるので、小屋裏の空気が第1副通気通路を流れる風に巻き込まれて屋外へ流出する。そのため、小屋裏を換気するに十分な空気の流量を確保できる。
【0010】
また、第1換気部材に水抜き溝又は水抜き穴を形成したので、第1換気部材の内部に侵入した雨水を水抜き溝又は水抜き穴から平板瓦の上に排出できる。
【0011】
さらにまた、水抜き溝又は水抜き穴の外側開口端面を隙間を空けて止水片で覆ったので、第1換気部材の内部に侵入した雨水を隙間から平板瓦の上に排出できるだけでなく、水抜き溝又は水抜き穴から内部に雨水が大量に浸入するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る棟の換気構造を示す斜視図である。
図2】同換気構造に使われる垂木支持金具を示す斜視図である。
図3】同換気構造に使われる垂木を示す斜視図である。
図4】同換気構造に使われる第1換気部材を示す斜視図である。
図5】同第1換気部材の上側フレームの内部を示す斜視図である。
図6】同換気構造に使われる第2換気部材を示す斜視図である。
図7】同換気構造における主通気通路と第1副通気通路及び第2副通気通路を模式的に示す説明図である。
図8】同換気構造に使われる他の垂木を示す斜視図である。
図9】同換気構造に使われる他の第1換気部材を示す斜視図である。
図10】同他の第1換気部材の上側フレームの内部を示す斜視図である。
図11】同他の第1換気部材の下側フレームの内部を示す斜視図である。
【実施例】
【0013】
以下に本発明を図面に基づき説明する。図1には本発明の一実施例に係る棟の換気構造10が示されている。当該棟の換気構造10は垂木11を支持する垂木支持金具12と第1換気部材13及び第2換気部材14を備えている。
【0014】
図2に示すように、垂木支持金具12はコ字形の垂木受け部12aと、垂木受け部12aに垂設した脚部12bと、脚部12bから傾斜して延びる左右一対の足部12cから成る。垂木支持金具12は各足部12cを棟の野地15に釘で固定して、棟の頂部に立設されている。垂木11は棟の頂部に沿って一定間隔で配列した垂木支持金具12の垂木受け部12aに載置し、棟の長手方向に沿って架設されている。そして、垂木支持金具12で支持した垂木11に冠瓦16が載置されている。図3に示すように、この垂木11の上面には複数本の溝状の横断通気通路11aが形成されている。複数本の横断通気通路11aは垂木11の長手方向に沿って配列されている。この横断通気通路11aは垂木11の下面に形成することもできる。
【0015】
図4に示すように、第1換気部材13は上側フレーム13aと下側フレーム13bを合体して扁平な略箱型に形成した本体を備えている。上側フレーム13aの幅方向の一端は上方に折り曲げて立ち上がり片13cが形成され、立ち上がり片13cに連結片13dが連続して形成されている。この連結片13dは断面がくの字になるように形成されている。下側フレーム13bの幅方向の一端は上方に折り曲げて立ち上がり片13eが形成され、上側フレーム13aの立ち上がり片13cと下側フレーム13bの立ち上がり片13eで第1通気口13fが形成されている。下側フレームの他端の外側にシーラー13uが貼着されている。
【0016】
上側フレーム13aには複数の第2通気口13gが形成されている。各第2通気口13gは上側フレーム13aの長手方向に延びている。上側フレーム13aの他端部は直角に折り曲げられて止水片13hが形成されている。上側フレーム13aの他端部の上面に板バネ製で複数の、くの字部を連続した形状を有する支持部材13mが固定され、第1換気部材13の長手方向に延びている。この支持部材13mは、くの字の頂部が冠瓦16の裏面に当接して冠瓦16を支持するように形成されている。また、くの字の内側が第3通気口13nとして形成され、これら第3通気口13nが第1換気部材13の長手方向に沿って配列されている。
【0017】
図5に示すように、止水片13hの内側にはプラスチック製で断面が四角形の縦フレーム13pが固定され、該縦フレーム13pの複数箇所に水抜き溝13qが形成されている。この水抜き溝13qは第1換気部材13の長手方向に沿って一定間隔で配列されている。水抜き溝13qの外側端面は隙間をあけて止水片13hで覆われている。上側フレーム13aの立ち上がり片13cの基端部には通気用縦フレーム13rが固定されている。この通気用縦フレーム13rは多数の通気穴13sを有し、通気穴13sは第1換気部材13の長手方向に沿って配列され、各穴が第1通気口13fに連通している。上側フレーム13aの長手方向の両端部には横フレーム13tが固定され、上側フレーム13aと下側フレーム13bを合体して構成される本体の両側の開口端面が横フレーム13tで塞がれている。
【0018】
第1換気部材13は連結片13dの先端部を垂木11の上面に当接し、釘で垂木11に固定されている。このようにして、複数の第1換気部材13は冠瓦16の裏面に配置され、棟の長手方向に沿って配列されている。
【0019】
第2換気部材14は左右一対の堰部14aと、左右の堰部14aを連結する連結部14b及び連結部14bに垂設した脚部14cと、脚部14cから傾斜して延びる左右一対の足部14dから成り、足部14dを野地15に釘で固定して棟の頂部に立設されている。この脚部14cは下端面を開口にした中空構造に形成されている。一方、図1に示すように棟の頂部には棟換気口17が形成されている。第2換気部材14はこの棟換気口17に脚部14cの開口を被せるようにして棟に固定され、棟の長手方向に延びている。
【0020】
脚部14dの両側面には複数の開口14eが形成されている。複数の開口14eは第2換気部材14の長手方向に沿って配列されている。堰部14aは外側起立片14fと内側起立片14g及び両起立片14f,14gを連結する底面14hでチャンネル状に構成され、底面14hには複数の開口14kが形成され、開口14kは第2換気部材14の長手方向に沿って配列されている。
【0021】
棟換気口17に近接して野地15に瓦桟18が固定され、瓦桟18に棟の最上段の平板瓦19が掛止されている。この平板瓦19の尻縁部19aは第2換気部材14の堰部14aの外側起立片14fに当接している。第1換気部材13の底面と堰部14aの外側起立片14f及び平板瓦19の尻縁部19aの上半分で区画される空間に葺土、モルタル等の充填材が充填され、充填層20を形成している。一方、堰部14aで充填材の侵入を防止することにより、堰部14aの連結部14bと平板瓦19の尻縁部19aの下半分と野地15で通気空間21が区画形成されている。
【0022】
垂木11、垂木支持金具12、第1換気部材13及び第2換気部材14の構造は以上の通りであって、図7に示すように、棟換気口17→第2換気部材14の脚部14cの開口→堰部14aの連結部14bと平板瓦19の尻縁部19aの下半分と野地15で区画形成された通気空間21→第2換気部材14の堰部14aの底面14hの開口14k→第2換気部材14の外側起立片14fと内側起立片14gで区画されたチャンネル部→第1換気部材13の第1通気口13f→第1換気部材13の内部空間→第1換気部材13の第2通気口13g→第1換気部材13の第3通気口13nによって小屋裏と屋外を連通する主通気通路22が形成されている。
【0023】
また、第1換気部材13の第3通気口13n→第2通気口13g→第1換気部材13の内部空間→第1換気部材13の第1通気口13f→垂木11の横断通気通路11aによって冠瓦16の裏側に垂木11を跨いで棟の一側から他側に連通する第1副通気通路23が形成されている。
【0024】
さらにまた、最上段の平板瓦19の裏側空間(最上段の平板瓦19と野地15との隙間)→堰部14aの連結部14bと最上段の平板瓦19の尻縁部19aの下半分と野地15で区画された通気空間21→堰部14aのチャンネル部→第1換気部材13の第1通気口13f→第1換気部材13の内部空間→第1換気部材13の第2通気口13g→第1換気部材13の第3通気口13nによって野地15上と屋外を連通する第2副通気通路24が形成されている。
【0025】
本実施例に係る棟の換気構造10によれば、屋外で風が吹くと第1副通気通路23を通って屋外の空気が棟の一側から他側へ流れるので、小屋裏の空気が第1副通気通路23を流れる風に巻き込まれ、主通気通路22を通って屋外へ流出する。そのため、小屋裏を換気するに十分な空気の流量を確保できる。
【0026】
また、堰部14aと最上段の平板瓦19の尻縁部19aで充填材20を堰き止めることにより最上段の平板瓦19の裏側空間と第2換気部材14とを連通する第2副通気通路24を形成したので、第2副通気通路24を通って平板瓦19の裏側空間すなわち、野地15上の換気が可能となる。
【0027】
また、第1換気部材13に水抜き溝13qを形成したので、第1換気部材13の内部に侵入した雨水を水抜き溝13qから平板瓦19の上に排出できる。
さらにまた、水抜き溝13qの外側開口端面を隙間を空けて止水片13hで覆ったので、第1換気部材13の内部に侵入した雨水を隙間から平板瓦19の上に排出できるだけでなく、水抜き溝13qから内部に雨水が大量に浸入するのを防止できる。
【0028】
本実施例では第2換気部材14の堰部14aを構成する外側起立片14fで充填材20を堰き止めているが、冠瓦16と平板瓦19の間にS字瓦を葺設する場合、若しくはのし瓦を積層する場合のように平板瓦19から冠瓦16までの高さが高くなる場合、図7に2点鎖線で示すように、外側起立片14fに沿って堰板25を設けることにより、充填材を堰き止めることができる。
【0029】
図8に本実施例における垂木11の他の実施例を示す。上述した垂木11は、横断通気通路11aを切削して形成しているが、図8に示すように、垂木11にくの字に成形した板金部材26を固定して横断通気通路26aを形成したり、プラスチック樹脂製の通気部材27を固定して横断通気通路27aを形成することもできる。
【0030】
図9図11に本実施例における第1換気部材13の他の実施例を示す。上述した第1換気部材13では図5に示すように、上側フレーム13aの止水片13hの内側にはプラスチック製で断面が四角形の縦フレーム13pを固定したが、図10に示す第1換気部材13Aでは、この縦フレーム13qが省略されている。一方、図11に示すように、下側フレーム13bの一端には上側フレーム13aと下側フレーム13bを合体したとき上側フレーム13aの止水片13hに重なる折曲片13wが形成されるとともに、折曲片13wの基端部から下側フレーム13bの底面にかけて水抜き穴13yが形成されている。
なお、他の実施例に係る第1換気部材13Aの他の構成は上述した第1換気部材13と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【符号の説明】
【0031】
10…棟の換気構造
11…垂木
11a,26a,27a…横断通気通路
12…垂木支持金具
13,13A…第1換気部材
13d…連結片
13f…第1通気口
13g…第2通気口
13h…止水片
13n…第3通気口
13q…水抜き溝
13y…水抜き穴
14…第2換気部材
14a…堰部
15…野地
16…冠瓦
17…棟換気口
19…平板瓦
19a…平板瓦の尻縁部
20…充填層
21…通気空間
22…主通気通路
23…第1副通気通路
24…第2副通気通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11