(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752221
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】弾性構造部を備えた固定スリットを有する光学式エンコーダ
(51)【国際特許分類】
G01D 5/347 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
G01D5/347 110X
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-262735(P2013-262735)
(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-118046(P2015-118046A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2014年12月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】王 苗苗
(72)【発明者】
【氏名】尾高 俊一
(72)【発明者】
【氏名】谷口 満幸
【審査官】
井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−238223(JP,A)
【文献】
特開2004−199044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D5/00〜5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放出する発光部と、前記発光部から放出された光の一部を通過させる固定スリット及び回転スリットと、前記固定スリット及び前記回転スリットを通過した光を検出する受光部と、前記固定スリットを支持する支持体と、を備えた光学式エンコーダであって、
前記固定スリットは、
光を通過させる複数のスリットが形成されたパターン形成部と、
前記支持体に固定される被固定部と、
前記パターン形成部と前記被固定部との間に設けられていて、前記パターン形成部及び前記被固定部よりも容易に弾性変形可能な弾性構造部と、を具備する、
光学式エンコーダ。
【請求項2】
前記弾性構造部が梁の形態を有する、請求項1に記載の光学式エンコーダ。
【請求項3】
前記弾性構造部が、前記固定スリットの一部を除去することによって形成される、請求項1に記載の光学式エンコーダ。
【請求項4】
前記弾性構造部がばねの形態を有する、請求項1に記載の光学式エンコーダ。
【請求項5】
前記固定スリットが樹脂から形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
【請求項6】
前記固定スリットの前記被固定部が前記支持体に嵌合する嵌合構造を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定スリットを備えた光学式エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
光学式エンコーダは、回転運動する回転体の位置、速度及び加速度などに関する情報を検出するために使用される。光学式エンコーダによって検出された情報は、例えば工作機械の駆動軸に付与されるサーボモータを制御するのに使用される。
【0003】
光学式エンコーダは、光源から放出された光の一部を通過させる固定スリット及び回転スリットを備えている。特許文献1には、光学式エンコーダの公知例が開示されている。
【0004】
図13A及び
図13Bを参照して、関連技術における固定スリット200の構成について説明する。固定スリット200は板状の本体部204を有しており、ガラス又は金属から形成される。本体部204の中央部分には、所定のパターンに従って複数のスリットが形成されたパターン形成部202が設けられている。
【0005】
また、固定スリット200は、本体部204の両縁において被固定部206を有している。固定スリット200の被固定部206は、
図13Bに示されるように台座210に対して接着剤212によって固定される。
【0006】
しかしながら、固定スリット200と台座210とは異なる材料から形成されることが多く、そのため、温度が変化したときに、それらの熱膨張率の差に起因して固定スリット200と台座210との間の接着面にずれが生じて固定作用が低下する虞がある。場合によっては、固定スリット200が台座210から脱離する虞もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−274479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、光学式エンコーダにおいて、固定スリットの信頼性を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の1番目の態様によれば、光を放出する発光部と、前記発光部から放出された光の一部を通過させる固定スリット及び回転スリットと、前記固定スリット及び前記回転スリットを通過した光を検出する受光部と、前記固定スリットを支持する支持体と、を備えた光学式エンコーダであって、前記固定スリットは、光を通過させる複数のスリットが形成されたパターン形成部と、前記支持体に固定される被固定部と、前記パターン形成部と前記被固定部との間に設けられていて
、前記パターン形成部及び前記被固定部よりも容易に弾性変形可能な弾性構造部と、を具備する、光学式エンコーダが提供される。
本願の2番目の態様によれば、1番目の態様に係る光学式エンコーダにおいて、前記弾性構造部が梁の形態を有する。
本願の3番目の態様によれば、1番目の態様に係る光学式エンコーダにおいて、前記弾性構造部が、前記固定スリットの一部を除去することによって形成される。
本願の4番目の態様によれば、1番目の態様に係る光学式エンコーダにおいて、前記弾性構造部がばねの形態を有する。
本願の5番目の態様によれば、1番目から4番目のいずれかの態様に係る光学式エンコーダにおいて、前記固定スリットが樹脂から形成される。
本願の6番目の態様によれば、1番目から5番目のいずれかの態様に係る光学式エンコーダにおいて、前記固定スリットの前記被固定部が前記支持体に嵌合する嵌合構造を有する。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を備えた光学式エンコーダによれば、固定スリットの被固定部とパターン形成部との間に弾性構造部が設けられるので、固定スリットと支持体との間の変形量の差が弾性構造部の弾性変形によって補償されるようになる。それにより、支持体と被固定部との間における位置ずれが防止され、信頼性の高い固定スリットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る光学式エンコーダの固定スリットの構成を示す上面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図3】第2の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図4】第3の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図5】第4の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図6】第5の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図7A】第6の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図8A】第6の実施形態の変形例に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図9】別の変形例に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図10】別の変形例に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図11】別の変形例に係る光学式エンコーダの固定スリットを示す上面図である。
【
図12】本発明を適用可能な光学式エンコーダの構成例を示す概略斜視図である。
【
図13A】関連技術の固定スリットを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図示される構成要素は、本発明の理解を助けるために縮尺が適宜変更されている。
【0013】
図12は、本発明を適用可能な光学式エンコーダの構成例を示す概略斜視図である。光学式エンコーダ100は、光を放出する発光部102と、発光部102から放出された光の一部を通過させる固定スリット104及び回転スリット106と、固定スリット104及び回転スリット106を通過した光を検出する受光部108と、を備えている。
【0014】
発光部102は、矢印で示されるように、固定スリット104及び回転スリット106に向かって光を放出する光源として作用する。発光部102は、例えば発光ダイオード(LED)又はレーザダイオード(LD)でありうる。また、発光部102は、光を平行光に変換するレンズを備えていてもよい。発光部102から放出される光は、例えば赤外から可視光の範囲の波長を有しうる。
【0015】
受光部108は、例えばフォトトランジスタ又はフォトダイオードでありうる。受光部108は、発光部102から放出される光の波長に対応した検出範囲及び検出感度を有する。図示された例では、発光部102及び受光部108は互いに対向して設けられているものの、発光部102と受光部108とが光ファイバなどの導光路を介して光学的に接続される構成であってもよい。
【0016】
回転スリット106は、回転軸線O回りに回転する回転軸110と一体的に回転する回転ディスク112に形成されている。回転スリット106は、所定のパターンに従って形成された複数のスリットから構成されている。
【0017】
固定スリット104は、回転軸110及び回転ディスク112の回転運動とは無関係に固定されたハウジング又はブラケット(図示せず)などに台座(
図13B参照)を介して取付けられる概ね板状の部材である。固定スリット104は、光を通過させる複数のスリットが形成されたパターン形成部114と、
図12には示されていない台座に固定される被固定部116と、パターン形成部114と被固定部116との間に設けられていて弾性変形可能な弾性構造部118と、を具備している。固定スリット104の詳細な構成については後述する。
【0018】
固定スリット104は、金属又はガラスから形成されうる。或いは、樹脂製の固定スリットが使用されてもよい。樹脂製の固定スリットは、所望の形状に成形するのが容易であり、また、材料も比較的安価であるため、生産コストを削減できる。さらに、樹脂製の固定スリットは、振動や衝撃によって破損しにくいので、固定スリットの信頼性が向上する。使用される樹脂としては、弾性を有するものが好ましく、例えばポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)などでありうる。
【0019】
固定スリット104及び回転スリット106は、互いに協働して発光部102から放出された光を部分的に通過させることによって明暗パターンを受光部108に結像する。受光部108は、その明暗パターンを検出して対応した電気信号を出力する。このようにして、回転ディスク112ひいては回転軸110の回転位置、速度、加速度などの情報が検出される。
【0020】
図12を参照して説明した光学式エンコーダの構成は一例にすぎず、本発明は、他の公知の構成を有する任意の光学式エンコーダにも適用可能である。例えば固定スリットは、回転スリットよりも受光部に対して近位に配置されてもよい。この場合、発光部から放出された光は、回転スリット、固定スリットの順に通過して受光部に到達することになる。
【0021】
続いて、
図1〜
図11を参照して、種々の実施形態及び変形例に係る固定スリットの詳細な構成について説明する。なお、各実施形態及びそれらの変形例に関連して重複する説明は適宜省略される。また、同一又は対応する構成要素には同一の参照符号が使用される。
【0022】
図1は、本発明に係る光学式エンコーダの固定スリット10の構成を示す上面図である。
図1に示される固定スリット10は、本体部32と、本体部32の中央部分に設けられたパターン形成部34と、本体部32の両縁からそれぞれ外側に向かって延在する弾性構造部30及び被固定部38と、を備えている。
【0023】
被固定部38は、本体部32の縁部に対して概ね平行に延在する長尺の形状を有している。被固定部38は、台座(
図13B参照)などの支持体に対して、例えば接着剤によって固定される。
【0024】
弾性構造部30は、固定スリット10の本体部32及び被固定部38よりも容易に弾性変形可能であるように形成される。換言すると、弾性構造部30は、本体部32及び被固定部38よりも小さい弾性率を有している。それにより、弾性構造部30は、外力が固定スリット10に作用したときに弾性変形することによって、外力の影響を低減する緩衝作用を有する。また、熱膨張率の差に起因して、固定スリット10と、支持体との間に収縮量の差が生じる場合であっても、その収縮量の差が弾性構造部30の弾性変形によって補償されるようになる。このような構成によれば、被固定部38と支持体との間の固定作用が低下するのを防止できる。したがって、信頼性の高い固定スリットが提供される。
【0025】
図2は、第1の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリット11を示す上面図である。本実施形態において、固定スリット11の弾性構造部36は、本体部32と被固定部38とを互いに連結する梁状の形態を有している。弾性構造部36は、被固定部38に対して傾斜して概ね直線状に延在しており、弾性構造部36及び被固定部38は、上面図においてV字状の形態を為している。
【0026】
図3は、第2の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリット13を示す上面図である。本実施形態において、固定スリット13の弾性構造部37は、第1の実施形態の弾性構造部36と同様に梁状の形態を有している。しかしながら、この弾性構造部37は、本体部32と被固定部38との間において湾曲する曲線に沿って延在している。
【0027】
弾性構造部36,37は、固定スリット11,13の本体部32に比べて幅が顕著に小さいため、圧縮力又は引張力を受けたときに容易に弾性変形することができる。したがって、例えば熱膨張率の差に起因して、固定スリット11,13と、固定スリット11,13を固定する支持体と、の間の収縮量に差が生じる場合であっても、その収縮量の差が弾性構造部36,37の弾性変形によって補償されるようになる。それにより、支持体に対する固定スリット11,13の位置ずれが生じるのを防止でき、固定スリット11,13の支持作用が低下するのを防止できる。また、固定スリット11,13及び台座の少なくともいずれか一方に振動又は衝撃が加わる場合においても、弾性構造部36,37によってその振動又は衝撃を吸収できる。結果として、信頼性の高い光学式エンコーダを提供できる。
【0028】
なお、梁状の形態を有する弾性構造部は、本体部及び被固定部よりも容易に弾性変形可能になる構成であれば図示された構成には限定されない。弾性構造部は、例えば直線状の梁と湾曲形状を含む梁とを組合せた構成であってもよいし、或いは複数の梁が本体部と被固定部との間に並列に形成された構成であってもよい。
【0029】
弾性構造部は、図示されたような梁状の形態のほかにも、本体部よりも顕著に幅狭であれば任意の形状を有していてもよい。すなわち、本体部よりも十分に幅狭であれば、弾性構造部は、固定スリットの他の部位よりも弾性変形しやすくなり、固定スリットと支持体との間の支持作用が低下するのを防止できる。
【0030】
図4は、第3の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリット12を示す上面図である。固定スリット12は、本体部32と被固定部38との間に延在する弾性構造部40を有する。固定スリット12には、本体部32と被固定部38との間に概ね矩形の貫通孔42が形成されている。それにより、弾性構造部40は、本体部32及び支持体に固定された被固定部38よりも容易に弾性変形するようになっている。
【0031】
図5は、第4の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリット14を示す上面図である。固定スリット14の被固定部38及び弾性構造部50は、それぞれ湾曲した形状、例えば円弧形状を有している。固定スリット14には、本体部32と被固定部38との間に概ね半円形の貫通孔54が形成されている。それにより、弾性構造部50は、固定スリット14の本体部32及び支持体に固定された被固定部38よりも容易に弾性変形可能である。なお、図示された例では、被固定部38及び弾性構造部50は、概ね同一の幅を有しているものの、弾性構造部50の幅は被固定部38の幅より小さくてもよい。
図5においては、台座52の位置を示すために台座52の輪郭が破線で示されている。
【0032】
図6は、第5の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリット15を示す上面図である。固定スリット15は、本体部32と被固定部38との間において弾性構造部56を有している。本実施形態において、本体部32と被固定部38との間の領域には、複数の円形の貫通孔58が形成されている。それにより、固定スリット15の弾性構造部56は、本体部32及び支持体に固定された被固定部38よりも容易に弾性変形可能である。なお、貫通孔は、図示される円形のものに限定されず、多角形及び楕円形などの任意の形状でありうる。また、貫通孔の断面形状も何ら限定されず、断面形状が変化していてもよいし、或いは貫通孔は傾斜していてもよい。貫通孔の個数も何ら限定されない。
【0033】
図4〜
図6を参照して説明した各実施形態においては、固定スリットの一部を除去することによって弾性構造部が形成される。図示されたような貫通孔のほかにも、固定スリットの表面を切除した切欠き、或いは固定スリットの内部を除去した中空構造によって弾性構造部を形成してもよい。
【0034】
図7A及び
図7Bは、第6の実施形態に係る光学式エンコーダの固定スリット16を示す上面図及び正面図である。固定スリット16は、本体部32と被固定部38との間に設けられる弾性構造部60がばねの形態を有している。例えば
図7Bからより明確に分かるように、弾性構造部60はベローズの形態を有している。
図7Bには、固定スリット16に加えて台座62が一緒に示されている。固定スリット16の被固定部38は、接着剤64によって台座62に固定されている。
【0035】
このようなばねの形態を有する弾性構造部60は、圧縮力又は引張力を受けたときに容易に弾性変形することができる。したがって、本実施形態によれば、固定スリットと、固定スリットを固定する支持体と、の間の収縮量に差が生じる場合であっても、その収縮量の差がばねの弾性変形によって補償されるようになる。結果として、他の実施形態と同様に、固定スリットの固定作用が低下するのを防止でき、信頼性の高い固定スリットを提供できる。
【0036】
図8Aは、第
6の実施形態の変形例に係る光学式エンコーダの固定スリット16’を示す上面図である。
図8Bは、
図8Aの破線8B−8Bに沿って見た断面図である。
図8Bには、固定スリット16’とともに台座80が示されている。本変形例においては、固定スリット16’の被固定部38には、固定スリット16’の面に対して概ね垂直に貫通孔70が形成されている。そして、台座80には、貫通孔70に嵌合する突起82が形成されている。すなわち、本変形例においては、固定スリット16’の貫通孔70を台座80の突起82に嵌合させることによって、固定スリット16’が台座80に固定される。このような構成によれば、固定スリット16’の固定作用を向上させる有利な効果が得られる。
【0037】
図9〜
図11に示される別の変形例は、
図8A及び
図8Bを参照して説明した上記変形例に係る思想を第1、第3及び第4の実施形態にそれぞれ適用したものである。すなわち、
図9〜
図11の固定スリット11’,12’,14’の被固定部38には、図示されない台座の突起を受容する貫通孔70が形成されている。
【0038】
なお、固定スリットと台座との嵌合構造は、図示された例に限定されない。例えば、固定スリットに突起が形成されるとともに、台座に固定スリットの突起を受容する有底孔又は貫通孔が形成されるようにしてもよい。また、貫通孔の形状も特に限定されず、貫通孔の内部が段付き形状又はテーパ形状を有していて断面積が変化するようになっていてもよい。
【0039】
以上、本発明の種々の実施形態及び変形例を説明したが、本明細書に明示されない構成によっても本発明の意図される作用効果を奏しうることは当業者に自明である。特に、本発明の範囲を逸脱することなく前述した実施形態及び変形例の構成要素を削除ないし置換することが可能であるし、公知の手段をさらに付加することが可能である。また、本明細書において明示的又は暗示的に開示される複数の実施形態の特徴を任意に組合せることによっても本発明を実施できることは当業者に自明である。
【符号の説明】
【0040】
10 固定スリット
11 固定スリット
12 固定スリット
13 固定スリット
14 固定スリット
15 固定スリット
16 固定スリット
11’ 固定スリット
12’ 固定スリット
14’ 固定スリット
16’ 固定スリット
30 弾性構造部
32 本体部
34 パターン形成部
36 弾性構造部
37 弾性構造部
38 被固定部
40 弾性構造部
42 貫通孔
50 弾性構造部
52 台座(支持体)
54 貫通孔
56 弾性構造部
58 貫通孔
60 弾性構造部
62 台座(支持体)
70 貫通孔(嵌合構造)
80 台座(支持体)
100 光学式エンコーダ
102 発光部
104 固定スリット
106 回転スリット
108 受光部
114 パターン形成部
116 被固定部
118 弾性構造部