【実施例】
【0045】
以下、実施例をあげて本発明を更に詳しく説明するが、本発明を限定するものではない。なお、物性値の測定には、特に断らない限り、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−3000(島津製作所社製)を用いて乾式法にて測定し、体積基準で計算されたメディアン径を平均粒子径とし、比表面積は、比表面積測定装置 Tristar 3000(Micromeritics社製)を用いて測定し、BET多点法にて算出された値を比表面積とした。
【0046】
実施例1
精製水2320gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、2%水溶液における粘度:6.0〜10.0mPa・s、日本曹達社製)80gを溶解し、結合液2400gを得た。
【0047】
流動層造粒機(マルチプレックスMP−01、パウレック社製)にベシル酸アムロジピン69.3g、D−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:43μm、比表面積:0.51m
2/g)936.7g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)100g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)50gを仕込み、混合した後、上記結合液のうち240gをスプレーして造粒し、乾燥することで、約1000gの造粒顆粒を得た。
【0048】
この造粒顆粒116.4gに軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)2.4gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0049】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、約7kNの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0050】
実施例2(ベシル酸アムロジピン被覆粒子の製造)
精製水667.8gに、ポリソルベート80(ポリソルベート80(HX)、日本油脂社製)37.35gを溶解し、続いてタルク(タルカンハヤシ、林化成社製)88.12g、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol、FMC社製)63.01gを混合し、予めメタクリル酸コポリマーLD(ポリキッドPA−30S、三洋化成社製)840gに1N水酸化ナトリウム水溶液83.99gを加えて調製した混液を混和し、コーティング液とした。
【0051】
ベシル酸アムロジピン400gと軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.6gをポリエチレン袋内で十分に混合し、強制循環装置付ワースター型流動層造粒機(改良ワースター型流動層造粒機MP−01 SPC、パウレック社製)に入れ、上記のコーティング液を噴霧した。噴霧量が1595gの時点で流動層内で乾燥/成膜工程を行った。このベシル酸アムロジピン被覆粒子の平均粒子径は88μmであった。
【0052】
実施例3(無水カフェイン被覆粒子)
精製水188.5gに、ポリソルベート80(ポリソルベート80(HX)、日本油脂社製)31.5gを溶解し、続いてメタクリル酸コポリマーLD(ポリキッドPA−30S、三洋化成社製)700gを加えて混和し、コーティング液とした。
【0053】
無水カフェイン346.6gと軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)3.5gをポリエチレン袋内で十分に混合し、強制循環装置付ワースター型流動層造粒機(改良ワースター型流動層造粒機MP−01 SPC、パウレック社製)に入れ、上記のコーティング液を噴霧した。噴霧量が751.3gの時点で流動層内で乾燥/成膜工程を行った。この無水カフェイン被覆粒子の平均粒子径は127μmであった。
【0054】
実施例4
精製水2320gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)80gを溶解し、結合液2400gを得た。
【0055】
流動層造粒機(マルチプレックスMP−01、パウレック社製)にD−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:43μm、比表面積:0.51m
2/g)864.25g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)100g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)50gを仕込み、混合した後、上記結合液のうち240gをスプレーして造粒し、乾燥することで、約1000gの造粒顆粒を得た。
【0056】
この造粒顆粒102.23gに実施例2で製造したベシル酸アムロジピン被覆粒子14.18g、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)2.4gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0057】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、約7kNの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0058】
比較例1、2
平均粒子径:43μm、比表面積:0.51m
2/gのD−マンニトールに代えて、表1に示すD−マンニトール(β型結晶)を用いる以外は、実施例4と同じ方法により、直径7mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例5、比較例3〜6
フマル酸ステアリルナトリウム2.4gを表2に示す滑沢剤とその仕込み量に代える以外は、実施例4と同じ方法により錠剤を得た。
【0061】
【表2】
【0062】
実施例6
クロスポビドン50gをカルメロース(NS−300、五徳薬品社製)50gに代える以外は、実施例4と同じ方法により、直径7mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0063】
実施例7
使用する結合液を、α化デンプン(アミコールC、日澱化学社製)8g及び精製水232gからなる液240gに代える以外は、実施例4と同じ方法により、直径7mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0064】
実施例8
ベシル酸アムロジピン被覆粒子14.18gを実施例3に記載の無水カフェイン被覆粒子15.79gに代える以外は、実施例4と同じ方法により、直径7mm、重量121.6mgの錠剤を得た。
【0065】
試験例1
実施例1、4〜8及び比較例1〜6について、打錠時の打錠障害の有無について三段階(○:良好、△:軽微な障害あり、×:障害あり)で評価を行った。結果を表3に示す。なお、障害が発生した場合は、障害の種類を括弧内に記した。
【0066】
【表3】
【0067】
試験例2
実施例1、4〜8及び比較例1、2、4により製造された錠剤について、口腔内崩壊錠試験器(富山産業株式会社、型式ODT−101)を用いて、試験液:水(37±1℃)、錘質量:10g、回転数:25r/minの条件にて崩壊時間を測定した。また、錠剤破壊強度測定器(富山産業株式会社、TH−203MP)を用いて硬度を測定した。得られた硬度を錠剤の破断面の面積で除した値を絶対硬度として表した。さらに、錠剤を口中に含み完全に崩壊させた際の服用感を三段階(○:良好、△:普通、×:不良)で判定し、△と×の判定については、その詳細な服用感を括弧内に記した。結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】
表4に示すように、実施例1及び4〜7の錠剤はいずれも良好な硬度(2.5N/mm
2以上)及び崩壊時間(30秒以下)を示し、また服用感も良好なものであった。一方、比較例1の錠剤では硬度は良好なものの、崩壊時間が遅かった。また、比較例2の錠剤は、崩壊時間は良好であったが、硬度は低く、さらに服用時にざらつきを感じた。比較例4の錠剤は、硬度は良好であったが、崩壊時間が遅かった。
【0070】
実施例2−1(製剤例1)
精製水2320gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)80gを溶解し、結合液2400gを得た。
【0071】
流動層造粒機(マルチプレックスMP−01、パウレック社製)にベシル酸アムロジピン69.3g、D−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:43μm、比表面積:0.51m
2/g)936.7g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)100g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)50gを仕込み、混合した後、上記結合液のうち240gをスプレーして造粒し、乾燥することで造粒顆粒を得た。
【0072】
この造粒顆粒116.4gに軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)2.4gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0073】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、7kN、9kN、11kNのそれぞれの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。なお、7kNの圧縮力で打錠して得られた錠剤は、実施例1と同等の錠剤である。
【0074】
実施例2−2及び比較例2−1〜6(製剤例2〜8)
クロスポビドン50gを表5に示す崩壊剤に代える以外は、製剤例1と同様の方法により、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0075】
【表5】
【0076】
実施例2−3(製剤例9)
トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)100gを、同量のD−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:43μm、比表面積:0.51m
2/g)に代え、6kN、9kNの圧縮力で打錠する以外は、製剤例1と同様の方法により、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0077】
比較例2−7(製剤例10)
D−マンニトール936.7gを同量の乳糖(Pharmatose 200M)に代え、7kN、9kNの圧縮力で打錠する以外は、製剤例1と同じ方法により、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0078】
試験例3
製剤例1〜10の製剤について、試験例2と同様にして、硬度を測定し、絶対硬度を算出した。また、崩壊時間についても試験例2と同様にして測定した。結果を表6、表7及び
図1に示す。
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【0081】
表6、7の結果より、7、9、11kNの圧縮力で成型した製剤例1の各製剤、9、11kNの圧縮力で成型した製剤例2の各製剤、及び6kNの圧縮力で成型した製剤例9の製剤は、絶対硬度2.5N/mm
2以上という強度を有し、同時に崩壊時間30秒以内という良好な崩壊性を有していた。なかでも、9、11kNの圧縮力で成型した製剤例1の各製剤、11kNで成型した製剤例2の製剤は、崩壊時間30秒以内という良好な崩壊性でありながら、絶対硬度3.0N/mm
2以上という驚くべき強度を有していた。
【0082】
これに対して、クロスポビドン及びカルメロース以外の崩壊剤を使用した製剤例3〜8の各製剤、及びD−マンニトールの代わりに乳糖を使用した製剤例10の製剤は、絶対硬度2.5N/mm
2以上かつ崩壊時間が30秒以内となる良好な特性を示す製剤ではなかった。
【0083】
図1は、グラフの横軸を絶対硬度、縦軸を口腔内崩壊錠試験器による崩壊時間とし、製剤例1〜8の試験結果をプロットしたものである。製剤例3〜8の製剤では、硬度の上昇に伴って崩壊時間の延長がみられたのに対し、崩壊剤にクロスポビドンを使用した製剤例1及びカルメロースを使用した製剤例2では、錠剤硬度の上昇に伴う崩壊時間の遅延がみられなかった。予期しないこの現象により、崩壊剤にクロスポビドン又はカルメロースを用いた製剤が、高い錠剤強度と良好な崩壊性を併せ持つことができるものと考えられた。
【0084】
実施例3−1(製剤例11)
精製水2320gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)80gを溶解し、結合液2400gを得た。
【0085】
流動層造粒機(マルチプレックスMP−01、パウレック社製)にD−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:43μm、比表面積:0.51m
2/g)864.25g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)100g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)50gを仕込み、混合した後、上記結合液のうち240gをスプレーして造粒し、乾燥することで、約1000gの造粒顆粒を得た。
【0086】
この造粒顆粒102.23gに実施例2で製造したベシル酸アムロジピン被覆粒子14.18g、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)2.4gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0087】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、7kN、9kNのそれぞれの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0088】
実施例3−2及び比較例3−1〜6(製剤例12〜18)
クロスポビドン50gを表8に示す崩壊剤に代え、表9に示す圧縮力で打錠する以外は、製剤例11と同様の方法により、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0089】
【表8】
【0090】
実施例3−3(製剤例19)
ベシル酸アムロジピン被覆粒子14.18gを実施例3に記載の無水カフェイン被覆粒子15.79gに代える以外は、製剤例11と同じ方法により、直径7mm、重量121.6mgの錠剤を得た。
【0091】
実施例3−4(製剤例20)
精製水700gにクエン酸トリエチル(シトロフレックス2)48gを十分に分散させ、その溶液にエチルセルロース水分散液(アクアコート、FMC社製)1400gを混合し、さらにタルク(タルカンハヤシ、林化成社製)63gを加えてコーティング液とした。
【0092】
ベシル酸アムロジピン400gと、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.6gをポリエチレン袋内で十分に混合し、強制循環装置付ワースター型流動層造粒機(改良ワースター型流動層造粒機MP−01 SPC、パウレック社製)に入れ、上記のコーティング液を噴霧した。噴霧量が907gの時点で流動層内で乾燥/成膜工程を行い、ベシル酸アムロジピン・エチルセルロース被覆粒子とした。
【0093】
ベシル酸アムロジピン被覆粒子14.18gを、
ベシル酸アムロジピン・エチルセルロース被覆顆粒11.69gに代え、表9に示す圧縮力で打錠する以外は、製剤例11と同様の方法により、直径7mm、曲率半径10mm、重量117.5mgの錠剤を得た。
【0094】
試験例4
製剤例11〜20の製剤について、試験例2と同様にして、硬度を測定し、絶対硬度を算出した。また、崩壊時間についても試験例2と同様にして測定した。結果を表9に示す。
【0095】
【表9】
【0096】
表9の結果より、7kNの圧縮力で成型した製剤例11、12、19、20の製剤は、絶対硬度2.5N/mm
2以上という強度を有し、同時に崩壊時間30秒以内という良好な崩壊性を有していた。また、9kNの圧縮力で成型した製剤例11、12、19の製剤、11kNで成型した製剤例20の製剤は、崩壊時間30秒以内という良好な崩壊性でありながら、絶対硬度3.0N/mm
2以上という驚くべき強度を有していた。
【0097】
これに対して、クロスポビドン及びカルメロース以外の崩壊剤を使用した製剤例13〜18の各製剤は、絶対硬度2.5N/mm
2以上かつ崩壊時間が30秒以内となる良好な特性を示す製剤ではなかった。
【0098】
比較例4−1(製剤例21)
精製水623.7gにトウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)6.3gを分散し、加温して糊化することで結合液630gを得た。
【0099】
流動層造粒機(マルチプレックスMP−01、パウレック社製)にD−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:46μm、比表面積:0.46m
2/g)869.4g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)90g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC LH−22、信越化学社製)32.4gを仕込み、混合した後、上記結合液630gをスプレーして造粒し、乾燥することで、造粒顆粒を得た。
【0100】
この造粒顆粒99.81gに、実施例2で製造したベシル酸アムロジピン被覆粒子14.18g、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)2.4gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0101】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、6kN、7kNのそれぞれの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0102】
試験例5
製剤例21の製剤について、試験例2と同様にして、硬度を測定し、絶対硬度を算出した。また、崩壊時間についても試験例2と同様にして測定した。結果を表10に示す。
【0103】
【表10】
【0104】
表10の結果より、製剤例21の製剤は、6、7kNのいずれの圧縮力で成型した場合でも、絶対硬度2.5N/mm
2以上ではあったが、崩壊時間は30秒を超えた。
【0105】
実施例5−1(製剤例22)
精製水2320gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)80gを溶解し、結合液2400gを得た。
【0106】
流動層造粒機(マルチプレックスMP−01、パウレック社製)にD−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:46μm、比表面積:0.46m
2/g)906g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)100g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)50gを仕込み、混合した後、上記結合液のうち240gをスプレーして造粒し、乾燥することで、造粒顆粒を得た。
【0107】
この造粒顆粒106.4gにベシル酸アムロジピン(平均粒子径20μm)10g、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)3.6gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0108】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、9kNの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量121.2mgの錠剤を得た。
【0109】
実施例5−2〜5(製剤例23〜26)
ベシル酸アムロジピン10gを表11に示す活性成分に代え、表11に示す圧縮力で打錠する以外は、製剤例
22と同様の方法により、直径7mm、曲率半径10mm、重量121.2mgの錠剤を得た。
【0110】
【表11】
【0111】
実施例6−1(製剤例27)
精製水2320gにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達社製)80gを溶解し、結合液2400gを得た。
【0112】
万能混合撹拌機(5DMr、三栄製作所製)にベシル酸アムロジピン34.65g、D−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:46μm、比表面積:0.46m
2/g)468.35g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)5g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)25gを仕込み、混合した後、上記結合液のうち120gを添加し、さらに精製水20gを添加して練合した。練合物を60℃の通風乾燥機にて一晩棚乾燥し、整粒することにより造粒顆粒を得た。
【0113】
この造粒顆粒116.4gに軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)2.4gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0114】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、9kNの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0115】
実施例6−2(製剤例28)
万能混合撹拌機(5DMr、三栄製作所製)にD−マンニトール(β型結晶、平均粒子径:46μm、比表面積:0.46m
2/g)432.1g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ(XX16)W、日本食品化工社製)50g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)25gを仕込み、混合した後、製剤例
27に記載の結合液120gを添加し、さらに精製水20gを添加して練合した。練合物を60℃の通風乾燥機にて一晩棚乾燥し、整粒することにより、造粒顆粒を得た。
【0116】
この造粒顆粒102.2gに、実施例2のベシル酸アムロジピン被覆粒子14.18g、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル社製)1.2g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)2.4gを加えて混合し、打錠用顆粒とした。
【0117】
得られた打錠用顆粒を単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、9kNの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0118】
実施例6−3(製剤例29)
クロスポビドン25gをカルメロース25gに代える以外は、製剤例
28と同様の方法により、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0119】
実施例6−4(製剤例30)
実施例5における打錠用顆粒を、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、9kNの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0120】
実施例6−5(製剤例31)
実施例7における打錠用顆粒を、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、9kNの圧縮力で打錠し、直径7mm、曲率半径10mm、重量120mgの錠剤を得た。
【0121】
試験例6
製剤例22〜31の製剤について、試験例2と同様にして、硬度を測定し、絶対硬度を算出した。また、崩壊時間についても試験例2と同様にして測定した。結果を表12に示す。
【0122】
【表12】
【0123】
表12の結果より、製剤例22〜31の製剤はいずれも、絶対硬度3.0N/mm
2以上かつ崩壊時間が30秒以内となる良好な特性を示す製剤であった。
【0124】
なお、本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
〔1〕 (1)D−マンニトール、(2)活性成分、(3)クロスポビドン及びカルメロースからなる群より選ばれる1種以上の崩壊剤、ならびに(4)フマル酸ステアリルナトリウム及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種以上の滑沢剤を含有する口腔内崩壊錠。
〔2〕 崩壊剤がクロスポビドンである、前記〔1〕記載の口腔内崩壊錠。
〔3〕 滑沢剤がフマル酸ステアリルナトリウムである、前記〔1〕又は〔2〕記載の口腔内崩壊錠。
〔4〕 崩壊剤が1〜10重量%である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔5〕 滑沢剤が0.01〜5重量%である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
【0125】
〔6〕 D−マンニトールの平均粒子径が10μmより大きく500μm以下である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔7〕 D−マンニトールの平均粒子径が10μmより大きく200μm以下である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔8〕 D−マンニトールの平均粒子径が30μmより大きく150μm以下である、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔9〕 D−マンニトールの平均粒子径が30μmより大きく、かつ比表面積が0.40m
2/gより大きい、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔10〕 D−マンニトールがβ型結晶である、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
【0126】
〔11〕 更に結合剤を含有する、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔12〕 結合剤がヒドロキシプロピルセルロース及びα化デンプンからなる群より選ばれる1種以上である、前記〔11〕記載の口腔内崩壊錠。
〔13〕 ヒドロキシプロピルセルロースの2%水溶液の20℃における粘度が2〜10mPa・sである、前記〔12〕記載の口腔内崩壊錠。
〔14〕 結合剤が0.01〜2重量%である、前記〔11〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
【0127】
〔15〕 更にデンプンを含有する、前記〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔16〕 デンプンがトウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン及び部分α化デンプンからなる群より選ばれる1種以上である、前記〔15〕記載の口腔内崩壊錠。
〔17〕 活性成分がアムロジピン又はその薬学上許容される塩である、前記〔1〕〜〔16〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔18〕 活性成分がベシル酸アムロジピンである、前記〔1〕〜〔17〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔19〕 活性成分が被覆剤で造粒又は被覆された粒子である、前記〔1〕〜〔18〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔20〕 活性成分が被覆剤で造粒又は被覆されたアムロジピン又はその薬学上許容される塩である、前記〔1〕〜〔19〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
【0128】
〔21〕 活性成分が被覆剤で造粒又は被覆されたベシル酸アムロジピンである、前記〔1〕〜〔20〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
〔22〕 (1)平均粒子径が30μmより大きく、かつ比表面積が0.40m
2/gより大きいD−マンニトール、(2)0.1〜50重量%である活性成分、(3)1〜10重量%であるクロスポビドン及び/又はカルメロース、(4)2重量%以下であるヒドロキシプロ
ピルセルロース及び/又はα化デンプン、(5)5〜20重量%であるデンプン、ならびに(6)0.1〜5重量%であるフマル酸ステアリルナトリウムを含有する口腔内崩壊錠。
〔23〕 口腔内で30秒以内に崩壊し、かつ絶対硬度が2.5N/mm
2以上である、前記〔1〕〜〔22〕のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。