(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機器のソースアドレスを決定するように構成されたアドレス識別子をさらに含み、前記プロセッサが第1の情報と関連した機器のソースアドレスを通信することを特徴とする請求項1に記載の機器。
前記プロセッサが、前記第1の情報に関連するタイプを識別するヘッダー情報を生成し、且つ第1の情報と関連したヘッダー情報を通信するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の機器。
前記第2の通信プロトコルを使用してバスを介して第3の情報を受信することと、前記フィールド装置インターフェースと通信する複数のフィールド装置の1つと関連付けられた前記複数の異なるフィールド装置通信プロトコルの対応する1つを使用して前記複数のフィールド装置の1つへ第3の情報を通信することとをさらに含む請求項6に記載の方法。
前記第3の情報に関連したデータタイプ記述子を識別することと、前記複数の異なるフィールド装置通信プロトコルの対応する1つを使用して第3の情報を前記複数のフィールド装置の1つへ通信するためデータタイプ記述子に基づき前記複数の異なるフィールド装置通信プロトコルの対応する1つを選択することとをさらに含む請求項9に記載の方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
なお、以下の説明では、実施例として挙げられる機器およびシステムが、その他の数多く存在する構成素子の中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェア且つ又はファームウェアを含んだ状態で述べられているが、このようなシステムは単に本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明を限定するものであると見なされるべきでない。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェア構成素子 のいずれか又は全ては、ハードウェアにおいてのみ、またはソフトウェアにおいてのみ、あるいはハードウェアとソフトウェアのいかなる組合せにおいて具体化できるものと考慮される。よって、実施例として挙げられる機器およびシステムが以下において説明されているが、通常の技術を有する当業者であれば、ここに提供される実施例がこれらの機器およびシステムを実施する唯一の手段ではないことが一目瞭然のはずである。
【0011】
実施例として挙げられるプロセス制御システムは、制御室(例えば、
図1Aの制御室108)、プロセスコントローラ・エリア(例えば、
図1Aのプロセスコントローラ・エリア110)、終端エリア(例えば、
図1Aの終端エリア140)、および一つ又は複数のプロセスエリア(例えば、
図1Aのプロセスエリア114および118)を含む。プロセスエリアには、(例えば、化学薬品処理工程、石油精製、製薬工程、紙・パルプ工程などの)特定のプロセスの実行に関連した(例えば、バルブの制御、モータの制御、ボイラーの制御、モニターでの監視、パラメータの測定などの)諸操作を行なう複数のフィールド装置が含まれている。プロセスエリアの中には、苛酷な環境条件(例えば、比較的高い温度、空気中に浮遊する毒素、危険な放射能レベルなど)により人間がアクセス出来ない区域もいくつかある。制御室は一般に、人間が安全にアクセスできる環境内にあり、一つ又は複数のワークステーションを含む。ワークステーションには、例えば変数値の変更やプロセス制御機能などによるプロセス制御システムの制御機能にユーザ(例えば、エンジニアやオペレータなど)がアクセスできるようにするユーザアプリケーションが含まれている。プロセスコントローラ・エリアは、制御室のワークステーションに通信可能に連結された一つ又は複数のコントローラを含む。コントローラは、ワークステーションを介して実施されるプロセス制御法を実行することによりプロセスエリア内のフィールド装置の制御を自動化する。実施例として挙げられるプロセス実施方法には、圧力センサーフィールド装置を使用して圧力を測定し、圧力測定に基づいて流動バルブを開閉する指令をバルブ・ポジショナに対して自動的に送信することが関与する。終端エリアは、コントローラがプロセスエリアのフィールド装置と通信することを可能にするマーシャリング・キャビネットを含む。特に、マーシャリング・キャビネットは、フィールド装置からコントローラに通信可能に連結された一つ又は複数のI/Oカードに信号をマーシャリングする、整理する、または送信(routing)するのに使用される複数の終端モジュールを含む。I/Oカードはフィールド装置から受信した情報をコントローラと互換性のある形式に翻訳し、コントローラからの情報をフィールド装置と互換性を持つ形式に翻訳する。
【0012】
プロセス制御システム内のフィールド装置をコントローラに通信可能に連結するのに使用される公知の技法には、各フィールド装置およびコントローラ(例えば、プロセスコントローラ、プログラム可能論理制御装置など)に通信可能に連結された各々のI/Oカード間の別のバス(例えば、ワイヤ、ケーブルまたは回路)を使用することが関与する。I/Oカードは、コントローラとフィールド装置間で通信される情報を翻訳または変換することにより、異なるフィールド装置通信プロトコルおよび異なるデータタイプまたは信号タイプ(例えば、アナログ入力(AI)データタイプ、アナログ出力(AO)データタイプ、離散的出力(DI)データタイプ、離散的入力(DO)データタイプ、デジタル入力データタイプ、そしてデジタル出力データタイプ)に関連した複数のフィールド装置にコントローラを通信可能に連結することを可能にする。例えば、I/Oカードは、当該のフィールド装置に関連したフィールド装置通信プロトコルを用いて該フィールド装置と情報を交換するように構成された一つ又は複数のフィールド装置インターフェースを備えてもよい。別の異なるフィールド装置インターフェースは異なるチャンネル・タイプ(例えば、アナログ入力(AI)チャンネル・タイプ、アナログ出力(AO)チャンネル・タイプ、離散的出力(DI)チャンネル・タイプ、離散的入力(DO)チャンネル・タイプ、デジタル入力チャンネル・タイプおよびデジタル出力チャンネル・タイプ)を介して通信する。また、I/Oカードは、フィールド装置から受信した情報(例えば、電圧レベル)を、フィールド装置の制御に関連した操作を行なうためにコントローラが使用できる情報(例えば、圧力測定値)に変換できる。公知の技法は、複数のフィールド装置をI/Oカードに通信可能に連結するために一束のワイヤまたはバス(例えば、複芯のケーブル)を必要とする。各フィールド装置をI/Oカードに通信可能に連結するために別のバスを使用する公知の技法とは異なり、ここに実施例として記載される機器および方法は、フィールド装置をI/Oカードに通信可能に連結するために終端パネルおよびI/Oカードの間で通信可能に連結された一本のバス(例えば、導電性通信媒質、光通信媒体、ワイヤレス通信媒体)を使用するとともに、複数のフィールド装置を終端パネル(例えば、マーシャリング・キャビネット)で終端処理することにより、フィールド装置をI/Oカードに通信可能に連結する際に使用しうる。
【0013】
ここに実施例として記載される機器および方法には、コントローラに通信可能に連結された一つ又は複数のI/Oカードに一つ又は複数の終端モジュールを通信可能に連結するユニバーサルI/Oバス(例えば、共通または共有通信バス)の実施例として挙げられるものを使用することが関与する。それぞれの終端モジュールは、各々のフィールド装置バス(例えば、アナログ・バスまたはデジタル・バス)を使用して各々の一つ又は複数のフィールド装置に通信可能に連結される。終端モジュールは、フィールド装置バスを介してフィールド装置からフィールド装置情報を受信するように構成されており、例えばフィールド装置情報をパケット化してユニバーサルI/Oバスを介してI/Oカードにそのパケット化された情報を通信することによりユニバーサルI/Oバスを介してI/Oカードにフィールド装置情報を通信する。フィールド装置情報には、例えば、フィールド装置識別情報(例えば、装置タグ、電子シリアル番号など)、フィールド装置状態情報(例えば、通信状態、健全性診断情報(開ループ、短絡など))、フィールド装置活性情報(例えば、プロセス変量(PV)値)、フィールド装置記述情報(例えば、バルブ作動装置、温度センサ、圧力センサ、流動センサなどを例とするフィールド装置のタイプまたは機能など)、フィールド装置接続構成情報(例えば、マルチドロップ・バス接続、二地点間接続など)、フィールド装置バスまたはセグメント識別情報(例えば、フィールド装置が終端モジュールに通信可能に連結される際に経由するフィールド装置バスまたはフィールド装置のセグメント)、且つ又はフィールド装置データタイプ情報(例えば、特定のフィールド装置により使用されるデータタイプを示すデータタイプ記述子)を含みうる。I/Oカードは、ユニバーサルI/Oバスを介して受信したフィールド装置情報を抽出してコントローラにフィールド装置情報を通信でき、よってその後、それ以降に行う分析のために該情報のうちのいくつかまたはすべてを一つ又は複数のワークステーション端末に通信できる。
【0014】
I/Oカードは、ワークステーション端末からフィールド装置にフィールド装置情報(例えば、指令、指示、クエリー、臨界活性値など(例えば、臨界PV値))を通信するために、フィールド装置情報をパケット化して、複数の終端モジュールにパケット化されたフィールド装置情報を通信できる。その後、終端モジュールの各々は、各々のI/Oカードから受信したパケット化通信情報から各々のフィールド装置情報を抽出または非パケット化し、各々のフィールド装置にフィールド装置情報を通信できる。
【0015】
ここにおける説明で示される実施例において、終端パネル(例えば、マーシャリング・キャビネット)は、そのそれぞれが異なるフィールド装置に通信可能に連結される複数の終端モジュールを受信するように(例えば、接続するように)構成される。どの終端モジュールがどのフィールド装置に接続されているのかを終端パネルに示すために、各終端モジュールには終端ラベラー(またはタグ付けシステム)が備えられている。終端ラベラーは、どのフィールド装置(複数可)が終端ラベラーに対応する終端モジュールに接続されているかを判断するための電子表示装置(例えば、液晶ディスプレー(LCD))および構成素子を含む。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいては、表示部が、終端モジュールの代わりに終端パネルに取り付けられる。各表示部は各々の終端モジュール・ソケットに取り付けられる。このように、終端モジュールが終端パネルから取り除かれると、対応する表示部は、それ以降に接続される終端モジュールが使用できるようにパネル上に残される。
【0016】
ここで
図1Aを参照するに、実施例として挙げられるプロセス制御システム100は、バスまたはローカル・エリア・ネットワーク(LAN)106を介してコントローラ104に通信可能に連結された一般にアプリケーション制御ネットワーク(ACN)と呼ばれるワークステーション102を含む。LAN106は所望のあらゆる通信媒体およびプロトコルを使用して実施されうる。例えば、LAN 106は、ハードワイヤードまたはワイヤレスEthernet通信プロトコルに基づきうる。しかしながら、その他の適切な有線または無線通信媒体およびプロトコルも使用しうる。ワークステーション102は、一つ又は複数の情報技術(IT)アプリケーション、ユーザ対話型アプリケーション、且つ又は通信アプリケーションに関連した操作を行なうように構成しうる。例えば、ワークステーション102は、所望のあらゆる通信媒体(例えば、ワイヤレス、ハードワイヤードなど)およびプロトコル(例えば、HTTP、SOAPなど)を用いて、その他の装置またはシステムとワークステーション102およびコントローラ104が通信することを可能にする通信アプリケーションおよびプロセス制御関連アプリケーションに関連した操作を行なうように構成しうる。コントローラ104は、例えばワークステーション102またはその他のワークステーションを使用してシステム・エンジニアまたはその他のシステムオペレータにより生成された、且つ、コントローラ104にダウンロードされコントローラ104においてインスタンスが作成された一つ又は複数のプロセス制御ルーチンまたは機能を行なうように構成されてもよい。ここに示される実施例において、ワークステーション102は制御室108内に設置され、コントローラ104は制御室108とは別のプロセスコントローラ・エリア110に設置される。
【0017】
ここに示される実施例において、例として挙げられるプロセス制御システム100は第1のプロセスエリア114にフィールド装置112a〜cを含んでおり、第2のプロセスエリア118にフィールド装置116a〜cを含む。コントローラ104とフィールド装置112a〜cおよび116a〜cの間で情報を通信するために、実施例として挙げられるプロセス制御システム100は、フィールド中継ボックス(FJB:Field Junction Boxes)120a〜bおよびマーシャリング・キャビネット122を備える。各フィールド中継ボックス120a〜bは、各々のフィールド装置112a〜cおよび116a〜cからマーシャリング・キャビネット122へと信号の送信(routing)を行う。マーシャリング・キャビネット122は、順じて、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cから受信した情報をマーシャリングし(即ち、整理する、グループ化する、等)、コントローラ104の各々のI/Oカード(例えば、I/Oカード132a〜bおよび134a〜b)へとフィールド装置情報の送信(routing)を行う。ここに示される実施例において、コントローラ104とフィールド装置112a〜cおよび116a〜cの間での通信は双方向に行われ、それによって、マーシャリング・キャビネット122もまた受信した情報をコントローラ104のI/Oカードからフィールド中継ボックス120a〜bを介してフィールド装置112a〜cおよび116a〜cのうちめいめい該当するものへと送信する(route)ために使用される。
【0018】
ここに示される実施例においては、導電性通信媒体、ワイヤレス通信媒体、且つ又は光通信媒体を介して、フィールド装置116a〜cがフィールド中継ボックス120bに通信可能に連結され、フィールド装置112a〜cがフィールド中継ボックス120aに通信可能に連結されている。例えば、フィールド中継ボックス120a〜bは、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cの電気的、ワイヤレス、且つ又は光学トランシーバと通信するために一つ又は複数の電気的、ワイヤレス、且つ又は光学データ・トランシーバを備える。ここに示される実施例において、フィールド中継ボックス120bは、ワイヤレスでフィールド装置116cに通信可能に連結される。別の実施例として挙げられる実施形態において、マーシャリング・キャビネット122は省略されてもよく、また、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cからの信号は、フィールド中継ボックス120a〜bからコントローラ104のI/Oカードに直接送信(routing)できる。さらに別の実施例として挙げられる実施形態において、フィールド中継ボックス120a〜bは省略されてもよく、また、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cは直接マーシャリング・キャビネット122に接続できる。
【0019】
フィールド装置112a〜cおよび116a〜cはFieldbus適合バルブ、作動装置、センサなどでありえ、その場合フィールド装置112a〜cおよび116a〜cは周知のFieldbus通信プロトコルを使用してデジタル・データ・バスを介して通信する。もちろん、その他のタイプのフィールド装置および通信プロトコルを代りに使用しうる。例えば、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cの代わりとして、周知のProfibusおよびHART通信プロトコルを用いてデータ・バスを介して通信するProfibus、HARTまたはASi適合装置も使用しうる。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいて、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cは、デジタル通信の代わりに、アナログ通信または離散的通信を使用して情報を通信できる。また、通信プロトコルは異なるデータタイプに関連した情報を通信するのにも使用されうる。
【0020】
フィールド装置112a〜cおよび116a〜cのそれぞれは、フィールド装置識別情報を格納するように構成される。フィールド装置識別情報は、物理的装置タグ(PDT)値、装置タグ名、電子シリアル番号などでありえ、独自にフィールド装置112a〜cおよび116a〜cのそれぞれを識別する。
図1Aに示される実施例において、フィールド装置112a〜cは、物理的装置のタグ値PDT0-PDT2の形でフィールド装置識別情報を格納して、フィールド装置116a〜cは、物理的装置のタグ値PDT3-PDT5の形でフィールド装置識別情報を格納する。フィールド装置識別情報は、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cのフィールド装置製造メーカにより且つ又は同装置の設置に関与したオペレータまたはエンジニアによって、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cに格納またはプログラムしうる。
【0021】
マーシャリング・キャビネット122でフィールド装置112a〜cおよび116a〜cに関連した情報の送信(routing)を行うために、マーシャリング・キャビネット122には複数の終端モジュール124a〜cおよび126a〜cが備えられている。終端モジュール124a〜cは第1のプロセスエリア114中のフィールド装置112a〜cに関連した情報をマーシャリングするように構成され、終端モジュール126a〜cは第2のプロセスエリア118中のフィールド装置116a〜cに関連した情報をマーシャリングするように構成されている。図に示されるように、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cは、各々のマルチ電導体ケーブル128aおよび128b(例えば、マルチバス・ケーブル)を介してフィールド中継ボックス120a〜bに通信可能に連結される。マーシャリング・キャビネット122が省略されるところの代替の実施例として挙げられる実施形態において、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cは、各々のフィールド中継ボックス120a〜bに設置できる。
【0022】
図1Aに示される実施例は、マルチ電導体ケーブル128a〜bの電導体または一対の電導体(例えば、バス、ツイストペア通信媒体、二線式通信媒体など)はそれぞれ、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cのうちめいめい該当するものに独自に関連した情報を通信する二地点間構成を表す。例えば、マルチ電導体ケーブル128aは、第1の電導体130a、第2の電導体130bおよび第3の電導体を130c含む。具体的に、第1の電導体130aは、終端モジュール124aおよびフィールド装置112a間で情報を通信するように構成された第1のデータ・バスを形成するのに使用され、第2の電導体130bは、終端モジュール124bおよびフィールド装置112b間で情報を通信するように構成された第2のデータ・バスを形成するのに使用され、そして第3の電導体130cは、終端モジュール124cおよびフィールド装置を112c間で情報を通信するように構成された第3のデータ・バスを形成するのに使用される。マルチドロップ配線構成を使用する代替の実施例として挙げられる実施形態において、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cのそれぞれは一つ又は複数のフィールド装置と通信可能に連結できる。例えば、マルチドロップ構成において、終端モジュール124aは第一の電導体130aを介して、フィールド装置112aおよび別のフィールド装置(図示せず)に通信可能に連結できる。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいて、終端モジュールは、ワイヤレスの網目状ネットワークを使用して、複数のフィールド装置とワイヤレスで通信するように構成できる。
【0023】
各終端モジュール124a〜cおよび126a〜cは、異なるデータタイプを使用するフィールド装置112a〜cおよび116a〜cのめいめい該当するものと通信するように構成してもよい。例えば、終端モジュール124aは、デジタル・データを使用してフィールド装置112aと通信するためのデジタル・フィールド装置インターフェースを含んでいてもよく、一方、終端モジュール124bはアナログデータを使用してフィールド装置112bと通信するためのアナログ・フィールド装置インターフェースを含んでいてもよい。
【0024】
コントローラ104(且つ又は、ワークステーション102)およびフィールド装置112a〜cおよび116a〜c間でのI/O通信を制御するために、該コントローラ104は複数のI/Oカード132a〜bおよび134a〜bを備える。ここに示される実施例において、I/Oカード132a〜bは、コントローラ104(且つ又は、ワークステーション102)および第1のプロセスエリア114のフィールド装置112a〜c間でのI/O通信を制御するように構成され、I/Oカード134a〜bは、コントローラ104(且つ又は、ワークステーション102)および第2のプロセスエリア118のフィールド装置116a〜c間でのI/O通信を制御するように構成されている。
【0025】
図1Aに示される実施例において、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bはコントローラ104に備わっている。フィールド装置112a〜cおよび116a〜cからワークステーション102に情報を通信するために、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bは、コントローラ104に情報を通信し、コントローラ104はワークステーション102に情報を通信する。同様に、ワークステーション102からフィールド装置112a〜cおよび116a〜cに情報を通信するために、ワークステーション102はコントローラ104に情報を通信し、その後、コントローラ104はI/Oカード132a〜bおよび134a〜bに情報を通信し、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bは終端モジュール124a〜cおよび126a〜cを介してフィールド装置112a〜cおよび116a〜cに情報を通信する。代替の実施例として挙げられる実施形態において、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bがワークステーション102且つ又はとコントローラ104と直接に通信できるように、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bは、コントローラ104内部からLAN 106に通信可能に連結できる。
【0026】
I/Oカード132aおよび134aのどちらかが障害を起した際にはフォールト・トレラントな(耐障害性を有する)動作を提供するために、I/Oカード132bおよび134bは冗長I/Oカードとして構成される。すなわち、I/Oカード132aが障害を起こした場合、冗長I/Oカード132bが制御を引き受けてI/Oカード132aが行なうはずの動作と同じ動作を実行する。同様に、I/Oカード134aが障害を起こすと、冗長I/Oカード134bが制御を引き受ける。
【0027】
終端モジュール124a〜cおよびI/Oカード132a〜b間、および終端モジュール126a〜cおよびI/Oカード134a〜b間で通信を可能にするために、終端モジュール124a〜cは第1のユニバーサルI/Oバス136aを介してI/Oカード132a〜bに通信可能に連結され、終端モジュール126a〜cは第2のユニバーサルI/Oバス136bを介してI/Oカード134a〜bに通信可能に連結される。フィールド装置112a〜cおよび116a〜c毎に別の電導体または通信媒体を使用するマルチ電導体ケーブル128aおよび128bとは異なり、ユニバーサルI/Oバス136a〜bの各々が、同一の通信媒体を使用して複数のフィールド装置(例えば、フィールド装置112a〜cおよび116a〜c)に対応する情報を通信するように構成される。例えば、通信媒体は、シリアルバス、二線式通信媒体(例えば、ツイストペア)、光ファイバー、パラレルバスなどでありえ、それを介して2つ以上のフィールド装置に関連した情報を(例えば)パケットに基づいた通信技法、多重化通信技法などを使用して通信できるものである。
【0028】
実施例として挙げられる実施形態において、ユニバーサルI/Oバス136a〜bは、RS-485シリアル通信標準を用いて実施される。RS-485シリアル通信標準は、その他の公知の通信標準標準(例えば、Ethernet)よりも通信制御オーバーヘッドが少なくなるように(例えば、ヘッダー情報がより少なくなるように)構成できる。但し、その他の実施例として挙げられる実施形態において、ユニバーサルI/Oバス136a〜bは、Ethernet、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、IEEE 1394などを含むその他の適切な通信標準を使用して実施できる。また、ユニバーサルI/Oバス136a〜bは有線通信媒体として上に説明されているが、別の実施例として挙げられる実施形態においてはワイヤレス通信媒体(例えば、ワイヤレスEthernet、IEEE-802.11、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など)を使用してユニバーサルI/Oバス136a〜bの一つまたは両方を実施できる。
【0029】
ユニバーサルI/Oバス136aおよび136bは、実質的に同一の方法で情報を通信するのに使用されている。ここに示される実施例において、I/Oバス136aは、I/Oカード132a〜bおよび終端モジュール124a〜c間で情報を通信するように構成される。I/Oカード132a〜bおよび終端モジュール124a〜cは、どの情報が終端モジュール124a〜cのうちのどれに対応するかをI/Oカード132a〜bが識別できるようにするために、そしてまた、どの情報がフィールド装置112a〜cのどれに対応するかを各終端モジュール124a〜cが判断できるようにするためにアドレス方式を使用する。終端モジュール(例えば、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cの一つ)が、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bのうちの一つに接続されると、当該のI/Oカードは、終端モジュールと情報を交換するために終端モジュールのアドレスを(例えば終端モジュールから)自動的に取得する。このように、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cは、終端モジュールのアドレスをマニュアル操作でI/Oカード132a〜bおよび134a〜bに供給することなく、また、各終端モジュール124a〜cおよび126a〜cの一つ一つをI/Oカード132a〜bおよび134a〜bに配線接続することなく、各々のバス136a〜bのいかなる箇所にも通信可能に連結できる。
【0030】
各終端モジュールがコントローラと通信するために別の通信媒体を必要とする公知の構成と比較し、ユニバーサルI/Oバス136a〜bを使用することにより、マーシャリング・キャビネット122とコントローラ104間で情報を通信するのに要される通信媒体(例えば、ワイヤ)の数を著しく削減できる。マーシャリング・キャビネット122とコントローラ104間で情報を通信するのに要される通信媒体の数を減少させることにより(即ち、通信バスまたは通信ワイヤの数を減らすことにより)、コントローラ104およびフィールド装置112a〜cおよび116a〜c間の接続を設置するための図面を設計および生成するために要されるエンジニアリング費用も削減される。また、通信媒体の数を減らすことにより、順じて設置費用さらには保守保全費用も減少される。例えば、公知のシステムにおいてコントローラにフィールド装置を通信可能に連結するために使用されている複数の通信媒体を、I/Oバス136a〜bのうちの一つだけで置き換えられる。したがって、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cをI/Oカード132a〜bおよび134a〜bに通信可能に連結するために複数の通信媒体の保守保全するかわりに、
図1Aに示す実施例ではI/Oバス136a〜bを用いているため、必要とされる保守保全作業が著しく減少する。
【0031】
また、マーシャリング・キャビネット122とコントローラ104間で情報を通信するのに要される通信媒体の数を減少させることに成功した結果、より多くのスペースが利用できるようになるためより多くの終端モジュール(例えば、終端モジュール124a〜bおよび124a〜c)を設置できるようになり、よって、公知のシステムに比べ、マーシャリング・キャビネット122のI/O密度が増大する。
図1Aに示される実施例において、既知のシステム実施形態ではマーシャリング・キャビネット(例えば、3つのマーシャリング・キャビネット)を追加せずには設置不可能であった数の終端モジュールをマーシャリング・キャビネット122に多数収納できる。
【0032】
図1Aに示される実施例において、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cと通信するために異なるデータタイプ・インターフェース(例えば、異なるチャンネル・タイプ)を使用するように構成でき且つI/Oカード132a〜bおよび134a〜bと通信するために各々の共通I/Oバス136aおよび136bを使用するように構成される終端モジュール124a〜cおよび終端モジュール126a〜cを備えることにより、I/Oカード132a〜bおよび134a〜b上に異なるタイプのフィールド装置インターフェースを複数実施することなく、異なるフィールド装置データタイプ(例えば、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cにより使用されるデータタイプまたはチャンネル・タイプ)に関連したデータをI/Oカード132a〜bおよび134a〜bに送信する(route)ことが可能になる。したがって、一つのインターフェース・タイプ(例えば、I/Oバス136a且つ又はI/Oバス136bを介して通信するためのI/Oバス・インターフェース・タイプ)を有するI/Oカードにより、異なるタイプのフィールド装置インターフェースを有する複数のフィールド装置と通信できることになる。
【0033】
コントローラ104と終端モジュール124a〜cおよび126a〜cとの間で情報を交換するためにI/Oバス136a且つ又はI/Oバス136bを使用することにより、設計または設置工程の末期でもフィールド装置〜I/Oカードの接続配線(routing)が可能になる。例えば、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cを、各々のI/Oバス136aおよび136bの一つとのアクセスを維持しながらマーシャリング・キャビネット122内の様々な位置に配置できる。
【0034】
ここに示される実施例において、マーシャリング・キャビネット122、終端モジュール124a〜cと126a〜c、I/Oカード132a〜bと134a〜b、およびコントローラ104は、既存のプロセス制御システムの設置を、
図1Aに実施例として挙げられるプロセス制御システム100の構成に著しく類似する構成に移動することを容易にする。例えば、適切なフィールド装置インターフェース・タイプであればいかなるものでも含みえるように終端モジュール124a〜cおよび126a〜cを構成できるので、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cは、プロセス制御システムに既に設置されている既存のフィールド装置に通信可能に連結されるように構成できる。同様に、コントローラ104は、LANを介して既に設置されているワークステーションに対して通信するために公知のLANインターフェースを含むように構成できる。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいては、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bを公知のコントローラに設置するか、またはそれに通信可能に連結できる。その結果、プロセス制御システムに既に設置されたコントローラを交換する必要がない。
【0035】
ここに示される実施例において、I/Oカード132aはデータ構造133を含んでおり、I/Oカード134aはデータ構造135を含む。データ構造133は、ユニバーサルなI/Oバス136aを介してI/Oカード132aと通信するために割り当てられるフィールド装置(例えば、フィールド装置112a〜c)に対応するフィールド装置識別番号(例えば、フィールド装置識別情報)を格納する。終端モジュール124a〜cは、データ構造133中のフィールド装置識別番号を使用して、フィールド装置が終端モジュール124a〜cのうちの一つに不正に接続されているものがあるかどうかを判断できる。データ構造135は、ユニバーサルI/Oバス136bを介してI/Oカード134aと通信するために割り当てられるフィールド装置(例えば、フィールド装置116a〜c)に対応するフィールド装置識別番号(例えば、フィールド装置識別情報)を格納する。データ構造133および135へのデータ投入は、実施例として挙げられるプロセス制御システム100のシステム設定時または作動中にワークステーション102を介して、エンジニア、オペレータ且つ又はユーザにより行うことができる。図示されてはいないが、冗長I/Oカード132bはデータ構造133と同一のデータ構造を格納し、冗長I/Oカード134bはデータ構造135と同一のデータ構造を格納する。その代わりとして、又はそれに加えて、データ構造133および135はワークステーション102に格納することもできる。
【0036】
ここに示される実施例において、マーシャリング・キャビネット122は、プロセスコントローラ・エリア110とは別の終端エリア140に設置された状態で示されている。終端モジュール124a〜cおよび126a〜cをコントローラ104に通信可能に連結する際に著しく多い数の通信メディア(例えば、それぞれが独自にフィールド装置112a〜cおよび116a〜cのうちの一つと関連する複数の通信バス)を使用する代わりにI/Oバス136a〜bを使用することにより、通信の信頼性を著しく低下させることなく、公知の構成と比較してマーシャリング・キャビネット122からより離れたところにあるコントローラ104の位置を突き止めることが容易になる。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいては、プロセスコントローラ・エリア110および終端エリア140を組み合わせて、マーシャリング・キャビネット122およびコントローラ104を同一のエリアに設置できる。いかなる場合も、プロセスエアリア114および118とは別のエリアにマーシャリング・キャビネット122およびコントローラ104を配置することにより、I/Oカード132a〜bと134a〜b、終端モジュール124a〜cと126a〜cおよびユニバーサルなI/Oバス136a〜bを、プロセスエアリア114および118と関連しうる苛酷な環境条件(例えば、熱、湿度、電磁雑音、等)から隔離することが可能になる。このように、終端モジュール124a〜cと126a〜cおよびI/Oカード132a〜bと134a〜bは、プロセスエアリア114および118の環境条件での作動にあたり通常では要求されるであろう、例えば、動作の信頼性を(例えば、データ通信の信頼性)を保証するために必要とされるような操作仕様機能(例えば、遮蔽材、より頑強回路構成、より複雑なエラー検査、等)を必要としないので、フィールド装置112a〜cおよび116a〜c用の通信機能および制御回路を製造するコストと比較しても、終端モジュール124a〜cと126a〜c並びにI/Oカード132a〜bと134a〜bを設計および製造するコストや複雑性を著しく削減できる。
【0037】
図1B〜1Dは、ワークステーション、コントローラおよびI/Oカードを通信可能に連結するのに使用されうる別の例として挙げられる実施形態を描く図である。例えば、
図1Bに描かれる実施例において、(
図1Aのコントローラ104とほぼ同一の機能を行なう)コントローラ152は、バックプレーン通信バス158を介して、I/Oカード154a〜bおよび156a〜bに通信可能に連結される。I/Oカード154a〜bおよび156a〜bは、
図1AのI/Oカード132a〜bおよび134a〜bとほぼ同一の機能を行ない、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cと情報を交換するためにユニバーサルI/Oバス136a〜bに通信可能に連結されるように構成される。ワークステーション102と通信するために、コントローラ152はLAN 106を介してワークステーション102に通信可能に連結される。
【0038】
図1Cに描かれる別の実施例において、(
図1Aのコントローラ104とほぼ同一の機能を行なう)コントローラ162は、LAN 106を介して、ワークステーション102および複数のI/Oカード164a〜bと166a〜bに通信可能に連結される。I/Oカード164a〜bおよび166a〜bは、
図1AのI/Oカード132a〜bおよび134a〜bとほぼ同一の機能を行ない、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cと情報を交換するためにユニバーサルI/Oバス136a〜bに通信可能に連結されるように構成される。但し、
図1AのI/Oカード132a〜bと134a〜bおよび
図1BのI/Oカード154a〜bおよび156a〜bとは異なり、I/Oカード164a〜bおよび166a〜bは、LAN 106を介してコントローラ162およびワークステーション102と通信するように構成される。このようにして、I/Oカード164a〜bおよび166a〜bはワークステーション102と直接情報を交換できる。
【0039】
図1Dに描かれるさらに別の実施例において、(
図1AのI/Oカード132a〜bおよび134a〜bとほぼ同一の機能を行なう)I/Oカード174a〜bおよび176a〜bは、(
図1Aのワークステーション102とほぼ同一の機能を行なう)ワークステーション172で実施される。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいて、ワークステーション172には物理的なI/Oカード174a〜bおよび176a〜bが含まれていないが、I/Oカード174a〜bの機能および176a〜bはワークステーション172において実施される。
図1Dに示される実施例において、I/Oカード174a〜bおよび176a〜bは、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cと情報を交換するためにユニバーサルI/Oバス136a〜bに通信可能に連結されるように構成される。
図1Dに示される実施例においてはまた、ワークステーション172がコントローラ104とほぼ同一の機能を行なうように構成されうるため、結果としてプロセス制御法を実行するためにコントローラを備える必要がない。但し、コントローラを備えてもよい。
【0040】
図2は、
図1Aに実施例として挙げられるマーシャリング・キャビネット122の詳細図である。ここに示される実施例において、終端モジュール124a〜cを受けるために、マーシャリング・キャビネット122にはソケット・レール202aおよび202bが備えられている。マーシャリング・キャビネット122には、それに加えて、
図1Aに関連して上述したユニバーサルI/Oバス136aに終端モジュール124a〜cを通信可能に連結するI/Oバストランシーバー206が備えられている。I/Oバストランシーバー206は、終端モジュール124a〜cおよびI/Oカード132a〜bとの間で交換される信号の調整処理を行う受信機増幅装置およびトランスミッタ増幅器を用いて実施されうる。マーシャリング・キャビネット122には、I/Oバストランシーバー206に端子モジュール124a〜cを通信可能に連結する別のユニバーサルI/Oバス208が備えられている。ここに示される実施例において、I/Oバストランシーバー206は配線式の通信メディアを使用して情報を通信するように構成される。また、図示されてはいないが、マーシャリング・キャビネット122には、I/Oカード134a〜bと終端モジュール126a〜cを通信可能に連結するためにI/Oバストランシーバー206に著しく類似するか同一である別のI/Oバストランシーバーを備えてもよい。
【0041】
I/Oカード132a〜bおよび終端モジュール124a〜cの間で情報を交換するために共通の通信用インターフェース(例えば、I/Oバス208およびI/Oバス136a)を使用することにより、設計または設置工程の末期でもフィールド装置〜I/Oカードの接続配線(routing)が可能になる。例えば、終端モジュール124a〜cは、マーシャリング・キャビネット122内の様々な場所(例えば、ソケット・レール202a〜bの様々な終端モジュール・ソケット)でI/Oバス208に通信可能に連結できる。また、I/Oカード132a〜bおよび終端モジュール124a〜c間での共通通信用インターフェース(例えば、I/Oバス208およびI/Oバス136a)により、I/Oカード132a〜bおよび終端モジュール124a〜cの間の通信媒体の数(例えば、通信バス且つ又はワイヤの数)を減らすことができる。よって、公知のマーシャリング・キャビネット構成に設置できる公知の終端モジュールの数よりも多くの終端モジュール124a〜c (且つ又は終端モジュール126a〜c)をマーシャリング・キャビネット122に設置することが可能になる。
【0042】
フィールド装置識別情報且つ又は終端モジュール124a〜cと関連したその他のフィールド装置情報を表示するために、終端モジュール124a〜cのそれぞれには表示部212(例えば、電子的終端ラベル)が備えられている。終端モジュール124aの表示部212は、フィールド装置112a(
図1A)のフィールド装置識別(例えば、フィールド装置タグ)を表示する。さらに、終端モジュール124aの表示部212は、フィールド装置活動情報(例えば、測定情報、線間電圧、等)、データ型情報(例えば、アナログ信号、デジタル信号、等)、フィールド装置ステータス情報、(例えば、装置ON、装置OFF、装置エラー、等)、且つ又はその他のいかなるフィールド装置情報を表示するためにも使用できる。終端モジュール124aが複数のフィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112aおよびその他のフィールド装置(図示せず))に通信可能に連結されるように構成されている場合、表示部212は、終端モジュール124aに通信可能に連結されたフィールド装置のすべてに関連したフィールド装置情報を表示するのにも使用されうる。ここに示される実施例において、表示部212は液晶ディスプレイ(LCD)を使用して実施される。しかしながら、その他の実施例として挙げられる実施形態において、表示部212はその他の適切な表示技術を使用しても実施できる。
【0043】
フィールド装置識別情報且つ又はその他のフィールド装置情報を読み出すために、各終端モジュール124a〜cにはラベラー214(例えば、終端ラベラー)が備えられている。例えば、フィールド装置112aが終端モジュール124aに通信可能に連結されている場合、終端モジュール124aのラベラー214は、フィールド装置112a(且つ又は、終端モジュール124aに通信可能に連結されるその他のフィールド装置)からのフィールド装置識別情報且つ又はその他のいかなるフィールド装置情報を読み出し、その情報を終端モジュール124aの表示部212を介して表示する。以下、
図8を参照してラベラー214について詳しく説明する。表示部212およびラベラー214を備えることにより、終端モジュールおよびフィールド装置に関連したワイヤ且つ又はバスへのマニュアル操作によるラベル付けに関連したコストが削減され且つ設置時間が短縮される。しかしながら、実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいては、手作業で表示部212およびラベラー214の配線にラベル付けしてもよい。例えば、終端モジュール124a〜cおよび126a〜cのそれぞれにフィールド装置112a〜cおよび116a〜cのうちのどれが接続されているかを判断する際に表示部212およびラベラー214を使用することにより、フィールド装置112a〜cおよび116a〜cを比較的迅速にI/Oカード132a〜bおよび134a〜bに通信可能に連結することが可能となる。続いて、設置完了後に、状況に応じて終端モジュール124a〜cおよび126a〜cとフィールド装置112a〜cおよび114a〜cとの間に伸びるバスまたはワイヤにラベルを追加するようにしてもよい。表示部212およびラベラー214はまた、保守保全作業などに関連したコストや時間も削減できる。これは、表示部212およびラベラー214に状態情報(例えば、装置エラー、装置アラーム、装置ON、装置OFF、装置の無効状態、など )を表示するように構成することによって、問題解決工程を容易にできるためである。
【0044】
マーシャリング・キャビネット122には、終端モジュール124a〜c、I/Oバストランシーバー206および表示部212に電力を供給するために電源機構216が備えられている。ここに示される実施例において、終端モジュール124a〜cは、電源機構216からの電力を使って、フィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112a〜c)と通信する際に使用される通信路または通信インターフェースに動力を供給し、且つ又はフィールド装置に電力を供給して作動させる。
【0045】
図3は、
図1Aの実施例として挙げられるマーシャリング・キャビネット122を実施するのに使用されうる別の実施例として挙げられるマーシャリング・キャビネット300である。ここに示される実施例において、マーシャリング・キャビネット300には、ワイヤレス・ユニバーサルI/O接続304を介して
図1Aのコントローラ104とワイヤレスで通信するために、ワイヤレスI/Oバス通信制御装置302が備えられている。
図3に示されるように、
図1Aの終端モジュール124a〜cおよび126a〜cに著しく類似する又はそれと同一の複数の終端モジュール306は、レール・ソケット308aおよび308bに差し込まれ、マーシャリング・キャビネット300の内部からユニバーサルI/Oバス309を介してワイヤレスI/Oバス通信制御装置302に通信可能に連結される。ここに示される実施例において、ワイヤレスI/Oバス通信制御装置302は、終端モジュール306がコントローラ104と通信できるようにするために
図1Aのコントローラ104のI/Oカード(例えば、
図1AのI/Oカード134a)をエミュレートする。
【0046】
図3に示される実施例では、表示部212が終端モジュール124a〜cに取り付けられている
図2の実施例とは異なり、複数の表示部310が、終端モジュールを受けるためのソケットに関連した状態でマーシャリング・キャビネット300に取り付けられる。このようにして、終端モジュール306のうちの一つがフィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112a〜cおよび116a〜cのうちの一つ)に差し込まれ通信可能に連結される場合、終端モジュール306のラベラー214と各々の表示部310を使用して、終端モジュール306に接続されたフィールド装置を示すフィールド装置識別情報を表示できる。表示部310はまた、その他のフィールド装置情報を表示するためにも使用しうる。マーシャリング・キャビネット300には、
図2の電源機構216に著しく類似するか同一の電源機構312が備えられている。
【0047】
図4は
図1Aと
図2に実施例として挙げられる終端モジュール124aの平面図を示し、
図5は、同側面図を示す。
図4に示される実施例において、終端モジュール124aがレール・ソケット202a(
図3)に差し込まれた状態で稼動中に表示部212がオペレータまたはユーザに見えるように、表示部212は、実施例として挙げられる終端モジュール124aの上面に設けられている。
図5に図示される実施例でも示されるように、実施例として挙げられる終端モジュール124aは支持体402に取り外し可能な状態で連結される。実施例として挙げられる終端モジュール124aは、終端モジュール124aを支持体402に通信可能に連結する且つ又は電気的に連結する複数の接点404(図中、二個表示)を含む。このように、支持体402は、マーシャリング・キャビネット122(
図1Aおよび
図2)に連結することができ、終端モジュール124aは、支持体402を介してマーシャリング・キャビネット122に連結できる、またそこから取り外すことができる。支持体402には、フィールド装置112aから導電性通信媒質(例えば、バス)を縛り付ける又は固定するための終端用ねじ406(例えば、フィールド装置インタフェース)が備えられている。終端モジュール124aが支持体402に取外し可能な状態で連結されると、終端モジュール124aおよびフィールド装置112a間での情報通信を可能にするために、終端用ねじ406は、接点404の一つ又は複数に通信可能に連結される。その他の実施例として挙げられる実施形態において、支持体402には、終端用ねじ406の代わりに、その他の適切なタイプのフィールド装置インタフェース(例えば、ソケット)を備えるようにしてもよい。また、支持台402には、フィールド装置インタフェース(例えば、終端用ねじ406)が一つ備えられた状態で示されているが、複数のフィールド装置を終端モジュール124aに通信可能に連結できるように構成されたフィールド装置インタフェース(複数可)をさらに追加して備えるようにしてもよい。
【0048】
図2のユニバーサルI/Oバス208に終端モジュール124aを通信可能に連結するために、支持台402には、ユニバーサルI/Oバス接続子408(
図5)が備えられている。ユーザが、ソケット・レール202aまたはソケット・レール202b(
図2)に支持台402を差し込むと、ユニバーサルI/Oバス接続子408がユニバーサルI/Oバス208に係合する。ユニバーサルI/Oバス接続子408は、例えば絶縁体貫通接続子など(比較的単純なものを含む)適切なあらゆるインターフェースを使用して実施されうる。終端モジュール124aとI/Oバス208間での情報通信を可能にするために、I/Oバス接続子408は、終端モジュール124aの接点404の一つ又は複数に接続される。
【0049】
図5に示されるように、終端モジュール124aを外部表示部部(例えば、
図3の表示部310のうちの一つ)に通信可能に連結するために、支持台402にも、任意の表示インターフェース接続子410を備えうる。例えば、終端モジュール124aが表示部212無しで実施される場合、終端モジュール124aは表示インターフェース接続子410を使用して、フィールド装置識別情報またはその他のフィールド装置情報を外部表示部(例えば、
図3の表示部310のうちの一つに)に出力できる。
【0050】
図6は、
図1Aおよび
図2に実施例として挙げられる終端モジュール124aの詳細ブロック図であり、
図7は、
図1Aに実施例として挙げられるI/Oカード132aの詳細ブロック図であり、そして
図8は、
図2、
図3および
図6に実施例として挙げられるラベラー214の詳細ブロック図である。実施例として挙げられる終端モジュール124a、実施例として挙げられるI/Oカード132aおよび実施例として挙げられるラベラー214は、所望のあらゆるハードウェア、ファームウェア、且つ又はソフトウェアの混在を使用して実施されうる。例えば、一つ又は複数の集積回路、ディスクリート(単機能)半導体構成素子または受動電子部品を使用しえる。その代わりとして、又はそれに加えて、実施例として挙げられる終端モジュール124a、実施例として挙げられるI/Oカード132a、および実施例として挙げられるラベラー214のブロック、またはその構成部分のいくつかまたはすべては、例えばプロセッサシステム(例えば、
図13の実施例として挙げられるプロセッサシステム1310)により実行される時に
図10A、
図10B、
図11A、
図11Bおよび
図12のフローチャートに示される操作を行なう機械アクセス可能な媒体に格納される指示、コード、且つ又はその他のソフトウェア且つ又はファームウェアなどを使用して実施されうる。実施例として挙げられる終端モジュール124a、実施例として挙げられるI/Oカード132aおよび実施例として挙げられるラベラー214は、下記される各ブロックのうちの一つを有するとして説明されているが、実施例として挙げられる終端モジュール124a、実施例として挙げられるI/Oカード132aおよび実施例として挙げられるラベラー214のそれぞれには、以下に記載されるいかなるブロックのうちめいめいブロックの二個以上が備えられうる。
【0051】
図6を参照するに、実施例として挙げられる終端モジュール124aは、
図1AのI/Oカード132a〜b(またはその他いかなるI/Oカードと)と実施例として挙げられる終端モジュール124aが通信することを可能にするユニバーサルI/Oバスインターフェース602を含む。I/Oバスインターフェース602は、例えば、RS-485シリアル通信標準やイーサネットなどを使用して実施されうる。終端モジュール124aのアドレス且つ又はI/Oカード132aのアドレスを識別するために、終端モジュール124aにはアドレス識別子604が備えられている。アドレス識別子604は、終端モジュール124aがマーシャリング・キャビネット122に差し込まれると、終端モジュール・アドレス(例えば、ネットワーク・アドレス)をI/Oカード132a(
図1A)に対して問い合わせる(クエリーする)ように構成されうる。このように、終端モジュール124aは、I/Oカード132aへ情報を通信する時に終端モジュール・アドレスを供給源アドレスとして使用することができ、I/Oカード132aは、終端モジュール124aへ情報を通信する時に終端モジュール・アドレスを終点アドレスとして使用する。
【0052】
終端モジュール124aの様々な動作を制御するために、終端モジュール124aにはオペレーション・コントローラ606が備えられている。実施例として挙げられる実施形態において、オペレーション・コントローラはマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを用いて実施できる。オペレーション・コントローラ606は、実施例として挙げられる終端モジュール124aのその他の部分へ指示または指令を通信して、それらの部分の動作を制御する。
【0053】
実施例として挙げられる終端モジュール124aには、ユニバーサルI/Oバス136aを介してI/Oカード132aと情報を交換するI/Oバス通信プロセッサ608が備えられている。ここに示される実施例において、I/Oバス通信プロセッサ608は、I/Oカード132aに送信するための情報をパケット化し、I/Oカード132aから受信した情報を非パケット化する。ここに示される実施例において、I/Oバス通信プロセッサ608は、送信されるべきパケットごとのヘッダー情報を生成し、受信したパケットからヘッダー情報を読み取る。実施例として挙げられるヘッダー情報は、着アドレス(例えば、I/Oカード132aのネットワーク・アドレス)、ソースアドレス(例えば、終端モジュール124aのネットワーク・アドレス)、パケットタイプまたは、データタイプ(例えば、アナログ・フィールド装置情報、フィールド装置情報、コマンド情報、温度情報、実時間データ値、等)、およびエラー検査情報(例えば、巡回冗長検査(CRC))を含む。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいて、I/Oバス通信プロセッサ608およびオペレーション・コントローラ606は同一のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを使用して実施されうる。
【0054】
フィールド装置識別情報且つ又はその他のいかなるフィールド装置情報(例えば、活動情報、データ型情報、状態情報、等)を提供(例えば、取得且つ又は生成)するために、終端モジュール124aにはラベラー214が備えられている(
図2および
図3)。以下、
図8を参照してラベラー214について詳しく説明する。終端モジュール124aはまた、フィールド装置識別情報且つ又はラベラー214により提供されるその他のいかなるフィールド装置情報を表示するために表示部212(
図2)を含む。
【0055】
図1Aのフィールド装置112a(またはその他のいかなるフィールド装置)に供給される電力量を制御するために、終端モジュール124aにはフィールド電力コントローラ610が備えられている。ここに示される実施例において、マーシャリング・キャビネット122(
図2)中の電源機構216が終端モジュール124aに電力を供給して、フィールド装置112aと通信するための動力を通信路インターフェースに供給するようになっている。例えば、フィールド装置の中には12ボルトを使用して通信するものも、24ボルトを使用して通信するものもある。ここに示される実施例において、フィールド電力コントローラ610は、電源機構216により終端モジュール124aに供給される電力を調整、規制、および昇圧且つ又は降圧するように構成される。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいて、フィールド電力コントローラ610は、可燃性または燃焼性の環境下においてスパーク(電気火花)を生じる危険を著しく低下させるまたは取り除くためにフィールド装置に送られる且つ又はフィールド装置と通信するのに使用される電力の量を制限するように構成される。
【0056】
電源機構216(
図2)から受け取った電力を終端モジュール124a且つ又はフィールド装置112a用のの電力へと変換するために、終端モジュール124aには周波数変換装置612が備えられている。ここに示される実施例において、終端モジュール124aを実施するのに使用される回路構成は、フィールド装置112aに要される電圧レベルとは異なる一種又は複数の電圧レベル(例えば、3.3V)を使用する。周波数変換装置612は、電源機構216から受け取った電力を使用して終端モジュール124aとフィールド装置112aに異なる電圧レベルを供給するように構成される。ここに示される実施例において、周波数変換装置612により生成された電源出力は、終端モジュール124aおよびフィールド装置112aに動力を供給し、かつ終端モジュール124aおよびフィールド装置112a間で情報を通信するのに使用される。フィールド装置通信プロトコルのなかには、その他の通信プロトコルよりも比較的高いまたは低い電圧レベル且つ又は電流レベルを必要とするものもいくつかある。ここに示される実施例において、フィールド電力コントローラ610は、フィールド装置112aに動力を供給し且つフィールド装置112aと通信するための電圧レベルを供給するように周波数変換装置612を制御する。しかしながら、その他の実施例として挙げられる実施形態においては、マーシャリング・キャビネット122の外部にある別の電源機構がフィールド装置112aに動力を供給するのに使用される間、周波数変換装置612により生成された電源出力を終端モジュール124aに動力を供給するために使用されうる。
【0057】
電気的にI/Oカード132aから終端モジュール124aの回路構成を絶縁するために、終端モジュール124aには一つ又は複数のアイソレーション(絶縁)装置614が供給されている。アイソレーション装置614は、流電アイソレータ且つ又は光アイソレータを使用して実施されうる。以下、実施例として挙げられるアイソレーション構成について
図9を参照して詳しく説明する。
【0058】
アナログ信号およびデジタル信号間で変換を行うために、終端モジュール124aには、デジタル/アナログ変換器616およびアナログ/デジタル変換器618が備えられている。デジタル/アナログ変換器616は、I/Oカード132aから受け取ったデジタル表現のアナログ値を、
図1Aのフィールド装置112aへ通信できるアナログ値へと変換するように構成される。アナログ/デジタル変換器618は、フィールド装置112aから受け取ったアナログ値(例えば、測定値)を、I/Oカード132aに通信できるデジタル表現値へと変換するように構成される。終端モジュール124aがフィールド装置112aとデジタル形式で通信するように構成される代替的な実施例として挙げられる実施形態においては、デジタル/アナログ変換器616およびアナログ/デジタル変換器618を、終端モジュール124aから省略できる。
【0059】
フィールド装置112aとの通信を制御するために、終端モジュール124aにはフィールド装置通信プロセッサ620が備えられている。フィールド装置通信プロセッサ620は、I/Oカード132aから受け取った情報がフィールド装置112aに通信するのに正確な形式および電圧タイプ(例えば、アナログまたはデジタル)であることを確認する。フィールド装置112aがデジタル情報を使用して通信するように構成される場合、フィールド装置通信プロセッサ620は、情報をパケット化または非パケット化するようにも構成される。それに加えて、フィールド装置通信プロセッサ620は、フィールド装置112aから受け取った情報を抽出し、且つそれ以後のI/Oカード132aへの通信に向けてアナログ/デジタル変換器618且つ又はI/Oバス通信プロセッサ608に対してその情報を通信するように構成される。ここに示される実施例において、フィールド装置通信プロセッサ620は、フィールド装置112aから受け取られた情報にタイムスタンプを生成するようにも構成される。終端モジュール124aにタイムスタンプを生成することにより、ミリセカンド未満のタイムスタンプ精度によりシークエンスオブイベンツ(SOE)の動作(事象順序に沿った動作)を実施することが容易になる。例えば、タイムスタンプおよび各々の情報をコントローラ104且つ又はワークステーション102に通信できる。その後、例えばワークステーション102(
図1A)(またはその他のプロセッサシステム)により行なわれたシークエンスオブイベンツの動作に関する情報を用いて、特定の動作状態(例えば、故障モード)発生前、発生中、且つ又は発生後に何が起こったかを分析し該特定の動作状態の原因が何であったのかを判断することも可能になる。ミリセカンド未満の範囲内でタイムスタンプを生成することにより、比較的より高い細分性でイベント(事象)を捕らえることが可能になる。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいて、フィールド装置通信プロセッサ620および動作コントローラ606は同一のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを使用して実施できる。
【0060】
一般に、フィールド装置通信プロセッサ620に類似するフィールド装置通信プロセッサには、通信の対象となっているフィールド装置のタイプに対応する通信プロトコル機能またはその他の通信機能(例えば、Fieldbus通信プロトコル機能、HART通信プロトコル機能、等)が備えられている。例えば、HART装置を使用してフィールド装置112aが実施される場合、終端モジュール124aのフィールド装置通信プロセッサ620には、HART通信プロトコル機能が備えられる。終端モジュール124aが、フィールド装置112a専用のI/Oカード132aから情報を受信すると、フィールド装置通信プロセッサ620はHART通信プロトコルに準じて情報をフォーマットし、その情報をフィールド装置112aに送る。
【0061】
ここに示される実施例において、フィールド装置通信プロセッサ620はパススルー・メッセージを処理するように構成される。パススルー・メッセージは、ワークステーション(例えば、
図1Aのワークステーション102)から発信され、その後フィールド装置(例えば、フィールド装置112a)への配送に向けてコントローラ(例えば、
図1Aのコントローラ104)を通り終端モジュール(例えば、
図1Aの終端モジュール124a)にペイロード(例えば、通信パケットのデータ部分)として通信される。例えば、ワークステーション102)から発信されてフィールド装置112aに配達するためのメッセージは、ワークステーション102において通信プロトコル記述子(例えば、HARTプロトコル記述子)でタグ付けされ、且つ又は、フィールド装置112aの通信プロトコルに準じてフォーマットされる。その後、ワークステーション102は、該メッセージをパススルー・メッセージとして、ワークステーション102から、I/Oコントローラ104を通して、終端モジュール124aへと配送するために、該メッセージを一つ又は複数の通信パケットのペイロードにラップする(包含して保存する)。メッセージのラップ作業には、例えば、フィールド装置と通信するのに使用される通信プロトコル(例えば、Fieldbusプロトコル、HARTプロトコル、等)に準じてヘッダー情報内のメッセージをパケット化することが関与する。終端モジュール124aがI/Oカード132aからのパススルー・メッセージを含む通信パケットを受け取ると、I/Oバス通信プロセッサ608(
図6)は受信通信パケットからペイロードを抽出する。その後、フィールド装置通信プロセッサ620(
図6)は、ペイロードからのパススルー・メッセージを開き(アンラップし)、(ワークステーション102でまだフォーマットされてない場合は)ワークステーション102により生成された通信プロトコル記述子に準じてメッセージをフォーマットし、フィールド装置112aにメッセージを通信する。
【0062】
同様に、フィールド装置通信プロセッサ620はワークステーション102にパススルー・メッセージを通信するようにも構成される。例えば、フィールド装置112aがワークステーション102に配送されることになっているメッセージ(例えば、ワークステーション・メッセージまたはその他のメッセージに対する応答)を生成する場合、フィールド装置通信プロセッサ620は、一つ又は複数の通信パケットのペイロード中にフィールド装置112aからのメッセージをラップし、そして、I/Oバス通信プロセッサ608は、ラップされたメッセージを含む一つ又は複数のパケットをI/Oカード132aに通信する。ワークステーション102が該ラップされたメッセージを含むコントローラ104からパケットを受け取ると、ワークステーション102はメッセージを開いて処理できる。
【0063】
終端モジュール124aには、フィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112a)に終端モジュール124aを通信可能に連結するように構成されたフィールド装置インターフェース622が備えられている。例えば、フィールド装置インターフェース622は、接点404(
図4)の一つ又は複数を介して、
図4および
図5の終端用ねじ406に通信可能に連結されうる。
【0064】
ここで
図7を参照するに、
図1Aの実施例として挙げられるI/Oカード132aは、コントローラ104(
図1A)にI/Oカード132aを通信可能に連結するための通信インターフェース702を含む。また、実施例として挙げられるI/Oカード132aは、コントローラ104との通信を制御するための、且つ、コントローラ104と交換される情報を一つにまとめたり(パック化)、パック化されたものを展開(アンパック)したりするための通信プロセッサ704を含む。ここに示される実施例において、通信インターフェース702および通信プロセッサ704は、コントローラ104に配送されることになっている情報と、ワークステーション102(
図1A)に配送されることになっている情報をコントローラ104に通信するように構成される。ワークステーション102に配送されることになっている情報を通信するために、通信インターフェース702は、通信プロトコル(例えば、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)、等)に準じて一つ又は複数の通信パケットのペイロードに情報(例えば、フィールド装置112a〜c、終端モジュール124a〜c且つ又はI/Oカード132a からの情報)をラップするように、且つ、該情報を含むパケットをワークステーション102に通信するように構成されうる。その後、ワークステーション102は、受け取ったパケット(複数可)からのペイロード(複数可)をアンパック化し、ペイロード中にラップされている情報を開く。ここに示される実施例において、通信インターフェース702によりワークステーション102へ通信されたパケットのペイロード中の情報には一つ又は複数のラッパーが含まれうる。例えば、フィールド装置(例えば、フィールド装置112a)から発信される情報は、コントローラ104が次にワークステーション102へ情報を通信できるようにするためにTCPベースのプロトコルやUDPベースのプロトコルまたはその他のプロトコルに準じて通信インターフェース702ラップするところのフィールド装置通信プロトコル・ラッパー(例えば、FOUNDATION Fieldbus通信プロトコル・ラッパー、HART通信プロトコル・ラッパー、等)にラップされうる。同じように、通信インターフェース702は、ワークステーション102によりコントローラ104へ通信されたもので、フィールド装置112a〜c、終端モジュール124a〜c且つ又はI/Oカード132aに配送されることになっているラップ化情報を開く(アンラップする)ように構成されうる。
【0065】
代替の実施例として挙げられる実施形態において、通信インターフェース702および通信プロセッサ704は、(フィールド装置通信プロトコル・ラッパーを伴って、または伴わずに)コントローラ104に情報を通信することができ、コントローラ104は、上記と同じ方法でワークステーション102に配送されることになっている情報をパケット化できる。通信インターフェース702および通信プロセッサ704はあらゆる有線または無線通信標準を使用して実施されうる。
【0066】
例えば、
図1Cに示す実施例のような代替の実施例として挙げられる実施形態において、通信インターフェース702および通信プロセッサ704は、LAN 106を介してワークステーション102且つ又はとコントローラ162と通信するように構成されうる。
【0067】
ユーザがI/Oカード132aにアクセス且つ又はそれと交信できるようにするために、I/Oカード132aには一つ又は複数のユーザ・インターフェース・ポート706が備えられている。ここに示される実施例において、ユーザ・インターフェース・ポート706は、キーボードインタフェース・ポート703および携帯型ハンドヘルドコンピューター(例えば、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC、等)インタフェースポート707を含む。例えば、PDA 708は、ワイヤレス通信を使用してユーザ・インターフェース・ポート706に通信可能に連結されている状態で図示されている。
【0068】
I/Oカード132aをユニバーサルI/Oバス136a(
図1A)に通信可能に連結するために、I/Oカード132aにはI/Oバスインターフェース710が備えられている。I/Oバス136aを介して交換された通信情報およびI/Oバス136aを介して生成された制御通信を処理するために、I/Oカード132aにはI/Oバス通信プロセッサ712が備えられている。I/Oバスインターフェース710は、
図6のI/Oバスインターフェース602に類似する又は同じものでありえ、I/Oバス通信プロセッサ712は、
図6のI/Oバス通信プロセッサ608に類似する又は同じものでありえる。
図1Aのコントローラ104により供給される電力を、I/Oカード132aに動力を供給してそれを作動させるため且つ又は終端モジュール124a〜cと通信するために要される電力に変換するために、I/Oカード132aには周波数変換装置714が備えられている。
【0069】
ここで
図8を参照するに、実施例として挙げられるラベラー214は、終端モジュール(例えば、
図1A、2、4、5および6の終端モジュール124a)且つ又はフィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112a) にラベラー214を通信可能に連結するように構成された通信インターフェース802を含んでおり、それによりフィールド装置識別情報(例えば、装置タグ値、装置名、電子シリアル番号、等)且つ又はその他のフィールド装置情報(例えば、活動情報、データ型情報、状態情報、等)を読み出す。終端モジュール124a且つ又はとフィールド装置112aとの通信を制御するために、ラベラー214には通信プロセッサ804が備えられている。
【0070】
フィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112a)への接続を検出するために、ラベラー214には接続検知器806が備えられている。接続検知器806は、例えば(フィールド装置112aが終端モジュール124aに接続された時を検知する)低電圧センサや電流センサや論理回路を使用して実施されうる。ここに示される実施例において、フィールド装置112aが終端モジュール124aに接続されていると接続検知器806が判断すると、接続検知器806は、検出された接続を示す通知が(例えば、割り込みによって)通信プロセッサ804に通信されるようにする。その後、通信プロセッサ804は、終端モジュール124a且つ又はフィールド装置112aにフィールド装置112aのフィールド装置識別情報を問い合わせる(クエリーする)。実施例として挙げられる実施形態において、接続検知器806は、例えばマルチドロップ(分岐)接続、二地点間接続、ワイヤレス網目状ネットワーク接続、光学接続などのような終端モジュール124aに対してフィールド装置112aを通信可能に連結する接続のタイプを決定するようにも構成できる。
【0071】
フィールド装置識別情報且つ又はその他のフィールド装置情報を表示するために、ラベラー214には表示部インターフェース808が備えられている。ここに示される実施例において、表示部インターフェース808は、液晶ディスプレイ(LCD)を駆動および制御するように構成される。例えば、表示部インターフェース808は、終端モジュール124aに据え付けたLCDディスプレー212(
図2)または、マーシャリング・キャビネット300(
図3)に据え付けたLCDディスプレー310を制御するように構成されうる。しかしながら、その他の実施例として挙げられる実施形態においては、代りにその他の表示部タイプを駆動するように表示部インターフェース808を構成してもよい。
【0072】
フィールド装置112aの活動を検出するために、ラベラー214にはフィールド装置活動検出機構810が備えられている。ここに示される実施例において、通信プロセッサ804が終端モジュール124a且つ又はフィールド装置112aからデータを受け取ると、通信プロセッサ804は、その受信したデータをフィールド装置活動検出機構810へと通信する。その後、フィールド装置活動検出機構810は、例えば測定情報(例えば、温度、圧力、線間電圧、等)またはその他のフィールド装置112aにより生成された監視情報(例えば、バルブの閉鎖、バルブの開放、等)をはじめとするデータからプロセス変数(PV)値を抽出する。その後、表示部インターフェース808はフィールド装置活動情報(例えば、PV値、測定情報、監視情報、等)を表示できる。
【0073】
フィールド装置112aの状態を検出するために、ラベラー214にはフィールド装置状態検出機構812が備えられている。フィールド装置状態検出機構812は、フィールド装置112aを関連した状態情報(例えば、装置ON、装置OFF、装置エラー、装置アラーム、(開ループや短絡などの)装置の健全性、装置通信状態、など)を、終端モジュール124a且つ又はフィールド装置112aから抽出するように構成される。その後、表示部インターフェース808は受信した状態情報を表示できる。
【0074】
フィールド装置112aを識別するために、ラベラー214にはフィールド装置識別子814が備えられている。フィールド装置識別子814は、通信プロセッサ804が終端モジュール124a且つ又はフィールド装置112aから受信したデータから、フィールド装置識別情報(例えば、装置タグ値、装置名、電子シリアル番号、等)を抽出するように構成される。その後、表示部インターフェース808はフィールド装置識別情報を表示できる。実施例として挙げられる実施形態において、フィールド装置識別子814は、フィールド装置のタイプ(例えば、バルブ作動装置、圧力センサ、温度センサ、流動センサ、等)を検出するようにも構成されうる。
【0075】
フィールド装置112aに関連したデータタイプ(例えば、アナログまたはデジタル)を識別するために、ラベラー214にはデータタイプ識別子816が備えられている。データタイプ識別子816は、通信プロセッサが終端モジュール124a且つ又はフィールド装置112aから受信したデータからデータタイプ識別情報を抽出するように構成される。例えば、終端モジュール124aは、通信の対象となっているフィールド装置のタイプ(例えば、アナログ、デジタル、等)を示すデータタイプ記述子変数を格納しうる。また終端モジュール124aは、ラベラー214の通信プロセッサ804へとデータタイプ記述子変数を通信しうる。その後、表示部インターフェース808はデータタイプを表示できる。
【0076】
図9は、終端モジュール124a〜bがお互いから、そしてフィールド装置112a〜bがユニバーサルI/Oバス136aから電気的に絶縁されるようにするための、
図1Aに実施例として挙げられる終端モジュール124aおよび124bに関連して実施されうるアイソレーション回路の構成を表す。ここに示される実施例において、各終端モジュール124a〜bは各々の終端モジュール回路構成902および904(例えば、
図6に関連して上述されるブロックの一つ又は複数)を含む。さらに、終端モジュール124a〜bは、各々のフィールド装置112a〜bにフィールド中継ボックス120aを介して接続される。また、終端モジュール124a〜bはユニバーサルI/Oバス136aおよび電源機構216に接続される。終端モジュール回路構成902をユニバーサルI/Oバス136aから電気的に絶縁するために、終端モジュール124aにはアイソレーション回路906が備えられている。このように、終端モジュール回路構成902は、電力サージまたはその他の電力変動がフィールド装置112aに発生した場合に、ユニバーサルI/Oバス136aの電圧に影響を及ぼすことなく且つI/Oカード132a(
図1A)にダメージをもたらすことなく、フィールド装置112aの電圧レベルに従う(例えば、浮動する)ように構成できる。終端モジュール124bはまた、終端モジュール回路構成904をユニバーサルI/Oバス136aから絶縁するように構成されたアイソレーション回路908を含む。アイソレーション回路906および908、ならびに終端モジュール124a〜bに実施されたその他のアイソレーション回路は光学的アイソレーション回路または流電アイソレーション回路を使用して実施されうる。
【0077】
終端モジュール回路構成902を電源機構216から絶縁するために、終端モジュール124aにはアイソレーション回路910が備えられている。同様に、終端モジュール回路構成904を電源機構216から絶縁するために、終端モジュール124bにはアイソレーション回路912が備えられている。終端モジュール回路構成902および904を電源機構216から絶縁することで、フィールド装置112a〜bに関連したあらゆる電力変動(例えば、電力サージ、電流スパイク、等)による電源機構216への危害をなくすことができる。また、終端モジュール124a〜bの一つにおける電力変動のいかなるものによる終端モジュール124a〜bの別の一つへの危害または操作への悪影響もなくなる。
【0078】
公知のプロセス制御システムにおいて、アイソレーション回路が公知のマーシャリング・キャビネットに備えられ、よって、公知の終端モジュールにおいて利用できる空き容量(空間)が少なくなる。しかしながら、
図9に示される実施例において示されるような終端モジュール124aおよび124bのアイソレーション回路906、910、908および912を備えることによって、マーシャリング・キャビネット122(
図1Aおよび2)にアイソレーション回路を収納するのに要される空き容量(空間)が少なくて済むので、終端モジュール(例えば、終端モジュール124a〜cおよび126a〜c)のために利用できる空き容量(空間)が増大する。また、終端モジュール(例えば、終端モジュール124a〜b)内にアイソレーション回路(例えば、アイソレーション回路906、908、910および912)を実施することにより、絶縁を必要とする終端モジュールにだけに使用するなど、アイソレーション回路を選択的に使用することが可能になる。例えば、
図1Aの終端モジュール124a〜cおよび126a〜cのうちのいくつかは、アイソレーション回路無しで実施されうる。
【0079】
図10A、
図10B、
図11A、
図11Bおよび
図12は、終端モジュール(例えば、
図1A、2および4-6の終端モジュール124a)、I/Oカード(例えば、
図1Aおよび
図7のI/Oカード132a)、およびラベラー(例えば、
図2、
図3および
図8のラベラー214)を実施するのに使用されうる実施例として挙げられる方法のフローチャートである。実施例として挙げられる実施形態のいくつかにおいて、
図10A、
図10B、
図11A、
図11Bおよび
図12の実施例として挙げられる方法は、プロセッサ(例えば、
図13のプロセッサシステムの実施例1310で示されるプロセッサ1312)により実行されるプログラムを含む機械可読指示を使用して実施されうる。該プログラムは、CD-ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)などの有形媒体、またはプロセッサ1312を関連したメモリに格納されたソフトウェアで具体化されうる、且つ又は、周知の方法でファームウェア且つ又は専用ハードウェアで具体化されうるものである。さらに、実施例として挙げられるプログラムは、
図10A、
図10B、
図11A、
図11Bおよび
図12に示されるフローチャートを参照して記載されているが、通常の技術を有する当業者にとって、ここに実施例として挙げられる終端モジュール124a、同実施例として挙げられるI/Oカード132a、および同実施例として挙げられるラベラー214を実施する際に、その他多くの方法が代わりとして使用されうることは一目瞭然のはずである。例えば、ブロックの実行順序は変更しえるものであり、且つ又は、ここに記載されるブロックのうちのいくつかを変更、除外、または組み合わせることが可能である。
【0080】
図10Aおよび
図10Bをより詳しく参照し、
図10Aおよび
図10Bに実施例として挙げられる方法を、
図1A、
図2および
図4〜6の実施例として挙げられる終端モジュール124aに関連して説明する。但し、
図10Aおよび
図10Bの実施例として挙げられる方法はその他の終端モジュールを実施するのにも使用されうる。
図10Aおよび
図10Bのフローチャートは、実施例として挙げられる終端モジュール124aがフィールド装置112aおよびI/Oカード132a間で情報をどのように通信するかを説明するために用いられている。初期段階において、終端モジュール124aは、それ自身が通信情報を受け取ったかどうかを判断する(ブロック1002)。例えば、終端モジュール124aは、I/Oバス通信プロセッサ608(
図6)またはフィールド装置通信プロセッサ620が例えば割り込みまたは状態レジスタを介してその通信情報が受け取られたことを示す場合、終端モジュール124a自身が通信情報を受け取ったものと判断する。もし終端モジュール124aが通信情報を受け取っていないと判断すると(ブロック1002)、終端モジュール124aが通信情報を受け取るまで制御がブロック1002に留まる。
【0081】
終端モジュール124aが通信情報(ブロック1002)を受け取ると、終端モジュール124aは、例えばフィールド装置通信プロセッサ620(
図6)の割り込みまたは状態レジスタに基づいて、終端モジュール124a自身がフィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112a)から通信情報を受け取ったかどうかを判断する(ブロック1004)。終端モジュール124aがフィールド装置112aから通信情報を受け取ったと判断すると(ブロック1004)、その後フィールド装置通信プロセッサ620が、フィールド装置通信プロトコルに基づいてフィールド装置112aに関連した受信済通信情報からフィールド装置情報およびフィールド装置識別情報を抽出する(ブロック1006)。フィールド装置情報は、例えば、フィールド装置識別情報(例えば、装置タグ、電子シリアル番号など)、フィールド装置状態情報(例えば、通信状態、健全性診断情報<開ループ、短絡など>)、フィールド装置活動情報(例えば、プロセス変量(PV)値)、フィールド装置記述情報(例えば、バルブ作動装置、温度センサ、圧力センサ、流動センサなどを例とするフィールド装置のタイプまたは機能など)、フィールド装置接続構成情報(例えば、マルチドロップ・バス接続、二地点間接続など)、フィールド装置バスまたはセグメント識別情報(例えば、フィールド装置が終端モジュールに通信可能に連結される際に経由するフィールド装置バスまたはフィールド装置のセグメント)、且つ又はフィールド装置データタイプ情報(例えば、アナログ入力(AI)データタイプ、アナログ出力(AO)データタイプ、離散的出力(DI)データタイプ(例えば、デジタル入力データタイプ)、離散的入力(DO)データタイプ(例えば、デジタル出力データタイプ)、等)を含みうる。フィールド装置通信プロトコルは、フィールド装置112aにより使用されるあらゆるプロトコル(例えば、Fieldbusプロトコル、HARTプロトコル、AS-Iプロトコル、Profibusプロトコル、等)でありえる。代替の実施例として挙げられる実施形態において、ブロック1006では、フィールド装置通信プロセッサ620が受信した通信情報からのフィールド装置情報の抽出のみを行い、フィールド装置112aを識別するフィールド装置識別情報は終端モジュール124aに格納される。例えば、フィールド装置112aが初期段階において終端モジュール124aに接続されると、フィールド装置112aは終端モジュール124aへその識別情報を通信することができ、また、終端モジュール124aは識別情報を格納できる。
【0082】
その後、フィールド装置通信プロセッサ620は、アナログ/デジタル変換が必要かどうかを判断する(ブロック1008)。例えば、フィールド装置112aがアナログ測定値を通信すると、フィールド装置通信プロセッサ620はアナログ/デジタル変換が必要である又は要求されていると判断する(ブロック1008)。アナログ/デジタル変換が必要な場合、アナログ/デジタル変換器618(
図6)は受信した情報(ブロック1010)に対して変換を行なう。
【0083】
アナログ/デジタル変換(ブロック1010)後、またはアナログ/デジタル変換が不要である場合(ブロック1008)、フィールド装置通信プロセッサ620は、受信したフィールド装置情報(ブロック1012)に関連したデータタイプ(例えば、アナログ、デジタル、測温、等)を識別し、受信したフィールド装置情報(ブロック1014)に対応するデータタイプ記述子を生成する。例えば、終端モジュール124aは、それ自身が常にフィールド装置112aから受け取るデータタイプを示すデータタイプ記述子を格納できる、もしくは、フィールド装置112aが、フィールド装置通信プロセッサ620がブロック1010でデータタイプ記述子を生成するために使用する終端モジュール124aへデータタイプを通信できる。
【0084】
I/Oバス通信プロセッサ608(
図6)は、終端モジュール124aがフィールド装置112aから受け取った情報を通信すべきI/Oカード132a(ブロック1016)の着アドレスを決定する。例えば、通信プロセッサ604(
図6)は、アドレス識別子604(
図6)からI/Oカード132aの着アドレスを得ることができる。さらに、I/Oバス通信プロセッサ608は、フィールド装置情報がエラー無しの状態でI/Oカード132aにより受信されることを保証するために、I/Oカード132aへ通信するためのエラー検査データを決定または生成する(ブロック1020)。例えば、I/Oバス通信プロセッサ608は周期的エラー検査(CRC)用エラーチェックビットを生成できる。
【0085】
その後、I/Oバス通信プロセッサ608は、I/Oバス通信プロトコル(ブロック1022)に基づいて、フィールド装置情報、フィールド装置識別情報、データタイプ記述子、I/Oカード132aの着アドレス、終端モジュール124aのソースアドレス、およびエラー検査データをパケット化する。I/Oバス通信プロトコルは、例えばTPCベースのプロトコル、UDPベースのプロトコルなどを使用して実施されうる。I/Oバス通信プロセッサ608は、終端モジュール124aのソースアドレスをアドレス識別子604(
図6)から得ることができる。その後、I/Oバスインターフェース602(
図6)は、その他の終端モジュール(例えば、終端モジュール124bおよび124cの
図1A)により生成および通信されるパケット化された情報と組み合わせてユニバーサルI/Oバス136a(
図1Aおよび2)を介してパケット化された情報を通信する(ブロック1024)。例えば、I/Oバスインターフェース602には、ユニバーサルI/Oバス136aが情報を終端モジュール124aからI/Oカード132aに通信するために利用可能な時(例えば、終端モジュール124b〜cにより使用されていない時)を判断するための、ユニバーサルI/Oバス136aを傍受または監視する調停回路または装置を備えうる。
【0086】
ブロック1002で検出された通信情報がフィールド装置112aからではない(例えば、通信情報がI/Oカード132aからである)、と終端モジュール124bがブロック1004で判断すると、I/Oバス通信プロセッサ608(
図6)は、受信した通信情報(ブロック1026)から着アドレスを抽出する。その後、I/Oバス通信プロセッサ608は、抽出された着アドレスがアドレス・インターフェース604から得られた終端モジュール124a(ブロック1028)の着アドレスと一致するかどうかを判断する。着アドレスが終端モジュール124aのアドレスと一致しない場合(例えば、受信した情報が終端モジュール124aへ配送されるはずのものでないと判断された場合)(ブロック1028)、制御はブロック1002(
図10A)へ戻る。また、その逆に、着アドレスが終端モジュール124aのアドレスと一致する場合(例えば、受信した情報が終端モジュール124aへ配送されることになっているものであると判断された場合)(ブロック1028)、I/Oバス通信プロセッサ608は、I/Oバス通信プロトコルに基づいて受信した通信情報からフィールド装置情報を抽出し(ブロック1030)、受信した通信情報中のエラー検出情報に基づき(例えば)CRC検証手順を使用してデータの完全性(インテグリティ)を確認する(ブロック1032)。図示されてはいないが、受信した通信情報にエラーが存在する、とI/Oバス通信プロセッサ608がブロック1032で判断した場合、I/Oバス通信プロセッサ608は、再送信を依頼するメッセージをI/Oカード132aへ送信する。
【0087】
データの完全性を確認した(ブロック1032)後、I/Oバス通信プロセッサ608(またはフィールド装置通信プロセッサ620)は、デジタル-アナログ変換が必要かどうかを判断する(ブロック1034)。例えば、終端モジュール124aに格納されたデータタイプ記述子によってフィールド装置112aがアナログ情報を必要としていることが示されている場合、I/Oバス通信プロセッサ608はデジタル-アナログ変換が必要であると判断する(ブロック1034)。デジタル-アナログ変換が必要な場合(ブロック1034)、デジタル/アナログ変換器616(
図6)はフィールド装置情報に対してデジタル-アナログ変換を行なう(ブロック1036)。デジタル-アナログ変換が行なわれた(ブロック1036)後、またはデジタル-アナログ変換が不要であると判断された場合(ブロック1034)、
フィールド装置通信プロセッサ620は、フィールド装置112aのフィールド装置通信プロトコルを使用して、フィールド装置インターフェース622(
図6)を介してフィールド装置112aへフィールド装置情報を通信する(ブロック1038)。
【0088】
フィールド装置通信プロセッサ620がフィールド装置情報をフィールド装置112aへ通信した後、またはI/Oバス通信プロセッサ608がフィールド装置情報をI/Oカード132aへ通信した後、I/Oバス通信プロセッサ608がフィールド装置情報をI/Oカード132aへ通信し、
図10Aおよび
図10Bの手順が終了する、且つ又は、制御が例えば呼出工程または呼出機能に戻される。
【0089】
図11Aおよび
図11Bは、
図1Aの終端モジュール124aとコントローラ104間で情報を交換するために
図1AのI/Oカード132aを実施する際に使用されうる実施例として挙げられる方法のフローチャートを表す。初期段階において、I/Oカード132aは、それ自身が通信情報を受け取ったかどうかを判断する(ブロック1102)。例えば、割り込みまたは状態レジスタを介してI/Oカード132a自身が通信情報を受け取ったことが通信プロセッサ704(
図7)によって示されると、I/Oカード132aは、それ自身が通信情報を受け取ったと判断する。I/Oカード132aがそれ自身通信情報を受け取っていないと判断すると(ブロック1102)、I/Oカード132aが通信情報を受け取るまで、制御がブロック1102に留まる。
【0090】
I/Oカード132aが通信情報を受け取っている場合(ブロック1102)、I/Oカード132aは、例えば通信プロセッサ704の割り込みまたは状態レジスタに基づいて、I/Oカード132a自身がコントローラ104(
図1A)から通信情報を受け取ったかどうかを判断する(ブロック1104)。I/Oカード132aがそれ自身コントローラ104から通信情報を受け取ったと判断すると(ブロック1104)、その後、通信プロセッサ704が、終端モジュール124aに関連した受信済通信情報から終端モジュール情報(フィールド装置情報を含みうる)を抽出する(ブロック1106)。
【0091】
通信プロセッサ704は、受信した終端モジュール情報に関連するデータタイプ(例えば、フィールド装置アナログ情報、フィールド装置デジタル情報、終端モジュールを制御または構成するための終端モジュール制御情報、等)を識別し(ブロック1108)、受信した終端モジュール情報に対応するデータタイプ記述子を生成する(ブロック1110)。代替の実施例として挙げられる実施形態において、データタイプ記述子はワークステーション102(
図1A)で生成される。よって、通信プロセッサ704によりデータタイプ記述子を生成する必要がない。
【0092】
I/Oバス通信プロセッサ712(
図7)はその後、終端モジュール124aの着アドレスを決定する(ブロック1112)。また、終端モジュール124aがエラーの無い状態で情報を受信できるようにするために、I/Oバス通信プロセッサ712は、終端モジュール情報を終端モジュール124aへ通信するためのエラー検査データも決定する(ブロック1114)。例えば、I/Oバス通信プロセッサ712は周期的なエラー検査(CRC)エラーチェックビットを生成できる。
【0093】
その後、I/Oバス通信プロセッサ712は、終端モジュール情報、データタイプ記述子、終端モジュール124aの着アドレス、終端モジュール124aのソースアドレス、および、I/Oバス通信プロトコルに基づいてエラー検査データをパケット化する(ブロック1116)。その後、I/Oバスインターフェース710(
図7)は、該パケット化された情報をその他の終端モジュール(例えば、終端モジュール124bおよび124cの
図1A)宛てにパケット化された情報と組み合わせて、ユニバーサルI/Oバス136a(
図1Aおよび
図2)を介して通信する(ブロック1118)。例えば、I/Oバス通信プロセッサ702は、例えば終端モジュール124bおよび124cの着アドレスを使用して、その他の終端モジュール情報をパケット化し、全終端モジュール124a〜cの終端モジュール情報を、RS-485標準を使用してユニバーサルI/Oバス136aを介して通信しうる。終端モジュール124a〜cのそれぞれは、I/Oカード132aにより供給される着アドレスに基づいてユニバーサルI/Oバス136aから各々の情報を抽出できる。
【0094】
ブロック1104で、ブロック1102で検出された通信情報がコントローラ104からではない (例えば、通信情報が終端モジュール124a〜cの一つからである)、とI/Oカード132aが判断すると、I/Oバス通信プロセッサ712(
図7)は、受信した通信情報からソースアドレス(例えば、終端モジュール124a〜cのうちの一つのソースアドレス)を抽出する(ブロック1122)。その後、I/Oバス通信プロセッサ712は、データタイプ記述子(例えば、デジタル形式でコード化されたアナログ・データタイプ、デジタル・データタイプ、温度データタイプ、等)を抽出する(ブロック1124)。I/Oバス通信プロセッサ712はまた、I/Oバス通信プロトコルに基づいて受信した通信情報から終端モジュール情報(フィールド装置情報を含みうる)を抽出し(ブロック1126)、受信した通信情報中のエラー検出情報に基づいて(例えば)CRC検証手順を用いてデータの完全性を確認する(ブロック1128)。図示されてはいないが、ブロック1128で、受信した通信情報にエラーが存在する、とI/Oバス通信プロセッサ712が判断すると、I/Oバス通信プロセッサ712は、ブロック1122で得られたソースアドレスに関連した終端モジュールへ再送信依頼メッセージを送信する。
【0095】
データの完全性を確認した後に(ブロック1128)、通信プロセッサ704が(終端モジュールおよびデータタイプ記述子のソースアドレスを使用して)終端モジュール情報をパケット化し、通信インターフェース702がコントローラ104へパケット化された情報を通信する(ブロック1130)。該情報がワークステーション102に配送されることになっている場合、コントローラ104は続いてワークステーション102へ情報を通信できる。通信インターフェース702がコントローラ104へ情報を通信した後、またはI/Oバスインターフェース710が終端モジュール124aへ終端モジュール情報を通信した後、
図11Aおよび
図11Bの工程が終了される、且つ又は制御が例えば呼出工程または呼出機能に戻される。
【0096】
図12は、終端モジュール(例えば、
図1、
図2および
図4〜6の終端モジュール124a)に通信可能に連結されるフィールド装置(例えば、
図1Aのフィールド装置112a)に関連した情報を読み出して表示するために
図2、
図3、
図6および
図8のラベラー214を実施する際に使用されうる実施例として挙げられる方法のフローチャートである。初期段階において接続検知器806(
図8)は、フィールド装置(例えば、フィールド装置112a)が終端モジュール124aに接続されているかどうか(例えば、
図4と
図5の終端用ねじ406且つ又は
図6のフィールド装置インターフェース622に接続されているかどうか)を判断する(ブロック1202)。フィールド装置112a(またはその他のフィールド装置)が終端モジュール124aに接続されていないと接続検知器806が判断すると(ブロック1202)、フィールド装置112a(またはその他のフィールド装置)が終端モジュール124aに接続されいると接続検知器806が判断するまで、制御はブロック1202に留まる。
【0097】
フィールド装置112aが終端モジュール124aに接続されていると接続検知器806が判断すると(ブロック1202)、フィールド装置識別子814は、フィールド装置112aを識別するフィールド装置識別情報(例えば、装置タグ値、装置名、電子シリアル番号、等)を取得する(ブロック1204)。例えば、フィールド装置識別子814は、それのフィールド装置識別情報を送信することをフィールド装置112aに依頼する問合せ(クエリー)をフィールド装置112aに対して送信できる。別の実施例として挙げられる実施形態において、終端モジュール124aへの初期接続の時点で、フィールド装置112aは、それのフィールド装置識別情報をフィールド装置識別子814へ自動的に通信できる。
【0098】
その後、フィールド装置識別子814は、フィールド装置識別情報に基づき、フィールド装置112aがユニバーサルI/Oバス136aを介してI/Oカード132aと通信するように割り当てられているかどうかを判断する(ブロック1206)。例えば、フィールド装置識別子814は、終端モジュール124aを介してI/Oカード132aへフィールド装置識別情報を通信することができ、そしてI/Oカード132aは、フィールド装置識別情報を、データ構造133(
図1A)の中に格納される(またはワークステーション102に格納されるもの同じようなデータ構造に格納される)フィールド装置識別番号と比較できる。データ構造133へのデータ投入は、ユニバーサルI/Oバス136aを介してI/Oカード132aと通信することになっているフィールド装置(例えば、フィールド装置112a〜c)のフィールド装置識別番号を持つエンジニア、オペレータまたはユーザにより行える。フィールド装置112aがI/Oバス136a且つ又はI/Oカード132aに割り当てられている、とI/Oカード132aが判断するすると、I/Oカード132aはフィールド装置識別子814へ確認メッセージを通信する。
【0099】
フィールド装置112aがI/Oバス136aを介する通信用に割り当てられていない、とフィールド装置識別子814が判断すると(ブロック1206)、表示部インターフェース808(
図8)はエラーメッセージを表示する(ブロック1208)。それ以外の場合、表示部インターフェース808はフィールド装置識別情報を表示する(ブロック1210)。ここに示される実施例において、フィールド装置状態検出機構812はフィールド装置状態(例えば、装置ON、装置OFF、装置エラー、等)を検出し、表示インターフェース808が状態情報を表示する(ブロック1212)。フィールド装置活動検出機構810(
図8)はまた、フィールド装置112aの活動(例えば、計測且つ又は監視情報)を検出し、表示インターフェース808が活動情報を表示する(ブロック1214)。また、データタイプ検出機構816(
図8)は、フィールド装置112aのデータタイプ(例えば、アナログ、デジタル、等)を検出し、表示インターフェース808がデータタイプ(ブロック1216)を表示する。
【0100】
表示インターフェース808がエラーメッセージを表示した後(ブロック1208)、ま
たは表示インターフェース808がデータタイプを表示した後(ブロック1216)、ラベラー214は、例えば、終端モジュール124aがOFFされているか又はマーシャリング・キャビネット122(
図1Aおよび
図2)からそのプラグが取り外されているかに基づいて、モニター監視を継続すべきかどうかを判断する(ブロック1218)。ラベラー214がモニター監視を継続すべきであると判断すると、制御がパスしてブロック1202に移る。それ以外の場合は、
図12の実施例として挙げられる工程が終了される、且つ又は制御が呼出機能または工程に戻される。
【0101】
図13は、ここに記載される機器および方法を実施するのに使用されうる実施例として挙げられるプロセッサシステム1310のブロック図である。例えば、
図1Aのワークステーション102、コントローラ104、I/Oカード132a、且つ又は終端モジュール124a〜cおよび126a〜cを実施する際に、実施例として挙げられるプロセッサシステム1310に類似するまたは同一のプロセッサシステムを使用してもよい。実施例として挙げられるプロセッサシステム1310は、複数の周辺装置、インターフェース、チップ、メモリなどを含んだ状態で以下に説明されているが、ワークステーション102、コントローラ104、I/Oカード132a、且つ又は終端モジュール124a〜c、126a〜cの一つ又は複数を実施するのに使用されるその他の実施例として挙げられるプロセッサシステムから前記要素の一つ又は複数を省略してもよい。
【0102】
図13に示されるように、プロセッサシステム1310は相互接続バス1314に連結されるプロセッサ1312を含む。プロセッサ1312はレジスタセットまたはレジスタ空間1316を含んで
図13に表されている。該レジスタセットまたはレジスタ空間1316は、図中では完全にチップ上に備えられた状態で示されているが、その代わりとして、完全にまたは部分的にチップ外に(オフチップで)備え、専用の電気接続部を介して且つ又は相互接続バス1314を介してプロセッサ1312に直接連結することも可能である。プロセッサ1312には、適切なプロセッサ、処理装置またはマイクロプロセッサであればいかなるものでも使用しえる。
図13には図示されてはいないが、システム1310は、マルチプロセッサシステムでありえ、よってプロセッサ1312と同一であるまたは類似する且つ相互接続バス1314に通信可能に連結される一つ又は複数のさらに追加された別のプロセッサを含みうる。
【0103】
図13のプロセッサ1312は、メモリーコントローラー1320および周辺入出力(I/O)コントローラ1322を含むチップセット1318に連結される。周知の如く、チップセットは一般に、チップセット1318に連結される一つ又は複数のプロセッサによりアクセス可能または使用される複数の汎用且つ又は専用レジスタやタイマーなどに加え、入出力および記憶管理機能を備える。メモリ制御器1320は、プロセッサ1312(または、複数のプロセッサが備えられている場合は「複数のプロセッサ」)がシステム・メモリ1324および大容量記憶メモリ1325にアクセスできるようにする機能を果たす。
【0104】
システム・メモリ1324は、例えば静的ランダムアクセス記憶装置(SRAM)、動的ランダムアクセス記憶装置(DRAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ (ROM)など所望のあらゆるタイプの持久且つ又は揮発性記憶装置を含みうる。大容量記憶メモリ1325は、所望のあらゆるタイプの大容量記憶装置を含みうる。例えば、ワークステーション102(
図1A)を実施するために実施例として挙げられるプロセッサシステム1310を使用する場合、大容量記憶メモリ1325はハードディスク・ドライブ、オプティカルドライブ、テープ貯蔵装置などを含みうる。あるいは、コントローラ104、I/Oカード132a〜bおよび134a〜bのうちの一つ、または終端モジュール124a〜cおよび126a〜cのうちの一つを実施するために実施例として挙げられるプロセッサシステム1310を使用する場合、大容量記憶メモリ1325は、固体記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、RAMメモリ、等)、磁気記憶装置(例えば、ハードドライブ)、またはコントローラ104、I/Oカード132a〜bおよび134a〜b、または終端モジュール124a〜c、および126a〜cにおける大容量記憶装置にふさわしいその他のメモリを含みうる。
【0105】
周辺I/Oコントローラ1322は、周辺I/Oバス1332を介して、周辺入出力(I/O)装置1326および1328、ならびにネットワーク・インターフェース1330とプロセッサ1312が通信することを可能にする機能を行なう。I/O装置1326および1328は、例えば、キーボード、表示部(例えば、液晶ディスプレー(LCD)、ブラウン管(CRT)、等)、ナビゲーション装置(例えば、マウス、トラックボール、容量性タッチパッド、ジョイスティック、等)など、いかなる所望のタイプのI/O装置でありうる。ネットワーク・インターフェース1330は、例えば、プロセッサシステム1310が別のプロセッサシステムと通信することを可能にするような、イーサネット装置、非同期転送モード(ATM)装置、802.11装置、DSLモデム、ケーブル・モデム、セルラーモデムなどでありうる。
【0106】
メモリ制御器1320とI/Oコントローラ1322は、
図13においてチップセット1318内の別々の機能ブロックとして表されているが、これらのブロックにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合しても、個別の集積回路を2つ以上用いても実施しえるもである。
【0107】
実施例として挙げられる特定の方法、機器および製造品がここにおいて記載されているが、この特許の適用領域の範囲はそれに限定されるものではなく、それとは反対に、この特許は、字義的にもしくは均等論に基づいて添付の特許請求の範囲内に公正に含まれる方法、機器および製造品の全てを網羅するものである。