特許第5752350号(P5752350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友重機械工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000002
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000003
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000004
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000005
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000006
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000007
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000008
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000009
  • 特許5752350-建設機械の作業方法及び建設機械 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752350
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】建設機械の作業方法及び建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   E02F3/43 J
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2009-252284(P2009-252284)
(22)【出願日】2009年11月2日
(65)【公開番号】特開2011-94453(P2011-94453A)
(43)【公開日】2011年5月12日
【審査請求日】2012年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】呉 春男
(72)【発明者】
【氏名】李 世鵬
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−133129(JP,A)
【文献】 特開平09−195321(JP,A)
【文献】 特開2005−069480(JP,A)
【文献】 特開2000−186349(JP,A)
【文献】 特開平10−054056(JP,A)
【文献】 特開平08−277543(JP,A)
【文献】 特開2004−027835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/43
E02F 9/20
E02F 9/22
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータによる操作レバーの操作によって、上部旋回体に配置されたブーム及び旋回を含む作業部分を動かす建設機械の作業方法であって、
前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じて動作制御される前記作業部分により繰り返し実行される一連の作業を複数の動作区間に分け、
動作区間毎に、実行すべき動作に対する動作目標値を設定し、
各動作区間において、前記オペレータにより前記操作レバーの操作がされると、各関節に備える角度センサで検出された角度を用いて高さを含む現在の動作状態を表す現在値を算出し、
前記動作目標値を達成したら、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次の動作区間への移行を許可し、分けられた動作区間が全て終了すると、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次のサイクルを繰り返すべく、最初の動作区間から再度実行する
ことを特徴とする建設機械の作業方法。
【請求項2】
請求項記載の建設機械の作業方法であって、
前記建設機械はブーム、アーム、及びバケットを前記作業部分として含む油圧ショベルであり、
バケットの高さに対して前記動作目標値を設定し、
バケットの高さを、ブーム、アーム、及びバケットの角度を検出する角度センサからの検出値に基づいて算出することを特徴とする建設機械の作業方法。
【請求項3】
請求項記載の建設機械の作業方法であって、
前記建設機械は前記作業部分を旋回させる旋回機構を有し、
該旋回機構に設けられた角度センサによって旋回位置を検出することを特徴とする建設機械の作業方法。
【請求項4】
オペレータによる操作レバーの操作によって、上部旋回体に配置されたブーム及び旋回を含む作業要素を動かす建設機械であって、
前記作業要素の動作を制御する制御装置と各関節に備える角度センサを有
前記制御装置は、
前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じて動作制御される前記作業要素により繰り返し実行される一連の作業を複数の動作区間に分け、
動作区間毎に、実行すべき動作に対する動作目標値を設定し、
各動作区間において、前記オペレータにより前記操作レバーの操作がされると、前記角度センサで検出された角度を用いて高さを含む現在の動作状態を表す現在値を算出し、
前記動作目標値を達成したら、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次の動作区間への移行を許可し、分けられた動作区間が全て終了すると、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次のサイクルを繰り返すべく、最初の動作区間から再度実行する
ことを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオペレータが建設機械を操作しながら行なう作業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、建設機械はオペレータが操縦することにより各種の作業を行なうように設計されている。建設機械を用いて行なう作業には、同じ動作を繰り返し行なう作業が多い。例えば、建設機械の一例としてショベルが行なう掘削・積込み動作は、バケットにより土を掘削して運搬車に積み込むという一連の動作の繰り返しである。そのようなショベルが行なう掘削・積込み動作は、オペレータがショベル運転室のレバーを操作して、バケット、アーム、ブーム、及びキャビンの旋回を操作することで行なわれる。
【0003】
建設機械は内燃機械の動力や油圧等を用いて大きな力でアーム等を動かす作業が多く、オペレータが操縦を誤って意図しない動きを指令してしまった場合に、移動する部分が作業範囲内の物体と干渉して物体を損傷してしまうおそれがある。そこで、ショベルのバケット先端が干渉防止領域に侵入したときに、アームの移動を制限して干渉防止領域からバケットが退避する動作のみを行なうことができるようにした作業機の干渉防止装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この干渉防止装置は、ショベルの先端の軌跡を座標系で規定してショベルの先端が干渉防止領域に侵入したことを判断することにより、ショベルの先端の移動を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−27835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように干渉防止領域を設定することで、例えば熟練していないオペレータが建設機械を操縦した場合でも、操縦を誤って他の物体に作業部分を干渉させることを防止することができる。しかし、例えば、ショベル等のそれ自体が移動する建設機械では、移動することにより周囲の状況が変化するため、移動するたびに干渉防止領域を設定することが難しい。
【0006】
また、上述の干渉の問題とは別に、熟練していないオペレータが建設機械を操縦した場合、作業部分を目標の位置まで移動させることができないこともあり得る。例えば、上述のショベルが行なう掘削・積込み動作では、掘削の都度バケットを目標の掘削深さまで移動させる必要があるが、熟練していないオペレータが操縦した場合にはバケットが目標の掘削深さまで移動する前に次の動作に移行してしまうことがあり、作業効率が低下してしまうといった問題が生じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様によれば、オペレータによる操作レバーの操作によって、上部旋回体に配置されたブーム及び旋回を含む作業部分を動かす建設機械の作業方法であって、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じて動作制御される前記作業部分により繰り返し実行される一連の作業を複数の動作区間に分け、動作区間毎に、実行すべき動作に対する動作目標値を設定し、各動作区間において、前記オペレータにより前記操作レバーの操作がされると、各関節に備える角度センサで検出された角度を用いて高さを含む現在の動作状態を表す現在値を算出し、前記動作目標値を達成したら、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次の動作区間への移行を許可し、分けられた動作区間が全て終了すると、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次のサイクルを繰り返すべく、最初の動作区間から再度実行することを特徴とする建設機械の作業方法が提供される。
【0008】
記建設機械は油圧ショベルであり、バケットの高さに対して前記動作目標値を設定し、バケットの高さを、ブーム、アーム、及びバケットの角度を検出する角度センサからの検出値に基づいて算出することとしてもよい。また、前記建設機械は作業部分を旋回させる旋回機構を有し、該旋回機構に設けられた角度センサによって旋回位置を検出することとしてもよい。
【0009】
本発明の他の実施態様によれば、オペレータによる操作レバーの操作によって、上部旋回体に配置されたブーム及び旋回を含む作業要素を動かす建設機械であって、前記作業要素の動作を制御する制御装置と各関節に備える角度センサを有、前記制御装置は、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じて動作制御される前記作業要素により繰り返し実行される一連の作業を複数の動作区間に分け、動作区間毎に、実行すべき動作に対する動作目標値を設定し、各動作区間において、前記オペレータにより前記操作レバーの操作がされると、前記角度センサで検出された角度を用いて高さを含む現在の動作状態を表す現在値を算出し、前記動作目標値を達成したら、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次の動作区間への移行を許可し、分けられた動作区間が全て終了すると、前記オペレータによる前記操作レバーの操作に応じた次のサイクルを繰り返すべく、最初の動作区間から再度実行することを特徴とする建設機械が提供される
【発明の効果】
【0010】
上述の発明によれば、各動作区間で必ず達成しなければならない動作を確実に実行させることができる。したがって、熟練していないオペレータが建設機械を操縦したとしても、各動作区間における動作を完全に実行しないまま次の動作区間に移行することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】油圧ショベルの側面図である。
図2】油圧ショベルの動作を規定するパラメータを示す図である。
図3】掘削・積込み動作を説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態による建設機械で行なう作業方法のフローチャートである。
図5】初期状態設定処理のフローチャートである。
図6】掘削動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
図7】ブーム上げ旋回動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
図8】ダンプ動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
図9】ブーム下げ旋回動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
まず、本発明による作業方法を行なう建設機械の一例として油圧ショベルについて説明する。なお、本発明による作業方法が適用される建設機械は、油圧ショベルに限定されるものではない。
【0014】
図1は油圧ショベルの側面図である。油圧ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3からブーム4が延在し、ブーム4の先端にアーム5が接続される。さらに、アーム5の先端にバケット6が接続される。ブーム4、アーム5及びバケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。また、上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10及び動力源としてのエンジン(図示せず)が搭載される。また、上部旋回体3には油圧ショベルの各部の動作を制御する制御部として制御装置20が搭載される。制御装置20はマイクロコンピュータ及びメモリ等で構成される装置である。
【0015】
ブーム4は上部旋回体3に対して上下に旋回可能に支持されており、旋回支持部(関節)にブーム角度センサ(図示せず)が取り付けられている。ブーム角度センサは周知の角度検出器であればどのようなものでもかまわないが、安価なロータリエンコーダを用いることが好ましい。ブーム角度センサによりブーム角θ1を検出することができる。ブーム角θ1は水平方向からのブーム4の傾き角度である。なお、ブーム角θ1は、図2における反時計方向(ブームが開く方向)を正とする。
【0016】
アーム5はブーム4の先端に旋回可能に支持されており、旋回支持部(関節)にアーム角度センサ(図示せず)が取り付けられている。アーム角度センサは周知の角度検出器であればどのようなものでもかまわないが、安価なロータリエンコーダを用いることが好ましい。アーム角度センサにより後述のアーム角θ2を検出することができる。アーム角θ2は水平方向からのアーム5の傾き角度である。なお、なお、アーム角θ2は、図2における反時計方向(アームが開く方向)を正とする。
【0017】
バケット6はアーム5の先端に旋回可能に支持されており、旋回支持部(関節)にバケット角度センサ(図示せず)が取り付けられている。バケット角度センサは周知の角度検出器であればどのようなものでもかまわないが、安価なロータリエンコーダを用いることが好ましい。バケット角度センサにより後述のバケット角θ3を検出することができる。バケット角θ3はアーム5に対するバケット6の傾き角度である。なお、バケット角θ3は、図2における反半時計方向(バケットが開く方向)を正とする。
【0018】
上部旋回体3を旋回させる旋回機構2には、旋回角度センサ(図示せず)が設けられている。旋回角度センサは周知の角度検出器であればどのようなものでもかまわないが、安価なロータリエンコーダを用いることが好ましい。旋回角度センサにより、後述の旋回角θ4を検出することができる。旋回角θ4は上部旋回体3が正面を向いた位置からの角度である。
【0019】
ブーム4,アーム5,バケット6の位置は、上述のブーム角θ1、アーム角θ2、バケット角θ3及び旋回角θ4をパラメータとして演算により求めることができる。図2はブーム角θ1、アーム角θ2、バケット角θ3及び旋回角θ4を示す図である。図2において、地面からブーム4の旋回支持部までの高さH1は既知の一定の値である。また、ブーム4の旋回支持部からアーム5の旋回支持部までの距離L1も既知の一定の値である。さらに、アーム5の旋回支持部からバケット6の旋回支持部までの距離L2も既知の一定の値である。また、バケット6の厚みT1も既知の一定の値である。したがって、地面からバケット6までの高さHBは以下の式に各パラメータ(θ1〜θ3)の値を入れて演算することで容易に求めることができる。
【0020】
HB=H1+L1・sinθ1+L2・sinθ2−T1
また、バケット6の先端の高さDBは以下の式で求めることができる。
【0021】
DB=H1+L1・sinθ1+L2・sinθ2+L3・sin(θ2+θ3)
また、バケット6の旋回方向の位置は、旋回機構2に設けられた旋回角度センサで検出した旋回角θ4で表される。
【0022】
次に、油圧ショベルを用いて行なう作業の一例について説明する。油圧ショベルを用いて行なう動作の代表的なものとして、掘削・積込み動作がある。掘削・積込み動作は、掘削動作と積込み動作を含む一連の動作であり、バケットで土を掘ってすくい上げ、ダンプカーの荷台等の所定の場所に排土する作業である。掘削・積込み動作については、社団法人日本建設機械化協会規格(JCMAS)において詳細に規定されている。
【0023】
掘削・積込み動作について、図3を参照しながらさらに詳しく説明する。まず、図3(a)に示すように、上部旋回体3を旋回してバケット6が掘削位置の上方に位置している状態で、且つ、アーム5が開きバケット6も開いた状態で、オペレータはブーム4を下げ、バケット6の先端が目標の掘削深さDとなるようにバケット6を下降させる。通常、旋回及びブーム下げは、オペレータが操作し、目視でバケット6の位置を確認する。また、上部旋回体3の旋回と、ブーム4の下げは同時に行なうことが一般的である。以上の動作をブーム下げ旋回動作と称し、この動作区間をブーム下げ旋回動作区間と称する。
【0024】
オペレータがバケット6の先端が目標の掘削深さDに到達したと判断したら、次に、図3(b)に示すように水平引き動作に移る。水平引き動作では、バケット6の先端がほぼ水平に移動するように、アーム5が地面に対して垂直になるまでアーム5を閉じる。この水平引き動作により、所定の深さの土が掘削されバケット6でかき寄せられる。水平引き動作が完了したら、次に、図3(c)に示すように、アーム5に対して90度になるまでバケット6を閉じる。すなわち、バケット6の上縁が水平となるまでバケット6を閉じ、かき集めた土をバケット6内に収容する。以上の動作を掘削動作と称し、この動作区間を掘削動作区間と称する。
【0025】
オペレータは、バケット6が90度になるまで閉じたと判断したら、次に、図3(d)に示すように、バケット6を閉じたままバケット6の底部が所定の高さHとなるまでブーム4を上げる。これに続いて、あるいは同時に、上部旋回体3を旋回して排土する位置までバケット6を旋回移動する。以上の動作をブーム上げ旋回動作と称し、この動作区間をブーム上げ旋回動作区間と称する。
【0026】
なお、バケット6の底部が所定の高さHとなるまでブーム4を上げるのは、例えば、ダンプカーの荷台に排土する際にはバケット6を荷台の高さより高く持ち上げないとバケット6が荷台にぶつかってしまうためである。例えば熟練していないオペレータが操縦していた場合、バケット6を所定の高さHまで持ち上げないまま旋回するおそれがある。そのような場合には、バケット6をダンプカーの荷台にぶつけてしまうおそれがある。
【0027】
オペレータは、ブーム上げ旋回動作が完了したと判断したら、次に、図3(e)に示すようにアーム5及びバケット6を開いて、バケット6内の土を排出する。この動作をダンプ動作と称し、この動作区間をダンプ動作区間と称する。ダンプ動作では、バケット6のみを開いて排土してもよい。
【0028】
オペレータは、ダンプ動作が完了したと判断したら、次に、図3(f)に示すように、上部旋回体3を旋回してバケット6を掘削位置の真上に移動させる。このとき、旋回と同時にブーム4を下げてバケット6を掘削開始位置まで下降させる。この動作は図3(a)にて説明したブーム下げ旋回動作の一部である。オペレータは、図3(a)に示すようにバケット6を掘削開始位置から目標の掘削深さDまで下降させ、再び図3(b)に示す掘削動作を行なう。
【0029】
以上の「ブーム下げ旋回動作」、「掘削動作」、「ブーム上げ旋回動作」、「ダンプ動作」、「ブーム下げ旋回動作」を一サイクルとしてこのサイクルを繰り返し行いながら、掘削・積込みを進めていく。各動作が完了したか否か、すなわち各動作区間においてなすべき動作が終了したか否かはオペレータの判断によるものであり、オペレータが判断を誤った場合などは、一つの動作区間が完了しないのに、次の動作区間に移行してしまうおそれがある。そのような場合は、完了しなかった動作区間をやり直すことで作業効率が低下するばかりでなく、例えば、バケット6をダンプカーの荷台にぶつけて損傷するといった問題を引き起こす可能性がある。
【0030】
そこで、本発明の一実施形態による作業方法では、上述の各動作区間において動作目標値を定め、動作目標値をクリアしなければ次の動作区間に進めないようにしている。例えば、図3(a)に示すブーム下げ旋回動作区間では、掘削深さの目標値を設定し、バケット6の位置が目標値に達しないと次の掘削動作区間に進むことができないように動作を制限する。
【0031】
ここで、本発明の一実施形態による作業方法について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4は本発明の一実施形態による建設機械で行なう作業方法のフローチャートである。図4に示す作業方法は、建設機械として上述の油圧ショベルを用い、上述の掘削・積込み動作を行なうものである。
【0032】
掘削・積込み動作を開始するには、オペレータは、まず、行なうべき作業動作(この場合、掘削・積込み動作)を選択する。本実施形態による作業方法を実行する油圧ショベルには、油圧ショベルで行なう作業動作の基本動作が設定されており、各動作区間での動作目標値が設定できるようになっている。そこで、オペレータは各動作区間での動作目標値を油圧ショベルの制御装置20に入力する。動作目標値は、各動作区間で予め決定される設定値であり、本実施形態において、ブーム下げ旋回動作区間では、動作目標値はこれから掘削しようとする掘削深さDである。また、掘削動作区間での動作目標値はアーム角θ2の値(例えば−90度)及びバケット角θ3の値(例えば−90度)である。ブーム上げ旋回動作区間での動作目標値は地面からバケット6までの高さHBである。ダンプ動作区間での動作目標値は、バケット角θ3の値(例えば0度)である。以上の各動作区間における動作目標値は、その動作区間で達成しなければならない動作が完了したか否かを判断するための設定値であり、上述の設定値に限定されるものではない。
【0033】
動作目標値の設定が終了したら、ステップS1において、オペレータは油圧ショベルを操縦して、掘削・積込み動作を開始するための初期状態に設定し、初期状態設定が終了したか否かを判定する。
【0034】
図5は初期状態設定処理のフローチャートである。初期状態設定処理が開始されると、まず、ステップS15において、油圧ショベルの制御装置20は現在の掘削深さを算出する。そして、ステップS16において、制御装置20はバケット6の先端が掘削開始深さに到達したか否かを判定する。ステップS16において、バケット6の先端が掘削開始深さに到達していないと判定されると、ブーム下げ旋回動作が完了していないと判定され、処理はステップS17に進む。ステップS17では、制御装置20はブーム下げ旋回動作の終了を許可しない処理を行なう。ステップS17の処理の後、処理はステップS15からステップ16に戻り、制御装置20は再びバケット6の先端が掘削開始深さに到達したか否かを判定してブーム下げ旋回動作が完了したか否かを判定する。
【0035】
一方、ステップS16において、バケット6の先端が掘削開始深さに到達したと判定されると、ブーム下げ旋回動作が完了したと判定され、処理はステップS18に進む。ステップS18では、制御装置20はブーム下げ旋回動作の終了を許可する。これにより、オペレータは、操縦レバーを操作してブーム4を下げ、掘削動作を開始することができる。
【0036】
以上のように、オペレータは、バケット6を掘削開始位置に移動してからバケット6を掘削深さまで下降させる。このときの掘削深さは上述の動作目標値である。そして、オペレータはアーム5及びバケット6を操作して掘削動作を行なう。掘削動作を行なっている間は掘削動作区間である。
【0037】
図4に戻り説明を続ける。掘削動作区間が開始されると、ステップS2において、油圧ショベルの制御装置20は掘削動作区間が終了したか否かを判定する。この判定は上述の動作目標値に基づいて行なわれる。すなわち、掘削動作区間では、油圧ショベルの制御装置20はアーム角θ2及びバケット角θ3と動作目標値とを比較しており、アーム角θ2及びバケット角θ3の両方がそれぞれの動作目標値に到達したか否かを判定する。
【0038】
ステップS2においてアーム角θ2及びバケット角θ3がそれぞれの動作目標値に到達していないと判定されると、掘削動作区間は未だ終了していないと判定し、処理はステップS3に進む。ステップS3では、制御装置20はブーム上げ旋回動作区間に移行することを許可しない制御処理を行なう。すなわち、ステップS3において、制御装置20は、ブーム4を上げる動作及び上部旋回体3を旋回する動作の実行を禁止する。したがって、オペレータはブーム4を上げるように操縦レバーを操作してもブーム4は上がらなく、また、上部旋回体3を旋回するように操作レバーを操作しても、上部旋回体3は旋回しない。これにより、オペレータは未だ掘削動作区間が終了していないことを認識し、掘削動作を続けて行なう。ステップS3の処理が終了したら、処理はステップS2に戻り、再び、掘削動作区間が終了したか否かを判定する。
【0039】
一方、ステップS2においてアーム角θ2及びバケット角θ3がそれぞれの動作目標値に到達したと判定されると、掘削動作区間が終了したと判定し、処理はステップS4に進む。ステップS4では、ブーム上げ旋回動作区間に移行することを許可する。すなわち、ステップS3において、制御装置20は、ブーム4を上げる動作及び上部旋回体3を旋回する動作の実行を許可する。したがって、オペレータがブーム4を上げるように操縦レバーを操作すれば操作のとおりにブーム4は上がり、また、上部旋回体3を旋回するように操作レバーを操作すれば、操作のとおりに上部旋回体3は旋回する。これにより、オペレータは操作レバーを操作してブーム上げ旋回動作を行なうことができる。
【0040】
以上のステップS2〜S4までの処理が掘削動作区間での動作終了判定処理である。この切削動作区間での動作終了判定処理について、図5を参照しながらさらに詳細に説明する。図6は掘削動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
【0041】
掘削動作区間に入ると、ステップS21において、油圧ショベルの制御装置20は現在のバケット6による掘削深さを演算により求める。そして、ステップS22において、制御装置20はアーム角θ2が−90度なったか否かを判定する。アーム角θ2が−90度になるということは、アーム5が地面に対して垂直になることである。バケット6の水平引き動作はアーム5が垂直になった時点で終了すると規定する。
【0042】
ステップS22において、アーム角θ2が−90度になっていないと判定されると、水平引き動作が完了していないと判定され、処理はステップS23に進む。ステップS23では、制御装置20はバケット掘削を許可しない処理を行なう。バケット掘削とは、バケット6をアーム5に対して−90度になるように閉じて土をバケット6ですくい上げることである。ステップS23の処理の後、処理はステップS22に戻り、制御装置20は再び水平引き動作が完了したか否かを判定する。
【0043】
一方、ステップS22において、アーム角θ2が−90度になったと判定されると、水平引き動作が完了したと判定され、処理はステップS25に進む。ステップS25では、制御装置20はバケット掘削を許可する。これにより、オペレータは、操縦レバーを操作してバケット6を閉じることができる。
【0044】
バケット6を閉じる動作が行なわれると、ステップS25において、制御装置20はバケット角θ3が−90度になったか否かを判定する。バケット角θ3が−90度になることは、バケット6の上縁が水平になるまでバケット6が閉じられたことであり、バケット6土をすくい上げた状態となったことである。したがって、この時点でバケット掘削が終了したと判定することができる。
【0045】
ステップS25において、バケット角θ3が−90度になっておらずバケット掘削が完了していないと判定されると、処理はステップS26に進む。ステップS26では、制御装置20はブーム上げ旋回動作を許可しない処理を行なう。すなわち、ステップS26では、ブーム4を上げる動作と、上部旋回体3を旋回する動作を行なうことができないように制御処理が行なわれる。この制御処理が行なわれると、オペレータが操作レバーを操作してブーム4を上げようとしても、ブーム4は動作しない。また、オペレータが操作レバーを操作して上部旋回体3を旋回させようとしても、上部旋回体は旋回しない。これにより、オペレータは未だバケット掘削が完了していないことを認識し、引き続きバケット6を閉じるように操作する。ステップS26の処理の後、処理はステップS25に戻り、制御装置20は再びバケット掘削が完了したか否かを判定する。
【0046】
一方、ステップS25において、バケット角θ3が−90度になってバケット掘削が完了したと判定されると、処理はステップS27に進む。ステップS27では、制御装置20はブーム上げ旋回動作を許可する処理を行なう。これにより、オペレータは操作レバーを操作してブーム4を上げて上部旋回体3を旋回させることができる。すなわち、ブーム上げ旋回動作区間へ移行することができる。
【0047】
以上の処理が図4のステップS2〜S4までの処理(掘削動作区間での処理)に相当する。ステップS4において、ブーム上げ旋回動作が許可されると、続いて、ステップS5において、油圧ショベルの制御装置20はブーム上げ旋回動作区間が終了したか否かを判定する。この判定は上述の動作目標値に基づいて行なわれる。すなわち、ブーム上げ旋回動作区間では、油圧ショベルの制御装置20はバケット6の高さHBと動作目標値とを比較しており、バケット6の高さHBが動作目標値に到達したか否かを判定する。
【0048】
ステップS5においてバケット6の高さHBが動作目標値に到達していないと判定されると、ブーム上げ旋回動作区間は未だ終了していないと判定し、処理はステップS6に進む。ステップS6では、制御装置20はダンプ動作区間に移行することを許可しない制御処理を行なう。すなわち、ステップS6において、制御装置20は、バケット6及びアーム5を開く動作の実行を禁止する。したがって、オペレータがバケット6を開くように操縦レバーを操作してもバケット6は開かなく、また、アーム5を開くように操作レバーを操作しても、アーム5は開かない。これにより、オペレータは未だブーム上げ旋回動作区間が終了していないことを認識し、ブーム上げ旋回動作を続けて行なう。ステップS6の処理が終了したら、処理はステップS5に戻り、再びブーム上げ旋回動作が終了したか否かを判定する。
【0049】
一方、ステップS5においてバケット6の高さHBが動作目標値に到達したと判定されると、ブーム上げ旋回動作区間が終了したと判定し、処理はステップS7に進む。ステップS7では、制御装置20はダンプ動作区間に移行することを許可する制御処理を行なう。したがって、オペレータがバケット6を開くように操縦レバーを操作すればバケット6は開くようになり、また、アーム5を開くように操作レバーを操作すれば、アーム5は開くことになる。これにより、これにより、オペレータは操作レバーを操作してブーム上げ旋回動作を行なうことができる。
【0050】
以上のステップS5〜S7までの処理がブーム上げ旋回動作区間での動作終了判定処理である。このブーム上げ旋回動作区間での動作終了判定処理について、図7を参照しながらさらに詳細に説明する。図7はブーム上げ旋回動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
【0051】
ブーム上げ旋回動作区間に入ると、ステップS31において、油圧ショベルの制御装置20は現在のバケット6の高さHBを検出する。そして、ステップS32において、制御装置20はバケット6の高さHBが動作目標値として設定された高さとなったか否かを判定する。すなわち、バケット6が目標の高さまで上げられたか否かが判定される。この判定処理は、例えば、バケット6の最下部がダンプカーの荷台よりも上まで持ち上げられたか否かを判定する処理である。ダンプ動作は、バケット6の高さHBが動作目標値として設定された高さとなった時点で終了すると規定する。
【0052】
ステップS32において、バケット6の高さHBが動作目標値として設定された高さとなっていないと判定されると、ダンプ動作が完了していないと判定され、処理はステップS33に進む。ステップS33では、制御装置20はダンプ動作を許可しない処理を行なう。このステップS33の処理は図4におけるステップS6の処理に相当する。ステップS33の処理の後、処理はステップS32に戻り、制御装置20は再びバケット6の高さHBが動作目標値として設定された高さとなったか否かを判定する。
【0053】
一方、ステップS32において、バケット6の高さHBが動作目標値として設定された高さとなったと判定されると、ブーム上げ旋回動作が完了したと判定され、処理はステップS34に進む。ステップS34では、制御装置20はダンプ動作を許可する。このステップS34の処理は図4のステップS7の処理に相当する。これにより、オペレータは、操縦レバーを操作してバケット6を開き、排土を行なうことができる。
【0054】
以上の処理が図4のステップS5〜S7までの処理(ブーム上げ旋回動作区間での処理)に相当する。ステップS7において、ダンプ動作が許可されると、続いて、ステップS8において、油圧ショベルの制御装置20はダンプ動作区間が終了したか否かを判定する。この判定は上述の動作目標値に基づいて行なわれる。すなわち、ダンプ動作区間では、油圧ショベルの制御装置20はバケット角θ3と動作目標値とを比較しており、バケット角θ3が動作目標値である0度に到達したか否かを判定する。
【0055】
ステップS7においてバケット角θ3が動作目標値である0度に到達していないと判定されると、ダンプ動作区間は未だ終了していないと判定し、処理はステップS9に進む。ステップS9では、制御装置20はブーム下げ旋回動作区間に移行することを許可しない制御処理を行なう。すなわち、ステップS9において、制御装置20は、ブーム4を下げて旋回する動作の実行を禁止する。したがって、オペレータがブーム4を下げるように操縦レバーを操作してもブーム4は下がらず、また、上部旋回体3を旋回させるように操作レバーを操作しても、上部旋回体3は旋回しない。これにより、オペレータは未だダンプ動作が終了していないことを認識し、ダンプ動作を続けて行なう。ステップS9の処理が終了したら、処理はステップS8に戻り、再びダンプ動作が終了したか否かを判定する。
【0056】
一方、ステップS8においてバケット角θ3が動作目標値である0度に到達したと判定されると、ダンプ動作区間が終了したと判定し、処理はステップS10に進む。ステップS10では、制御装置20はブーム下げ旋回動作区間に移行することを許可する制御処理を行なう。したがって、オペレータがブーム4を下げるように操縦レバーを操作すればブーム4は下がるようになり、また、上部旋回体3を旋回するように操作レバーを操作すれば、上部旋回体3は旋回することとなる。これにより、オペレータは操作レバーを操作してブーム下げ旋回動作を行なうことができる。
【0057】
以上のステップS8〜S10までの処理がダンプ動作区間での動作終了判定処理である。このダンプ動作区間での動作終了判定処理について、図8を参照しながらさらに詳細に説明する。図8はダンプ動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
【0058】
ダンプ動作区間に入ると、ステップS41において、油圧ショベルの制御装置20は現在のバケット角θ3の値を検出する。そして、ステップS42において、制御装置20はバケット角θ3が動作目標値である0度なったか否かを判定する。
【0059】
ステップS42において、バケット角θ3が0度になっていないと判定されると、ダンプ動作が完了していないと判定され、処理はステップS43に進む。ステップS43では、制御装置20はブーム下げ旋回動作を許可しない処理を行なう。このステップS43の処理は図4におけるステップS9の処理に相当する。ステップS43の処理の後、処理はステップS41からステップS42に戻り、制御装置20は再びバケット角θ3が0度に達したか否かを判定してダンプ動作が完了したか否かを判定する。
【0060】
一方、ステップS42において、バケット角θ3が0度になったと判定されると、ダンプ動作が完了したと判定され、処理はステップS44に進む。ステップS44では、制御装置20はブーム下げ旋回動作を許可する。このステップS44の処理は図4のステップS10の処理に相当する。これにより、オペレータは、操縦レバーを操作してブーム4を下げ、且つ上部旋回体3を旋回させることができる。
【0061】
以上の処理が図4のステップS8〜S10までの処理(ブーム下げ旋回動作区間での処理)に相当する。ステップS10において、ブーム下げ旋回動作が許可されると、続いて、ステップS11において、油圧ショベルの制御装置20はブーム下げ旋回動作区間が終了したか否かを判定する。この判定は上述の動作目標値に基づいて行なわれる。すなわち、ブーム下げ旋回動作区間では、油圧ショベルの制御装置20はバケット6の先端の高さと動作目標値とを比較しており、バケット6の先端の高さが動作目標値である掘削深さに到達したか否かを判定する。
【0062】
ステップS11においてバケット6の先端の高さが動作目標値である掘削深さに到達していないと判定されると、ブーム下げ旋回動作区間は未だ終了していないと判定し、処理はステップS12に進む。ステップS12では、制御装置20はブーム下げ旋回動作の終了を許可しない制御処理を行なう。
【0063】
以上のステップS11〜S12までの処理がブーム下げ旋回動作区間での動作終了判定処理である。このブーム下げ旋回動作区間での動作終了判定処理について、図9を参照しながらさらに詳細に説明する。図9はブーム下げ旋回動作区間での動作終了判定処理のフローチャートである。
【0064】
ブーム下げ旋回動作区間に入ると、ステップS51において、油圧ショベルの制御装置20は現在の掘削深さを算出する。そして、ステップS52において、制御部はバケット6の先端が掘削開始深さに到達したか否かを判定する。今回掘削した位置からずれた位置で同じ掘削深さで掘削する場合は、掘削開始深さは初期状態設定において設定した深さとすればよい。あるいは、今回掘削した位置と同じ位置でより深く掘削するのであれば、掘削開始深さをより深い値に設定することとしてもよい。
【0065】
ステップS52において、バケット6の先端が掘削開始深さに到達していないと判定されると、ブーム下げ旋回動作が完了していないと判定され、処理はステップS53に進む。ステップS53では、制御装置20はブーム下げ旋回動作の終了を許可しない処理を行なう。このステップS53の処理は図4におけるステップS12の処理に相当する。ステップS53の処理の後、処理はステップS51からステップ52に戻り、制御装置20は再びバケット6の先端が掘削開始深さに到達したか否かを判定してブーム下げ旋回動作が完了したか否かを判定する。
【0066】
一方、ステップS52において、バケット6の先端が掘削開始深さに到達したと判定されると、ブーム下げ旋回動作が完了したと判定され、処理はステップS54に進む。ステップS54では、制御装置20はブーム下げ旋回動作の終了を許可する。これにより、オペレータは、操縦レバーを操作してブーム4を下げ、再び掘削動作を開始することができる。
【0067】
なお、掘削・積込み動作の一サイクルを終えて次のサイクルを実行するときに、それまで実行したサイクルの回数に基づいて、掘削深さを自動的に深くするように設定してもよい。あるいは、それまで実行したサイクルにより掘削した部分の幅に基づいて掘削深さを自動的に深くすることもできる。
【0068】
図4に戻り、ステップS11においてバケット6の先端の高さが動作目標値である掘削深さに到達したと判定されると、処理はステップS13に進む。ステップS13では、今回の掘削作業が完了したか否かを判定する。ステップS13において今回の掘削作業が完了していないと判断された場合は、処理はステップS2に戻り、掘削作業を続ける。ステップS13において今回の掘削作業が完了したと判断された場合は、掘削・積み込み動作を行なう処理を終了する。
【0069】
以上のように、本実施形態による作業方法によれば、建設機械を用いて行なう作業を動作区間に分け、動作区間毎に動作目標値を設定して、動作目標値が達成されたか否かを判定する。そして、動作目標値が達成されないと、次の動作区間に進むことができないようにしておくことで、各動作区間で必ず達成しなければならない動作を確実に実行させることができる。したがって、熟練していないオペレータが建設機械を操縦したとしても、各動作区間における動作を完全に実行しないまま次の動作区間に移行することが防止される。本実施形態による作業方法は、バケットの軌跡を求めて制御するような複雑な演算を必要とせず、簡単な制御で達成することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
20 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9