(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
部品入りのスティックを複数段に収容し、下側に空のスティック排除用の空間を有するフレームと、該フレーム内で各スティックを複数段に保持する保持手段と、複数段の各スティックを該保持手段と共に一段分下降させ、且つ各スティックとは別に該保持手段を原位置に一段分上昇復帰させる昇降手段と、該保持手段による各スティックの保持と解除を行わせる駆動手段と、少なくとも該解除時に最下段以外のスティックを保持する他の保持手段とを備え、
前記保持手段が、縦方向の軸部に固定されて各スティックの上下に配置される横方向の複数本のピンであり、該軸部が前記駆動手段で各ピンと一体に回動することを特徴とする部品収納スティック入替装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された部品供給装置にあっては、コネクタ供給用のチューブ(スティック)を複数段に配置しているが、最下段のチューブが空になった際に、例えば作業者が最下段のチューブを手作業で後方に抜き取る等して上側のチューブを最下段に移動させることになり、チューブの入れ替え作業が面倒で、部品の供給効率が低下するという懸念があった。
【0007】
本発明は、上記した点に鑑み、部品を供給し終えたスティックを部品入りのスティックに効率良く入れ替えることができる部品収納スティック入替装置及び部品収納スティック入替方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る部品収納スティック入替装置は、部品入りのスティックを複数段に収容し、下側に空のスティック排除用の空間を有するフレームと、該フレーム内で各スティックを複数段に保持する保持手段と、複数段の各スティックを該保持手段と共に一段分下降させ、且つ各スティックとは別に該保持手段を原位置に一段分上昇復帰させる昇降手段と、該保持手段による各スティックの保持と解除を行わせる駆動手段と、少なくとも該解除時に最下段以外のスティックを保持する他の保持手段とを備え
、前記保持手段が、縦方向の軸部に固定されて各スティックの上下に配置される横方向の複数本のピンであり、該軸部が前記駆動手段で各ピンと一体に回動することを特徴とする。
【0009】
上記構成により、部品入りのスティックがフレーム内に複数段に収容され、フレーム内で各スティックが保持手段で複数段に保持され、最下段のスティック内の部品が部品供給路に供給され、最下段のスティックが空になった後(時点で)、複数段の各スティックが保持手段と共に昇降手段で一段分下降して、下から二段目のスティックが部品供給路に位置し(連続し)、下から二段目のスティック内の部品を供給可能となり、下から二段目以上(二段目も含む)のスティックが他の保持手段で支持され、保持手段の保持が駆動手段で解除されることで、最下段のスティックがフレームの下側空間に落下し、保持手段が昇降手段で一段分上昇して原位置に復帰する。以下このサイクルが、部品入りのスティックがなくなるまで(最上段のスティックが落下するまで)行われる。
【0011】
また、ピンがスティックの上下に接しないし近接し、下側のピンがスティックを落下なく支持し、上側のピンが昇降手段による下降時にスティックを押し下げる。各ピンが軸部と一体に一方向に回動してスティックに接しないし近接し、他方向に回動してスティックから離間する。離間時に他の保持手段がスティックの落下を阻止する。各ピンは長いスティックの前後を支持するように各一対(軸は一対)であることが好ましい。
【0012】
請求項
2に係る部品収納スティック入替装置は、
部品入りのスティックを複数段に収容し、下側に空のスティック排除用の空間を有するフレームと、該フレーム内で各スティックを複数段に保持する保持手段と、複数段の各スティックを該保持手段と共に一段分下降させ、且つ各スティックとは別に該保持手段を原位置に一段分上昇復帰させる昇降手段と、該保持手段による各スティックの保持と解除を行わせる駆動手段と、少なくとも該解除時に最下段以外のスティックを保持する他の保持手段とを備え、前記他の保持手段が、最下段のスティックを支持し、他の駆動手段で進退自在なストッパと、二段目以上のスティックを支持する突起を有して回動自在な支持ベルトとで構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、
部品入りのスティックがフレーム内に複数段に収容され、フレーム内で各スティックが保持手段で複数段に保持され、最下段のスティック内の部品が部品供給路に供給され、最下段のスティックが空になった後(時点で)、複数段の各スティックが保持手段と共に昇降手段で一段分下降して、下から二段目のスティックが部品供給路に位置し(連続し)、下から二段目のスティック内の部品を供給可能となり、下から二段目以上(二段目も含む)のスティックが他の保持手段で支持され、保持手段の保持が駆動手段で解除されることで、最下段のスティックがフレームの下側空間に落下し、保持手段が昇降手段で一段分上昇して原位置に復帰する。以下このサイクルが、部品入りのスティックがなくなるまで(最上段のスティックが落下するまで)行われる。
また、二段目以上のスティックが支持ベルトの突起で下側を支持され(ピン等の保持手段で支持されている時もいない時も常時支持され)、ピン等の保持手段でスティックが押し下げられるに伴って支持ベルトが押し下げ力で一体に回動する。最下段のスティックは、前進(突出)したストッパで支持され、ストッパの後退動作で支持が解除されて、ピン等の保持手段と一体に一段下降する。
【0014】
請求項
3に係る部品収納スティック入替方法は、部品入りのスティックをフレーム内に複数段に収容し、
縦方向の軸部に固定されて各スティックの上下に配置される保持手段としての横方向の複数本のピンで該フレーム内に各スティックを複数段に保持し、最下段のスティック内の部品を部品供給路に供給し、最下段のスティックが空になった後、
昇降手段で該軸部と共に下降する該複数本のピンで複数段の各スティック
を一段分下降させて、下から二段目のスティックを該部品供給路に位置させ、下から二段目以上のスティックを他の保持手段で支持し、
該軸部を駆動手段で該複数本のピンと一体に回動させて該複数本のピンによる全段のスティックの保持
を解除して、最下段のスティックをフレームの下側空間に落下させ、
該軸部及び該複数本のピンを該昇降手段で一段分上昇させることを特徴とする。
【0015】
上記構成により、部品入りのスティックがフレーム内に複数段に収容され、フレーム内で各スティックが保持手段で複数段に保持され、最下段のスティック内の部品が部品供給路に供給され、最下段のスティックが空になった後(時点で)、複数段の各スティックが保持手段と共に昇降手段で一段分下降して、下から二段目のスティックが部品供給路に位置し(連続し)、下から二段目のスティック内の部品を供給可能となり、下から二段目以上(二段目も含む)のスティックが他の保持手段で支持され、保持手段の保持が駆動手段で解除されることで、最下段のスティックがフレームの下側空間に落下し、保持手段が昇降手段で一段分上昇して原位置に復帰する。以下このサイクルが、部品入りのスティックがなくなるまで(最上段のスティックが落下するまで)行われる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、部品を供給し終えたスティックを部品入りのスティックに効率良く迅速に入れ替えることができ、部品の供給を途絶えることなく連続して行わせることができる。
【0017】
また、軸部の回動操作で複数のピンを同時にスティックの保持方向又は保持解除方向に回動させることができ、装置の構造をコンパクト化することができる。
【0018】
請求項
2記載の発明によれば、スティックの下降時に支持ベルトをスティックの押し下げ力で一体に回動させることで、ピン等の保持手段が解除されていても、二段目以上のスティックを支持ベルトで安定して支持させることができる。また、最下段のスティックを進退自在なストッパで支持することで、カラになった最下段のスティックを排除スペースに確実に落下させることができる。
【0019】
請求項
3記載の発明によれば、部品を供給し終えたスティックを部品入りのスティックに効率良く迅速に入れ替えることができ、部品の供給を途絶えることなく連続して行わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜
図4は、本発明に係る部品収納スティック入替装置の一実施形態を示すものである。
【0022】
この部品収納スティック入替装置1は、部品入りの矩形筒状の部品収納スティック(以下スティックと言う)2(2
1〜2
5)を複数段(本例で五段)に積層配置し(
図1)、最下段のスティック2
1内の不図示の部品が全て供給されて空(カラ)になった時点で、各スティック2を同時に一段下降させて(
図2)、下から二段目の部品入りのスティック2
2を部品供給位置3に配置する(入れ替える)と共に、最下段の不要なスティック2
1を下方の排除スペースに落下させ(
図3)、以下その動作を繰り返して(
図4)、全てのスティック2内の部品を順に供給させつつ、不要となったスティック2を排除するものである。
【0023】
図1(a)(b)の如く、部品収納スティック入替装置1は、各スティック2を複数段に収容すべく、各スティック2の短手方向の横幅よりも若干広い内幅で扁平に形成されて、板状の前後の幅狭な壁部4,5と左右の幅広の壁部(側壁)6と底壁7とで成る金属製のフレーム8と、複数段の各スティック2毎に複数段に配置され、一側壁6のスリット孔9を経て外側から内側に次いで内側から外側に横方向に90°の角度で回動自在なスティック支持兼送り用の前後の各ピン10(
図1(a))と、一側壁6の外側に配置され、複数段の前後の各ピン10を一体に連結した前後一対の縦長の軸部(ロッド)11と、一側壁6の外側に配置され、最上段の前後のピン10の近傍で各軸部11をピン10と一体に回動(駆動)させる平行リンク12と、平行リンク12を前後方向に駆動する前側の横方向のエアシリンダ13と、一側壁6に固定され、各軸部11をスティック一段分のストロークで昇降させる縦方向のエア圧式の両ロッドシリンダ14と、前後の壁部4,5に設けられ、下から二段目から五段目の各スティック2
2〜2
5の前後端部を支持する突起15を有する回動式の無端の支持ベルト16と、前後の壁部4,5に設けられ、最下段のスティック2
1を支持するストッパ17を有する横方向のエアシリンダ18とを備えている。
【0024】
複数のピン10と軸部11とで保持手段(主保持手段)が構成され、支持ベルト16とストッパ17付きのシリンダ(他の駆動手段)18とで第一及び第二の他の保持手段(副保持手段)が構成され、平行リンク12とシリンダ13とで駆動手段が構成され、縦置きのシリンダ14で昇降手段が構成される。
【0025】
図1(b)の如くフレーム8は前下がりに傾斜して不図示の基台に配置固定され、フレーム8内に収容された各スティック2もフレーム8と同じ角度で前下がりに傾斜して配置される。フレーム8の板状の各壁部4〜7はボルト19又はリベットで相互に固定されている。前壁4は底壁7から直角に延び、後壁5は前壁4よりも上半側のみで短く形成され、底壁7と後壁5の下端との間にスティック排出用の開口20が設けられている。開口20の前方のフレーム内の空間(前壁4と底壁7と左右の側壁6とで囲まれた空間)21はスティック排除(落下)用のスペースとして作用する。最下段のピン10とそれを挿通させる一側壁6のスリット9はスペース21の上側に位置する。
【0026】
図1(a)の如く、フレーム8内に突出したピン10は両側壁6の間隔よりも少し短く形成されて一側壁6に直交し、ピン10の先端10aは他側壁6に近接して位置する。ピン10の基端に軸部11が固定され、軸部11は、一方(内側)の長い固定リンク(又はリンク取付ベース)22の孔部に回動自在に貫通して短リンク24の一端部に固定され、固定リンク22は軸部11に対する軸受として作用し、短リンク24は軸部11と他方(外側)の長い可動リンク23とを斜めに連結し、短リンク24の他端部に設けられたリンク幅方向の長孔25に可動リンク24の軸(符号25で代用)が移動自在に係合している。これは前後の各ピン10において同様である。
【0027】
可動リンク23に設けられた長手方向の長孔26に固定リンク22側の位置決め用の軸27がスライド自在に係合している。可動リンク23の前端に横向きのエアシリンダ13のロッド13aが連結され、エアシリンダ13の本体部分13bは固定リンク(リンク取付ベース)22に固定されている。左右一対の固定リンク22と可動リンク23と前後一対の短リンク24とで平行リンク12が構成されている。
【0028】
図1(a),
図2(a)のシリンダ13のロッド13aの圧縮状態でピン10がフレーム8内に突出し、
図3(a),
図4(a)のシリンダ13のロッド13aの伸長状態で内側の固定リンク22に対して(沿って)外側の可動リンク23が後方に真直に移動し、各短リンク24が軸部11を支点に後方に反時計回りに90°の角度で回動し、各短リンク24と一体に各ピン10が反時計回りに90°の角度で回動してフレーム8の一側壁6のスリット9を経て外側に逃げて、固定リンク22と平行に位置する。短リンク24の長孔25を排除した場合は、可動リンク23が固定リンク22から外向きに離間するので、シリンダ13を揺動式とする必要がある。
【0029】
図1(b)において、前後の各ピン10は、最上段から最下段の五本の各スティック2の上側と、最下段のスティック2
1の下側とにそれぞれ接して計六段に平行に配置され、
図3の如く、下から一本目〜三本目のピン10は相互に等間隔に、且つ下から四本目〜六本目のピン10は相互に等間隔に配置され、
図1(b)における各ピン10を挿通させる一側壁6のスリット9は、計六段のピン10に対応した位置のスリット9に加えて、最下段のスティック2
1のさらに一段下側に一つのスリット9
1が平行に設けられている。
【0030】
前後の軸部11の上部と下部とに連結板28が平行に設けられ、各軸部11は連結板28に対して周方向回動自在に係合し、且つ軸(上下)方向移動不能に固定されている。上下の連結板28に両ロッドシリンダ14の上下のロッド14a,14bが連結され、両ロッドシリンダ14の本体部分14cはフレーム8の一側壁6に固定されている。
図1(b)において上側のロッド14aが伸長し、下側のロッド14bが圧縮され、各ロッド14a,14bと共に各連結板28が上昇し、連結板28と一体に前後の各軸部11が各段のピン10と一体に上昇している。各段のピン10は各段のスティック2の上端面と最下段のスティック2
1の下端面とに接触し、下から二〜五段目(二段目以上)のスティック2
2〜2
5の下端面に近接している。
【0031】
前後の支持ベルト16は、上下のローラ16aの間に回動自在
に設けられ、各ローラ16aはフレーム8の前後の壁部4,5の外側で左右の壁部6に回動自在に軸支されている。支持ベルト16は無端のベルト本体(符号16で代用)と、ベルト本体の外面に等間隔で設けられた複数の突起15とで成り、各突起15は下から二段目〜最上段までの各スティック2
2〜2
5の前後端の下端面を支持している。突起15は合成樹脂ないし金属で形成され、ゴム製のベルト本体にねじ締め等で固定される。
【0032】
最下段のスティック2
1は最下段のピン10
1又は、前後のエアシリンダ18のロッドの先端に固定されたストッパ17で下端面を支持される。エアシリンダ18の本体部分(符号18で代用)は支持ベルト16の下側においてフレーム8の前後の壁部4,5の外側で左右の側壁6に固定されている。
【0033】
図1,
図2においてエアシリンダ18のロッドは圧縮されて、ストッパ17は前後の壁部4,5の外側に引っ込んで最下段のスティック2
1の支持を解除し、最下段のスティック2
1はピン10
1のみで支持されている。
図3,
図4において、ピン10はフレーム8の外側に逃げて各スティック2の支持を解除し、エアシリンダ18のロッドの伸長でストッパ17が最下段のスティック2
1の下端面を支持している。
【0034】
以下に
図1〜
図4の順で、部品収納スティック入替装置1の作用すなわち部品収納スティック入替方法ないしは部品供給方法の一実施形態を説明する。
【0035】
図1において五段の部品入りのスティック2が支持ベルト16の各突起15と最下段のピン10
1とストッパ17で支持及び位置決めされ(二段目以上のピン10も実質的には二段目以上のスティック2を支持している)、最下段のスティック2
1の前部開口2aから部品が部品供給位置3で不図示の部品供給路に供給される。
【0036】
最下段のスティック2
1内の部品がなくなった時点で、
図2の如くエアシリンダ18のロッドの圧縮動作でストッパ17を引き込み、縦置きのエアシリンダ14の上側のロッド14aが圧縮され、下側のロッド14bが伸長して、連結板28と一体に軸部11とピン10が開いた状態で一段下降し、各段のピン10が各段のスティック2の上端面を下向きに押圧して各スティック2を一段下降させる(押し下げる)。
【0037】
最下段と下から二番目のスティック2
1,2
2が各ピン10のみで下端面を支持され、下から三段目〜五段目の各スティック2
3〜2
5が前後の支持ベルト16の各突起15で下端面を支持される(三段目以上のピン10も実質的には三段目以上のスティック2を支持している)。支持ベルト16はピン10によるスティック2の押し下げ力でローラ16aとの摩擦抵抗に抗してスティック2と一体にスティック下降方向(図で前側の支持ベルト16は時計回り、後側の支持ベルト16は反時計回り)に回動する。
【0038】
次いで、
図3(b)の如く、前後のエアシリンダ18のロッドが伸長して、ストッパ17がフレーム8内に突出し、下から二段目のスティック2
2の下端面が支持され、次いで
図3(a)の如く、上側のエアシリンダ13のロッド13aが伸長して平行リンク12が作動して(外側の可動リンク23が後退して短リンク24が軸部11及びピン10と一体に反時計回りに回動して)、全てのピン10がフレーム8の一側壁6から外側に閉じるように回避(離脱)することで、フレーム8内の最下段のスティック2
1が支持を失って下側の排除スペース21に落下してフレーム8の底壁7で支持され、スティック2
1の後端部が開口20から露出する。
【0039】
図1で下から二段目のスティック2
2が
図3で最下段に位置し、
図3で最下段(二番目)のスティック2
2の前部開口2aが不図示の部品供給路の後部開口に続いて部品供給部3に位置し、
図3で最下段(二番目)のスティック2
2内の部品が部品供給路に供給可能となる(部品の供給は
図4の状態で行ってもよく、あるいは
図4の状態から
図1のようにピン10を開いた状態で行ってもよい)。
【0040】
次いで
図4(b)の如く、縦置きの両ロッドシリンダ14の上側のロッド14aが伸長し、下側のロッド14bが圧縮して、ロッド14a,14bと一体に上下の各連結板28が上昇し、連結板28と一体に軸部11とピン10が閉じた状態で上昇し、最下段のピン10
1が最下段(二番目)のスティック2
2の下端面の真横に位置し、下から二段目のピン10
2が最下段(二番目)のスティック2
2の上端面の真横に位置し、下から三段目〜五段目の各ピン10が下から二段目(三番目)〜四段目(五番目)の各スティック2
3〜2
5の上端面の真横に位置し、下から六段目のピン10
6が仮想の五段目のスティック(図示せず)の上端面の真横に位置する。
【0041】
図4の状態から
図1のように上部前側のエアシリンダ13のロッド13aを圧縮し、平行リンク12の作用でピン10を開いてフレーム8内に突出させ、
図4で最下段(二番目)のスティック2
2内の部品がなくなった時点で、
図1のようにエアシリンダ18の圧縮動作でストッパ17を引き込み、両ロッドシリンダ14の下側のロッド14bを伸長させて各ピン10を一段下降させつつ、
図2のように各ピン10で各スティック2を押し下げ、エアシリンダ18の伸長動作でストッパ17を突出させて、ストッパ17で三番目のスティック2
3を保持させ、上部前側のエアシリンダ13のロッド13aを伸長させ、平行リンク12の作用でピン10を閉じてフレーム8外に逃がし、これにより最下段(二番目)のスティック2
2を落下させ、
図4のように両ロッドシリンダ14の上側のロッド14aの伸長動作で各ピン10を閉じた状態で上昇させ、上部前側のエアシリンダ13のロッド13aを圧縮させ、平行リンク12の作用でピン10を開いてフレーム8内に突出させる。
【0042】
以下このサイクル(ストッパ17の引き込み→ピン10とシリンダ14による各スティック2の下降→ストッパ17の突出→シリンダ13によるピン10の外側への逃がし→シリンダ14によるピン10の上昇→シリンダ13によるピン10の内側への突出)を繰り返して、最上段のスティック2
5が最下段に位置してスティック2
5内の部品がなくなるまで部品を部品供給路に供給する。
【0043】
全てのスティック2が排除されたら、部品入りの新たなスティック2を複数段にセットして部品の供給を続行する。
図4において最上段の空きスペース29に部品入りの新たなスティック2をセットすることも可能である。この場合は、
図4の次の工程は
図1の工程になる(戻る)。
【0044】
上記部品収納スティック入替装置1には、
図5〜
図7に示すスティック2と部品供給路30とを含む部品送り機構31を適用可能である。
図1〜
図4の装置1に
図5〜
図7の機構31を含めて部品供給装置と呼称してもよい。以下に、
図5〜
図7の構成を含めた部品収納スティック入替方法ないしは部品供給方法を説明する。
【0045】
本例の部品32は絶縁樹脂製のコネクタハウジングであり、各段のスティック2(2
1〜2
5)内に複数直列に収容されて、コネクタハウジング32の最後尾に金属製の重り球33が配置され、コネクタハウジング32の自重と重り球33の自重とで前下がりの傾斜状のスティック2内をコネクタハウジング32がスムーズにスライド下降する。スティック2の傾斜設定角度が急であれば重り球33は不要である。
【0046】
スティック2はコネクタハウジング32の形状に応じて底壁34と左右の側壁35と上壁36とで略矩形筒状に形成される。最下段のスティック2
1の前部開口2aが略凹字状(樋状)の部品供給路30の後部開口30aに連続する。前下がりの傾斜状(湾曲状)の部品供給路30の前端には停止壁37が立設され、停止壁37に当接したコネクタハウジング32が不図示のチャックで次工程の端子挿入工程に運ばれる。
【0047】
部品供給路30には重り球33を排出する孔部39が設けられ、孔部39は後下がりの重り球回収路40に連通し、孔部39の近傍(前側)において重り球回収路40に重り球検知用の近接センサ(センサ)41が設けられている。部品供給路30や重り球回収路40はフレーム基台42に固定されている。
【0048】
センサ41で重り球33を検知することで、最下段のスティック2
1が空であることが検知され、その信号が不図示の制御部に送られて、
図2の両ロッドシリンダ14の駆動(ピン10の下降動作によるスティック2の押し下げ)や、
図3の下側前後のエアシリンダ18の駆動(ストッパ17の前進による下から二段目のスティック2
2の支持)や、
図3の前側上部のエアシリンダ13の駆動(平行リンク12によるピン10の閉じ動作)による最下段のスティック2
1の排除等が順次行われる。
【0049】
図5においてセンサとして近接センサ41に代えて光電管センサやレバー式スイッチ等を用いることも可能である。重り球33を用いない場合は、例えば最下段のスティック2
1の前端部においてコネクタハウジング32の有無を光センサ等で検知させることも可能である。
【0050】
図5は
図1に対応し、
図6は
図1において最下段のスティック2
1が空になった状態に対応し、
図7は
図2に対応する。すなわち、
図1において
図5で最下段のスティック2
1が空になった時点で(正確には最下段のスティック2
1が空になり、最下段のスティック2
1の前端2aから部品供給路30の孔部39までの間のコネクタハウジング32がなくなった時点で)最下段のスティック2
1内の重り球33が孔部39から重り球回収路40に落下しつつ近接センサ41で検知され、それにより、
図2のピン10によるスティック2の押し下げ動作や、
図3の下側のエアシリンダ18のストッパ17による下から二段目のスティック2
2の支持や、
図3のピン10の閉じ動作による最下段のスティック2
1の排除や、
図4の閉じたピン10の上昇動作が行われる。
【0051】
図5において下から二段目以上のスティック2
2〜2
5にも重り球33が収容されているので、下から二段目のスティック2
2が最下段に移行して部品供給路30に連続した際にも、上記同様の操作で下から二段目のスティック2
2の空の検知や排除動作と、下から三段目のスティック2
3が下から二段目のスティック2
2に入れ替わる動作が順次自動式に行われる。重り球33を用いずにコネクタハウジング32自体の有無の検知をセンサ41で行う場合においても同様である。
【0052】
なお、上記実施形態(
図5)においては、部品としてコネクタハウジング32を用いたが、コネクタハウジング32に代えて、部品として、例えば電線圧接用の端子を収容したコネクタを用いたり、リレーや箱状のヒュージブルリンク等を用いることも可能である。
【0053】
また、上記実施形態(
図1)においては、両ロッドシリンダ14を用いて上下の連結板28を同時に昇降させたが、片ロッドシリンダと上下何れか一方の連結板28とを用いて上下何れか一方の連結板28を昇降させることも可能である。また、ストッパ17を有するシリンダ18をストッパ付きのソレノイド等で代用させることも可能である。
【0054】
また、上記実施形態(
図1)においては、主に支持ベルト16の突起15でスティック2の下面(底面)を支持し、ピン10でスティック2の上面を押し下げて支持ベルト16を回動させたが、例えば支持ベルト16を排除(省略)し、各段のピン10のみで各段のスティック2の下面と上面とを支持し、ピン10でスティック2の押し下げと支持との両方を行わせることも可能である。
図1のように前後の支持ベルト16を用いた場合、ピン10は前後ではなく中央に一つ配置することも可能である。その場合は両ロッドシリンダ14に干渉しないようにピン10を配置する。
【0055】
また、上記実施形態においては、全てのピン10を平行リンク12で開閉(突出及び収納)させたが、例えば各ピン10を各ソレノイドのロッドで代用し、ソレノイド本体を上下方向の垂直な連結板(図示せず)で連結し、その連結板を両ロッドシリンダ14で昇降させることも可能である。また、各ピン10を連結した軸部11を回動式のエアシリンダ(アクチュエータ)等に連結してピン10を開閉させることも可能である。
【0056】
また、上記実施形態においては、装置1をスティック2と一体に前下がりに傾斜させて少なくとも部品32の自重で部品32をスティック2に沿ってスライド式に供給したが、例えば部品32をエア圧等でスティック2に沿って供給する場合は、装置1を傾斜させずに水平に配置して使用可能である。