(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0021】
1.物理量検出装置
以下では、物理量として角速度を検出する物理量検出装置(角速度検出装置)を例にとり説明するが、本発明は、角速度、角加速度、加速度、力等の種々の物理量のいずれかを検出することができる装置に適用可能である。
【0022】
図1は、本実施形態の角速度検出装置(物理量検出装置の一例)の機能ブロック図である。本実施形態の角速度検出装置1は、振動子(センサー素子)100と信号処理IC(集積回路装置)2を含んで構成されている。
【0023】
振動子100は、駆動電極と検出電極が配置された振動片が不図示のパッケージに封止されて構成されている。一般的に、振動片のインピーダンスをできるだけ小さくして発振効率を高めるためにパッケージ内の気密性が確保されている。
【0024】
本実施形態の振動子100は、Zカットの水晶基板により形成された振動片を有する。水晶を材料とする振動片は、温度変化に対する共振周波数の変動が極めて小さいので、角速度の検出精度を高めることができるという利点がある。ただし、振動子100の振動片の材料としては、水晶(SiO
2)だけでなく、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO
3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO
3)等の圧電単結晶やジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスなどの圧電性材料を用いてもよいし、シリコン半導体を用いてもよい。例えば、シリコン半導体の表面の一部に、駆動電極に挟まれた酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)等の圧電薄膜を配置した構造であってもよい。
【0025】
本実施形態では、振動子100は、T型の2つの駆動振動腕を有するいわゆるダブルT型の振動片により構成される。ただし、振動子100の振動片は、ダブルT型に限定されず、例えば、音叉型やくし歯型であってもよいし、三角柱、四角柱、円柱状等の形状の音片型であってもよい。
【0026】
図2は、本実施形態の振動子100の振動片の平面図である。
図2におけるX軸、Y軸、Z軸は水晶の軸を示す。
【0027】
図2に示すように、振動子100の振動片は、2つの駆動用基部104a、104bからそれぞれ駆動振動腕101a、101bが+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。ここで、駆動振動腕101a、101bの延出方向は、Y軸からのずれが±5°以内であればよい。駆動振動腕101aの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極112及び113が形成されており、駆動振動腕101bの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極113及び112が形成されている。駆動電極112、113は、それぞれ、
図1に示した信号処理IC2の外部出力端子81、外部入力端子82を介して駆動回路20に接続される。
【0028】
駆動用基部104a、104bは、それぞれ−X軸方向と+X軸方向に延びる連結腕105a、105bを介して矩形状の検出用基部107に接続されている。ここで、連結腕105a、105bの延出方向は、X軸からのずれが±5°以内であればよい。
【0029】
検出振動腕102は、検出用基部107から+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。ここで、検出振動腕102の延出方向は、Y軸からのずれが±5°以内であればよい。検出振動腕102の上面には検出電極114及び115が形成されており、検出振動腕102の側面には共通電極116が形成されている。検出電極114、115は、それぞれ、
図1に示した信号処理IC2の外部入力端子83、84を介して検出回路30に接続される。また、共通電極116は接地される。
【0030】
駆動振動腕101a、101bの駆動電極112と駆動電極113との間に駆動信号として交流電圧が与えられると、
図3に示すように、駆動振動腕101a、101bは逆圧電効果によって矢印Bのように、2本の駆動振動腕101a、101bの先端が互いに接近と離間を繰り返す屈曲振動(励振振動)をする。
【0031】
この状態で、振動子100の振動片にZ軸を回転軸とした角速度が加わると、駆動振動腕101a、101bは、矢印Bの屈曲振動の方向とZ軸の両方に垂直な方向にコリオリの力を得る。その結果、
図4に示すように、連結腕105a、105bは矢印Cで示すような振動をする。そして、検出振動腕102は、連結腕105a、105bの振動(矢印C)に連動して矢印Dのように屈曲振動をする。このコリオリ力に伴う検出振動腕102の屈曲振動と駆動振動腕101a、101bの屈曲振動(励振振動)とは位相が90°ずれている。
【0032】
ところで、駆動振動腕101a、101bが屈曲振動(励振振動)をするときの振動エネルギーの大きさ又は振動の振幅の大きさが2本の駆動振動腕101a、101bで等しければ、駆動振動腕101a、101bの振動エネルギーのバランスがとれており、振動子100に角速度がかかっていない状態では検出振動腕102は屈曲振動しない。ところが、2つの駆動振動腕101a、101bの振動エネルギーのバランスがくずれると、振動子100に角速度がかかっていない状態でも検出振動腕102に屈曲振動が発生する。この屈曲振動は漏れ振動と呼ばれ、コリオリ力に基づく振動と同様に矢印Dの屈曲振動であるが、駆動信号とは同位相である。
【0033】
そして、圧電効果によってこれらの屈曲振動に基づいた交流電荷が、検出振動腕102の検出電極114、115に発生する。ここで、コリオリ力に基づいて発生する交流電荷は、コリオリ力の大きさ(言い換えれば、振動子100に加わる角速度の大きさ)に応じて変化する。一方、漏れ振動に基づいて発生する交流電荷は、振動子100に加わる角速度の大きさに関係せず一定である。
【0034】
なお、駆動振動腕101a、101bの先端には、駆動振動腕101a、101bよりも幅の広い矩形状の錘部103が形成されている。駆動振動腕101a、101bの先端に錘部103を形成することにより、コリオリ力を大きくするとともに、所望の共振周波数を比較的短い振動腕で得ることができる。同様に、検出振動腕102の先端には、検出振動腕102よりも幅の広い錘部106が形成されている。検出振動腕102の先端に錘部106を形成することにより、検出電極114、115に発生する交流電荷を大きくすることができる。
【0035】
以上のようにして、振動子100は、Z軸を検出軸としてコリオリ力に基づく交流電荷(角速度成分)と、励振振動の漏れ振動に基づく交流電荷(振動漏れ成分)とを検出電極114、115を介して出力する。
【0036】
図1に戻り、本実施形態の信号処理IC2は、電源回路6、基準電圧回路10、駆動回路20、検出回路30、シリアルインターフェース回路40、不揮発性メモリー50、調整回路60、レベル判定回路70を含んで構成されている。なお、本実施形態の信号処理IC2は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、新たな構成(要素)を追加した構成としてもよい。
【0037】
電源回路6は、外部入力端子86,87からそれぞれ電源電圧VDD(例えば3V)とグランド電圧VSS(0V)が供給され、信号処理IC2の内部の電源電圧を生成する。
【0038】
基準電圧回路10は、電源回路6を介して供給される電源電圧から基準電圧12(例えば1/2VDD)を生成する。
【0039】
駆動回路20は、振動子100を励振振動させるための駆動信号22を生成し、外部出力端子81を介して振動子100の駆動電極112に供給する。また、駆動回路20は、振動子100の励振振動により駆動電極113に発生する発振電流24が外部入力端子82を介して入力され、この発振電流24の振幅が一定に保持されるように駆動信号22の振幅レベルをフィードバック制御する。また、駆動回路20は、検出回路30に含まれる同期検波回路の参照信号26とスイッチトキャパシタフィルター(SCF)回路のクロック信号28を生成する。
【0040】
検出回路30は、外部入力端子83,84を介して、振動子100の検出電極114、115に発生する交流電荷(検出電流)32,34がそれぞれ入力され、これらの交流電荷(検出電流)に含まれる角速度成分のみを検出し、角速度の大きさに応じた電圧レベルの信号(角速度信号)36を生成し、外部出力端子88を介して外部に出力する。この角速度信号36は、例えば、外部出力端子88に接続された不図示のマイクロコンピューターにおいてA/D変換され、角速度データとして種々の処理に用いられる。なお、本実施形態の信号処理IC2にA/D変換器を内蔵し、角速度を表すデジタルデータを、例えばシリアルインターフェース回路40を介して外部に出力するようにしてもよい。
【0041】
このように、駆動回路20と検出回路30は、振動子100に対する信号処理を行う信号処理回路4として機能する。
【0042】
調整回路60は、レベル判定回路70出力するレベル判定信号72に応じて調整データ52と調整データ42のいずれかを選択し、信号処理回路4(駆動回路20,検出回路30)に対するアナログ調整電圧62(オフセット補償電圧や温度補償電圧など)を生成する。調整回路60は、例えば、D/A変換器などである。
【0043】
不揮発性メモリー50は、信号処理回路4(駆動回路20,検出回路30)に対する各種の調整データ52を保持し、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)として構成することができる。
【0044】
シリアルインターフェース回路40は、外部入力端子89と外部入出力端子90を介して、クロック信号46とシリアルデータ信号48による2線論理で不揮発性メモリー50に対する調整データ52の書き込みや読み出しの処理、内部レジスター(不図示)に対する調整データ42やモード設定データ44の書き込みや読み出しの処理を行う。
【0045】
図5は、シリアルインターフェース回路40の構成例を示す図である。シリアルインターフェース回路40は、データ書き込み時は、外部入力端子89から入力されるクロック信号46に同期して、外部入出力端子90から入力されるシリアルデータ信号48をシフトレジスター400に取り込んでパラレルデータに変換し、リード/ライト制御回路410の制御のもと、不揮発性メモリー50又は内部レジスター群420に含まれるいずれかのレジスター(調整レジスター422やモード設定レジスター424など)に書き込む。一方、データ読み出し時は、リード/ライト制御回路410の制御のもと、不揮発性メモリー50に記憶されているデータ又は内部レジスター群420に含まれるいずれかのレジスターに記憶されているデータをシフトレジスター400にパラレルロードし、外部入力端子89から入力されるクロック信号46に同期してシフトレジスター400のデータをシフトさせて外部入出力端子90からシリアルデータ信号48を出力する。
【0046】
不揮発性メモリー50にデータを書き込むには、メモリー素子に保持されているデータを反転させるのに十分なエネルギーを供給する必要がある。そのため、
図1に示すように、不揮発性メモリー50には、データ書き込み時は外部入力端子85を介して高い電源電圧VPP(例えば15V以上)が供給される。
【0047】
本実施形態では、不揮発性メモリー50へのデータの書き込みは、角速度検出装置1の組み立て、検査、評価、解析等の場合に限って行われ、市場で使用される際には不揮発性メモリー50へのデータの書き込みは禁止される。そのため、角速度検出装置1を市場で使用する際は外部入力端子85をオープンに設定する。これにより、外部入力端子85の電圧VPPは、プルアップ抵抗92を介してVDDにほぼ等しくなり、誤書き込みを防止することができる。
【0048】
調整データ52は、例えば、角速度検出装置1の組み立て後の最終検査時等に不揮発性メモリー50に書き込まれる。具体的には、シリアルインターフェース回路40の内部レジスター群に含まれる調整レジスター422に調整値を書き込み、調整レジスター422に書き込まれた調整値(調整データ42)を用いて、信号処理回路4(駆動回路20,検出回路30)の動作を確認する。この調整値を変更しながら、信号処理回路4(駆動回路20,検出回路30)が所望の動作をする最適な調整値を決定し、その最適な調整値を調整データ52として1回だけ不揮発性メモリー50に書き込む。こうすることで、検査時間を短縮することができるとともに、データ書き込みの際の高電源電圧の印加による信頼性の低下を最小限に抑えることができる。
【0049】
このような調整方法を実現するためには、調整回路60が不揮発性メモリー50と調整レジスター422のいずれの調整データを用いるかを選択できるようにする必要がある。そこで、本実施形態では、レベル判定回路70がVPPの電圧レベルを判定し、VPPがVDDより高い所定の電圧値V1(例えば8V)以上又はVDDより低い所定の電圧値V2(例えば1/2VDD)以下の電圧値であるか、VPPがV2より高くV1より低い電圧値であるかを示すレベル判定信号72を生成する。そして、調整回路60は、レベル判定信号72に応じて、VPP≧V1又はVPP≦V2の時は内部レジスターの調整データ42を選択し、V2<VPP<V1の時は不揮発性メモリー50の調整データ52を選択する。
【0050】
前述したように、角速度検出装置1を市場で使用する際は、外部入力端子85がオープンに設定されるので、プルアップ抵抗92によりVPPはVDDとほぼ等しくなり、調整回路60により必ず調整データ52が選択される。一方、角速度検出装置1の組み立て、検査、評価、解析時等には、外部入力端子85にV1以上の電圧又はV2以下の電圧(例えば0V)を印加することで、調整回路60に調整データ42を選択させることもできる。
【0051】
また、本実施形態では、モード設定レジスター424の設定値を書き換えることで、市場で使用される通常の動作モード(モード1)か角速度検出装置1の組み立て、検査、評価、解析等に使用される動作モード(モード2)のいずれかを選択することができるようになっている。例えば、5ビットのモード設定レジスター424の設定値が「00000」であればモード1、「00001」〜「11111」のいずれかであればモード2となる。また、モード2は、「00001」〜「11111」の各々の設定値によって細分化され、信号処理回路4(駆動回路20,検出回路30)に対して、設定値に応じてモニターするノードを選択したり、接続関係を変更したりすることができる。
【0052】
本実施形態では、市場では信頼性を確保するためモード1のみ可能でモード2への書き換えが禁止され、角速度検出装置1の組み立て、検査、評価、解析等の場合のみモード1又はモード2に設定可能にする。これを実現するために、VPP≧V1又はVPP≦V2の場合のみモード設定レジスター424の設定値の書き換えを有効にし、それ以外の場合は無効にする。そこで、本実施形態では、モード設定レジスター424の非同期リセット端子にレベル判定信号72を供給する。これにより、VPP≧V1又はVPP≦V2の時はモード設定レジスター424の設定値は「00000」にリセットされてモード1になるとともに書き換えが無効になり、V2<VPP<V1の時はモード設定レジスター424の設定値の書き換えが有効になる。
【0053】
本実施形態では、特に、VPP≧V1の場合だけでなくVPP≦V2の場合にも、調整回路60により調整データ42が選択されるとともに、モード設定レジスター424の設定値の書き換えを有効にすることで、高い電圧を発生する電源装置が無いような環境でも角速度検出装置1の評価や解析が可能となるという利点がある。
【0054】
次に、駆動回路20について説明する。
図6は、駆動回路20の構成例を示す図である。
図6に示すように、本実施形態の駆動回路20は、I/V変換回路(電流電圧変換回路)200、ハイパスフィルター(HPF)210、コンパレーター212、コンデンサー214,216、スイッチ218、RCフィルター220、アンプ230、全波整流回路240、減算器250、積分器252、プルアップ抵抗254、コンパレーター260、バッファ回路262、発振検出回路270、起動発振回路280、スイッチ282、インバーター回路(反転論理回路)290を含んで構成されている。なお、本実施形態の駆動回路20は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、新たな構成(要素)を追加した構成としてもよい。
【0055】
振動子100の振動片に流れた駆動電流は、I/V変換回路200によって交流電圧信号に変換される。本実施形態のI/V変換回路200は、オペアンプ202の反転入力端子(−入力端子)と出力端子の間に抵抗204が接続され、オペアンプ202の非反転入力端子(+入力端子)がアナロググランドに接続された構成である。このI/V変換回路200の出力電圧V
IVは、振動子100の発振電流をi、抵抗204の抵抗値をRとすると、次式(1)で表される。
【0057】
I/V変換回路200の出力信号は、ハイパスフィルター210でオフセットがキャンセルされてコンパレーター212に入力される。コンパレーター212は、入力信号の電圧を増幅して2値化信号(方形波電圧信号)を出力する。ただし、本実施形態では、コンパレーター212は、ローレベルのみ出力可能なオープンドレイン出力のコンパレーターであり、ハイレベルはプルアップ抵抗254を介して積分器252の出力電圧にプルアップされる。そして、コンパレーター212が出力する2値化信号は、駆動信号22として、外部出力端子81を介して振動子100の振動片の駆動電極112に供給される。この駆動信号22の周波数(駆動周波数f
d)を振動子100の共振周波数と一致させることで、振動子100を安定発振させることができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、振動子100の発振電流が一定になるように、すなわち、I/V変換回路200の出力電圧のレベルが一定になるように駆動信号22の振幅が調整される。こうすることで、振動子100を極めて安定に発振させることができ、角速度の検出精度を向上させることができる。
【0059】
ところが、I/V変換回路200に含まれる抵抗204の抵抗値Rは、製造ばらつきのため、IC毎に設計値に対して±20%程度のばらつきが生じるため、振動子100の発振電流からI/V変換回路200の出力電圧への変換率がIC毎にばらつくことになる。従って、I/V変換回路200の出力電圧が一定の設計値になるように駆動信号22の振幅を調整すると、振動子100の発振電流がIC毎に異なることになる。その結果、設計値に対する発振電流のずれが大きいICほど角速度の検出精度や検出感度を劣化させる要因となり得る。
【0060】
また、抵抗204の抵抗値の温度特性がフラットではないので、振動子100の発振電流が一定であっても、I/V変換回路200の出力電圧は、抵抗204の影響を受けて変動してしまう。その結果、振動子100の発振電流が温度に応じて変動することになり、角速度の検出精度や検出感度を劣化させる要因となり得る。同様に、後述する検出回路30に含まれるチャージアンプ300,310の構成要素であるコンデンサー304,314の容量値の製造ばらつきや温度変動も角速度の検出精度や検出感度を劣化させる要因となり得る。
【0061】
そこで、本実施形態では、抵抗204の抵抗値やコンデンサー304,314の容量値のばらつきや温度変動分をキャンセルし、角速度の検出精度や検出感度の劣化を抑制する目的でRCフィルター220を設け、I/V変換回路200の出力信号をRCフィルター220を通過させる。RCフィルター220を設けることで、角速度の検出精度や検出感度の劣化を抑制できる理由については、検出回路30の説明において後述する。
【0062】
RCフィルター220は、抵抗222とコンデンサー224を含み、1次のローパスフィルターとして機能する。すなわち、抵抗222の抵抗値をR
1、コンデンサー224の容量値をC
1とすると、RCフィルター220の伝達関数は、次式(2)で表される。
【0064】
式(2)より、RCフィルター220の電圧利得の周波数特性は次式(3)で表される。
【0066】
本実施形態では、振動子100の発振角周波数ω
d(=2πf
d)に対して(ω
d・C
1・R
1)
2≫1となるようにR
1とC
1を選択する。この場合、RCフィルター220の出力電圧V
RCは、式(1)と式(3)より、次式(4)のように表される。
【0068】
また、式(2)より、RCフィルター220の位相の周波数特性は次式(5)で表される。
【0070】
従って、式(5)より、I/V変換回路200の出力信号(角周波数:ω
d)は、RCフィルター220を通過することで、θ=arctan(ω
d・C
1・R
1)だけ位相が遅れる。つまり、RCフィルター220は、位相シフト回路としても機能する。例えば、ω
d=2π×50kHz(f
d=50kHz)、C
1・R
1=1/(2π×5kHz)とすると、θ≒84°となる。
【0071】
ただし、式(4)より、I/V変換回路200の出力信号(角周波数:ω
d)は、RCフィルター220を通過することで、振幅が約1/(ω
d・C
1・R
1)倍に減衰する。例えば、ω
d=2π×50kHz(f
d=50kHz)、C
1・R
1=1/(2π×5kHz)とすると、RCフィルター220の出力信号の振幅は、I/V変換回路200の出力信号の振幅の約1/10になる。そこで、本実施形態では、RCフィルター220の後段の回路での信号処理を容易にするために、RCフィルター220の出力信号を増幅する電圧補正用のアンプ230(例えば、入力信号をω
d・C
1・R
1倍に増幅するアンプ)が付加されている。ただし、RCフィルター220の後段の回路が、RCフィルター220の出力信号に対して直接的に信号処理が可能であれば、アンプ230を付加しなくてもよい。
【0072】
アンプ230の出力信号は、全波整流回路240に入力されて全波整流される。
【0073】
全波整流回路240の出力信号(全波整流信号242)は、減算器250に入力されて基準電圧12との電圧減算処理がされた後、積分器252で積分される。この積分器252の出力電圧は、I/V変換回路200の出力信号の振幅が大きいほど低くなる。そして、駆動信号22のハイレベルはプルアップ抵抗254を介して積分器252の出力電圧にプルアップされるので、駆動信号22の振幅V
DRは、RCフィルター220の出力電圧V
RCと反比例の関係になり、式(4)より、適当な係数Aを用いて次式(6)で表される。
【0075】
このような構成により、振動子100の発振電流24の振幅が一定に保持されるように駆動信号22の振幅レベルがフィードバック制御される。
【0076】
ただし、電源投入直後は振動子100の発振が停止しており、このようなフィードバック制御が速やかに行われるようになるためには、振動子100の発振を開始させ、発振動作が安定するまで補助する必要がある。そのため、本実施形態では、発振検出回路270、起動発振回路280及びスイッチ282が設けられている。
【0077】
起動発振回路280は、振動子100の共振周波数に近い周波数で自励発振する発振回路であり、振動子100の発振動作を補助する。起動発振回路280は、例えば、CR発振回路などで実現することができる。
【0078】
発振検出回路270は、全波整流回路240の出力信号(全波整流信号242)の電圧レベルを所定の閾値と比較し、全波整流信号242の電圧レベルが所定の閾値V
1に達するまで(発振電流が所定値に達するまで)起動発振回路280の発振動作を継続させ、全波整流信号242の電圧レベルが閾値V
1に達すれば(発振電流24が所定値に達すれば)起動発振回路280の発振動作を停止させる。また、発振検出回路270は、全波整流信号242の電圧レベルが閾値V
1に達するまで(発振電流24が所定値に達するまで)はスイッチ282をオンし、全波整流信号242の電圧レベルが閾値V
1に達すれば(発振電流が所定値に達すれば)スイッチ282をオフするためのスイッチ制御信号272を生成する。
【0079】
図7に示すように、電源を投入するとVDDが0Vから電源電圧V
0になるが、電源投入直後は振動子100の発振が停止しているので、全波整流信号242の電圧レベルは0Vである。そのため、起動発振回路280が発振動作を行うとともにスイッチ282がオンし、起動発振回路280の発振周波数成分がハイパスフィルター(HPF)210の出力信号に重畳される。この起動発振回路280の発振周波数成分が含まれる駆動信号22が振動子100に供給され、振動子100が発振を開始する。そして、振動子100の発振電流24が徐々に大きくなり、それにつれて全波整流信号242の電圧レベルも高くなって閾値V
1を超えると、起動発振回路280の発振動作が停止するとともにスイッチ282がオフする。その後、全波整流信号242の電圧レベルが所望の電圧値V
2に到達すると、全波整流信号242の電圧レベルがV
2に保持されるように(すなわち、振動子100の発振電流24の振幅が所望の値に保持されるように)駆動信号22の振幅レベルがフィードバック制御される。以下では、電源投入直後から全波整流信号242の電圧レベルが閾値V
1に達するまでの時間を「発振待ち時間」と呼ぶことにする。
【0080】
ところで、振動子100が発振している状態では、コンパレーター212はハイパスフィルター210の出力信号を2値化した周波数f
dの矩形波信号を出力するが、この矩形波信号には、f
dの奇数次の周波数成分(3f
d,5f
d,7f
d,・・・)も含まれる。そのため、駆動信号22としてこの矩形波信号を振動子100にそのまま供給すると、3f
d,5f
d,7f
d,・・・のいずれかの周波数成分が振動子100の振動モードに一致して不要な振動成分が発生する可能性がある。この不要な振動成分により振動子100の安定発振が妨げられるとともに、検出回路30でこの不要な振動成分が検出されると、角速度の検出精度を劣化させることにもなる。
【0081】
そこで、本実施形態では、駆動信号22のエッジをなまらせてf
dの奇数次の周波数成分を小さくする目的で、駆動回路20の内部にコンデンサー214とコンデンサー216を設けている。コンデンサー214は、振動子100に駆動信号22を供給する信号線(第2の信号線)と振動子100から発振電流24が入力される信号線(第1の信号線)との間に接続されている。一方、コンデンサー216は、スイッチ218を介して第1の信号線と第2の信号線との間に接続されている。そして、このスイッチ28のオン/オフは、スイッチ切り替え信号272がインバーター回路290によって論理反転されたスイッチ制御信号292によって制御される。従って、スイッチ282がオンの時にスイッチ218がオフし、スイッチ282がオフの時にスイッチ218がオンする。
【0082】
要するに、
図7に示すように、発振待ち時間が経過するまではスイッチ218がオフし、第1の信号線と第2の信号線の間にコンデンサー214のみが接続され、発振待ち時間の経過後はスイッチ218がオンし、第1の信号線と第2の信号線の間にコンデンサー214と216が並列に接続されるようになっている。例えば、コンデンサー214,216の容量をそれぞれC
1,C
2とすると、第1の信号線と第2の信号線の間の容量は、発振待ち時間が経過するまではC
1であるのに対して、発振待ち時間の経過後はC
1+C
2に増える。
【0083】
第2の信号線の負荷容量が大きいほど駆動信号22のエッジがなまって不要な振動成分が小さくなるので、振動子100の発振動作をより安定させることができる。一方、駆動信号22のエッジが急峻であるほど振動子100に効率的にパワーを供給することができるので、発振待ち時間を短縮することができる。そこで、本実施形態では、発振待ち時間の経過前後で、スイッチ218をオフからオンに切り替えることで、振動子100の発振待ち時間の短縮と安定発振の維持を両立させている。
【0084】
なお、第2の信号線の負荷容量を切り替えればよいので、第2の信号線とグランドとの間にコンデンサー214を接続するとともに、第2の信号線とグランドとの間にスイッチ218を介してコンデンサー216を接続するようにしてもよい。また、コンデンサー214を取り除き、コンデンサー216の容量をC
1+C
2に増やしてもよい。
【0085】
本実施形態の駆動回路20には、さらに、ハイパスフィルター210の出力信号を増幅して2値化信号(方形波電圧信号)を出力するコンパレーター260が設けられており、この2値化信号は、検出回路30に含まれる同期検波回路の参照信号26として用いられる。この参照信号26の周波数は駆動周波数f
dと等しい。なお、コンパレーター212の出力信号は、ハイレベルが変動するので、このハイレベルが同期検波回路における論理閾値を越えないようなことがあると不具合が生じるため参照信号として用いず、コンパレーター260を別個に設けている。
【0086】
また、コンパレーター260の出力信号は、バッファ回路262に入力され、バッファ回路262の出力信号を検出回路に含まれるSCF回路にクロック信号28(周波数:f
d)として供給される。
【0087】
次に、検出回路30について説明する。
図8は、検出回路30の構成例を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の検出回路30は、チャージアンプ300,310、差動アンプ320、ハイパスフィルター(HPF)322、アンプ324、同期検波回路326、可変ゲインアンプ328、スイッチトキャパシタフィルター(SCF)330、出力バッファ332を含んで構成されている。なお、本実施形態の検出回路30は、これらの一部の構成(要素)を省略したり、新たな構成(要素)を追加した構成としてもよい。
【0088】
チャージアンプ300には、外部入力端子83を介して振動子100の振動片の検出電極114から角速度成分と振動漏れ成分を含む交流電荷(検出電流)32が入力される。同様に、チャージアンプ310には、外部入力端子84を介して振動子100の振動片の検出電極115から角速度成分と振動漏れ成分を含む交流電荷(検出電流)34が入力される。
【0089】
本実施形態のチャージアンプ300は、オペアンプ302の反転入力端子(−入力端子)と出力端子の間にコンデンサー304が接続され、オペアンプ302の非反転入力端子(+入力端子)がアナロググランドに接続された構成である。同様に、本実施形態のチャージアンプ310は、オペアンプ312の反転入力端子(−入力端子)と出力端子の間にコンデンサー314が接続され、オペアンプ312の非反転入力端子(+入力端子)がアナロググランドに接続された構成である。コンデンサー304と314の容量値は同じ値に設定される。このチャージアンプ300及び310は、それぞれ入力された交流電荷(検出電流)32,34を交流電圧信号に変換する。チャージアンプ300に入力される交流電荷(検出電流)32とチャージアンプ310に入力される交流電荷(検出電流)34は互いに位相が180°異なり、チャージアンプ300の出力信号とチャージアンプ310の出力信号の位相は互いに逆位相である(180°ずれている)。
【0090】
このチャージアンプ300の出力電圧V
CA1は、検出電流32をi
1、検出電流32の角周波数をω
1、コンデンサー304の容量値をCとすると、次式(7)で表される。
【0092】
チャージアンプ310の出力電圧V
CA2は、検出電流34が−i
1、検出電流34の周波数がω
1、コンデンサー314の容量値がCなので、次式(8)で表される。
【0094】
ここで、i
1は、駆動信号22の振幅V
DRに比例するので、式(6)、式(7)、式(8)より、V
CA1とV
CA2は、適当な係数Bを用いてそれぞれ式(9)と式(10)で表される。
【0097】
差動アンプ320は、チャージアンプ300の出力信号とチャージアンプ310の出力信号を差動増幅する。差動アンプ320により、同相成分はキャンセルされ、逆相成分は加算増幅される。この差動アンプ320の出力電圧V
DFは、差動アンプ320のゲインを1とすると、式(9)と式(10)より、次式(11)で表される。
【0099】
式(11)より、差動アンプ320の出力信号において、前述したI/V変換回路200の抵抗204の抵抗値Rの製造ばらつきや温度変動分は、RCフィルター220の抵抗222の抵抗値R
1の製造ばらつきや温度変動分によって打ち消されることになる。同様に、チャージアンプ300のコンデンサー304やチャージアンプ310のコンデンサー314の容量値Cの製造ばらつきや温度変動分は、RCフィルター220のコンデンサー224の容量値C
1の製造ばらつきや温度変動分によって打ち消されることになる。これにより、角速度の検出精度や検出感度の劣化を抑制することができる。
【0100】
ハイパスフィルター322は、差動アンプ320の出力信号に含まれる直流成分をキャンセルする。
【0101】
アンプ324は、ハイパスフィルター322の出力信号を増幅した交流電圧信号を出力する。
【0102】
同期検波回路326は、駆動回路20に含まれるコンパレーター260が出力する2値化信号を参照信号26として、アンプ324の出力信号に含まれる角速度成分を同期検波する。同期検波回路326は、例えば、参照信号26がハイレベルの時はアンプ324の出力信号をそのまま選択し、参照信号26がローレベルの時はアンプ324の出力信号を基準電圧12に対して反転した信号を選択する回路として構成することができる。
【0103】
アンプ324の出力信号には角速度成分と振動漏れ成分が含まれているが、この角速度成分は参照信号26と同位相であるのに対して、振動漏れ成分は逆位相である。そのため、同期検波回路326により角速度成分は同期検波されるが、振動漏れ成分は検波されないようになっている。
【0104】
可変ゲインアンプ328は、同期検波回路326の出力信号を増幅又は減衰させて所望の電圧レベルの信号を出力し、可変ゲインアンプ328の出力信号はスイッチトキャパシタフィルター(SCF)回路330に入力される。
【0105】
SCF回路330は、可変ゲインアンプ328の出力信号に含まれる高周波成分を除去するとともに仕様で決められる周波数範囲の信号を通過させるローパスフィルターとして機能する。このSCF回路330(ローパスフィルター)の周波数特性は、振動子100の安定発振により得られるクロック信号28の周波数f
dとキャパシター(不図示)の容量比によって決まるため、RCローパスフィルターと比較して、周波数特性のばらつきが極めて小さいという利点がある。
【0106】
SCF回路330の出力信号は、出力バッファ332でバッファリングされるとともに、必要に応じて所望の電圧レベルの信号に増幅又は減衰される。この出力バッファ326の出力信号は角速度に応じた電圧レベルの信号であり、角速度信号36として、信号処理IC2の外部出力端子88を介して外部に出力される。
【0107】
このような構成の角速度検出装置1では、前述したように、電源投入から振動子100の発振待ち時間が経過するまでは駆動回路20のスイッチ218をオフすることで発振待ち時間を短縮することができる。振動子100の発振待ち時間が短縮されることで、振動子100から出力される検出電流32,34が安定するまでの時間も短縮されるので、結果的に、
図9に示すように、電源投入後、角速度信号36が所望の電圧レベル(例えば、角速度検出装置1が静止しているとすると、基準電圧Vref付近)に達するまでの起動時間はt
2からt
1に短縮される。なお、
図9において角速度信号36の破線で示した波形は、スイッチ218が常にオンしている場合、すなわち、第1の信号線と第2の信号線の間に、振動子100の安定発振を維持するために必要な容量C
1+C
2が常に接続されている場合の波形であり、この場合の起動時間をt
2としている。
【0108】
一方、振動子100の発振待ち時間の経過後は、駆動回路20のスイッチ218をオンすることで振動子100の安定発振を継続させることができる。その結果、振動子100の安定発振後は高い検出精度を維持することができる。
【0109】
このように、本実施形態の角速度検出装置1によれば、起動時間を短縮するとともに高い精度で角速度を検出することができる。
【0110】
なお、本実施形態における駆動回路20は、本発明における駆動回路に相当する。また、I/V変換回路200は、本発明における「電流電圧変換部」に相当する。また、ハイパスフィルター210とコンパレーター212による構成は、本発明における「駆動信号生成部」に相当する。また、発振検出回路270は、本発明における「発振検出部」に相当する。また、起動発振回路280は、本発明における「起動発振部」に相当する。また、コンデンサー216は、本発明における「第1のコンデンサー」に相当する。また、スイッチ218は、本発明における「スイッチ」に相当する。また、コンデンサー214は、本発明における「第2のコンデンサー」に相当する。
【0111】
2.電子機器
図10は、本実施形態の電子機器の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の電子機器500は、信号生成部600、CPU700、操作部710、表示部720、ROM(Read Only Memory)730、RAM(Random Access Memory)740、通信部750を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器は、
図10の構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
【0112】
信号生成部600は、駆動回路610を含み、CPU700の制御に応じて所与の信号を生成してCPU700に出力する。駆動回路610は、振動子(不図示)を発振駆動する処理を行う。
【0113】
CPU700は、ROM730に記憶されているプログラムに従って、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、CPU700は、信号生成部600を制御したり、信号生成部600が生成した信号などを受け取って各種の計算処理をする。また、CPU700は、操作部710からの操作信号に応じた各種の処理、表示部720に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理、外部とデータ通信を行うために通信部750を制御する処理等を行う。
【0114】
操作部710は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をCPU700に出力する。
【0115】
表示部720は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、CPU700から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。
【0116】
ROM730は、CPU700が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムや、所定の機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。
【0117】
RAM740は、CPU700の作業領域として用いられ、ROM730から読み出されたプログラムやデータ、操作部710から入力されたデータ、CPU700が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
【0118】
通信部750は、CPU700と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
【0119】
駆動回路610として本実施形態の駆動回路(
図1の駆動回路20)を電子機器500に組み込むことにより、高精度な処理と処理時間の短縮を両立させることができる。
【0120】
なお、電子機器500としては種々の電子機器が考えられ、例えば、デジタルスチールカメラ、ビデオカメラ、ナビゲーション装置、車体姿勢検出装置、ポインティングデバイス、ゲームコントローラー、携帯電話、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などが挙げられる。
【0121】
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0122】
例えば、振動子(センサー素子)の駆動振動の励振手段や検出振動の検出手段は、本実施形態で説明した圧電効果によるものだけでなく、静電気力(クーロン力)を用いた静電型や、磁力を利用したローレンツ型などでも良い。
【0123】
また、例えば、駆動信号22のハイレベルが同期検波回路326における論理閾値を越えない場合は、駆動信号22をバッファリングして得られる信号をSCF回路330のクロック信号28としてもよい。
【0124】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。