特許第5752443号(P5752443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752443
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   G01G19/387 C
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-43781(P2011-43781)
(22)【出願日】2011年3月1日
(65)【公開番号】特開2012-181088(P2012-181088A)
(43)【公開日】2012年9月20日
【審査請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】田中 忠信
【審査官】 三笠 雄司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−77368(JP,A)
【文献】 特開平5−330632(JP,A)
【文献】 特開2004−163301(JP,A)
【文献】 特開平6−144543(JP,A)
【文献】 特開2003−177056(JP,A)
【文献】 特開昭60−119422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給装置から供給される被計量物を周囲へ分散させる分散部と、
該分散部における前記被計量物の量を検出する検出部と、
前記分散部の周囲にそれぞれ配設されて該分散部で分散される被計量物をそれぞれ搬送して搬送端から排出する複数の搬送部と、
各搬送部に対応して配置されると共に、前記搬送端から排出される被計量物を保持し、保持した被計量物を下方へ供給する複数の供給部と、
各供給部に対応して配置されると共に、各供給部から供給される被計量物を保持し、該保持した被計量物の重量を計量する複数の計量部と、
前記検出部の検出出力に基づいて、前記供給装置による被計量物の供給を制御すると共に、前記計量部で計量される被計量物の計量値に基づいて組合せ演算を行う演算制御部と、
を備える組合せ秤であって、
前記各搬送部の各搬送端における被計量物を検出する被計量物センサを設け、
前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散下限値未満になったときには、分散部の動作を停止させ、且つ、
前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記被計量物センサによって、前記搬送部の前記搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わない、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
前記分散部は、被計量物を振動によって分散させるメインフィーダを有し、
前記搬送部は、被計量物を振動によって搬送するリニアフィーダを有し、
前記供給部は、保持した被計量物を前記計量部に投入する供給ホッパであり、
前記計量部は、重量センサによって被計量物の重量を計量する計量ホッパであり、
前記演算制御部は、前記メインフィーダおよびリニアフィーダの駆動を制御すると共に
、前記供給ホッパの投入用のゲートの開閉を制御するように構成され、
記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散下限値未満になったときには、前記メインフィーダの駆動を停止させて分散部の動作を停止させ、且つ、前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記リニアフィーダの前記搬送端における被計量物が前記被計量物センサによって検出されないときには、前記供給ホッパの投入用のゲートの開閉制御を停止して前記組合せ演算を実質的に停止する、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散上限値以上になったときには、停止させた分散部の動作を再開させる、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記演算制御部は、前記被計量物センサの検出出力に基づいて、前記搬送部の駆動を制御するものであって、前記搬送部の駆動によって、前記搬送端における被計量物が、前記被計量物センサによって検出されないときには、前記被計量物センサによって被計量物が検出されるまで、前記搬送部を駆動する、
請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が、供給下限値未満になったときには、前記供給装置による被計量物の供給動作を開始し、供給上限値以上になったときには、前記供給装置による被計量物の供給動作を停止することによって、前記供給装置から前記分散部へ供給される被計量物の供給量が、予め定めた設定範囲内となるように制御するものであり、
前記分散下限値が、前記供給下限値以下であり、前記分散上限値が、前記供給上限値以
下である、
請求項3に記載の組合せ秤。
【請求項6】
前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量
物の量が分散下限値未満になったときには、分散部の動作を停止させ、且つ、
前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記被計量物センサによって、前記複数の搬送部の全ての搬送部の搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わない、
請求項1ないし5のいずれかに記載の組合せ秤。
【請求項7】
前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量
物の量が分散下限値未満になったときには、分散部の動作を停止させ、且つ、
前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記被計量物センサによって、前記複数の搬送部の予め設定した数の搬送部の搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わない、
請求項1ないし5のいずれかに記載の組合せ秤。
【請求項8】
前記演算制御部は、予め設定した複数の計量サイクルに亘って、前記複数の搬送部の予め設定した数の搬送部の搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わない、
請求項7に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜や果物あるいは菓子類などの被計量物を計量する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤で計量されて所定重量とされた野菜や果物等の被計量物は、例えば包装機によって袋詰めされるのが一般的である。
【0003】
図10は、特許文献1の従来の組合せ秤の概略構成を模式的に示す図である。
【0004】
この組合せ秤は、供給装置30からメインフィーダ(分散フィーダ)31の円錐状の中央部に被計量物が供給され、メインフィーダ31では振動によって被計量物をその周縁部方向へ送り出し、メインフィーダ31の周辺に放射状に設置された複数のリニアフィーダ32へ搬送する。
【0005】
複数のリニアフィーダ32には振動装置が取り付けられており、各々のリニアフィーダ32を振動させることによって被計量物を搬送して複数の供給ホッパ33に投入する。複数の供給ホッパ33では一時的に被計量物を保持し、排出用のゲート34を開放して、供給ホッパ33の下方に配設された計量ホッパ35に被計量物を投入する。各計量ホッパ35では投入された被計量物の重量が重量センサ36によって計量され、図示しない制御部は、その計量値に基づいて組合せ演算することにより、計量値の合計が組合せ目標重量と一致するか最も近い計量ホッパ35の組合せを求め、この組合せで選択された計量ホッパ35の排出用のゲート37を開放して被計量物を排出し、集合シュート38を介して包装機39へ投入し、包装機39で包装する。
【0006】
かかる従来の組合せ秤には、メインフィーダ31の上方に、被計量物のレベルを検出するレベル検出器を設けると共に、許容上限及び許容下限をそれぞれ設定し、メインフィーダ31上の被計量物が許容下限に達したことが検出されると、供給装置30によるメインフィーダ31への被計量物の供給を開始し、メインフィーダ31上の被計量物が許容上限に達したことが検出されると、供給装置30によるメインフィーダ31への被計量物の供給を停止させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−113024号公報
【特許文献2】特開昭60−179616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献2の組合せ秤では、上記のようにメインフィーダ31上の被計量物の量が少なくなって許容下限に達したことが検出されると、供給装置30による被計量物の供給動作を開始させるのであるが、例えば、当該供給装置30自体への被計量物の投入が遅れたような場合には、供給動作を開始しても供給装置30からメインフィーダ31上へ実際に被計量物が供給されるのが遅れ、その間にメインフィーダ31上の被計量物が無くなってしまい、被計量物が無い状態のメインフィーダ31上に、供給装置30から被計量物が遅れて供給されることがある。
【0009】
このようにメインフィーダ31上に被計量物が無い状態で、供給装置30から被計量物が供給されると、例えば、供給装置30とメインフィーダ31との間の高低差(落差)が大きかったり、被計量物が、ピーマン、タマネギあるいはジャガイモなどのような転がり易い物であるような場合には、供給装置30からメインフィーダ31の円錐状の中央部に供給される被計量物が、メインフィーダ31及びリニアフィーダ32を転がって供給ホッパ33まで達し、該供給ホッパ33に投入されてしまう場合がある。かかる場合には、供給ホッパ33には、リニアフィーダ32の振動によって投入されるべき本来の投入量よりも過量に被計量物が投入されることになり、この過量の被計量物は、供給ホッパ33から計量ホッパ35に供給される結果、上記組合せ演算における組合せ精度が低下し、歩留まりが悪くなる。
【0010】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、供給装置から被計量物が遅れて供給されるような場合に、組合せ精度および歩留まりが低下するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0012】
(1)本発明の組合せ秤は、供給装置から供給される被計量物を周囲へ分散させる分散部と、該分散部における前記被計量物の量を検出する検出部と、前記分散部の周囲にそれぞれ配設されて該分散部で分散される被計量物をそれぞれ搬送して搬送端から排出する複数の搬送部と、各搬送部に対応して配置されると共に、前記搬送端から排出される被計量物を保持し、保持した被計量物を下方へ供給する複数の供給部と、各供給部に対応して配置されると共に、各供給部から供給される被計量物を保持し、該保持した被計量物の重量を計量する複数の計量部と、前記検出部の検出出力に基づいて、前記供給装置による被計量物の供給を制御すると共に、前記計量部で計量される被計量物の計量値に基づいて組合せ演算を行う演算制御部とを備える組合せ秤であって、
前記各搬送部の各搬送端における被計量物を検出する被計量物センサを設け、
前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散下限値未満になったときには、分散部の動作を停止させ、且つ、
前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記被計量物センサによって、前記搬送部の前記搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わないものである。
【0013】
分散下限値は、予め設定するのが好ましい。
【0014】
本発明の組合せ秤によると、分散部における被計量物の量が、分散下限値未満になると、分散部の動作を停止させるので、分散部における被計量物が、それ以上分散されてその周囲の搬送部へ移送されることがなく、分散部には、被計量物が存在している。
【0015】
したがって、供給装置から分散部への被計量物の供給が遅れたような場合にも、分散部には、被計量物が存在することになる。このため、供給装置から分散部へ転がり易い被計量物を落下供給するような場合に、分散部に存在している被計量物が、供給装置から落下供給される被計量物の転がりを阻止する壁として作用し、供給装置から分散部へ供給される被計量物が、分散部及び搬送部を転がって供給部に過量に投入されるのを有効に阻止することができる。これによって、供給部から計量部に被計量物が過量に投入されるのを防ぎ、組合せ精度および歩留まりの低下を防止することができる。
【0020】
述のように、分散部における被計量物の量が、分散下限値未満になると、分散部の動作を停止させるので、分散部の周囲の各搬送部には、被計量物が供給されなくなる。この状態で運転を継続すると、各搬送部の被計量物も供給部に搬送されてやがて無くなり、各供給部、更に、各計量部へも被計量物を供給できなくなり、組合せ演算に参加できる計量部の数が少なくなって歩留まりが低下する。
【0021】
本発明によると、演算制御部は、前記被計量物センサによって、前記搬送部の前記搬送端における被計量物が検出されていないときには、搬送部の被計量物が無くなったとして組合せ演算を行わないので、歩留まりの低下を防止することができる。
【0025】
(2)本発明の組合せ秤の好ましい実施態様では、前記分散部は、被計量物を振動によって分散させるメインフィーダを有し、前記搬送部は、被計量物を振動によって搬送するリニアフィーダを有し、前記供給部は、保持した被計量物を前記計量部に投入する供給ホッパであり、前記計量部は、重量センサによって被計量物の重量を計量する計量ホッパであり、前記演算制御部は、前記メインフィーダおよびリニアフィーダの駆動を制御すると共に、前記供給ホッパの投入用のゲートの開閉を制御するように構成され、記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散下限値未満になったときには、前記メインフィーダの駆動を停止させて分散部の動作を停止させ、且つ、前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記リニアフィーダの前記搬送端における被計量物が前記被計量物センサによって検出されないときには、前記供給ホッパの投入用のゲートの開閉制御を停止して前記組合せ演算を実質的に停止するものである。
【0026】
この実施態様によると、供給装置からメインフィーダへ被計量物が遅れて落下供給されるような場合に、被計量物が転がり易い物であっても、メインフィーダに存在している被計量物が、供給装置から落下供給される被計量物の転がりを阻止する壁として作用し、供給装置からメインフィーダへ供給される被計量物が、メインフィーダ及びリニアフィーダを転がって供給ホッパに過量に投入されるのを有効に阻止することができる。これによって、供給ホッパから計量ホッパに被計量物が過量に投入されるのを防ぎ、組合せ精度および歩留まりの低下を防止することができる。
更に、リニアフィーダを駆動しても、該リニアフィーダの搬送端における被計量物が被計量物センサによって検出されないときには、リニアフィーダの被計量物が無くなったとして供給ホッパの投入用のゲートの開閉制御を停止し、組合せ演算を実質的に停止するので、被計量物が投入されず、組合せ演算に参加できない計量ホッパの数が増えたような場合には、組合せ演算が停止され、歩留まりの低下を防止することができる。
【0029】
(3)本発明の組合せ秤の他の実施態様では、前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散上限値以上になったときには、停止させた分散部の動作を再開させるものである。
分散上限値は、予め設定するのが好ましい。
この実施態様によると、供給装置から分散部に被計量物が供給されて分散部における被計量物の量が分散上限値以上まで回復したときには、分散部の動作を再開することができる。
(4)本発明の組合せ秤の別の好ましい実施態様では、前記演算制御部は、前記被計量物センサの検出出力に基づいて、前記搬送部の駆動を制御するものであって、前記搬送部の駆動によって、前記搬送端における被計量物が、前記被計量物センサによって検出されないときには、前記被計量物センサによって被計量物が検出されるまで、前記搬送部を駆動する。
この実施態様によると、搬送部の搬送端における被計量物が、被計量物センサによって検出されないときには、検出されるまで搬送部を駆動するので、上述のように、分散部の動作を停止させて、搬送部に被計量物が供給されなくなり、搬送部の被計量物も無くなったときにも、搬送部は駆動されることになる。したがって、分散部の動作が再開されて分散部から被計量物が搬送部に供給されたときには、被計量物を、直ちに搬送端まで搬送することができる。
)本発明の組合せ秤の別の好ましい実施態様では、前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が、供給下限値未満になったときには、前記供給装置による被計量物の供給動作を開始し、供給上限値以上になったときには、前記供給装置による被計量物の供給動作を停止することによって、前記供給装置から前記分散部へ供給される被計量物の供給量が、予め定めた設定範囲内となるように制御するものであり、前記分散下限値が、前記供給下限値以下であり、前記分散上限値が、前記供給上限値以下である。
【0030】
この実施態様によると、分散下限値及び分散上限値を、供給下限値及び供給上限値と異なる値に設定することによって、分散部の動作と、供給装置による被計量物の供給とを個別に制御することができる。
(6)本発明の組合せ秤の他の実施態様では、前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散下限値未満になったときには、分散部の動作を停止させ、且つ、前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記被計量物センサによって、前記複数の搬送部の全ての搬送部の搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わないものである。
(7)本発明の組合せ秤の好ましい実施態様では、前記演算制御部は、前記検出部の検出出力に基づいて、前記分散部における前記被計量物の量が分散下限値未満になったときには、分散部の動作を停止させ、且つ、前記分散部の動作を停止させた状態で当該組合せ秤の運転を継続し、前記被計量物センサによって、前記複数の搬送部の予め設定した数の搬送部の搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わないものである。
(8)本発明の組合せ秤の別の実施態様では、前記演算制御部は、予め設定した複数の計量サイクルに亘って、前記複数の搬送部の予め設定した数の搬送部の搬送端における被計量物が検出されていないときには、組合せ演算を行わないものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、分散部における被計量物の量が、分散下限値未満になると、分散部の動作を停止させるので、供給装置から分散部へ被計量物が遅れて供給されるような場合にも、分散部には、被計量物が存在していることになる。そして、供給装置から分散部へ転がり易い被計量物が落下供給されるような場合に、分散部に存在している被計量物が、供給装置から落下供給される被計量物の転がりを阻止する壁として作用し、供給装置から分散部へ供給される被計量物が、分散部及び搬送部を転がって供給部に過量に投入されるのを有効に阻止することができる。これによって、供給部から計量部に被計量物が過量に投入されるのを防ぎ、組合せ精度および歩留まりの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は本発明の実施形態の組合せ秤の概略構成を示す模式図である。
図2図2図1の組合せ秤の概略構成を示すブロック図である。
図3図3は組合せ秤の動作を説明するためのフローチャートである。
図4図4図3の供給装置制御の詳細を示すフローチャートである。
図5図5図3のメインフィーダ制御の詳細を示すフローチャートである。
図6図6図3のリニアフィーダ制御の詳細を示すフローチャートである。
図7図7図3のリニアフィーダ制御の詳細を示すフローチャートである。
図8図8図3の供給ホッパ制御の詳細を示すフローチャートである。
図9図9は本発明の他の実施形態の図1に対応する模式図である。
図10図10は従来例の組合せ秤の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図である。この実施形態の組合せ秤は、その装置上部の中央に、供給装置1から供給される被計量物20を振動によって放射状に分散させる円錐形のトップコーン3と、このトップコーン3を振動させるメインフィーダ(分散フィーダ)4が設けられている。トップコーン3及びメインフィーダ4によって分散部が構成される。
【0035】
被計量物20は、限定されないが、例えば、ピーマン、トマト、ジャガイモ等の野菜類、オレンジ、リンゴ等の果物類、あるいは、ピロー包装された菓子類などの計量に好適であり、特に、組合せ計量を行って数個入りのネット包装品等を製造するのに好適である。
【0036】
供給装置1は、図示しないベルトコンベアから供給されるピーマン等の被計量物20を振動によって搬送してトップコーン3の中央部へ供給する。トップコーン3では、供給装置1からその中央部に供給される被計量物20を振動によってその周縁部方向へ搬送する。トップコーン3の周辺には、トップコーン3から送られてきた被計量物20を複数の各供給ホッパ12に搬送する複数のリニアフィーダパン6と、このリニアフィーダパン6をそれぞれ振動させる複数のリニアフィーダ8とが放射状に設けられている。リニアフィーダパン6の周縁部下方には、供給部としての複数の供給ホッパ12が設けられ、供給ホッパ12の下方には、計量部としての計量ホッパ13が設けられ、両ホッパ12,13は、円周状に配置されている。供給ホッパ12及び計量ホッパ13の下部には、開閉可能な投入用のゲート12a及び排出用のゲート13aがそれぞれ設けられている。
【0037】
供給ホッパ12は、リニアフィーダパン6によって搬送されてその先端である搬送端6aから落下排出される被計量物20を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ13が空になると投入用のゲート12aを開放して被計量物20を落下排出して計量ホッパ13へ投入する。また、各計量ホッパ13には、計量ホッパ13内の被計量物20の重量を計測するロードセル等の重量センサ10が連結され、各重量センサ10による計量値は制御装置9へ出力される。
【0038】
複数のリニアフィーダパン6及び各リニアフィーダパン6をそれぞれ振動させる複数のリニアフィーダ8によって、対応する各供給ホッパ12に被計量物20を搬送する複数の搬送部が構成される。
【0039】
計量ホッパ13は、被計量物20を集合シュート14へ排出可能である。制御装置9による組合せ演算によって複数の計量ホッパ13の中から被計量物20を排出すべき計量ホッパ13の組合せが求められ、包装機15から排出要求信号の入力があると、その組合せに該当する計量ホッパ13から被計量物20が集合シュート14へ排出され、更にその下方の包装機15へと排出される。
【0040】
この実施形態では、供給装置1からトップコーン3に供給される被計量物の量は、トップコーン3及びメインフィーダ4を支持しているトップコーン用重量センサ5によって計量され、その計量値が制御装置9に与えられる。制御装置9では、トップコーン用重量センサ5によって計量されるトップコーン3上の被計量物20の重量に基づいて、トップコーン3上の被計量物20の量を、予め設定した範囲内に保つように供給装置1を制御する。すなわち、制御装置9は、トップコーン用重量センサ5の検出出力に基づいて、トップコーン3上の被計量物20の量が、供給下限値未満になったときには、供給装置1に供給開始指令を出力して供給動作を開始させ、供給上限値以上になったときには、供給装置1に供給停止指令を出力して供給動作を停止させる。供給下限値および供給上限値は、操作設定表示部11を操作して予め設定される。
【0041】
この操作設定表示部11は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、組合せ秤の操作およびその動作パラメータの設定等を行うと共に、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する。
【0042】
制御装置9では、供給装置1の動作制御および組合せ秤の全体の動作制御を行うと共に、組合せ演算を行う。組合せ演算では、計量ホッパ13内の被計量物20の重量が重量センサ10によって計量される。複数の計量ホッパ13の中から、被計量物20の重量値の合計である組合せ重量が、組合せ目標重量に等しいあるいは許容範囲内の最も近い所定重量となる最適組合せが1つ求められる。
【0043】
制御装置9は、上述のように、トップコーン3上の被計量物20が、供給下限値未満になると、供給装置1に供給開始指令を出力して供給動作を開始させるのであるが、例えば、当該供給装置1自体への被計量物の投入が遅れたような場合には、供給装置1からメインフィーダ4のトップコーン3上へ実際に被計量物20が供給されるのが遅れ、その間に、トップコーン3上の被計量物20が無くなってしまい、被計量物20が無い状態のトップコーン3上に、供給装置1から被計量物20が遅れて供給される虞がある。
【0044】
このようにトップコーン3上の被計量物20が無くなった状態で、供給装置1から被計量物20が供給されると、供給装置1から円錐状のトップコーン3上に供給される被計量物20が、トップコーン3及びリニアフィーダパン6を転がって供給ホッパ12まで達し、該供給ホッパ12に被計量物が過量に投入されてしまう虞がある。
【0045】
そこで、この実施形態では、かかる供給ホッパ12への過量な被計量物20の投入を防止するために、トップコーン3上の被計量物20が無くなる前に、トップコーン3を振動させるメインフィーダ4の駆動を停止するようにしている。
【0046】
具体的には、制御装置9は、後述のように、トップコーン用重量センサ5の検出出力に基づいて、トップコーン3上の被計量物20の量が、分散下限値未満になったときには、メインフィーダ4の駆動を停止させ、トップコーン3上の被計量物20の量が分散上限値以上になったときには、メインフィーダ4の駆動を再開させるようにしている。
【0047】
分散下限値および分散上限値は、操作設定表示部11によって予め設定される。この分散下限値および分散上限値は、制御装置9が、供給装置1による被計量物20の供給動作を制御するための上述の供給下限値および供給上限値と次の関係が成立するように設定するのが好ましい。
【0048】
分散下限値≦供給下限値
分散上限値≦供給上限値
なお、分散下限値が分散上限値よりも小さく、また、供給下限値が供給上限値よりも小さいのは勿論である。
【0049】
このように制御装置9は、トップコーン用重量センサ5の検出出力に基づいて、トップコーン3上の被計量物20の量が、分散下限値未満になったときには、メインフィーダ4の駆動を停止させてトップコーン3上の被計量物20が無くならないようにしているので、トップコーン3上には、被計量物20が存在することになる。
【0050】
したがって、供給装置1からトップコーン3上に被計量物20が遅れて供給された場合には、トップコーン3上に存在する被計量物20が壁となって、供給装置1から給される被計量物20が転がるのを阻止することができ、これによって、供給ホッパ12に被計量物20が過量に投入されるのを防止することができる。
【0051】
このように、トップコーン3上の被計量物が無くならないように、メインフィーダ4の駆動を停止すると、該メインフィーダ4の駆動が再開されるまでの間は、トップコーン3からリニアフィーダパン6へ被計量物20が供給されなくなる。トップコーン3からリニアフィーダパン6へ被計量物20が供給されない状態で運転を継続すると、リニアフィーダパン6上の被計量物20もやがて無くなり、供給ホッパ12に被計量物20が投入されなくなる。供給ホッパ12に被計量物20が投入されなくなると、供給ホッパ12から計量ホッパ13へ被計量物20を供給することができず、組合せ演算に参加できない計量ホッパ13の数が増え、歩留まりが低下してしまう。
【0052】
そこで、この実施形態では、複数の各リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20をそれぞれ検出する複数の被計量物センサ7を設け、制御装置9は、被計量物センサ7の検出出力に基づいて、後述のようにリニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20が検出されなくなったときには、リニアフィーダパン6上の被計量物が無くなったとして、供給ホッパ12の投入用のゲート12aの開閉制御を停止し、組合せ演算を実質的に行わないようにして歩留まりの低下を防止している。
【0053】
この実施形態では、被計量物を検出する被計量物センサ7として、例えば、光電センサを用いているが、光電センサに限らず、ロードセル等の重量センサ、リミットスイッチ、カメラで撮像した画像を処理する画像センサなどの他のセンサを用いてもよい。
【0054】
図2は、この実施形態における組合せ秤の制御系統の概略構成を示すブロック図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0055】
図2に示すように、制御装置9は、演算制御部としてのCPU部16と、メモリ部17と、A/D変換回路部18と、ゲート駆動回路部19と、振動制御回路部21と、包装機15に接続されたI/O回路部22と、被計量物センサ7の検出出力が与えられるI/O回路部25とを備えている。
【0056】
演算制御部としてのCPU部16は、各部を制御すると共に、組合せ演算を行う。メモリ部17は、組合せ秤の動作プログラム及び設定される動作パラメータ等を記憶しており、CPU部16に対する演算などの作業領域となる。
【0057】
A/D変換回路部18は、トップコーン3上の被計量物20の重量を検出するトップコーン用重量センサ5及び各計量ホッパ13の被計量物20の重量を検出する各重量センサ10からのアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU部16へ出力する。また、CPU部16には、I/O回路部25を介して各リニアフィーダパン6の搬送端6aにおける被計量物20をそれぞれ検出する上述の被計量物センサ7からの検出出力が与えられる。
【0058】
ゲート駆動回路部19は、CPU部16からの制御信号に基づいて、供給ホッパ12の投入用のゲート12a及び計量ホッパ13の排出用のゲート13aの開閉を制御する。振動制御回路部21は、CPU部16からの制御信号に基づいて、供給装置1、メインフィーダ4及び各リニアフィーダ8のそれぞれの振動動作を制御する。また、CPU部16は、操作設定表示部11と相互に通信できるように接続されている。
【0059】
制御装置9は、CPU部16がメモリ部17に記憶されている動作プログラムを実行することにより、供給装置1及び組合せ秤全体の動作を制御する。
【0060】
組合せ秤では、上述のような動作を行うための多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は操作者が操作設定表示部11を用いて行い、設定された動作パラメータの値はCPU部16へ送られ、メモリ部17に記憶される。動作パラメータには、組合せ演算における目標値である組合せ目標重量及びそれに対する許容範囲、各フィーダ4,8の振動の振幅や駆動時間(1回の振動継続時間)、安定時間等がある
図3は、この実施形態の組合せ秤の全体の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【0061】
先ず、制御装置9は、トップコーン用重量センサ5の検出出力に基づいて、供給装置1をON/OFF制御して、トップコーン3上への被計量物20の供給量を制御する供給装置制御を行う(ステップs1)。
【0062】
次に、トップコーン3を振動させるメインフィーダ4の駆動を制御してトップコーン3上の被計量物20を周囲へ分散させてリニアフィーダパン6に被計量物20を供給するメインフィーダ制御を行う(ステップs2)。
【0063】
次に、リニアフィーダパン6を振動させるリニアフィーダ8の駆動を制御して、空の供給ホッパ12に対応するリニアフィーダパン6を振動させてリニアフィーダパン6上の被計量物20を当該空の供給ホッパ12に供給するリニアフィーダ制御を行う(ステップs3)。
【0064】
次に、供給ホッパ12の投入用のゲート12aの開閉制御を停止するホッパ制御停止フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs4)、ホッパ制御停止フラグがオンしていないときには、ステップs5の供給ホッパ制御に移る。この供給ホッパ制御では、空の計量ホッパ13に対応する供給ホッパ12の投入用のゲート12aを開放して、被計量物20を当該空の計量ホッパ13へ供給し、ステップs6へ移る。
【0065】
ステップs4において、ホッパ制御停止フラグがオンしているときには、供給ホッパ制御を行うことなく、すなわち、供給ホッパ12の投入用のゲート12aの制御を停止してステップs6へ移る。この場合には、供給ホッパ12の投入用のゲート12aの開閉制御が停止されるので、計量ホッパ13に被計量物20が供給されなくなり、実質的に後述のステップs7の組合せ演算が行われなくなり、計量動作は停止されることなる。このホッパ制御停止フラグが、いつオンされるかについては、後述する。
【0066】
ステップs6では、計量ホッパ13に被計量物20が供給されると、対応する重量センサ10によって、前記計量ホッパ13に供給された被計量物20の重量を計量し、計量値を制御装置9に取込む計量制御を行う。
【0067】
次に、計量ホッパ13に供給されている被計量物20の重量に基づいて、組合せ演算を行い、被計量物20の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、組合せ目標重量に等しいか、あるいは、組合せ目標重量よりも重く、かつ、組合せ目標重量に近い所定重量の計量ホッパ13の組合せである最適組合せの選択を行う(ステップs7)。その後、包装機15からの排出要求信号の入力があるか否かを判断し(ステップs8)、排出要求信号の入力があると、組合せ演算で選択された最適組合せの計量ホッパ13の排出用のゲート13aを開放して被計量物20を排出する計量ホッパ制御を行い(ステップs9)、ステップs1に戻る。以下、上述と同様の計量サイクルを繰り返すことによって、最適組合せの被計量物20が包装機15へと排出される。
【0068】
図4は、図3のステップs1の供給装置制御の詳細を示すフローチャートである。
【0069】
先ず、トップコーン用重量センサ5によるトップコーン3上の被計量物20の計量値を入力として取り込み(ステップs100)、計量値が上述の供給下限値未満であるか否かを判断し(ステップs101)、供給下限値未満であるときには、供給装置1に対する駆動信号をオンして被計量物20の供給開始を指令し(ステップs102)、これによって、供給装置1が被計量物20の供給動作を開始する。
【0070】
ステップs101において、計量値が供給下限値未満でないときには、計量値が供給上限値以上であるか否かを判断し(ステップs103)、供給上限値以上であるときには、供給装置1に対する駆動信号をオフして被計量物20の供給停止を指令し(ステップs104)、これによって、供給装置1が被計量物20の供給動作を停止する。
【0071】
ステップs103において、計量値が上限値以上でないときには、ステップs100に戻る。
【0072】
図5は、図3のステップs2のメインフィーダ制御の詳細を示すフローチャートである。
【0073】
先ず、トップコーン用重量センサ5によるトップコーン3上の被計量物20の計量値を入力として取り込み(ステップs200)、計量値が、上述の分散下限値未満であるか否かを判断し(ステップs201)、分散下限値未満であるときには、トップコーン3上の被計量物20が無くならないようにメインフィーダ4の駆動を停止し(ステップs202)、ステップs200に戻る。
【0074】
ステップs201において、計量値が分散下限値未満でないときには、計量値が分散上限値以上であるか否かを判断し(ステップs203)、分散上限値以上であるときには、メインフィーダ4を起動し(ステップs204)、ステップs200に戻る。
【0075】
ステップs203において、計量値が分散上限値以上でないときには、ステップs200に戻る。
【0076】
このようにトップコーン3上の被計量物20の量が、分散下限値未満になると、メインフィーダ4の運転を停止するので、トップコーン3上の被計量物20がそれ以上少なくなるのを防止することができ、トップコーン3上には、被計量物20が存在することになる。したがって、供給装置1からトップコーン3上へ転がり易い被計量物20が遅れて供給されるような場合に、トップコーン3上に存在している被計量物が、供給装置1から供給される被計量物20の転がりを阻止する壁として作用し、供給装置1からトップコーン3へ供給される被計量物20が、トップコーン3及びリニアフィーダパン6を転がって供給ホッパ12に過量に投入されるのを有効に阻止することができる。
【0077】
また、供給装置1からトップコーン3上に被計量物20が供給されて、トップコーン3上の被計量物20の量が、分散上限値以上に回復すると、メインフィーダ4の運転を再開して従来と同様にリニアフィーダ8へ被計量物20を分散供給することができる。
【0078】
図6および図7は、図3のステップs3のリニアフィーダ制御の詳細を示すフローチャートである。
【0079】
先ず、図6に示すように、ステップs300ではホッパ制御停止フラグを、ステップs301では被計量物検出フラグを、それぞれオフしてフラグを初期化する。
【0080】
次に、1〜nの複数のリニアフィーダ8を特定するための番号kを、初期値「1」に設定する(ステップs302)。なお、この番号kは、リニアフィーダ8を特定すると共に、対応する供給ホッパ12及び計量ホッパ13を特定する。
【0081】
ステップs303では、リニアフィーダ8(k)が駆動中であることを示す駆動中フラグがオンしているか否かを判断し、オンしているときには、駆動時間を計測するタイマを減算し(ステップs304)、タイムアップしたか否かを判断し(ステップs305)、タイムアップしたときには、リニアフィーダ8(k)の駆動をオフし(ステップs307)、図7のステップs308に移る。また、ステップs305において、タイムアップしていないときにも、ステップs308に移る。
【0082】
図6のステップs303において、リニアフィーダ8(k)が駆動中であることを示す駆動中フラグがオンしていないときには、リニアフィーダ8(k)の駆動フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs310)、駆動フラグがオンしているときには、駆動時間タイマをセットして駆動時間の計測を開始し(ステップs312)、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグをオンし(ステップs312)、リニアフィーダ8(k)の駆動を開始して図7のステップs308に移る(ステップs313)。
【0083】
図7示されるステップs308では、リニアフィーダ8(k)によって振動されるリニアフィーダパン6(k)の搬送端6aの被計量物20を検出する被計量物センサ7によって被計量物20が検出されているか否かを判断し、被計量物20が検出されているときには、被計量物20が検出されていることを示す被計量物検出フラグをオンしてステップs317に移り(ステップs309)、被計量物20が検出されていないときには、ステップs317に移る。
【0084】
このステップs308の処理、すなわち、リニアフィーダパン6(k)の搬送端6aの被計量物20が被計量物センサ7によって検出されているか否かの判断は、リニアフィーダ8(k)の駆動中、タイムアップした駆動後、および、駆動フラグがオンで駆動を開始したときにも行われることになる。
【0085】
更に、図6のステップs310において、リニアフィーダ8(k)の駆動フラグがオンしていないときには、図7のステップs314に移り、このステップs314においても、被計量物センサ7によってリニアフィーダパン6の搬送端6aの被計量物20が検出されているか否かを判断する。したがって、リニアフィーダパン6(k)の搬送端6aの被計量物20が被計量物センサ7によって検出されているか否かの判断は、リニアフィーダ8(k)が駆動されてない期間においても行われる。
【0086】
この実施形態では、リニアフィーダパン6上の被計量物20が無くなってもリニアフィーダ8の駆動を継続するようにしており、これによって、メインフィーダ4の駆動を停止した後、再び起動されてトップコーン3から被計量物20の供給が再開されたときには、被計量物20を、直ちにリニアフィーダパン6の搬送端6aへ搬送できるようにしている。
【0087】
このため、図7のステップs314において、被計量物センサ7によってリニアフィーダパン6の搬送端6aの被計量物20が検出されていなくても、リニアフィーダ8(k)を連続駆動するために、その駆動フラグをオンしてステップs317に移る(ステップs315)。なお、本発明の他の実施形態として、駆動フラグをオンすることなく、ステップs317に移るようにしてもよい。ステップs314において、被計量物20が検出されているときには、被計量物検出フラグをオンしてステップs317に移る(ステップs316)。
【0088】
図7のステップs317では、番号kを1つ増加し、番号kがn+1になったか否かを判断し(ステップs318)、n+1になっていないときには、図6のステップs303に戻って次のリニアフィーダ8について同様の処理を行なう。
【0089】
ステップs318において、n+1になったときには、1〜nの複数のリニアフィーダ8のいずれかの被計量物検出フラグがオンしているか否かを判断する(ステップs319)。
【0090】
このステップs319において、複数のリニアフィーダ8のいずれの被計量物検出フラグもオンしていないときには、いずれの被計量物センサ7によってもリニアフィーダパン6の搬送端6aの被計量物20が検出されていない、すなわち、いずれのリニアフィーダパン6の搬送端6aにも被計量物20が存在しないことになるので、供給ホッパ12および計量ホッパ13に被計量物20を投入することができない。そこで、このときには、上述の図3のステップs4のホッパ制御停止フラグをオンして終了する(ステップs320)。この場合、次の計量サイクルでは、ホッパ制御停止フラグがオンしているので、上述ように、実質的に組合せ演算が行われず、計量動作が停止されることになる。ステップs319において、被計量物検出フラグがオンしているときには、終了する。
【0091】
この実施形態では、複数のリニアフィーダ8のいずれの被計量物検出フラグもオンしていないとき、すなわち、被計量物検出フラグがオンしているリニアフィーダ8が1台もないときに、ホッパ制御停止フラグをオンしたけれども、本発明の他の実施形態として、被計量物検出フラグがオンしているリニアフィーダ8の台数が、予め設定した台数に満たないときに、ホッパ制御停止フラグをオンするようにしてもよい。あるいは、予め設定した複数の計量サイクルに亘って、被計量物検出フラグがオンしているリニアフィーダ8の台数が、予め設定した台数に満たないときに、ホッパ制御停止フラグをオンするようにしてもよい。
【0092】
図8は、図3のステップs5の供給ホッパ制御の詳細を示すフローチャートである。
【0093】
先ず、1〜nの複数の供給ホッパ12を特定するための番号kを、初期値「1」に設定する(ステップs500)。次に供給ホッパ12(k)の投入用のゲート12aが開閉中であるか否かを判断し(ステップs501)、開閉中であるときには、投入用のゲート12aの開閉制御が完了したか否かを判断し(ステップs502)、開閉制御が完了したときには、ステップs507に移る。ステップs502において、投入用のゲート12aの開閉制御が完了していないときには、投入用のゲート12aの開閉制御を行ってステップs507に移る(ステップs504)。
【0094】
ステップs507では、番号kを1つ増加し、番号kがn+1になったか否かを判断し(ステップs508)、n+1になったときには終了し、n+1になっていないときには、ステップs501に戻って次の供給ホッパ12について同様の処理を行なう。
【0095】
ステップs501において、供給ホッパ12(k)の投入用のゲート12が開閉中でないときには、供給ホッパ12(k)の下方の計量ホッパ13(k)の排出用のゲート13aが開閉されたか否かを判断し(ステップs505)、開閉されたときには、計量ホッパ13(k)から被計量物20が排出されたとして、該計量ホッパ13(k)に被計量物を投入するために供給ホッパ12(k)の投入用のゲート12aの開閉を開始してステップs507に移る(ステップs506)。
【0096】
上記ステップs505において、計量ホッパ13(k)の排出用のゲート13aが開閉されていないときには、ステップs507に移る。
【0097】
このように供給ホッパ制御では、計量ホッパ13の排出用のゲート13aが開閉されて被計量物20が排出されると、供給ホッパ12の投入用のゲート12aを開閉して被計量物20を計量ホッパ13に供給し、リニアフィーダ8の駆動フラグをオンしてリニアフィーダパン6から被計量物20が投入されるように制御を行う。
【0098】
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態として、図9に示すように、トップコーン3の周縁を囲むように、可撓性を有するリング状の枠体26を設置し、この枠体26の下端の設置高さを調整することによって、トップコーン3からリニアフィーダパン6へ移送される被計量物20の個数を規制するようにしてもよい。
【0099】
かかる枠体26によって、トップコーン3からリニアフィーダパン6へ移送される被計量物20の個数が、例えば、1個ずつに規制されることになり、これによって、リニアフィーダパン6上の被計量物、したがって、該リニアフィーダパン6から供給ホッパ12へ投入される被計量物20を適量に制御することができる。また、供給装置1とトップコーン3との高低差(落差)が大きいような場合にも、供給装置1から供給される被計量物20が、枠体26によって転がるのが有効に阻止されることになる。
【0100】
上述の実施形態では、トップコーン3上の被計量物20の量を、トップコーン用重量センサ5によって検出したけれども、本発明の他の実施形態として、重量センサに代えて、トップコーン3の上方に、例えば超音波式などのレベル検出器を設け、このレベル検出器によって、トップコーン3上の被計量物20の量を検出し、トップコーン3上の被計量物20の量を制御してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 供給装置
3 トップコーン
4 メインフィーダ
5 トップコーン用重量センサ
6 リニアフィーダパン
7 被計量物センサ
8 リニアフィーダ
9 制御装置
10 重量センサ
12 供給ホッパ
13 計量ホッパ
15 包装機
16 CPU部
20 被計量物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10