特許第5752444号(P5752444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752444
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】内部加圧式の医療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20150702BHJP
   A61B 19/00 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   A61B17/00 320
   A61B19/00 502
【請求項の数】19
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-44527(P2011-44527)
(22)【出願日】2011年3月1日
(65)【公開番号】特開2011-177515(P2011-177515A)
(43)【公開日】2011年9月15日
【審査請求日】2013年12月19日
(31)【優先権主張番号】61/309,606
(32)【優先日】2010年3月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/020,354
(32)【優先日】2011年2月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ゼムロック
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル プリバニック
(72)【発明者】
【氏名】アダム ロス
(72)【発明者】
【氏名】スタニスロウ マルクジク
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−154094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧式の外科用器具であって、
本体部分と、該本体部分から延長する細長いチューブ状の部材とを有する外科用器具と、
該外科用器具内に配置された一次センサーであって、作業する環境内の圧力を検出する一次センサーと、
該外科用器具の本体部分内に配置された加圧メカニズムであって、該加圧メカニズムは、該一次センサーに接続されコントローラと、該コントローラに接続され圧力送出システムとを含み、該コントローラは、該外科用器具内の圧力を検出する第2のセンサーを組み込み、該コントローラは、該作業する環境内の圧力と該外科用器具内の圧力とを比較し、該圧力送出システムは、該外科用器具の内部と流体連結し、かつ、該外科用器具の内部に加圧気体を供給するように構成されており、該加圧気体の供給は、該作業する環境内の圧力が該外科用器具内の圧力を超えていることを該コントローラが決定することによってトリガーされる、加圧メカニズムと
を含む、加圧式の外科用器具。
【請求項2】
前記圧力送出システムは、前記細長いチューブ状の部材の内部と流体連結している、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項3】
前記圧力送出システムは、チューブを通して、前記細長いチューブ状の部材の内部と流体連結している、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項4】
前記圧力送出システムは、前記外科用器具の前記本体部分内に配置された内蔵型の気体カートリッジを含む、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項5】
前記圧力送出システムは、前記内蔵型の気体カートリッジと前記コントローラとに接続されバルブを含み、その結果、該バルブは該コントローラから受信された信号に応答し、該内蔵型の気体カートリッジによって放出される気体を調整する、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項6】
前記圧力送出システムは、加圧するポンプを含み、該加圧するポンプは、前記細長いチューブ状の部材の内部と流体連結し、かつ前記コントローラに接続されている、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項7】
前記圧力送出システムは、前記加圧式のポンプから前記本体部分の外部の位置ま延長する引き出しチューブをさらに含む、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項8】
前記加圧するポンプは、前記コントローラから受信された信号に応答し、気体を送る、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項9】
前記圧力送出システムは、バルブと、該バルブから接続継手ま延長する接続チューブとを含み、該バルブは、前記コントローラに接続されている、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項10】
前記接続継手は、通気流体の外部ソースに解放可能に取り付け可能である、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項11】
前記バルブは、前記コントローラから受信された信号に応答し、加圧式のポンプによって放出される気体を調整する、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項12】
前記チューブの遠位端は、前記細長いチューブ状の部材の近位端と流体連結しているカラーに接続される、請求項に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項13】
前記カラーは、該カラーの周囲に配置された一連のポートを通して、前記細長いチューブ状の部材の前記近位端と流体連結している、請求項12に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項14】
前記一次センサーは、前記細長いチューブ状の部材内に配置されている、請求項1に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項15】
前記一次センサーは、前記細長いチューブ状の部材の遠位端に隣接して配置されている、請求項14に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項16】
前記一次センサーは、前記細長いチューブ状の部材の壁内に含まれている、請求項14に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項17】
前記一次センサーは、センサーケーブルを通して、前記コントローラに接続されている、請求項1に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項18】
前記センサーケーブルは、前記細長いチューブ状の部材の壁内に含まれている、請求項17に記載の加圧式の外科用器具。
【請求項19】
前記細長いチューブ状の部材は、通気流体の損失を防ぐためのシールを組み込む、請求項1に記載の加圧式の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は2010年3月2日に出願した米国仮特許出願番号61/309,606の優先権および利益を主張する。前記文献の全部の内容はここで参照することにより組み込まれる。
【0002】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は加圧式の外科用器具に関する。より具体的には、本開示は、通気される体腔内で検出された圧力を内部でバランスを保つか、またはその圧力を上回るように構成される加圧メカニズムを組み込む加圧式の外科用器具に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の背景)
例えば腹腔鏡手順のような特定の外科手順の間に、外科用器具のための作業するスペースを作るために、患者の体壁を下にある組織から分離することはしばしば必要である。これは、典型的には、体壁を通る切開を形成し、切開を通してアクセスポートまたはカニューレを挿入することによって達成される。拡張または通気の流体または気体のソースは提供される。気体は、カニューレを通して体腔に押し込まれる。通気流体が体腔に入るとき、流体は、作業するスペースを作るように体壁を下にある組織から押し離す。これは結果的に、作業するスペースが体の外部の周囲の圧力より高い内部圧力を有することをもたらす。
【0004】
いったん通気される作業するスペースが作られれば、外科手順を行うために、外科用器具はカニューレを通して、通気される体腔内に挿入され得る。これらの外科用器具は、典型的には、患者の体の外に残るハンドルまたは本体部分と、カニューレを通して加圧された体腔内に挿入される作業する器具またはエンドエフェクタを有する細長いチューブ状の部材とを含む。体腔が体腔の外の圧力より高い圧力であるゆえに、通気流体は、細長いチューブ状の部分を通して上へ抜け、外科用器具の本体部分内のギャップを通して出て行く傾向がある。細長いチューブ状の部材を通るこの通気気体の漏れおよび流れは、細長いチューブ状の部材内に引き出しまたは吸い上げる効果を作り、このことは、体液および組織を、エンドエフェクタを通して、細長いチューブ状の部分内へ引っ張る。エンドエフェクタおよび外科用器具の残りへの体液および組織の導入は、外科用器具の作業する部品を汚染し、かつ塞ぎ得る。これは結果的に、汚染物質が外科用器具を通過することに加えて、外科用器具を動作させることを困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえに、外科用器具を通る体液および組織の漏れを防ぐ外科用器具を提供することは望ましい。外科用器具を通る通気流体の漏れを防ぐために、外科用器具内の圧力を体腔内の圧力とバランスを保つための加圧メカニズムを組み込む外科用器具を提供することはさらに望ましい。カニューレによって体腔内に提供される通気流体を増やすように利用され得る加圧式の外科用器具を提供することはなおさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本体部分と、本体部分から延長する細長いチューブ状の部材とを有する加圧式の外科用器具が開示される。一次センサーは、作業する環境の圧力を検出するために、外科用器具内に置かれる。加圧式の外科用器具は、外科用器具の圧力を作業する環境とのバランスを保つために、外科用器具の本体部分内に置かれる加圧メカニズムをさらに含む。加圧メカニズムは、一次センサーに接続されるコントローラと、コントローラに接続される圧力送出システムとを含む。圧力送出システムは、コントローラから受信された信号に応答し、外科用器具の内部へ正の圧力を提供し、外科用器具の内部と流体連結している。具体的には、圧力送出システムは、細長いチューブ状の部材の内部と流体連結している。
【0007】
コントローラは、外科用器具内の圧力を検出するための第2のセンサーを組み込む。コントローラは、作業する環境の圧力を外科用器具内の圧力と比較する。
【0008】
圧力送出システムはチューブを含み、チューブの遠位端は、細長いチューブ状の部材の近位端と流体連結しているカラーに接続される。カラーは、カラーの周囲に置かれる一連のポートを通して、細長いチューブ状の部材の近位端と流体連結している。
【0009】
一次センサーは、細長いチューブ状の部材内に置かれる。具体的には、一次センサーは細長いチューブ状の部材の遠位端に隣接して置かれる。一次センサーは、センサーケーブルを通して、コントローラに接続される。特定の実施形態において、一次センサーおよびセンサーケーブルは細長いチューブ状の部材の壁内に含まれる。
【0010】
1つの実施形態において、圧力送出システムは、外科用器具の本体部分内に置かれる内蔵型の気体カートリッジを含む。圧力送出システムは、内蔵型の気体カートリッジとコントローラとに接続されるバルブを含み、その結果、バルブがコントローラから受信された信号に応答して、内蔵型の気体カートリッジによって放出される気体を調整する。
【0011】
代替実施形態において、圧力送出システムは、細長いチューブ状の部材の内部と流体連結し、およびコントローラに接続される加圧するポンプを含む。引き出しチューブは、ポンプ内に低い圧力の通気気体を引くために、加圧式のポンプから本体部分の位置および外部に延長する。
【0012】
さらなる代替実施形態において、圧力送出システムは、バルブと、バルブから接続継手まで延長するコネクションとを含む。バルブはコントローラに接続される。この実施形態において、接続継手は、通気流体の外部ソースに対して解放可能に取り付け可能である。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1) 加圧式の外科用器具であって、
本体部分と、該本体部分から延長する細長いチューブ状の部材とを有する外科用器具と、
作業する環境内の圧力を検出するための該外科用器具内に置かれる一次センサーと、
該外科用器具の本体部分内に置かれる加圧メカニズムであって、該一次センサーに接続されるコントローラと、該コントローラに接続される圧力送出システムとを含み、該圧力送出システムが該外科用器具の内部と流体連結している、加圧メカニズムと
を含む、加圧式の外科用器具。
(項目2) 上記コントローラは、上記外科用器具内の圧力を検出するための第2のセンサーを組み込み、該コントローラが上記作業する環境内の圧力を該外科用器具内の圧力と比較する、上記項目に記載の加圧式の外科用器具。
(項目3) 上記圧力送出システムは、上記細長いチューブ状の部材の内部と流体連結している、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目4) 上記圧力送出システムは、チューブを通して、上記細長いチューブ状の部材の内部と流体連結している、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目5) 上記圧力送出システムは、上記外科用器具の本体部分内に置かれる内蔵型の気体カートリッジを含む、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目6) 上記圧力送出システムは、上記内蔵型の気体カートリッジと上記コントローラとに接続されるバルブを含み、その結果、該バルブは該コントローラから受信された信号に応答し、該内蔵型の気体カートリッジによって放出される気体を調整する、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目7) 上記圧力送出システムは、上記細長いチューブ状の部材の内部と流体連結し、かつ上記コントローラに接続される加圧するポンプを含む、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目8) 上記圧力送出システムは、上記加圧式のポンプから上記本体部分の外部の位置までに延長する引き出しチューブをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目9) 上記加圧するポンプは、上記コントローラから受信された信号に応答し、気体を送る、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目10) 上記圧力送出システムは、バルブと、該バルブから接続継手までに延長する接続チューブとを含む、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目11) 上記接続継手は、通気流体の外部ソースに解放可能に取り付け可能である、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目12) 上記バルブは、上記コントローラから受信された信号に応答し、加圧式のポンプによって放出される気体を調整する、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目13) 上記チューブの遠位端は、上記細長いチューブ状の部材の近位端と流体連結しているカラーに接続される、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目14) 上記カラーは、該カラーの周囲に置かれる一連のポートを通して、上記細長いチューブ状の部材の上記近位端と流体連結している、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目15) 上記一次センサーは、上記細長いチューブ状の部材内に置かれる、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目16) 上記一次センサーは、上記細長いチューブ状の部材の遠位端に隣接して置かれる、記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目17) 上記一次センサーは、上記細長いチューブ状の部材の壁内に含まれる、記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目18) 上記一次センサーは、センサーケーブルを通して、上記コントローラに接続される、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目19) 上記センサーケーブルは、上記細長いチューブ状の部材の壁内に含まれる、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
(項目20) 上記細長いチューブ状の部材は、通気流体の損失を防ぐためのシールを組み込む、上記項目のいずれかに記載の加圧式の外科用器具。
【0014】
(摘要)
加圧される外科の環境に用いられるための加圧式の外科用器具が提供される。加圧式の外科用器具は、使用の間に、外科用器具内に中立または正の圧力の流れを維持するための加圧するシステムを含む。加圧するシステムは、外科の環境の圧力を検出するための一次センサーと、外科用器具の圧力を外科の環境とのバランスを保つための加圧するメカニズムとを含む。加圧するメカニズムは、一次センサーから送られた信号を受信し、器具の周囲または内部の圧力と比較するためのコントローラと、コントローラから受信された信号に応答して外科用器具の内部へ正の圧力を提供するための圧力送出システムとを含む。圧力送出システムのための圧力のソースは、外部であり得、または外科用器具内に内蔵され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示される加圧式の外科用器具のさまざまな実施形態は、図面を参照することとともにここで開示される。
図1図1は、従来技術の外科用器具と、体腔の壁を通して、通気または加圧される体腔内に挿入される従来技術のカニューレとの側面図である(部分的に断面で示される)。
図2図2は、従来技術のカニューレを通して、加圧される体腔内に挿入される加圧式の外科用器具の第1の実施形態の側面図である(部分的に断面で示される)。
図3図3は、加圧式の外科用器具のハンドルまたは本体部分内に位置している内蔵型の加圧メカニズムを説明する図2の拡大されたエリアの詳細図である。
図4図4は、加圧式の外科用器具の細長いチューブ状の部材の遠位端に隣接して置かれる一次センサーを説明する図2の拡大されたエリアの詳細図である。
図5図5は、細長いチューブ状の部材内の圧力を等しくするための内蔵型の加圧メカニズムの動作を説明する図2に類似する図である。
図6図6は、外科用器具内に、加圧される体腔内の圧力より高い圧力を作るための内蔵型の加圧メカニズムの動作を説明する図2に類似する図である。
図7図7は、従来技術のカニューレを通して、加圧される体腔内に挿入される加圧式の外科用器具の代替実施形態の側面図である(部分的に断面で示される)。
図8図8は、加圧式の外科用器具のハンドルまたは本体部分内に位置している加圧メカニズムの代替実施形態を説明する図7の拡大されたエリアの詳細図である。
図9図9は、加圧式の外科用器具の細長いチューブ状の部材内の圧力を等しくするための加圧メカニズムの動作を説明する図7に類似する図である。
図10図10は、外科用器具内に、加圧される体腔内の圧力より高い圧力を作るための加圧メカニズムの動作を説明する図7に類似する図である。
図11図11は、従来技術のカニューレを通して、加圧される体腔内に挿入される加圧式の外科用器具のさらなる代替実施形態の側面図である(部分的に断面で示される)。
図12図12は、加圧式の外科用器具のハンドルまたは本体部分内に位置している加圧メカニズムのさらなる代替実施形態を説明する図11の拡大されたエリアの詳細図である。
図13図13は、加圧式の外科用器具の細長いチューブ状の部材内の圧力を等しくするための加圧メカニズムの動作を説明する図11に類似する図である。
図14図14は、加圧式の外科用器具内に、加圧される体腔内の圧力より高い圧力を作るための加圧メカニズムの動作を説明する図11に類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態の詳細な説明)
本開示される加圧式の外科用器具の実施形態は、ここで、図面を参照することとともに詳細に記述され、図面では、同じ数字がいくつかの図の各々内の同一または対応する要素を示す。当技術分野で一般的であるように、用語「近位」は、ユーザーまたはオペレーター、例えば、外科医または内科医に近い部分または部品を指し、その一方で、用語「遠位」は、ユーザーから離れた部分または部品を指す。
【0017】
最初に図1を参照すると、従来技術の外科用器具10と従来技術のカニューレ12とが説明される。従来技術のカニューレ12は説明され、体腔の壁BCWを通して形成される切開Iを通して挿入され、体腔BC内に延長する。従来技術のカニューレ12は、体腔BC内に外科の操作を行うように、カニューレを通る従来技術の外科用器具10の部分を受け取るように提供される。従来技術のカニューレ12は、概して、本体部分14と、本体部分14から遠位に延長する従来技術のカニューレチューブ16とを含む。本体部分14とカニューレチューブ16とは、従来技術の外科用器具10の部分の受け取りのために、貫通孔18を形成する。貫通孔18は、本体部分14の近位端20からカニューレチューブ16の開放の遠位端22までに延長する。
【0018】
例えば、シール24と26のような1組のシールは、体腔BCの外への気体の漏れを防ぎ、従来技術の外科用器具10の周囲を密封するように、本体部分14内に提供され得る。加圧され、それによって体腔BC内に作業するスペースを作るために、気体ポート28は、気体または通気流体30のソースの受け取りのために本体部分14上に提供される。通気流体30のソースは、体腔BC内に作業するスペースを拡張し、かつ作るように、例えば、二酸化炭素のような不活性、無毒な気体を提供する。バルブ32は、体腔BC内への気体の流れをコントロールするように、気体ポート28上に提供される。
【0019】
従来技術の外科用器具10は、概して、本体部分34から遠位に延長する細長いチューブ状の部材36を有するハンドルまたは本体部分34を含む。エンドエフェクタ40は、体腔BC内に位置している組織上の外科の操作を行うために、細長いチューブ状の部材36の遠位端38上に位置している。従来技術の外科用器具10において、エンドエフェクタ40は、ステーブルカートリッジ42と、ステーブルカートリッジ42に対して移動可能に取り付けられるアンビル部材44とを含む。アンビル部材44は、ステーブルカートリッジ42からスペースされる開放の位置と、アンビル部材44がステーブルカートリッジ42と近く協同的な一列になる閉じた位置との間に移動可能である。エンドエフェクタ40は、ステーブルカートリッジ42とアンビル部材44とを含むように説明される一方で、例えば、カッター、捕捉装置、バイオブシーデバイス、電子メスデバイス、などのような他のタイプのエンドエフェクタも、従来技術の外科用器具10に用いられるために考えられる。作動装置またはトリガー46は、本体部分34上に提供され、ステーブルカートリッジ42に対する開放の位置と閉じた位置との間にアンビル部材44を移動するように動作可能である。回転装置のカフ48は、本体部分34上に回転可能に取り付けられ、細長いチューブ状の部材36にはり付けられる。回転装置のカフ48は、動作される組織に対してエンドエフェクタ40を正しく向かわせるために、細長いチューブ状の部材36を回転し、このようにして、エンドエフェクタ40を回転するように提供される。
【0020】
体腔BC内に外科の操作を行うように従来技術の外科用器具10および従来技術のカニューレ12を使うとき、切開Iは体腔の壁BCWを通して形成され、カニューレチューブ16は、従来技術のカニューレ12がアクセスポートを形成するように切開Iを通して体腔BC内に挿入される。いったん従来技術のカニューレ12が正しく置かれれば、バルブ32は、矢印Aの方向に通気気体を通気流体のソース30から、貫通孔18を通して、体腔BC内へ流すように開放され、それによって、作業するスペースを作るように体腔BCを拡張する。通気気体が体腔BC内へ流れるとき、体腔BC内の圧力P1は、体腔BCの外側の外部または周囲の圧力P2より高いレベルに上昇させられる。
【0021】
いったん体腔BCが正しく拡張され、圧力P1に加圧されれば、従来技術の外科用器具10は、エンドエフェクタ40および細長いチューブ状の部材36が、シール24と26および貫通穴18を通して従来技術のカニューレ12内に挿入されるように操作される。いったんエンドエフェクタ40がカニューレチューブ16の遠位端22の外へ延長されれば、所望の外科の操作は、体腔BC内で行われる。
【0022】
体腔BC内の圧力P1が体腔BCの外側の圧力P2より高いので、体腔BC内に位置しているエンドエフェクタ40と、体腔BCの外側に位置している本体部分34のような従来技術の外科用器具10の残りとの間に圧力差が存在する。体腔BC内に位置している通気気体は、(いくつかの場合において)、矢印Bの方向に従来技術の外科用器具10を通して近位に押し出され得、本体部分34内へ、回転装置のカフ48と本体部分34との間およびトリガー46と本体部分34との間のギャップの間に外へ抜け得る。従来技術の外科用器具10は、典型的には、通気気体の漏れを防ぐようなさまざまなシール(示されていない)を含む一方で、これらのシールは、作動の間に、特に従来技術の外科用器具10の内部の部品がシールに対して移動するとき、なおリークし得る。通気気体が、従来技術の外科用器具10を通して近位に移動するとき、通気気体は、体液および組織粒をエンドエフェクタ40および細長いチューブ状の部材36を通して、近位に引き出し、または吸い上げる傾向があり、それによって、従来技術の外科用器具10の内部の部品を汚染し、いくつかの場合において、もしかするとそれにダメージを与える。さらに、従来技術の外科用器具10は、通気気体の漏れのための細道を提供し得、それによって、体腔BC内の圧力P1を低下させる。
【0023】
ここで、図2を参照すると、体腔BC内の外科の操作を行うための従来技術のカニューレ12とともに使用するための加圧式の外科用器具50が開示される。加圧式の外科用器具50は、加圧式の外科用器具50を通して、体腔BCの外への通気気体の漏れを抑制するように設計される。加圧式の外科用器具50は、概して、本体部分52から遠位に延長する細長いチューブ状の部材54を有するハンドルまたは本体部分52を含む。エンドエフェクタ56は、細長いチューブ状の部材54の遠位端58上に取り付けられ、ステーブルカートリッジ60と、ステーブルカートリッジ60に対して移動可能に取り付けられるアンビル部材62とを含む。トリガーまたは作動装置64は、アンビル部材62をステーブルカートリッジ60からスペースされる開放の位置からステーブルカートリッジ60に隣接する閉じた位置までに移動するように提供される。加圧式の外科用器具50はエンドエフェクタ56を含むように開示される一方で、従来技術の外科用器具10に関して、本明細書において前述されたそれらのような他のエンドエフェクタは提供され得る。回転装置のカフ66は、動作される組織に対してエンドエフェクタ56を正しく向けるために、本体部分52の遠位端68上に回転可能に取り付けられ、細長いチューブ状の部材54にはり付けられる。
【0024】
加圧式の外科用器具50を通る体腔BCの外への通気気体の漏れを防ぐために、加圧式の外科用器具50は、細長いチューブ状の部材54内に体腔BC内の圧力P1より高い、または等しい圧力P3(図5)を生成するように提供される加圧メカニズム70を含む。細長いチューブ状の部材54内に圧力P3の生成は、通気気体の漏れと、加圧式の外科用器具50内への体液および組織の吸い上げとを防ぐ。一次センサー72は、細長いチューブ状の部材54の遠位端58に隣接して位置し、圧力P1を検出するように提供される。本明細書の後により詳しく記述される方法において、センサーケーブル74は、細長いチューブ状の部材54を通して、一次センサー72から加圧メカニズム70までに延長する。
【0025】
ここで、図3を参照すると、本明細書において前述されたように、作動装置64は、本体部分52に対して移動可能に取り付けられる。作動装置64は、ピボット76で本体部分52に取り付けられる。エンドエフェクタ56(図2)を作動させるために、コントロールロッド78は、作動装置64の内部の末端80から、細長いチューブ状の部材54を通して延長する。コントロールロッド78の近位端82は、内部の末端80上に形成されるスタッド84によって、内部の末端80に移動可能にはり付けられる。コントロールロッド78の遠位端(示されていない)は、エンドエフェクタ56を作動させるように、エンドエフェクタ56にはり付けられる。さらに本明細書において前述されたように、外科用器具は、典型的には、外科用器具を通る気体の漏れを防ぐことを助けるためのさまざまなシールを含む。加圧式の外科用器具50は、コントロールロッド78の周囲を密封するように、細長いチューブ状の部材54の近位端88に位置しているシール86を含む。
【0026】
加圧メカニズム70は、内部の圧力をモニターすることと、一次センサー72により送られる信号を受信し、加圧メカニズム70によって生成されるべき圧力P3を決定するように提供される標準回路またはコントローラ90とを含む。具体的に示されていない一方で、コントローラ90は、比較センサーと、一次センサー72によって感知された加圧する体腔の圧力P1を、体腔BCの外部のコントローラ90内のセンサーによって検出された周囲の圧力P2と比較するためのマイクロプロセッサーまたはアナログコントロール回路とを含む。コントローラ90は、バルブで調整または加圧する標準メカニズムが、圧力P1より高いまたは等しいレベルで外科用器具の内部の圧力P3を生成し、かつ維持するように、トリガーする。センサーケーブル74の近位端92は、一次センサー72から受信された信号を送るように、コントローラ90に接続される。
【0027】
加圧メカニズム70は、本体部分52内に置かれる内蔵型の気体キャニスター94をさらに含む。内蔵型の気体キャニスター94は、二酸化炭素の通気気体を含む。バルブ96は、内蔵型の気体キャニスター94の外への、および加圧式の外科用器具50を通る気体の流量を調整するように、内蔵型の気体キャニスター94上に提供される。バルブケーブル98は、コントローラ90からバルブ96までに延長する。コントローラ90は、加圧式の外科用器具50内に気体圧力P3を提供するために、一次センサー72によって検出された圧力P1を比較し、バルブ96を開けるようにトリガーする。内蔵型の気体キャニスター94、バルブ96、およびバルブケーブル98は、加圧メカニズム70の圧力送出システム100を形成する。
【0028】
圧力送出システム100は、バルブ96に接続される第1末端104と、シール86の遠位に細長いチューブ状の部材54の近位端108に接続される第2末端106とを有する圧力チューブ102をさらに含む。具体的には、カラー(collar)110は、カラー110で形成される複数のポート112を通して、細長いチューブ状の部材54と流体連結している。圧力チューブ102の第2末端106は、加圧気体または通気流体を内蔵型の気体キャニスター94から細長いチューブ状の部材54までへ送るようにカラー110にはり付けられる。
【0029】
今は、図4を参照すると、本明細書において前述されたように、一次センサー72は、細長いチューブ状の部材54の遠位端58に隣接して位置している。センサーケーブル74の遠位端114は、一次センサー72にはり付けられる。一次センサー72は、細長いチューブ状の部材54の内部の表面116にはり付けられ得、または、代わりに、一次センサー72は、細長いチューブ状の部材54の壁118の内部に形成され得、型に入れて作られ得、または別の方法で置かれ得る。さらに、センサーケーブル74も、壁118の内部に、一次センサー72の近位から細長いチューブ状の部材54の近位端88までに延長し得る。一次センサー72が、細長いチューブ状の部材54内に位置しているように開示される一方で、一次センサー72が加圧式の外科用器具50内の他の場所にでも位置し得ることは注意すべきである。
【0030】
ここで、図2−6を参照すると、最初に図2に関して、加圧式の外科用器具50の使用が、ここで、記述される。従来技術のカニューレ12は、従来技術のカニューレ12の遠位端22が体腔BC内に位置しているように、体腔の壁BCWを通して形成される切開Iを通して挿入される。その後は、バルブ32は、気体を通気流体30から、気体ポート28を通して従来技術のカニューレ12の遠位端22の外へ流すように開放される。気体は、体腔BCを周囲の圧力P2より高い圧力P1に通気し、体腔BC内に作業するスペースを作るように、矢印Aの方向に流れる。本明細書において前述された従来技術の外科用器具10に類似して、加圧式の外科用器具50が静止または非動作の状態であるとき、通気気体は、矢印Bの方向に加圧式の外科用器具50を通して近位に流れ得、それによって、加圧式の外科用器具50を通して器具内へ通気流体および体の組織を吸い上げする。
【0031】
ここで、図3と5を参照すると、加圧メカニズム70の作動時、コントローラ90(図3)は、一次センサー72によって検出された圧力P1に比例する信号を受信し、それを加圧式の外科用器具50内の圧力P3と比較する。圧力P1がP3より高いであれば、コントローラ90は、バルブ96を含む圧力送出システム100が開放し、高い圧力の気体を内蔵型の気体キャニスター94から、圧力チューブ102を通して、細長いチューブ状の部材54の近位端108でのカラー110までへ流すように、信号を送る。これは、矢印Cの方向に加圧式の外科用器具50を通して遠位への気体の流れを起こす。気体が矢印Cの方向に加圧式の外科用器具50を通して遠位に流れるとき、加圧式の外科用器具50内の圧力は、加圧式の外科用器具50内の圧力P3が体腔BC内の圧力P1と等しいであるように等しくされ、それによって、加圧式の外科用器具50を通して近位への他の流れまたは、体液または組織の吸い上げを防ぐ。コントローラ90が、圧力P1と等しく、または圧力P1より高い圧力P3を提供するように調整され得ることは注意すべきである。
【0032】
ここで、図6を参照すると、本明細書において前述されたように、コントローラ90は、体腔BC内に圧力P1より高い圧力P3を提供するように調整され得る。追加の通気流体が、通気された状態の体腔BCを維持し、追加のアクセスポートまたは従来技術のカニューレ12を通る通気気体の損出に対して防ぐ必要があり得ることは望ましい。この場合において、コントローラ90は、矢印Cの方向に、加圧式の外科用器具50を通して、細長いチューブ状の部材54の遠位端58の外へ、体腔BC内への(P1より高い圧力P3を有する)高い圧力気体の流れを提供するように、圧力送出システム100をトリガーする。
【0033】
この方法において、加圧式の外科用器具50は、加圧式の外科用器具50を通して戻る体液および組織の吸い上げを防ぎ、他のアクセスポートを通る他の損失をオフセットするように体腔BC内に追加の通気流体を提供するように利用され得る。
【0034】
ここで、図7−10を参照すると、最初に図7に関して、体腔BC内に外科の操作を行うための従来技術のカニューレ12とともに使用するための加圧式の外科用器具120のもう1つの代替実施形態が開示される。本明細書において前述された加圧式の外科用器具50と同様に、加圧式の外科用器具120は、腔BCの外への通気気体の漏れを防ぎ、このようにして加圧式の外科用器具120を通る体液または組織の吸い上げを防ぐように設計される。加圧式の外科用器具120の操作上の構造は、加圧式の外科用器具50のものに類似し、一般的には、本体部分122から遠位に延長する細長いチューブ状の部材124を有するハンドルまたは本体部分122を含む。エンドエフェクタ126は、細長いチューブ状の部材124の遠位端128上に取り付けられ、ステーブルカートリッジ130とアンビル部材132と含む。アンビル部材132は、ステーブルカートリッジ130に対して移動可能に取り付けられる。トリガーまたは作動装置134は、ステーブルカートリッジ130からスペースされた開放の位置からステーブルカートリッジ130に隣接する閉じた位置までにアンビル部材62を移動するように提供される。回転装置のオフ136は、動作される組織に対してエンドエフェクタ126を向かわせるように、本体部分132の遠位端138上に回転可能に取り付けられる。
【0035】
加圧式の外科用器具120は、加圧式の外科用器具120を通る体腔BCの外への通気気体の漏れを防ぐための加圧メカニズム140を含む。加圧メカニズム140は、細長いチューブ状の部材124内に、体腔BC内の圧力P1より高い、または等しい圧力P4(図9)を生成するように提供される。本明細書において前述された方法において、一次センサー142は、細長いチューブ状の部材124の遠位端128に隣接して位置し、圧力P1を検出するように提供される。センサーケーブル144は、細長いチューブ状の部材124を通して、一次センサー142から加圧メカニズム140までへ延長する。加圧式の外科用器具50内の一次センサー72およびセンサーケーブル74に類似して、一次センサー142およびセンサーケーブル144は、細長いチューブ状の124の内側上提供され得、または細長いチューブ状の部材124の壁内に含ませ得る。
【0036】
ここで、図8を参照すると、作動装置134は、ピボット146で本体部分122に対して回転可能に取り付けられる。コントロールロッド148は、回転装置134の内部の末端150から、細長いチューブ状の部材124を通して、エンドエフェクタ126へ延長する。細長いチューブ状の部材124を通して作動装置134の動作によるコントロールロッド148の並進は、ステーブルカートリッジ130に対する開放の位置と閉じた位置との間に、公知の方法でアンビル部材132を移動する。コントロールロッド148の近位端152は、スタッド154によって、作動装置134の内部の末端150に固定される。シール156は、細長いチューブ状の部材124を通して体腔BCの外への通気気体の漏れを最小にするように、細長いチューブ状の部材124の近位端158内に提供される。
【0037】
加圧メカニズム140は、加圧するポンプ162を組み込む圧力送出システム160をさらに含む。加圧するポンプ162は、体腔BC内に位置している圧力P1より高い、または等しい圧力P4を生成するように提供される。圧力送出システム160は、加圧するポンプ162に接続される近位端166と、細長いチューブ状の部材124の近位端158上に提供されるカラー170に接続される遠位端168とを有する圧力チューブ164をさらに含む。カラー170は、シール156の遠位に位置し、細長いチューブ状の部材124の内部と流体連結している複数のポート172を含む。
【0038】
加圧するポンプ162は、例えば、内部バッテリー、外部パワーソースなどのようなさまざまな方法で動力を供給され得る。さらに、加圧するポンプ162は、外部エアーソースからその加圧する流体を引き出し得、この場合において、圧力P4が圧力P1と等しくすべきであり、または、圧力P1より高い圧力P4を生成することが望ましいとき、加圧するポンプは、低い圧力の通気流体の外部ソースに接続され得る。圧力送出システム160は、加圧するポンプ162に接続される第1の末端176と、通気流体の外部ソースに接続される第2の末端178とを有する引き出しチューブ174をさらに含む。外部チューブ180は、通気流体の外部ソースの接続のために提供され、第2の末端178に接続される。ブッシング182は、引き出しチューブ174の第2の末端178を外部チューブ180に接続するために提供され得る。
【0039】
加圧メカニズム140は、加圧式の外科用器具50に対して、本明細書において前述されたコントローラ90と大体に同じ機能を果たすコントローラ184をさらに含む。センサーケーブル144の近位端186は、一次センサー142によって検出される信号を送るためのコントローラ184に接続される。ポンプケーブル188は、コントローラ184と加圧するポンプ162との間に延長する。コントローラ184は、所望の圧力P4を生成するために、一次センサー142からの信号を受信し、加圧するポンプ162に命令の信号を送る。
【0040】
ここで、図7から10を通して参照すると、加圧式の外科用器具120内に圧力を生成するための加圧するメカニズム140の使用がここで記述される。カニューレ12は、本明細書において前述された方法において、体腔の壁BCWを通して置かれ、体腔BCは、作業するスペースを作るように圧力P1に通気される。その後は、加圧式の外科用器具120は、エンドエフェクタ126が体腔BC内に置かれるように、カニューレ12を通して操作される。
【0041】
最初に図7を参照すると、最初または非アクティブな状態において、通気気体は、矢印Aの方向に、従来技術のカニューレ12を通して体腔BC内に押し込まれる。加圧するメカニズム140がアクティブされていないとき、体腔BC内の圧力P1は、体腔BCの外側の圧力P2より高い、それによって、通気気体を矢印Bの方向に、加圧式の外科用器具120を通して流す。本明細書において前述されたように、矢印Bの方向の通気気体の漏れは、引き出しまた引き上げる効果を引き起こし、加圧式の外科用器具120内に体液および組織を吹き込む。
【0042】
ここで、図8と9を参照すると、加圧式の外科用器具120を通る体液の吸い上げることを防ぐように望まれるとき、加圧式の外科用器具120は、一次センサー142が体腔BC内の圧力P1を検出するようにアクティブされる。一次センサー142によって検出された信号は、センサーケーブル144を通して、加圧するメカニズム140に送られる。具体的には、信号は加圧メカニズム140のコントローラ184へ送られ、次に、加圧メカニズムは加圧送出システム160へ信号を送る。加圧するポンプ162は、アクティブされ、引き出しチューブ174を通して流体を引き出し、圧力チューブ164を通して細長いチューブ状の部材124内に流体を押し込む。流体圧力は、加圧式の外科用器具120の細長いチューブ状の部材124内に圧力P4を生成するように、矢印Cのラインに沿って押し流される。示されているように、生成される圧力P4は、体液または組織の吸い上げまたは漏れを防ぐように、加圧式の外科用器具120内の圧力を等しくする体腔圧力P1と等しい。
【0043】
ここで、図10を参照すると、体腔BC内に追加の通気流体を提供することが望ましいイベントにおいて、コントローラ184から加圧するポンプ162へ送られた信号は、加圧するポンプ162が体腔圧力P1より高い圧力P4を生成するようである。示されているように、加圧するポンプ162によって生成される加圧する気体は、加圧式の外科用器具120を通して、矢印Cの方向に進み、細長いチューブ状の部材124の遠位端128から出ていき、体腔BC内に入る。
【0044】
この方法において、加圧式の外科用器具120は、加圧式の外科用器具120内の圧力のバランスを保つか、または体腔BC内に通気流体の追加のソースを提供するように十分な圧力を生成するかのいずれかのように、加圧するメカニズム140の圧力送出システム160内に、内部の加圧するポンプ162を組み込む。
【0045】
ここで、図11から14を通して参照すると、加圧式の外科用器具190の他の実施形態が開示される。加圧式の外科用器具190は、概して、ハンドルまたは本体部分192と、本体部分192から遠位に延長する細長いチューブ状の部材194と含む。エンドエフェクタ196は、細長いチューブ状の部材194の遠位端198上に提供される。エンドエフェクタ196は、ステーブルカートリッジ200と、ステーブルカートリッジ200に移動可能に取り付けられるアンビル部材202と含む。トリガーまたは回転装置204は、本体部分192上に移動可能に取り付けられ、ステーブルカートリッジ200からスペースされる開放の位置からステーブルカートリッジ200に隣接する閉じた位置までにアンビル部材202を移動するように提供される。回転装置のカフ206は、本体部分192の遠位端208上に回転可能に取り付けられ、動作される組織に対してエンドエフェクタ196を向かわせるように回転可能である。
【0046】
加圧式の外科用器具190は、加圧式の外科用器具190を通る通気気体の漏れおよび体液の吸い上げを防ぐような加圧メカニズム210を含む。一次センサー212は、細長いチューブ状の部材194の遠位端198に隣接して置かれ、センサーケーブル214は、一次センサー212と加圧メカニズム210との間に延長する。前記の実施形態に類似して、一次センサー212とセンサーケーブル214が細長いチューブ状の部材194の壁(示されていない)内に含まれ得ることは注意すべきである。
【0047】
前に開示された実施形態と対照的に、加圧式の外科用器具190は、高い圧力の通気気体の外部ソース216を利用する。本明細書の後により詳しく記述される方法において、供給チューブ218は、提供され、外部ソース216から延長し、本体部分192内に提供される圧力送出システム220に接続される。
【0048】
図12を参照すると、作動装置204は、ピボット222で本体部分192に移動可能に取り付けられる。コントロールロッド224は、細長いチューブ状の部材194を通して延長し、その近位端228で作動装置204の内部の末端226に接続される。内部の末端226上に形成されたスタッド230は、コントロールロッド224の近位端228を作動装置204に固定する。シール232は、通気気体の漏れの防止を助けるように、細長いチューブ状の部材194の近位端234で提供される。
【0049】
この実施形態において、圧力送出システム220は、概して、供給チューブ218に解放可能な取り付けのための継手238を組み込むバルブ236を含む。圧力チューブ240は、提供され、バルブ236と細長いチューブ状の部材234との間に延長する。具体的には、圧力チューブ240の近位端242は、バルブ236に接続され、圧力チューブ240の遠位端244は、細長いチューブ状の部材194の近位端234の周囲に提供されるカラー246に接続される。カラー246は、一連のポート248を通して、細長いチューブ状の部材194と流体連結している。
【0050】
加圧メカニズム210は、加圧式の外科用器具50と120に関して本明細書において前述されたそれらのコントローラに大体類似しているコントローラ250を含む。センサーケーブル214の近位端252は、一次センサー212によって検出された圧力と比較可能な信号を送るように、コントローラ250に接続される。バルブケーブル254は、提供され、コントローラ250に接続される第1の末端256と、バルブ236に接続される第2の末端258とを有する。コントローラ250は、センサーケーブル214を通して送られる信号を受信し、バルブ236の操作をコントロールするように、バルブケーブル254に沿って信号を送る。
【0051】
ここで、図11−14を参照すると、最初に図11に関して、加圧式の外科用器具190の操作が、ここで、記述される。カニューレ12は、体腔の壁BCWを通して形成される切開Iを通して挿入され、体腔BCは、体腔BC内に作業するスペースを作るように、圧力P1に通気される。その後は、加圧式の外科用器具190は、カニューレ12を通して、体腔BC内にエンドエフェクタ196を置くように操作される。前例の場合のように、加圧メカニズム210のアクティブ化の前に、通気流体は、矢印Bの方向に加圧式の外科用器具190を流れ通り得、それによって、加圧式の外科用器具190内に体液および組織を引き出す吸い上げ効果を作る。
【0052】
ここで、図12と13を参照すると、加圧メカニズム210のアクティブ化時、一次センサー212は、圧力P1を検出し、センサーケーブル214に沿ってコントローラ250に信号を送る。次に、コントローラ250は、バルブケーブル254を介してバルブ236に信号を送る。加圧式の外科用器具190の所望の状態を依存し、バルブ236は、供給チューブ218を介して高い圧力の通気流体の外部ソース216を受け取るように開放され、通気流体を、圧力チューブ240を通してカラー246へ流す。バルブ236は、体腔BC内の圧力P1と等しい圧力P5を、圧力チューブ240内へ通過させる程度に開放される。高い圧力の通気流体は、ポート248を通して、細長いチューブ状の部材194内へ流れる。通気流体は、加圧式の外科用器具190内に圧力を等しくするように、矢印Cの方向に遠位に流れる。
【0053】
図14を参照すると、体腔BC内に追加の通気流体を提供するように通気流体の外部ソースを利用するように望まれるイベントにおいて、バルブ236は、圧力P5を体腔BC内に位置している圧力P1より高くさせる程度に開放される。この場合において、通気流体は、矢印Cの方向に、加圧式の外科用器具190を完全に通して、体腔BC内へ流れる。
【0054】
この方法において、加圧式の外科用器具190は、体腔BC内に含まれる圧力P1と等しくされ得、または、体腔BC内の圧力P1より高い程度に加圧され得、および通気気体の追加のソースを提供するように利用され得る。さらに、加圧された通気流体の外部ソース216を利用することによって、加圧式の外科用器具190は、加圧気体の供給を本質的に無制限的に受け取り得る。
【0055】
前に議論されるように、加圧式の外科用器具50、120および190は、通気される体腔BCの内側の圧力に対してそれぞれの外科用器具内に圧力を等しくするように供給を組み込み、もちろん、他のアクセスポートを通る損失をオフセットするように体腔BC内に通気流体の追加のソースを提供する。
【0056】
ここで開示される実施形態に対して、さまざまな修正が加えられることは理解される。例えば、開示される加圧メカニズム、一次センサー、およびセンサーケーブルは、例えば内視鏡バイオプシーデバイス、可視化デバイス、などのような内視鏡および/または腹腔鏡手順に利用される他の器具内に組み込まれ得る。さらに、および本明細書において前述されたように、一次センサーは、さまざまなポイントで外科用器具内の圧力を検出するように、外科用器具内にさまざまな位置に位置し得る。さらに、シールは、動作装置、回転装置のカフ、および他の外部デバイスを受け取る外科用器具の本体部分の開口部で提供され得、細長いチューブ状の部材はもちろん、本体部分も含む全部の外科用器具は加圧され得る。従って、前の記述は、制限したものとして解釈されるべきではなく、むしろ単に特定の実施形態の例としている。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲およびその意図内に他の修正を想像する。
【符号の説明】
【0057】
BC 体腔
12 カニューレ
50 加圧式の外科用器具
52 本体部分
54 細長いチューブ状の部材
56 エンドエフェクタ
60 ステーブルカートリッジ
62 アンビル部材
64 トリガーまたは作動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14