(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752605
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造
(51)【国際特許分類】
F02D 9/10 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
F02D9/10 H
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-547657(P2011-547657)
(86)(22)【出願日】2010年12月24日
(86)【国際出願番号】JP2010073390
(87)【国際公開番号】WO2011078343
(87)【国際公開日】20110630
【審査請求日】2013年10月16日
(31)【優先権主張番号】特願2009-295230(P2009-295230)
(32)【優先日】2009年12月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100068526
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭生
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】田中 義信
【審査官】
山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−203359(JP,A)
【文献】
特開2005−273454(JP,A)
【文献】
特開2009−085113(JP,A)
【文献】
特開2008−082195(JP,A)
【文献】
特開2006−283662(JP,A)
【文献】
特開平08−100744(JP,A)
【文献】
特開2009−236219(JP,A)
【文献】
特開2002−174224(JP,A)
【文献】
特開平09−072256(JP,A)
【文献】
特開2000−073894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットル弁を内蔵するスロットルボディをシリンダヘッドに固定する、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造であって、
前記スロットルボディと前記シリンダヘッドとの間に介在するスロットルホルダと、
前記スロットルボディの吸気経路の上流側に位置する吸気チャンバーと、
前記吸気チャンバーに設けられたボルト挿通孔に挿通されると共に前記シリンダヘッドに設けられたねじ孔に螺合され、前記吸気チャンバーと前記スロットルボディとを前記シリンダヘッドに固定するボルトと
を備え、
前記ボルトの頭と前記吸気チャンバーとの間には、弾性部材が介在している、
過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記過給機から前記エンジンの吸気ポートへと至る吸気経路内に配置されており、
前記弾性部材が、前記ボルトと前記スロットルボディ又は前記スロットルボディに固定される部材との間をシールしているシール部材である、
請求項1に記載の、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造。
【請求項3】
前記ボルトがブラケットを介して前記シリンダヘッドに固定されている、
請求項1又は2に記載の、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造。
【請求項4】
スロットル弁を内蔵するスロットルボディをシリンダヘッドに固定する、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造であって、
前記スロットルボディと前記シリンダヘッドとの間に介在するスロットルホルダと、
前記スロットルボディの吸気経路の上流側に位置する吸気チャンバーと、
前記吸気チャンバーに設けられたボルト挿通孔に挿通されるボルトと
を備え、
前記シリンダヘッドと前記吸気チャンバーとの間に、前記シリンダヘッド側から順に前記スロットルホルダと、前記スロットルボディとが配置され、
前記スロットルボディは、前記吸気チャンバーに固定され、前記吸気チャンバーは、前記シリンダヘッドに前記ボルトによって固定される、
過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スロットル弁を内蔵するスロットルボディを、弾性を有するスロットルホルダを介して、シリンダヘッドに固定する、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動2輪車では、エンジンのシリンダヘッドに、ラバー製のスロットルホルダを介して、スロットルボディが固定されている。このような取付け構造を採用することによって、エンジンの振動がそのままスロットルボディに伝達されるのを防止している。
【0003】
具体的には次のようにして、スロットルホルダはシリンダヘッドに支持されている。スロットルホルダはシリンダヘッドにボルトにより直接固定されている。スロットルボディをスロットルホルダ内に挿入し、クランプによってスロットルボディにスロットルホルダを締め付けることによって、スロットルボディがスロットルホルダに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−113564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
過給機なしのエンジンでは吸気経路内の圧力が負圧である。一方、過給機付きエンジンでは、過給機によって吸気の圧力が高められる。吸気経路内の圧力が正圧になると、吸気圧によって、スロットルボディをシリンダヘッドから分離させる力が発生する。また、吸気が過給機によって加熱されており、ラバー製のスロットルホルダを軟質化させる。この結果、スロットルボディがスロットルホルダに対してズレたり、スロットルボディとスロットルホルダとの間のシール性が損なわれてしまう。このため、過給機付きエンジンは、過給機なしのエンジンと比べて、スロットルボディをスロットルホルダに強固に固定する必要がある。したがって、クランプ手段のコストアップを招いたり、クランプのためにベルトをスロットルホルダに巻き付けるなど製造工数の増加を招いてしまう。一方、シリンダヘッドにスロットルボディを直接固定すれば、スロットルボディは安定的に支持される。しかし、スロットルボディにエンジン振動が直接伝達されるので、スロットルのバタフライ弁の軸受やセンサー類の故障を招いてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、吸気圧が高められた過給機付きエンジンにおいて、スロットルボディに伝達されるエンジン振動を低減しながら、スロットルボディをシリンダヘッドに安定的に支持できる、スロットルボディの取付け構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、スロットル弁を内蔵するスロットルボディ
をシリンダヘッドに固定する、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造であって、
前記スロットルボディと前記シリンダヘッドとの間に介在するスロットルホルダと、前記スロットルボディ
の吸気経路の上流側に位置する吸気チャンバーと、前記吸気チャンバーに設けられたボルト挿通孔に挿通されると共に前記シリンダヘッドに設けられたねじ孔に螺合され、前記吸気チャンバーと前記スロットルボディとを前記シリンダヘッドに固定するボルトとを備え、前記ボルトの頭と前記吸気チャンバーとの間には、弾性部材が介在している、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造を提供する。
【0008】
スロットルボディがボルトによってシリンダヘッドに支持されているので、本発明は、スロットルボディをシリンダヘッドに安定的に支持できる。また、スロットルボディがスロットルホルダ及び弾性部材を介してシリンダヘッドに固定されているので、本発明は、スロットルボディに伝達されるエンジンの振動を低減できる。
【0009】
本発明は、好ましくは、構成(a)、(b)を採用できる。
【0010】
(a)前記
弾性部材は、前記過給機から前記エンジンの吸気ポートへと至る吸気経路内に配置されており、前記弾性部材が、前記ボルトと前記スロットルボディ又は前記スロットルボディに固定される部材との間をシールしているシール部材である。
【0011】
このため、吸気経路内のシール性を損なうことなく、ボルトの配置の自由度が確保される。
【0012】
(b)前記ボルトがブラケットを介して前記シリンダヘッドに固定されている。
【0013】
シリンダヘッドにボルトのネジ穴が形成されていなくても、ブラケットの追加によって、スロットルボディを安定的に支持できる。このため、前記取付け構造をエンジンに適用するためにシリンダヘッドの加工工数が増加することを防止でき、また既に製造されたエンジンにも、前記取付け構造を適用できる。
また、本発明は、スロットル弁を内蔵するスロットルボディをシリンダヘッドに固定する、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造であって、前記スロットルボディと前記シリンダヘッドとの間に介在するスロットルホルダと、前記スロットルボディの吸気経路の上流側に位置する吸気チャンバーと、前記吸気チャンバーに設けられたボルト挿通孔に挿通されるボルトとを備え、前記シリンダヘッドと前記吸気チャンバーとの間に、前記シリンダヘッド側から順に前記スロットルホルダと、前記スロットルボディとが配置され、前記スロットルボディは、前記吸気チャンバーに固定され、前記吸気チャンバーは、前記シリンダヘッドに前記ボルトによって固定される、過給機付きエンジンにおけるスロットルボディの取付け構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】スロットルボディの取付け構造を示す平面図である(第1実施形態)。
【
図3】スロットルボディの取付け構造を示す側面断面図である(第1実施形態)。
【
図4】ホルダプレートを有するスロットルホルダの取付け構造を示す平面断面図である(第1実施形態)。
【
図5】バンドクランプを吸気経路に沿う方向から見た図である(第1実施形態)。
【
図6】スロットルボディの取付け構造を示す平面図である(第2実施形態)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
図1は、自動二輪車10の全体側面図である。自動二輪車10において、メインフレーム11の後上方にはシート12が配置されており、メインフレーム11の下方にはエンジン13が配置されている。
【0016】
エンジン13は、シリンダブロック1及びシリンダヘッド2を備えている。シリンダブロック1には過給機3が固定されている。シリンダヘッド2の後面には、スロットルボディ4が連結されている。スロットルボディ4には吸気チャンバー5が連結されている。過給機3の圧縮室と吸気チャンバー5とは、ダクト6により接続されている。過給機3で圧縮された吸気は、ダクト6、吸気チャンバー5、及びスロットルボディ4を介して、シリンダヘッド2内の吸気ポートP2に供給される。詳しくは後述するが、スロットルボディ4内にはスロットル弁41、42が内蔵されている。
【0017】
図2、
図3を参照して、スロットルボディ4の取付け構造を説明する。
図2は、スロットルボディ4の取付け構造を示す平面図である。
図3は、スロットルボディ4の取付け構造を示す側面断面図である。
【0018】
図2において、エンジン13は4気筒エンジンであり、4つの吸気ポートP2がシリンダヘッド2の内部に設けられている。シリンダヘッド2には、吸気経路の下流側から上流側に向けて、2つのホルダプレート8、4つのスロットルホルダ7、4つのスロットルボディ4、及びチャンバーケース51が、順に取り付けられる。隣り合う2つのスロットルホルダ7は、ホルダプレート8により連結されている。4つのスロットルボディ4は、チャンバーケース51によって連結されている。チャンバーケース51は、吸気チャンバー5の一部を構成している。
【0019】
ホルダプレート8は、めがねのような形状を有している。ホルダプレート8は、シリンダヘッド2の後面に形成されたホルダ座面21に、ホルダボルト101により固定される。ホルダプレート8には、3つのボルト孔8aと、2つの通路孔8bとが形成されている。ホルダ座面21には、ホルダプレート8のボルト穴8a及び通路孔8bに対応する、ネジ穴21a及び通路孔21bが形成されている。ホルダボルト101は、ボルト孔8a内を通過し、ネジ穴21aに締結される。通路孔8bは、吸気経路に連通する孔である。
【0020】
図4は、ホルダプレート8を有するスロットルホルダ7の取付け構造を示す平面断面図である。スロットルホルダ7の形状は円筒状である。スロットルホルダ7の径は、シリンダヘッド2側において小さく、スロットルボディ4側において大きい。スロットルホルダ7は、弾性を有する材料で形成されており、例えばラバー製である。このため、スロットルホルダ7は、伸縮可能である。スロットルホルダ7の小径部分7aが通路孔8b内に嵌め込まれている。スロットルホルダ7の大径部分7bの内側には、スロットルボディ4が挿入されている。また、スロットルホルダ7の大径部分7bの外側には、バンドクランプ9のバンド91が配置されている。
【0021】
図4において、スロットルボディ4の形状は円筒状である。スロットルボディ4の内部には、吸気経路の下流側から上流側に向けて、メインスロットル弁(バタフライ弁)41及びサブスロットル弁(バタフライ弁)42が配置されている。また、スロットルボディ4の下方にインジェクター43が配置されている。インジェクター43から噴射される燃料は、スロットルボディ4の側壁に形成された開口4aより、スロットルボディ4の内部に供給される。
【0022】
図5は、バンドクランプ9を吸気経路に沿う方向から見た図である。バンドクランプ9は、2つのバンド91、雌ねじ筒92、及び2つのバンドボルト93よりなっている。1つのバンドクランプ9は、2つのスロットルボディ4に対応している。バンド91は概ね環状である。バンド91の両端91a、91bは、平行に配置されている。両端91a、91b間の距離を変更できるように、両端91a、91bが、ボルト93のボルト頭93aと雌ねじ筒92とによって挟まれている。ここで、バンドボルト93は、両端91a、91b内のボルト孔に挿入されている。このため、バンドボルト93を雌ねじ筒92内に近づけることによって、バンド91の内側に配置されたスロットルホルダ7が締め付けられる。この結果、スロットルボディ4がスロットルホルダ7に固定される。
【0023】
再び、
図2を参照する。
図2において、スロットルボディ4は、ボディボルト102により、チャンバーケース51に固定されている。スロットルボディ4の吸気チャンバー5側の端部には2つのフランジ40が形成されている。フランジ40には、ネジ孔40aが形成されている。また、チャンバーケース51には、ボルト孔51aが形成されている。ボディボルト102は、チャンバーケース51のボルト孔51aを通過し、スロットルボディ4のネジ孔40aに締結される。
【0024】
チャンバーケース51には、4つの通路孔51bが形成されている。通路孔51bは、スロットルボディ4の内部に連通する孔である。
【0025】
チャンバーケース51は、チャンバーケースボルト103により、シリンダヘッド2に固定されている。チャンバーケース51には、4つのボルト孔51cが形成されている。シリンダヘッド2の後面には、4つのホルダプレート座面22が形成されている。ホルダプレート座面22には、ネジ穴22aが形成されている。チャンバーケースボルト103は、シールダンパー15及びチャンバーケース51のボルト孔51cを通過し、ホルダプレート座面22のネジ穴22aに締結される。4つのボルト孔51c及び4つのネジ穴22aは、中央の2つの吸気経路を囲う長方形の4つの頂点位置にそれぞれ配置されている。
【0026】
シールダンパー15は、チャンバーケースボルト103のボルト頭103aとチャンバーケース51との間に配置されている。シールダンパー15は、環状の弾性部材である。シールダンパー15は弾性を有している。このため、チャンバーケースボルト103によってスロットルボディ4及びチャンバーケース51がシリンダヘッド2に固定されたときに、シールダンパー15はダンパーとして機能する。また、シールダンパー15は弾性を有し且つ環状に形成されている。このため、チャンバーケースボルト103が締結されたときに、シールダンパー15がチャンバーケース51の内面51Sとチャンバーケースボルト103のボルト頭103aとに隙間なく密着する。この結果、チャンバーケース51において、チャンバーケースボルト103が挿入されるボルト孔51cが完全にシールされる。
【0027】
図3において、チャンバーカバー52が、チャンバーボルト104により、チャンバーケース51に固定されている。チャンバーケース51とチャンバーカバー52とによって、吸気チャンバー5が構成されている。チャンバーケース51の外周部には、複数のネジ孔51dが形成されている。チャンバーカバー52の外周部にも、複数のボルト孔52aが形成されている。チャンバーボルト104は、チャンバーカバー52のボルト孔52aを通過し、チャンバーケース51のネジ孔51dに締結される。また、上述したチャンバーケース51の内面51Sは、吸気チャンバー5における内側の面を意味している。
【0028】
第1実施形態は、次の構成により、次の作用、効果を有している。
【0029】
スロットルボディ4は、スロットルホルダ7を介してシリンダヘッド2にチャンバーケースボルト103により固定されている。また、チャンバーケースボルト103の軸方向において、チャンバーケースボルト103のボルト頭103aとスロットルボディ4に固定されるチャンバーケース51とが干渉する干渉部位には、シールダンパー15が介在している。
【0030】
スロットルボディ4がチャンバーケースボルト103によってシリンダヘッド2に支持されているので、第1実施形態は、スロットルボディ4をシリンダヘッド2に安定的に支持できる。また、スロットルボディ4がスロットルホルダ7及びシールダンパー15を介してシリンダヘッド2に固定されているので、第1実施形態は、スロットルボディ4に伝達されるエンジン13の振動を低減できる。
【0031】
チャンバーケースボルト103のボルト頭103aとチャンバーケース51とが干渉する干渉部位は、吸気チャンバー5の内部であって、過給機3からエンジン14の吸気ポートP2へと至る吸気経路内である。また、シールダンパー15は、チャンバーケース51のボルト孔51aをシールするシール部材である。
【0032】
このため、吸気経路内のシール性を損なうことなく、チャンバーケースボルト103の配置の自由度が確保される。
【0033】
(第2実施形態)
第2実施形態は、スロットルボディ4の取付け構造において、第1実施形態とは部分的に相違している。第2実施形態には、チャンバーケースボルト103の取付先としてのホルダプレート座面22が、シリンダヘッド2に形成されていない。一方、第2実施形態は、チャンバーケースボルト103の取付先として、第1実施形態には設けられていないブラケット16を備えている。以下、第1及び第2実施形態において共通する部分には同符号が用いられる。また、共通する部分の説明が省略されている。
【0034】
図6は、スロットルボディ4の取付け構造を示す平面図である。第2実施形態では、2つのホルダプレート8と4つのスロットルホルダ7との間に、ブラケット16が配置されている。
【0035】
ブラケット16は、長方形状の環状部材である。ブラケット16は、2つの取付部161と、2つの連結部162とからなっている。連結部162は、2つの取付部161を連結している。取付部161には、1つのボルト孔161aと、2つのネジ孔161bとが形成されている。ボルト孔161aは、ホルダボルト101を挿入するための孔である。ネジ孔161bは、チャンバーケースボルト103を締結するためのネジ孔である。
【0036】
ブラケット16は、ホルダプレート8を固定するためのホルダボルト101によりシリンダヘッド2に固定される。すなわち、ブラケット16及びホルダプレート8は、2つのホルダボルト101により、シリンダヘッド2の2つのホルダ座面21に固定される。チャンバーケース51は、4つのチャンバーケースボルト103により、ブラケット16に固定される。つまり、チャンバーケース51は、ブラケット16を介してシリンダヘッド2に固定される。
【0037】
第2実施形態は、次の作用、効果を有している。
【0038】
シリンダヘッド2にチャンバーケースボルト103のネジ穴が形成されていなくても、ブラケット16の追加によって、スロットルボディ4を安定的に支持できる。このため、前記取付け構造をエンジン13に適用するためにシリンダヘッド2の加工工数が増加することを防止でき、また既に製造されたエンジン13にも、前記取付け構造を適用できる。
【0039】
(他の実施形態)
本実施形態は、次の変形構成を適用できる。
【0040】
本実施形態では、スロットルボディ4にチャンバーケース51が固定されており、チャンバーケースボルト103によりチャンバーケース51がシリンダヘッド2に固定される。このため、弾性部材であるシールダンパー15が配置される部位が、チャンバーケースボルト103とチャンバーケース51とが干渉する干渉部位である。スロットルボディ4がボルトを介して直接シリンダヘッド2に固定される場合、ボルトとスロットルボディ4とが干渉する。このため、この場合には、ボルトとスロットルボディ4との間に弾性部材を配置することが好ましい。
【0041】
また、本実施形態ではシールダンパー15が干渉部位に配置されている。シールダンパー15の形状は、1つのチャンバーケースボルト103を囲う環状である。干渉部位に配置される弾性部材の形状は、特に限定されず、他の形状を採用できる。
【0042】
図7は、他のシールダンパー115を示す平面図である。シールダンパー115は、チャンバーケース51の2つの通路孔51bを囲う環状部材であり、4つのボルト孔115aを有している。各ボルト孔115aは、各チャンバーケースボルト103に対応している。
【符号の説明】
【0043】
2 シリンダヘッド
3 過給機
4 スロットルボディ
7 スロットルホルダ
13 エンジン
15、115 シールダンパー(弾性部材、シール部材)
16 ブラケット
41 メインスロットル弁
42 サブスロットル弁
51 チャンバーカバー(スロットルボディに固定される部材)
103 チャンバーケースボルト
P2 吸気ポート