特許第5752607号(P5752607)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5752607関節継手を含む外科用ステープリング器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752607
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】関節継手を含む外科用ステープリング器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   A61B17/10 310
【請求項の数】10
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2011-549190(P2011-549190)
(86)(22)【出願日】2010年1月28日
(65)【公表番号】特表2012-516752(P2012-516752A)
(43)【公表日】2012年7月26日
(86)【国際出願番号】US2010022328
(87)【国際公開番号】WO2010090934
(87)【国際公開日】20100812
【審査請求日】2012年11月1日
(31)【優先権主張番号】12/366,514
(32)【優先日】2009年2月5日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シャイブ・チャールズ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャボレク・ゲーリー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ホール・スティーブン・ジー
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−223872(JP,A)
【文献】 特開昭56−003193(JP,A)
【文献】 特開2007−130471(JP,A)
【文献】 特開2004−016504(JP,A)
【文献】 特開2002−000556(JP,A)
【文献】 特開平08−256973(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/016290(WO,A2)
【文献】 西独国特許出願公開第03210466(DE,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
A61B 17/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラーにおいて、
シャフトと、
関節継手であって、
第1磁気部材が取り付けられた第1継手部材、および
第2磁気部材が取り付けられ、前記第1継手部材に対して関節運動するように構成された第2継手部材、
を含む、関節継手と、
前記関節継手によって前記シャフトに可動に連結されるエンドエフェクタと、
を含み、
前記エンドエフェクタは、
ステープルカートリッジを受容するように構成されたステープルカートリッジチャネルと、
前記ステープルカートリッジチャネルに可動に連結されたアンビルと、
を含み、
前記第1磁気部材及び前記第2磁気部材の一方が、前記第1磁気部材及び前記第2磁気部材の他方に磁力を適用するように構成され、前記磁力は前記エンドエフェクタを前記シャフトに対して関節運動させるために十分であ
前記第1継手部材に取り付けられた第1磁気部材が、第1永久磁石および第2永久磁石を含み、前記第2継手部材に取り付けられた第2磁気部材が、第1電磁石及び第2電磁石を含み、
前記第1電磁石は、前記第1永久磁石を前記第1電磁石に対して動かして前記エンドエフェクタを第1方向に関節運動させるように構成された第1磁場を選択的に生成するように構成され、前記第2電磁石は、前記第2永久磁石を前記第2電磁石に対して動かして前記エンドエフェクタを第2方向に関節運動させるように構成された第2磁場を選択的に生成するように構成され、
前記第1継手部材及び前記第2継手部材の一方がボール部材を含み、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の他方がソケットを含み、前記ボール部材が、前記ソケット内で動いて前記第2継手部材が前記第1継手部材に対して関節運動することを可能にするように構成される、外科用ステープラー。
【請求項2】
作動装置及び電源を更に含み、前記作動装置は、前記電源及び前記第1磁気部材を動作可能に連結するように作動可能である、請求項1に記載の外科用ステープラー。
【請求項3】
前記第1磁気部材は、前記電源からの電流によりエネルギー印加可能な電磁石を含む、請求項2に記載の外科用ステープラー。
【請求項4】
前記作動装置は、前記電磁石に供給された電流の極性を変換するように構成される、請求項3に記載の外科用ステープラー。
【請求項5】
前記第1磁気部材は、磁場を生成するように構成される、請求項1に記載の外科用ステープラー。
【請求項6】
前記磁場は、前記エンドエフェクタの位置を前記シャフトに対して固定するために十分である、請求項5に記載の外科用ステープラー。
【請求項7】
前記第2磁気部材は永久磁石を含む、請求項1に記載の外科用ステープラー。
【請求項8】
前記第2磁気部材は鉄を含む、請求項1に記載の外科用ステープラー。
【請求項9】
前記第1継手部材が、前記シャフトに対して関節運動するように構成され、前記エンドエフェクタが、前記第2継手部材に対して関節運動するように構成される、請求項1に記載の外科用ステープラー。
【請求項10】
前記第1継手部材及び前記第2継手部材を通じて延びる弾性ロッドを更に含み、前記弾性ロッドは前記関節継手が真っ直ぐになるように前記エンドエフェクタを付勢するように構成される、請求項1に記載の外科用ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、外科用器具、及びより具体的には外科用ステープリング器具に関連する。
【背景技術】
【0002】
同時に組織内に切開部を形成しかつ切開部の反対側にステープルのラインを適用するために外科用ステープリング器具が使用されてきた。かかる器具は一般的に、協働する1対のジョー部材を含み、これは、この器具が内視鏡又は腹腔鏡での適用を意図される場合、カニューレ通路を通過することができる。様々な実施形態において、ジョー部材の1つが、少なくとも2つの横方向に離間したステープルの列を有するステープルカートリッジを受容し得る。他のジョー部材は、カートリッジ内のステープルの列と位置合わせされたステープル形成ポケットを有するアンビルを画定し得る。器具は複数の楔形又はステープルスレッドを更に含み、これは、アンビルの方へのステープルの発射を生じるため、遠位方向に駆動される際にステープルカートリッジ内の開口部を通過し、ステープルを支持するドライバに係合する。同時的に、組織を切開する一方で切断部の各側のステープルの列を形成することにより、出血を低減させ、様々な外科手術を単純化することができる。しかしながら、いくつかの状況において、同時的にステープルを形成して組織を切開するために必要とされる力は顕著であり得る。
【0003】
従来の外科用ステープリング器具は、ハンドルアセンブリ、ハンドルアセンブリから延びる細長いシャフト、及び細長いシャフトに可動に取り付けられるエンドエフェクタを含んでおり、エンドエフェクタは細長いシャフトに対して関節運動し得る。多くの場合において、外科医は、エンドエフェクタをシャフトに対して関節運動させるために両手を使用することを必要となり、すなわち外科医は多くの場合において例えば外科用器具のハンドルアセンブリを保持するためにその片手を使用し、例えばエンドエフェクタを関節運動させるレバーを操作するためにそのもう一方の手を使用することが必要となる。各外科用器具は多くの状況において好適であり得るが、外科は外科手術における別の工程を実行するために手が空いていない場合がある。上述の議論は、本発明の分野にその当時に存在した欠点のいくつかを説明することのみを意図したものであり、特許請求の範囲を否定するものとみなされるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの一般的な態様において、外科用器具は、外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるように構成された複数の磁気要素を含んでもよい。外科用器具は少なくとも1つの電磁石を含んでもよく、これは選択的に活性化又は分極されて、エンドエフェクタに取り付けられた、例えば永久磁石及び/又は鉄心などの少なくとも1つの第2磁気要素を推進するために十分な磁場を生成する。様々な実施形態において、外科用器具は、エンドエフェクタを第1方向に回転させる第1磁場を生成するように構成された第1電気磁石及び加えて、エンドエフェクタを第2方向に回転させる第2磁場を生成するように構成された第2電磁石を含み得る。いくつかの実施形態において、外科用器具は少なくとも1つのソレノイドを含む場合があり、これは外科用器具のエンドエフェクタを枢動させるように構成され得る。
【0005】
1つの一般的な態様において、外科用器具はモーターを含んでもよく、これは、外科用器具のエンドエフェクタを枢動させるように構成され得る。いくつかの実施形態において、モーターは巻線を含んでもよく、これは鉄心を回転させるために選択的にエネルギー印加され得る。少なくとも一実施形態において、モーターは少なくとも1つの電磁石を含んでもよく、これはこれに取り付けられた少なくとも1つの磁気要素を有するシャフトを回転させるように構成され得る。様々な実施形態において、外科用器具はロック及び/又はブレーキを更に含んでもよく、これは、外科用器具のエンドエフェクタの関節運動を防ぐか又は少なくとも妨げるように構成され得る。いくつかの実施形態において、ロックは少なくとも1つのソレノイド、モーター及び/又は電磁石を含んでもよく、これらは、固定要素をエンドエフェクタと係合及び係合離脱させるため、固定要素を固定位置と非固定位置との間で動かすように構成され得る。
【0006】
1つの一般的な態様において、外科用器具は、外科用器具のエンドエフェクタを開閉するように構成された複数の磁気要素を含み得る。いくつかの実施形態において、外科用器具は少なくとも1つの電磁石を含んでもようよく、これは選択的に活性化又は分極されて、エンドエフェクタのアンビルに取り付けられた、例えば永久磁石及び/又は鉄心などの少なくとも1つの第2磁気要素を推進するために十分な磁場を生成し得る。別の一般的な態様において、外科用ステープリング器具は、外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられた組織を切開及び/又はステープリングするために、外科用器具内で発射バー、切断部材及び/又はステープルスレッドを前進及び/又は後退させるように構成された複数の磁気要素を含み得る。いくつかの実施形態において、切断要素は、そこに取り付けられた少なくとも1つの電磁石を含んでもよく、これは、エンドエフェクタに取り付けられた、例えば1つ以上の永久磁石と相互作用するように構成された磁場を生成するように構成され得る。
【0007】
この「課題を解決するための手段」は、本出願のいくつかの実施形態の概要を大まかに述べることを目的としたものである。本出願は、この「課題を解決するための手段」に開示される実施形態に限定されず、請求項で定義されるように、その趣旨及び範囲内の修正を包含することを意図されていることが理解されるべきである。この「課題を解決するための手段」は、請求項の範囲を狭めるように作用するような方法で読まれるか、又は解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面と関連してなされる本発明の実施形態の以下の説明を参照すれば、本発明の上記の及び他の特徴と利点、並びにそれらを達成する方法がより明らかとなり、また本発明自体がより理解されよう。
図1A】ハンドルアセンブリを含む外科用ステープリング器具の、細長いシャフトがハンドルアセンブリから延び、関節運動可能なエンドエフェクタが細長いシャフトから延びている、斜視図。
図1B図1の外科用器具のエンドエフェクタの分解図。
図2】本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手であり、関節継手はいくつかの構成要素が取り除かれて例示される斜視図。
図3】外科用器具の細長いシャフト内に位置付けられたソレノイドを例示する、図2のエンドエフェクタであり、ソレノイドはエンドエフェクタを関節運動させるように構成される断面図。
図4】いくつかの構成要素が取り除かれて例示される、図2のエンドエフェクタ、関節継手及び細長いシャフトの部分斜視図。
図5】本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手の側断面図。
図6】ソレノイドにより駆動される関節運動ロックを例示する、図5の線6−6に沿ってとった、図5の外科用器具の底面断面図。
図7】本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手の断面図。
図8】エンドエフェクタを関節運動させるように構成されたモーターを例示する図7の関節継手の詳細図。
図9】本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手の断面図。
図10】エンドエフェクタを関節運動させるように構成されたウォームギアと動作可能に係合するモーターを例示する、図9のエンドエフェクタ、関節継手、及び細長いシャフトの部分斜視図。
図11】いくつかの構成要素が取り除かれて例示される、図9のエンドエフェクタ、関節継手及び細長いシャフトの別の部分斜視図。
図12】本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手の部分斜視図。
図13】エンドエフェクタを関節運動させるように構成されたモーター駆動チューブを例示する、図12のエンドエフェクタ、関節継手、及び細長いシャフトの断面図。
図14】いくつかの構成要素が取り除かれ、他のものが仮想線で例示される、図12のエンドエフェクタ、関節継手及び細長いシャフトの別の部分斜視図。
図15図12の関節継手の分解図。
図16】外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるための関節運動ノブ及びエンドエフェクタを回転させるための回転ノブを有する、外科用器具の斜視図。
図17図16の外科用器具のハンドル部分の側断面図。
図18図17のハンドル部分の断面斜視図。
図19図17のハンドル部分の分解図。
図20】関節運動スイッチ及び回転スイッチを含む、本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具の斜視図。
図21図20の外科用器具のハンドル部分の断面図。
図22】いくつかの構成要素が取り除かれて例示される、本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手の斜視図。
図23図22のエンドエフェクタに取り付けられた永久磁石に磁力を適用するように構成された図22の細長いシャフト内に位置付けられた電磁石を例示する概略図。
図24図22の細長いシャフトの断面図。
図25】いくつかの構成要素が取り除かれた、本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手の斜視図。
図26】複数の電磁石を例示する、図25のエンドエフェクタの断面図。
図27】いくつかの構成要素が取り除かれて例示される、本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを接続する関節継手の斜視図。
図28】外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるように構成された永久磁石及び電磁石のシステム、並びに、エンドエフェクタを外科用器具の細長いシャフトに対して適所に固定するように構成された永久磁石及び電磁石の別のシステムを例示する、図27の関節継手の断面図。
図29】いくつかの構成要素が取り除かれて例示される、図27の関節継手の分解図。
図30図27の関節継手の分解図。
図31】外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるための、永久磁石及び電磁石のシステムを例示する、図27の関節継手の断面図。
図32】エンドエフェクタを適所に固定するための、永久磁石及び電磁石のシステムを例示する、図27の関節継手の断面図。
図33】本発明の少なくとも一実施形態による、ハンドルアセンブリ、細長いシャフト、及び細長いシャフトに対して関節運動可能なエンドエフェクタを含む、外科用器具の斜視図。
図34図33の細長いシャフト及びエンドエフェクタを接続し、複数のディスクを含む、関節継手の断面図。
図35】関節運動した構成の関節継手を例示する、図34の関節継手の断面図。
図36】第1組の開口部内に位置付けられる電磁石、及び別の組の開口部を通じて延びるワイヤーを例示する、ワイヤーは電磁石を電源と電気的に連結する、図34の関節継手のディスクの断面斜視図。
図37図36のディスクの別の断面斜視図。
図38図36のディスク及びこれに隣接するように位置付けられる第2ディスクであり、第2ディスクは第1組の開口部内に位置付けられた複数の永久磁石を含み、別の組の開口部は、図36のワイヤーがこれを通じて延びることを可能にするように構成される、第2ディスクの組立図。
図39図36のディスクの分解図。
図40図34の関節継手の永久磁石及び電磁石の電気概略図。
図41】いくつかの構成要素が取り除かれ、他のものが断面図で示されるように例示される、本発明の少なくとも1つの別の実施形態による、外科用器具の関節継手の部分斜視図。
図42】関節継手の交互の第1及び第2ディスクを例示する、図41の関節継手の断面図。
図43】関節運動した構成で例示される、図41の関節継手の断面図。
図44図41の関節継手の端面図。
図45】関節継手のディスク内に位置付けられる、電磁石ワイヤーの拡張及び収縮構成を例示する、図41の関節継手の別の断面図。
図46】エンドエフェクタのアンビル内に位置付けられた複数の永久磁石を例示する、本発明の少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタの断面図。
図47図46のアンビル正面図。
図48】外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられた永久磁石と協働し、エンドエフェクタ内の切断部材を前進及び/又は後退させるように構成された、複数の電磁石を含む、図46のエンドエフェクタの切断部材の正面図。
図49図48の切断部材の斜視図。
図50図46のエンドエフェクタの別の断面図。
図51A】外科用器具の細長いシャフトの遠位部分、中間部分、及び近位部分、並びに本発明の少なくとも一実施形態による細長いシャフト内に位置付けられる可動発射バー。細長いシャフトの遠位部分及び細長いシャフト内に位置付けられる電磁石の配列を例示する可動発射バーの断面図。
図51B】外科用器具の細長いシャフトの遠位部分、中間部分、及び近位部分、並びに本発明の少なくとも一実施形態による細長いシャフト内に位置付けられる可動発射バー。発射バーに取り付けられた永久磁石、及びシャフト内に位置付けられた電磁石を例示する、図51Aの細長いシャフトの中間部分及び可動発射バーの断面図。
図51C】外科用器具の細長いシャフトの遠位部分、中間部分、及び近位部分、並びに本発明の少なくとも一実施形態による細長いシャフト内に位置付けられる可動発射バー。図51Aの細長いシャフトの近位部分及び可動発射バーの断面図。
図52図51A〜Cの細長いシャフト及び可動発射バーの断面図。
図53】発射位置にある発射バーを例示する、図51Aの細長いシャフトの遠位部分及び可動発射バーの別の断面図。
図54】未発射位置の発射バーを例示する本発明の少なくとも一実施形態による外科用器具の細長いシャフトの断面図。
図55】電磁石コイルによって発射位置へと動かされた発射バーを例示する、図54の外科用器具の断面図。
【0009】
対応する参照文字は、いくつかの図を通じて対応部分を示す。本明細書において説明される例示は、一形態による本発明の好ましい実施形態を例示し、このような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について、これから説明することにする。これらの実施形態の1つ以上の実施例を添付の図面に示す。本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示す装置及び方法は、非限定的な例示的実施形態であること、並びに、本発明の各種の実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることは、当業者には理解されよう。ある例示的実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。そのような修正及び変形は、本発明の範囲に含まれることを意図したものである。
【0011】
以下の同一所有者の、同時出願による米国特許出願の開示が、本明細書において参照としてその全体を組み込まれる。
(1)米国特許出願第____、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」代理人整理番号第END6570USNP/090046号、及び
(2)米国特許出願第____、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT COMPRISING A MAGNETIC ELEMENT DRIVER」、代理人整理番号第END6569USNP/090045号。
【0012】
図1A及び1Bを参照して、様々な実施形態において、例えば外科用器具100などの外科用器具は、以下で更により詳細に記載されるように、ハンドルアセンブリ102、ハンドルアセンブリ102から延びる細長いシャフト104、及び細長いシャフト104に対して動くことができる又は関節運動することができるエンドエフェクタ106を含み得る。少なくとも一実施形態において、ハンドルアセンブリ102は、エンドエフェクタ106を開閉するように構成され得るクロージャトリガー108を含み得る。より具体的に、エンドエフェクタ106は、アンビル114を含むことができ、これに加えて、細長いシャフト104はクロージャチューブ112を含む場合があり、クロージャトリガー108の関節運動は、アンビル114をステープルカートリッジチャネル113、及びステープルカートリッジ115に対して解放位置と閉鎖位置との間で回転させるために、クロージャチューブ112を長手方向に変位させることができる。少なくとも一実施形態において、クロージャチューブ112は、例えば、スパイン116(図1B)などの、細長いシャフト104の固定部に対して摺動するように構成され得る。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ106は、例えば遠位チューブ部分118などのチューブ部分を含む場合があり、これは、アンビル114を開く及び/又は閉めるために、クロージャチューブ112によって変位され得る。少なくとも一実施形態において、外科用器具100は1つ以上の枢動連結部211(図2及び図3)を更に含む場合があり、これは、クロージャチューブ112を遠位チューブ部分118に接続し、エンドエフェクタ106が細長いシャフト104に対して関節運動する際に、遠位チューブ部分118が、クロージャチューブ112に対して関節運動することを可能にするように構成され得る。いずれにせよ、一度アンビル114が閉ざされると、ハンドルアセンブリ112の発射トリガー110は、エンドエフェクタ106内に捕捉された組織を切開及び/又はステープリングするために、エンドエフェクタ106を通じて切断及び/又はステープリング部材を動かすよう作動され得る。組織が十分に切開及び/又はステープリングされた後、クロージャチューブ112を反対の長手方向に動かし、アンビル114を開くために、クロージャトリガー108が解放され得る。他の外科用器具が、2008年10月28日に発行された米国特許第7,441,685号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH A RETURN MECHANISM」に開示され、その全開示が本明細書において参照として組み込まれる。更なる外科用器具が、2008年1月10日に出願された米国特許出願第12/008,303、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH A GEARED RETURN MECHANISM」、及び2008年1月10日に出願された米国特許出願第12/008,266号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH A FIRING MEMBER RETURN MECHANISM」に開示され、その全開示が、本明細書において参照として組み込まれる。
【0013】
図1A及び図1Bを再び参照し、様々な実施形態において、外科用器具は、例えば、関節継手120などの関節継手を更に含んでもよく、これは、エンドエフェクタ106が細長いシャフト104に対して動くことを可能にするように構成され得る。少なくとも一実施形態において、エンドエフェクタ106は、チャネルピン124によってステープルカートリッジチャネル113内に保持され得る枢動プレート122を更に含み得る。図1Bに例示されるように、枢動プレート122をカートリッジチャネル113に固定するため、チャネルピン124は、カートリッジ113の開口部111及び枢動プレート122の開口部121内に及び/又はこれを通じて、挿入、圧力嵌め及び/又はスナップ嵌めされ得る。いくつかの場合において、枢動プレート122は、ステープルカートリッジチャネル113内に不動に保持され得る。上記に加え、細長いシャフト104は、スパイン116によって適所に固定され得るピン挿入プレート126を更に含む場合があり、少なくとも一実施形態において、ピン挿入プレート126は、細長いシャフト104内に不動に保持され得る。主に図1Bを参照し、枢動プレート122はピン開口部123を更に含み、これは、ピン挿入プレート126から延びる関節運動ピン127を受容するように構成され得る。様々な実施形態において、ピン127及びピン開口部123は、例えば、軸128などの軸を画定するような大きさであり、そのように構成され得、これを中心にステープルカートリッジチャネル113及び枢動プレート122が、ピン挿入プレート126に対して回転し得る。上記の結果として、エンドエフェクタ106は、例えば手術部位内にエンドエフェクタ106を適切に位置付けるために、細長いシャフト104に対して関節運動し得る。一度適切に位置付けられると、エンドエフェクタ106はシャフト104に対して適所に固定され得る。いくつかの実施形態において、細長いシャフト104は、例えば、ロック130などのロック又はブレーキを更に含む場合があり、これは例えば枢動プレート122に選択的に係合し、これをピン挿入プレート126に対して適所に保持するように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、枢動プレート122は、1つ以上の歯125を含む場合があり、これはロック130の遠位端の1つ以上の溝131内に捕捉されるか、又はこれと噛合う場合があり、それによって歯125と溝131との間の相対移動が防がれるか、又は少なくとも制限される。
【0014】
使用中、ロック130は、枢動プレート122から係合離脱する場合があり、それによってエンドエフェクタ106は細長いシャフト104に対して回転する場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、一度ロック130が枢動プレート122から係合離脱すると、エンドエフェクタ106は、例えば腹膜腔壁部などの手術部位内の空洞壁部に対して定置される場合があり、エンドエフェクタ106を細長いシャフト104に対して回転させるために、ハンドルアセンブリ102を介してシャフト104に長手方向に力が適用され得る。いくつかの場合において、このような関節運動は、受動的関節運動と称され得る。いずれにせよ、一度エンドエフェクタ106が好適に関節運動すると、ロック130が枢動プレート122と再係合する場合があり、上記のように、アンビル114を閉じるためにクロージャチューブ112はトリガー108によって長手方向に前進し得る。読者らは、エンドエフェクタ106が、直線位置、すなわち、これが細長いシャフト104と位置合わせされるか、又は少なくとも実質的に位置合わせされる位置と、関節運動位置との間で動かされるとき、遠位チューブ部分118は、クロージャチューブ112に対する第1角度と、クロージャチューブ112に対する第2の、すなわち異なる角度との間で動く場合がある。図2及び図3を参照し、このような相対移動を適合させるために、枢動連結部211は、チューブ部分118及びクロージャチューブ112内の枢動連結部211から延びるピン突起部109及び開口部107により、遠位チューブ部分118及びクロージャチューブ112に枢動可能に接続され得る。ピン突起部109及びピン開口部107は、枢動連結部211が、遠位チューブ部分118とクロージャチューブ112との間の少なくとも1自由度を提供し得るように構成され得る。このような実施形態において、枢動連結部211は、遠位チューブ118が、クロージャチューブ112に対して関節運動することを可能にし得るが、クロージャチューブ112の少なくとも一部が関節継手120を超えて遠位方向に前進している。いずれにせよ、一度アンビル114が好適に閉ざされると、トリガー110は、発射バーをエンドエフェクタ106内へと遠位方向に前進させるために作動し得る。発射バーは図1A及び図1Bに例示されないが、図2〜4を参照すると、外科用器具200は、好適な発射バー250及び切断部材252を含み、これらはエンドエフェクタ106内に及び/又はその中で前進するように構成され得る。少なくとも一実施形態において、例えば外科用器具100の細長いシャフト及び/又はエンドエフェクタは、発射バー250及び/又は切断部材252を、これらが外科用器具100のシャフト及び/又はエンドエフェクタ内で前進及び/又は後退する際に、受容する及び/又は案内するように構成された1つ以上のスロットを含み得る。
【0015】
図2〜4を参照し、様々な実施形態において、例えば、外科用器具200などの外科用器具は、細長いシャフト204及びエンドエフェクタ206を含む場合があり、エンドエフェクタ206は、関節継手220を中心に細長いシャフト204に対して関節運動するように構成され得る。外科用器具100と同様に、エンドエフェクタ206は、ステープルカートリッジチャネル213内に保持された枢動プレート222を含む場合があり、枢動プレート222は、ピン挿入プレート226から延びる関節運動ピン227を受容するように構成されたピン開口部223を含み得る。図4を主に参照し、様々な実施形態において、細長いシャフト204は、エンドエフェクタ206をシャフト204に対して回転又は枢動させるように構成され得る、1つ以上の作動装置を更に含み得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、細長いシャフト204は、内部に取り付けられた第1ソレノイド240及び第2ソレノイド242を更に含む場合があり、これらは例えば、第1ソレノイド240及び/又は第2ソレノイド242の作動が、枢動プレート222を軸を中心に回転させることができるように、枢動プレート222と動作可能に係合し得る。いくつかの実施形態において、第1ソレノイド240は、エンドエフェクタ206を時計回り(CW)及び/又は半時計回り(CCW)方向に回転させるために、第1ソレノイド240によって枢動プレート222が遠位方向に押され得る及び/又は近位方向に引かれ得るように、枢動プレート222に十分に取り付けられたピストン及び/又はロッド241を含み得る。いくつかの場合において、このような関節運動は、能動的関節運動と称され得る。
【0016】
上記に加え、様々な実施形態において、エンドエフェクタ206を矢印「CW」によって指示される時計方向に回転させるために、ロッド241は矢印「D」によって指示される方向で遠位方向に前進し得る。エンドエフェクタ206を矢印「CCW」によって指示される反時計方向に回転させるために、ロッド241は、矢印「P」によって指示される方向で、近位方向に後退し得る。いくつかの実施形態において、ロッド241は、ロッド241が枢動プレート222に対して枢動し得るように、枢動プレート222の開口部246内に位置付けられ得る遠位端245を含み得る。少なくとも一実施形態において、ロッド241は、枢動プレート222とソレノイド240との間の相対移動に適合するように好適に可撓性であり得る。いくつかの実施形態において、ロッド241が、これが枢動プレート222を、軸を中心に駆動するために延びる又は後退する際に、不適切に曲がるか、又は固着しないように、ソレノイド240が細長いシャフト204内に摺動可能及び/又は回転可能に取り付けられる場合がある。いずれにせよ、図3を参照し、ソレノイド240は、巻線を流れる電流の方向及び/又は巻線に適用される電圧の極性によって、遠位方向及び/又は近位方向にロッド241を動かすために十分な磁場を生成するため、電流及び/又は電圧によってエネルギー印加され得るコイル又は巻線247を含む場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、ピストン及び/又はロッド241は、例えば鉄心を含む場合があり、これはソレノイド巻線247によって生成される磁場と相互作用するように構成され得る。
【0017】
上記に加え、いくつかの実施形態において細長いシャフト204は、例えば、ソレノイド242など、少なくとも1つの追加的なソレノイドを含む場合があり、これは、ソレノイド240と同時的に及び/又は別個に枢動プレート222を回転させるように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ソレノイド242は、エンドエフェクタ206を時計方向及び/又は反時計方向に回転させるために、遠位方向及び/又は近位方向に前進し得るピストン及び/又はロッド243を含み得る。ソレノイド240とは反対に、ロッド243は、遠位方向に延びて枢動プレート222を反時計方向に回転させる及び/又は近位方向に後退して枢動プレート222を時計方向に回転させることができる。ソレノイド240と同様に、ロッド243は、枢動プレート222の開口部246内に枢動可能に取り付けられ得る遠位端245を含む場合がある。やはりソレノイド240と同様に、ソレノイド242は、エンドエフェクタ206とシャフト204との間の関節運動を可能にするために、枢動プレート222、ピン挿入プレート226、ソレノイド242、及びロッド243を含む連結システムに少なくとも1自由度を付加するために、細長いシャフト204内に回転可能及び/又は摺動可能に取り付けられる場合がある。
【0018】
上記のように、エンドエフェクタが一度好適に関節運動すると、外科用器具のエンドエフェクタは適所に固定され得る。図5及び図6を参照し、様々な実施形態において、例えば外科用器具300などの外科用器具は、細長いシャフト304及びエンドエフェクタ306を含む場合があり、エンドエフェクタ306は、細長いシャフト304に対して関節継手320を中心に関節運動するように構成され得る。外科用器具100と同様に、エンドエフェクタ306は、ステープルカートリッジチャネル313内に保持される枢動プレート322を含む場合があり、枢動プレート322は、細長いシャフト304内に保持されたピン挿入プレート326から延びる関節運動ピン327を受容するように構成されたピン開口部323を含む場合がある。いくつかの実施形態において細長いシャフト304は、ロック又はブレーキ、及びロック作動装置を含む場合があり、これはロックを枢動プレート322と係合させ、結果として枢動プレート322を細長いシャフト304に対して適所に保持するように構成され得る。少なくとも一実施形態において、細長いシャフト304は、ロック作動装置332を含む場合があり、これはロック330を遠位方向に動かしてロック330をプレート322と係合させるように構成され得、及び/又はロック330を近位方向に動かしてロック330をプレート322から係合離脱させるように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ロック作動装置332は、細長いシャフト304内に取り付けられたソレノイドを含む場合があり、ソレノイドはピストン及び/又はロッド333を含む場合があり、これはコイル又は巻線334によって遠位方向に延びる及び/又は近位方向に後退し得る。いくつかの実施形態において、ロック330は、ロッド333の変位がロック330を枢動プレート322の方に及び/又はここから遠ざかるように変位させ得るように、ロッド333に取り付けられ得る。上記と同様に、ロック330は、ロック330の遠位端の溝331が枢動プレート322から延びる突起部又は歯325と係合又は噛合し得るように、枢動プレート322と接触するように付勢され得る。少なくとも1つの実施形態において、ロック作動装置332は、例えばバネ335などの付勢要素を更に含む場合があり、これはロック330を付勢して枢動プレート322と係合させるように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ロック作動装置332のソレノイドは、ロック330を枢動プレート322から係合離脱させるために、バネ335によって適用される付勢力を克服し得る。いくつかの実施形態において、バネ335は、ロック330から延びるフランジ336と、細長いシャフト306内の固定の又は少なくとも実質的に固定のフランジ337との間で圧縮されることができ、それによってバネ335はロック330に付勢力を適用することができる。少なくとも一実施形態において、バネ335は、線形バネを含む場合があり、これが適用する力は、これが圧縮される距離に比例し得る。
【0019】
図7及び図8を参照し、様々な実施形態において、例えば外科用器具400などの外科用器具は、外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるように構成された1つ以上のモーターを含み得る。このような実施形態において、モーターは、例えば、誘導モーター、ブラシレス直流モーター、ステッピングモーター、及び/又は同期モーターを含み得る。いくつかの実施形態において、外科用器具400は、細長いシャフト404及びエンドエフェクタ406を含む場合があり、エンドエフェクタ406は、細長いシャフト404に対して、関節継手420を中心として関節運動するように構成され得る。外科用器具100と同様に、エンドエフェクタ406は、ステープルカートリッジチャネル413内に保持される枢動プレート422を含む場合があり、枢動プレート422は、細長いシャフト404内に保持されるピン挿入プレート426から延びる関節運動ピン427を受容するように構成されたピン開口部423を含み得る。少なくとも一実施形態において、細長いシャフト404は内部に取り付けられた、例えばモーター440などのモーターを更に含む場合があり、これは、エンドエフェクタ406をシャフト404に対して回転又は関節運動させるために、枢動プレート422と動作可能に係合し得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、モーター440は、例えばスパーギア439などのギアを回転させるように構成される場合があり、スパーギア439は枢動プレート422上の例えば歯429などの1つ以上の歯と噛合係合することができ、それによってスパーギア439の回転が、枢動プレート422に伝達され得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、歯429は、枢動プレート422の外辺部周囲に少なくとも部分的な環状配列で配置され得る。様々な実施形態において、細長いシャフト404は、モーター440によって駆動される入力シャフトとスパーギア439を駆動する出力シャフトとの間のギア比率を低減及び/又は増加させるため、例えばギアボックス441などのギアボックスを更に含む場合がある。
【0020】
上記と同様に、例えば外科用器具500などの外科用器具は、ウォーム駆動構成を使用して外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるように構成された1つ以上のモーターを含み得る。様々な実施形態において、外科用器具500は、細長いシャフト504及びエンドエフェクタ506を含む場合があり、エンドエフェクタ506は、細長いシャフト504に対して、関節継手520を中心に関節運動するように構成され得る。外科用器具400と同様に、エンドエフェクタ506は、ステープルカートリッジチャネル513内に保持された枢動プレート522を含む場合があり、枢動プレート522は、細長いシャフト504内に保持されたピン挿入プレート526から延びる関節運動ピンを受容するように構成されたピン開口部523を含み得る。少なくとも一実施形態において、細長いシャフト504は、内部に取り付けられた、例えばモーター540などのモーターを更に含む場合があり、これは、エンドエフェクタ506をシャフト504に対して回転又は関節運動させるために枢動プレート522と動作可能に係合し得る。より具体的に、少なくとも1つのこのような実施形態において、モーター540は、例えばウォーム539などのウォームを回転させるように構成される場合があり、ウォーム539は、枢動プレート522上のウォームギア又は凹状ウォームホイール部分529と噛合係合することができ、それによってウォーム539の回転が枢動プレート522に伝達され得る。例えば上記のものなどの、ウォーム駆動構成は、非常に大きなギア比率を提供することができ、その結果、モーター速度を低減させるためのギアボックスが必要とされないが、ギアボックスは使用されてもよい。いくつかの実施形態において、ウォーム駆動構成は、自動ロック式であり得る。より具体的に、ウォーム539上の螺旋状ねじ山のリード角度は、ウォーム539及びモーター540を逆に駆動するために、エンドエフェクタ506及びウォームギア部分529が回転され得ないようなものであり得る。換言すれば、ウォームギア部分529及びウォーム539は、エンドエフェクタ506に回転力が適用された場合に、これらが互いに摩擦固定されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、結果として、細長いシャフト504に対するエンドエフェクタ506の関節運動は、例えば、エンドエフェクタ506を左及び右方向に、関節継手520を中心として回転させるために、モーター540によるウォーム539の時計方向及び反時計方向の選択的な回転によってのみ制御され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、例えば上記のものなどのような、別個の関節運動ロックが必要とされない場合があるが、これらは使用されてもよい。
【0021】
様々な実施形態において、例えば外科用器具600などの外科用器具の細長いシャフトの少なくとも一部が、外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるように構成されたモーターを含む場合がある。図12〜15を参照し、様々な実施形態において、外科用器具600は細長いシャフト604及びエンドエフェクタ606を含む場合があり、エンドエフェクタ606は、細長いシャフト604に対して、関節継手620を中心として回転するように構成され得る。様々な実施形態において、エンドエフェクタ606は、内部に取り付けられた枢動部材622を更に含む場合があり、少なくともいくつかの実施形態において、枢動部材622は、エンドエフェクタ606内に不動に取り付けられ得る。加えて、細長いシャフト604は、例えばモーター640などの1つ以上のモーターを含む場合があり、枢動部材622を枢動ピン627a及び627bによって画定される軸を中心に回転させるように構成され得る。少なくとも一実施形態において、モーター640は、細長いシャフト604内に取り付けられたスパイン部分616、加えてスパイン部分616に取り付けられた枢動ピン部材626を含む場合があり、スパイン部分616及び枢動ピン部材626は、細長いシャフト604内に不動に取り付けられ得る。図15を参照し、枢動ピン部材626は、そこから延びる上方歯626a、下方歯626bを含む場合があり、枢動ピン627a及び627bは、歯626a及び626bからそれぞれ延びる場合があり、例えば、圧力嵌め関係及び/又は接着剤など、任意の好適な方法で歯626a及び626b内の開口部627c内に取り付けられ得る。様々な実施形態において、枢動部材622は、枢動部材622及びエンドエフェクタ606が上記のように軸を中心に回転又は関節運動し得るように、枢動ピン627a及び627bを緊密に受容するように構成され得る、開口部623などの1つ以上の開口部を含み得る。
【0022】
上記に加え、様々な実施形態において、スパイン部分616及び/又は枢動ピン部材626は、例えば開口部651などの1つ以上の開口部又は凹部を含む場合があり、これは、内部に取り付けられた、例えば電磁石647などの1つ以上の電磁石を受容するように構成され得る。例示されないが、外科用器具600は、例えば絶縁ワイヤーなどの1つ以上の伝導体を更に含む場合があり、これは、例えば電池などの電流源及び/又は電圧源が伝導体と動作可能に連結される際にワイヤーを通じて電流を伝導するように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、伝導体は、例えばハンドルアセンブリ102などの外科用器具のハンドルアセンブリから細長いシャフト606の遠位端へと延びる場合があり、伝導体は、強磁性コアの周囲に巻かれるか、又はコイル状にされる場合があり、強磁性コアは例えば鉄及び/又はコバルトを含み、電磁石647a及び647bを含み得る。使用中、少なくとも一実施形態において、外科用器具は、スイッチ又は作動装置を更に含む場合があり、これは、電流源及び/又は電圧源を伝導体に選択的に連結するように操作され得る。いくつかの実施形態において、電流が伝導体を流れていないとき、電磁石647a及び647bは磁場を生成しないことがあり、十分な電流が伝導体を流れているとき、電流はドライバ639を回転させるために使用され得る1つ以上の磁場を生成し得る。図15を主に参照し、ドライバ639はそこに取り付けられた1つ以上の磁気要素を含む場合があり、これは電磁石647によって生成される磁場に曝露された際に、磁場と相互作用し、ドライバ639を回転させ得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ドライバ639は、例えば開口部648などの1つ以上の開口部又は凹部を含む場合があり、これは内部に1つ以上の永久磁石649を受容するように構成され得る。
【0023】
上記に加え、様々な実施形態において、永久磁石649は、これらが磁場に存在するかどうかにかかわらず、磁気極性を含み得る。少なくとも一実施形態において、各永久磁石649は、正の、すなわちn極649n、及び負の、すなわちn極649sを含む場合があり、極649n及び649sは、電磁石647a及び647bによって生成される磁場が選択的に生成される場合に、このような磁場が永久磁石649によって生成される磁場と相互作用し、結果としてドライバ639を回転させ得るように配置され得る。様々な実施形態において、ドライバ639は、スパイン616の開口部654内に緊密に受容され回転可能に支持され得、それによってドライバ639は、永久磁石649が、電磁石647a、647bによって生成された磁場内で変位する際に軸を中心に回転し得る。上記で概説されたように、電磁石647a及び647bが選択的にエネルギー印加されて磁場をつくる場合があり、これは永久磁石649の極性により、永久磁石649を磁場内で変位させる。様々な実施形態において、電磁石647a及び647bは、電磁石647aが電磁石647bの極性とは異なる極性を有するように、エネルギー印加され得る。少なくとも一実施形態において、電磁石647a及び647bは、これらが反対の極性又は異なる正(n)及び負(s)極性を有するようにエネルギー印加され得、それによって電磁石647a及び647bの極が交互の様式で配置される。様々な実施形態において、電磁石647a、647bのコアの周囲に巻かれた伝導体を流れる電流の方向が、電磁石によって生成される磁場の極性を決定し得る。使用中、例えばドライバ639が時計方向及び/又は反時計方向に連続的に回転し得るような方法で永久磁石649を引きつける及び/又は弾くため、電磁石647a及び647bの1つ以上の極性が繰り返し変換又は交換され得るように、上記の伝導体を流れる電流の方向が繰り返し変換又は交換され得る。
【0024】
上記のように、永久磁石647a、647bの動作が、ドライバ639を、時計方向及び/又は反時計方向に回転させ得る。様々な実施形態において、ドライバ639は、1つ以上のギア部分又は駆動歯群を更に含む場合があり、これらは枢動部材622上の対応するギア部分又は駆動歯群と係合するか、又は噛合うように構成され得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、ドライバ639は、そこから延びる第1ギア部分639aを含む場合があり、これは枢動部材622から延びる第1ギア部分629aと係合するように構成され得、それによってドライバ639が上記のように回転するとき、第1ギア部分639aは第1ギア部分629aを駆動して枢動部材622及びしたがってエンドエフェクタ606を枢動ピン627a及び627bを中心として枢動又は回転運動させ得る。主に図14を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、ドライバ639は、エンドエフェクタ606を矢印CWによって指示される時計方向に回転させるために、矢印D1によって指示される第1方向に回転する場合があり、加えて、ドライバ639は、エンドエフェクタ606を矢印CCWによって指示される反時計方向に回転させるために矢印D2によって指示される第2方向に回転する場合がある。少なくとも一実施形態において、結果として、ドライバ639は第1軸を中心に回転する場合があり、エンドエフェクタ606は、第2軸を中心に回転する場合があり、第1軸及び第2軸は互いに垂直又は少なくとも実質的に垂直であり得る。他の実施形態において、第1及び第2軸は非平行、横方向、及び/又は互いに傾斜していてもよい。再び図14を参照し、様々な実施形態において、ドライバ639は、第2ギア部分639bを更に含んでもよく、これは、伝送ギア653を介して枢動部材622の第2ギア部分629bと動作可能に係合し得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、伝送ギア653は、例えばピン655などのピンによって枢動ピン部材626に回転可能に取り付けられる場合があり、それによってドライバ639が上記のように方向D1に回転する際、第2ギア部分639bは、例えば、第1ギア部分639aが枢動部材622を時計方向CWに回転させることを補助し得る。
【0025】
上記で概説したように、外科用器具は、外科用器具を操作するためのハンドルアセンブリを含み得る。ここで図16及び図17を参照し、様々な実施形態において、例えば外科用器具700などの外科用器具は、フレーム701、フレーム701に枢動可能に取り付けられたクロージャトリガー108、及びこれ加えて、やはりフレーム701に枢動可能に取り付けられた発射トリガー110を含み得る。外科用器具100と同様に、クロージャトリガー108及びこれに関連するクロージャドライブの動作は、アンビル114を開閉するために、クロージャチューブ712を細長いシャフト704に沿って長手方向に変位させ得る。ここで主に図17を参照し、いくつかの実施形態において、クロージャドライブは、フレーム701内に摺動可能に位置付けられた保持カラー108bと、これに加えて、保持カラー108b及びトリガー108に枢動可能に取り付けられたクロージャ連結部108aとを含み得る。少なくともこのような実施形態において、クロージャチューブ712の少なくとも一部が保持カラー108b内に保持され得、それによってクロージャトリガー108のピストルグリップ103の方への回転が、クロージャ連結部108a、保持カラー108b及びクロージャチューブ712を、遠位方向、すなわち矢印Dによって指示される方向に変位させ得る。
【0026】
上記のクロージャドライブに加え、ハンドルアセンブリ702は、エンドエフェクタ706を細長いシャフト704に対して関節運動させるために、例えばドライバ739などのドライバを回転させるように構成された関節運動システムを更に含み得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ハンドルアセンブリ702は固定位置と非固定位置との間で動き得る関節運動ノブ760を更に含む場合があり、図17を主に参照して、いくつかの実施形態では、関節運動ノブ760は、これが回転ノブ770に固定される第1の、すなわち遠位位置と、これが回転ノブ770から固定解除される第2の、すなわち近位位置との間で摺動し得る。図19を主に参照し、関節運動ノブ760は、1つ以上の固定歯又は突起部761を含む場合があり、これは回転ノブ770の1つ以上の固定歯又は突起部771と係合するように構成され得、それによって関節運動ノブ760は、関節運動ノブ760がその固定、すなわち遠位位置に位置付けられる際に回転ノブ770に対して回転し得ない。少なくとも1つのこのような実施形態において、結果として関節運動ノブ760は、関節運動ノブ760がその固定位置にあるときに、ドライバ739を回転させてエンドエフェクタ706を関節運動させるために使用され得ない。
【0027】
上記に加え、関節運動ノブ760がその非固定の、すなわち近位位置に動かされた際、固定歯761は固定歯771から十分に係合離脱することができ、それによって関節運動ノブ760は回転ノブ770に対して回転し得る。図16を再び参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、関節運動ノブ760は、エンドエフェクタ706を矢印CWによって指示される時計方向に回転させるために、矢印D1によって指示される第1方向に回転する場合があり、したがって、関節運動ノブ760は、エンドエフェクタ706を、例えば矢印CCWによって指示される反時計方向に回転させるために、矢印D2によって指示される第2方向に回転する場合がある。図18を参照し、関節運動ノブ760は、スプラインリング763と動作可能に係合する場合があり、それによって関節運動ノブ760が回転する場合、スプラインリング763は関節運動ノブ760によって回転し得る。図18を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、スプラインリング763は1つ以上のスプライン764を含む場合があり、これは関節運動ノブ760がその固定位置と非固定位置との間で摺動し、更にスプラインリング763に回転運動を伝達することを可能にするように構成され得る。ここで、図19を参照し、様々な実施形態において、スプラインリング763は2つ以上の部分を含む場合があり、これらは、スプラインリング763がクロージャチューブ712の少なくとも一部を包含するように互いに組み合せられ得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、クロージャチューブ712は、開口部又はウィンドー765を含む場合があり、これは、スプラインリング763の少なくとも一部が、クロージャチューブ712を通じて延び、ドライバ739と動作可能に係合することを可能にするように構成され得る。より具体的に、スプラインリング763は、そこから延びる1つ以上の突起部又はキー766を更に含む場合があり、これはドライバ739の1つ以上の開口部767内に受容される場合があり、それによってスプラインリング763が関節運動ノブ760によって回転する際にスプラインリング763がドライバ739を回転させ得る様々な実施形態において、結果として、関節運動ノブ760及びドライバ739は、関節運動ノブ760がその非固定位置にあるときに、クロージャチューブ712及びスパイン部材716に対して回転し得る。
【0028】
使用中、上記で概説されるように、関節運動ノブ760は、固定歯761を、回転ノブ770の固定歯771から係合離脱させるために近位方向に引かれ得る。一般的に図16を参照し、様々な実施形態において、関節運動ノブ760はそこから延びるリップ769を更に含む場合があり、少なくとも一実施形態において、リップ769は、外科医が1本以上の指でリップ769を把持し、関節運動ノブ760を近位方向に引くことを可能にするように構成され得る。図17を参照し、このような実施形態において関節運動ノブ760は例えば、関節運動ノブ760と回転ノブ770との中間に位置付けられたバネ768などの付勢部材を含み得る。いくつかの実施形態において、関節運動ノブ760、ドライバ739、及びエンドエフェクタ706は、例えば関節運動ノブ760が方向D1に実質的に10°回転した際に、エンドエフェクタ706が方向CWに実質的に10°回転し得るように構成され得る。この様な実施形態は、1:1ギア比率を有するものと称され得るが、より小さいギア比率又はより大きいギア比率を有し得る他の実施形態が想定される。いずれにせよ、一度エンドエフェクタ706が十分に関節運動されると、外科医は、バネ768が関節運動ノブ760をその非固定位置からその固定位置に再び動かし得るように、関節運動ノブ760を解放することができる。図19を参照し、固定歯761及び/又は固定歯771はそれぞれ、歯の配列を含む場合があり、これは、固定歯761及び771の少なくともいくつかが、関節運動ノブ760の回転ノブ770に対して回転する度合いにかかわらず、噛み合うか又は連結し得るように構成され得る。例示される実施形態において、歯761及び歯771は、それぞれ環状又は少なくとも実質的に環状の、かつ同心又は少なくとも実質的に同心の配列に配置される。
【0029】
上記に加え、様々な実施形態において、回転ノブ770は、エンドエフェクタ706を例えば長手方向軸799などの長手方向軸を中心に回転させるように構成され得る。主に図17を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、回転ノブ770は、これがフレーム701に固定される固定遠位位置と、これがフレーム701から固定解除されている非固定近位位置との間で動かされ得る。図17を再び参照し、様々な実施形態において、回転ノブ770はそこから延びるリップ779を更に含む場合があり、少なくとも一実施形態において、リップ779は、外科医が1本以上の指でリップ779を把持し、回転ノブ770を近位方向に引くことを可能にするように構成され得る。上記と同様に、図19を主に参照し、回転ノブ770は、1つ以上の固定歯又は突起部772を含む場合があり、これはフレーム701の1つ以上の固定歯773又は突起部と係合するように構成され得、それによって回転ノブ770は、回転ノブ770がその固定の、すなわち遠位位置に位置付けられる際にフレーム701に対して回転し得ない。しかしながら、回転ノブ770がフレーム701から固定解除されているとき、回転ノブ770は、エンドエフェクタ706を長手方向軸799を中心に回転させるために、フレーム701に対して回転し得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、回転ノブ770は、例えば平坦なドライバ部分774などの1つ以上のドライバ部分を更に含む場合があり、これは回転ノブ770の回転を、スパイン部分716へと、スパイン部分716の対応する平坦な部分775に伝達するように構成され得る。図19を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、平坦なドライバ部分774は、クロージャチューブ712のウィンドー765及び加えてドライバ739のウィンドー776を通じて延びるように構成される場合があり、それによって平坦なドライバ部分774はスパイン716の平坦な部分775と直接係合することができる。
【0030】
上記に加え、図17を参照し、回転ノブ770は、これが上記のようにその非固定位置へと近位方向に引かれた際に、固定歯771が回転ノブ770の回転を関節運動ノブ760へと、固定歯761を介して伝達し得るように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、結果として関節運動ノブ760は、回転ノブ770と同期的に回転する場合があり、それによってスパイン部材716は、回転ノブ770がその非固定位置にある際にドライバ739と同期的に回転し得る。少なくとも1つの実施形態において、スパイン部材716及びドライバ739の同期的回転により、エンドエフェクタ706は、回転ノブ770がハンドルフレーム701に対して回転する際に、細長いシャフト704に対して関節運動しないことがある。換言すると、回転ノブ770は関節運動ノブ760に対して回転しておらず、ドライバ739は、スパイン716に対して回転していないため、ドライバ739はエンドエフェクタ706をシャフト704に対して関節運動させることができない場合がある。いずれにせよ、一度エンドエフェクタ706が軸799を中心に適切に回転すると、回転ノブ770の固定歯772をハンドルフレーム701の固定歯773と再係合させるために、回転ノブ770が解放され得る。図17〜19を参照し、少なくとも一実施形態において、ハンドルアセンブリ702は、例えば、回転ノブ770とフレーム701との中間に位置付けられたバネ778などの付勢部材を更に含む場合があり、バネ778は、回転ノブ770がその固定遠位位置からその非固定近位位置に動く際に、回転ノブ770とフレーム701との間で圧縮される場合があり、上記のように回転ノブ770が解放される際、バネ778は回転ノブ770をフレーム701から離れるように付勢することができ、それによって固定歯772が固定歯773と再係合する。図19を参照し、固定歯772及び/又は固定歯773はそれぞれ歯の配列を含む場合があり、これは、固定歯772及び773の少なくともいくつかが、回転ノブ770のフレーム701に対して回転する度合いにかかわらず、噛合うか又は連結し得るように構成され得る。例示される実施形態において、固定歯772及び固定歯773は、それぞれ環状又は少なくとも実質的に環状の、かつ同心又は少なくとも実質的に同心の配列に配置される。
【0031】
上記に加え、様々な実施形態において、外科医は一方の手、例えばその右手にハンドルアセンブリ702を保持し、外科用器具700を操作することができる。上記で概説されるように、少なくとも一実施形態において、外科医は、例えばその親指をピストルグリップ103の近位側に位置付け、同じ手の1本以上の指をトリガー108及び110の遠位側に位置付けて、そこに力を適用しこれらをピストルグリップ103の方に引くことによって、トリガー108及び110をピストルグリップ103の方に引くことができる。やはり上記で概説されるように、外科医は、関節運動ノブ760のリップ769及び/又は回転ノブ770のリップ779を把持し、これらを近位方向に引くために、その同じ手の1本以上の指を遠位方向に延ばすことができる。換言すると、外科医は、クロージャトリガー108を介してアンビル114を開閉し、発射トリガー110を介して組織を切開及びステープリングし、エンドエフェクタ706を細長いシャフト704に対して関節継手720を中心に関節運動させ、かつ加えて、エンドエフェクタ706を長手方向軸799を中心に回転させることを、全て片手で行うことができる。結果として、外科医は手術中に、そのもう一方の手を他の作業を行うために利用可能にしておくことができる。しかしながら、様々な場合においてノブ760及び770並びにトリガー108及び110の操作は、特に外科医の手が小さすぎるかないしは他の理由で上記の作業を行うことができない場合に、外科医が外科用器具の操作に両手を使用することを必要とし、それによって1つ以上の可能な利点を損なう場合がある。図20及び図21を参照し、様々な別の実施形態において、例えば外科用器具800などの外科用器具は、エンドエフェクタ706を細長いシャフト704に対して関節運動させるための磁気要素のシステム及び加えて、エンドエフェクタ706を長手方向軸799を中心に回転させるための磁気要素のシステムを含み得る。様々な実施形態において、外科用器具800は、関節運動ノブ760及び回転ノブ770をその固定位置と非固定位置との間で動かすために、磁気要素の追加的なシステムを更に含み得る。いずれにせよ、外科用器具800は、多くの点において、外科用器具700と同様であり得るが、様々な差異が以下で更に詳細に記載される。
【0032】
ここで図20を参照し、外科用器具700の関節運動ノブ760と同様に、外科用器具800の関節運動ノブ860は、固定遠位位置と非固定近位位置との間で動かされ得る。図21を参照し、やはり、関節運動ノブ760と同様に、関節運動ノブ860は固定歯761を含む場合があり、これは、関節運動ノブ860が、その固定位置と非固定位置との間でそれぞれ動かされる際に、回転ノブ870の固定歯762と係合し、かつこれから係合離脱し得る。様々な実施形態において、関節運動ノブ860は、例えば電磁石881及び磁気要素882のシステムによって後方すなわち近位方向に引かれる場合がある。図21を再び参照し、少なくとも一実施形態において、電磁石881は、円形又は少なくとも実質的に円形の配列の回転ノブ870に取り付けることができ、これは、関節運動ノブ860に取り付けられた磁気要素882の円形の又は少なくとも実質的に円形の配列と同心であるか、又は少なくとも実質的に同心であり得る。様々な実施形態において、外科医は、電流源及び/又は電圧源を電磁石881と連絡させるために、例えばハンドルアセンブリ802上のスイッチを操作することができ、それによって電磁石881は、電磁要素882を電磁石881の方に引きつけ、したがって、関節運動ノブ860を近位方向に動かすために、十分にエネルギー印加又は分極され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、電磁石881は、関節運動ノブ860を十分に変位させ、固定歯761を固定歯762から係合離脱させるために、十分な起磁力(mmf)を磁気要素882に適用することができ、それによって関節運動ノブ860は、以下でより詳細に記載されるように、回転ノブ870に対して回転し得る。様々な実施形態において、上記と同様に、例えばバネ768などの付勢部材は、関節運動ノブ860と回転ノブ870との中間に位置付けられる場合があり、それによってバネ768は、関節運動ノブ860が電磁石881によってその近位非固定位置に動かされ保持される際に圧縮される。電磁石881が十分に非通電状態にされるか、又は脱磁された後、バネ768は、関節運動ノブ860をその固定遠位位置に戻すように付勢するよう構成され得る。上記に加え、様々な実施形態において、磁気要素882は、例えば、鉄及び/又は任意の強磁性材料を含む場合があり、これは磁場と相互作用し得る。少なくともいくつかの実施形態において、磁気要素882は、例えば、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、及び/又は任意の好適なレアアース磁石などの永久磁石を含み得る。少なくとも一実施形態において、磁気要素882は、電磁石881の少なくとも一部を引きつけるか、又は弾くように配置及び構成され得、それによって電磁石881に適用されるmmfがバネ768に予荷重を与える及び/又は関節運動ノブ860に近位方向の移動に抵抗力を提供し得る。
【0033】
上記のように、一度関節運動ノブ860が十分に固定解除されると、エンドエフェクタ706を細長いシャフト704に対して関節運動させるために、関節運動ノブ860が回転ノブ870に対して回転し得る。様々な実施形態において、回転ノブ860は、1つ以上の磁気要素849を含む場合があり、これは、回転ノブ870に取り付けられた1つ以上の電磁石847によって生成される磁場と相互作用するように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、磁気要素849は、例えば鉄及び/又は他の任意の好適な強磁性材料を含む場合があり、関節運動ノブ860内に埋め込まれる、及び/又は別の方法でこれに好適に取り付けられ得る。様々な実施形態において、電磁石847は、磁気要素849及び関節運動ノブ860を電磁石847及び回転ノブ870に対して変位させるために、磁気要素849に対して起磁力(mmf)を適用し得る。少なくとも一実施形態において電磁石847の極性は、矢印D1(図20)によって指示される第1方向及び/又は矢印D2によって指示される第2方向に関節運動ノブ860を駆動するため、第1極性と第2極性との間で変換され得る。使用中、図20を参照し、外科医は、スイッチ869を作動させて、電流源及び/又は電圧源を電磁石847と連絡させ、それによって電磁石847は、関節運動ノブ860を回転ノブ870に対して、所望の方向で変位させ、したがってエンドエフェクタ706を細長いシャフト704に対して、(例えば外科用器具700に関連して先に記載されたのと同じ方法で又は少なくとも同様の方法で)関節運動させるために十分な磁場を生成し得る。
【0034】
外科用器具700の回転ノブ770と同様に、外科用器具800の回転ノブ870は、これがフレーム801に固定される遠位位置と、これがフレーム801から固定解除される近位位置との間で動かされ得る。上記に加え、様々な実施形態において、例えば電磁石及び磁気要素のシステムは、回転ノブ870をその固定位置と非固定位置との間で動かすために使用され得る。図21を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、フレーム801はこれに取り付けられた複数の電磁石886を含む場合があり、これは、環状又は少なくとも実質的に環状の配列で配置され、電磁石886は、回転ノブ870に取り付けられた磁気要素887を引きつけ及び/又は弾くように構成された磁場を生成するように構成され得る。上記と同様に、電磁石886は、固定歯772をフレーム701の固定歯から係合離脱させるために、磁気要素887及び回転ノブ870を電磁石886の方に引くため、十分にエネルギー印加又は分極され得る。一度回転ノブ870がその非固定位置に来ると、回転ノブ870は、電磁石及び磁気要素の別のシステムによってフレーム801に対して回転し得る。再び図21を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、フレーム801は、そこに取り付けられた複数の磁気要素880を含む場合があり、これは電磁石847によって生成された磁場と相互作用するように構成され得る。上記と同様に、図20を参照し、外科医は、回転ノブ870を第1方向に回転させるための第1磁場及び回転ノブ870を第2方向に回転させるための第2磁場を生成するために、磁気要素847に選択的にエネルギー印加又は分極するため、スイッチ879を操作することができる。このような実施形態において、回転ノブ870が回転するとき、回転ノブ870は、例えば外科用器具700に関して先に記載されたのと同じ方法又は少なくとも同様の方法でエンドエフェクタ706を長手方向軸799を中心に回転させることができる。
【0035】
例示されないが、読者は、外科用器具800の電磁石は、例えば電池などの一般的な電源及び/又は異なる電源によって駆動され得ることを理解する。再び図21を参照し、外科用器具800は、外科用器具800の電磁石と連絡する電源を定置するための1つ以上の伝導体又はワイヤーを更に含み得る。様々な実施形態において、ハンドルアセンブリ802は、1つ以上の伝導体又はワイヤー883を更に含む場合があり、これは、電磁石847に電流を供給する及び/又は電圧を印加し得る。いくつかの実施形態において、例示されないが、伝導体883は、回転ノブ870とフレーム801との間の相対移動に適合するために、十分な可撓性及び/又はゆとりを有し得る。図21を参照し、他の実施形態において、ハンドルアセンブリ802は、フレーム801と回転ノブ870との中間に位置付けられた1つ以上のブラシ888を含む場合があり、これは、回転ノブ870がフレーム801に対して動いているかどうかにかかわらず、及び/又は回転ノブ870とフレーム801との間の回転の度合いにかかわらず、電源と電磁石847との間に電流を伝導するように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ブラシ888は、フレーム801及び回転ノブ870の周囲に環状又は少なくとも実質的に環状の配列に位置付けられ得る。様々な実施形態において、ブラシ888は、例えば銅線編組ブラシなどの金属繊維ブラシ、炭素ブラシ及び/又は他の任意の好適なブラシを含み得る。少なくとも一実施形態において、「ブラシ」は、例えば炭素ブロックなどの1つ以上の材料のブロックを含む場合があり、これらは電流を伝導し、その表面を横断して反対側の「ブラシ」の相対的な摺動接触を可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態において、「ブラシ」は、任意の好適な適合する部材を含み得る。いずれかの場合において、ブラシ888は、これらが、回転ノブ870が遠位方向に引かれたときに撓むか、又は圧縮する場合があり、回転ノブ870がその固定位置に動いて戻ったときに再び拡張するように、十分に弾力的であり得る。
【0036】
様々な実施形態において、上記と同様に、ハンドルアセンブリ802は、1つ以上の伝導体又はワイヤー884を更に含む場合があり、これは、電磁石881に電流を供給する及び/又は電圧を印加し得る。いくつかの実施形態において、例示されないが、伝導体884は、回転ノブ870とフレーム801との間の相対移動に適合するために十分な可撓性及び/又はゆとりを有し得る。他の実施形態において、上記と同様に、ハンドルアセンブリ802は、回転ノブ870とフレーム801との中間に位置付けられた1つ以上のブラシ885を含む場合があり、これは、回転ノブ860がフレーム801に対して動いているかどうかにかかわらず、及び/又は回転ノブ870とフレーム801との間の回転の度合いにかかわらず、電源と電磁石881との間に電流を伝導するように構成され得る。上記と同様に、ブラシ885は、例えば編組銅線ブラシなどの金属繊維ブラシ、炭素ブラシ及び/又は他の任意の好適なブラシを含み、これは、これらが回転ノブ870が遠位方向に引かれたときに撓むか、又は圧縮する場合があり、回転ノブ870がその固定位置に動いて戻ったときに再び拡張するように、十分に弾力的であり得る。上記に加え、ブラシ885及び/又はブラシ888は、2つのブラシの半体の間の相対的な摺動移動を可能にし得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、例えばブラシ885はそこから延びる剛毛を有する回転ノブ870に取り付けられた第1半体を含む場合があり、ブラシ885の第2半体は、剛毛が接触しその上を摺動し得るフレーム801に取り付けられた接触プレートを含み得る。他の様々な実施形態において、例えばブラシ885は、それぞれそこから延びる剛毛を有する第1及び第2半体を含む場合があり、第1及び第2半体は、回転ノブ870及びフレーム801に取り付けられる場合があり、互いに接触しその上を摺動し得る。いずれにせよ、ブラシ885は、フレーム801及び回転ノブ870の周囲に環状又は少なくとも実質的環状の配列に位置付けられ得る。様々な実施形態において、再び図21を参照し、ハンドルアセンブリ802は1つ以上の伝導体又はワイヤー889を含む場合があり、これは電磁石886に電流を供給する及び/又は電圧を印加し得る。
【0037】
様々な実施形態において、外科用器具は、細長いシャフト内に位置付けられた1つ以上の電磁石を含む場合があり、電磁石は、外科用器具のエンドエフェクタを細長いシャフトに対して関節運動させるように構成され得る。図22〜24を参照し、少なくとも一実施形態において、外科用器具900は、細長いシャフト904及びエンドエフェクタ906(部分を除いた状態で示される)を含む場合があり、エンドエフェクタ906は、関節継手920によって細長いシャフト904に枢動可能に接続され得る。上記と同様にエンドエフェクタ906は枢動プレート922を含む場合があり、加えて細長いシャフト904は、ピン挿入プレート926を含む場合があり、これは、スパイン916によって細長いシャフト904内に固定され得る。やはり上記と同様に、ピン挿入プレート926はそこから延びるピンを含む場合があり、これは枢動プレート922の開口部123内に緊密に受容されるように構成され得る。図23を主に参照し、いくつかの実施形態において、細長いシャフト904は、内部に取り付けられた電磁石940a及び940bを更に含む場合があり、加えて枢動プレート922はそこに取り付けられた磁気要素949を更に含む場合があり、電磁石940a、940bは、磁場を生成するように構成され得、磁場は磁気要素949と相互作用して枢動プレート922及びエンドエフェクタ906をピン挿入プレート926によって画定される軸を中心に回転させるように構成され得る。様々な実施形態において、磁気要素949は、例えばレアアース磁石などの磁石を含む場合があり、これは、磁石の極が既定に向きに位置合わせされるように、枢動プレート922上に位置付けられ配置され得る。少なくとも一実施形態において、磁気要素949は、例えば各磁石の正又はn極が隣接する磁石の負又はs極の隣に位置付けられるように、各磁石の極がエンドツーエンド構成に配置されるように、配置され得る。例えば、磁石949の正極が、これらの負極に対して半径方向外側に位置付けられるような他の実施形態が想定される。
【0038】
使用中、少なくとも一実施形態において、例えば電磁石940bはエネルギー印加又は分極され得、それによって電磁石940bの遠位端が磁場の正又はn磁極を含む。このような実施形態において、磁気要素949の正極は電磁石940bから遠ざかるように弾かれる場合があり、磁気要素949の負極は、電磁石940bの方に引き付けられ得る。様々な実施形態において、結果として、例えば磁気要素940bによって生成される磁場は、枢動プレート922及びエンドエフェクタ906を、例えば矢印CCWによって指示される反時計方向に変位又は回転させるために十分であり得る。図23を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、電磁石940bによって生成される磁場の強度は、伝導体947bを流れる電流の規模を制御することによって制御され得、より大きな電流はより強度の高い磁場を生成する場合があり、より小さい電流はより強度の低い磁場を生成する場合がある。いくつかの実施形態において、上記と同様に、伝導体947bに電流が供給される方向又は電圧が印加される極性は、電磁石940bの遠位端で生成される磁極の極性を制御し得る。より具体的に、伝導体947bを流れる電流が第1方向に流れる場合、電流は、コア941bの遠位端において正極を生成する場合があり、伝導体947bを流れる電流が逆方向に流れる場合、電流は、コア941bの遠位端で負極を生成し得る。様々な実施形態において、結果として、伝導体947bを流れる電流の方向は、例えば電磁石940bによって生成される磁場の極性を選択的に変えるために、選択的に変えられる場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、例えば電磁石940bの遠位端の最初の極性は、第1磁石949を弾くために正であり得、電磁石940bの遠位端の極性はその後、枢動プレート922及びエンドエフェクタ906を回転させ続けるために、次の永久磁石949を電磁石940bの方へと引くために、正から負へと変えられ得る。一度、第2永久磁石949が十分に位置付けられると、電磁石940bの極性は再び変換され得(すなわち、負から正へ)、第2電磁石949を電磁石940bから遠ざけるようにはじき、再び、枢動プレート922及びエンドエフェクタ906を回転させ続ける。
【0039】
様々な実施形態において、エンドエフェクタ906が細長いシャフト904に対して回転し得る範囲を制限することが望ましい場合がある。例示されないが、いくつかの実施形態において、細長シャフト904は1つ以上の停止部を含む場合があり、これは、エンドエフェクタが、時計方向及び/又は反時計方に動く際にエンドエフェクタ906の回転を停止するように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、停止部は、時計方向及び/又は反時計方向におけるエンドエフェクタ906の最大回転を制限し得る。図23を参照し、いくつかの実施形態において、外科用器具は、エンドエフェクタ906と細長いシャフト904との間の位置又は相対角度を検出するための手段、並びにこれに加えて、一度、エンドエフェクタ906が十分に変位されてからエンドエフェクタ906の回転を停止させるための手段を更に含み得る。少なくとも一実施形態において、細長いシャフト904は、1つ以上のセンサーを更に含む場合があり、これはエンドエフェクタ906がシャフト904に対して回転した程度又は度合いを決定するために、エンドエフェクタ906上の1つ以上の印を検出するように構成され得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、細長いシャフト904は、例えば光センサー991などの少なくとも1つの光センサーを更に含む場合があり、これは、エンドエフェクタ906が回転する際に、エンコーダマーキング990が光センサー991の下を通過すると、これを検出するように構成され得る。様々な実施形態において、光センサー991は発光体を更に含む場合があり、これに加えて、エンコーダマーキング990は、枢動プレート922上に少なくとも部分的に反射性の表面を含む場合があり、これは、エンコーダマーキング990の検出を促進するため発光体によって生成される光を反射するように構成され得る。いくつかの実施形態において、エンコーダマーキング990は、枢動プレート922の表面にエッチングされ得る。例示されないが、少なくとも一実施形態において、エンドエフェクタ906は、エンコーダマーキング990の配置と同様の、好適な配列に配置された複数のスリット又は開口部を含む場合があり、開口部は、枢動プレート922の反対側すなわち底面に位置付けられた光源からの光を透過させるように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、光源は、1つ以上の発光ダイオードを含み得る。例示されないが、いくつかの他の実施形態において、エンドエフェクタ及び細長いシャフトは、エンドエフェクタが回転するのに伴って指数付けされる機械的エンコーダを含む場合がある。
【0040】
主に図23を参照し、様々な実施形態において、例えば光センサー991は、例えば制御ユニット992などの制御ユニットと信号通信させられる場合があり、それによって光センサー991の下を通過するエンコーダマーキング990の数に関するデータが制御ユニット992に伝達され得る。より具体的に少なくとも一実施形態において、制御ユニット992は、例えばDSP 993などの少なくとも1つのデジタル信号プロセッサを含む場合があり、これは、エンコーダマーキング990が光センサー991の下を通過するのに対応する、光センサー991からの信号パルスを受信するように構成され得る。例えば、5つのマーキング990がセンサー991の下を通過する場合、センサー991が5つの信号パルスをDSP 993に伝導体994を介して送信し得るが、このような通信は、無線送信機(例示されない)を介し、無線であり得る。いずれにせよ、DSP 993は、このような信号パルスを処理し、エンドエフェクタ906がエンドエフェクタ904に対して回転した度合いを計算し、かつこのような情報を外科医に出力するように構成され得る。上記に加え、少なくとも1つのこのような実施形態において、1つのエンコーダマーキング990の検出は、エンドエフェクタ906の1関節運動度を表す場合があり、DSP 993は、エンドエフェクタ906が回転したこの度合いを外科用器具のハンドルアセンブリ上のLCDディスプレイに送信するように構成され得る。様々な実施形態において、LCDディスプレイは、スクリーンを含む場合があり、データは数字、文章及び/又は例えば増加若しくは減少する尺度図などの図形形態の形態で表示され得る。上記に加え、様々な実施形態において、制御ユニット992は、パルス幅変調器(PWM)を更に含む場合があり、これは電磁石940a及び940bに供給される出力信号及び電力を修正及び制御するように構成され得る。
【0041】
上記のように、細長いシャフト904は、2つの電磁石、すなわち、電磁石940a及び940bを含む場合があり、これは、磁気要素949と相互作用し得る磁場を放出するように構成され得る。図23に例示されるように、枢動プレート922は、内部に埋め込まれた5つの磁気要素949を含むが、他の実施形態は、4つ以下の磁気要素949又は6つ以上の磁気要素を有し得る。同様に、他の外科用器具は、任意の好適な数の電磁石を含み得る。ここで図25を参照し、少なくとも一実施形態において、外科用器具1000の細長いシャフト1004は、4つの電磁石、すなわち、1040a、1040b、1040c、及び1040dを含む場合があり、これはそれぞれ、コア1041a〜1041dの遠位端に磁場及び極性を別個に生成するように構成され得る。上記と同様に、電磁石1040a〜1040dによって生成される磁場の強度及び極性は、伝導体又はワイヤー1041a〜1041dそれぞれを流れる電流の方向及び規模によって決定され得る。いずれにせよ、一度エンドエフェクタ906が、上記と同様に十分に関節運動されると、エンドエフェクタ106は適所に固定され得る。図23を参照し、様々な実施形態において、細長いシャフト904は、近位非固定位置と、ロック930が枢動プレート922の歯925と係合している遠位固定位置との間で動き得るロック930を更に含み得る。少なくとも一実施形態において、ロック930は、複数の凹部931を含む場合があり、これは、枢動プレート922がロック930に対して、したがって細長いシャフト904に対して回転できないか、又は少なくとも実質的に回転できないように、1つ以上の歯925を受容するように構成され得る。同様に、ロック930は、例えば枢動プレート922の歯925の中間に位置付けられる凹部内に受容されるように構成され得る、凹部931の中間に位置付けられる複数の歯を含み得る。やはり上記と同様に、様々な実施形態において、細長いシャフト904は、ロック930をその固定位置と非固定位置との間で動かすように構成され得る、ロック作動装置932を更に含む場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、ロック作動装置932は例えばソレノイドを含み得る。
【0042】
ここで図27〜32を参照し、様々な実施形態において、例えば、外科用器具1100などの外科用器具は、細長いシャフト1104及びエンドエフェクタ1106を含む場合があり、エンドエフェクタ1106は、細長いシャフト1104に対して関節継手1120を中心に関節運動するように構成され得る。上記と同様に、少なくとも一実施形態において、エンドエフェクタ1106はそこに取り付けられた枢動プレート1122を含む場合があり、これに加えて、細長いシャフト1104は、内部に取り付けられたピンプレート部材1126を含む場合があり、ピンプレート部材1126から延びるピン127は、枢動プレート1122及びエンドエフェクタ1106が、それを中心に、細長いシャフト1104に対して関節運動し得る軸を画定するために、枢動プレート1122のピン開口部123内に緊密に受容され得る。やはり上記と同様に、細長いシャフト1104は、1つ以上の電磁石を更に含む場合があり、これは、エンドエフェクタ1106に取り付けられる1つ以上の磁気要素と相互作用するように構成され得る磁場を生成するように構成され得る。図28〜31を主に参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、エンドエフェクタ1106の枢動プレート1122は、そこに取り付けられた複数の永久磁石1149を有する場合があり、少なくとも一実施形態において、永久磁石1149は、枢動プレート1122内の1つ以上の空洞内に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態において、上記と同様に、永久磁石1149は、好適な方法で配置され得る正極及び負極を有する場合があり、それによって細長いシャフト1104内に取り付けられた電磁石1141が十分にエネルギー印加又は分極される際、永久磁石1149は、電磁石1141によって生成される磁場と相互作用し得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、永久磁石1149の正極は、これらの正極がこれらの負極に対して半径方向外側に位置付けられるように配置され得る。換言すれば、少なくとも一実施形態において、永久磁石1149の正極は、表面1125と隣接するように位置付けられる場合があり、磁石1149の負極は、正極に対して遠位方向又は少なくとも若干遠位方向に位置付けられ得る。いくつかの他の実施形態において、永久磁石1141は、これらの極が交互になるように、配置され得る。例えば、永久磁石1141は、例えば第1磁石1141の半径方向外側の端部が正であり、第2磁石1141の半径方向外側の端部が負であり、第3磁石の半径方向外側の端部が正であり、同様に続くように配置され得る。
【0043】
上記に加え、様々な実施形態において、電磁石1141は、永久磁石1149を引き又は弾き、エンドエフェクタ1106を所望の方向に回転させるために、選択的にエネルギー印加又は分極され得る。図28及び図30を参照し、いくつかの実施形態において、電磁石1141は、作動部材1140の1つ以上の空洞内に埋め込まれるか、又は位置付けられ得る。少なくとも一実施形態において、第1群の電磁石1141がエネルギー印加又は分極され得、それによって例えば、これらの遠位端、すなわち永久磁石1149に隣接するように位置付けられたこれらの端部が負極を生成し、一方で第2群の電磁石1141はエネルギー印加されないか若しくは分極されない又は少なくとも実質的にエネルギー印加されないか若しくは分極されないままであり得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、結果として、電磁石1141の遠位端の負極性は、永久磁石1149の正極を引きつけ、永久磁石1149を負極電磁石1141の方に動かすことができる。様々な場合において、第1群の電磁石1141の選択的なエネルギー印加又は分極は、例えば、エンドエフェクタ1106が反時計方向に回転するように、永久磁石1149を変位させ得る。いくつかの状況において、第1群の電磁石1141は、その後非電通状態にされるか若しくは脱磁され又は少なくとも実質的に非電通状態にされるか若しくは脱磁され、第2群の電磁石1141がエネルギー印加又は分極され、それによって上記と同様にこれらの遠位端が負極性を生成し、永久磁石1149の正極を引きつけて、例えばエンドエフェクタ1106の反時計方向の回転を続ける。いくつかの他の実施形態において、第1群の電磁石1141がエネルギー印加され、それによって、例えば、これらの端部が負極性を生成し、一方で、第2群の電磁石1141がエネルギー印加され得、それによって、例えば、これらの遠位端が正極性を生成する。様々な実施形態において、第1及び第2群は、これらが同時に又は好適な交互の順序で異なる極性を有するようにエネルギー印加され得る。
【0044】
上記に加え、一度エンドエフェクタ1106が十分に作動されると、エンドエフェクタ1106は適所に固定され得る。図28〜30、及び32を参照し、様々な実施形態において、細長いシャフト1104はロック1130を更に含む場合があり、ロック1130の少なくとも一部が、例えばこれが枢動プレート1122と係合する遠位固定位置と、これがエンドエフェクタ1106がピン開口部123によって画定される軸及びピン127を中心に回転することを可能にするために枢動プレート1122から十分に係合離脱する近位非固定位置との間で動かされ得る。少なくとも一実施形態において、ロック1130は、例えばブレーキシュー1131などの可動ブレーキシューを含む場合があり、これは近位位置と遠位位置との間で動かされ得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、枢動プレート1122はそこに取り付けられた1つ以上の永久磁石1138を含む場合があり、永久磁石1138は、例えば、これらの正すなわちn極がこれらの負すなわちs極に対して半径方向外側に位置付けられるように構成され得、永久磁石1138は、ブレーキシュー1131を枢動プレート1122の方に引きつけるように構成され得、それによってブレーキシュー1131がブレーキ表面1125に接触する。様々な実施形態において、ブレーキシュー1131は、そこに取り付けられた1つ以上の磁気要素1133を含む場合があり、これは、永久磁石1138によって生成された磁場と相互作用する場合があり、磁場は、ブレーキシュー1131とブレーキ表面1125との間の軸受力又は制動力が、枢動プレート1122と枢動ピン部材1126との間の相対移動を防ぐか又は少なくとも妨げるために十分であるように、十分な起磁力(mmf)を磁気要素1133に適用し得る。
【0045】
様々な実施形態において、ブレーキシュー1131を枢動プレート1122から係合離脱させるため、磁気要素1133は電磁石を含む場合があり、これは、ブレーキシュー1131を枢動プレート1122から遠ざけるように動かし得る磁場をつくるために選択的にエネルギー印加され得る。少なくとも1つの場合において、電磁石1133は、これらの遠位端、すなわち枢動プレート122に最も近いこれらの端部において正極を生成するためにエネルギー印加される場合があり、それによって電磁石1133によって生成される正極は、永久磁石1138の正極によって弾かれる。様々な実施形態において、電磁石1133がブレーキシュー1131に取り付けられる場合があり、それによって十分な起磁力が生成された際にブレーキシュー1131は、近位方向に変位され得る。ブレーキシュー1131が近位方向に変位され得、その結果ブレーキシュー1131はもはやブレーキ表面1125と係合しておらず、及び/又はブレーキシュー1131は別の理由でエンドエフェクタ1106を適所に保持するための十分な制動力を枢動プレート1122に適用することができない。いくつかの他の実施形態において、永久磁石1138の負極が半径方向外側に位置付けられる場合があり、それによって電磁石1133がエネルギー印加される際に、電磁石1133の遠位端に生成される負極が、永久磁石1138の負極によって弾かれ得る。図29及び図32を主に参照し、少なくとも一実施形態において、ロック1130はブレーキシュー1131の変位を制限するための1つ以上の機構を含む場合があり、それによってブレーキシュー1131は例えば軸1199などの既定の経路に沿って移動する。少なくとも一実施形態において、ロック1130は、1つ以上の突起部又は移動制限器1130aを更に含む場合があり、ブレーキシュー1131は、停止アーム1131aを更に含む場合があり、移動制限器1130a及び停止アーム1131aは、軸1199に対して横方向の、ブレーキシュー1131とロック1130との間の相対移動を防ぐか又は少なくとも妨げるように構成され得る。
【0046】
上記に加え、様々な実施形態において、関節継手は、互いに対して関節運動するように構成され得る第1及び第2部分を含み得る。様々な他の実施形態において、関節継手は、互いに対して関節運動し得る3つ以上の部分を含み得る。図33〜40を参照し、少なくとも一実施形態において、例えば外科用器具1200などの外科用器具は、ハンドルアセンブリ1202、細長いシャフト1204及びエンドエフェクタ1206を含む場合があり、関節継手1220は、エンドエフェクタ1206が細長いシャフト1204に対して回転することを可能にするように構成され得、関節継手1220は例えば複数の第1継手部材1222及び複数の第2継手部材1226を含み得る。図34及び図35を主に参照し、いくつかの実施形態において第1継手部材1222及び第2継手部材1226は、交互の配置で配置される場合があり、少なくとも一実施形態において第1継手部材1222は、それぞれそこに取り付けられた1つ以上の永久磁石を含む場合があり、第2継手部材1226は、それぞれそこに取り付けられた1つ以上の電磁石を含む場合がある。ここで図38及び図40を参照し、各第1継手部材1222は、例えば開口部1248など、内部の開口部内に位置付けられた第1永久磁石1249a、加えて、第1継手部材1222と反対側の又は少なくとも実質的に反対側の別の開口部1248内に位置付けられる第2永久磁石1249bを含む場合がある。同様に、図36〜40を参照し、各第2継手部材1226は、例えば、開口部1251など、内部の開口部内に位置付けられた第1電磁石1240a及び加えて、第2継手部材1226の反対側又は少なくとも実質的に反対側の別の開口部1251内に位置付けられた第2電磁石1240bを含む場合がある。図34及び図35を参照し、様々な実施形態において、継手部材1222及び1226は、永久磁石1249aが電磁石1240aと位置合わせされるか、又は少なくとも実質的に位置合わせされ、かつ加えて電磁石1249bが電磁石1240bと位置合わせされるか、又は少なくとも実質的に位置合わせされるように、配置され得る。
【0047】
上記に加え、様々な実施形態において、各電磁石1240aは、例えばコア1241aなどのコア、及び例えば伝導体1247aなどの伝導体を含む場合があり、伝導体1247aは、電流源及び/又は電圧源が伝導体1247aに供給される際に電流を伝搬するように構成され得、極性を有する磁場を生成するために伝導体1247aの少なくとも一部がコア1241aの周囲に巻かれ得る。上記で概説されたように、このような磁場の極性は、電流が伝導体1247aを流れる方向に依存し得る。上記と同様に、各永久磁石1240bは、例えばコア1241bなどのコア、及び例えば、伝導体1247bなどの伝導体を含む場合があり、伝導体1247bは、電流源及び/又は電圧源が伝導体1247bに供給されるときに、電流を伝搬するように構成され得る。使用中、少なくとも一実施形態において、エンドエフェクタ1206は、電流が伝導体1247aに供給され、及び/又は電圧が印加され、それによって電流が伝導体1247aを第1方向に流れる際に、図35に例示されるように、例えば右にすなわち時計方向に関節運動し得る。より具体的に、図40を再び参照し、電磁石1240aがエネルギー印加又は分極される場合があり、それによって「S」とマークされた永久磁石1249aの負、すなわちs極が、電磁石1240aによって生成される正すなわちn極に引きつけられ、加えて「N」とマークされた永久磁石1249aの正極が、電磁石1240aによって生成される負極に引きつけられる。図35を参照し、このような実施形態において、電磁石1240aと永久磁石1249aとの間の起磁力(mmf)は、第1継手部材1222及び第2継手部材1226を互いに対して関節運動させるために十分であり得る。いくつかの実施形態において、継手部材1222及び1226は、これらが互いに当接するまで、互いに対して関節運動し得る。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ1206は、電流が伝導体1247aに供給され及び/又は電圧が印加され、それによって電流が伝導体1247aを第2方向、すなわち反対方向に流れる際に、図33に例示されるように、左に、すなわち反時計方向に関節運動し得る。図40を再び参照し、このような実施形態において、電磁石1240aはエネルギー印加又は分極され得、それによって永久磁石1249の負極は、電磁石1240aによって生成される負極によって弾かれ、かつこれに加えて、永久磁石1249aの正極は、電磁石1240aによって生成される極によって弾かれる。
【0048】
様々な実施形態において、上記と同様に、エンドエフェクタ1206は、電流が伝導体1247bに供給され、及び/又は電圧が印加され、それによって電流が伝導体1247bを第1方向に流れる際に、例えば左にすなわち反時計方向に関節運動し得る。より具体的に図40を再び参照し、電磁石1240bがエネルギー印加又は分極される場合があり、それによって「S」とマークされた永久磁石1249bの負すなわちs極が電磁石1240bによって生成される正すなわちn極に引きつけられ、加えて「N」とマークされた永久磁石1249bの正極が電磁石1240bによって生成される負極に引きつけられる。図33を参照し、このような実施形態において、電磁石1240bと永久磁石1249bとの間の起磁力(mmf)は、第1継手部材1222及び第2継手部材1226を互いに対して関節運動させるために十分であり得る。いくつかの実施形態において、継手部材1222及び1226は、これらが互いに当接するまで、互いに対して関節運動し得る。上記と同様に、エンドエフェクタ1206は、電流が伝導体1247bに供給され及び/又は電圧が印加され、それによって電流が伝導体1247bを第2方向、すなわち反対方向に流れる際に、図35に例示されるように、右に、すなわち反時計方向に関節運動し得る。図40を再び参照し、このような実施形態において、電磁石1240bは、エネルギー印加又は分極され得、それによって永久磁石1249bの負極は電磁石1240bによって生成される負極によって弾かれ、かつ加えて、永久磁石1249bの正極は、電磁石1240bによって生成される正極によって弾かれる。上記に加え、様々な実施形態において、エンドエフェクタ1206及び/又は細長いシャフト1204は、1つ以上の永久磁石及び/又は電磁石を含む場合があり、これは、継手部材1222及び/又は1226の1つ以上を関節運動させるように構成され得る。
【0049】
上記に加え、様々な実施形態において、関節継手1220の例えば全ての電磁石1240aが、エンドエフェクタ1206の最大の右方向関節運動を達成するために、同時にエネルギー印加され得る。同様に、例えば、全ての電磁石1240bは、エンドエフェクタ1206の最大の左方向関節運動を達成するために、同時にエネルギー印加され得る。図35を参照し、少なくとも一実施形態において、関節継手1220は、例えば、3つの可動第1継手部材1222及び3つの可動第2継手部材1226を含み得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、各6つの継手部材が、例えば隣接する継手部材に対しておよそ10°関節運動するように構成され得、例えば70°の合計関節運動を生じる。例示されないが、いくつかの実施形態において、各電磁石1240aをエネルギー印加又は分極するために単一の伝導体が使用され得、これに加えて、各電磁石1240bをエネルギー印加又は分極するために単一の伝導体が使用され得る。実際に、電磁石1240aは、互いに直列で定置され得、同様に電磁石1240bは、互いに直列に定置され得る。例えば、図40に例示されるように、いくつかの他の実施形態において、各電磁石1240aは、他の電磁石1240aと別々に活性化され得、同様に各電磁石1240bは他の電磁石1240bと別々に活性化され得る。少なくともこのような実施形態において、電磁石1240a、1240bは、エンドエフェクタ1206がその最大関節運動よりも少なく関節運動され得るように、選択的に関節運動され得る。例えば、エンドエフェクタ1206をおよそ20°関節運動させるために1つのみの電磁石1240aがエネルギー印加又は分極されてもよく、エンドエフェクタ1206をおよそ40°関節運動させるために、2つの電磁石1240aがエネルギー印加又は分極されてもよく、エンドエフェクタ1206をおよそ70°関節運動させるために3つの電磁石1240aがエネルギー印加又は分極されてもよい。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ1206及び/又は細長いシャフト1204は1つ以上の電磁石を含む場合があり、これはエンドエフェクタ1206を、例えば80°など70°超又は20°未満関節運動させるように作動され得る。
【0050】
上記のように、各電磁石1240a、1240bは伝導体1247a、1247bをそれぞれ含む場合があり、これらは電流を伝搬するように構成され得る。様々な実施形態において、伝導体1247a及び1247bは、例えば、ワイヤーを含む場合があり、これは、第1継手部材1222と第2継手部材1226との間の相対移動に適合するために十分に可撓性であり得る。少なくとも一実施形態において、伝導体1247a及び1247bは、継手部材1222及び1226の1つ以上の貫通孔1298を通じて延びる場合があり、伝導体1247a及び1247bは、エンドエフェクタ1206が関節運動した際にこれらが損傷を受けないように十分なゆとりを有し得る。図36を参照し、少なくともいくつかの実施形態において、第1継手部材1222及び/又は第2継手部材1226は、例えば1つ以上のチャネル1296を更に含む場合があり、これは伝導体が継手部材1222及び1226の面とぴったりと重なって及び/又はその下に位置し得るように、1つ以上の伝導体1247a及び/又は1247bを受容するように構成され得る。様々な実施形態において、例えば伝導体1247a及び1247bなどの1つ以上の伝導体が、継手部材1222及び1226の経路1250を通じて延び得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、経路1250は、伝導体1247a及び1247bに適用される圧力及び歪みが最小化され得るように、関節継手の中立軸に沿って位置し得る。換言すると、少なくとも一実施形態において、経路1250を通じて延びる通路は、関節継手を通じた長さを画定することがあり、この長さは、伝導体が大きな変形に供されないように、エンドエフェクタが関節運動する際に変化しないか又は少なくとも実質的に変化しない。
【0051】
上記のように、様々な実施形態において、第1継手部材1222は、第2継手部材1226に対して関節運動するように構成される場合があり、かつ、したがって第2継手部材1226は、第1継手部材1222に対して関節運動するように構成され得る。図36〜39を参照し、少なくとも一実施形態において、継手部材1222及び1226は、1つ以上のボール及びソケット構成、又は継手によって互いに連結され得る。より具体的に各第1継手部材1222は、ボール部材1227を含む場合があり、これは、隣接する第2継手部材1226のソケット1223内に受容されるように構成され得る。同様に、各第2継手部材1226もまた、ボール部材1227を含む場合があり、これは、隣接する第1継手部材1222のソケット1223内に受容されるように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ボール部材1227は、球状又は少なくとも実質的に球状であり得、ソケット1223は半球状又は少なくとも部分的に半球状のポケットを含み得る。様々な実施形態においてボール及びソケット継手は、第1継手部材1222及び第2継手部材1226が横方向、上下方向及び/又は他の任意の好適な方向に動くことを可能にするように構成され得る。様々な実施形態においてボール部材1227及びソケット1223は、経路1254を画定する場合があり、これは、特にエンドエフェクタ1206が関節運動した位置にある際に、発射部材1250(図35)を摺動可能に受容し、発射部材1250の通路を画定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ボール部材及びソケット継手の1つ以上が、継手部材1222と継手部材1226との間の相対移動を制限するように構成され得る。少なくとも一実施形態において、ボール及びソケット継手の1つ以上が、第1継手部材と第2継手部材との間の相対移動を制限するように構成され得、それによって継手部材は平面に沿って互いに対してのみ移動し得る。再び図36を参照し、ボール部材1227は、例えばそこから延びる1つ以上の位置合わせフランジ1224を含む場合があり、これは、図37及び図38をここで参照し、例えばソケット1223内に画定される位置合わせ溝1221内に受容されるように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、位置合わせリッジ1224及び位置合わせ溝1221は、例えば、位置合わせフランジ1224によって画定される平面に沿った、第1継手部材1222と第2継手部材1226との間の相対移動を制限するような大きさであり得、そのように構成され得る。
【0052】
いずれにせよ、上記に加え、1つ以上の第1継手部材1222及び1つ以上の第2継手部材1226が、これらが互いに動かされ関節運動した後に、軸に沿って再び位置合わせされ得る。少なくとも一実施形態において、例えば、電磁石1240a及び1240bは、関節継手1220を真っ直ぐにしかつ加えて、エンドエフェクタ1206をシャフト1204と再位置合わせするためにエネルギー印加され得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、電磁石1240a及び電磁石1240bは、同時にエネルギー印加される場合があり、それによって第1継手部材1222及び第2継手部材1226は、シャフト1204によって画定される中央軸に沿って位置付けられる。いくつかの実施形態において、電磁石1240a及び1240bに供給される電流及び/電力の規模は、継手部材1222及び1226を互いに実質的に位置合わせさせるように動かすために、少なくとも最初は異なる場合があり、その後、電磁石1240a及び1240bに供給される電流及び/又は電力の規模は、同じにされるか、又は実質的に同じにされ、それによって継手部材1222及び1226はより正確に位置合わせされ得る。いくつかの実施形態において、電磁石1240a及び1240bに供給される電流及び/又は電力の規模は、最初は、特にエンドエフェクタ1206が著しく関節運動した際に、同じであるか、又は少なくとも実質的に同じであり得る。
【0053】
上記に加え、様々な実施形態において、外科用器具のエンドエフェクタは、2つ以上の平面において関節運動し得る。ここで図41〜45を参照し、少なくとも一実施形態において、外科用器具1300は、細長いシャフト1304、エンドエフェクタ1306及び関節継手1320を含む場合があり、これらは、エンドエフェクタ1306がシャフト1304に対して関節運動することを可能にするように構成され得る。関節継手1220と同様に、関節継手1320は、複数の第1継手部材1322及び複数の第2継手部材1326を含む場合があり、これらは互いに対して関節運動するように構成され得る。しかしながら、継手部材1222及び1226とは異なり、継手部材1322及び1326は、その間の相対移動を制限する位置合わせ機構1221及び1224を含まない。少なくとも一実施形態において、結果として、エンドエフェクタ1306は、複数の方向及び/又は平面に関節運動し得る。いくつかの実施形態において、主に図41を参照し、各第2継手部材1326は例えば、電磁石1340a、1340b、1340c及び1340dなど4つの電磁石を含む場合があり、これらは、継手部材1326の開口部内において第2継手部材1326に取り付けられる場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、電磁石1340a〜1340dは、互いに対して、かつ継手部材1326の中央に対して等間隔で位置付けられる場合がある。したがって、各第1継手部材1322は、図42を参照し、永久磁石1349a、1349b、1349c(図41)を含む4つの永久磁石を含む場合があり、第4の永久磁石は例示されず、各永久磁石1349aは1つ以上の電磁石1340aと位置合わせされる場合があり、各電磁石1349bは、1つ以上の電磁石1340bと位置合わせされる場合があり、各電磁石1349cは、1つ以上の電磁石1340cと位置合わせされる場合があり、各第4永久磁石は、1つ以上の電磁石1340dと位置合わせされ得る。
【0054】
使用中、上記と同様に、かつ図43を参照し、電磁石1340a及び/又は電磁石1340bは、エンドエフェクタ1306を細長いシャフト1304に対して、左及び右方向に関節運動させるために選択的に作動され得る。換言すると、図44を参照し、エンドエフェクタ1306は、軸1395vに対して左及び右方向に関節運動する場合があり、いくつかの実施形態において軸1395vは、電磁石1340c及び1340dを通じて延びる場合があり、長手方向軸1399と横方向に交差し、延び得る。上記に加え電磁石1340c及び/又は電磁石1340dは、エンドエフェクタ1306を細長いシャフト1304に対して、上下方向に関節運動させるために、選択的に作動され得る。換言すると、エンドエフェクタ1306は、軸1395hに対して上下方向に関節運動する場合があり、いくつかの実施形態において軸1395hは、電磁石1340a及び1340bを通じて延びる場合があり、長手方向軸1399と横方向に交差し、延び得る。様々な実施形態において、電磁石1390a、1390b、1390c及び1390dの任意の好適な組み合わせが、エンドエフェクタ1306を細長いシャフト1304に対して任意の好適な方向に関節運動させるために作動され得る。例えば、図44を再び参照し、電磁石1340b及び1340cは、エンドエフェクタ1306を、軸1395nに沿った方向に関節運動させるために作動され得る。このような実施形態において、伝導体1347bを流れる電流の規模は、伝導体1347cを流れる電流の規模と同じ又は少なくとも実質的に同じであり得、それによって電磁石1340b及び1340cによって生成される磁場の強度は同じ又は少なくとも実質的に同じであり得、その結果これらは同じ又は少なくとも実質的に同じ起磁力をこれらのそれぞれ位置合わせされた永久磁石に適用する。電磁石1340a及び1340dは、エンドエフェクタ1306を1395nに沿って反対方向に関節運動させるために作動され得る。同様に、電磁石1340a及び1340cは、エンドエフェクタ1306を軸1395pに沿った方向に関節運動させるために作動され得、これに加えて、電磁石1340b及び1340dは、エンドエフェクタ1306を軸1395pに沿った反対方向に関節運動させるために作動され得る。
【0055】
様々な実施形態において、上記で概説されるように電磁石1340b及び1340cは、例えばエンドエフェクタ1306を軸1395nに沿った方向に関節運動させるために作動され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、電磁石1340b及び1340cは、永久磁石1349b及び1349cをそれぞれそこに引きつけるために、作動され得る。同時に、いくつかの実施形態において、電磁石1340a及び1340dはエンドエフェクタ1306の関節運動を補助するために、永久磁石1349a及び1349dをそれぞれ弾くために作動され得る。様々な実施形態において、上記の観点から、電磁石の任意の好適な組み合わせが作動され得、それによってこれらは例えば、これらと関連する様々な永久磁石を、同時に及び/又は好適な順序で引きつけ及び/又は弾き得る。
【0056】
上記で概説されるように、電磁石1340a、1340b、1340c及び1340dの様々な組み合わせは、エンドエフェクタ1306を関節運動させるために作動され得、いくつかの実施形態において、同じ規模の電流が、エンドエフェクタ1306を軸1395n及び1395pに沿って、すなわち例えば、軸1395v及び1395hに対しておよそ45°に沿って回転させるために、作動した電磁石に供給され得る。他の実施形態において、異なる規模の電流が、様々な電磁石に供給される場合があり、それによってエンドエフェクタ1306は他の方向に関節運動し得る。例えば、電磁石1340cの伝導体1347cは、電磁石1340bの伝導体1347bに供給される電流のおよそ2倍の規模を有する電流を供給されて、エンドエフェクタ1306を軸1395nと1395vとの中間の方向に関節運動させ得る。いずれにせよ、電磁石1340a、1340b、1340c、及び1340dは全て、関節継手1320を例えば長手方向軸1399に沿って再び真っ直ぐにするために同時に作動され得る。図41及び43を再び参照し、いくつかの実施形態において、関節継手1320は、例えばロッド1343などの1つ以上の可撓性直線化及び位置合わせロッドを更に含む場合があり、これは関節継手1320を真っ直ぐにするように構成され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ロッド1343の近位端は、細長いシャフト1304に取り付けられる場合があり、ロッド1343は、継手部材1322及び1326の開口部1346を通じて延び、エンドエフェクタ1306の開口部1397内に延び得る。エンドエフェクタ1306が上記のように関節運動される際、ロッド1343は、このような関節運動を可能にするために十分に可撓性であり得るが、一度、電磁石1340a、1340b、1340c、及び1340dが十分に非電通状態にされるとこれらの元の形状に戻るために十分に弾力的であり得る。少なくとも一実施形態において、ロッド1343は、関節継手1320の様々な構成に適合するために、開口部1346及び開口部1397内で摺動するように構成され得る。図41及び図45を参照し、上記と同様に、継手部材1322及び1326は、1つ以上の貫通孔1398a〜1398dを含む場合があり、これらは内部に伝導体1347a〜1347dを摺動可能に受容するように構成され得、伝導体1347a〜1347dはまた、関節継手1320の様々な構成に適合するために十分に可撓性であり得る。
【0057】
上記のように、永久磁石及び電磁石のシステムは、エンドエフェクタを外科用器具の細長いシャフトに対して関節運動させるように使用され得る。様々な実施形態において、外科用器具は、切断部材及び/又はステープルドライバを外科用器具のエンドエフェクタを通じて駆動するように構成された永久磁石及び電磁石のシステムを含み得る。図46〜50を参照し、少なくとも一実施形態において、例えば外科用器具1400などの外科用器具は、エンドエフェクタ1406、細長いシャフト1404、及びエンドエフェクタ1406内で前進及び/又は後退するように構成された切断部材1452を含み得る。図46及び図50を主に参照し、エンドエフェクタ1406は、内部に例えばステープルカートリッジ115を支持及び/又は保持するように構成されたステープルカートリッジチャネル1413を含み得る。エンドエフェクタ1406はアンビル1414を更に含む場合があり、これは、アンビル1414が開放位置と閉鎖位置との間で回転し得るように、ステープルカートリッジチャネル1413に回転可能に連結され得る。図46に最もよく例示されるように、アンビル1414は、そこに取り付けられた複数の永久磁石1417を更に含む場合があり、例えばアンビル1414がその閉鎖位置にあるときに、永久磁石1417は、切断部材1452を前進又は後退させるように構成され得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、切断部材1452は1つ以上の電磁石1456(図48〜50)を含む場合があり、これは永久磁石1417と相互作用してその間に起磁力を生成し得る磁場をつくるために、エネルギー印加又は分極され得る。様々な実施形態において、このような力は、切断部材1452をエンドエフェクタ1406内で近位方向及び/又は遠位方向に変位させることができる。少なくとも一実施形態において、永久磁石1417は、アンビル1414内で等間隔の又は少なくとも実質的に等間隔の開口部内に固定され得、加えて電磁石1456は上方シュー1458内に取り付けられ得る。図50を参照し、様々な実施形態において、上方シュー1458は、アンビル1414のチャネル1405a内に受容されるように構成される場合があり、それによって切断部材1452がアンビル1414を横断する際、上方シュー1458がアンビル1414を下方向に付勢して、例えば、アンビル1414とステープルカートリッジ115との中間の組織を圧迫し得る。
【0058】
様々な実施形態において、上記と同様に、ステープルカートリッジチャネル1413は、そこに取り付けられた複数の永久磁石1419を更に含む場合があり、永久磁石1419は、切断部材1452を前進又は後退させるように構成され得る。より具体的に、少なくとも一実施形態において、切断部材1452は1つ以上の電磁石1457を含む場合があり、これは永久磁石1419と相互作用してその間に起磁力を生成し得る磁場をつくるために、エネルギー印加又は分極され得る。様々な実施形態において、このような力は、切断部材1452をエンドエフェクタ1406内で近位方向及び/又は遠位方向に変位させることができる。少なくとも一実施形態において、永久磁石1419は、ステープルカートリッジチャネル1413内で等間隔の又は少なくとも実質的に等間隔の開口部内に固定され得、加えて電磁石1457は下方シュー1459内に取り付けられ得る。図50を参照し、様々な実施形態において、下方シュー1459はステープルカートリッジ115内のチャネル1405b内に受容されるように構成される場合があり、それによって切断部材1452がステープルカートリッジ115を横断する際、例えば、下方シュー1459が上方シュー1458と協働して、アンビル1414とステープルカートリッジ115との中間の組織を圧迫し得る。いくつかの実施形態においてステープルカートリッジ115、ステープルカートリッジ1413及び/又はアンビル1414の様々な部分が、非導電性材料を含む場合があり、これは、電流が電磁石の間及び/又は電磁石と永久磁石との間を流れるのを防ぐために十分な絶縁強度を有し得るが、磁場に対して十分に透過性である。いずれにせよ、上記と同様に、外科用器具1400は、例えばワイヤー1484などの1つ以上の伝導体を更に含む場合があり、これは電磁石1456及び1457を選択的に分極するために、電磁石1456及び/又は1457に電流を供給するように構成され得る。また上記と同様に、少なくとも1つのこのような実施形態において、伝導体1484を流れる電流の方向は、電磁石1456及び/又は1457によって生成される極を制御するために選択的に変更され得る。様々な実施形態において伝導体1484の少なくとも一部が、発射バー1450内に埋め込まれる場合がある。いくつかの実施形態において、発射バー1450は2つ以上の積層を含む場合があり、例示されないが、伝導体1484の少なくとも一部が層間に位置付けられる場合があり、層は伝導体1484を、互いに対する及び/又は外科用器具1400の他のいずれかの部分に対する意図しない接触から保護する及び/又は電気的に絶縁するように構成され得る。様々な実施形態において、例示されないが、伝導体1484は可撓性リボンケーブルを含む場合があり、これは平行に配置され、互いに電気的に絶縁された複数の伝導体1484を含み得る。いずれにせよ、エンドエフェクタ1406内の永久磁石及び電磁石のシステムは、発射バー1450により追加的な発射力が切断部材1452に伝達されることなく、切断部材1452を前進及び後退させるために十分であり得るが、発射バー1450は、切断部材1452に追加的な発射力を伝達するように構成され得る。
【0059】
上記で概説したように、様々な実施形態において、電磁石は、エンドエフェクタ内において可動の切断部材の上及び/又は中に位置付けられ得る。使用中、電磁石は、これらが分極した磁場を生成し得るように、作動又はエネルギー印加され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、各電磁石は、巻いた構成に配置された少なくとも1つの伝導体を含む場合があり、伝導体に電流が供給されると、電流は正及び負極を有する磁場を生成し得る。いくつかの実施形態において、やはり上記で概説されるように、巻いた伝導体内に位置付けられる鉄心は、電流によって生成される磁場を増幅させ得る。電磁石は様々な実施形態において全体的に好適であるが、1つ以上の磁場を選択的に生成することができる任意の装置が使用され得る。例えば、少なくとも一実施形態において、分極化可能な装置は、環状若しくはトロイダル状の永久磁石及び/又は鉄心を含む場合があり、伝導体は、内部の開口部を通じて延びる場合があり、伝導体を流れる電流によって生成される磁場は、伝導体を囲む環状の鉄心によって増幅され得る。様々な実施形態において、このような装置によって生成される磁場は、本明細書において上記される使用可能な起磁力をつくるために十分であり得る。いくつかの実施形態において、Hall Effect装置又はコイルによって生成される磁場は、エンドエフェクタ内の例えば切断部材を動かすために使用され得る。
【0060】
上記に加えて、又は代わりに、様々な実施形態において、外科用器具は、外科用器具の細長いシャフト内の発射バーを前進及び/又は後退させるように構成された永久磁石及び電磁石のシステムを含み得る。ここで図51A〜51C、及び53を参照し、外科用器具1500は、細長いシャフト1504及び発射バー1550を含む場合があり、発射バー1550は、例えば組織を切開するため、及び/又はステープルを組織内に展開するために、エンドエフェクタ内で例えば切断部材1452などの切断部材及び/又はステープルドライバを動かすために、遠位方向に前進し得る(図53)及び/又は近位方向に後退し得る(図51A〜51C)。いくつかの実施形態において、シャフト1504は、スパイン1516を含む場合があり、これは、発射バー1550が内部で摺動するのを可能にするように構成された1つ以上のスロットを含む場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、細長いシャフト1504は、スパイン1516に取り付けられた1つ以上の電磁石1556を更に含む場合があり、これは1つ以上の磁場を選択的に生成するように構成され得る。上記と同様に、このような磁場は、駆動バー1550に取り付けられた永久磁石1517と相互作用する場合があり、それによって電磁石1556と永久磁石1517との間に生成される起磁力は、永久磁石1517及び駆動バー1550を電磁石1556及びスパイン1516に対して動かすことができる。図52を参照し、少なくとも一実施形態において、細長いシャフト1504は、発射バー1550の一方の側に位置付けられた第1組の電磁石1556、及び発射バー1550の反対側に位置付けられる第2組の電磁石1556を含む場合がある。したがって、第1組の永久磁石1517は、発射バー1550の第1の側に位置付けられる場合があり、第2組の永久磁石1517は発射バー1550の反対側の位置付けられる場合がある。やはり上記と同様に、電磁石1556に供給される電流は、永久磁石1517の正極及び負極を十分に引きつけ、弾くために、必要に応じて電磁石1556内に正極、負極を生成する及び/又は極性を生成しないように、選択的に供給され得る。図52を再び参照し、いくつかの実施形態において細長いシャフト1504は、電磁石1556に電流を供給するように構成され得る1つ以上の伝導体1584を更に含み得る。いくつかの実施形態において、伝導体1584は、中間スパイン1516と電磁石1556との中間に位置付けられたリボンケーブルを含む場合があり、スパイン1516は、例えば電気的に非導電性の材料を含み得る。
【0061】
上記に加え、様々な実施形態において、外科用器具は、例えば、鉄心及び/又は永久磁石などの磁気要素、並びに選択的に作動可能な磁気要素を含むシステムを含む場合があり、システムは発射バー及び/又は切断部材を、既定の通路に沿って動かすように構成された線形モーターを含む場合があり、通路は、1つ以上の方向において線形部分及び/又は湾曲部分を含み得る。様々な実施形態において外科用器具は、コンピューター又はプロセッサを更に含む場合があり、これは、電磁石に供給される電流の適切な規模、持続時間及び/又は方向を計算するように構成され得る。いくつかの実施形態において、外科用器具は、1つ以上のスイッチを更に含む場合があり、これは1つ以上の電磁石に電流を選択的に供給するためにコンピューターによって操作され得る。いくつかの実施形態において、例示されないが、外科用器具は、ハンドル、ハンドルから延びる細長いシャフト、及びシャフトに動作可能に連結されるエンドエフェクタを含む場合があり、シャフトは、シャフト内の軸又は既定の通路の周囲に巻かれた1つ以上の伝導体を含み得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、例えば鉄部分を有する発射バー又はロッドは、巻いた伝導体によって画定される開口部内に位置付けられる場合があり、それによって電流が伝導体に供給される際に電流によって生成される磁場が、鉄の発射バーを既定の通路に沿って動かす場合がある。上記と同様に少なくとも一実施形態において、伝導体を第1方向に流れる電流は、例えばシャフト内で発射バーを遠位方向に動かす場合があり、加えて伝導体を反対方向に流れる電流は、発射バーを反対、すなわち近位方向に動かす場合がある。
【0062】
様々な実施形態において外科用器具の細長いシャフトは、発射バー、切断部材及び/若しくはステープルドライバを、前進及び/又は後退させるように構成されたソレノイドを含む場合がある。図54及び図55を参照し、少なくとも一実施形態において、外科用器具1600は、ハンドルアセンブリ1602、細長いシャフト1604、及び発射バー1650を含む場合がある。ハンドルアセンブリ102と同様に、ハンドルアセンブリ1602は、発射バー1650を前進及び/又は後退させるように構成されるトリガー(例示されない)を更に含み得る。少なくとも一実施形態において、ハンドルアセンブリ1602のトリガーは、作動された際に回路を閉じる、すなわち完成するように構成される場合があり、閉じた回路は、発射バー1650に動作可能に係合されたソレノイドに電流を供給するように構成され得る。いくつかの実施形態において、例示されないが、例えばハンドルアセンブリ1602は、内部に位置付けられた1つ以上の電池を含む場合があり、電池及び1つ以上の伝導体は、ソレノイドに電流を供給するように構成され得る。少なくとも一実施形態において、ソレノイドは、巻線1656を含む場合があり、これは分極した磁場を生成するために電流によってエネルギー印加され得る。上記と同様に、ソレノイドは磁気要素1617を更に含む場合があり、これは磁場と相互作用するように構成され得る、例えば鉄を含む場合がある。使用中、第1方向に流れる電流は、巻線1656に供給される場合があり、それによって、巻線1656によって生成される磁場は、図55に例示されるように、磁気要素1617及びそこに取り付けられた駆動バー1650を、細長いシャフト1604内で遠位方向に前進させ得る。いくつかの実施形態において、トリガーは、巻線1656への電流の供給を切断し、発射バー1650の前進を停止させるために、解放され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、ハンドルアセンブリ1602及び/又は細長いシャフト1604は、1つ以上のバネ(例示されない)を含む場合があり、これは磁気要素1617及び発射バー1650を付勢してそれらの開始位置に戻すように構成され得、これは図54に例示される。他の実施形態において、巻線1656内を流れる電流は、発射トリガーが解放された際に逆転される場合があり、それによって巻線1656によって生成される磁場は逆転されて、磁気要素1617が後退する。更に他の実施形態において、ハンドルアセンブリ1602のトリガーは、巻線1656内の電流を逆転し、磁気要素1617を後退させるために、再び作動され得る。
【0063】
様々な実施形態において、例示されないが、外科用器具は、ハンドル、ハンドルから延びるシャフト及びシャフトに動作可能に連結されたエンドエフェクタを含む場合があり、シャフトは回転可能な駆動シャフトを含む場合があり、外科用器具は、駆動シャフトを回転させるように構成されたモーターを更に含む場合がある。モーター及び回転可能な駆動シャフトを含む様々な外科用器具が、2008年9月9日に発行された米国特許第7,422,139号(Shelton,IVら)、表題「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、及び2008年8月28日に発行された、同第7,416,101(Shelton,IVら)、表題「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH LOADING FORCE FEEDBACK」に開示され、これらの全開示は本明細書において参照として組み込まれる。少なくとも一実施形態において、外科用器具のモーターは、ステッピングモーターを含む場合があり、これは、回転の既定範囲を通じて駆動シャフトを回転させるように構成され得る。少なくとも一実施形態において、例えば鉄心などの1つ以上の磁気要素は、駆動シャフト上に定置されるか、又は内部に埋め込まれる場合があり、磁気要素は、例えばシャフト内に位置付けられた1つ以上のセンサーによって検出されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、これらのセンサーは、ホール効果センサー又はコイルを含む場合があり、これは、1つ以上の磁場内の混乱(disruption)、すなわち磁気要素によってつくられる混乱を検出するように構成され得る。
【0064】
様々な実施形態において、例示されないが、外科用器具は、電磁石及び磁気要素のシステムを含む場合があり、これは外科用器具のエンドエフェクタを閉じる及び/又は開くように構成され得る。上記と同様に、少なくとも1つのこのような実施形態において、エンドエフェクタはステープルカートリッジを受容するように構成されたステープルカートリッジチャネル、及びこれに加えてステープルカートリッジチャネルに回転可能に連結されたアンビルを含む場合がある。いくつかの実施形態において、1つ以上の電磁石がステープルカートリッジチャネル内に位置付けられる場合があり、これに加えて、1つ以上の磁気要素がアンビル内に位置付けられる場合があり、電磁石がエネルギー印加されるか、又は分極される際、電磁石は、磁場を生成する場合があり、これは磁気要素を電磁石の方に動かし、結果としてアンビルを解放位置と閉鎖位置との間で動かすことができる。いくつかのこのような実施形態において、電磁石の極性は、アンビルに取り付けられた電磁要素を弾き、結果としてアンビルを閉鎖位置と開放位置との間で動かすために、逆転され得る。他の実施形態において、電磁石に供給される電流は、電磁石がアンビルをその閉鎖位置に保持するために十分な磁場を生成し得ないように、十分に低減又は切断され得る。少なくとも1つのこのような実施形態において、エンドエフェクタは、バネを更に含む場合があり、これはアンビルをその開放位置へと付勢し、それによって電磁石が上記のように十分に非電通状態にされた際に、バネがアンビルをその開放位置へと動かすことができる。様々な別の実施形態において、電磁石は、アンビルをその開放位置へと付勢するように構成される場合があり、バネは、アンビルをその閉鎖位置へと付勢するように構成され得る。
【0065】
いくつかの実施形態の記載により本発明が例示され、説明的実施形態がかなり詳細に記載されているが、出願人は添付された請求範囲をかかる詳細によっていかなる方法によっても制限することを意図しない。当業者にとり追加的な利点及び修正は容易に自明であり得る。更に、本明細書において開示される実施形態は、内視鏡切断及びステープリング器具に関連して記載されてきたが、任意の好適な医療装置に関連する他の実施形態が想定される。本発明は代表的な設計を有するものとして記載されてきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正され得る。本出願は、したがって、その一般原理を使用して、本発明のあらゆるバリエーション、用途、又は適合を包含することを意図される。更に、本出願は、本発明が関連する当該技術分野の既知又は慣用の実施方法の範囲内に入る、本開示からの逸脱を包含することを意図される。
【0066】
以上、本発明の様々な実施形態が切断式外科用器具との関連において上記に記載されてきた。しかしながら、他の実施形態では、本明細書において開示される外科器具は切断式外科器具である必要はない。例えば、それは、非切開式の内視鏡器具、把持器、ステープラー、クリップ適用器、アクセス装置、薬剤/遺伝子治療用送達装置、超音波、高周波、レーザーなどを用いたエネルギー装置であってもよい。本発明を開示された特定の実施形態について上記に説明したが、これらの実施形態には多くの改変及び変形を行うことが可能である。例えば、異なる方式のエンドエフェクタを使用することができる。また、特定のコンポーネントについて材料を開示した部分では、他の材料を使用することもできる。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、このような改変及び変形を全て網羅するものである。
【0067】
上記に加えて、本願で開示する異なるステープルカートリッジは使い捨てとすることができる。少なくとも1つの実施形態では、消費されたステープルカートリッジ又は少なくとも一部消費されたステープルカートリッジを外科用ステープラーから取り出して別のステープルカートリッジと交換することができる。他の異なる実施形態では、ステープルは外科器具の通常の使用時には取り出しかつ/又は交換可能ではないが、特定の状況では下記により詳しく述べるように外科用ステープラーを再調整する間及び/又はその後で交換することができる。異なる実施形態において、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジキャリア、アンビル、切開部材、及び/又はステープルドライバを更に含み得る使い捨て式の装填ユニット又はエンドエフェクタの一部とすることができる。少なくとも1つのこうした実施形態では、使い捨て式装填ユニット又はエンドエフェクタの全体又は少なくとも一部分を外科器具に取り外し可能に連結して、交換可能に構成することができる。
【0068】
本明細書に記載されている装置は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することができ、又は、これらは複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後、再使用のために再調整され得る。再調整は、装置の解体工程、これに続く洗浄工程、又は特定部品の交換工程、及びその後の再組立工程の、任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は解体することができ、装置の任意の数の部品又は構成要素は、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の構成要素の洗浄及び/又は交換の際に、装置は、機能の再調整時に、又は外科手術直前に手術チームにより、その後の使用のために再組立することができる。当業者は、装置の再調整に、解体、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術が使用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0069】
本明細書に記載した本発明は、手術前に加工処理されることが好ましい。まず新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じてクリーニングを行う。次に、器具を滅菌することができる。滅菌法の1つでは、この器具をプラスチック又はTYVEKバッグ等の閉鎖かつ密閉された容器に入れる。次いで容器及び器具を、γ線、X線又は高エネルギー電子等の容器を貫通することができる放射線野の中に配置する。この放射線によって器具上及び容器内の細菌が殺菌される。滅菌された器具は、その後、無菌容器内で保管することができる。密封容器は、それが医療施設内で開封されるまで、器具を無菌に保つ。
【0070】
全体又は部分において、本明細書に参照により組み込まれると称されるいずれの特許公報又は他の開示物も、組み込まれた事物が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。
【0071】
〔実施の態様〕
(1) シャフトと、
第1磁気要素と、
関節継手と、
第2磁気要素と、
エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、前記関節継手によって前記シャフトに可動に連結され、前記エンドエフェクタは、
ステープルカートリッジを受容するように構成されたステープルカートリッジチャネル、及び
前記ステープルカートリッジチャネルに可動に連結されたアンビルを含む、エンドエフェクタとを含む外科用ステープラーであって、前記第1磁気要素及び前記第2磁気要素の一方が、前記第1磁気要素及び前記第2磁気要素の他方に磁力を適用するように構成され、前記磁力は前記エンドエフェクタを前記シャフトに対して関節運動させるために十分である、外科用ステープラー。
(2) 作動装置及び電源を更に含み、前記作動装置は、前記電源及び前記第1磁気要素を動作可能に連結するように作動可能である、実施態様1に記載の外科用ステープラー。
(3) 前記第1磁気要素は、前記電源からの電流によりエネルギー印加可能な電磁石を含む、実施態様2に記載の外科用ステープラー。
(4) 前記作動装置は、前記電磁石に供給された電流の極性を変換するように構成される、実施態様3に記載の外科用ステープラー。
(5) 前記第1磁気要素は、磁場を生成するように構成される、実施態様1に記載の外科用ステープラー。
(6) 前記磁場は、前記エンドエフェクタの位置を前記シャフトに対して固定するために十分である、実施態様5に記載の外科用ステープラー。
(7) 前記第2磁気要素は永久磁石を含む、実施態様1に記載の外科用ステープラー。
(8) 前記第2磁気要素は鉄を含む、実施態様1に記載の外科用ステープラー。
(9) 前記関節継手が第1継手部材及び第2継手部材を含み、前記第1磁気部材が前記第1継手部材に取り付けられ、前記第2磁気部材が前記第2継手部材に取り付けられ、前記第2継手部材が前記第1継手部材に対して関節運動するように構成される、実施態様1に記載の外科用ステープラー。
(10) 前記第1継手部材が、前記シャフトに対して関節運動するように構成され、前記エンドエフェクタが、前記第2継手部材に対して関節運動するように構成される、実施態様9に記載の外科用ステープラー。
【0072】
(11) 前記第1継手部材及び前記第2継手部材の一方がボール部材を含み、前記第1継手部材及び前記第2継手部材の他方がソケットを含み、前記ボール部材が、前記ソケット内で動いて前記第2継手部材が前記第1継手部材に対して関節運動することを可能にするように構成される、実施態様9に記載の外科用ステープラー。
(12) 前記ボール部材及び前記ソケットの一方がフランジを含み、前記ボール部材及び前記ソケットの他方が前記フランジを受容するように構成される溝を含み、前記フランジ及び前記溝は、前記エンドエフェクタが前記シャフトに対して関節運動し得る平面を画定するように構成される、実施態様11に記載の外科用ステープラー。
(13) 前記第1継手部材及び前記第2継手部材を通じて延びる弾性ロッドを更に含み、前記弾性ロッドは前記エンドエフェクタを関節運動していない位置へと付勢するように構成される、実施態様9に記載の外科用ステープラー。
(14) 前記第1継手部材は第1ロッド開口部を含み、前記第2継手部材は第2ロッド開口部を含み、前記弾性ロッドは、前記第1ロッド開口部及び前記第2ロッド開口部内に摺動可能に受容され、前記弾性ロッドは前記エンドエフェクタ及び前記シャフトの一方に取り付けられ、前記エンドエフェクタ及び前記シャフトの他方が前記弾性ロッドの端部を摺動可能に受容するように構成された端部ロッド開口部を含む、実施態様13に記載の外科用ステープラー。
(15) シャフトと、
関節継手であって、
第1電磁石及び第2電磁石を含む第1継手部材、並びに
第1磁気要素及び第2磁気要素を含む第2継手部材であって、前記第2継手部材は、前記第1継手部材に対して関節運動可能である、第2継手部材を含む、関節継手と、
エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、前記関節継手によって前記シャフトに可動に連結され、前記エンドエフェクタは、
ステープルカートリッジを受容するように構成されたステープルカートリッジチャネル、及び
前記ステープルカートリッジチャネルに可動に連結されたアンビルを含む、エンドエフェクタとを含む外科用ステープラーであって、前記第1電磁石は、前記第1磁気要素を前記第1電磁石に対して動かし、前記エンドエフェクタを第1方向に関節運動させるように構成された第1磁場を選択的に生成するように構成され、前記第2電磁石は、前記第2磁気要素を前記第2電磁石に対して動かして前記エンドエフェクタを第2方向に関節運動させるように構成された第2磁場を選択的に生成するように構成される、外科用ステープラー。
(16) 前記関節継手が関節運動軸を更に含み、前記第1電磁石は、前記関節運動軸の第1の側に位置付けられ、前記第2電磁石は前記関節運動軸の実質的に反対側に位置付けられる、実施態様15に記載の外科用ステープラー。
(17) 前記第1磁気要素が第1軸に沿って前記第1電磁石と位置合わせされ、前記第2磁気要素は、第2軸に沿って前記第2電磁石と位置合わせされ、前記第1軸は前記関節運動軸と実質的に平行であり、前記第2軸は前記関節運動軸と実質的に平行である、実施態様16に記載の外科用ステープラー。
(18) 前記第1継手部材が第3電磁石及び第4電磁石を更に含み、前記第2継手部材は第3磁気要素及び第4磁気要素を更に含み、前記第3電磁石は、前記第3磁気要素を前記第3電磁石に対して動かし、前記エンドエフェクタを第3方向に関節運動させるように構成された第3磁場を選択的に生成するように構成され、前記第4電磁石は、前記第4磁気要素を前記第4電磁石に対して動かし、前記エンドエフェクタを第4方向に関節運動させるように構成された第4磁場を選択的に生成するように構成される、実施態様15に記載の外科用ステープラー。
(19) シャフトと、
エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、前記シャフトに可動に連結され、前記エンドエフェクタは、
ステープルカートリッジを受容するように構成されたステープルカートリッジチャネル、及び
前記ステープルカートリッジチャネルに可動に連結されたアンビルを含む、エンドエフェクタと、
前記シャフトに取り付けられた第1電磁石と、
前記シャフトに取り付けられた第2電磁石と、
前記エンドエフェクタに取り付けられた複数の磁気要素とを含む外科用ステープラーであって、前記第1電磁石は前記磁気要素の少なくとも1つを動かして前記エンドエフェクタを第1方向に関節運動させるように第1磁場を生成するように構成され、前記第2電磁石は、前記磁気要素の少なくとも1つを動かし、前記エンドエフェクタを第2方向に関節運動させるように第2磁場を生成するように構成された、外科用ステープラー。
(20) 前記複数の磁気要素が複数の永久磁石を含み、前記永久磁石は前記エンドエフェクタ上に正確な配列で配置される、実施態様19に記載の外科用ステープラー。
【0073】
(21) 各前記永久磁石が正極及び負極を含み、前記永久磁石は、これらの正極及び負極が交互の配置で位置するように配置される、実施態様20に記載の外科用ステープラー。
(22) センサーを更に含み、前記エンドエフェクタが前記センサーによって検出され得る複数の検出可能な機構を更に含み、前記検出可能な機構は、前記エンドエフェクタの、前記シャフトに対する位置を指示するように構成され得る、実施態様20に記載の外科用ステープラー。
(23) 前記センサーが光センサーを含むことができ、前記検出可能な機構が、少なくとも部分的に環状の配列のマーキングを含むことができる、実施態様22に記載の外科用ステープラー。
(24) 近位磁気要素を含む、シャフトと、
前記シャフトに可動に連結されるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
ステープルカートリッジを受容するように構成されたステープルカートリッジチャネル、
前記ステープルカートリッジチャネルに可動に連結されるアンビル、及び
遠位磁気要素を含む、エンドエフェクタと、
前記近位磁気要素と前記遠位磁気要素との中間に位置付けられる少なくとも1つの中間磁気要素を含む関節継手とを含む外科用ステープラーであって、前記近位磁気要素は第1磁力を前記中間磁気要素に適用するように構成され、前記中間磁気要素は、第2磁力を前記遠位磁気要素に適用するように構成され、前記第1及び第2磁力は、前記エンドエフェクタを前記シャフトに対して関節運動させるために十分である、外科用ステープラー。
(25) 作動装置を更に含み、前記作動装置は電源に動作可能に連結され、前記作動装置は、電流を前記近位磁気要素に選択的に供給するように構成される、実施態様24に記載の外科用ステープラー。
(26) 前記近位磁気要素に供給される電流は、前記中間磁気部材の位置を前記シャフトに対して固定するために十分である、実施態様25に記載の外科用ステープラー。
(27) 前記作動装置は前記近位磁気要素に供給される電流の極性を選択的に変換するように構成される、実施態様25に記載の外科用ステープラー。
(28) 作動装置を更に含み、前記作動装置の動作は、前記近位磁気要素の極性を変更するように構成されている、実施態様24に記載の外科用ステープラー。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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