(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、オイルフィルタは、使用に伴って金属粉やゴミ等が詰まっていくため、定期的に交換する必要がある。しかし、このオイルフィルタの交換時において、オイルフィルタの取付部からエンジンオイルがこぼれて、周囲が汚れてしまうことがある。
【0007】
また、従来から、エンジンオイルが周囲にこぼれることを防止するために、ドレンプラグ及びドレン配管を用いてエンジンオイルを排出する構成のエンジンが知られている。しかし、この構成は、部品点数が増加してしまう。また、オイルフィルタの交換時にドレンプラグを緩めたり締めたりしなければならないため、作業者にとって手間が掛かってしまう。
【0008】
なお、上述のようにオイルフィルタは定期的にメンテナンスが必要であるため、作業者がアクセスし易い位置に配置されることが好ましい。
【0009】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、オイルフィルタの交換時にエンジンオイルがこぼれることを防止する構成を、ドレンプラグやドレン配管を備えることなく実現するエンジンを提供することにある。
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0011】
本発明の観点によれば、以下の構成のエンジンが提供される。即ち、このエンジンは、フルフローフィルタと、バイパスフィルタと、フィルタ取付部と、を備える。前記フルフローフィルタは、主運動系の部品へ向かうエンジンオイルを濾過する。前記バイパスフィルタは、オイルパンへ向かうエンジンオイルを濾過する。前記フィルタ取付部は、前記フルフローフィルタ及び前記バイパスフィルタを取付可能である。前記フィルタ取付部には、前記フルフローフィルタの取付位置から流れたエンジンオイルを前記バイパスフィルタの取付位置まで案内する案内部が形成されている。また、前記バイパスフィルタから排出されるエンジンオイルは、当該エンジンオイルの自重によりオイルパンに到達可能である。
【0012】
これにより、オイルフィルタを交換する際に出てくるエンジンオイルを、バイパスフィルタ取付部の排出口からオイルパンまで流して回収することができる。従って、フィルタの交換時にエンジンオイルがこぼれて周囲を汚すことを防止できる。また、フィルタの交換時にエンジンオイルを回収するための部材(ドレンパイプ等)を省略することができる。また、2つのオイルフィルタを比較的近くに配置することができるので、2つのフィルタを同時に交換するとき等に、作業者の手間を軽減することができる。
【0013】
前記のエンジンにおいては、前記フルフローフィルタは、前記バイパスフィルタよりも高い位置に取り付けられることが好ましい。
【0014】
これにより、フルフローフィルタの取付位置から流れ出したエンジンオイルを、当該エンジンオイルの自重を使って、バイパスフィルタの取付位置までスムーズに流すことができる。従って、フルフローフィルタの取付位置にエンジンオイルが滞留することを防止できる。
【0015】
前記のエンジンにおいては、前記フィルタ取付部の縁には、当該フィルタ取付部からエンジンオイルがこぼれることを防止する壁部が形成されていることが好ましい。
【0016】
これにより、例えばフルフローフィルタの取付位置から流入したエンジンオイルの流量が、前記バイパスフィルタ取付部から排出可能な流量を一時的に上回った場合であっても、壁部によってエンジンオイルがフィルタ取付部からこぼれることを防止できる。
【0017】
前記のエンジンにおいては、前記フィルタ取付部は、クランク軸方向の一端部であってトランスミッションが接続される側の反対側の端部に配置されることが好ましい。
【0018】
これにより、舶用エンジンが船内に設置される場合はトランスミッションが接続される側の反対側に比較的大きなスペースがあることが多いので、当該スペースを有効に活用してオイルフィルタを配置できる。また、このスペースがあるため、オイルフィルタの交換作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、舶用エンジン1の斜視図である。
図2は、舶用エンジン1の平面図である。
図3は、舶用エンジン1の正面図である。
【0021】
なお、以下の説明において、
図1に示すように、舶用エンジン1の上下方向を高さ方向と称し、舶用エンジン1のクランクシャフト61(
図2を参照)の長手方向をクランク軸方向と称し、高さ方向及びクランク軸方向の何れとも直交する方向を装置幅方向と称する。また、高さ方向のうち
図1の上側(後述のトップカバー10が配置される側)を上側とする。
【0022】
本実施形態の舶用エンジン1は、プレジャーボート等の船舶に搭載されるインボードタイプのディーゼルエンジンである。また、この舶用エンジン1には、二段過給システムが採用されている。
【0023】
舶用エンジン1は、
図1等に示すように、トップカバー10を備えている。トップカバー10は、平板状に構成されており、厚み方向が前記高さ方向と一致するように配置されている。なお、トップカバー10は、平板状に限られず、少なくとも一部に折曲げ(又は湾曲)が形成された構成であっても良い。このトップカバー10の下側には、バルブカバー及びシリンダブロック等が配置されている。
【0024】
舶用エンジン1の二段過給システムは、
図1等に示すように、第1過給機22と、第1インタークーラ23と、第2過給機24と、第2インタークーラ25と、それらを接続する給気管21a〜21dによって構成されている。
【0025】
第1過給機22は、カバー及びハウジングの内部に、タービンとコンプレッサを備えている。タービンは、排気ガスを利用して回転するように構成されている。コンプレッサは、タービンと同じシャフトに接続されており、タービンの回転に伴って回転する。第1過給機22は、コンプレッサが回転することにより、空気を圧縮して強制的に給気を行うことができる。この構成により、排気ガスを利用してシリンダに供給する空気の流量を増加させることができるので、舶用エンジン1の出力を上げることができる。なお、第1過給機22によって吸気されることにより、空気が急速に圧縮されるため、当該空気は高温となる。この高温の空気は、給気管21aを介して第1インタークーラ23へ送出される。
【0026】
第1インタークーラ23のハウジングの内部には、海水が流れる冷却管が複数配置されている。第1過給機22から送出された空気は、この冷却管の周囲を流れるように構成されている。この構成により、第1インタークーラ23は、第1過給機22から送出された空気を海水との熱交換によって冷却することができる。第1インタークーラ23によって冷却された空気は、給気管21bを介して第2過給機24へ送出される。
【0027】
第2過給機24は、第1過給機22と同等の構成であり、排気ガスを利用して、第1インタークーラ23から送出された空気を圧縮することができる。この圧縮された空気は、上記と同様に高温となる。そして、この高温の空気は、給気管21cを介して第2インタークーラ25へ送出される。
【0028】
第2インタークーラ25は、第1インタークーラ23と同等の構成であり、第2過給機24から送出された空気を海水との熱交換によって冷却する。第2インタークーラ25によって冷却された空気は、給気管21dを介して、給気マニホールド28へ送出される。
【0029】
前記トップカバー10の内側のシリンダヘッドには、コモンレール、燃料噴射装置、シリンダ等が配置されている。舶用エンジン1は、供給された圧縮空気をシリンダ内で更に圧縮した後に燃料を噴射することで、ピストンを上下させて動力を発生させることができる。
【0030】
また、舶用エンジン1は、
図3に示すように、フライホイールハウジング62と、オイルパン63と、フィルタ部26と、を備える。
【0031】
フライホイールハウジング62は、クランク軸方向の第1過給機22側の端部に配置されている。フライホイールハウジング62内のフライホイールには、図略のクラッチ等を介してトランスミッション71が連結される。このトランスミッション71には、船舶の推進装置等が連結される。これにより、舶用エンジン1の出力を推進装置等に伝達したり遮断したりすることができる。
【0032】
オイルパン63は、高さ方向においてトップカバー10と反対側の面(底面)に配置されている。オイルパン63は、エンジンオイルを溜めておくための部材である。オイルパン63に溜められているエンジンオイルは、後述のオイルポンプ64によって、主運動系の部品(シリンダやコンロッド等)へ送出される。
【0033】
オイルポンプ64によって送出されたエンジンオイルは、フィルタ部26を通過する。これにより、エンジンオイルに含まれる金属粉やゴミ等を取り除くことができる。
【0034】
次に、このフィルタ部26及びエンジンオイルの流れについて詳細に説明する。
図4は、フィルタ部26の構成を示す斜視図である。
図5は、通常時とフィルタ交換時におけるフィルタ部26のエンジンオイルの流れを示す説明図である。
【0035】
フィルタ部26は、
図4に示すように、フィルタ取付部41と、フルフローフィルタ42と、バイパスフィルタ43と、を備えている。
【0036】
フィルタ取付部41は、
図5(a)に示すように、壁部41aと、フルフローフィルタ取付部41bと、バイパスフィルタ取付部41cと、案内部41dと、を備えている。
【0037】
壁部41aは、フィルタ取付部41の縁に形成された壁状の部分である。壁部41aは、フィルタの交換時に出てくるエンジンオイルが船内にこぼれないようにするための部材である。
【0038】
フルフローフィルタ取付部41bは、フルフローフィルタ42の位置決め及び取付けを行うための部材である。バイパスフィルタ取付部41cは、バイパスフィルタ43の位置決め及び取付けを行うための部材である。
【0039】
このフルフローフィルタ取付部41bとバイパスフィルタ取付部41cには、それぞれ、
図5(b)に示すように内側にネジが切られた凹部(孔部)が形成されている。また、フルフローフィルタ42とバイパスフィルタ43の下側の外周部にもネジが切られている。これにより、フルフローフィルタ取付部41b(バイパスフィルタ取付部41c)に、フルフローフィルタ42(バイパスフィルタ43)を取り付けることができる。
【0040】
また、フルフローフィルタ取付部41b及びバイパスフィルタ取付部41cには、エンジンオイルが供給される供給口と、フィルタを通過したエンジンオイルを排出する排出口と、がそれぞれ形成されている。また、
図5(a)に示すように、フルフローフィルタ取付部41bは、バイパスフィルタ取付部41cよりも高い位置に配置されている。
【0041】
案内部41dは、フルフローフィルタ取付部41bとバイパスフィルタ取付部41cの間に形成される階段状の部分である。案内部41dは、フィルタの交換時において、フルフローフィルタ取付部41bの供給口から流れたエンジンオイルをバイパスフィルタ取付部41cまで案内する。
【0042】
フルフローフィルタ42は、フルフローフィルタ取付部41bに取り付けられる。バイパスフィルタ43は、バイパスフィルタ取付部41cに取り付けられる。フルフローフィルタ42及びバイパスフィルタ43は、濾紙等を有している。この濾紙等は、エンジンオイルを通過させるとともに金属粉等を通過させない程度の目の細かさであるものとする。なお、本実施形態では、フルフローフィルタ42よりもバイパスフィルタ43の方が、目が細かい濾紙を有しているものとする。以下では、フルフローフィルタ42及びバイパスフィルタ43をまとめて単に「オイルフィルタ」と称することがある。
【0043】
次に、エンジンオイルの流れについて
図5(a)及び
図6を参照して説明する。
図6は、エンジンオイルの流れを示す説明図である。
【0044】
図6に示すように、オイルポンプ64によってオイルパン63から引き上げられたエンジンオイルは、一部がバイパスフィルタ43によって濾過される。バイパスフィルタ43によって濾過されたエンジンオイルは、オイルパン63へ戻る。なお、バイパスフィルタ43からオイルパン63へはエンジンオイルの自重によっても移動可能であるものとする。
【0045】
また、バイパスフィルタ43に流れなかった他のエンジンオイルは、フルフローフィルタ42によって濾過された後に、主運動系の部品へ流れる。そして、主運動系を流れて冷却や潤滑のために使用されたエンジンオイルは、オイルパン63へ排出される。なお、フルフローフィルタ42から主運動系へは、オイルポンプ64による圧力によって送られる(自重だけでは到達しない)。
【0046】
また、
図6に示すように、フルフローフィルタ42と並列するようにバルブ44が配置されている。バルブ44は、通常は閉じられており、フルフローフィルタ42に詰まりが生じた場合に開放される。これにより、フルフローフィルタ42に詰まりが生じた場合であっても、エンジンオイルを適切に主運動系へ供給することができる。
【0047】
なお、オイルフィルタの目が細かいと微小なゴミ等も取り除くことができるが、エンジンオイルの流速が低下してしまう。この点、舶用エンジン1では、バイパスフィルタ43の方がフルフローフィルタ42よりも目が細かい。従って、バイパスフィルタ43によって微小なゴミを取り除くことができる。更に、フルフローフィルタ42によって濾過されたエンジンオイルが主運動系の部品へ送られるので、エンジンオイルの流速の低下も防止できる。
【0048】
次に、オイルフィルタの交換時におけるエンジンオイルの流れについて
図5(b)を参照して説明する。
【0049】
オイルフィルタの交換は、舶用エンジン1を停止させた状態で行う。しかし、舶用エンジン1はドレンプラグ等を備えていないので、オイルフィルタの交換時であっても、フルフローフィルタ取付部41bの供給口からエンジンオイルが供給されることがある。なお、オイルフィルタの交換時にはオイルポンプ64が停止しており、このエンジンオイルを主運動系の部品へ送出することはできない。
【0050】
従って、供給口から供給されたエンジンオイルは、フルフローフィルタ取付部41b上に溢れる。そして、階段状に構成される案内部41dを介して、バイパスフィルタ取付部41cに流れ込む。その後、エンジンオイルは、バイパスフィルタ43の排出口から、当該エンジンオイルの自重によりオイルパン63まで戻る。従って、フルフローフィルタ取付部41bの供給口から供給されたエンジンオイルを、このバイパスフィルタ取付部41cの排出口を経由して、自動的にオイルパン63に回収することができる。
【0051】
なお、バイパスフィルタ取付部41cの供給口から供給されたエンジンオイルも同様に、排出口からオイルパン63へ戻すことができる。以上により、オイルフィルタの交換時において、エンジンオイルがこぼれることなく、当該エンジンオイルを自動的にオイルパン63へ戻すことができる。
【0052】
以上に示したように、舶用エンジン1は、フルフローフィルタ42と、バイパスフィルタ43と、フィルタ取付部41と、を備える。フルフローフィルタ42は、主運動系の部品へ向かうエンジンオイルを濾過する。バイパスフィルタ43は、オイルパン63へ向かうエンジンオイルを濾過する。フィルタ取付部41は、フルフローフィルタ42及びバイパスフィルタ43を取付可能である。フィルタ取付部41には、フルフローフィルタ42の取付位置から流れたエンジンオイルをバイパスフィルタ43の取付位置まで案内する案内部41dが形成されている。また、バイパスフィルタ43から排出されるエンジンオイルは、当該エンジンオイルの自重によりオイルパン63に到達可能である。
【0053】
これにより、オイルフィルタを交換する際に出てくるエンジンオイルを、バイパスフィルタ43取付部の排出口からオイルパン63まで戻すことができる。従って、オイルフィルタの交換時にエンジンオイルがこぼれることを防止できる。また、オイルフィルタの交換時にエンジンオイルを回収するための部材(ドレンパイプ等)を省略することができる。また、2つのオイルフィルタを比較的近くに配置することができるので、2つのオイルフィルタを同時に交換するとき等に、作業者の手間を軽減することができる。
【0054】
また、本実施形態の舶用エンジン1において、フルフローフィルタ42は、バイパスフィルタ43よりも高い位置に取り付けられる。
【0055】
これにより、フルフローフィルタ42の取付位置から流れ出したエンジンオイルを、当該エンジンオイルの自重を使って、バイパスフィルタ43の取付位置までスムーズに流すことができる。従って、フルフローフィルタ42の取付位置にエンジンオイルが滞留することを防止できる。
【0056】
また、本実施形態の舶用エンジン1において、フィルタ取付部41の縁には、当該フィルタ取付部41からエンジンオイルがこぼれることを防止する壁部41aが形成されている。
【0057】
これにより、例えばフルフローフィルタ42の取付位置から流入したエンジンオイルの流量が、バイパスフィルタ43取付部から排出可能な流量を一時的に上回った場合であっても、壁部41aによってエンジンオイルがフィルタ取付部41からこぼれることを防止できる。
【0058】
また、本実施形態の舶用エンジン1において、フィルタ取付部41は、クランク軸方向の一端部であってトランスミッションが接続される側の反対側の端部に配置される。
【0059】
これにより、舶用エンジン1が船内に設置される場合はトランスミッションが接続される側の反対側に比較的大きなスペースがあることが多いので、当該スペースを有効に活用してオイルフィルタを配置できる。また、このスペースがあるため、オイルフィルタの交換作業を容易に行うことができる。
【0060】
次に、本実施形態の二段過給システムを構成する機器及びフィルタ部26の配置について様々な観点から説明する。なお、以下の説明では、二段過給システムを構成する機器(第1過給機22、第1インタークーラ23、第2過給機24、及び第2インタークーラ25)及びフィルタ部26をまとめて「過給機等」と称することがある。
【0061】
初めに、平面図(
図2)を参照して、過給機等の平面図における配置について説明する。なお、前述のようにトップカバー10の厚み方向と高さ方向とは一致するので、本実施形態において平面図は、「トップカバー10の厚み方向で見た図」と称することもできる。
【0062】
第1過給機22は、舶用エンジン1のクランク軸方向の一端部に配置されている。第1インタークーラ23、第2過給機24、第2インタークーラ25は、全て舶用エンジン1の装置幅方向の一端部に配置されている。そして、これらの3つの機器は、第1インタークーラ23が第1過給機22に近くなるように、クランク軸方向に並べて配置されている。フィルタ部26は、舶用エンジン1のクランク軸方向の他端部(トランスミッション71側と反対側の端部)に配置されている。
【0063】
また、本実施形態の過給機等は、全て、互いに重ならないように配置されている。これにより、トップカバー10に乗ってメンテナンスを行う作業者にとって、他の機器を取り外すことなくメンテナンスが可能であるため、作業性が良好なレイアウトが実現されている。
【0064】
次に、正面図(
図3)を参照して、過給機等の高さ方向の位置について説明する。本実施形態では、トップカバー10の上面が舶用エンジン1の上面の一部を構成している。また、オイルパン63の下面が舶用エンジン1の下面の一部を構成している。従って、オイルパン63の下面からトップカバー10の上面までの長さを舶用エンジン1の高さと言うことができる。以下では、
図3に示すように、この舶用エンジン1の高さの半分を「基準高さ」と称する。
【0065】
このとき、過給機等は、全て、この基準高さよりも上側(トップカバー10側)に配置される。より詳細には、過給機等の上端だけでなく、その中心部及び下端も基準高さよりも上側に配置されている。また、第1過給機22、第1インタークーラ23、及び第2インタークーラ25の上面は、舶用エンジン1の上面と略一致するように配置されている。
【0066】
この構成により、過給機等が舶用エンジン1の上部に位置しているので、トップカバー10に乗ってメンテナンスを行う作業者にとって、当該過給機等にアクセスし易い(作業性が良好な)レイアウトが実現されている。
【0067】
次に、給気系の機器の位置関係を示す斜視図(
図7)を参照して、給気管21a〜21dの長さを比較する。
【0068】
ここで、給気管21aの長さとは、第1過給機22から第1インタークーラ23までの空気の経路の長さであり、他の給気管についても同様である。そのため、本実施形態では、給気管の長さを比較することで、シリンダへ供給される空気の経路の長さを比較することができる。
【0069】
本実施形態では、「給気管21aの長さ<給気管21bの長さ」が成立するとともに「給気管21cの長さ<給気管21dの長さ」が成立する。
【0070】
この構成により、高温の空気が通る給気管21a及び給気管21cを比較的短くすることができる。従って、給気管全体のうち断熱材等で覆う必要がある部分を短くできるので、コストを低減することができる。
【0071】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0072】
エンジンオイルの流れは、上記実施形態に限られない。例えば、初めにフルフローフィルタ42を通過し、フルフローフィルタ42を通過したエンジンオイルの一部がバイパスフィルタ43を通過し、残りが主運動系の部品へ供給される構成であっても良い。
【0073】
案内部41dは、エンジンオイルを案内することができれば階段状に限られず、例えば、傾斜状とすることができる。
【0074】
なお、フルフローフィルタ42及びバイパスフィルタ43の取付方法は任意であり、フルフローフィルタ取付部41bからバイパスフィルタ取付部41cの排出口までの経路を塞がない構成であれば、本実施形態の方法に限定されないものとする。
【0075】
上記で示したレイアウトは例示であり、適宜変更することができる。例えば、二段過給システムを構成する機器等の位置は、要求されるサイズや仕様等に応じて変更することができる。また、フィルタ取付部41の形状も適宜変更することができる。
【0076】
過給機等を互いに接続する給気管21a〜21dは、上記で示した形状に限られず、他の機器の位置等に応じて適宜変更することができる。
【0077】
本発明を適用する対象は、舶用の主機又は補機のどちらであっても良い。また、船舶に限られず、自動車用又は作業車用のエンジンであっても良い。