【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係る生産管理システムを示す図、
図2は管理データの一例を示す図である。
なお、実施例1では、流通する製品(最終製品)の形態を、小分けパックに小分けされた精肉(食料品)とし、小分けされる肉塊を中間製品とする。
【0012】
図1に示すように、実施例1に係る生産管理システム1は、肉塊2を所定の単位(小分けパック20)に小分けして最終製品を生産する生産管理システムである。
肉塊2を最終製品の小分けパック20に小分けして市場に流通させるためには肉塊2を検体とする細菌検査の実施が必要になる。
そこで、実施例1に係る生産管理システム1は、肉塊2に対して細菌検査を実施する検査手段(細菌検査部10a)と、肉塊2を小分けパック20に小分けして最終製品を生産する生産部10bと、を含んで構成される。なお、実施例1において、細菌検査部10aおよび生産部10bは製造工場などの生産拠点1aに備わる。また、生産拠点1aには生産管理システム1の制御手段として制御装置3が備わり、細菌検査部10aおよび生産部10bを管理する。
【0013】
図1に示す符号1bは、肉塊2が小分けされた小分けパック20(最終製品)を保管するための保管倉庫である。保管倉庫1bには制御装置4が備わり、保管倉庫1bに保管される小分けパック20は制御装置4で管理(在庫管理)される。
つまり、実施例1では保管倉庫1bの制御装置4が小分けパック20を管理する管理手段として機能する。
また、生産拠点1aの制御装置3と保管倉庫1bの制御装置4は、例えばインターネットINETなどのネットワークを介して接続され、制御装置3と制御装置4の間でデータが送受信可能に構成される。
制御装置3と制御装置4を接続するネットワークはインターネットINETに限定されず、社内LAN(Local Area Network)などであってもよい。
【0014】
細菌検査部10aでの細菌検査の方法として、従来、培養法による細菌検査(培養検査10a2)が用いられている。
培養検査10a2は、肉塊2に付着している細菌をシャーレ11内の寒天11aで培養し、培養した後の細菌数を計測する方法であって精度が高い細菌検査方法とされている。そのため、例えば食料品の細菌検査として培養法による検査(培養検査10a2)が義務付けられる場合がある。
【0015】
しかしながら、培養検査10a2は細菌の培養に一定の時間(24〜72時間)を要し、検査結果が得られるまでに相当の時間を要する。つまり、培養検査10a2は検査時間が長い検査方法である。そして、検査結果が得られるまでの時間は肉塊2が生産部10bでの最終生産工程に進まないように構成される。
したがって、生産拠点1aでは長時間に亘って肉塊2(中間製品)の状態で管理する必要がある。中間製品である肉塊2は最終製品まで到達しない中間仕掛り品であり、生産拠点1aには大量の中間仕掛り品が生じる。
【0016】
一方、例えば前記した特許文献1に開示されるような微生物検査装置12を利用した、培養法に代わる細菌検査(実施例1では、代替検査10a1という)では、細菌検査の検査結果が迅速に(例えば、90分程度で)得られる。つまり、微生物検査装置12を利用する代替検査10a1による細菌検査を実施することによって、検査結果を得るまでの時間(細菌検査に要する時間)を、培養検査10a2に要する検査時間より大幅に短縮できる。
【0017】
そこで、実施例1の生産管理システム1における細菌検査部10aでは、第1の検査として微生物検査装置12等を利用した代替検査10a1(第1検査手段)で細菌検査を実行し、第2の検査として培養検査10a2(第2検査手段)による細菌検査を実行する。さらに、代替検査10a1による細菌検査(第1の検査)と培養検査10a2による細菌検査(第2の検査)を並行して実行する。
【0018】
また、実施例1では、微生物検査装置12を利用した代替検査10a1で得られる検査結果を第1検査結果とし、第1検査結果(細菌数)が所定の基準を満たしている場合に、肉塊2は、細菌検査の検査結果が所定の基準を満たしていると判定するように制御装置3が構成される。つまり、制御装置3は、代替検査10a1で得られる検査結果(第1検査結果)が所定の基準を満たしている肉塊2は、小分けパック20に小分けできる基準を満たしていると判定する。
そして、実施例1では代替検査10a1による細菌検査が終了した時点で、制御装置3が肉塊2を生産部10bに進める許可を出すことができ、肉塊2は生産部10bで小分けパック20に小分けされて最終製品となる。
【0019】
例えば、微生物検査装置12は制御装置3とデータ送受信可能に接続され、第1検査結果を制御装置3に送信可能な構成とする。
そして、制御装置3は微生物検査装置12から送信された第1検査結果を解析し、第1検査結果から判定される細菌数が所定の基準値より少ない場合、制御装置3は、代替検査10a1による細菌検査の対象となった肉塊2は、細菌検査の検査結果が所定の基準を満たすと判定する。
さらに、制御装置3は、当該肉塊2を生産部10bに進めることを許可する。このように、制御装置3は、第1検査結果が得られた時点で、第1検査結果に基づいて、最終製品を生産する工程を進めることを許可する。
例えば制御装置3は、生産管理システム1の管理者に対して肉塊2を生産部10bに進めるように指示を与える。
【0020】
また、実施例1の生産部10bでは、小分けパック20を個別に識別可能な識別符号20aが当該小分けパック20に付与されるように構成される。この識別符号20aは、例えば小分けパック20の外装20bに印字され、適宜読取装置で読み取り可能な構成が好適である。
小分けパック20に付与される識別符号20aは、例えば、小分けパック20ごとに異なる数値、または、数値と文字記号(アルファベットなど)の組み合わせとすればよい。
図1では識別符号20aとして「B1」,「B2」,「B3」を例示する。また、識別符号20aは二次元コードなどに記号化されて外装20bに印字される構成であってもよい。
なお、識別符号20aは、例えば制御装置3が作成し、さらに、制御装置3に備わるインクジェットプリンタ等の印字機(図示せず)で小分けパック20の外装20bに印字する構成とすればよい。つまり、実施例1においては、制御装置3が、識別符号20aを小分けパック20ごとに付与する機能、および、識別符号20aを小分けパック20に印字する機能を有する構成とすればよい。
【0021】
また、実施例1では、検査時間の長い培養検査10a2の検査結果を第2検査結果とし、第2検査結果と、小分けパック20に付与される識別符号20aとに基づいて小分けパック20を個別に管理するように制御装置3が構成される。
【0022】
例えば、肉塊2の細菌検査を実施する細菌検査部10aでは、微生物検査装置12を利用する代替検査10a1による細菌検査と、培養検査10a2による細菌検査が並行して実施される。
【0023】
具体的に、細菌検査部10aにおいて、肉塊2の細菌検査が微生物検査装置12を利用した代替検査10a1で実施される。同時に、肉塊2に付着している細菌がシャーレ11の寒天11aに塗布されて細菌の培養が開始される。なお、シャーレ11には、複数のシャーレ11を個別に識別可能な固有のID(シャーレID11b)が付与されていることが好ましい。
図1ではシャーレID11bとして「SA」を例示する。
または、生産管理システム1の管理者が、個別に識別するシャーレID11bをシャーレ11に適宜付与する構成としてもよい。
なお、例えば1つの肉塊2に付着している細菌を複数のシャーレ11で培養する場合、同じ肉塊2の細菌を培養する複数のシャーレ11に同じシャーレID11bが付与される構成であってもよい。
【0024】
前記したように代替検査10a1での細菌検査に要する検査時間は培養検査10a2での細菌検査に要する検査時間より短く、細菌検査部10aでは、シャーレ11での細菌の培養中に代替検査10a1による第1検査結果が得られる。そこで、生産管理システム1では代替検査10a1で得られた第1検査結果(細菌数)が所定の基準を満たしていると制御装置3が判定した場合、制御装置3は、当該肉塊2が、小分けパック20に小分けできる基準を満たしていると判定する。そして、シャーレ11での細菌の培養が継続した状態であっても当該肉塊2を生産部10bに進める許可を出し、肉塊2を小分けパック20に小分けして最終製品を生産することを可能にする。
このように、実施例1の生産管理システム1では培養検査10a2の第2検査結果が得られる前に第1検査結果に基づいて最終製品を生産することができ、生産拠点1aにおける中間仕掛り品を減らすことができる。
【0025】
また、生産管理システム1の生産部10bでは小分けパック20ごとに固有の識別符号20aが付与されて外装2bに印字される。さらに、制御装置3は、小分けパック20に小分けされる肉塊2の細菌を培養しているシャーレ11に付与されたシャーレID11bを、当該小分けパック20に付与された識別符号20aと関連付けて管理する。
【0026】
例えば、制御装置3は、肉塊2が生産拠点1aに納入されたときにその肉塊2に納入番号2aなど、その肉塊2を個別に識別可能な符号を付与し、さらに、小分けパック20aに付与された識別符号20aを、その小分けパック20に小分けされた肉塊2に付与された納入番号2aに関連付けて管理する。
制御装置3は、
図2の(a)に示すように肉塊2に付与された納入番号2a「1234」と、その肉塊2が小分けされた小分けパック20に付与された識別符号20a(「B1」,「B2」,「B3」,・・・)を関連付けて管理する。
【0027】
また、「SA」というシャーレID11bが付与されたシャーレ11で、納入番号2a「1234」が付与された肉塊2の細菌を培養している場合、制御装置3は
図2の(b)に示すように、シャーレID11b「SA」と納入番号2a「1234」を関連付けて管理する。
【0028】
そして、制御装置3は、「SA」というシャーレID11bが付与されたシャーレ11で細菌検査をしている肉塊2の納入番号2a「1234」と関連づけられた識別符号20a(「B1」,「B2」,「B3」,・・・)を選択し、
図2の(c)に示すように、選択した識別符号20a「B1」,「B2」,「B3」,・・・)とシャーレID11b「SA」を関連付けたデータ(管理データ3a)を作成する。さらに、制御装置3は作成した管理データ3aを図示しない記憶部に記憶する。この記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)などとすればよい。
【0029】
このような管理データ3aを作成することによって、制御装置3は、培養検査10a2による第2検査結果および小分けパック20の識別符号20aに基づいて、小分けパック20を個別に管理できる。
【0030】
その後、
図1に示すように、肉塊2が小分けされた小分けパック20は最終製品として生産拠点1aから出荷され、例えば流通経路にある保管倉庫1bで保管される。
保管倉庫1bでは、保管される小分けパック20に付与された識別符号20aが制御装置4に登録され、制御装置4は保管倉庫1bに保管される小分けパック20を識別符号20aに基づいて在庫管理する。
具体的に保管倉庫1bには小分けパック20に印字された識別符号20aを読み取る読取手段(読取装置41)が備わり、小分けパック20が保管倉庫1bに搬入されるときに読取装置41が小分けパック20に印字された識別符号20aを読み取って制御装置4に通知する。
この構成によって、制御装置4は、読取装置41が読み取った識別符号20aに基づいて、保管倉庫1bで保管される小分けパック20を管理(在庫管理)できる。識別符号20aが二次元コードで印字される場合、読取装置41にはバーコードリータが備わる構成が好ましい。
【0031】
一方、
図1に示すシャーレ11での培養が終了して培養検査10a2による第2検査結果が得られ、第2検査結果から解析される細菌数が所定の基準値を超えている場合、つまり、検査時間が長い培養検査10a2による細菌検査の第2検査結果が所定の基準を満たさない場合、生産管理システム1の制御装置3は、細菌数が所定の基準値を超えているシャーレ11のシャーレID11bに対応した、小分けパック20の識別符号20aを選択(特定)する。
【0032】
例えば、シャーレ11の細菌数を計測する管理者が第2検査結果(細菌数)と、対象となったシャーレ11のシャーレID11bを制御装置3に入力する。制御装置3は入力された第2検査結果(細菌数)が所定の基準値を超えているときは、入力されたシャーレID11bに対応した、小分けパック20の識別符号20aを選択する。
具体的に制御装置3は、
図2の(c)に示す管理データ3aを参照し、入力されたシャーレID11bが関連付けられた小分けパック20の識別符号20aを選択する。
例えば、シャーレID11bが「SA」のシャーレ11の第2検査結果(細菌数)が所定の基準値を超えているとき、制御装置3は管理データ3aを参照して「SA」のシャーレID11bに対応している識別符号20a(「B1」,「B2」,「B3」)を選択する。
このように、制御装置3は、培養検査10a2による細菌検査の第2検査結果が所定の基準を満たさない肉塊2が小分けされた小分けパック20に付与された識別符号20aを、管理データ3aを参照して個別に選択できる。
【0033】
そして、制御装置3は、選択した識別符号20aが付与された小分けパック20を回収するように保管倉庫1bの制御装置4に指令を与える。
具体的に制御装置3は選択した識別符号20aを保管倉庫1bの制御装置4に送信して通知する。制御装置4は、制御装置3から通知された識別符号20aが付された小分けパック20を不良品と判定し、当該小分けパック20を回収する指示を保管倉庫1bの管理者に与える。
この構成によって、培養検査10a2による細菌検査で細菌数が所定の基準値を超えた肉塊2、つまり、培養検査10a2による細菌検査の第2検査結果が所定の基準を満たさない肉塊2が小分けされた小分けパック20のみを回収できる。
【0034】
このように、実施例1では、検査時間の長い培養検査10a2による細菌検査の第2検査結果と、小分けパック20に付与される識別符号20aとに基づいて小分けパック20を個別に管理するように制御装置3が構成される。
【0035】
図3は、生産管理システムにおける制御装置の動作を示すフローチャートである。
図3を参照して、生産管理システム1(
図1参照)における制御装置3の動作を説明する(適宜
図1,2参照)。
例えば、肉塊2が生産拠点1aに納入されたときに制御装置3は当該肉塊2に対する管理を開始する。
制御装置3は、細菌検査部10aでの肉塊2の細菌検査が開始した情報が入力されると(ステップS1)、微生物検査装置12を利用した代替検査10a1による細菌検査が終了するまで待機する(ステップS2→NO)。なお、制御装置3は、肉塊2が納入されたときに、その肉塊2に納入番号2aを付与する。
【0036】
例えば、制御装置3は微生物検査装置12から細菌検査が開始したことを通知する信号が入力されることによって、細菌検査の開始を判定する構成とすればよい。さらに、微生物検査装置12から第1検査結果が入力されることによって、代替検査10a1による細菌検査の終了を判定する構成とすればよい。
制御装置3は代替検査10a1による細菌検査の終了を判定すると(ステップS2→YES)、第1検査結果を解析し、細菌数が所定の基準値を下回るときは当該肉塊2を生産部10bに進めることを許可する(ステップS3)。
つまり、制御装置3は、代替検査10a1で得られる検査結果(第1検査結果)が所定の基準を満たしている肉塊2は、小分けパック20に小分けできる基準を満たしていると判定する。
なお、第1検査結果で解析される細菌数が所定の基準値を超える場合、制御装置3は肉塊2に対する管理を終了する。
【0037】
さらに、制御装置3は肉塊2が小分けされた小分けパック20に識別符号20aを付与し(ステップS4)、付与した識別符号20aを小分けパック20の外装20bに印字する(ステップS5)。
また、制御装置3は、培養検査10a2で肉塊2の細菌を培養しているシャーレ11に付与されているシャーレID11bを、当該肉塊2が小分けされた小分けパック20に付与した識別符号20aに関連付けた管理データ3aを作成し(ステップS6)、作成した管理データ3aを図示しない記憶部に記憶する。
【0038】
その後、制御装置3は培養検査10a2による細菌検査が終了するまで待機し(ステップS7→NO)、培養検査10a2による細菌検査が終了したら(ステップS7→YES)、培養検査10a2による細菌検査の第2検査結果(細菌数)を解析する。
そして、細菌数が所定の基準値を超えている場合(ステップS8→YES)、制御装置3は、管理データ3aを参照して、当該肉塊2が小分けされた小分けパック20に付与されている識別符号20aを選択する(ステップS9)。具体的に、制御装置3は管理データ3aを参照して、細菌数が所定の基準値を超えているシャーレ11に付与されているシャーレID11bが関連付けられている識別符号20aを選択する。
【0039】
なお、細菌数が所定の基準値以下の場合(ステップS8→NO)、制御装置3は、当該肉塊2に対する管理を終了する。
【0040】
そして、制御装置3は選択した識別符号20aを保管倉庫1bの制御装置4に送信して通知する(ステップS10)。
このように
図3に示す手順で制御装置3は肉塊2を管理する。
【0041】
食料品など大量生産される製品における小分けパック20はロット管理される場合が多い。したがって、例えば、肉塊2を小分けパック20に小分けした後で培養検査10a2の第2検査結果によって細菌数が所定の基準値を超えたことが判明した場合、従来のように小分けパック20に識別符号20aを付与して個別に管理していないと、生産管理システム1の管理者等は、該当する肉塊2を小分けした小分けパック20が含まれるロットを全て回収する必要が生じる。
しかしながら、実施例1では小分けパック20に個別の識別符号20aが付与され、さらに、肉塊2の細菌を培養するシャーレ11に付与されるシャーレID11bと小分けパック20の識別符号20aが関連付けられるため、細菌数が所定の基準値を超えた肉塊2が小分けされた小分けパック20を個別に識別可能になる。したがって、当該小分けパック20が含まれるロットを全て回収する必要がなく、細菌数が所定の基準値を超えた肉塊2が使用されない小分けパック20が回収されることを回避できる。
【0042】
なお、
図1、および、
図3のステップS5に示すように、実施例1では小分けパック20の外装20bに識別符号20aを印字する構成とした。しかしながら、小分けパック20は大量に生産されるものであり、個々の小分けパック20にユニークに設定される識別符号20aは膨大な情報量を含む符号となる。例えば、識別符号20aを二次元コードに記号化しても、その二次元コードが非常に大きなものになる。
そして、このように大きな二次元コードが小分けパック20の外装20bに印字されると、外観が損なわれて消費者の見た目が悪くなる。
そこで、消費者による視認が困難になるように、可視光に対して透明で可視光下で消費者が視認困難な不可視インク(ステルスインク)で識別符号20aを小分けパック20の外装20bに印字する構成としてもよい。
【0043】
ステルスインクは、例えば、紫外線が照射されたときに発光して可視化し、可視光下では消費者による視認が困難な性質のインクであればよい。例えば、紫外線が照射されると発光するステルスインクが知られている。
紫外線の照射で発光するステルスインクで識別符号20aが印字される場合、例えば保管倉庫1bに備わる読取装置41は、可視光を遮光した環境で紫外線を照射する構成とすればよい。さらに、紫外線の照射で発光した識別符号20aを読み取る構成とすればよい。
【0044】
図4は読取装置の一構成例を示す図である。
図4に示すように、読取装置41は、例えば、外光を遮光する遮光壁41aで覆われた空間内に、紫外線を小分けパック20に向けて照射する発光部41bと、紫外線が照射されて発光した識別符号20aを読み取る読取部41cと、が備わって構成される。
識別符号20aが二次元コードで印字される場合、読取部41cとしてバーコードリーダが備わる構成とすればよい。
【0045】
このように構成される読取装置41は、外光(可視光線)が遮光された環境で紫外線の照射で識別符号20aのみを発光させることができ、読取部41cが識別符号20aを容易に識別することが可能となる。そして、読取部41cによる識別符号20aの読み取りのエラー発生率を低く抑えることができる。
【0046】
なお、ステルスインクは紫外線が照射されると発光する性質を有するもののほか、赤外線が照射されると発光する性質を有するステルスインクを使用することも可能である。この場合、保管倉庫1bの読取装置41には、赤外線を照射する発光部41bが備わる構成とすればよい。
【0047】
以上のように、実施例1に係る生産管理システム1(
図1参照)では、肉塊2(
図1参照)の細菌検査を実施する細菌検査部10aで微生物検査装置12(
図1参照)を利用する代替検査10a1と、培養検査10a2の2つの方法で細菌検査が実施される。そして、制御装置3(
図1参照)は、検査時間の短い代替検査10a1の第1検査結果に基づいて当該肉塊2が、小分けパック20に小分けできる基準を満たしていると判定する。さらに、制御装置3は、肉塊2を生産部10bに進めること、つまり、最終製品を生産する工程を進めることを許可する。
したがって、検査時間の長い培養検査10a2の第2検査結果を待つことなく肉塊2を小分けパック20(
図1参照)に小分けでき、肉塊2が長時間に亘って中間仕掛り品となることを抑制できる。
さらに、肉塊2が中間仕掛り品の状態で保管される時間を短縮でき、肉塊2の鮮度が落ちることを抑制できる。
【0048】
また、培養検査10a2の第2検査結果で肉塊2(
図1参照)の細菌数が所定の基準値を超えた場合であっても、当該肉塊2を使用した小分けパック20を識別符号20a(
図1参照)によって個別に識別可能であり、当該肉塊2を使用した小分けパック20のみを回収できる。
【0049】
例えば、法律等によって検査時間の長い培養検査10a2が義務付けられている場合であっても検査時間の短い代替検査10a1による第1検査結果に基づいて肉塊2などの中間製品から小分けパック20などの最終製品を生産でき、中間仕掛り品を減らすことができる。
さらに、培養検査10a2による第2検査結果が所定の基準を満たさない場合であっても、該当する肉塊2から生産された小分けパック20のみを回収でき、該当する肉塊2を使用しない小分けパック20が回収されるという無駄を省くことができる。
【0050】
《変形例》
実施例1では、
図1に示すように肉塊2を中間製品とし、小分けパック20を最終製品としたが、変形例として、生産管理システム1は肉塊2以外の食料品や飲料にも対応できる。
【0051】
図5の(a)は乳牛から搾取した生乳を中間製品とする生産管理システムを示す図、(b)は乳製品の識別符号とシャーレのIDを関連付けた管理データを示す図である。
例えば、
図5の(a)に示すように中間製品を生乳5a,5b,5cとし、最終製品をチーズやバターなどの乳製品50とする構成の生産管理システム1とすることも可能である。
生乳5a,5b,5cは、例えば、それぞれ異なる乳牛から搾取したものであり、細菌検査部10aでは生乳5a,5b,5cごとに細菌検査が実施される。そして、生産部10bでは、生乳5a,5b,5cを原料として乳製品50が生産される。
さらに、生産部10bでは乳製品50を個別に識別するための識別符号50aが付与されて外装に印字される。
図5の(a)では識別符号50aとして「C1」,「C2」,「C3」,・・・を例示する。
【0052】
また、細菌検査部10aにおける代替検査10a1では生乳5a,5b,5cの全てについて微生物検査装置12による細菌検査が実施され、制御装置3は微生物検査装置12による細菌検査の第1検査結果において、細菌数が所定の基準値を下回る生乳5a,5b,5cについて生産部10bに進める許可を与える。つまり、制御装置3は、代替検査10a1で得られた検査結果(第1検査結果)が所定の基準を満たしている生乳5a,5b,5cは、乳製品50に加工できる基準を満たしていると判定する。
【0053】
また、細菌検査部10aにおける培養検査10a2では、生乳5a,5b,5cごとに異なるシャーレ11が使用される。例えば、生乳5aに使用されるシャーレ11のシャーレID11bが「SA1」、生乳5bに使用されるシャーレ11のシャーレID11bが「SA2」、生乳5cに使用されるシャーレ11のシャーレID11bが「SA3」の場合、制御装置3は乳製品50に付与される識別符号50aに3つのシャーレID11bを関連付けた管理データを作成して管理する。
【0054】
例えば、制御装置3は、
図5の(b)に示すように、乳製品50に付与された識別符号50a(「C1」,「C2」,「C3」,・・・)に3つのシャーレ11のシャーレID11b「SA1」,「SA2」,「SA3」を関連付けた管理データ3bを作成し、作成した管理データ3bを図示しない記憶部に記憶する。この記憶部は、例えば、ROMやHDDなどとすればよい。
そして、培養検査10a2の第2検査結果で、例えばシャーレID11bとして「SA1」が付与されたシャーレ11の細菌数が所定の基準値を超えた場合、つまり、培養検査10a2で得られる第2検査結果が所定の基準を満たさない場合、制御装置3は管理データ3bを参照して、「SA1」のシャーレID11bが関連付けられている識別符号50aを選択する。
図5の(a)に示す管理データ3bでは、「C1」,「C2」,「C3」の識別符号50aが選択される。
そして、乳製品50が保管倉庫1b(
図1参照)に保管されている場合、制御装置3は保管倉庫1bに備わる制御装置4(
図1参照)に選択した識別符号50aを送信して通知する。
【0055】
このように、例えば生乳5a,5b,5cを中間製品とし、乳製品50を最終製品とする生産管理システム1を構成することも可能である。
その他の食料品、飲料、薬品などを中間製品とする生産管理システム1を構成することも可能である。
【実施例2】
【0056】
実施例1は、食料品に対する細菌検査を実施する生産管理システム1(
図1参照)とした。実施例2は、食料品に含まれる放射性物質(実施例2ではセシウムとする)を測定可能な生産管理システムに本発明を適用した例について説明する。
【0057】
図6は実施例2に係る生産管理システムを示す図である。
食料品に含まれるセシウムの測定方法として、測定対象の食料品を専門の測定機関に提出して当該食料品に含まれるセシウムを高い精度で測定する方法がある。この測定方法はセシウムの検出精度が高いが測定結果を得るまでに相当の時間を要する。
そこで、実施例2では、
図6に示すように、生産者P1,P2,P3から納入される生乳6a,6b,6cが中間製品となる生産管理システム100とする。そして、予備的にセシウムの含有量を測定し、その測定で計測される測定結果が所定の基準値を下回る場合には生乳6a,6b,6cを小分け(パック詰め)して最終製品である牛乳パック60を生産する。
【0058】
さらに、生産者P1,P2,P3から納入される生乳6a,6b,6cを外部の測定機関100cに提出して含まれるセシウムを測定(本測定)する。そして、測定機関100cで実施される本測定の測定結果でセシウムの含有量が所定の基準値を超える生乳6a,6b,6c、つまり、測定機関100cで実施される本測定の測定結果が所定の基準を満たさない生乳6a,6b,6cを使用した牛乳パック60を回収するように構成される。
【0059】
図6に示すように、実施例2に係る生産管理システム100には、第1の検査として予備的にセシウムの含有量を測定するセシウム測定部110a(第1検査手段)が備わる。セシウム測定部110aには、例えば、ハンディ式測定器30が備わる。
さらに、生産管理システム100には、生乳6a,6b,6cをパック詰めして牛乳パック60を生産する生産部110bが備わる。セシウム測定部110aと生産部110bは生産拠点100aに備わる。また、生産拠点100aには制御手段として制御装置300が備わり、セシウム測定部110aおよび生産部110bを管理する。
【0060】
図6に示す符号100bは、牛乳パック60(最終製品)を保管するための保管倉庫である。保管倉庫100bには制御装置400が備わり、保管倉庫100bに保管される牛乳パック60は制御装置400で管理(在庫管理)される。
つまり、実施例2では保管倉庫100bの制御装置400が牛乳パック60を管理する管理手段として機能する。
また、生産拠点100aの制御装置300と保管倉庫100bの制御装置400は、例えばインターネットINETを介して接続され、制御装置300と制御装置400の間でデータが送受信可能に構成される。
もちろん、制御装置300と制御装置400が社内LANなどで接続される構成であってもよい。
【0061】
さらに、生産管理システム100は、例えば食料品に含まれるセシウムを、第2の検査として高い精度で測定する測定機関100c(第2検査手段)を含んで構成される。
測定機関100cは、例えば生産拠点100aからの依頼を受けて食料品(生乳6a,6b,6c)のセシウムの含有量を測定装置100c1で精密に測定する。
測定機関100cでの測定(第2の検査)は精度が高く、セシウム測定部110aでのセシウムの含有量の測定(第1の検査)に要する測定時間(検査時間)よりも長い測定時間(検査時間)を要するものとする。
【0062】
生産拠点100aに納入された生乳6a,6b,6cは、セシウム測定部110aで予備的にセシウムの含有量が測定され、測定結果が制御装置300に入力される。実施例2では、セシウム測定部110aでの測定で得られる測定結果を第1検査結果とする。
このとき、制御装置300は生乳6a,6b,6cに、それぞれ固有の符号(原料管理符号6a1,6b1,6c1)を割り当て、制御装置300は原料管理符号6a1,6b1,6c1と測定結果を関連付けて管理する構成が好ましい。
例えば、制御装置300は、生乳6aに原料管理符号6a1として「MA」を付与し、生乳6bに原料管理符号6b1として「MB」を付与し、生乳6cに原料管理符号6c1として「MC」を付与する。
【0063】
制御装置300はセシウム測定部110aでの測定で得られる測定結果(第1検査結果)に基づいて、測定されたセシウムの含有量が所定の基準値を下回る生乳(例えば、生乳6a,6c)を選択する。さらに、制御装置300は、選択した生乳(例えば6a,6c)を生産部110bに進めることを許可する。
つまり、制御装置300は、セシウム測定部110aでの測定で得られる測定結果(第1検査結果)が所定の基準を満たしている生乳(例えば6a,6c)は、牛乳パック60に小分けできる基準を満たしていると判定する。
そして、制御装置300は、第1検査結果が得られた時点で、第1検査結果に基づいて、最終製品(牛乳パック60)を生産する工程を進めることを許可する。
例えば制御装置300は、生産管理システム100の管理者に対して選択した生乳6a,6cを生産部110bに進めるように指示を与える。
【0064】
生産部110bでは、制御装置300が選択した生乳6a,6cが充填された牛乳パック60が最終製品として生産される。
【0065】
そして、実施例2の生産部110bでは、牛乳パック60を個別に識別可能な識別符号60aが当該牛乳パック60に付与される構成が好適である。この識別符号60aは、実施例1における識別符号20a(
図1参照)と同様に、例えば牛乳パック60の外装60bに印字されて適宜読取装置で読み取り可能な構成が好適である。
牛乳パック60に付与される識別符号60aは、実施例1と同様に、牛乳パック60ごとに異なる数値、または、数値と文字記号(アルファベットなど)の組み合わせとすればよい。また、識別符号60aは二次元コードなどに記号化されて外装60bに印字される構成であってもよい。
図6では識別符号60aとして「MPAC1」,「MPAC2」,「MPAC3」を例示する。
また、識別符号60aは、例えば制御装置300が作成し、さらに、制御装置300に備わるインクジェットプリンタ等の印字機(図示せず)で牛乳パック60の外装60bに印字する構成とすればよい。つまり、実施例2においては、制御装置300が、識別符号60aを牛乳パック60ごとに付与する機能、および、識別符号60aを牛乳パック60に印字する機能を有する構成とすればよい。
【0066】
さらに、実施例1における小分けパック20の識別符号20a(
図1参照)と同様に、可視光に対して透明で可視光下で消費者が視認困難なステルスインクで識別符号60aを牛乳パック60の外装60bに印字する構成としてもよい。
【0067】
実施例2の制御装置300は、生産部110bにおいて、牛乳パック60に充填する生乳6a,6cと、当該牛乳パック60に付与した識別符号60aを関連付ける。
図7は実施例2の管理データを示す図である。
例えば
図7に示すように、「MPAC1」,「MPAC2」,「MPAC3」,・・・という識別符号60aが付与された牛乳パック60に生乳6a,6cが充填される場合、制御装置300は、セシウム測定部110aで生乳6aに付与した、例えば「MA」という原料管理符号6a1と、生乳6cに付与した、例えば「MC」という原料管理符号6c1を「MPAC1」,「MPAC2」,「MPAC3」,・・・という識別符号60aに関連付けるデータ(管理データ300a)を作成し、作成した管理データ300aを図示しない記憶部に記憶する。
【0068】
そして、
図6に示す生産部110bで生産された牛乳パック60は保管倉庫100bに送られて保管される。前記したように保管倉庫100bでは、制御装置400によって牛乳パック60が管理される。
保管倉庫100bでは、保管される牛乳パック60に付与された識別符号60aが制御装置400に登録され、制御装置400は保管倉庫100bに保管される牛乳パック60を識別符号60aに基づいて在庫管理する。
具体的に保管倉庫100bには牛乳パック60に印字された識別符号60aを読み取る読取手段(読取装置410)が備わり、牛乳パック60が保管倉庫100bに搬入されるときに読取装置410が牛乳パック60に印字された識別符号60aを読み取って制御装置400に通知する。
この構成によって、制御装置400は、読取装置410が読み取った識別符号60aに基づいて、保管倉庫100bに保管される牛乳パック60を管理(在庫管理)できる。
識別符号60aが二次元コードで印字される場合、読取装置410にはバーコードリータが備わる構成が好ましい。
【0069】
また、識別符号60aが、紫外線の照射で発光するステルスインクで牛乳パック60に印字される場合、実施例2における読取装置410は、例えば
図4に示す読取装置41と同様の構成とすればよい。
【0070】
また、実施例2の制御装置300は、セシウム測定部110aで得られた測定結果(第1検査結果)に基づいて選択した生乳6a,6cを生産部110bに進めることを許可するのと同時に、生乳6a,6b,6cを測定機関100cに提出するように、生産管理システム100の管理者に対して指示を与える。
【0071】
測定機関100cでは生乳6a,6b,6cのセシウムの含有量を精密に測定し、その測定結果を、例えば生産拠点100aの管理者に通知する。生産拠点100aの管理者は測定機関100cから通知された測定結果を制御装置300に入力する。実施例2では、測定機関100cでの測定で得られる測定結果を第2検査結果とする。
なお、測定機関100cからインターネットINET等を使用したオンラインで制御装置300に測定結果(第2検査結果)が入力される構成としてもよい。
このとき制御装置300には、生乳6a,6b,6cに付与された原料管理符号6a1(「MA」),6b1(「MB」),6c1(「MC」)と関連付けて測定結果(第2検査結果)が入力されることが好ましい。
【0072】
制御装置300は、測定機関100cから通知された測定結果(第2検査結果)から、生乳6a,6b,6cの中でセシウムの含有量が所定の基準値を超えるものがあればそれを選択する。
例えば、生乳6cのセシウムの含有量が所定の基準値を超える場合、制御装置300は生乳6cに付与した原料管理符号6c1(MC)を選択する。
【0073】
さらに、制御装置300は、選択した生乳6cが充填された牛乳パック60に付与された識別符号60aを選択し、選択した識別符号60aが付与された牛乳パック60aを回収するように、保管倉庫100bの制御装置400に指令を与える。
具体的に制御装置300は、管理データ300a(
図7参照)を参照し、選択した生乳6cに付与した原料管理符号6a1(MC)が関連付けられている識別符号60a(
図7では、「MPAC1」,「MPAC2」,「MPAC3」)を選択する。
そして、制御装置300は選択した識別符号60aを制御装置400に送信して通知する。
このように制御装置300は、測定機関100cの測定結果(第2検査結果)が所定の基準を満たさない生乳6a,6b,6cが充填された(小分けされた)牛乳パック60を識別符号60aに基づいて選択するように構成される。
【0074】
制御装置400は、制御装置300から通知された識別符号60aが付与された牛乳パック60を不良品と判定し、当該牛乳パック60を回収するように、例えば、保管倉庫100bの管理者に指示を与える。
この構成によって、測定機関100cによるセシウムの検査でセシウムの含有量が所定の基準値を超えた生乳6cが充填された牛乳パック60のみを回収できる。
【0075】
このように実施例2では、検査時間の長い、測定機関100cでの測定(第2の検査)で得られる測定結果(第2検査結果)と、牛乳パック60に付与される識別符号60aとに基づいて牛乳パック60を個別に管理するように制御装置300が構成される。
【0076】
実施例2において、牛乳パック60は大量生産される製品であって牛乳パック60はロット管理される場合が多い。したがって、例えば、生乳6a,6cを牛乳パック60に充填した後で測定機関100cの測定結果によって生乳6cのセシウムの含有量が所定の基準値を超えたことが判明した場合、従来のように牛乳パック60に識別符号60aを付与して個別に管理していないと、生産管理システム100の管理者等は、生乳6cを充填した牛乳パック60が含まれるロットを全て回収する必要が生じる。
しかしながら、実施例2の制御装置300は、牛乳パック60に個別の識別符号60aを付与し、さらに、生乳6a,6b,6cの測定機関100cでのセシウムの含有量の計測結果を識別符号60aと関連付けて管理できる。したがって、制御装置300は、セシウムの含有量が所定の基準値を超えた生乳6cが充填された牛乳パック60を単体で個別に識別可能に構成される。このことによって、当該牛乳パック60が含まれるロットが全て回収される必要がなくなり、セシウムの含有量が所定の基準を超えた生乳6cが充填されない牛乳パック60が回収されることが好適に回避される。
【0077】
また、制御装置300は検査時間の短いセシウム測定部110aで得られるセシウムの含有量の測定結果(第1検査結果)に基づいて、例えば、生乳6a,6cが、牛乳パック60に充填できる基準を満たしていると判定する。そして、制御装置300は、生乳6a,6cを生産部110bに進めることを許可する。したがって、生乳6a,6cが中間仕掛り品の状態で生産拠点100aに保管される時間を短縮でき、中間仕掛り品を減らすことができる。
【0078】
なお、本発明は前記した実施例や変形例に限定されるものではない。例えば、前記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【0079】
例えば、中間製品は実施例1における肉塊2(
図1参照)や実施例2における生乳6a,6b,6c(
図6参照)に限定されない。例えば、所定の検査が必要な食料品、飲料、薬品等を中間製品とする生産管理システムに本発明を適用することも可能である。
また、実施例1における細菌検査や実施例2におけるセシウムの含有量の計測は一例であり、検査(計測)の種類を限定するものではない。
さらに、実施例1,2では2つの検査(測定)を並行に実施するとしたが、3つ以上の検査(計測)を並行して実施する構成としてもよい。
【0080】
また、中間製品を農産物とすることも可能である。例えば、生産者は生産農場を識別可能な識別符号を農産物に付与し、簡易的な計測検査でセシウム(放射性物質)の含有量を計測する。さらに、生産者は専門の計測機関での検査も並行して実施する。そして、生産者は、簡易的な計測検査の計測結果が所定の基準を満たすときには当該農産物を出荷する。
専門の計測機関での検査結果が所定の基準を満たさない場合、生産者は当該農産物に付与された識別符号が付された農産物のみを回収することによって、特定の生産農場で生産された農産物のみを回収できる。
この構成によって、セシウム(放射性物質)の含有量が所定の基準を満たさない農産物を生産した生産農場以外の生産農場で生産された農産物を回収する必要がなくなる。
【0081】
この他、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。