特許第5752651号(P5752651)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5752651レーザスキャン装置及びレーザスキャン方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752651
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】レーザスキャン装置及びレーザスキャン方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20150702BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20150702BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   G02B26/10 D
   G01B11/24 F
   G01N21/956 B
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-152216(P2012-152216)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2013-171288(P2013-171288A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2012年7月6日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0017498
(32)【優先日】2012年2月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(72)【発明者】
【氏名】キム・テッグ ギュム
【審査官】 堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−329513(JP,A)
【文献】 実開昭63−109919(JP,U)
【文献】 特開2008−171960(JP,A)
【文献】 特開昭58−024111(JP,A)
【文献】 特開2011−039533(JP,A)
【文献】 特開2008−070625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/08 − 26/12
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームを走査するレーザ走査部と、
前記レーザ走査部からの前記レーザビームを集光させる第1光学部と、
前記第1光学部を通過した前記レーザビームの幅を拡張させるスリット孔が形成された拡張スリットと、
前記拡張スリットを通過した前記レーザビームを平行に透過させる第2光学部と、
前記第2光学部を通過した前記レーザビームを測定物に集光する第3光学部と、
を含むレーザスキャン装置。
【請求項2】
前記レーザ走査部から走査された前記レーザビームを前記第1光学部に向かって所定角度で反射させるビーム偏向部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャン装置。
【請求項3】
前記ビーム偏向部は回転され、前記第1光学部に向かう前記レーザビームの走査方向を調節することを特徴とする請求項2に記載のレーザスキャン装置。
【請求項4】
前記スリット孔の大きさは1μm〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャン装置。
【請求項5】
前記第1光学部は、
前記レーザ走査部から走査された前記レーザビームを前記拡張スリットの前記スリット孔に集光する第1レンズからなることを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャン装置。
【請求項6】
前記第2光学部は、
前記拡張スリットを通過した前記レーザビームを前記第3光学部に平行に透過させる第2レンズからなることを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャン装置。
【請求項7】
前記第3光学部は、
前記第2光学部を通過した前記レーザビームを測定物に集光するスキャンレンズからなることを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャン装置。
【請求項8】
レーザ走査部を介してレーザビームを走査させる走査段階と、
前記走査段階を経た前記レーザ走査部からの前記レーザビームを第1光学部を介して集光する集光段階と、
前記集光段階を経た前記レーザビームの幅を拡張スリットに形成されたスリット孔を介して拡張する拡張段階と、
前記拡張段階を経た前記レーザビームを第2光学部を介して平行に透過させる第1透過段階と、
前記第1透過段階を経た前記レーザビームを第3光学部を介して測定物に集光する第2透過段階と、
を含むレーザスキャン方法。
【請求項9】
前記走査段階により走査された前記レーザビームをビーム偏向部を介して前記第1光学部に所定角度反射させる偏向段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のレーザスキャン方法。
【請求項10】
前記偏向段階は、
前記ビーム偏向部を回転させ、前記第1光学部に向かう前記レーザビームの走査方向を調節することを特徴とする請求項9に記載のレーザスキャン方法。
【請求項11】
前記スリット孔の大きさは1μm〜10μmであることを特徴とする請求項8に記載のレーザスキャン方法。
【請求項12】
前記集光段階は、
前記第1光学部が第1レンズからなり、前記走査段階で走査された前記レーザビームを前記拡張スリットの前記スリット孔に集光することを特徴とする請求項8に記載のレーザスキャン方法。
【請求項13】
前記第1透過段階は、
前記第2光学部が第2レンズからなり、前記拡張段階により拡張された前記レーザビームを前記第3光学部に平行に透過させることを特徴とする請求項8に記載のレーザスキャン方法。
【請求項14】
前記第2透過段階は、
前記第3光学部がスキャンレンズからなり、前記第1透過段階により透過された前記レーザビームを測定物に集光することを特徴とする請求項8に記載のレーザスキャン方法。
【請求項15】
前記拡張スリットは
単一スリットからなることを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャン装置。
【請求項16】
前記単一スリットは前記第1光学部の焦点距離に位置されることを特徴とする請求項15に記載のレーザスキャン装置。
【請求項17】
前記スキャンレンズは、陽(+)のパワーを有することを特徴とする請求項7に記載のレーザスキャン装置。
【請求項18】
前記拡張スリットは
単一スリットからなることを特徴とする請求項8に記載のレーザスキャン方法。
【請求項19】
前記単一スリットは前記第1光学部の焦点距離に位置されることを特徴とする請求項18に記載のレーザスキャン方法。
【請求項20】
前記スキャンレンズは、陽(+)のパワーを有することを特徴とする請求項14に記載のレーザスキャン方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザスキャン装置及びレーザスキャン方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板の回路パターンは、銅めっきでめっき厚さを一定高さまで形成し、ドライフィルム(Dry Film)をラミネーション(Lamination)した後、露光と現像を行ってドライフィルムの一部を除去し、オープン(Open)した部分の銅めっき層を食刻(Etching)してからドライフィルムを剥離して回路を形成する方法を用いて製造される。
【0003】
このような回路パターンの製造技術は、ドライフィルムをエッチングレジスト(Etch Resist)として使用する製造方法であり、様々な欠点を有している。
【0004】
また、前記のような欠点のうちパターン形成の欠点は、マスクフィルム(film)の損傷及び汚染、ドライフィルムスクラッチ(dry film scratch)、ドライフィルム上の異物の存在、ドライフィルムと基板との密着力低下による浮き上がり、ドライフィルムと基板との間の異物による浮き上がりなどが直接の原因となって生じる。
【0005】
特に、回路パターンの欠点は、現像及び食刻工程により基板の回路パターン損傷に繋がる。
【0006】
従って、このような様々な欠点などを早いうちに検査することができる検査方法があれば、前記欠点を誘発させる原因を容易に除去することにより製造コスト下げることができる。
【0007】
しかし、従来の技術である自動光学検査方法(AOI)では、このような欠点を検査することができない。その理由は、露光層と非露光層、また様々な欠点(異物、汚染など)の反射度の差が大きくなく、乱反射効果が大きいため画質(quality)が良くないためである。これを解決することができる方法は、レーザスキャン装置を使用してレーザスキャンを行うことである(ここで、レーザスキャン装置は、韓国公開特許1991−0006747号に開示されたように、印刷回路基板の回路パターン検査分野だけでなく、細胞生物学分野、半導体チップ検査分野、及び基板に電極パターンを形成する分野において広く使用されている)。
【0008】
特に、レーザスキャン装置は、反射光と散乱光を同時に測定して高品質(quality)の回路パターンイメージを提供し、回路パターンの製造工程において発生する様々な欠点を解決することができる。
【0009】
しかし、既存のレーザスキャン装置は、測定表面に集光されるビームのスポットサイズの制限により分解能が低下される問題がある。
【0010】
より詳細に説明すると、レーザスキャン装置でレーザビームがレンズによって集光される場合、焦点におけるビームサイズはa*f/dである。ここで、aはレーザビームの品質に依存する常数であり、λはレーザビームの波長、fはレンズの焦点距離、及びDはレーザ平衡ビームの直径である。
【0011】
従って、レンズに集光されるビームサイズを小さくするためには、ビームの品質が良く、レンズの焦点距離が短く、レーザビームの波長が短く、レーザビームの直径が大きくならなければならない。
【0012】
しかし、前記条件全てが測定条件に依存するため調節が容易でない。
【0013】
特に、高速レーザスキャンでは、ビームの直径Dはスキャナの大きさに大きく依存する。即ち、高速レーザスキャナの場合、レーザビームサイズがスキャナの速度が速いほど小くなることを特徴とする。
【0014】
そのため、高速レーザスキャンの場合、高分解能画像の測定や高分解能レーザの加工が難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国公開特許第1991−0006747号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の一つの目的は、高分解能測定が可能なレーザスキャン装置及びレーザスキャン方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、レーザスキャン幅を拡張させることができるレーザスキャン装置及びレーザスキャン方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施例によるレーザスキャン装置は、レーザビームを走査するレーザ走査部と、前記レーザビームを集光させる第1光学部と、前記第1光学部を通過した前記レーザビームの幅を拡張させるビーム拡張部と、前記ビーム拡張部を通過した前記レーザビームを透過させる第2光学部と、前記第2光学部を通過した前記レーザビームを測定物に走査する第3光学部と、を含むことができる。
【0019】
また、一実施例によるレーザスキャン装置は、前記レーザ走査部から走査された前記レーザビームを前記第1光学部に向かって所定角度で反射させるビーム偏向部をさらに含むことができる。
【0020】
また、一実施例によるレーザスキャン装置において、前記ビーム拡張部は、前記レーザビームが通過するスリット孔が形成された拡張スリットからなることができる。
【0021】
また、一実施例によるレーザスキャン装置において、前記スリット孔の大きさは1μm〜10μmであることができる。
【0022】
また、一実施例によるレーザスキャン装置において、前記第1光学部は、前記レーザ走査部から走査された前記レーザビームを前記ビーム拡張部に集光する第1レンズからなることができる。
【0023】
また、一実施例によるレーザスキャン装置において、前記第2光学部は、前記ビーム拡張部を通過した前記レーザビームを前記第3光学部に平行に透過させる第2レンズからなることができる。
【0024】
また、一実施例によるレーザスキャン装置において、前記第3光学部は、前記第2光学部を通過した前記レーザビームを測定物に集光するスキャンレンズからなることができる。
【0025】
一方、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、レーザ走査部を介してレーザビームを走査させる走査段階と、前記走査段階を経た前記レーザビームを第1光学部を介して集光する集光段階と、前記集光段階を経た前記レーザビームの幅をビーム拡張部を介して確張する拡張段階と、前記拡張段階を経た前記レーザビームを第2光学部を介して透過させる透過段階と、前記透過段階を経た前記レーザビームを第3光学部を介して測定物に走査するスキャン段階と、を含むことができる。
【0026】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、前記走査段階により走査された前記レーザビームをビーム偏向部を介して前記第1光学部に所定角度反射させる偏向段階をさらに含むことができる。
【0027】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法において、前記ビーム拡張部は、前記レーザビームが通過するスリット孔が形成された拡張スリットからなることができる。
【0028】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法において、前記スリット孔の大きさは1μm〜10μmであることができる。
【0029】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法において、前記集光段階は、前記第1光学部が第1レンズからなり、前記走査段階で走査された前記レーザビームを前記拡張スリットに集光することができる。
【0030】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法において、前記透過段階は、前記第2光学部が第2レンズからなり、前記拡張段階により拡張された前記レーザビームを前記第3光学部に平行に透過させることができる。
【0031】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法において、前記スキャン段階は、前記第3光学部がスキャンレンズからなり、前記透過段階により透過された前記レーザビームを測定物に集光することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、高分解能画像の測定が可能であり、画像の正確度及び鮮明度を高めることができる。
【0033】
また、本発明によると、レーザスキャン幅を拡張させることができ、スキャン速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施例によるレーザスキャン装置を示す構成図である。
図2】本発明の一実施例によるレーザスキャン装置を示す主要部の概念図である。
図3】本発明の一実施例によるレーザスキャン装置でビーム拡張部を通過するレーザビームの幅を測定したグラフである。
図4】本発明の一実施例によるレーザスキャン方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0036】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置を示す構成図である。
【0038】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100は、レーザ走査部10と、第1光学部30と、ビーム拡張部40と、第2光学部50と、第3光学部60と、を含み、測定物Sをレーザスキャンする。また、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100はビーム偏向部20をさらに含む。
【0039】
図2は、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置を示す主要部の概念図である。
【0040】
以下、図1及び図2を参照して、本発明の一実施例であるレーザスキャン装置100についてより詳細に説明する。
【0041】
先ず、図1を参照すると、レーザ走査部10は、所定波長のレーザビーム11を走査方向に走査する。この際、レーザ走査部10は、誘導放出によって光を増幅するレーザダイオードからなることができる。
【0042】
図1を参照すると、ビーム偏向部20は、レーザ走査部10と第1光学部30との間に配置され、レーザ走査部10から走査されるレーザビーム11を第1光学部30に向かって所定角度で反射させる。この際、本発明の一実施例であるレーザスキャン装置100におけるビーム偏向部20の配置位置は、レーザ走査部10と第1光学部30との間に必ず限定されるものではなく、例えば、第2光学部50と第3光学部60との間に位置することができ、または、レーザ走査部10と第1光学部30との間及び第2光学部50と第3光学部60との間にそれぞれ位置することができる。
【0043】
さらに、ビーム偏向部20は、例えば、反射ミラー(不図示)と、反射ミラーを所定角度回転させる回転手段(不図示)とを含むことができる。これにより、ビーム偏向部20は、回転手段を介して反射ミラーを所定角度回転させ、第1光学部30に向かうレーザビーム11の走査方向を調節することができる。しかし、本発明の一実施例であるレーザスキャン装置100のビーム偏向部20の構成は、反射ミラー及び回転手段により必ずしも限定されるものではない。
【0044】
図1及び図2を参照すると、第1光学部30は、レーザ走査部10から走査されるレーザビーム11をビーム拡張部40に集光する。この際、第1光学部30は、陽(+)のパワーを有し、両側または一側に突出して形成された第1レンズL1からなることができるが、本発明の一実施例による第1光学部30の形態はこれに限定されるものではない。
【0045】
図1及び図2を参照すると、ビーム拡張部40は、拡張スリットL2からなり、第1光学部30で集光されたレーザビーム11の幅を拡張する。この際、拡張スリットL2は、単一スリットからなり、第1光学部30の焦点距離に位置することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0046】
また、拡張スリットL2に形成されてレーザビーム11が通過するスリット孔41は、1μm〜10μmまたは1μm〜100μmに形成されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。この際、拡張スリットL2のスリット孔41の間隔(大きさ)は、レーザビーム11の波長より大きく形成されることができる。
【0047】
ここで、第1光学部30は拡張スリットL2のスリット孔41にレーザビーム11を集光させ、第1光学部30から拡張スリットL2のスリット孔41に集光されるレーザビーム11が拡張スリットL2のスリット孔41を通過することによりレーザビーム11の幅が拡張される。
【0048】
また、図2を参照すると、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100は、レーザビーム11の幅をD、拡張スリットL2を通過時、拡張されるレーザビーム11の幅の角度をθ、スリット孔41の間隔をd、レーザビーム11の波長をλとすると、sinθ=λ/dの式を満足することができる。
【0049】
この際、スリット孔41の間隔に応じてレーザビーム11幅の角度が変化することが分かる。
【0050】
特に、スリット孔41の間隔を狭くするほど、拡張スリットL2を通過するレーザビーム11の幅が拡張されることが分かる。
【0051】
図1及び図2を参照すると、第2光学部50は、拡張スリットL2を通過したレーザビーム11を第3光学部60に透過させる。ここで、第2光学部50は、レーザビーム11を平行に透過させたり、レーザビーム11の幅を一定に透過させることができる。
【0052】
この際、第2光学部50は、陽(+)のパワーを有し、両側または一側に突出した第2レンズL3で形成されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0053】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100の第2光学部50は、第2レンズL3からなると必ずしも限定されるものではなく、例えば、第2レンズL3を含む多数のレンズからなることができることは言うまでもない。
【0054】
図1及び図2を参照すると、第3光学部60は、第2光学部50を通過したレーザビーム11を測定物Sに向かって走査する。ここで、第3光学部60は、測定物Sにレーザビーム11を集光させるスキャンレンズL4からなることができる。この際、スキャンレンズL4は、陽(+)のパワーを有し、両側または一側に突出して形成されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0055】
この際、スキャンレンズL4は、レーザビーム11の幅が最小化されるようにレーザビーム11を集光して、測定物Sに集光されるレーザビーム11のスポット(spot)サイズを最小化することができる。
【0056】
しかし、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100の第3光学部60は、スキャンレンズL4からなることに限定されず、例えば、スキャンレンズL4を含む多数のレンズからなることができることは言うまでもない。
【0057】
前記のように構成された本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100は、測定物Sをスキャンする際、拡張スリットL2を介してレーザビーム11の幅を拡張して測定物Sに集光されるレーザビーム11の大きさを大きくすることができる。
【0058】
これにより、スキャン速度が速くなるとレーザビーム11の大きさが減少するため、良い画像を得るためにスキャン速度を遅くしなければならない問題を防止することができる。
【0059】
結果、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100は、レーザビーム11の大きさを拡大してスキャン速度を速めることができ、高分解能画像を得ることができる。
【0060】
図3は、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置でビーム拡張部40を通過するレーザビーム11の幅を測定したグラフである。
【0061】
図3に示したように、ビーム拡張部40である拡張スリットL2をレーザビーム11が通過する時にレーザビーム11の幅が変化することが分かる。ここで、x軸は拡張スリットL2の間隔であるdを示し、y軸は拡張スリットL2を基準として測定したレーザビーム11の幅の角度であるθを示す。この際、レーザビーム11の波長λは例えば0.5〜0.6μmであることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
また、拡張スリットL2の間隔が10μm以下になるとレーザビーム11の幅の角度が急激に大きくなり、1μm以下になるとレーザビーム11幅の角度が無限大になることが分かる。
【0063】
結果、レーザビーム11の幅が拡張スリットL2を通過することにより拡大されることが分かる。
【0064】
図4は、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法を示すフローチャートである。
【0065】
図4を参照すると、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、走査段階(S10)と、拡張段階(S40)と、透過段階(S50)と、スキャン段階(S60)とを含み、測定物Sをレーザスキャンする。また、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、偏向段階(S20)をさらに含む。
【0066】
本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100に対する走査方法に関し、同一の構成に対しては同一の図面符号を付記し、同一の説明は省略する。
【0067】
以下、図1図4を参照して、レーザスキャン方法である本発明の一実施例についてより詳細に説明する。
【0068】
先ず、図1及び図4を参照すると、走査段階(S10)は、レーザ走査部10を介して所定波長のレーザビーム11を走査方向に走査する。この際、レーザ走査部10は、誘導放出によって光を増幅するレーザダイオードからなることができる。
【0069】
図1及び図4を参照すると、偏向段階(S20)は、走査段階(S10)により走査されたレーザビーム11をビーム偏向部20を介して第1光学部30に所定角度反射させる。この際、ビーム偏向部20は、レーザ走査部10と第1光学部30との間に位置することができるが、本発明の一実施例であるレーザスキャン方法におけるビーム偏向部20の位置は、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、第2光学部50と第3光学部60との間に位置することができ、または、レーザ走査部10と第1光学部30との間及び第2光学部50と第3光学部60との間にそれぞれ位置することができる。
【0070】
さらに、ビーム偏向部20は、例えば、反射ミラーと反射ミラーを所定角度回転させる回転手段を含むことができる。これにより、ビーム偏向部20は、回転手段を介して反射ミラーを所定角度回転させ、第1光学部30に向かうレーザビーム11の走査方向を調節することができる。しかし、本発明の一実施例であるレーザスキャン方法のビーム偏向部20の構成は、反射ミラー及び回転手段により必ずしも限定されるものではない。
【0071】
図1及び図4を参照すると、集光段階(S30)は、走査されたレーザビーム11を第1光学部30を介して集光させる。
【0072】
ここで、第1光学部30は、レーザ走査部10から走査されたレーザビーム11をビーム拡張部40に集光する第1レンズL1からなる。また、第1レンズL1は陽(+)のパワーを有し、両側に突出した形態に形成されることができるが、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法における第1レンズL1は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0073】
図2及び図4を参照すると、拡張段階(S40)は、集光段階(S30)により集光されたレーザビーム11の幅をビーム拡張部40を介して拡張する。
【0074】
ここで、ビーム拡張部40は、拡張スリットL2からなり、第1光学部30で集光されたレーザビーム11の幅を拡張させる。この際、拡張スリットL2は、単一スリットからなり、第1光学部30の焦点距離に位置することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0075】
また、拡張スリットL2に形成され、レーザビーム11が通過するスリット孔41は1μm〜10μmまたは1μm〜100μmに形成されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。この際、拡張スリットL2のスリット孔41の間隔(大きさ)は、レーザビーム11の波長より大きく形成されることができる。
【0076】
ここで、第1光学部30から拡張スリットL2に集光されるレーザビーム11が拡張スリットL2のスリット孔41を通過することによりレーザビーム11の幅が拡張される。
【0077】
また、図2を参照すると、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、レーザビーム11の幅をD、拡張スリットL2を通過時、拡張されるレーザビーム11幅の角度をθ、スリット孔41の間隔をd、レーザビーム11の波長をλとすると、sinθ=λ/d{θ=sin(λ/d)−1}の式を満足することができる。この際、スリット孔41の間隔に応じてレーザビーム幅の角度が変化することが分かり、これにより、スリット孔41の間隔を狭くするほど拡張スリットL2を通過するレーザビーム11の幅が拡張されることが分かる。
【0078】
図1及び図4を参照すると、透過段階(S50)は、拡張段階(S40)により拡張されたレーザビーム11を第2光学部50を介して透過させる。ここで、透過段階(S50)は、レーザビーム11を第2光学部50を介して透過させる際、レーザビーム11を平行に透過させたり、レーザビーム11の幅を一定に透過させることができる。
【0079】
また、第2光学部50は、陽(+)のパワーを有し、両側または一側に突出した第2レンズL3で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0080】
また、第2レンズL3は、拡張スリットL2側に突出した形態に形成されることができるが、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法における第2レンズL3の形態は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0081】
図1及び図2を参照すると、第2光学部50は、拡張スリットL2を通過したレーザビーム11を第3光学部60に透過させる。ここで、第2光学部50は、レーザビーム11を平行に透過させたり、レーザビーム11の幅を一定に透過させることができる。
【0082】
この際、第2光学部50は、陽(+)のパワーを有し、両側または一側に突出した第2レンズL3で形成されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0083】
また、本発明の一実施例によるレーザスキャン装置100の第2光学部50は、第2レンズL3からなると必ずしも限定されるものではなく、例えば、第2レンズL3を含む多数のレンズからなることができることは言うまでもない。
【0084】
図1及び図4を参照すると、スキャン段階(S60)は、透過段階(S50)により透過されたレーザビーム11を第3光学部60を介して測定物Sに透過させる。
【0085】
ここで、第3光学部60は、スキャンレンズL4からなり、第2光学部50を通過したレーザビーム11を測定物Sにスポットさせることができる。この際、スキャンレンズL4によってレーザビーム11が測定物Sの測定面に集光され、測定物Sをスキャンすることができる。
【0086】
また、スキャンレンズL4は、陽(+)のパワーを有し、両側に突出した形態に形成されることができるが、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法におけるスキャンレンズL4は、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0087】
前記のように構成された本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、測定物Sをスキャンする際、拡張段階(S40)によりレーザビーム11の幅を拡張することにより、測定物Sに集光されるレーザビーム11の大きさを大きくすることができる。
【0088】
これにより、スキャン速度が速くなるとレーザビーム11の大きさが小さくなるため、良い画像を得るためにスキャン速度を遅くしなければならない問題を防止することができる。
【0089】
結果、本発明の一実施例によるレーザスキャン方法は、レーザビーム11の大きさを拡大してスキャン速度を速めることができ、高分解能画像を得ることができる。
【0090】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0091】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【符号の説明】
【0092】
100 レーザスキャン装置
10 レーザ走査部
11 レーザビーム
20 ビーム偏向部
30 第1光学部
40 ビーム拡張部
41 スリット孔
50 第2光学部
60 第3光学部
S 測定物
図1
図2
図3
図4