(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2導電性領域は、前記第1導電性領域の最上部内に配置され、かつ、前記第1導電性領域の前記最上部に囲まれるが、前記第1導電性領域の最下部には配置されない請求項1または2に記載のバイパスダイオード。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明の実施形態による、太陽電池のためのモノリシックバイパスダイオードの上面図である。
【
図2】本発明の実施形態による、太陽電池のためのバイパスダイオードを形成するために、レーザを使用してP型エミッタ領域の一部をドーピングして、その部分をN型領域に変換するプロセスを例示する概略図である。
【
図3】本発明の実施形態による、
図2のP型及びN型領域を含むバイパスダイオードの上面図である。
【
図4】本発明の実施形態による、レーザドーピングにより形成されるバイパスダイオードの断面図である。
【
図5】本発明の実施形態による、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法における操作を表すフローチャートである。
【
図6A】本発明の実施形態による、
図5のフローチャートの操作502に対応する太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図6B】本発明の実施形態による、
図5のフローチャートの操作504に対応する太陽電池の作製の段階における段階の断面図である。
【
図6C】本発明の実施形態による、
図5のフローチャートの操作504に対応する太陽電池の製造の段階における断面図である。
【
図6D】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図6E】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図6F】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図7】本発明の実施形態による、印刷手法により形成されるバイパスダイオードの断面図である。
【
図8】本発明の実施形態による、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法における操作を表すフローチャートである。
【
図9A】本発明の実施形態による、
図8のフローチャートの操作802に対応する太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図9B】本発明の実施形態による、
図8のフローチャートの操作804に対応する太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図9C】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図9D】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図である。
【
図9E】本発明の実施形態による、太陽電池の製造における段階の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
太陽電池のためのバイパスダイオードが本明細書において記載される。以下の記載において、本発明の実施形態の全体的な理解をもたらすために、具体的なダイオード構造及びプロセスフロー操作など、多数の具体的な詳細が記載される。これらの具体的な詳細を使用することなく、本発明の実施形態を実践することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。本発明の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、金属コンタクト部形成技術などの、周知の製造技術は詳細に説明されない。更には、図に示される様々な実施形態は、例示的な表示であって、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解するべきである。
【0006】
太陽電池のためのバイパスダイオードが本明細書において開示される。一実施形態において、太陽電池のバイパスダイオードは、太陽電池の基板を含む。バイパスダイオードはまた、基板上に配置された第1導電型の第1導電性領域を含む。バイパスダイオードはまた、第1導電性領域上に配置され、第1導電型と反対の第2導電型の第2導電性領域を含む。
【0007】
本明細書において、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法が開示される。一実施形態において、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法は、太陽電池の基板上に、第1導電型の第1導電性領域を形成する工程を含む。製造方法はまた、第1導電型とは反対の第2導電型の第2導電性領域を、第1導電性領域の最上部内に第1導電性領域に囲まれるように設けられるが、第1導電性領域の最下部には設けられないように形成する工程を含む。別の実施形態において、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法は、太陽電池の基板上に、第1導電型の第1導電性領域を形成する工程を含む。製造方法はまた、第1導電性領域上に、第1導電型と反対の第2導電型の第2導電性領域を印刷する工程を含み、第2導電性領域は、第1導電性領域の上面が露出した状態を維持するべく、第1導電性領域よりも狭く印刷される。
【0008】
太陽電池は典型的には、遮光される又は汚れが付着すると逆バイアスされ、発熱する。バイパスダイオードは、このような事象において太陽電池が故障するのを防ぐために使用することができる。しかしながら、バイパスダイオードが列毎(例えば、12〜18個の電池)に取り付けられるために、発電力が失われる場合があり、また、ホットスポットが存在する場合は、保護は完璧でない。したがって、個別の電池のバイパスダイオードを保護することが望ましいと考えられる。
【0009】
本発明の実施形態により、各太陽電池を個別に保護するために、内蔵型バイアスダイオード保護が提供される。保護は逆バイアス事象及びホットスポットの温度抑制のためのものである。一実施形態において、垂直PN接合ポリシリコンダイオードは、レーザプロセスを使用して、ポリシリコンエミッタの一部をドーピングすることによって作製される。一実施形態において、垂直PN接合ポリシリコンダイオードは、ドーピングした非晶質シリコン又はナノ結晶性シリコン層を、ポリシリコンエミッタの上部に堆積することによって作製される。いずれにせよ、作製されるダイオードは、太陽電池のためのバイパスダイオードとして機能し、ホットスポットの温度を低減させる。特定の実施形態において、内蔵バイパスダイオードを提供するため、できる限り少ないプロセス操作が適用される。更に、接合が横方向接合ではなく垂直接合であるため、ダイオードは、対応する太陽電池の小さな面積のみを犠牲にして形成可能である。実施形態において、通常のパネル及び集光太陽電池の両方において有用である。
【0010】
図1には、本発明の実施形態による、太陽電池のためのモノリシックバイパスダイオードの上面図が例示されている。
図1に示すように、太陽電池の部分100は、N+領域104及びP+領域106を有するポリシリコンバイパスダイオード102を含む。金属グリッド108は、104及び106の両領域と接触する。ダイオードの概略110によって表されるように、バイパスダイオード102は、対応する太陽電池へと分路されている。
【0011】
一実施形態において、バイパスダイオード102は、トレンチによって横方向に、及びP+/n−Siベース接合によって垂直に分離される。一実施形態において、P+ポリシリコンは、バイパスダイオード102の底部にあり、他のPフィンガーとは分離されている。一実施形態において、バイパスダイオード102が占める面積は、発電に使用することができず、したがって、太陽電池の全面積に対して小さくなるように作製される。一実施形態において、バイパスダイオード102は、電力消費を低減するために、逆バイアスにおいてより高い電流を供給する。トレンチ分離については、何れもSunPower Corporation(San Jose,CA,USA)が出願人である、米国特許第7,812,250号及び米国特許出願公開第2009/0308438号公報に記載される技術により達成することができる。
【0012】
本発明の態様において、レーザドーピングプロセスは、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造に使用することができる。例えば、
図2は、本発明の実施形態による、太陽電池のためのバイパスダイオードを製造するために、レーザを使用してP型エミッタ領域の一部をドーピングして、その部分をN型領域に変換するプロセスを例示する概略図である。
図2に示すように、レーザ202は、P型ポリシリコンエミッタ領域204の一部をドーピングして、N型ポリシリコン206へと変換するために使用される。レーザドーピング法により、垂直PN接合ポリシリコンダイオード208が提供される。かかるダイオードを太陽電池と組み込むことは、逆バイアスにおいて、電池のバイパス保護を可能にし得る。特定の実施形態において、レーザドーピングは、前駆体膜としてリンケイ酸ガラス(PSG)又はPOCl
3を使用して、又は、ガス浸漬レーザドーピングプロセスを使用して、P型ポリシリコンをN型ポリシリコンへとカウンタードーピングするために使用される。別の特定の実施形態において、レーザドーピングは、POCl
3又はリン酸ガスを用いたアニール又はドーパントによるプロセス操作などの、前のプロセス操作によって成長された、リンがドーピングされた酸化膜を使用して、P型ポリシリコンを、N型ポリシリコンへとカウンタードーピングするために使用される。別の特定の実施形態において、レーザドーピングは、液体前駆体による水ジェットレーザドーピングを使用して、P型ポリシリコンをN型ポリシリコンへとカウンタードーピングするために使用される。
【0013】
図3には、本発明の実施形態による、
図2のP型及びN型領域を含むバイパスダイオードの上面図が例示されている。
図3を参照し、N型ポリシリコン206は、P型パッド210と接触する。ポリシリコンダイオード208のP型部分との接触も設けられ、複数の太陽電池へと分岐する内蔵型ダイオード208の相互接続を提供する。このようなバイパスダイオードの空間領域は、必要とされる電流保護の度合い、及び、順方向バイアスにおいて選択される犠牲の程度によって調節され得る。
【0014】
図4には、本発明の実施形態により、レーザドーピングにより形成されるバイパスダイオードの断面図が例示されている。垂直N+/P+バイパスダイオード(
図4の破線の円402内に位置する)は、上記のレーザプロセスを使用して、P+ポリシリコンを、N+ポリシリコンにカウンタードーピングすることによって作製され得る。
【0015】
図4に示すように、太陽電池400のためのバイパスダイオード402は、太陽電池400の基板404を含む。第1導電型の第1導電性領域406は、基板404の上に設けられる。第2導電性領域408は、第1導電性領域406上に設けられる。第2導電性領域408は、第1導電型と反対の第2導電型である。
図4に示されるように、一実施形態において、第2導電性領域408は、第1導電性領域406の最上部内に配置され囲まれるが、第1導電性領域406の最下部内には設けられない。
【0016】
図2及び
図3に関連して記載したように及び
図4に表されるように、一実施形態において、基板404は、N型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はP型であり、第2導電型はN型であり、第2導電性領域408はP型領域内に設けられ囲まれる。しかしながら、別の実施形態において、基板404は、P型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はN型であり、第2導電型はP型であり、第2導電性領域408は、N型領域内に設けられて、これによって囲まれる。
【0017】
一実施形態において、バイパスダイオード402は、基板404上に配置された薄い誘電体層410を更に含む。
図4に示されるように、第1導電性領域406は薄い誘電体層410の上に設けられる。一実施形態において、薄い誘電体層410は、およそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する酸化シリコン層である。一実施形態において、バイパスダイオード402は、基板404内に設けられて第1導電性領域406の下の基板404の部分を囲むアイソレーショントレンチ412を更に含む。一実施形態において、アイソレーショントレンチ412は、反射防止コーティング層など誘電体層414に覆われ、これは、
図4に示されるように、第1導電性領域406及び第2導電性領域408上にそれぞれ設けられている。
図4に表されるように、特定の実施形態において、アイソレーショントレンチ412の底面は、不規則又は規則的にテクスチャ加工したパターンを有する。不規則又は規則的にテクスチャ加工したパターンは、基板404の露出領域に異方性エッチングプロセスを適用することによって形成されてもよく、そのパターンは基板404の結晶面によって決定され得る。バイパスダイオード402、したがって太陽電池400は、金属コンタクト層416などの他の構造を含み得る。太陽電池400は、裏面コンタクト部418などの、裏面コンタクト部の形成のために好適な構造を含み得る。
【0018】
図5には、本発明の実施形態による、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法における操作を表すフローチャート500が例示されている。
図6A〜6Fは、本発明の実施形態による、
図5のフローチャートの操作に対応する、太陽電池の製造における様々な段階での断面図が例示されている。
【0019】
フローチャート500の操作502及び対応する
図6Aに示すように、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法は、太陽電池の基板604上に第1導電性領域602を形成する工程を含む。一実施形態において、第1導電性領域602は、第1導電型である。一実施形態において、第1導電性領域602の形成には、ポリシリコンを含むドーピングされた多結晶層、ドーピングされたナノ粒子、ドーピングされた非晶質膜、又は、導電性ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない材料を使用する工程が含まれる。また
図6Aに示されるように、裏面コンタクト部のための領域など、他の導電性領域が形成されてもよい。例えば、領域606は、第1導電型を有し、領域608は、反対の第2の導電型を有する。
【0020】
フローチャート500の操作504及び対応する
図6B及び
図6Cに示すように、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法は、第2導電性領域610が、第1導電性領域の最上部内に第1導電性領域によって囲まれるように設けられるが、第1導電性領域の最下部601には設けられないように形成する工程を含む。一実施形態において、第2導電性領域610は、第1導電型と反対の第2導電型である。一実施形態において、第2導電性領域610を形成する工程は、上記のレーザドーピングプロセス699を使用する工程を含む。特定の実施形態において、基板604は、N型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はP型であり、第2導電型はN型である。しかしながら、別の実施形態において、基板604は、P型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はN型であり、第2導電型はP型である。
【0021】
図6Aを再び参照し、一実施形態において、製造方法は、第1導電性領域602を形成する工程の前に、基板上に薄い誘電体層612を形成する工程を更に含み、第1導電性領域602は、薄い誘電体層612上に形成される。一実施形態において、薄い誘電体層612は、およそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する、酸化シリコン層である。
【0022】
図6Dに示すように、一実施形態において、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法はまた、基板604に設けられ、第1導電性領域602の下の基板604の部分を囲むアイソレーショントレンチ614を形成する工程を含む。一実施形態において、製造方法はまた、アイソレーショントレンチ614内、並びに、第1導電性領域602及び第2導電性領域610の少なくとも一部上に、誘電体層618を形成する工程を含む。
図6Fに示すように、特定の実施形態において、その後のコンタクト部の形成のために、誘電体層618内に開口部が形成される。別の特定の実施形態において、
図6Eに表されるように、本方法は更に、誘電体層618を形成する工程の前に、アイソレーショントレンチ614の底面をエッチングして、規則的又は不規則的にテクスチャ加工したパターン616を付与する工程を含む。
【0023】
図6A〜
図6Fに関して記載されるプロセスは、上記の順序以外の順序で行われてもよい。例えば、一実施形態では、アイソレーショントレンチ614の形成(
図6Dに形成されるものとして図示される)の後に、及び、不規則又は規則的にテクスチャ加工したパターン616の形成(
図6Eに形成されるものとして図示される)の後に、第2導電性領域610(
図6B及び
図6Cにおいて形成されるものとして図示される)が形成される。別の実施形態では、アイソレーショントレンチ614の形成(
図6Dに形成されるものとして図示される)の後であって、不規則又は規則的にテクスチャ加工したパターン616の形成(
図6Eに形成されるものとして図示される)前に、第2導電性領域610(
図6B及び
図6Cにおいて形成されるものとして図示される)が形成される。別の実施形態では、アイソレーショントレンチ614の形成(
図6Dに形成されるものとして図示される)の後、不規則又は規則的にテクスチャ加工したパターン616の形成(
図6Eに形成されるものとして図示される)の後、並びに、誘電体層618の開口部(
図6Fにおいて形成されるものとして図示される)の形成の後に、第2導電性領域610(
図6B及び
図6Cにおいて形成されるものとして図示される)が形成される。
【0024】
本発明の別の態様において、太陽電池のためのバイパスダイオードを作製するために印刷プロセスを使用することができる。例えば、一実施形態において、個別の電池バイパスダイオード保護を提供するために、ドーピングされたナノ粒子のインクジェットが使用される。この方法は、ナノ粒子太陽電池に適用可能であり、様々なエミッタの作製において使用され得る。
【0025】
上記のように、バイパスダイオードは、太陽電池が遮光又は汚れによって逆バイアスとなり、発熱したときに、逆電圧による故障から保護するために使用することができる。太陽電池毎に1つのバイパスダイオードを埋め込むことは一般的に高価すぎて実施できないため、実際には、バイパスダイオードは通常、太陽電池の群にわたって配置される。例えば、従来では、バイパスダイオードを太陽電池に加えることは、集光式シリコン太陽電池における費用要件を満たすために電池の群に対してのみ行われ、薄膜太陽電池の堆積及びパターン化工程の一部として行われている。それでも、モジュール内に最大短絡電流を集めるためには、遮光された電池を個別にバイパスすることが理想的であり得る。したがって、一実施形態において、インクジェットドーピングされたシリコンナノ粒子プロセスに追加的な操作を行うことなく、個別の電池にバイパスダイオードを埋め込むための実用的な方法が提供される。
【0026】
一実施形態において、印刷可能なモノリシックなバイパスダイオードが、バイパスダイオードのはんだ付けを必要としないモジュール設計を含む費用対効果の高い電池/モジュールの集光太陽電池に提供される。すなわち、新たに加工工程を行うことなく、印刷可能なポリシリコンエミッタ技術を使用して、バックコンタクト型シリコン太陽電池に、埋め込みバイパスダイオードの機能を追加するための新しい方法が提供され得る。
図7を参照して以下に詳細に記載されるように、一実施形態において、ポリシリコンエミッタを形成するべくドーピングされたシリコンナノ粒子を印刷する工程において、バイパスダイオード領域も印刷される。
【0027】
印刷されるバイパスダイオードにおいて、N
+及びP
+エミッタは、対応する死角領域の金属化及び最小化のために最適化される特定の領域内に、垂直に印刷され得る。すなわち、レイアウトの際に、順バイアス状態ではバイパスダイオード領域が死角領域となることを考慮してもよい。印刷後、シリコンエミッタを溶解させて電流経路を設けるべく、焼結又は硬化プロセスが行われてもよい。バイパスダイオードのために垂直に積層されたN
+/P
+エミッタの間の、内部混合又は拡散は、最小であるものと想定され得る。一実施形態において、生じる垂直PN接合ポリシリコンダイオードは、太陽電池のためのバイパスダイオードとして機能し、かつ、ホットスポットの温度を低減させる。一実施形態において、連続的な構造を形成するために、印刷されたエミッタを焼結又は融解させるべく焼結が適用される。特定の実施形態において、バイパスダイオードのための垂直に積層されたN+/P+エミッタの間の内部混合又は拡散はごく僅かである。
【0028】
図7には、本発明の実施形態による印刷手法により形成されるバイパスダイオードの断面図が例示されている。上記のように、垂直N+/P+バイパスダイオード(
図7の破線の円702内に位置する)は、ドーピングしたシリコン(Si)ナノ粒子又はドーピングした有機半導体を使用して作製されてもよい。
【0029】
図7に示すように、太陽電池700のためのバイパスダイオード702は、太陽電池700の基板704を含む。第1導電型の第1導電性領域706は、基材704の上に設けられる。第2導電性領域708は、第1導電性領域706上に設けられる。第2導電性領域708は、第1導電型と反対の第2導電型である。
図7に示されるように、一実施形態において、第2導電性領域708は、第1導電性領域706よりも狭く、第1導電性領域706の上面707が露出している。
【0030】
図7に示されるように、一実施形態において、基板704は、N型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はP型であり、第2導電型はN型であり、第1導電性領域706の上面を露出させることは、P型領域を露出させることを含む。しかしながら、別の実施形態において、基板704は、P型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はN型であり、第2導電型はP型であり、第1導電性領域706の上面を露出させることは、N型領域を露出させることを含む。
【0031】
一実施形態において、バイパスダイオード702は、基板704上に配置された、薄い誘電体層710を更に含む。
図7に示されるように、第1導電性領域706は薄い誘電体層710の上に配置される。一実施形態において、薄い誘電体層710は、およそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する酸化シリコン層である。一実施形態において、バイパスダイオード702は、基板704内に設けられて第1導電性領域706の下の基板704の部分を囲むアイソレーショントレンチ712を更に含む。一実施形態において、アイソレーショントレンチ712は、反射防止コーティング層などの誘電体層714に覆われ、これは、
図7に示されるように、第1導電性領域706及び第2導電性領域708上にそれぞれ設けられている。
図7に表されるように、特定の実施形態において、アイソレーショントレンチ712の底面は、不規則又は規則的にテクスチャ加工したパターンを有する。不規則又は規則的にテクスチャ加工したパターンは、基板704の露出領域に異方性エッチングプロセスを適用することによって形成されてもよく、この場合、パターンは基板704の結晶面によって決定される。バイパスダイオード702、したがって太陽電池700は、金属コンタクト層716などの他の構造を含み得る。太陽電池700は、裏面コンタクト部718などの、裏面コンタクト部の形成のために好適な構造を含み得る。
【0032】
図8には、本発明の実施形態による、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法における操作を表すフローチャート800が例示されている。
図9A〜9Eには、本発明の実施形態による、
図8のフローチャートの操作に対応する、太陽電池の製造における様々な段階での断面図が例示されている。
【0033】
フローチャート800の操作802及び対応する
図9Aに示すように、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法は、太陽電池の基板904の上に第1導電性領域902を形成する工程を含む。一実施形態において、第1導電性領域902は、第1導電型である。一実施形態において、第1導電性領域902を形成する工程は、ドーピングしたナノ粒子、ドーピングした非晶質膜又は導電性ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない材料を使用する工程を含む。また
図9Aに示されるように、裏面コンタクト部のための領域など、他の導電性領域がまた形成されてもよい。例えば、領域906は、第1導電型を有し、領域908は、第2の反対の導電型を有する。
【0034】
フローチャート800の操作804及び対応する
図9Bに示すように、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法はまた、第1導電性領域902上に、第1導電型と反対の第2導電型の第2導電性領域910を印刷する工程を含み、第2導電性領域910は、第1導電性領域902の上面903が露出した状態を維持すべるべく、第1導電性領域よりも狭く印刷される。一実施形態において、第1導電性領域902上に第2導電性領域910を印刷する工程としては、インクジェットプロセス、スクリーン印刷プロセス又はエアゾールジェットプロセスが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、第2導電性領域910を印刷する工程は、ドーピングしたナノ粒子、ドーピングした非晶質膜又は導電性ポリマーが挙げられるがこれに限定されない材料を使用する工程を含む。別の実施形態において、第2導電性領域910は、最初に、第1導電性領域とほぼ同じ幅を有するように印刷される。そして、工程において、例えば、レーザアブレーションによりコンタクト部を形成する工程において、第2導電性領域910の幅が第1導電性領域の幅よりも狭く形成される又は開口部が形成されることにより、第1導電性領域902の上面903の一部が露出される。
【0035】
一実施形態において、第2導電性領域910は、第1導電型と反対の第2導電型である。一実施形態において、基板904は、N型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はP型であり、第2導電型はN型である。しかしながら、別の実施形態において、基板904は、P型ドーパント不純物原子でドーピングされ、第1導電型はN型であり、第2導電型はP型である。
【0036】
図9Aを再び参照し、一実施形態において、製造方法は、第1導電性領域902を形成する工程の前に、基板上に薄い誘電体層912を形成する工程を更に含み、第1導電性領域902は、薄い誘電体層912上に形成される。一実施形態において、薄い誘電体層912は、およそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する酸化シリコン層である。
図9Cを参照し、一実施形態において、太陽電池のためのバイパスダイオードの製造方法はまた、基板904に設けられ、第1導電性領域902の下の基板904の部分を囲むアイソレーショントレンチ914を形成する工程を含む。一実施形態において、製造方法はまた、アイソレーショントレンチ914内、並びに、第1導電性領域902及び第2導電性領域910それぞれの少なくとも一部上に、誘電体層918を形成する工程を含む。
図9Eに表されるように、特定の実施形態において、その後のコンタクト部の形成のために、誘電体層918内に開口部が形成される。別の特定の実施形態において、
図9Dに表されるように、製造方法は更に、誘電体層918を形成する工程の前に、アイソレーショントレンチ914の底面をエッチングして、規則的又は不規則的にテクスチャ加工したパターン916を付与する工程を含む。
【0037】
以上、太陽電池のためのバイパスダイオードが開示された。本発明の実施形態によれば、太陽電池のためのバイパスダイオードは、太陽電池の基板を含む。第1導電性領域は、基板の上に設けられ、第1導電型である。第2導電性領域は第1導電性領域上に設けられ、第1導電型と反対の第2導電型である。一実施形態において、第2導電性領域は、第1導電性領域よりも狭く、第1導電性領域の上面が露出している。第2導電性領域は、第1導電性領域の最上部内に設けられ、かつ第1導電性領域囲まれるが、第1導電性領域の最下部内には設けられない。