(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752802
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】デンタル閉塞活性物質を含有する非水性オーラルケア組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20150702BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20150702BHJP
A61K 8/24 20060101ALI20150702BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20150702BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20150702BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20150702BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/11
A61K8/24
A61K8/44
A61K8/891
A61K8/92
A61Q11/00
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-544446(P2013-544446)
(86)(22)【出願日】2010年12月20日
(65)【公表番号】特表2013-545801(P2013-545801A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2010061324
(87)【国際公開番号】WO2012087281
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】590002611
【氏名又は名称】コルゲート・パーモリブ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001874
【氏名又は名称】特許業務法人IPyS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイムズ・ボイド
(72)【発明者】
【氏名】スマン・クマール・チョプラ
(72)【発明者】
【氏名】サリータ・ベラ・メロ
(72)【発明者】
【氏名】ラフル・ペイテル
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ケンベロ・オントゥミ
【審査官】
岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−086132(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0202450(US,A1)
【文献】
国際公開第99/006031(WO,A1)
【文献】
特表2009−517400(JP,A)
【文献】
特表2012−522801(JP,A)
【文献】
MILLER et al.,Evaluation of a New Dentifrice for the Treatment of Sensitive Teeth,The Journal of Clinical Dentistry,1994年,Vol.V, Special Issue,pp.71-79
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/81
A61K 8/11
A61K 8/24
A61K 8/44
A61K 8/891
A61K 8/92
A61Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーラルケア組成物であって、
(a)親水性フィルム形成ポリマー;および
(b)疎水性担体を含み、
10重量%未満の水を含み、
ここに、前記親水性フィルム形成ポリマーは象牙質細管を閉塞するのに有効であり、前記親水性フィルム形成ポリマーはオーラルケア組成物の2-5重量%を占め、マレイン酸無水物のコポリマーの酸形態であり、前記疎水性担体がオーラルケア組成物の55-85重量%を占め、ポリリン酸塩をさらに含む、オーラルケア組成物。
【請求項2】
1重量%未満の水を含む、請求項1のオーラルケア組成物。
【請求項3】
疎水性担体が油、ワックスおよびシリコーンよりなる群から選択される少なくとも一つの要素を含む、請求項1または2のオーラルケア組成物。
【請求項4】
疎水性担体が植物油およびシリコーン油のうち少なくとも一つを含む、請求項1〜3いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項5】
疎水性担体がC6からC12トリグリセリドを含む、請求項1〜4いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項6】
ポリリン酸塩がピロリン酸四カリウム (TKPP)およびピロリン酸四ナトリウム (TSPP)よりなる群から選択される少なくとも一つの要素である、請求項1〜5いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項7】
ポリリン酸塩がオーラルケア組成物の1-7重量%を占める、請求項1〜6いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項8】
オーラルケア組成物がカリウム塩を含まない、請求項1〜7いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項9】
オーラルケア組成物がグアニジンを含まない、請求項1〜8いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項10】
パシュリーセルに接続する流量計で測定して、60%を超える流量減少を有する、請求項1〜9いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項11】
5-25重量%の香味剤および0.1-5重量%の甘味剤をさらに含む、請求項1〜10いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項12】
研磨剤、抗菌剤、発泡剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、歯石除去剤、抗炎症剤、抗う蝕剤、香味剤、甘味剤および着色料よりなる群から選択される少なくとも一つの要素をさらに含む、請求項1〜11いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項13】
ゼラチンを含むカプセル内部にカプセル化された、請求項1〜12いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項14】
21℃にて固体である、請求項1〜13いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項15】
アルギニンを含む、請求項1〜8いずれかのオーラルケア組成物。
【請求項16】
歯ブラシであって、
ハンドル;
ハンドルに搭載され、外表面および、前記外表面から外向きに延長する複数の歯クリーニングエレメントを含むヘッド;ならびに
請求項1〜13いずれかのオーラルケア組成物を含有し、前記ヘッド上に配置されたゼラチンカプセル
を含む、歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、象牙質知覚過敏症の治療および/または予防用のオーラルケア組成物、ならびにそれを含むオーラルケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PCT/US2010/039677は、二相(水性/非水性)マウスウォッシュにアルギニンおよびメチルビニルエーテル/マレイン酸無水物 (GANTREZ S
TM)のフィルム形成ポリマーを使用して、象牙質細管を閉塞し、それによって、歯知覚を低減するのに有効な高接着性フィルムを形成することを開示する。
【0003】
オーラルケア組成物にアルギニンおよび/またはGANTREZを使用することを開示する他の刊行物は、米国特許出願第20090202456 A1号、米国特許出願第20090311200 A1号および米国特許出願第20100135932 A1号を含む。
【0004】
Schiffら、"Efficacy of a oral care containing potassium nitrate, soluble pyrophosphate, PVM/MA copolymer, and sodium fluoride on dentinal hypersensitivity: a twelve-week clinical study." J Clin Dent. 1994;5 Spec No:87-92"は、シリカベース中に0%硝酸カリウム、1.3%可溶性ピロリン酸塩、1.5% PVM/MAコポリマー、および0.243%フッ化ナトリウムを含有するオーラルケアが、硝酸カリウムを欠如するプラセボと比較して、象牙質知覚過敏症を著しく改善することを開示する。
【0005】
非水性オーラルケア組成物は分野公知である。例えば、以下参照せよ:米国特許第4292304号は、実質的に無水物であるカプセル化油ベースのオーラルケア組成物を開示し;米国特許第5571502号は、水溶性である親水性、非水性ビヒクル中に水溶性オーラルケア活性物質を含む非水性練歯磨剤またはジェルを開示し;米国特許第6696045号は、水に不安定および/または共反応性活性物質および約10%未満の水を含むオーラルケア組成物を開示し;ならびに米国特許第7087219号は、ミネラル油担体中、オーラルケア活性物質からなる練歯磨剤を開示する。
【0006】
前記開発にも関わらず、象牙質知覚過敏症を治療または予防するのに有効な、改善された非水性オーラルケア組成物を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0007】
ここに記載される様々な具体例は、デンタル閉塞活性物質を含有する非水性オーラルケア組成物を提供することによって、前記要望を満足する。
【0008】
本発明の一つの局面によれば、オーラルケア組成物は、(a)親水性フィルム形成ポリマー;および(b)疎水性担体を含み、ここに、前記親水性フィルム形成ポリマーは象牙質細管を閉塞するのに有効なフィルム形成ポリマーであって、前記オーラルケア組成物は10重量%未満の水を含有する。
【0009】
ある具体例において、オーラルケア組成物は1重量%未満の水を含有する。
【0010】
ある具体例において、親水性フィルム形成ポリマーはオーラルケア組成物の2-5重量%を占める。
【0011】
ある具体例において、親水性フィルム形成ポリマーはメチルビニルエーテルおよびマレイン酸無水物のコポリマーの酸形態である。
【0012】
ある具体例において、疎水性担体は油、ワックスおよびシリコーンよりなる群から選択される少なくとも一つの要素を含む。
【0013】
ある具体例において、疎水性担体は、少なくとも一つの植物油およびシリコーン油を含む。
【0014】
ある具体例において、疎水性担体は、C6からC12トリグリセリドを含む。
【0015】
ある具体例において、疎水性担体は、オーラルケア組成物の55-85重量%を占める。
【0016】
ある具体例において、オーラルケア組成物は、ポリリン酸塩をさらに含み、それは、好ましくは、ピロリン酸四カリウム (TKPP)およびピロリン酸四ナトリウム (TSPP)のうち少なくとも一つである。そのような具体例において、ポリリン酸塩は、好ましくは、オーラルケア組成物の1-7重量%を占める。
【0017】
ある具体例において、オーラルケア組成物は、カリウム塩を含まず、および/または、グアニジンを含まない。
【0018】
ある具体例において、オーラルケア組成物は、パシュリーセル [Pashley's cell]に接続する流量計で測定して、60%を超える流量減少を有する。
【0019】
ある具体例において、オーラルケア組成物は、5-25重量%の香味剤および0.1-5重量%の甘味剤をさらに含む。
【0020】
ある具体例において、オーラルケア組成物は、研磨剤、抗菌剤、発泡剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、歯石除去剤、抗炎症剤、抗う蝕剤、香味剤、甘味剤および着色剤よりなる群から選択される少なくとも一つの要素をさらに含む。
【0021】
ある具体例において、オーラルケア組成物は、ゼラチンを含むカプセル内部にカプセル化される。
【0022】
ある具体例において、オーラルケア組成物は21℃にて固体である。
【0023】
本発明のもう一つの局面によれば、歯を洗浄する方法は、親水性フィルム形成ポリマーが象牙質細管を閉塞するように、本発明のオーラルケア組成物を歯に適用することを含む。
【0024】
本発明のさらにもう一つの局面によれば、歯ブラシは、ハンドル;ハンドルに搭載され、外表面および、前記外表面から外向きに延長する複数の歯クリーニングエレメントを含むヘッド;および、本発明のオーラルケア組成物を含有し、前記ヘッド上に配置されたゼラチンカプセルを含む。
【発明を実施するための形態】
【0025】
全体を通して用いられるとき、範囲は、その範囲内の各々かつ全ての値を記述する省略形として用いられる。その範囲内のいずれの値もその範囲の終端として選択できる。さらに、ここで引用される全ての文献は出典明示して、それらの全体が、本明細書に含まれるとみなされる。本開示の定義と引用文献のものとで齟齬が生じた場合、本開示が支配する。さらに、組成物および方法は、ここに記載されたエレメントを含み、本質的からなり、またはからなる。
【0026】
特記ない限り、明細書中、ここでおよび他の箇所で表現されるすべてのパーセンテージや量は、重量パーセントをいうと理解されるべきである。所与の量は物質の有効重量に基づく。ここでの特定の値への言及は、その値プラスマイナス測定誤差を考慮した変動の程度を示すことを意図する。例えば、10%の量は、当業者が理解する測定誤差の程度を加味して9.5%または10.5%を含む。
【0027】
ここで用いるとき、用語「治療」または「治療する」は、疾病の予防、ならびに、部分的および/または完全寛解を含むことを意図する。オーラルケア組成物(本発明による方法にかかる請求項に関する)の当業者は、用語「治療する」は絶対的な用語ではないと認識する。むしろ、その用語は、疾病の見込みや重篤性を低減するための組成物の予防的投与を意図すると理解され、感覚的なものである。
【0028】
化合物の「口腔学的に許容される量」は、そのような量を含有する組成物を、嚥下することなく、ここで提供されるように、口腔表面への適用を許容するのに十分な期間口中にとどめるとき、哺乳類に有害ではない量である。一般に、前記化合物のそのような量は、その組成物を間違って嚥下したとしても有害ではない。「口腔学的に許容される担体」は、組成物を嚥下せずに口の中にとどめる組成物にそのような担体を用いたとき、哺乳類に有害ではないいかなるビヒクルまたは担体をいう。
【0029】
上記のように、本発明の組成物は、好ましくは、非水性である。ここで用いるとき、語句「非水性」は、組成物が、その組成物中の活性剤の活性を早まって引き起こすか、その組成物の安定性を低減するような量では水を含まないことを意味する。好ましくは、本発明の組成物は、水を含まないか、または、水和水を持つ塩由来の痕跡量の水のみを含む。かくして、ある具体例において、使用前に、前記組成物には水を添加しない。
【0030】
練歯磨剤およびジェルのような配合されたオーラルケア組成物は、多数の機能的かつ活性のある成分を含有し、それらのそれぞれが、少なくとも一つの所望する特性に寄与する。適切に配合されたオーラルケア組成物は、オーラルヘルスを促進するための定期的使用に適している。機能性添加物は、他の成分を分散し、活性かつ機能的物質を口腔表面への送達を与える発泡剤および、歯の表面上の歯石の形成を防止する歯石除去剤、ならびに、フレーバーおよび顔料のような審美機能性成分を含む。活性成分は、使用によりフッ素イオンの源を供給する抗う蝕剤を含む。様々な組成物は、抗菌特性を持つ化合物または構成要素を含み、例えば、表面への歯垢の形成を低減する。さらなる活性成分は、歯肉炎のような疾病の予防および治療用の抗炎症特性を持つものを含む。
【0031】
この記載を通して、語句「オーラルケア活性物質」は、オーラルケア治療中に活性効果を付与する構成要素をいう。オーラルケア活性物質は、限定されないが、発泡剤、抗菌剤、ホワイトニング剤、抗歯石剤、抗微生物剤、歯石除去剤、抗炎症剤、抗知覚過敏剤などを含む。
【0032】
本発明は、ある部分、象牙質知覚過敏症を治療および/または予防するのに有効な親水性オーラルケア活性物質を含有する非水性オーラルケア組成物を提供する要望によって動機付けされた。そのような親水性オーラルケア活性物質は、水性オーラルケア組成物中に溶解したときに、有用であることは知られていたが、そのような親水性オーラルケア活性物質は、従来、それらの作用の様式を付与するのに移動度および溶解度に依存すると信じられ、非水性組成物によって有効に投与できるとは予期されなかった。
【0033】
かくして、本発明のオーラルケア組成物の基礎的な具体例は、疎水性担体に懸濁した、象牙質知覚過敏症の治療に有効な親水性フィルム形成ポリマーを含み、その組成物は非水性である。
【0034】
適当な親水性フィルム形成ポリマーは、付加的にグアニジンを含むことができる。
【0035】
フィルム形成ポリマーは、好ましくは、マレイン酸無水物または酸ともう一つの重合性エチレン性不飽和モノマー、好ましくは約30,000から約1,000,000の分子量 (M.W.)を有するメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)との合成1:4から4:1コポリマーである。このコポリマーは、通常、それらの遊離酸または、好ましくは部分的により好ましくは完全に中和された水溶性アルカリ金属(カリウムおよび、好ましくはナトリウム)またはアンモニウム 塩の形態で採用される。
【0036】
一つの特に好ましいフィルム形成ポリマーは、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)を含む合成コポリマーである。もう一つの具体例において、コポリマーは、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)ハーフエステルを含む。もう一つの具体例において、コポリマーは、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)混合塩を含む。
【0037】
いかなる分子量のポリマーも用いることができ、例えば、50,000から500,000、500,000から2,500,000または2,500,000から10,000,000(数平均または重量平均のいずれかで計算される)の分子量を含む。好ましい具体例において、コポリマーは130,000の分子量を有する。一つの具体例において、ポリマーは200,000の分子量を有する。一つの具体例において、コポリマーは690,000の分子量を有する。一つの具体例において、コポリマーは1,000,000の分子量を有する。一つの具体例において、コポリマーは1,250,000の分子量を有する。一つの具体例において、コポリマーは1,980,000の分子量を有する。もう一つの具体例において、コポリマーは2,500,000の分子量を有する。なおもう一つの具体例において、コポリマーは5,000,000の分子量を有する。これらのコポリマーの例は、GANTREZ、例えば、GANTREZ AN 139 (M.W. 1,100,000)、GANTREZ AN 119 (M.W. 200,000)、GANTREZ S-97 医薬品級 (M.W. 1,500,000)、GANTREZ AN 169 (M.W. 2,000,000)、およびGANTREZ AN 179 (M.W. 2,400,000)の商標名でISP Corporationから入手可能であり;ここに、好ましいコポリマーはGANTREZ S-97 医薬品級 (M.W. 1,500,000)である。
【0038】
フィルム形成ポリマーは象牙質知覚過敏症を低減するのに有効な量で供給され、好ましくは、オーラルケア組成物の0.1-10重量%または1-6重量%または2-5重量%を占める。
【0039】
象牙質知覚過敏症を治療するのに有効な親水性フィルム形成ポリマーと共に使用するのに適当なグアニジンは、口腔に存在する条件下でグアニジニウムイオンを形成することができるグアニジン基を含有する化合物である。適当なグアニジン活性物質は、限定されないが、炭酸水素アルギニン、水酸化アルギニン、炭酸アルギニン、リン酸アルギニン、有機リン酸アルギニン、フィチン酸アルギニン、アミノアルギニンおよびアミノグアニジニウムアナログを含む。L-アルギニンが特に好ましい。
【0040】
グアニジン有効物質は、象牙質知覚過敏症を低減するのに有効な量で供給され、存在する場合、好ましくは、オーラルケア組成物の0.1-15重量%または1-10重量%または3-7重量%を占める。本発明のある具体例は、グアニジンを含まない。
【0041】
親水性フィルム形成ポリマーは、好ましくは、本発明の組成物に安全かつ有効な量で供給される。好ましくは、親水性フィルム形成ポリマーは、オーラルケア組成物の0.01または0.1または1または2重量%から5または6または10または20重量%を占める。ある具体例において、親水性フィルム形成ポリマーは、オーラルケア組成物の0.1-20重量%または1-10重量%または2-5重量%を占める。
【0042】
親水性フィルム形成ポリマーに加えて、本発明のオーラルケア組成物は、植物油および/またはシリコーン油のような疎水性担体をさらに含む。疎水性担体は、好ましくは、組成物の50-90重量%、より好ましくは55-85重量%、最も好ましくは60-80重量%を占める。中鎖トリグリセリド (MCT)が疎水性担体として好ましい。MCTは、典型的に、約6から約12炭素長である。MCTは、植物油であり得る。カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、本発明に用いるのに好ましいMCTの非制限的な例である。
【0043】
親水性フィルム形成ポリマーおよび疎水性担体に加えて、このオーラルケア組成物は、任意で、1以上の口腔学的に許容される研磨剤、香味料、着色料、甘味料、加工助剤、および粘度調整剤をさらに含むことができる。粘度調整剤は、シリコーン接着剤およびシリコーン樹脂を含むものとして説明される。
【0044】
ある具体例において、オーラルケア組成物は、1から10重量%、好ましくは2.5から7重量%、最も好ましくは5重量%の高洗浄性研磨剤を含み、から本質的になり、または、からなり、適用ごとに送達される研磨剤の総量は、2 mgから8 mg、好ましくは3 mgから6 mg、最も好ましくは約4 mgの研磨剤である。少量の小粒子径研磨剤が向上したステイン除去効果と閉塞効果を付与する。
【0045】
研磨剤が高洗浄性シリカ、ピロリン酸四ナトリウム (TSPP)、ピロリン酸四カリウム (TKPP)、トリポリリン酸ナトリウム (STPP)、およびそれらの混合物から選択されることが好ましい。その研磨剤は、典型的に、2から18 μmの範囲の重量平均粒子径を有し、少なくとも90 重量%の粒子が、20 μm未満のサイズを有し、シリカ粉末の水性スラリー上で測定して、90から230のRadioactive Dentine Abrasion (RDA)およびデンタル組成物に10 重量%にて配合したとき、80を超えるPellicle Cleaning Ratio (PCR)を有し、PCR対RDAの比が0.4:1から1:1未満の範囲であり、かつ、1から20の範囲のプラスチックすりへり減量 (PAV)を有する。
【0046】
以下の実施例に例示されるように、TSPPおよびTKPPのようなポリリン酸塩は、従来、歯石除去剤および/または研磨剤と定義されるが、予期せぬことに、本発明のオーラルケア組成物の具体例において、抗知覚過敏の効力を向上させる、かくして、ある好ましい具体例は、フィルム形成ポリマーとの組合せで相乗効果のある量にてポリリン酸塩を含有し、象牙質知覚過敏症を治療および/または防止し、例えば、ここに、ポリリン酸塩はオーラルケア組成物の0.5-10重量%または1-6重量%または1-2重量%または3-5重量%を占め、TSPPは0.5から3重量%の量が最も好ましく、TKPPは3から5重量%の量が最も好ましい。
【0047】
ある具体例は、特別に有効な洗浄能力を有し、そのことは、比較的少量のシリカしか含有しないオーラルケアにおける従来のRDA値にて示される比較的高いPCR値によって例証される。PCR対RDA比は1未満であるが、RDA値は、好ましくは、より高いPCR対RDA比を持つ従来のシリカよりも高く、これらの製品と比較すると、同量のシリカでより高いPCRが達成可能である。プラスチックすりへり減量は、シリカにより表面上につけられたスクラッチ量の指標であり、それゆえ、歯に対する潜在的なダメージを示す。有用なシリカは、中程度のPAVであるが、高いPCRを有し、これは、過剰なダメージを与えることなく良好な洗浄性を示す。
【0048】
本発明に有用なシリカは、好ましくは、アマニ油を用いて、70から150 cm
3/100 gの範囲の油吸収を有し、より好ましくは、油吸収は75から130 cm
3/100 gの範囲である。また、シリカは、好ましくは、10から450 m
2g
-1の範囲のBET表面積を有し、より好ましくは、BET表面積は50から300 m
2g
-1の範囲である。
【0049】
シリカの重量平均粒子径は、Malvern Mastersizer
TMを用いて決定でき、好ましい材料は、5から10 μmの範囲の重量平均粒子径を有する。粒子径分布、それゆえ、いずれかの特定の値未満のサイズを有する粒子の割合は同じ手法によって決定できる。非晶質シリカにつき、少なくとも粒子の90重量%が好ましくは17 μm未満のサイズを有する。
【0050】
特別な具体例において、その具体例で有用な研磨剤の重量平均粒子径は3から7 μmの範囲であり、少なくとも粒子の90重量%が16 μm未満、好ましくは12 μm未満のサイズを有する。
【0051】
特別な具体例において、シリカは、象牙質細管を閉塞するのに有効なサイズの粒子の形態である。かくして、シリカ粒子は、好ましくは、0.5-10ミクロンまたは1-9ミクロンまたは2-7ミクロンの平均直径を有し、5ミクロン未満の平均直径が最も好ましい。
【0052】
シリカのRadioactive Dentine Abrasion (RDA)は、100から220の範囲の値を有する。より一般的には、RDAは120から200の範囲の値を有し、しばしば、RDAは140を超える。通常、15を超えるPAVを有するシリカは、120を超えるRDAを有し、17を超えるPAVを有するものは140を超えるRDAを有する。
【0053】
非晶質シリカのPCR (10重量%にてデンタル組成物で測定)は85より大きく、好ましくは90より大きく、より好ましくは95より大きい。PCR:RDA比は、好ましくは0.5:1から0.9:1の範囲である。
【0054】
非晶質シリカは、5重量%懸濁液で測定して、好ましくは5から8の範囲、より好ましくは6から7.5の範囲のpH値を有する。デンタル組成物に使用するのに適当な非晶質シリカに存在する水の量は、1000℃にての強熱減量によって測定して、普通、25重量%まで、好ましくは15重量%までである。普通、1000℃にての強熱減量は4重量%よりも多い。
【0055】
カプセル化オーラルケア組成物および本発明のオーラルケア組成物のある非カプセル化具体例は、名前が示す通り、疎水性成分である疎水性粘度調整剤を含み、それは、疎水性液体の粘度を上昇させる。ゲル化ミネラル油は、現在、適当な疎水性粘度調整剤の最も好ましい例である。ゲル化ミネラル油は、好ましくは、ミネラル油およびポリエチレンのブレンドであり、最も好ましくは、ミネラル油中5%ポリエチレンのブレンドのPLASTIGEL 5であり、Brockton, MAにあるPharmaceutical Resources/Lyne Laboratories Inc.から入手可能である。他の適当なプラスチゲルは、Thau らの“A New Procedure for the Preparation of Polyethylene-Mineral Oil Gels,”J. Soc. Cosmetic Chemists, 16, 359-363 (1965)の教示に従って調製できる。プラスチゲルのようなゲル化ミネラル油に加えて適当な疎水性粘度調整剤は、ガイドとして本開示を用いて同定できる。
【0056】
存在するとき、疎水性粘度調整剤は好ましくは、オーラルケア組成物の1-50重量%または3-5重量%または30-40重量%を占める。
【0057】
顔料および染料のような着色剤を組成物に用いることができる。顔料は、二酸化チタンならびに酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルーおよびピンクならびに酸化第二鉄のような非毒、不水溶性無機顔料を含む。顔料は、5-1000ミクロン、好ましくは250-500ミクロンの範囲の粒子径を有し、0.5から3重量%の濃度にて存在する。
【0058】
用いる染料は、通常、食物および内服剤への使用につき米連邦食品医薬品化粧品法 (the Food Drug & Cosmetic Act)で現在承認されている食品用着色添加物であり、FD&C Red No. 3 (テトラヨードフルオレッセインのナトリウム塩)、FD&C Yellow No. 5(4-p-スルホフェニルアゾ-1-p-スルホフェニル-5-ヒドロキシピラゾル-3-カルボン酸のナトリウム塩)、FD&C Yellow No. 6 (p-スルホフェニルアゾ-B-ナフトル-6-モノスルホン酸のナトリウム塩)、FD&C Green No. 3(エチル-[4-[[4-[エチル-[(3-スルホフェニル)メチル]アミノ]フェニル]-(4-ヒドロキシ-2-スルホフェニル)メチリデン]-1-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-[(3-スルホフェニル)メチル]アザニウムのジナトリウム塩)、FD&C Blue No. 1 (ジベンジルジエチルジアミノトリフェニルのジナトリウム塩−インディゴスズのカルビノールトリスルホン酸)およびそれらの混合物のような染料を様々な割合で含む。好ましい染料濃度は、総重量の0.0005から1%の範囲である。
【0059】
いずれか適当な香味剤または甘味剤もオーラルケア組成物に組み入れることができる。適当な香味構成物質の例は、例えば、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、ササフラス、クローブ、セージ、ユーカリ、マジョラム、シナモン、レモンおよびオレンジの油などの香味油、ならびにサリチル酸メチルを含む。適当な甘味剤は、スクロース、スクラロース、ラクトース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、シクラミン酸ナトリウム、ペリラルチン、およびサッカリンナトリウムを含む。適宜、5%から25重量%、より好ましくは10%から20重量%、最も好ましくは約15重量%の量で、香味付け物質をオーラルケア組成物に含ませる。甘味剤は、オーラルケア構成要素の0.1から5重量%、より好ましくは0.25から2重量%、最も好ましくは約0.5重量%含ませることができる。
【0060】
本発明のオーラルケア組成物は非水性であり、かくして、比較的低量の水を含有する。ある具体例において、組成物は、10重量%未満または5重量%未満または1重量%未満の水を含む。オーラルケア組成物中の水の総量は、構成要素として意図的に添加した水および、他の様々な構成要素についての不純物、構成物質、副生物または溶媒として存在する水からの寄与を含む。好ましい具体例において、オーラルケア組成物は、別の構成要素として水を添加することなく配合される。そして、オーラルケア組成物の水含量は、他の様々な構成要素についての不純物、構成物質、副生物または溶媒として存在する水に由来する。
【0061】
オーラル組成物は、任意で、1以上の他の非活性成分を含有する。非限定的な例示は、希釈剤、炭酸水素塩、pH調整剤、起泡剤、増粘剤、粘度調整剤、顔料剤、甘味料、香味料および着色剤を含む。練歯磨剤、トゥースジェルその他のオーラルケア組成物は、これらのものおよび、任意で、公知の原則により他の添加物で配合される。
【0062】
オーラルケア組成物のある具体例は、ゼラチンカプセルでカプセル化する。液体または水性組成物のゼラチンカプセルでのカプセル化は、分野公知または、例えば、米国特許第4,422,985号、第4,426,337号および第5,478,570号に記載された技術を用いて達成できる。この方法は、典型的に、オーラルケア組成物のジェットおよび、そのオーラルケア組成物のジェットと同軸のコーティング物質(例えば、ゼラチン)のジェットを形成し、(任意で、第3の同軸発熱エレメントまたはホットエアーで)同軸ジェットを加熱し、次いで、その構成要素を冷却液に導入して、ゼラチンでコートされたオーラルケア組成物で形成されるカプセルを形成することを必要とする。オーラルケア組成物は、好ましくは、アルコールの不存在下で調整されるが、オーラルケア組成物に存在するいかなるアルコールも、好ましくは、各構成要素の加熱の間に蒸発させる。好ましくは、ゼラチンは、カプセル化オーラルケア組成物(すなわち、カプセルおよびオーラルケア組成物)の総重量の6から15%、より好ましくは8から12%、最も好ましくは約9%含まれる。同様に、オーラルケア組成物は、カプセル化オーラルケア組成物の総重量の85から94%、より好ましくは88から92、最も好ましくは約91%含まれる。
【0063】
いくつかの好ましい具体例で、組成物を説明してきた。さらに、以下の実施例で非限定的な説明を行う。
【実施例】
【0064】
実施例1
スティックアプリケータから給付される抗知覚過敏ワックスを以下の成分から調製した。
【0065】
【表1】
【0066】
実施例2
ペイント−オンジェルの形態の抗知覚過敏 組成物を以下の成分で調製した。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例3〜11
組成物は、水力学的減少法を用いて、歯液流について試験した。歯液流は、象牙質セグメントに取り付けた流量計 (Flodec)で測定した。アクリル性ブロックに搭載した象牙質にオーラルケア組成物を指先で1分間塗布した。過剰なオーラルケア組成物をPBSでディスクから洗い流し、70 cm H
2Oのシミュレート歯髄圧下で、歯液流を記録した。
【0069】
各サンプルディスクを、それ自体のベースラインを求めるためにオーラルケア組成物の塗布前後で試験した。処理後、40%以上の流量減少のあったサンプルを象牙質閉塞により抗知覚過敏効果があったとみなす。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
前記の実施例は、本発明の非水性オーラルケア組成物が象牙質知覚過敏症を治療および/または予防するのに有効であることを示す。表4のデータは、驚くべきことに、ポリリン酸塩が抗−知覚過敏活性の効力を向上させることを示す。特に、1.35重量% TSPPの実施例8の組成物への添加がパーセント減少を7.4%から42.07%に増加させ(実施例9参照)、4重量% TKPPの実施例8の組成物への添加がパーセン減少を7.4%から56.5%に増加させ(実施例10を参照)、1.35重量% TSPPおよび4重量% TKPPの実施例8の組成物への添加がパーセント減少を7.4%から84.58%に増加させた(実施例11を参照)。
【0073】
様々な好ましい局面を参照して、本発明を説明してきたが、本発明はそれらの開示された具体例に限定されないと理解されるべきである。当業者に思い浮かぶ変形や修正も本発明の一部であり、不随する請求項で定義される。