(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(i)が組成物(c)でありそして前記遷移金属をTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、W、Au、Cu、Znおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項1記載の方法。
前記1番目の金属がマグネシウムであり、前記2番目の金属がアルミニウムであり、前記3番目の金属が希土類金属の中の少なくとも1種でありそして前記4番目の金属をバナジウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、アンチモンおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項9記載の方法。
成分(i)が組成物(e)でありそして前記ゼオライトをフェリエライト、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−85、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト、メルリノイト、ロブダライト、レビン、ラウモンタイト、エピスチルバイト、グメロナイト、ギスモンジン、カンクリナイト、ブルーステライト、スチルバイト、ポーリンジャイト、グーセクリーカイト、ナトロライトおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項1記載の方法。
成分(ii)が組成物(c)でありそして前記遷移金属をTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、W、Au、Cu、Znおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項1記載の方法。
前記1番目の金属がMgであり、前記2番目の金属がAlであり、前記3番目の金属が希土類金属の中の少なくとも1種および白金族金属の少なくとも1種でありそして前記4番目の金属をバナジウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、アンチモンおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項10記載の方法。
成分(ii)が組成物(e)でありそして前記ゼオライトをフェリエライト、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−85、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト、メルリノイト、ロブダライト、レビン、ラウモンタイト、エピスチルバイト、グメロナイト、ギスモンジン、カンクリナイト、ブルーステライト、スチルバイト、ポーリンジャイト、グーセクリーカイト、ナトロライトおよびこれらの混合物から成る群から選択する請求項1記載の方法。
前記分解用触媒を前記接触段階から回収しそしてその使用済み触媒に処理を再生ゾーン内で受けさせることで前記触媒を再生させることも更に含んで成る請求項1記載の方法。
【背景技術】
【0002】
窒素、硫黄および炭素の有害な酸化物が産業的に排出されることによる大気汚染に関する懸念が高くなっていることから、政府当局は、そのような汚染物の中の1種以上の許容排気量に対して制限を設けている。そのような傾向は明らかに規制を益々厳しくする方向に向かっている。
【0003】
FCCの再生装置から排出される燃焼排ガス流れに入っているNO
x、即ち窒素の酸化物は広範囲に渡って問題になっている。FCCUでは窒素化合物を含有する炭化水素供給材料が処理されるが、それの一部は触媒に付着しているコークスの中に入った状態で再生装置の中に入り込む。そのようなコークスの窒素のいくらかはFCC再生装置または下流のCOボイラーのいずれかの中で最終的にNO
x排気に変化する。従って、窒素含有供給材料を処理するFCCUの全部に触媒再生が原因で起こるNO
x排気問題が存在し得る。
【0004】
FCC工程では、触媒の粒子またはインベントリー(inventory)を接触分解ゾーンと触媒再生ゾーンの間で連続的に循環させることが行われる。再生中、分解反応に由来するコークスが触媒粒子に付着するが、それは酸素含有ガス、例えば空気などによる酸化によって高温で除去される。コークス付着物を除去すると触媒粒子の活性がそれらを分解反応で再使用することができる点にまで回復する。そのコークス除去段階は幅広い範囲の酸素条件に渡って実施される。酸素を最低限でも典型的には少なくとも生じたコークスの本質的に全部がCOおよびH
2Oに変化するに充分な量で存在させる。有効な酸素の量を最大限でコークスの本質的に全部がCO
2およびH
2Oに酸化されるに必要な量に等しいか或はそれ以上の量にする。
【0005】
触媒に付着しているコークスの本質的に全部をCO
2およびH
2Oに変化させるに充分な量の空気を用いてFCCUを稼働させると、その再生装置から出て来る気体流れは「酸素を過剰」(典型的には全オフガスの0.5から4%)量で含有するであろう。そのような燃焼様式の稼働を通常は「完全燃焼(complete burn)」または「完全燃焼(full burn)」と呼ぶ。FCCU再生装置を完全燃焼様式で稼働させると、その再生装置の中の条件はたいていは酸化条件である。即ち、酸素が少なくとも気相還元種(例えばCO、アンモニア、HCNなど)の全部を変化(燃焼)させるに充分な量で存在する(これがそのような種が再生装置の中に滞留している時間の間に実際に起こるか否かに拘わらず)。そのような条件下では、分解工程中にFCCUライザーの中で触媒にコークスと一緒に付着した窒素の本質的に全部が最終的に窒素分子またはNO
xに変化した後、そのままオフガスと一緒に再生装置から出る。NO
xに変化するコークス窒素の量はそれが窒素分子に変化するのとは対照的にFCCU、特に再生装置のデザイン、条件および稼働に依存するが、典型的には、コークス窒素の大部分は窒素分子として再生装置から出る。
【0006】
他方、FCCUの再生装置に添加される空気の量が分解用触媒に付着しているコークスを充分に酸化させてCO
2およびH
2Oにするに充分な量ではない時には、コークスのいくらかが触媒上に存在したままになると同時に燃焼したコークス炭素の有意な部分が酸化
されるとしてもCOにまでである。FCCUをそのような様式で稼働させると、再生装置のオフガスに酸素が存在し得るか或は存在しない可能性もある。しかしながら、再生装置のオフガスに酸素がいくらか存在しているとしても、その量は、典型的に、下記の化学量論
CO+1/2O
2→CO
2
に従って、そのガス流れに入っているCOの全部をCO
2に変化させるに充分な量ではない。そのような稼働様式を通常は「部分燃焼」と呼ぶ。FCCUの再生装置が部分燃焼様式で稼働している時には、生じたCO(公知の汚染物)を処理しないまま大気に排出させることはできない。再生装置のオフガスに由来するCOを除去しかつそれの燃焼に伴う熱を回収する利点を実現する目的で、精油業者は、典型的に、燃料と空気をバーナー(通常は「COボイラー」と呼ぶ)に添加することを補助で用いて再生装置のオフガスに入っているCOを燃焼させている。COの燃焼で回収した熱は蒸気の発生で利用される。
【0007】
再生装置を部分燃焼で稼働させると、その再生装置の条件は還元条件(空気と一緒に添加される酸素が欠乏しかつCOの濃度が蓄積する)である。即ち、酸素が実際にそれでもいくらか存在していたとしても、それに関係なく、酸素の量はあらゆる還元種を変化/燃焼させるに充分な量ではない。そのような条件下では、コークスに入っている窒素のいくらかがいわゆる「還元窒素種」に変化し、その例はアンモニアおよびHCNである。また、部分燃焼した再生装置オフガスにもNO
xが少量存在する可能性もある。そのような還元窒素種が再生装置オフガスの残りと一緒にCOボイラー内で燃焼すると、それらが酸化されてNO
xになる可能性があり、その後、それが大気に排出される。そのようなNO
xが大気のN
2の酸化によってCOボイラーのバーナー内でいくらか生じる「熱」NO
xと一緒になって、部分または完全燃焼様式で稼働しているFCCUの全NO
x排気を構成する。
【0008】
また、FCCUの再生装置を完全燃焼と部分燃焼様式の間の中間である「不完全燃焼」様式で稼働するように考案することも可能である。そのような中間型が起こる例は、FCCUの再生装置で生じるCOの量がCOボイラーの使用を必要とするほどの量である時に起こるが、添加される空気の量は装置を完全燃焼稼働様式に近づけるに充分なほど多いことから、オフガスに有意な量で酸素が存在する可能性があり、そしてその再生装置の大部分は実際に酸化条件下で稼働する。そのような場合、気相の還元窒素種がそれでもオフガスの中に存在する可能性がある一方、また、NO
xも有意な量で存在する可能性がある。たいていは、そのようなNO
xの大部分はCOボイラーの中で変換を受けず、最終的に大気に排出される。
【0009】
FCCUを稼働させる更に別の燃焼様式は名目上完全燃焼様式であり、このような様式では、酸素の過剰量が比較的低くそして/またはコークスが付着した触媒と一緒に空気を混合するには有効でない。この場合、その再生装置が名目上酸化条件下であっても、その再生装置の大部分が還元条件下にある可能性がある。そのような条件下では、再生装置のオフガスに還元窒素種がNO
xと一緒に存在する可能性がある。
【0010】
FCCUの再生ゾーンの中に酸化領域と還元領域の両方が同時に存在すると、不均一様式の燃焼が生じる可能性がある。例えば、FCCUの再生装置内の稼働条件が完全燃焼と部分燃焼(または不完全燃焼)の燃焼様式の間の過渡点に到達すると、酸化領域と還元領域が再生装置内に存在する可能性がある。また、触媒粒子のコークス含有量が再生装置の半径もしくは軸寸法に渡って均一ではないか或は酸素、CO、CO
2、NO
x、SO
xおよび再生中に生じた気相還元窒素および硫黄種が再生装置の半径もしくは軸寸法に渡って均一には分布していないFCCU再生装置にも不均一燃焼様式が存在する可能性がある。各領域の中に生じた汚染物(例えば還元領域内のCO、SO
x、還元窒素および硫黄種および酸化領域内のSO
xおよびNO
x)は混合が劣ることから、他の領域の気体と反応す
るに充分な時間を持たない可能性があり、それによって、再生装置の名目上の稼働様式で期待される組成を有する燃焼排ガスがもたらされない可能性がある。その結果として、その燃焼排ガスは酸化種と還元種の両方を含有するであろう。
【0011】
ある種の再生装置は、主に、再生すべき流動触媒が入っている大型の槽である一方、他の再生装置では、触媒の再生が改善されかつコークスが付着した触媒と空気の混合が効率良く起こるように改善されているか或はより多くのコークスを再生装置の過熱無しに燃焼させるように改善された高度なデザインが用いられている。空気を分布させる目的で異なる空気格子デザインを用いかついろいろな触媒/燃焼排ガス分離装置デザインを用いると追加的複雑さが生じる。そのような再生装置のデザイン、稼働様式、稼働中の装置の摩耗および裂け、空気分配装置(エアリング)の種類および場所、流動式触媒床(濃密な相床レベル)および他の要因の結果として商業的再生装置の燃焼様式がしばしば不均一になる。その不均一さは、ストリッパーから来るコークス付着触媒の混合およびそれが槽全体(特に角度寸法)で示す分布の点で不均一であり得る。別法として、その不均一さは空気と触媒の混合の点で不均一であり得る。その結果として、再生させるべき分解用触媒インベントリーに付着しているコークスの分布が不均一になりそして/または再生装置全体に渡る気相の組成が不均一になり得る。そのような不均一さは全部が同時に起こる可能性がある。これに関して、FCCU再生装置の中に発生する不均一さの起こり易さには、再生装置の直径(寸法D)と対比させた触媒濃密相床の深さ(寸法L)が重要である。例えば、L/D値が小さいと結果として触媒へのコークス付着および空気不均衡配分の両方が生じる可能性がある。極端なケースとして、用いる空気の表面速度にとってL/Dがあまりにも小さいと、床を貫く気体通路が生じる可能性がある。従って、空気が触媒床の中を連続流れとして移動する状態が存在し、それによって、気泡がほとんどか或は全く生じず、その結果として、それを取り巻く触媒および気体との接触がほとんどか或は全く起こらない可能性がある。また、L/D値が大きいと、結果として、サイクロンを通る触媒の量が多くなり、背圧が高くなりかつ使用済み触媒および再生槽全体を通る空気の両方の分布が影響を受ける可能性がある。
【0012】
その上、また、FCCUの再生ゾーンが多段階もしくは複数の再生槽で構成されている時にも不均一燃焼様式が存在し得る。この場合の触媒再生ゾーンは2基以上の再生槽で構成されていて、再生槽の各々が場合により異なる燃焼様式で稼働しているか、或は別法として、各々の再生槽が触媒および/または気体不均衡配分を示す可能性がありかつ独立して不均一燃焼様式で稼働している可能性がある。そのような種類の再生ゾーンでは、典型的に、分解用触媒インベントリーが1つの槽から別の槽に循環した後、ライザーそしてストリッパーに循環する。1番目の段階で生じた燃焼排ガスは2番目の段階に送られるか或は別法として下流に送られる可能性がある。
【0013】
後燃焼が起こることが再生ゾーンの燃焼が不均一な結果として問題が生じている明らかな証拠である。FCCU稼働者は、典型的に、濃密床の中で起こるCOの酸化を助長する目的で装置にCO燃焼促進剤を添加して後燃焼を最小限にする試みを行っている。そのようなCO燃焼促進剤組成物は、典型的に、個別の粒子添加剤としてか或は分解用触媒の一体型成分としてFCCU装置に添加される。このように、後燃焼を制御する目的でCO燃焼促進剤が用いられることが再生ゾーンの燃焼が不均一な結果として問題が生じている別の証拠である。
【0014】
触媒または気体不均衡配分によって燃焼の不均一さが引き起こされることは、また、O
2およびCOの両方が再生装置流出物の中に検出されることでも明らかであり得る。装置が名目上完全燃焼を起こしている場合、燃焼排ガスに入っている余分なO
2が0.1%に等しいか或はそれ以上、好適には0.3%に等しいか或はそれ以上、最も好適には0.5%に等しいか或はそれ以上でありかつCOが少なくとも100ppm、好適には少なくとも50ppm、最も好適には少なくとも25ppmであることは、それぞれ、その再生装置が不均衡分配によって問題が生じていることを示している。燃焼排ガス中のCOが少なくとも0.1%、好適には少なくとも0.5%、最も好適には少なくとも1%であるように装置が部分燃焼または不完全燃焼様式で稼働している場合の燃焼排ガスにはO
2がいくらか過剰に入っている、好適には0.05%以上、最も好適には0.1%以上の過剰量で入っていることは不均衡分配の証拠である。
【0015】
また、再生槽1基または2基以上の半径寸法および軸寸法両方の全体に渡って温度勾配が存在することも触媒もしくは気体不均衡分配によって引き起こされる不均一さの徴候であり得る。FCCU稼働者は、典型的に、再生装置の中の濃密床、希釈相、サイクロン、プレナム(存在する場合)および塔頂および燃焼排ガスパイプの中のいろいろな地点の温度を測定する。前記濃密床の上のいずれかの温度測定点と平均濃密床温度の間の温度差が10度F、好適には20度F、最も好適には30度Fであることは再生装置内に不均衡分配または不均一さが存在することの証拠である。別法として、空気格子の上のいずれかの地点の温度勾配(軸寸法を横切る)が10度F、好適には20度F、最も好適には30度Fであることも再生装置内に不均衡分配または不均一さが存在することの証拠である。
【0016】
燃焼様式が不均一である再生ゾーンから排出されるNO
xを制御する試みには、FCC工程中のFCCUの稼働条件を調整することが含まれていた。例えば、完全燃焼様式と部分燃焼様式の間の過渡地点に近い所(即ち不完全燃焼様式、またはO
2過剰度が低い完全燃焼)で稼働させることによってNO
x排気を減少させることが特許文献1および2に開示されている。そのような稼働様式で再生装置の酸化部分で生じたNO
xと再生装置の還元部分で生じた還元窒素種、例えばNH
3などが互いに反応するようにするとNO
x排気が有効に減少すると信じられている。しかしながら、そのような稼働様式にしたとしてもNO
x排気が持続して生じかついくらか残存する還元窒素種が下流のCOボイラーの中でNO
xに変化した後、再生装置からいくらか出て来る未反応のNO
xと一緒にNO
xとして出て行く。
【0017】
FCCUの再生装置が特定の燃焼様式で稼働しているFCC工程中に前記再生装置から排出されるNO
x排気を減少させる添加剤組成物がいくつか提案された。例えば、完全燃焼の燃焼様式で稼働しているFCCU再生装置から排出されるNO
x排気を制御するに有用な添加剤組成物が特許文献3、4、5、6、7および8に開示されている。他方、部分燃焼もしくは不完全燃焼様式で稼働しているFCCU再生装置から排出されるNO
x排気を制御するに有用な添加剤組成物が特許文献9に開示されている。そのような添加剤組成物は、還元窒素種が部分燃焼もしくは不完全燃焼様式の再生装置から出る前にそれらを窒素分子に変化させることによってNO
xの減少を達成するものであるが、その窒素分子は下流のCOボイラーでNO
xに変化する。
【0018】
不均一燃焼様式下で稼働しているFCCU再生ゾーンから排出されるNO
x排気を制御する目的で用いるに適した添加剤組成物は報告されていない。添加剤をそのような条件下で用いることは、明らかに、いくつかの理由でFCCU稼働者にとって特に困難な難題に相当する。1番目として、添加剤組成物は典型的にFCCU全体を循環することから、その添加剤はいろいろな燃焼条件を受けるであろう。2番目として、FCC工程中に不均一燃焼条件下で稼働しているFCCU再生ゾーンから排出されるNO
x排気を減少させるには各々の燃焼様式に異なる化学が要求される。3番目として、ある燃焼型下で排出を減少させるに適した添加剤が必ずしも別の燃焼型下で有効であるとは限らず、他の燃焼型下ではNO
x排気の増加を助長することさえあり得る。
【0019】
従って、精油産業ではFCC工程中に不均一燃焼様式下で稼働しているFCCU再生ゾーンから排出されるNO
x排気を減少させるように改善された簡潔で有効な方法の必要性が存在する。
【特許文献1】米国特許第5,268,089号
【特許文献2】米国特許第5,382,352号
【特許文献3】米国特許第6,129,834号
【特許文献4】米国特許第6,143,167号
【特許文献5】米国特許第6,280,607号
【特許文献6】米国特許第6,379,536号
【特許文献7】米国特許第6,165,933号
【特許文献8】米国特許第6,358,881号
【特許文献9】米国特許第6,660,683号
【0020】
発明の要約
本発明の本質は、流動式接触分解装置(FCCU)の再生装置が不均一燃焼様式で稼働している時に再生ゾーンのオフガスに存在する還元窒素種、例えばNH
3およびHCNなどとNO
xの含有量を同時に最低限にする目的でFCCU全体に渡って接触分解用インベントリーと一緒に循環させることができる粒子状組成物を見いだしたことにある。本発明の方法は、有利に、還元条件下で稼働している再生装置領域の中に存在する還元窒素種の酸化と同時に酸化条件下で稼働している再生装置領域の中に存在するNO
xからN
2への変換に高い効率を示す。
【0021】
本発明の方法に従い、(a)酸化条件下でNO
xを窒素分子に変化させる能力を有する少なくとも1種の成分および(b)還元条件下で気相の還元窒素種に変換を受けさせる能力を有する少なくとも1種の成分を含有して成るNO
x減少用組成物をFCC工程中にFCC分解用触媒インベントリーと一緒に循環させる。本NO
x減少用組成物はFCC触媒粒子の一体部分としてか或は個別の粒子添加剤として使用可能である。本発明の1つの態様では、本NO
x減少用組成物を個別の粒子状添加剤として用いて、循環しているFCC触媒インベントリーと一緒に循環させる。本発明の好適な態様では、本NO
x減少用組成物の成分を個別の粒子として独立して前記循環している触媒インベントリーに添加する。
【0022】
従って、本発明の1つの利点は、FCC工程中に不均一燃焼様式で稼働しているFCCU再生ゾーンから排出されるオフガスに入っているNO
xの含有量を低下させるFCC方法を提供することにある。
【0023】
本発明の1つの利点は、また、FCC工程中にFCCU再生ゾーンから排出される還元窒素種とNO
xの量を同時に最小限にすることで不均一燃焼様式で稼働している前記再生ゾーンから排出されるNO
x排気を減少させるFCC方法を提供することにもある。
【0024】
本発明の別の利点は、不均一燃焼様式で稼働しているFCCU再生ゾーンに存在する還元窒素種の酸化およびNO
xの還元をFCCU再生装置の燃焼様式が如何なる様式であってもNO
x生成量を多くすることも還元窒素種の生成量を多くすることもなく起こさせるに有効なFCC方法を提供することにある。
【0025】
本発明の1つの利点は、また、多段階であるか或は再生ゾーンの中に多数の再生槽が存在することが理由で不均一燃焼様式で稼働しているFCCU再生ゾーンから排出されるNO
x排気の量を減少させるFCC方法を提供することにもある。
【0026】
本発明の更に別の利点は、不均一燃焼条件下で稼働しているFCCU再生装置から排出されるオフガスに入った状態で出て行くNO
xが減少するように改善を受けさせたFCC方法を提供することにある。
【0027】
本発明の前記および他の面を以下に更に詳細に説明する。
【0028】
発明の詳細な説明
本発明の目的で、用語「NO
x」を本明細書では窒素の酸化物、例えば窒素の主たる有害な酸化物である一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO
2)などばかりでなくN
2O
4、N
2O
5およびこれらの混合物を示す目的で用いる。
【0029】
用語「還元窒素種」を本明細書ではFCC工程中にFCCUの再生装置内で生じて名目上の電荷がゼロ未満の窒素原子を含有する気相種のいずれかを示す目的で用いる。還元窒素種の例には、これらに限定するものでないが、アンモニア(NH
3)、シアン化水素(HCN)などが含まれる。
【0030】
用語「還元硫黄種」を本明細書ではFCC工程中にFCCUの再生装置内で生じて名目上の電荷がゼロ未満の硫黄を含有する種のいずれかを示す目的で用いる。気相還元硫黄種の例には、これらに限定するものでないが、H
2S、COSなどが含まれる。
【0031】
用語「酸化条件」を、ここでは、酸素が適用可能化学量論反応、例えば
CO+1/2 O
2→CO
2
2NH
3+5/2 O
2→2NO+3H
2O
2HCN+7/2 O
2→2CO
2+2NO+H
2O
H
2S+3/2 O
2→SO
2+H
2O
COS+3/2 O
2→CO
2+SO
2
炭化水素+O
2→CO
2+H
2O(化学量論は炭化水素に特異的である)
に従って、存在するいずれかの還元種(例えばCO、NH
3、HCN、H
2S、COS、気相炭化水素)を完全に酸化させるに充分な量で存在するFCCU再生装置領域の中の反応条件を記述する目的で用いる(それがそのような種が再生装置の中に滞留している時間の間に実際に起こるか否かに拘わらず)。分解用触媒に付着しているコークスは酸素による酸化を受けてCOまたはCO
2になり得る還元剤ではあるが、気相種が反応し得るようには添加剤組成物上で直接には反応に利用されない。従って、コークス自体は酸化条件を限定すると見なされる還元剤に直接には含まれない。
【0032】
用語「還元条件」を、本明細書では、酸素が前記適用可能化学量論反応に従って、存在する還元種(例えばCO、NH
3、HCN、H
2S、COS、気相炭化水素)の全部を完全に酸化させるに充分な量では存在しないFCCU再生装置領域の中の反応条件を示す目的で用いる(それがそのような種が再生装置の中に滞留している時間の間に実際に起こり得るか否かに拘わらず)。分解用触媒に付着しているコークスは酸素による酸化を受けてCOまたはCO
2になり得る還元剤ではあるが、気相種が反応し得るようには添加剤組成物上で直接には反応に利用されない。従って、コークス自体は還元条件を限定すると見なされる還元剤に直接には含まれない。
【0033】
用語「不均一燃焼様式」を本明細書ではFCC工程中に再生ゾーンの中に酸化もしくは
還元条件が均一ではない領域が存在するFCCU再生ゾーンの中の条件を示す目的で用いる。そのような不均一条件は、典型的に、再生ゾーン内の触媒もしくは空気/気体不均衡分配または不均一さによって引き起こされる。
【0034】
用語「触媒不均衡分配または不均一さ」を本明細書では再生装置または多段階再生装置の場合には各再生槽内の触媒粒子のコークス含有量がその再生装置の半径もしくは軸寸法に渡って均一ではないFCCU再生装置内の条件を示す目的で用いる。
【0035】
用語「気体不均衡分配または不均一さ」を本明細書ではFCCU再生装置または多段階再生装置の場合には各再生槽内の気体または空気の中の酸素、CO、NO
x、SO
xおよび気相還元種がその再生装置の半径もしくは軸寸法に渡って均一には分布していないFCCU再生装置内の条件を示す目的で用いる。
【0036】
用語「後燃焼」を本明細書では再生させるべき流動式分解用触媒の濃密床から出て来たCOおよびO
2が前記濃密触媒床の上のいずれかの地点[濃密床の直ぐ上の領域(希釈相)、飛沫同伴した触媒を燃焼排ガスから分離するサイクロン、プレナム、サイクロン上の塔頂または燃焼排ガス用パイプさえも包含]で反応を起こす時に起こるCOの燃焼を示す目的で用いる。後燃焼を再生装置濃密床の後で測定したいずれかの温度の間の差またはそのように測定した群の温度の全部またはいずれか(例えば希釈相、サイクロン、プレナム、塔頂または燃焼排ガスの温度など)の平均から濃密床の温度のいずれかまたは測定した濃密床の全部またはいずれかの温度の平均を引いた値として測定する。
【0037】
本発明の目的で、用語「再生装置」および「再生ゾーン」を互換的に用いる。
【0038】
本発明に従い、FCCU再生ゾーンから排出される燃焼排ガスに存在する還元窒素種およびNO
x排気の量を同時に制御することでFCC工程中に不均一燃焼様式下で稼働しているFCCU再生ゾーンから排出されるNO
x含有量を有効に低くすることでより受け入れられるレベルにする。そのような同時の制御を、FCC工程中に循環している分解用触媒インベントリーを(1)還元条件下で還元窒素種を窒素分子に変化させることで還元窒素種の含有量を低下させる能力を有する少なくとも1種の還元窒素種用成分および(2)酸化条件下でNO
x排気の含有量を低下させる能力を有する少なくとも1種のNO
x減少用成分を含有して成るNO
x減少用組成物と接触させることで達成する。本NO
x減少用組成物の前記還元窒素種用成分もNO
x減少用成分もFCC工程中の如何なる燃焼様式下でもFCCU再生ゾーンの中の還元窒素種の含有量もNO
xの含有量も多くしないことが本発明の重要な特徴である。
【0039】
便利さの目的で、本発明をFCC工程を言及することで説明するが、本分解方法は通常の如何なる分解方法にも使用可能である、即ちサーモフォー(thermofor)接触分解方法の要求に適するように粒径を適切に調整することでそのような方法にも使用可能である。本発明のNO
x減少用組成物を触媒インベントリーに添加すること以外、工程の稼働様式は変わらないままである。従って、通常のFCC用触媒、例えばVenutoおよびHabibによるセミナルレビューである「Fluid Catalytic Cracking with Zeolite Catalysts」、Marcel Dekker、New York 1979、ISBN 0−8247−6870−1ばかりでなく他のいろいろな源、例えばSadeghbeigi、「Fluid Catalytic Cracking Handbook」、Gulf Publ.Co.Houston、1995、ISBN 0−88415−290−1などに記述されている如き分解用フォージャサイト成分を有するゼオライトが基になった触媒などを用いることができる。そのようなFCC用触媒は、典型的に、結合剤、通常はシリカ、アルミナまたはシリカ−アルミナ、Y型の酸性ゼオライトである活性成分、1種以上のマトリクスアルミナお
よび/またはシリカ−アルミナおよび充填材、例えばカオリン粘土などで構成されている。前記Yゼオライトは1種以上の形態で存在する可能性があり、安定化用カチオン、例えば希土類のいずれかなどによる超安定化および/または処理を受けていてもよい。
【0040】
いくらか簡単に述べると、重質炭化水素原料に分解を受けさせてより軽質の生成物を生じさせる流動式接触分解工程は、循環式触媒再循環分解工程において供給材料を循環している流動性接触分解用触媒インベントリー(平均粒径が約50から約150μm、好適には約60から約100μmの粒子で構成)と接触させることで実施される。この循環式工程における重要な段階は下記である:
(i)供給材料を接触分解条件下で稼働している接触分解ゾーン、通常はライザー分解ゾーンの中で熱い再生分解用触媒源と接触させて前記供給材料に接触分解を受けさせることで分解生成物と使用済み触媒[コークスとストリッピング可能(strippable)炭化水素を含有]を含有する流出液を生じさせ、
(ii)前記流出液を排出させた後、分離を通常は1個以上のサイクロンの中で起こさせることで分解生成物が豊富に存在する気相と使用済み触媒を含有する相が豊富に存在する固体を生じさせ、
(iii)前記気相を生成物として取り出しそしてそれにFCCの主カラムおよびそれの関連したサイドカラムの中で分別を受けさせることで気体と液状の分解生成物(ガソリンを包含)を得、
(iv)前記使用済み触媒にストリッピング、通常は蒸気によるストリッピングを受けさせることで、その触媒に吸蔵されていた炭化水素を除去した後、そのストリッピングを受けさせた触媒に酸化による再生を受けさせることで熱い再生触媒を生じさせ、それを次に分解用ゾーンに再循環させることでさらなる量の供給材料に分解を受けさせる。
【0041】
適切な原料には、接触分解を受けた時にガソリンまたはガスオイル製品のいずれかをもたらす原油の石油溜分または残油が含まれる。また、沸点が約204℃から約816℃の合成供給材料、例えば石炭、タールサンドまたはシェール油などに由来する油を含めることも可能である。
【0042】
高分子量の炭化水素から低分子量の炭化水素を生じさせる変換中に用いる分解条件には、480℃から約600℃の温度が含まれる。炭化水素の変換では炭化水素に対する触媒重量比を約1から100、好適には約3から20にすることを意図する。触媒の表面に付着しているコークスの平均量は、供給材料の品質、使用する触媒および装置のデザインおよび稼働に応じて、0.5重量パーセントから3.0重量パーセントの範囲である。触媒からの炭化水素の迅速な除去を反応槽内に備わっているか或は外部槽の中に位置する迅速ストリッピングゾーン(quick−stripping zone)の中で達成する。そのストリッピングの機能を温度が約480℃から約600℃の蒸気または別の不活性ガスの存在下で達成する。
【0043】
FCC工程の触媒再生ゾーンには、温度が約600℃から約800℃の下方の濃密触媒床およびこれの上に位置する温度が約600℃から約800℃の希触媒相が備わっている。本技術分野で良く知られるように、触媒再生ゾーンを単一もしくは複数の反応槽で構成させてもよい。触媒からコークスを除去する目的で酸素を再生ゾーンに添加する。これを通常手段、例えば適切なスパージング装置を再生ゾーンの下部で用いることなどで達成するか、或は必要ならば、追加的酸素を再生ゾーンの濃密床もしくは希釈相の他の部分に添加する。
【0044】
再生ゾーンを好適には少なくとも1基の再生槽で構成させるが、その再生槽は、実施する燃焼様式に関係なく、触媒および/または気体不均衡分配を示す。本発明の1つの態様では、再生ゾーンを完全燃焼条件と部分燃焼条件の間の過渡的段階で稼働させる。再生ゾ
ーンを2基以上の再生槽で構成させることもまた本発明の範囲内であり、その場合、各再生槽は異なる燃焼様式で稼働しているか、或は実施する燃焼様式に関係なく触媒および/または気体不均衡分配を示す。
【0045】
本発明の方法では、再生ゾーンが不均一燃焼様式下で稼働しているFCCUから排出されるNO
x排気の含有量の全体的低下を達成する目的で、少なくとも2種類の異なる個別の触媒/添加剤組成物を組み合わせて用いる。そのような触媒/添加剤組成物の少なくとも一方は、如何なる燃焼条件下でも正味の結果として還元窒素種の生成量の増加をもたらすことなく完全燃焼または酸化条件下でNO
x排気を減少させるに適するべきであり、それを本明細書では以降「NO
x減少用成分」と呼ぶ。加うるに、そのような触媒/添加剤組成物の少なくとも一方は、如何なる燃焼条件下でも正味の結果としてNO
xの生成量を増加させることなく部分もしくは不完全燃焼または還元条件下で還元窒素種をN
2に変化させる能力を有するべきであり、それを本明細書では以降「還元窒素種用成分」と呼ぶ。そのようなNO
x減少用成分と還元窒素種用成分が異なる個別の組成を有すること、例えば同じ組成を持たないことが本発明の重要な特徴である。
【0046】
本発明の方法で用いるに有用なNO
x減少用組成物は、少なくとも1種の流動性NO
x減少用成分と少なくとも1種の流動性還元窒素種用成分の物理的混合物もしくはブレンド物のいずれかを含有して成るが、それらは、不均一燃焼様式で稼働しているFCCU再生ゾーンから排出される燃焼排ガスに入っているNO
x排気を減少させる組み合わせ効果を示す。本発明で用いるに有用なNO
x減少用成分は、典型的に、完全燃焼の燃焼様式で稼働しているFCC装置の中のNO
x排気を減少させるに有効である機能的特性を有するか或は別法として(a)NO
xを直接分解させるか、(b)NO
xと再生装置に存在するいずれかの還元剤、例えばCO、NH
3、HCN、炭化水素、コークスなどを反応させるか、(c)再生装置の中のNO
xを吸収しそしてライザーおよびストリッパーに送ってN
2への還元を起こさせるか、(d)いずれかのNO
x前駆体、例えば気相還元窒素種などにある程度酸化を受けさせてN
2を生じさせるか、或は(e)FCC完全燃焼条件下で他の適切な反応機構のいずれかを果たすことでNO
xをN
2に変化させ得る機能的特性を有する粒子状の触媒/添加剤組成物のいずれかである。加うるに、そのようなNO
x減少用成分は、これをいずれかの燃焼条件、特に部分燃焼もしくは還元条件下で稼働しているFCCUで用いた時に還元窒素種の生成量を有意には多くすべきではない。即ち、そのようなNO
x減少用成分は、これを部分燃焼もしくは還元条件下で稼働しているFCCUで用いた時、FCCU再生装置のオフガスに入っている還元窒素種の含有量を前記NO
x減少用成分が存在しない時の還元窒素種の量の10%以上増加させるべきではない。
【0047】
本発明で用いるに有用なNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに適したある種の材料には、米国特許第6,660,683号(この特許は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている組成物が含まれる。その種類の触媒/添加剤組成物は、典型的に、(a)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物を酸化物として測定して少なくとも1重量%、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択した金属成分(アルカリ金属が好適であり、NaおよびKが最も好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.5重量%、(c)希土類または遷移金属の酸素貯蔵用金属酸化物成分(Ceが好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.1重量%および(d)Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Reおよびこれらの混合物から成る群から選択した貴金属成分(Pt、Pd、Rh、Irが好適である)を金属として測定して少なくとも0.1ppm含有する粒子状混合物を含んで成る。示したパーセントは全部酸化触媒/添加剤組成物の総重量が基になっている。
【0048】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な2番目の種類の
材料には、米国特許第6,143,167号、6,129,834号、6,280,607号および6,358,881号(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如き組成物が含まれる。そのようなNO
x減少用組成物は、一般に、(a)酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属またはこれらの混合物、(c)酸素貯蔵能力を有する希土類もしくは遷移金属酸化物および(d)元素周期律表のIbおよびIIb族から選択した遷移金属を含んで成る。前記酸性酸化物担体はアルミナを好適には少なくとも50重量%含有し、好適にはシリカ−アルミナを含有する。セリアが好適な酸素貯蔵用酸化物である。本発明の好適な態様におけるNO
x減少用組成物は、(a)アルミナ含有量が少なくとも50重量パーセントの酸性酸化物担体、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属またはこれらの混合物を金属酸化物として測定して1−10重量%、(c)CeO
2を金属酸化物として測定して少なくとも1重量%および(d)周期律表のIb族から選択した遷移金属を金属酸化物として測定して0.01−5.0部重量%含んで成る[成分(b)−(d)の重量パーセントは全部前記酸性金属酸化物担体材料の総重量が基になっている]。
【0049】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、(a)米国特許第6,143,167号、6,129,834号、6,280,607号および6,358,881号に開示および記述されている如き酸性金属酸化物を酸化物として測定して少なくとも1重量%、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択した金属成分(Na、KおよびMgが好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.5重量%、(c)希土類もしくは遷移金属の酸素貯蔵用金属酸化物成分(Ceが好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.1重量%、および(d)
周期律表14、15、16、17、8、9、10、11および12族(IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IBおよびIIB族)、Sb、Biおよびこれらの混合物から成る群から選択した遷移金属成分を金属として測定して少なくとも0.01重量%の量で含有して成る組成物が含まれる。前記遷移金属成分を一般にTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、W、Au、Cu、Znおよびこれらの混合物から成る群から選択し、Cu、Ag、Zn、Mn、V、Sb、Co、Cr、Fe、Niおよびこれらの混合物が好適である。Cu、Zn、Mn、V、FeおよびCoが最も好適である。示したパーセントは全部触媒/添加剤組成物の総重量が基になっている。この種類の組成物の調製は、流動式もしくはサーモフォー接触分解で用いるに適した触媒を製造する時に適するとして本技術分野で公知の方法のいずれかを用いて実施
可能である。好適には、公開された米国特許出願番号US2004/0077492A1(これの開示は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている方法を用いて成分(a)から(c)で構成させた基礎担体を最初に生じさせることを通して、そのような種類の組成物を調製する。前記基礎担体に成分(d)を本技術分野の公知の方法のいずれか、例えば前記基礎担体に少なくとも1種の成分(d)の塩、例えば硝酸塩、塩化物、炭酸塩および硫酸塩など、アミン錯体などの水溶液を最終的触媒/添加剤組成物中の遷移金属(金属として測定)が少なくとも0.01%になるに充分な量で含浸させることなどで添加した後にその含浸を受けさせた粒子に乾燥または焼成を揮発物が除去されるに充分な温度で充分な時間、例えば約100℃から約250℃で乾燥させる時には24時間に及ぶ時間か或は焼成を相当する酸化物が生じるに充分な温度、例えば約250℃から約900℃の如き温度で実施する時にはそれが生じるに充分な時間実施することなどで最終的な組成物を生じさせる。
【0050】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、FCC再生装置から硫黄酸化物を除去する目的で以前から用いられていたマグネシウム−アルミニウムスピネルが基になった組成物が含まれる。その種類の材料を開示および記述している典型的な特許には、米国特許第4,428,827;4,469,589;4,471,070;4,472,267;4,472,532;4,476,245;4,492,677;4,492,678;4,495,304;4,495,305;4,522,937;4,529,502;4,529,574;4,613,4284,642,178;4,728,635;4,735,705;4,758,418;4,790,982;4,830,840;4,883,783;4,904,627;4,957,718;4,957,892および4,963,520(前記特許の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている組成物が含まれている。本発明の組成物の好適な態様におけるそのような種類には、少なくとも1種の金属含有スピネル[これは、1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、および場合により前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および場合により前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有し、ここでは、前記3番目の金属を
11(IB)族の金属、
12(IIB)族の金属、
16(VIA)族の金属、希土類金属、白金族の金属およびこれらの混合物から成る群から選択しそして前記4番目の金属を鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択する]が含まれる。好適には、前記1番目の金属はMgであり、前記2番目の金属はAlであり、前記3番目の金属は希
土類金属の中の少なくとも1種(この中でCeが最も好適である)であり、そして前記4番目の金属をバナジウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、アンチモンおよびこれらの混合物から成る群から選択する。
【0051】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な更に別の種類の
材料には、米国特許出願連続番号10/909,706および10/909,709(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示した如き組成物が含まれる。この種類のNO
x減少用組成物は、一般に、孔径が約3から約7.2オングストロームの範囲でAl
2O
3に対するSiO
2のモル比が約500未満、好適には250未満のゼオライトを含んで成る。具体的ゼオライトには、フェリエライト、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト(errionite)、チャバザイト(chabazite)、クリノプチロライト(clinoptilolite)、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト(Offretite)、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−87、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト(Dachiardite)、メルリノイト(Merlinoite)、ロブダライト(lovdarite)、レビン(Levyne)、ラウモンタイト(Laumontite)、エピスチルバイト(Epistilbite)、グメロナイト(Gmelonite)、ギスモンジン(Gismondine)、カンクリナイト(Cancrinite)、ブルーステライト(Brewsterite)、スチルバイト(Stilbite)、ポーリンジャイト(Paulingite)、グーセクリーカイト(Goosecreekite)、ナトロライト(Natrolite)およびこれらの混合物が含まれる。好適なゼオライトはフェリエライト、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、オフレタイト、A、ZSM−12およびこれらの混合物である。最も好適にはゼオライトはフェリエライトである。この種類の材料に従う組成物にAmerican Chemical Societyが出版している如き
周期律表の2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15族(IIA、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IIB、IIIA、IVA、VA族)、ランタニド系列、Agおよびこれらの混合物から成る群から選択した金属による安定化を受けさせておいてもよい。好適な態様では、この種類の材料に従う組成物に
周期律表の3、2、12、13族(IIIB、IIA、IIB、IIIA族)およびランタニド系列およびこれらの混合物から成る群から選択した金属による安定化を受けさせ、最も好適な金属はランタン、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛およびこれらの混合物である。また、この種類の材料に従う組成物に周期律表の
11(IB)族の金属を安定化量、例えば約25重量%以下の量で用いた安定化を受けさせてもよいことも本発明の範囲内であり、そのような安定化用金属は好適にはCuである。
【0052】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、Cu含有ゼオライト系NO
x添加剤組成物、例えば米国特許第4,980,052号および4,973,399号(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に記述および開示されている如き組成物が含まれる。そのようなNO
x添加剤組成物は、一般に、好適にはZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−38、ZSM−48、モルデナイト、脱アルミニウムYまたはゼオライトベータの結晶構造を有しかつアルミナに対するシリカの比率が20から100でありかつCu金属もしくはイオンを好適にはCuOがゼオライト中のAl
2O
31モル当たり少なくとも半モルに相当する量で含有するゼオライトを含んで成る。
【0053】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な更に別の種類の材料には、ZSM−5を約25から80重量%含有して成る触媒/添加剤組成物が含まれる。そのZSM−5はゼオライトの水素もしくはアンモニウム形態であり得る。このZSM−5ゼオライトは個別の粒子添加剤として使用可能であるか或は当該触媒の一体型成分として触媒に組み込むことも可能である。そのZSM−5ゼオライトを個別の粒子添加剤として用いる場合、それをFCC条件下のFCC装置で用いるに適した粒子状材料または微小球が得られるように適切な結合剤と結合させておいてもよい。そのような結合剤材料は好適にはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−ホスフェートおよびこれらの混合物である。そのようなゼオライトと結合剤の量を100重量%未満にして、また、適切な粘土もしくはマトリクス成分、例えばモントモリロナイト、カオリン、ハロイサイ
ト、ベントナイト、アタパルジャイトなど、アルミナ、シリカ−アルミナ、希土類酸化物、例えばランタナなど、遷移金属酸化物、例えばチタニア、ジルコニアおよびマンガン酸化物など、
2(IIA)族の酸化物、例えばマグネシウムの酸化物およびバリウムの酸化物などを添加剤組成物の成分として混合することも可能である。ZSM−5ゼオライトを分解用触媒の一体型触媒成分として用いる場合、その量を一体型触媒の約2から約60重量%の範囲にしそしてそのZSM−5ゼオライトを通常の触媒材料と一緒に通常のいずれかの様式で取り込ませてもよい。そのような一体型触媒は、典型的に、ZSM−5ゼオライト成分に加えてUSYもしくはREUSYゼオライト、通常のマトリクス成分、例えばアルミナ、シリカ−アルミナ、希土類酸化物、例えばランタナなど、遷移金属酸化物、例えばチタニア、ジルコニアおよびマンガン酸化物など、
2(IIA)族の酸化物、例えばマグネシウムの酸化物およびバリウムの酸化物など、粘土、例えばカオリンなどおよびこれらの混合物、および結合剤材料、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、燐酸アルミニウムなどおよびこれらの混合物を含有するであろう。そのような触媒/添加剤組成物もしくは一体型触媒の調製は、流動式もしくはサーモフォー接触分解用触媒を生じさせるに適するとして本技術分野で知られる方法のいずれかを用いて実施可能であり、例えば米国特許出願連続番号10/909,706および10/909,709(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示されている方法などを用いて実施可能である。本分野の技術者が容易に理解するであろうように、前記出願に開示および記述した成分の量を、本明細書の上に記述した如き最終的ZSM−5含有NO
x減少用組成物がもたらされるように適切に調整する。
【0054】
本発明のNO
x減少用成分として用いるに有用な他の材料には、これらに限定するものでないが、例えば米国特許第5,002,654号に開示および記述されている如き亜鉛が基になった触媒、米国特許第4,988,432号に開示および記述されている如きアンチモンが基になったNO
x減少用添加剤、米国特許第5,021,146号に開示および記述されている如き周期律表の
3(IIIB)族の元素の酸化物を含有して成るNO
x減少用添加剤、米国特許第5,364,517号および5,565,181号に開示および記述されている如きペロブスカイト−スピネル系NO
x減少用添加剤、PCT国際公開番号WO 95/03876に開示および記述されている如きMg−AlおよびCuおよび場合によりCeの酸化物、そして例えば米国特許第4,889,615号、4,946,581号、4,952,382号、5,114,691号、5,114,898号および6,479,421 B1などに開示および記述されている如きヒドロタルサイトが基になった触媒組成物[このヒドロタルサイトが基になった触媒組成物は、更に、少なくとも1種の希土類金属(Ceが好適である)および鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択した1種以上の遷移金属(これらの中でバナジウムが好適である)も含有していてもよい]が含まれる。上述した特許の各々の開示は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる。
【0055】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、また、例えば米国特許第4,290,878号および4,199,435号(上述した特許の各々の開示は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)などに記述されている如き低NO
xのCO燃焼促進剤組成物も含まれる。そのような低NO
xのCO燃焼促進剤組成物は、一般に、燃焼促進用金属または白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム、銅およびこれらの混合物から成る群から選択した金属の化合物[少なくとも1種の粒子状多孔質無機固体(好適にはアルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニアなどの中の1種以上が含まれる)と結合している]を含有して成る。
【0056】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な別の種類の材料
には、例えば米国特許第6,117,813号(これの開示は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)などに記述されている如き低NO
xのCO燃焼促進剤組成物が含まれる。そのような低NO
xのCO燃焼促進剤組成物は、一般に、
8、9、10(VIII)族の少なくとも1種の遷移金属酸化物を有効な濃度で含有し、
3(IIIB)族の少なくとも1種の金属酸化物を有効な濃度で含有し、
2(IIA)族の少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物を有効な濃度で含有しかつ場合により微小球状アルミナを含有する。好適な
8、9、10(VIII)族の金属はCoであり、好適な
3(IIIB)族の金属はLaでありそして好適な
2(IIA)族のアルカリ土類金属はSrである。
【0057】
本発明のNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として用いるに有用な材料には、また、PCT国際公開番号WO 03/046112および公開された米国特許出願2003/0098259(上述した公開の各開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如き触媒/添加剤組成物も含まれる。そのようなNO
x除去用組成物は、一般に、(i)酸性酸化物である担体、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド酸化物および(iv)場合により周期律表のIBおよびIIB族およびこれらの混合物から成る群から選択した遷移金属の少なくとも1種の酸化物を含んで成る。
【0058】
本NO
x減少用組成物のNO
x減少用成分として本発明で用いるに有用な別の種類の材料には、例えばPCT国際公開番号WO 2004/033091および公開された米国特許出願2004/0072675(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如きFCC工程におけるCOおよびNO
x排気を減少させるに適した組成物が含まれる。そのようなNO
x除去用組成物は、一般に、(i)酸性酸化物である担体、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド系列元素および(iv)場合により周期律表の
11(IB)および12(IIB)族およびこれらの混合物から選択した遷移金属の少なくとも1種の酸化物および(v)Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Reおよびこれらの混合物から成る群の少なくとも1種の貴金属(これらの中でPtおよびPdが好適である)を含有して成る。
【0059】
本発明におけるNO
x減少用組成物のNO
x減少用成分が本明細書の上に記述した如き少なくとも1種のNO
x減少用成分またはNO
x減少用成分の任意組み合わせを含んで成ることは本発明の範囲内である。
【0060】
本還元窒素種用成分は、典型的に、これを部分燃焼もしくは全体的還元FCC条件で稼働しているFCCUで用いた時に還元窒素種を窒素分子に変化させる機能的特性を有するか或は別法として(a)そのような種を直接分解させるか、(b)FCC装置に典型的に存在するいずれかの酸化剤、例えばO
2、NO、NO
2などと反応するか、(c)還元窒素種を酸化された中間的窒素種(例えばNOなど)に変化させた後に還元剤を再生装置に存在するコークス、CO、NH
3などと反応させるか、或は(d)部分燃焼FCC条件下で他の適切ないずれかの機構を利用して還元窒素種を変化させることで全体的還元条件下で還元窒素種を窒素分子に変化させる機能的特性を有する粒子状の触媒/添加剤組成物のいずれかである。加うるに、そのような還元窒素種用成分は、これをいずれかの燃焼条件、特に完全燃焼条件下で稼働しているFCCUで用いた時にNO
xの生成量を有意には多くすべきではない。即ち、そのような還元窒素種用成分は、これを完全燃焼下で稼働しているFCCUで用いた時、FCCU再生装置のオフガスに入っているNO
x含有量を前記還元窒素種用成分が存在しない時のNO
xの量の10%以上増加させるべきではない。
【0061】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに適したある種の材料には、公開された米国特許出願番号US 2004/0074809(この出願の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述した組成物が含まれる。その種類の触媒/添加剤組成物は、典型的に、少なくとも1種の金属成分による助長を受けた多孔質、非晶質または結晶性の耐火性担体材料、例えば酸性金属酸化物、スピネル、ヒドロタルサイト、ペロブスカイトなどを含有して成る。適切な金属助長剤には、これらに限定するものでないが、アルカリおよび/またはアルカリ土類金属、遷移金属[
周期律表14、15、16、17、8、9、10、11族(IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB族)の金属およびこれらの混合物]、希土類金属、白金族金属、周期律表の
12(IIB)族の金属、ゲルマニウム、錫、ビスマス、アンチモンおよびこれらの混合物が含まれる。白金族の金属が特に好適である。また、酸素貯蔵能力を有する遷移金属および希土類金属も好適である。
【0062】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに適した別の種の材料には、米国特許第6,660,683号(この特許の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている組成物が含まれる。その種類の触媒/添加剤組成物は、典型的に、(a)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物を酸化物として測定して少なくとも1重量%、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択した金属成分(アルカリ金属が好適であり、NaおよびKが最も好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.5重量%、(c)希土類金属または遷移金属の酸素貯蔵用金属酸化物成分(Ceが好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.1重量%および(d)Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Reおよびこれらの混合物から成る群から選択した貴金属成分(Rh、Irが好適である)を金属として測定して少なくとも0.1ppm含有する粒子状混合物を含んで成る。示したパーセントは全部が触媒/添加剤組成物の総重量が基になっている。
【0063】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに適した別の種類の材料には、(a)ゼオライトを実質的に含有しない酸性金属酸化物を酸化物として測定
して少なくとも1重量%、(b)アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択した金属成分(Na、KおよびMgが好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.5重量%、(c)希土類または遷移金属の酸素貯蔵用金属酸化物成分(Ceが好適である)を酸化物として測定して少なくとも0.1重量%、(d)Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Reおよびこれらの混合物から成る群から選択した貴金属成分(Pt、Pd、Rh、Irが好適であり、RhおよびIrが最も好適である)を金属として測定して少なくとも0.1ppm、および(e)
周期律表14、15、16、17、8、9、10、11および12族(IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IBおよびIIB族)、Sb、Biおよびこれらの混合物から成る群から選択した遷移金属成分を金属酸化物として測定して少なくとも0.01重量%の量で含有して成る組成物が含まれる。前記遷移金属成分を一般にTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、W、Au、Cu、Znおよびこれらの混合物から成る群から選択し、Cu、Ag、Zn、Mn、V、Sb、Co、Cr、Fe、Niおよびこれらの混合物が好適である。Cu、Zn、Mn、V、FeおよびCoが最も好適である。示したパーセントは全部が前記組成物の総重量が基になっている。この種類の組成物の調製は、流動式もしくはサーモフォー接触分解で用いるに適する触媒を製造する時に適するとして本技術分野で公知の方法のいずれかを用いて実施可能である。好適には、公開された米国特許出願番号US2004/0077492A1(これの開示は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如き方法を用いて成分(a)から(c)で構成させた基礎担体を最初に生じさせることを通して、そのような種類の組成物を調製する。次に、前記基礎担体に成分(d)および(e)を本技術分野で公知の方法のいずれかを用いて添加、例えば前記基礎担体に少なくとも1種の成分(d)および少なくとも1種の成分(e)の塩、例えば硝酸塩、塩化物、炭酸塩および硫酸塩など、アミン錯体などの水溶液を最終的触媒/添加剤組成物中の貴金属が少なくとも0.1ppmおよび遷移金属(金属として測定)が少なくとも0.01%になるに充分な量で含浸させた後にその含浸を受けさせた粒子に乾燥または焼成を受けさせることで揮発物を除去、例えば乾燥を約100℃から約250℃で24時間に及んで受けさせるか或は焼成を約250℃から約900℃の温度で相当する酸化物が生じるに充分な時間、例えば約12時間に及んで受けさせることなどで最終的な組成物を生じさせる。
【0064】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、FCC再生装置から硫黄酸化物を除去する目的で以前から用いられていたマグネシウム−アルミニウムスピネルが基になっていて少なくとも1種以上の白金族金属を含有して成る組成物が含まれる。マグネシウム−アルミニウムスピネルが基になった組成物を開示および記述している典型的な特許には米国特許第4,428,827;4,469,589;4,471,070;4,472,267;4,472,532;4,476,245;4,492,677;4,492,678;4,495,304;4,495,305;4,522,937;4,529,502;4,529,574;4,613,428;4,642,178;4,728,635;4,735,705;4,758,418;4,790,982;4,830,840;4,883,783;4,904,627;4,957,718;4,957,892および4,963,520(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)が含まれる。前記組成物に更に白金族金属の中の1種以上、好適にはRhまたはIrも金属として測定して少なくとも0.1ppm含有させる。そのような貴金属を好適には10から10000pp
m、より好適には25から5000ppm、最も好適には30から2500ppm用いる。本発明の好適な態様におけるそのような種類の組成物には、少なくとも1種の金属含有スピネル[これは、1番目の金属および前記1番目の金属の原子価より高い原子価を有する2番目の金属、および前記1番目および2番目の金属以外の3番目の金属の少なくとも1種の成分および場合により前記1番目、2番目および3番目の金属以外の4番目の金属の少なくとも1種の成分を含有し、ここで、前記3番目の金属は白金族の金属の中の1種以上に加えて
11(IB)族の金属、
12(IIB)族の金属、
16(VIA)族の金属、希土類金属およびこれらの混合物から成る群から選択した金属であり、そして前記4番目の金属を鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択する]が含まれる。好適には、前記1番目の金属はMgであり、前記2番目の金属はAlであり、前記3番目の金属は希土類金属の中の少なくとも1種(この中でCeが最も好適である)および白金族金属の中の少なくとも1種(この中でRhまたはIrが好適である)であり、そして前記4番目の金属をバナジウム、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、アンチモンおよびこれらの混合物から成る群から選択する。
【0065】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに有用な更に別の種類の材料には、米国特許出願連続番号10/909,706および10/909,709(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示した如き触媒/添加剤組成物[更にPt、Pd、Rh、Ir、Ru、OsおよびReおよびこれらの混合物から成る群から選択した貴金属成分(好適にはRhまたはIr)も少なくとも0.1ppm含有して成る]が含まれる。そのような貴金属成分を好適には約10から約10000ppm、より好適には約25から約5000ppm、最も好適には約30から約2500ppmの量で用いる。この種類の触媒/添加剤組成物は、一般に、孔径が約3から約7.2オングストロームの範囲でAl
2O
3に対するSiO
2のモル比が約500未満、好適には250未満のゼオライトを含んで成る。具体的ゼオライトは、フェリエライト、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、MCM−61、オフレタイト、A、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−18、ZSM−22、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−61、ZK−5、NaJ、Nu−87、Cit−1、SSZ−35、SSZ−48、SSZ−44、SSZ−23、ダチアルダイト、メルリノイト、ロブダライト、レビン、ラウモンタイト、エピスチルバイト、グメロナイト、ギスモンジン、カンクリナイト、ブルーステライト、スチルバイト、ポーリンジャイト、グーセクリーカイト、ナトロライトまたはこれらの混合物である。好適なゼオライトはフェリエライト、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、MCM−49、モルデナイト、MCM−56、ゼオライト−L、ゼオライトロー、エリオナイト、チャバザイト、クリノプチロライト、MCM−22、MCM−35、オフレタイト、A、ZSM−12である。最も好適にはゼオライトはフェリエライトである。この種類の材料に従う組成物にAmerican Chemical Societyが出版している如き周期律表の
2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15族(IIA、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IIB、IIIA、IVA、VA族)、ランタニド系列、Agおよびこれらの混合物から成る群から選択した金属による安定化を受けさせておいてもよい。好適な態様では、この種類の材料に従う組成物に周期律表の
3、2、12、13族(IIIB、IIA、IIB、IIIA族)およびランタニド系列およびこれらの混合物に属する金属による安定化を受けさせ
、最も好適な金属はランタン、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛およびこれらの混合物である。また、この種類の材料に従う組成物に周期律表の
11(IB)族の金属を安定化量、例えば約25重量%以下の量で用いた安定化を受けさせてもよいことも本発明の範囲内であり、そのような安定化用金属は好適にはCuである。この種類の触媒/添加剤組成物の調製は米国特許出願連続番号10/909,706および10/909,709に開示されている方法を用いて実施可能である。前記貴金属成分を前記触媒/添加剤組成物に本技術分野で公知の方法のいずれか、例えばイオン交換、含浸などで添加する。その金属成分を前記触媒/添加剤組成物の個別粒子に添加してもよいか、或は別法として、前記触媒/添加剤組成物とFCC分解用触媒の両方が組み込まれている一体型触媒の粒子に添加してもよい。そのような貴金属および任意の安定化用成分の適切な源には、硝酸塩、塩化物、炭酸塩および硫酸塩、アミン錯体などの水溶液が含まれる。そのような塩もしくは錯体を最終的触媒/添加剤組成物中の貴金属が金属として測定して少なくとも0.1ppmになるに充分な量で用いる。その後、その組成物に乾燥または焼成を受けさせることで揮発物を除去、例えば乾燥を約100℃から約250℃で24時間に及ぶ時間受けさせるか或は焼成を250℃から約900℃で約12時間に及んで受けさせる。
【0066】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、Cu含有ゼオライト系NO
x添加剤組成物、例えば米国特許第4,980,052号および4,973,399号(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に記述および開示されている如き組成物などが含まれる。そのようなNO
x添加剤組成物は、一般に、好適にはZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−38、ZSM−48、モルデナイト、脱アルミニウムYまたはゼオライトベータの結晶構造を有しかつアルミナに対するシリカの比率が20から100でありかつCu金属もしくはイオンを好適にはCuOがゼオライト中のAl
2O
31モル当たり少なくとも半モルに相当する量で有するゼオライトを含有して成り、この組成物に更に貴金属化合物、即ちPt、Pd、Rh、Ir、Ru、OsおよびReおよびこれらの混合物(好適にはRhまたはIr)も少なくとも0.1ppm含有させる。そのような貴金属を好適には約10から約10000ppm、より好適には約25から約5000ppm、最も好適には約30から約2500ppmの範囲の量で用いる。そのような貴金属化合物を米国特許第4,980,052号および4,973,399号に開示および記述されている組成物に本技術分野で公知のいずれかの方法、例えばイオン交換、含浸などで添加してもよい。そのような貴金属を前記ゼオライトに添加する時期はCuをゼオライト粒子に充填する前または後であってもよい。そのような貴金属の適切な源には、硝酸塩、塩化物、炭酸塩および硫酸塩、アミン錯体などの水溶液が含まれる。そのような塩もしくは錯体を最終的触媒/添加剤組成物中の貴金属が金属として測定して少なくとも0.1ppmになるに充分な量で用いる。その後、その組成物に乾燥または焼成を受けさせることで揮発物を除去、例えば乾燥を約100℃から約250℃で24時間に及ぶ時間受けさせるか或は焼成を約250℃から約900℃で約12時間に及んで受けさせる。
【0067】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに有用な更に別の種類の材料には、ZSM−5を約25から80重量%含有しかつ貴金属成分、例えばPt、Pd、Rh、Ir、Ru、OsおよびReおよびこれらの混合物(好適にはRhまたはIr)を少なくとも0.1ppm含有して成る組成物が含まれる。そのような貴金属成分を好適には約10から約10000ppm、より好適には約25から約5000ppm、最も好適には約30から約2500ppmの範囲の量で用いる。前記ZSM−5はゼオライトの水素もしくはアンモニウム形態であり得る。このZSM−5ゼオライトは個別の粒子添加剤として使用可能であるか或は当該触媒の一体型成分として合体させることも可能である。そのZSM−5ゼオライトを個別の粒子添加剤として用いる場合、それをFCC条件下のFCC装置で用いるに適した粒子状材料または微小球が得られるように適切な結合剤と結合させておいてもよい。そのような結合剤材料は好適にはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−ホスフェートおよびこれらの混合物である。場合により、適切なマトリクス成分、例えば粘土、例えばモントモリロナイト、カオリン、ハロイサイト、ベントナイト、アタパルジャイトなど、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、希土類酸化物、例えばランタナなど、遷移金属酸化物、例えばチタニア、ジルコニアおよびマンガン酸化物など、
2(IIA)族の酸化物、例えばマグネシウムの酸化物およびバリウムの酸化物などを添加剤組成物の成分として合体させることも可能である。ZSM−5ゼオライトを分解用触媒の一体型触媒成分として用いる場合、それを約2から約60重量%の量で通常の触媒材料と一緒に通常様式で前記分解用触媒の中に合体させる。そのような一体型触媒は、典型的に、ZSM−5ゼオライト成分に加えてUSYもしくはREUSYゼオライト、通常のマトリクス成分、例えばアルミナ、シリカ−アルミナ、希土類酸化物、例えばランタナなど、遷移金属酸化物、例えばチタニア、ジルコニアおよびマンガン酸化物など、
2(IIA)族の酸化物、例えばマグネシウムの酸化物およびバリウムの酸化物など、粘土、例えばカオリンなどおよびこれらの混合物、および結合剤材料、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、燐酸アルミニウムなどおよびこれらの混合物を含有するであろう。この場合の還元窒素種用成分の調製は、米国特許出願連続番号10/909,706および10/909,709(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている方法を用いて実施可能であり、この場合に用いるゼオライトはYが基になったゼオライト以外のZSM−5でありそしてこの
組成物の他の成分を本明細書の上に記述した如き最終的組成物がもたらされるに必要な量で用いる。そのような貴金属成分を前記ZSM−5含有ゼオライトに本技術分野で公知の方法のいずれか、例えばイオン交換、含浸などで添加してもよい。その貴金属成分を前記ZSM−5含有ゼオライトの粒子にか、或は前記ZSM−5含有ゼオライトと分解用触媒の両方が組み込まれている一体型触媒に添加してもよい。そのような貴金属の適切な源には、硝酸塩、塩化物、炭酸塩および硫酸塩、アミン錯体などの水溶液が含まれる。そのような塩もしくは錯体を最終的触媒/添加剤組成物中の貴金属が金属として測定して少なくとも0.1ppmになるに充分な量で用いる。その後、その組成物に乾燥または焼成を受けさせることで揮発物を除去、例えば乾燥を約100℃から約250℃で24時間に及ぶ時間受けさせる或は焼成を250℃から約900℃で約12時間に及んで受けさせる。
【0068】
本発明におけるNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分として用いるに適した他の材料には、これらに限定するものでないが、米国特許第5,002,654号に開示および記述されている如き亜鉛が基になった触媒、米国特許第4,988,432号に開示および記述されている如きアンチモンが基になったNO
x減少用添加剤、米国特許第5,021,146号に開示および記述されている如き元素周期律表の
3(IIIB)族の元素の酸化物が基になったNO
x減少用添加剤、米国特許第5,364,517号および5,565,181号に開示および記述されている如きペロブスカイト−スピネル系NO
x減少用添加剤、PCT国際公開番号WO 95/03876に開示および記述されている如きMg−AlおよびCuおよび場合によりCeの酸化物、そして例えば米国特許第4,889,615号、4,946,581号、4,952,382号、5,114,691号、5,114,898号および6,479,421 B1などに開示および記述されている如きヒドロタルサイトが基になった触媒組成物[このヒドロタルサイトが基になった触媒組成物は、更に、少なくとも1種の希土類金属(Ceが好適である)および鉄、ニッケル、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ゲルマニウム、錫、ビスマス、モリブデン、アンチモン、バナジウムおよびこれらの混合物から成る群から選択した1種以上の遷移金属(これらの中でバナジウムが好適である)も含有していてもよい]を含んで成る組成物が含まれる。上述した特許各々の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。この種類の材料に従う触媒/添加剤組成物に更に貴金属成分、即ちPt、Pd、Rh、Ir、Ru、Os、Reおよびこれらの混合物(好適にはRhまたはIr)も金属として測定して少なくとも0.1ppm含有させる。そのような貴金属成分を好適には約10から約10000ppm、より好適には約25から約5000ppm、最も好適には約30から約2500ppmの範囲の量で用いる。そのような貴金属成分を上述した組成物に通常の方法、例えば含浸、イオン交換などで添加する。好適には、貴金属塩の水溶液を用いた含浸によって前記貴金属成分を前記触媒/添加剤組成物に添加する。適切な塩には、硝酸塩、塩化物、炭酸塩および硫酸塩、アミン錯体などが含まれる。そのような塩もしくは錯体を最終的触媒/添加剤組成物中の貴金属が金属として測定して少なくとも0.1ppmになるに充分な量で用いる。その後、その組成物に乾燥または焼成を受けさせることで揮発物を除去、例えば乾燥を約100℃から約250℃で24時間に及ぶ時間受けさせるか或は焼成を250℃から約900℃で約12時間に及んで受けさせる。
【0069】
還元窒素種用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、PCT国際公開番号WO
2004/033091および米国特許出願2004/0072675(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如きNO
x除去用組成物が含まれる。そのようなNO
x除去用組成物は、一般に、(i)酸性酸化物である担体、(ii)酸化セリウム、(iii)セリア以外のランタニド系列元素および(iv)場合により周期律表の
11(IB)および12(IIB)族およびこれらの混合物から成る群から選択した遷移金属の少なくとも1種の酸化物および(v)Pt、Pd、Rh、Ir、Os、Ru、Reおよびこれらの混合物から成る群から選択した少なくとも1種の貴金属(これらの中でPtおよびPdが好適である)を含有して成る。
【0070】
還元窒素種用成分として用いるに有用な別の種類の材料には、例えば米国特許第6,117,813号(これの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示および記述されている如き組成物[更に1種以上の白金族金属(例えばPt、Pd、Rh、Ir、Ru、OsおよびRe)、好適にはRhまたはIrも金属として測定して少なくとも0.1ppm含有して成る]が含まれる。この組成物は、一般に、(i)
8、9、10(VIII)族の少なくとも1種の遷移金属酸化物を有効な濃度で含有し(更に白金族金属の中の少なくとも1種以上、好適にはRhまたはIrも含有)、(ii)
3(IIIB)族の少なくとも1種の金属酸化物を有効な濃度で含有し、(iii)
2(IIA)族の少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物を有効な濃度で含有しそして場合により(iv)微小球状アルミナを含有する。好適な
8、9、10(VIII)族の金属はCoであり、好適な白金族金属はRhであり、好適な
3(IIIB)族の金属はLaでありそして好適な
2(IIA)族のアルカリ土類金属はSrである。
【0071】
本発明のNO
x減少用組成物の還元窒素種用成分が本明細書の上に記述した如き少なくとも1種の還元窒素種用成分または還元窒素種用成分の任意組み合わせを含んで成ることは本発明の範囲内である。
【0072】
本発明に従い、本発明の方法で用いるに有用なNO
x減少用組成物は分解用触媒インベントリーと一緒に循環する個別の粒子状添加剤として使用可能であるか、或は別法として、それを分解用触媒の一成分としてそれの中に合体させてもよい。本NO
x減少用組成物を個別の粒子状添加剤として用いる場合、本NO
x減少用組成物を構成するNO
x減少用成分と還元窒素種用成分を個別の粒子として独立してFCC分解用触媒インベントリーに添加してもよいか、或は別法として、その成分を分解用触媒インベントリーに添加して物理的に混合またはブレンドすることで単一の粒子添加剤にする。本発明の好適な態様では、本NO
x減少用組成物の成分を循環している分解用触媒インベントリーに個別の粒子として独立して添加する。
【0073】
NO
x減少用組成物またはこれの成分を本発明では一般に粒子の形態で用い、それの粒径を本組成物が接触分解装置の中を全体に渡って分解用触媒と同時に循環するに充分な粒径にする。本NO
x減少用組成物およびこれの成分の平均粒径を典型的には45μm以上にする。その平均粒径を好適には約50から200μm、最も好適には約55から約150μm、更により好適には約60から約120μmにする。本発明の組成物およびこれの成分を含んで成る粒子の表面積を一般に少なくとも5m
2/g、好適には少なくとも10m
2/g、最も好適には少なくとも30m
2/gにしそしてそれが示すDavison摩耗指数(DI)が50以下、好適には20以下、最も好適には15以下であるようにする。
【0074】
NO
x減少用組成物またはこれの成分を個別の添加剤として用いる場合、それの使用量を、通常の気体分析方法(これらに限定するものでないが、化学発光、紫外分光法、赤外分光法などを包含)で測定してFCCU再生装置内に存在するNO
x排気の量が本NO
x減少用組成物を用いない時に存在するNO
x排気の量に比べて低下するに充分ないずれか
の量にする。本NO
x減少用組成物を個別の粒子添加剤として用いる時の量は典型的に触媒インベントリーの少なくとも0.01、好適には少なくとも0.05、最も好適には少なくとも0.1重量%である。本NO
x減少用組成物を好適には分解用触媒インベントリーの約0.01から約45重量%、最も好適には約0.05から約30重量%、更により好適には約0.1から約20重量%の範囲の量で用いる。
【0075】
本NO
x減少用組成物を分解用触媒の個別の成分として前記分解用触媒の中または上に合体させる場合、本NO
x減少用組成物を分解用触媒組成物の典型的には少なくとも0.01、好適には少なくとも0.05、最も好適には少なくとも0.1重量%の量で用いる。本NO
x減少用組成物を好適には分解用触媒組成物の約0.01から約45重量%、最も好適には約0.05から約30重量%、更により好適には約0.1から約20重量%の範囲の量で用いる。
【0076】
また、それぞれ、本発明のNO
x減少用組成物を構成する少なくとも1種のNO
x減少用成分または少なくとも1種の還元窒素種用成分を本明細書の上に記述した如く分解用触媒の一成分としてそれの中に合体させてもよいと同時にもう一方の成分、即ちNO
x減少用成分または還元窒素種用成分を本明細書の上に記述した如く個別の粒子状添加剤として用いることも本発明の範囲内である。
【0077】
本発明のNO
x減少用組成物で用いるべきNO
x減少用成分および還元窒素種用成分の各々の相対的量は多様であり、その量を特定の如何なる比率にも限定するものでない。各成分の量は、具体的な再生装置のデザインおよび稼働、稼働様式、触媒または気体のいずれかに関する不均衡分配の度合、酸素の濃度、他のいずれかの添加剤が存在するか否か、および達成する必要のあるNO
x減少などの如き要因に依存するであろう。しかしながら、一般的には、それらの成分を0.02から50、好適には0.1から10、最も好適には0.2から5.0の比率で用いる。NO
x減少用組成物および/またはこれの成分の個々の粒子を触媒インベントリーに通常のいずれかの様式で添加してもよく、例えば再生装置に補給する触媒と一緒にか或は通常のいずれかの方法で添加してもよい。
【0078】
触媒材料の循環しているインベントリーに、前記分解用触媒および本NO
x減少用組成物に加えて、他の触媒活性成分を存在させることも可能である。そのような他の材料の例には、ゼオライトZSM−5が基になったオクタン価向上用触媒、担持型貴金属、例えば白金などが基になったCO燃焼促進剤、排煙脱硫用添加剤(通常はSO
x用添加剤として知られる)、例えばDESOX(商標)(マグネシウムアルミニウムスピネル)など、バナジウムトラップおよび釜残分解用添加剤、例えばKrishna,Sadeghbeigi,op citおよびScherzer,Octane Enhancing Zeolitic FCC Catalysts,Marcel Dekker,New York,1990 ISBN 0−8247−8399−9に記述されている如きそれらが含まれる。そのような他の成分はそれらに通常の量で使用可能である。
【0079】
本方法の効果は、不均一燃焼様式で稼働しているFCC工程から排出されるNO
x排気の全体的含有量を最小限にする効果である。本方法を用いると非常に有意なNO
x排気減少を達成することができ、ある場合には、本明細書の上に記述した如き本発明の好適な形態のNO
x減少用組成物を用いると、変換率を一定にした時、通常の分解用触媒を用いた基本ケースに比べて約90%に及ぶ減少を達成することができる。以下の実施例に示すように、本発明に従う方法を用いると10から90%のNO
x減少率を容易に達成することができる。しかしながら、触媒技術分野の技術者が理解するであろうように、NO
x減少度合は、使用する添加剤の組成および量、FCCUのデザインおよびそれを稼働させる様式(これらに限定するものでないが、再生装置内の酸素の濃度および空気の分布を包含)、再生装置内の触媒床の深さ、ストリッパーの稼働および再生装置の温度、分解を受けさせるべき炭化水素原料の特性、および再生装置の化学および稼働に影響を与える可能性のある他の触媒添加剤が存在するか否かなどの如き要因に依存するであろう。このように、各FCCUはそれらの観点のいくつかまたは全部の点で異なることから、本発明の方法の効果は装置から装置で変わる可能性がある。
【0080】
以下に挙げる実施例は決して本発明の範囲を限定することを意図するものでない。本実施例に本発明の方法で用いるに有用な酸化添加剤の調製および本発明の方法が接触分解環境でNO
xおよび気相還元窒素種を減少させるか否かの評価を含める。
【0081】
本発明および本発明の利点を更に例示する目的で以下の具体的実施例を示す。本実施例は本発明の具体的例示として示すものである。しかしながら、本発明を本実施例に示す具体的詳細に限定するものでないと理解されるべきである。
【0082】
本実施例ばかりでなく本明細書の残りで固体材料の組成または濃度を指す部およびパーセントは全部特に明記しない限り重量である。しかしながら、本実施例ばかりでなく本明細書の残りで気体の組成を指す部およびパーセントは全部特に明記しない限りモル規定または体積である。
【0083】
その上、数値の範囲、例えば個々の組の特性、測定単位、条件、物理的状態またはパーセントなどの数値の範囲を本明細書または請求項で示す場合、いずれも、そのような範囲内に入る如何なる数[その示したいずれかの範囲内に入る如何なるサブセットの数も包含]も言及または他の様式で文字通りその中に明らかに入れることを意図する。
[実施例]