特許第5752911号(P5752911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5752911
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】リクライニング装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 1/025 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   A47C1/025
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-228232(P2010-228232)
(22)【出願日】2010年10月8日
(65)【公開番号】特開2012-80992(P2012-80992A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2013年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】590001164
【氏名又は名称】シロキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085187
【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 秀彦
【審査官】 鈴木 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−200473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/025
B60N 2/235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周方向に沿った内歯が形成された第1部材と、
前記内歯と噛合可能な外歯を有した複数のポールと、
前記第1部材と前記円周方向に相対回転可能に設けられ、前記各ポールの両側面を挟み、前記外歯が前記内歯と噛合するロック位置,前記外歯が前記内歯から離れたアンロック位置の間で前記各ポールを案内するガイドが形成された第2部材と、
を有し、
前記外歯が前記第1部材の前記内歯に噛合することにより、前記第1部材と第2部材との相対回転が禁止されるリクライニング装置において、
前記第1部材,前記第2部材の間に配置され、前記相対回転の回転軸上で回転可能な第1カムと、
隣接する2つの前記ポールを跨ぐように配置され、前記第1カムに押されると、前記2つのポールの外歯が設けられた面と反対側の面に当接可能な第2カムと、
を設け、
ポールには、前記第2カムは1つだけ当接可能であり、
前記第1カムは少なくとも1つの第2カムを押すことを特徴とするリクライニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円周方向に沿った内歯が形成された第1部材と、前記内歯と噛合可能な外歯を有した複数のポールと、前記第1部材と前記円周方向に相対回転可能に設けられ、前記各ポールの両側面を挟み、前記各ポールを前記円周の半径方向に案内する第1ガイドが形成された第2部材と、前記外歯が前記第1部材の前記内歯に噛合することにより、前記第1部材と第2部材との相対回転が禁止されるリクライニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図9図10を用いて従来のリクライニング装置の一例を説明する。図9は従来の車両のシート用のリクライニング装置の分解斜視図、図10はシートの構成図である。
【0003】
図10に示すように、シート1は、着座者の臀部を支持するシートクッション2と、シートクッション2に対して前後方向に傾動可能に設けられ、着座者の背部を支持するシートバック3とからなっている。4はシートバック3の傾動の回転軸上に設けられ、シートバック3の傾動を許可/禁止するリクライニング装置である。
【0004】
リクライニング装置は、図9に示すように、円周方向に沿った内歯7aが形成され、前記円周の中心軸に沿って貫通した穴7bが形成された第1部材7と、該第1部材7と前記円周方向に相対回転可能に設けられ、前記円周の中心軸に沿って貫通した穴5bが形成された第2部材5とを有している。本従来例では、第1部材7がシートバック3側に、第2部材5がシートクッション2側に取り付けられている。
【0005】
第1部材7と第2部材5との間には、内歯7aと噛合可能な外歯10aを有した4つのポール10が配置されている。また、第2部材5には、前記各ポール10の両側面を挟み、各ポール10を半径方向に案内するガイド5aが形成されている。更に、第1部材7,第2部材5との間には、第1部材の穴7b、第2部材5の穴5aに回転可能に支持され、相対回転の回転軸上で回転するカム9が配置されている。カム9の周部には、各ポール10に応じて、周方向に沿って凹部9aと突部9bとが形成されている。また、各ポール10の外歯10aが形成された面と反対側の面には、カム9の突部9bが進入可能な凹部10bと、カム9の凹部9aに進入可能な突部10cとが形成されている。
【0006】
このため、カム9を一方の方向に回転させると、カム9の突部9bがポール10の外歯10aと反対側の面(以下、背面という)10dを押し、外歯10aが第1部材7の内歯7aに噛合する方向にポール10を追い込むようになっている。逆に、カム9を他方の方向に回転させると、カム9の突部9bがポール10の凹部10bに進入し、外歯10aが第1部材7の内歯7aから離れる方向にポール10を引き上げるようになっている。
【0007】
第1部材7には、中央部に穴11aが形成されたストッパプレート11が配置される。このストッパプレート11には4つの穴11aが形成され、こられの穴11aに、第1部材7に形成された4つの突部7cが嵌合することにより、ストッパプレート11は固定されている。そして、第2部材5に形成されたストッパ突起5cが第1部材7に固定されたストッパプレート11に形成された突部11bの立壁部11cに、第2部材5に形成されたストッパ突起5dが、第1部材7に固定されたストッパプレート11に形成された突部11bの立壁部11dにそれぞれ当接する範囲で、第1部材7と第2部材5との相対回転が可能となっている。即ち、シートバック3は、図10において角度θの範囲で傾動可能となっている。
【0008】
また、外端部が第2部材5に係止され、内端部がカム9に係止されたスプリング13により、カム9は一方の方向、即ち、ポール10の外歯10aが第1部材7の内歯7aに噛合する方向に付勢されている。
【0009】
通常、スプリング13の付勢力により、第2部材5に設けられた各ポール10は、外歯10aが、第1部材7の内歯7aに噛合したロック位置にあり、第1部材7と第2部材5との相対回転は禁止され、シートバック3はシートクッション2に対して回転ができない状態(ロック状態)にある。
【0010】
スプリング13の付勢力に抗して、カム9を操作して、他方の方向に回転させると、各ポール10は、外歯10aと内歯7aとの噛合が解除されたロック解除位置に移動し、第1部材7と第2部材5との相対回転が可能となり、シートバック3はシートクッション2に対して回転可能となる。
【0011】
カム9への操作力を解除すると、スプリング13の付勢力により、第2部材5に設けられた各ポール10の外歯10aが、第1部材7の内歯7aに噛合し、第1部材7と第2部材5との相対回転は禁止され、再びロック状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−247395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、図9に示すリクライニング装置では、1つのカム9で、4つのポール10を噛合する方向に追い込んでいる。一方、カム9,ポール10,第1部材7,第2部材5等の部品には、寸法誤差がある。よって、4つのポール10の外歯10aが第1部材7の内歯7aに対して、同時に完全に噛合することはない。
【0014】
即ち、カム9を一方の方向へ回転させると、最初に、4つあるうちの1つのポール10の外歯10aが第1部材7の内歯7aに完全に噛合する。そして、カム9の一方の方向への回転が禁止される。一方、カム9と、第1部材7の穴7a,第2部材5の穴5aとの間には、若干の隙がある。よって、一方の方向へ回転が禁止されたカム9は、4つあるうちの1つのポール10の外歯10aと第1部材7の内歯7aとの完全な噛合状態を保持しつつ、移動し、残り3つのポール10のうちの1つのポール10の背面10dが、回転方向以外の方向に移動したカム9の突部9bに押され、完全に噛合する。
【0015】
即ち、上記従来例では、カム9は2方向でポールを追い込むこととなる。その結果、4つのポールのうち、2つのポールが完全に噛合し、他の2つのポールは不完全な噛合となる。このため、リクライニング装置のロック強度が低下する問題点がある。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、ロック強度が向上するリクライニング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
課題を解決する請求項1に係る発明は、円周方向に沿った内歯が形成された第1部材と、前記内歯と噛合可能な外歯を有した複数のポールと、前記第1部材と前記円周方向に相対回転可能に設けられ、前記各ポールの両側面を挟み、前記外歯が前記内歯と噛合するロック位置,前記外歯が前記内歯から離れたアンロック位置の間で前記各ポールを案内するガイドが形成された第2部材と、を有し、前記外歯が前記第1部材の前記内歯に噛合することにより、前記第1部材と第2部材との相対回転が禁止されるリクライニング装置において、前記第1部材,前記第2部材の間に配置され、前記相対回転の回転軸上で回転可能な第1カムと、隣接する2つの前記ポールを跨ぐように配置され、前記第1カムに押されると、前記2つのポールの外歯が設けられた面と反対側の面に当接可能な第2カムと、
を設け、ポールには、前記第2カムは1つだけ当接可能であり、前記第1カムは少なくとも1つの第2カムを押すことを特徴とするリクライニング装置である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、前記第1部材,前記第2部材の間に配置され、前記相対回転の回転軸上で回転可能な第1カムと、隣接する2つの前記ポールを跨ぐように配置され、前記第1カムに押されると、前記2つのポールの外歯が設けられた面と反対側の面に当接可能な第2カムとを設けた。
【0019】
第1カムが一方の方向へ回転し第2カムを押すと、第2カムが前記2つのポールの外歯が設けられた面と反対側の面に当接し、2つのポールは内歯に噛み合う方向に追い込まれる。そして、第2カムに押される2つのポールのうちのどちらか一方のポールが最初に内歯に完全に噛合する。2つのポールのうち、一方のポールが内歯に完全に噛合すると、第2カムは他方のポールが噛合する方向に追い込まれ、他方のポールも内歯に完全に噛合する。そして、第1カムの一方の方向への回転が禁止される。一方、第1カムを回転可能に支持している機構と第1カムとの間には、第1のカムの半径方向に若干の隙がある。よって、一方の方向へ回転が禁止された第1カムは、半径方向に移動可能となっている。更に、第1カムは少なくとも1つの第2カムを押すようになっている。第2カムが1つの場合は、第1カムは第2カムに押されない他のポールを押し、他のポールは完全に噛合する。即ち、3つのポールが完全に噛合し、ロック強度が向上する。また、第2カムが2つの場合は、他の第2カムを押し、他の第2カムが押す2つのポールが完全に噛合する。即ち、4つのポールが完全に噛合し、ロック強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態のリクライニング装置の分解斜視図である。
図2図1のリクライニング装置を組み付けた際の矢印C方向から見た斜視図である。
図3図1のリクライニング装置を組み付けた際の外周リング、ラチェットを取り除いた状態で、矢印C方向から見た図である。
図4図3において、外周リング、ラチェットを組み付けた状態での切断線A−Aでの断面図である。
図5図3において、外周リング、ラチェットを組み付けた状態での切断線B−Bでの断面図である。
図6図1のリクライニング装置を組み付けた際の矢印D方向から見た図である。
図7図1のリクライニング装置を組み付けた際の矢印E方向から見た図である。
図8】他の実施形態を説明する図である。
図9】従来の車両のシート用のリクライニング装置の分解斜視図である。
図10】シートの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
本実施の形態例のりクライング装置は、図10に示すリクライニング装置4と同様に、シートバック3の傾動の回転軸上に設けられるものである。
【0023】
図1図7を用いて、本実施形態のリクライング装置を説明する。図1は本実施形態のリクライニング装置の分解斜視図、図2図1のリクライニング装置を組み付けた際の矢印C方向から見た斜視図、図3図1のリクライニング装置を組み付けた際の外周リング、ラチェットを取り除いた状態で、矢印C方向から見た図、図4図3において、外周リング、ラチェットを組み付けた状態での切断線A−Aでの断面図、図5図3において、外周リング、ラチェットを組み付けた状態での切断線B−Bでの断面図、図6図1のリクライニング装置を組み付けた際の矢印D方向から見た図、図7図1のリクライニング装置を組み付けた際の矢印E方向から見た図である。
【0024】
図1において、シートバック側に設けられるラチェット(第1部材)21は、円板状の板材をプレスにより半抜加工し、円形凹部21aが形成されている。この円形凹部21aの内周面には、内歯23が円周方向全域に形成されている。また、円形凹部21aの中心には、貫通した穴21bが形成されている。
【0025】
シートクッション側に設けられるベースプレート(第2部材)25も、円板状の板材をプレスにより半抜加工し、円形凹部25aが形成されている。この円形凹部25aの径は、ラチェット21の外径より若干大きく設定されている。そして、円形凹部25aに、ラチェット21が嵌め込まれ、ベースプレート25とラチェット21とは相対回転可能となっている。また、ラチェット21の中心には、貫通した穴25bが形成されている。なお、ベースプレート25の穴25bの径は、ラチェット21の穴21aの径より大きく設定されている。
【0026】
そして、ラチェット21の外周部と、ベースプレート25の外周部とは、リング状の外周リング27により挟持され、ラチェット21とベースプレート25とは、相対回転の軸(図1においてO)方向に分離されることなく、相対回転可能に保持されている。
【0027】
ラチェット21の円形凹部21aとベースプレート25の円形凹部25aとが形成する空間には、カム本体31cと、第1軸部31aと第2軸部31bとからなる第1カム31が配置される。第1軸部31aはカム本体31cの一方の面側に形成され、ラチェット21の穴21aに回転可能に支持される。第2軸部31bは第1カム31の一方の面側に、第1軸部31aと同軸上となるように形成される。本実施形態では、第1軸部31a,第2軸部31bは、断面が同一小判形の円筒としている。
【0028】
第1カム31とラチェット21の円形凹部21aとの間には、レリーズプレート33が配置される。このレリーズプレート33の中央部には、第1カム31の第1軸部31aの断面形状より若干大きな小判形の穴33aが形成されている。そして、この穴33aに、第1カム31の第1軸部31aが挿通することにより、第1カムと31とレリーズプレート33とは一体となって回転する。
【0029】
図1図2図3に示すように、レリーズプレート33とベースプレート25の円形凹部25aとの間には、円周方向に沿ってポール41とポール43とが交互に計4つ配置されている。更に、図3に示すように、ポール41とポール43とは、円周の径方向に沿った線分に関して対称な形状(線対称形状)となっている。
【0030】
ポール41,ポール43の内歯23と対向する面には、内歯23に噛合可能な外歯41a,43aが形成されている。
【0031】
また、ベースプレート25の円形凹部25aには、ラチェット21方向に突出した2つの第1突出部35が円周方向に沿って180°間隔で形成さている。2つの第1突出部35の間には、2つの第2突出部37,2つの第3突出部39が円周方向に沿ってそれぞれ180°間隔で形成されている。第1突出部35の両側部は、ベースプレート25の円形凹部25aの底面と直交し、円周の半径方向と平行なガイド面35a,35bとなっている。第2突出部37の両側部は、ベースプレート25の円形凹部25aの底面と直交し、円周の半径方向と平行なガイド面37a,37bとなっている。第3突出部39の両側部は、ベースプレート25の円形凹部25aの底面と直交し、円周の半径方向と平行なガイド面39a,39bとなっている。
【0032】
そして、第1突出部35のガイド面35aと、第3突出部39のガイド面39aとの間隔はポール41の幅より若干広く設定され、これら2つのガイド面間にポール41が配置されることにより、第1突出部35、第3突出部39はポール41を円周の半径方向に案内するガイド(第1ガイド)として機能する。同様に、第1突出部35のガイド面35bと、第2突出部37のガイド面37aとは、ポール43の幅より若干広く設定され、これら2つのガイド面間にポール43が配置されることにより、第1突出部35、第2突出部37はポール43を円周の半径方向に案内するガイド(第1ガイド)として機能する。
【0033】
ポール41の外歯41aが形成された面と反対側の面(以下、背面という)の第1突出部35側には第1カム31方向に突出する突部41bが形成され、第3突出部39側には、凹部41cが形成されている。また、ポール43の外歯43aが形成された面と反対側の面(以下、背面という)の第1突出部35側には、第1カム31方向に突出する突部43bが形成され、第2突出部37側には、凹部43cが形成されている。
【0034】
そして、第2突出部37,第3突出部39を介して隣接する2つのポール41,ポール43を跨ぐように、第2カム45が配置される。第2カム45は、本体部45aと、内歯23に向かって延びるガイド部45bとからなっている。一方、第2突出部37のガイド面37bと、第3突出部39のガイド面39bとの間隔は、第2カム45のガイド部45bの幅より若干広く設定され、これら2つのガイド面間に第2カム45のガイド部45bが配置されることにより、第2突出部37、第3突出部39は第2カム45を円周の半径方向に直線移動するように案内するガイド(以下、第2ガイドという)として機能する。
【0035】
第2カム45の本体部45aのポール41,ポール43と対向する面側には、ポール41の凹部41c,ポール43の凹部43cに当接可能なロック部45d,45cが形成されている。
【0036】
第1カム31のカム本体31cの周部には、ポール41、ポール43の背面に形成された突部41b,突部43bが当接可能な4つのポール突起31dが形成されている。また、第1カム31のカム本体31cの周部には、第1カム31が一方の方向に回転すると、第2カム45の本体部45aのロック部45c,45dが形成された面と反対側の面(以下、背面という)を押して、外歯41a,外歯43aがラチェット21の内歯23に噛合する方向にポール41,ポール43を追い込む第2カム突起31eが形成されている。
【0037】
本実施の形態例では、第2カム45のロック部45d,45cが当接するポール41の凹部41c,ポール43の凹部43cの面は、外歯41a,外歯43aがラチェット21の内歯23に噛合する方向にポール41,ポール43を追い込む力と、ポール41,ポール43が第1突出部35側に押される力とが発生するような斜面となっている。
【0038】
ベースプレート25の穴25bには、外端部が穴25bの壁周面に形成された半径方向に延出する2つの溝25cのうちの一方の溝25cに係止され、内端部が第1カム31の断面形状が小判形の第2軸部31bに巻回されたスパイラルスプリング47が配置されている。このスパイラルスプリング47の付勢力により、第1カム31は、ポール41,ポール43の外歯41a,外歯43aがラチェット21の内歯23に噛合する方向に付勢されている。
【0039】
ポール41,ポール43,第2カム45には、レリーズプレート33方向に突出する突起41d,突起43d,突起45eがそれぞれ形成されている。一方、レリーズプレート33には、ポール41の突起41d,ポール43の突起43dと、第2カム45の突起45eとがそれぞれ係合し、回転することにより、ポール41,ポール43,第2カム45を駆動するカム穴33bとカム穴33cとが形成されている。そして、カム穴33b,33cは、第1カム31(レリーズプレート33)を他方の方向に回転すると、外歯41a,外歯43aがラチェット21の内歯23から離れる方向にポール41,ポール43,第2カム45を引き上げるような形状に形成されている。
【0040】
ラチェット21の内壁面で、内歯23より円形凹部21aの底面側の内壁面には、円周方向に沿って円周の中心に向かって突出する一組の突部51が形成されている。第2カム45には、この突部51の頂部に乗り上げ可能な突起45fが形成されている。突部51の突出量は、第2カム45の突起45fが乗り上げると、外歯41a,外歯43aがラチェット21の内歯23より離れた位置でポール41,ポール43を保持する量に設定されている。そして、第2カム45の突起45fが突部51に乗り上げると、第1カム31の一方の方向への回転(ポール41,ポール43の外歯41a,外歯43aがラチェット21の内歯23に噛合する方向への回転)が禁止され、第1カム31を操作しなくても、ラチェット21とベースプレート25との相対回転が可能となる。
【0041】
次に、上記構成の作動を説明する。
【0042】
通常、スパイラルスプリング47の付勢力により、第1カム31を介してベースプレート25側のポール41の外歯41a,ポール43の外歯43aがラチェット21の内歯23に噛合したロック位置にあり、ラチェット21とベースプレート25との相対回転は禁止され、シートバックはシートクッションに対して回転ができない状態(ロック状態)にある。
【0043】
スプリング47の付勢力に抗して、第1カム31を操作して、他方の方向に回転させると、第1カム31と共に回転するレリーズプレート33が回転し、外歯41a,外歯43aがラチェット21の内歯23から離れる方向にポール41,ポール43,第2カム45が引き上げられ、ポール41,ポール43,第2カム45は、外歯41a,外歯43aとラチェット21の内歯23との噛合が解除されたロック解除位置に移動し、ラチェット21とベースプレート25との相対回転が可能となり、シートバック3はシートクッション2に対して回転可能となる。
【0044】
なお、第2カム45の突起45fが突部51に乗り上げると、第1カム31を操作しなくても、ラチェット21とベースプレート25との相対回転が可能となる。
【0045】
第1カム31への操作力を解除すると、スパイラルスプリング47の付勢力により、ベースプレート25に設けられたポール41,ポール43,第2カム45の外歯43a,外歯43aが、ラチェット21の内歯23に噛合し、ラチェット21とベースプレート25との相対回転は禁止され、再びロック状態となる。
【0046】
本実施形態では、第1カム31と、隣接する2つのポール41,ポール43を跨ぐように配置され、第1カム31に押されると、ポール41,43の背面に当接可能な2つの第2カム45と、ベースプレート25に設けられ、第2カム45を円周の半径方向に案内する第2ガイド(第2突出部37のガイド面37bと第3突出部39のガイド面39bとの間)とを設けた。
【0047】
第1カム31が一方の方向へ回転し、第1カム31が2つの第2カム45を押すと、それぞれの第2カム45がポール41,43の背面に当接し、各ポール41,各ポール43は内歯23に噛み合う方向に追い込まれる。
【0048】
そして、2つある第2カム45のうち、一方の第2カム45側のポール41,ポール43のうちのどちらか一方のポールが最初に内歯23に完全に噛合する。そして、第1カム31の一方の方向への回転が禁止される。一方、第2ガイド(第2突出部37のガイド面37bと第3突出部39のガイド面39bとの間)と一方の第2カム45のガイド部45bとの間には、若干の隙がある。よって、2つのポールのうち、一方のポールが内歯に完全に噛合すると、一方の第2カムは、ポール41,ポール43のうちのどちらか一方のポールが内歯23に完全に噛合した状態を保持しつつ、第2ガイド内で他方のポールが噛合する方向に追い込まれ、一方の第2カムに押される他方のポールも内歯23に完全に噛合する。
【0049】
また、第1カム31の第1軸部31aと、第1軸部31aを回転可能に支持するラチェット21の穴21aの間にも、若干の隙がある。よって、一方の方向への回転が禁止された第1カム31は、一方の第2カムに押される2つのポールが内歯に完全に噛合した状態を保持しつつ、移動し、他方の第2カム45を押す。そして、他方の第2カム45側のポール41,ポール43のうちのどちらか一方のポールが内歯23に完全に噛合する。第2ガイド(第2突出部37のガイド面37bと第3突出部39のガイド面39bとの間)と他方の第2カム45のガイド部45bとの間には、若干の隙がある。よって、2つのポールのうち、一方のポールが内歯に完全に噛合すると、他方の第2カム45はポール41,ポール43のうちのどちらか一方のポールが内歯23に完全に噛合した状態を保持しつつ、第2ガイド内で他方のポールが噛合する方向に追い込まれ、他方のポールも内歯23に完全に噛合する。
【0050】
よって、本実施形態では、4つのポールが完全噛合し、ロック強度が向上する。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態に限定するものではない。たとえば、ポールは3つで、3つのポールのうち2つのポールを1つの第2カムで追い込むようにしてもよい。この場合、第2カムに追い込まれる2つのポールと、第1カムで追い込まれる1つのポールとが完全噛合し、ロック強度が向上する。
【0052】
更に、ポールが5つ以上あってもよい。この場合、第2カムが1つならば、3つのポールが完全噛合可能であるし、第2カムが2つならば4つのポールが完全噛合する。
【0053】
また、上記実施の形態では、ラチェット21をシートバック側にベースプレート25をシートクッション側に設けたが、ラチェット21をシートクッション側に、ベースプレート25をシートバック側に設けてもよい。
【0054】
更に、上記実施形態では、ポール41は、第1突出部35、第3突出部39、ポール43は第1突出部35、第2突出部37に案内されて円周の半径方向に直線移動するリクライニング装置であったが、図8に示すような構成のリクライニング装置にも本発明は適用できる。図8は他の実施形態を説明する図であり、ベースプレートを取り除いた状態でベースプレート側からラチェットを見た図である。
【0055】
図において、図示しないベースプレートと相対回転可能に設けられたラチェット105には、相対回転の円周方向に沿って内歯107が形成されている。
【0056】
4つのポール101は、図示しないベースプレートに設けられた断面形状が略半月状の突出部103を中心に回転可能に設けられている。ポール101の一方の回転端部側でラチェット105の内歯107に対向する面側には、内歯107に噛合可能な外歯109が形成されている。また、ポール101の他方の回転端部側でラチェット105の内歯107に対向する面と反対側の面に突起101aが形成されている。
【0057】
ベースプレートには、各ポール101の両側面を挟み、外歯109が内歯107と噛合するロック位置,外歯109が内歯107から離れたアンロック位置の間で各ポール101を案内するガイドとしての突出部111、突出部113が形成されている。
【0058】
ベースプレートと、ラチェット105との相対回転の軸上には、ラチェット105に回転可能に支持されたシャフト114が設けられている。ベースプレートと、ラチェット105との間には、シャフト114に固着され、シャフト114と共に回転する第1カム115が設けられている。この第1カム115は、図において、反時計方向に回転すると、ポール101の突起101aを押して、外歯109が内歯107から離れる方向にポール101を回転させる。
【0059】
一方、隣接する2つのポール101を跨ぐように2つの第2カム117が配置されている。第1カム115は、図において、時計方向に回転すると、第2カム117を押し、第2カム117は2つのポール101の外歯109が設けられた面と反対側の面を押して、外歯109が内歯107に噛合する方向にポール101を回転させる。また、本形態では、第2カム117が当接するポール101の面は、外歯101aがラチェット105の内歯107に噛合する方向にポール101を追い込む力と、ポール101が突出部103に押される力とが発生するような斜面となっている。
【0060】
そして、2つある第2カム117のうち、一方の第2カム117側の2つのポール101のうちのどちらか一方のポールが最初に内歯107に完全に噛合する。そして、第1カム115の時計方向への回転が禁止される。2つのポール101のうち、一方のポールが内歯107に完全に噛合した状態を保持しつつ、一方の第2カム117はその場で回転し、他方のポール101も内歯107に完全に噛合する。
【0061】
また、第1カム115のシャフト114と、このシャフト114を回転可能に支持するラチェット105との間には、若干の隙がある。よって、時計方向への回転が禁止された第1カム115は、一方の第2カム117に押される2つのポール101が内歯107に完全に噛合した状態を保持しつつ、移動し、他方の第2カム117を押す。そして、他方の第2カム117側のポール101のうちのどちらか一方のポール101が内歯107に完全に噛合する。2つのポール101のうち、一方のポールが内歯107に完全に噛合した状態を保持しつつ、一方の第2カム117はその場で回転し、他方のポール101も内歯107に完全に噛合する。
【0062】
よって、本他の形態でも、4つのポール101が完全噛合し、ロック強度が向上する。
【符号の説明】
【0063】
21 ラチェット(第1部材)
25 ベースプレート(第2部材)
31 第1カム
41,43 ポール
41a,43a 外歯
45 第2カム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10