特許第5753019号(P5753019)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5753019-緩効性肥料およびその製造方法 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753019
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】緩効性肥料およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C05G 3/00 20060101AFI20150702BHJP
   C05G 5/00 20060101ALI20150702BHJP
   C05C 11/00 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   C05G3/00 Z
   C05G5/00 Z
   C05G3/00 103
   C05C11/00
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-168628(P2011-168628)
(22)【出願日】2011年8月1日
(65)【公開番号】特開2013-32240(P2013-32240A)
(43)【公開日】2013年2月14日
【審査請求日】2014年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】899000079
【氏名又は名称】学校法人慶應義塾
(73)【特許権者】
【識別番号】591148613
【氏名又は名称】エムシー・ファーティコム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000206
【氏名又は名称】宇部興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】寺坂 宏一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 辰夫
(72)【発明者】
【氏名】海磯 孝二
【審査官】 松波 由美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−059378(JP,A)
【文献】 特開2001−114586(JP,A)
【文献】 特開2001−247866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05G 3/00
C05C 11/00
C05G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキサミドを含有したアルギン酸塩のゲルである肥料であって、オキサミド100質量部に対して、アルギン酸塩の含量が5〜25質量部である肥料。
【請求項2】
アルギン酸塩がアルギン酸カルシウムである請求項1に記載の肥料。
【請求項3】
形状が粒状または棒状である請求項1または2に記載の肥料。
【請求項4】
(1)オキサミドを、アルギン酸水溶液、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液またはアルギン酸アンモニウム水溶液と混合して分散液を調製し、
(2)得られた分散液を金属塩水溶液中に滴下するかまたは押出して、水難溶性の肥料を含有したアルギン酸塩のゲルを形成させることを含む、
請求項1〜のいずれか1項に記載の肥料の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載の肥料を含有する緩効性肥料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水難溶性の肥料を含有したアルギン酸塩のゲルである肥料、その製造方法およびそれを含有する緩効性肥料に関する。
【背景技術】
【0002】
水難溶性の肥料は、水に対する溶解度が低いため、緩効性肥料の成分として優れている。しかし、通常これらの肥料は、粒状肥料として用いられ、造粒工程での歩留まりの悪さ(通常、40〜60%の歩留まり率)、貯蔵・運搬における粉化、また、使用方法においては緩効性が不十分という問題があった。
【0003】
例えば、水難溶性の肥料であるオキサミドは、従来粉末として得られていたが、粉末の形態では、土壌中の分解菌により比較的早く分解されて無機化(植物が吸収できる形態にまで有機質肥料が分解されることをいう)し、無機化された成分は流亡、溶脱または脱窒、揮散などによる損失が起こり、緩効性の特徴が十分に生かされていなかった。そこで、オキサミドを粒状化し、分解菌との接触を制限することにより、オキサミドの肥効を長期間にわたり維持する技術が利用されてきたが(特許文献1〜3)、上記問題の解決が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−2628号公報
【特許文献2】特公平6−2629号公報
【特許文献3】特公平7−64666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、上記問題を解決し、また高い形状維持能力を有する、水難溶性の肥料を含有する緩効性肥料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.1またはそれ以上の水難溶性の肥料を含有したアルギン酸塩のゲルである肥料。
2.水難溶性の肥料100質量部に対して、アルギン酸塩の含量が1〜200質量部である上記1.に記載の肥料。
3.アルギン酸塩がアルギン酸カルシウムである上記1.または2.に記載の肥料。
4.含有される水難溶性の肥料の1つがオキサミドである上記1.〜3.のいずれかに記載の肥料。
5.形状が粒状または棒状である上記1.〜4.のいずれかに記載の肥料。
6.(1)1またはそれ以上の水難溶性の肥料を、アルギン酸水溶液、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液またはアルギン酸アンモニウム水溶液と混合して分散液を調製し、(2)得られた分散液を金属塩水溶液中に滴下するかまたは押出して、水難溶性の肥料を含有したアルギン酸塩のゲルを形成させることを含む、上記1.〜5.のいずれかに記載の肥料の製造方法。
7.上記1.〜5.のいずれかに記載の肥料を含有する緩効性肥料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、肥効を長期間にわたって維持できる水難溶性の肥料を含有する緩効性に優れた肥料を提供することができる。本発明の肥料は、高い形状維持能力を有し、貯蔵・運搬において崩壊または粉化しにくく、取り扱いが容易である。
しかも本発明によれば、肥料の造粒および粒径制御が容易となり、歩留まりの悪さが改善される(約100%の歩留まり率)。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例2で得られたゲル粒子の断面を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、アルギン酸塩のゲルは、1またはそれ以上の水難溶性の肥料を含有する。水難溶性の肥料としては、特に制限はないが、例えば、オキサミド、クロトニリデン二尿素(CDU)、イソブチリデン二尿素(IB)、ウレアホルム、苦土隣安、熔燐、珪酸カリ等であり、好ましくはオキサミド、クロトニリデン二尿素(CDU)、イソブチリデン二尿素(IB)、ウレアホルム、より好ましくはオキサミドである。
【0010】
本発明において、水難溶性の肥料を含有したアルギン酸塩は、農業上使用可能な金属イオンによってゲル形成能を有するアルギン酸塩であれば特に制限はなく、好ましくはアルカリ土類金属、例えば、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、より好ましくはカルシウム塩である。
【0011】
本発明において、水難溶性の肥料とアルギン酸塩の含量は、水難溶性の肥料100質量部に対して、アルギン酸塩が1〜200質量部、好ましくは2〜100質量部、特に好ましくは5〜25質量部である。
【0012】
本発明において、水難溶性の肥料は、アルギン酸塩のゲルに均一に分散している(実施例2、図1)。
本発明において、アルギン酸塩のゲルの水分含量は、好ましくは0〜20wt%、特に好ましくは0〜15wt%である(110℃の熱風乾燥機内で48時間乾燥させて重量の減少より測定)。
【0013】
また、本発明において、アルギン酸塩のゲルは、高い形状維持能力を有する。本発明におけるアルギン酸塩のゲルに加圧した場合、10kgまで荷重をかけても、例えば、円盤状に変形するだけで割れたり粉化することはない。一方、比較例1に示されるような従来の肥料は、同様の測定において2.8kg〜4.0kgの加圧で破砕される。
【0014】
本発明において、ゲルの形状および大きさに特に制限はない。ゲルの形状としては、球状、角状、円柱状、円盤状、楕円状などの粒状または棒状とすることができる。また、大きさは、短径1〜4mm、長径2〜10mmのものが好ましい。球状に近いものがより好ましく、1〜10mmの範囲内の粒子径を有するものが好ましい。特に粒子径が1.5〜5.5mmの範囲内にある球状のものは、施肥の際の飛散を軽減できるなど作業性が良好であり、特に好ましい。
【0015】
本発明の肥料は、(1)水難溶性の肥料を、アルギン酸水溶液、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液またはアルギン酸アンモニウム水溶液と混合して分散液を調製し、(2)得られた分散液を金属塩水溶液中に滴下するかまたは押出して、水難溶性の肥料を含有したアルギン酸塩のゲルを形成させることにより製造することができる。
【0016】
本発明においてアルギン酸水溶液、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液またはアルギン酸
アンモニウム水溶液は、水に溶解するがゲルを形成しないアルギン酸またはアルギン酸の塩の水溶液であり、アルギン酸アルカリ金属塩としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等が挙げられる。アルギン酸水溶液、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液またはアルギン酸アンモニウム水溶液の濃度は、特に制限はなく、金属イオンと結合してゲルが形成できる濃度であればよい。濃度が高すぎると水溶液の粘度が高くなり、均一な量での滴下または押出しが困難となることがある。このアルギン酸水溶液、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液またはアルギン酸アンモニウム水溶液に1またはそれ以上の水難溶性の肥料を添加し、分散液を調製する。
【0017】
本発明において金属塩水溶液とは、アルギン酸をゲル化させる農業上使用可能な金属イオンの塩の水溶液であれば特に制限されず、好ましくはアルカリ土類金属塩の水溶液、例えば塩化カルシウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液、塩化バリウム水溶液が挙げられる。アルギン酸アルカリ金属塩水溶液としてアルギン酸ナトリウムを使用する場合、金属塩水溶液としてはカルシウム塩水溶液が好適であり、塩化カルシウム、硫酸カルシウムなどの無機塩又は有機塩水溶液を用いることができる。一般に、金属イオン濃度が高い程、ゲル化速度も早く、強いゲルが得られ、低い濃度だと、ゲル化が遅くなる。
【0018】
上記(2)のステップにおいて、分散液をシリンジ等により金属塩水溶液に滴下した場合、粒状のゲルを得ることができ、また、分散液を金属塩水溶液中にシリンジ等の先端より押出した場合、棒状のゲルが得られる。得られるゲルの形状(球状、角状、円柱状、円盤状、楕円状、棒状など)およびサイズは、使用するアルギン酸水溶液、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液またはアルギン酸アンモニウム水溶液の濃度にも関係するが、主にシリンジ等の先端の形状、径、滴下速度および滴下量、ならびに金属塩水溶液の撹拌速度を変えることにより自由に設定することができる。
【0019】
これらの反応は室温(ここで室温とは、5〜40℃を意味する)で行うことができるが、ゲルの乾燥は20〜130℃で行うことができる。
【0020】
一例として、オキサミドを含有したアルギン酸カルシウムのゲル(以下、「ゲルコートオキサミド」ともいう)を製造する場合、室温にて、アルギン酸ナトリウム1〜5質量部に対してイオン交換水70〜98質量部を加え、攪拌下で完全に溶解させる。得られたアルギン酸ナトリウム水溶液にオキサミド1〜25質量部、好ましくは8〜18質量部を加え、オキサミドを均一に分散させる。得られたオキサミド分散液を1〜10wt%塩化カルシウム水溶液に添加し、ゲルを生成させる。生成したゲルは、塩化カルシウム水溶液に浸したまま24時間静置した後、ろ過し、20〜130℃で5分〜48時間程度乾燥させる。
【0021】
本発明の肥料は、他の肥料と組み合わせても緩効性肥料として好適に使用することができる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
以下の手順により、ゲルコートオキサミド(オキサミド:アルギン酸Na=8:2)を調製し、緩効性肥料としての性能を測定した。
(1)200mLのビーカーにアルギン酸ナトリウム(2g、Mw.:198、10.1mmol)とイオン交換水90gを加えて、24時間以上、攪拌下で完全に溶解させた。(2)オキサミド(8g)を(1)で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液に入れ、約3
0分攪拌させながらオキサミドを均一に分散させた。
(3)500mLのビーカー(内径90mm)に塩化カルシウム2水和物(31.8g、Mw.:147、21.63mmol)とイオン交換水(448.2g)を加えて5wt%塩化カルシウム水溶液480gを調製した。
(4)(2)で調製したオキサミド分散液を5mLのシリンジ(先端径2.2mm)で吸取り、(3)で調整した塩化カルシウム水溶液(400rpm攪拌下)の液面から40cm上部より、渦中心に垂直に滴下してゲルを生成させた。
(5)生成したゲルは、塩化カルシウム水溶液に浸したまま24時間静置した後、粒子をろ過し、2日間乾燥させたところ、オキサミドが均一に分散したアルギン酸カルシウムのゲル粒子を得ることができた。このとき1個当りのゲル粒子の平均質量は13.0mg、平均feret径は2.9mmで、含有窒素は20.3wt%、水分含量は11.0%であった。
(6)(5)で得られたゲル粒子について、緩効性肥料としての性能を評価するため、下記緩効性評価法により無機化率の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
【0024】
(実施例2)
以下の手順により、ゲルコートオキサミド(オキサミド:アルギン酸Na=16:2)を調製し、緩効性肥料としての性能を評価した。結果を表1に示す。
(1)200mLのビーカーにアルギン酸ナトリウム(2g、Mw.:198、10.1mmol)とイオン交換水82gを加えて、24時間以上、攪拌下で完全に溶解させた。(2)オキサミド(16g)を(1)で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液に入れ、約30分攪拌させながらオキサミドを均一に分散させた。
その他の手順は実施例1と同様である。このとき1個当りのゲル粒子の平均質量は24.0mg、平均feret径は3.3mmで、含有窒素は23.7wt%、水分含量は8.1%であった。
得られた粒子の断面を走査型電子顕微鏡観察(500倍)したところ、オキサミド粒子が均一に分散していることが分かった(図1)。
【0025】
(実施例3)
以下の手順により、ゲルコートオキサミド(オキサミド:アルギン酸Na=12:1)を調製し、緩効性肥料としての性能を評価した。結果を表1に示す。
(1)200mLのビーカーにアルギン酸ナトリウム(1g、Mw.:198、5.1mmol)とイオン交換水87gを加えて、24時間以上、攪拌下で完全に溶解させた。
(2)オキサミド(12g)を(1)で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液に入れ、約30分攪拌させながらオキサミドを均一に分散させた。
その他の手順は実施例1と同様である。このとき1個当りのゲル粒子の平均質量は14.1mg、平均feret径は3.2mmで、含有窒素は21.8wt%、水分含量は14.6%であった。
【0026】
(実施例4)
以下の手順により、ゲルコートオキサミド(オキサミド:アルギン酸Na=16:1)を調製し、緩効性肥料としての性能を評価した。結果を表1に示す。
(1)200mLのビーカーにアルギン酸ナトリウム(1g、Mw.:198、5.1mmol)とイオン交換水83gを加えて、24時間以上、攪拌下で完全に溶解させた。
(2)オキサミド(16g)を(1)で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液に入れ、約30分攪拌させながらオキサミドを均一に分散させた。
その他の手順は実施例1と同様である。このとき1個当りのゲル粒子の平均質量は22.3mg、平均feret径は4.0mmで、含有窒素は24.0wt%、水分含量は10.1%でであった。
【0027】
(実施例5)
以下の手順により、ゲルコートオキサミド(オキサミド:アルギン酸Na=18:1)を調製し、緩効性肥料としての性能を評価した。結果を表1に示す。
(1)200mLのビーカーにアルギン酸ナトリウム(1g、Mw.:198、5.1mmol)とイオン交換水81gを加えて、24時間以上、攪拌下で完全に溶解させた。
(2)オキサミド(18g)を(1)で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液に入れ、約30分攪拌させながらオキサミドを均一に分散させた。
その他の手順は実施例1と同様である。このとき1個当りのゲル粒子の平均質量は23.3mg、平均feret径は3.9mmで、含有窒素は23.3wt%、水分含量は10.7%でであった。
【0028】
(比較例1)
粉末オキサミド88.5質量部に硫酸第一鉄2.0質量部、燐酸液15.5質量部を二軸ローター型混合機で5分間混合した後、水を添加して約5分間混練操作を継続した。上記操作にて得られた混合物を回転カッター及び高速転動造粒機を使用して造粒した。得られた粒状品の粒径2.85〜3.35mmを無機化試験に供した。
【0029】
(緩効性評価)
緩効性評価法は以下の通りである。
(1)供試土壌:
頓原土壌(火山灰土)、1mm通過土壌、pH(1:5H2O)6.30、最大容水量(MWC)=103
(2)100mL三角フラスコに供試土壌(乾土40g)と調製したゲルコートオキサミド(窒素として15mg相当)を混合充填し、供試土壌の最大容水量(MWC)の55%(畑条件)となるようにイオン交換水を補水した。
(3)三角フラスコ上部をポリエチレンフィルムで蓋をして、25℃定温庫内で所定時間インキュベートした。
(4)所定の期日に残存したゲルコートオキサミド粒を回収して、(ケルダール法による)全窒素を分析した。
(5)ゲルコートオキサミド粒を回収した後の土壌については、70℃のイオン交換水で溶解物質を抽出してHPLCでオキサミド含量を測定し、含有窒素量を求めて(4)の残存粒の窒素量との合計から無機化率(%)を算出した。(無機化率=オキサミド転化率)
なお、これらの試験は2系列を平行で実施し、平均をとった。
【0030】
【表1】
【0031】
(硬度評価)
実施例1〜5のゲルコートオキサミドの硬度を測定した。測定は、木屋式硬度計((株)
藤原製作所製)により行った。
結果は以下のとおりである。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例1〜5のゲルコートオキサミドに加圧した場合、ゲルは、1.5kgまでは弾性変形し、2kg付近で塑性変形を開始し、2kg付近で塑性変形を開始するが、10kgまで荷重をかけても円盤状に変形するだけで、割れたり粉化することはなかった。一方、比較例1の粒状品は、同様の測定において2.8kg〜4.0kgの加圧で破砕された。
図1