特許第5753085号(P5753085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5753085発酵乳製品におけるビフィズス菌の成長の改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753085
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】発酵乳製品におけるビフィズス菌の成長の改善
(51)【国際特許分類】
   A23C 9/123 20060101AFI20150702BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20150702BHJP
   C12R 1/01 20060101ALN20150702BHJP
   C12R 1/46 20060101ALN20150702BHJP
【FI】
   A23C9/123
   C12N1/20 A
   C12N1/20 A
   C12R1:01
   C12N1/20 A
   C12R1:46
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-524398(P2011-524398)
(86)(22)【出願日】2009年8月28日
(65)【公表番号】特表2012-500644(P2012-500644A)
(43)【公表日】2012年1月12日
(86)【国際出願番号】EP2009061164
(87)【国際公開番号】WO2010023290
(87)【国際公開日】20100304
【審査請求日】2012年8月10日
(31)【優先権主張番号】PA200801193
(32)【優先日】2008年8月29日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】08170004.9
(32)【優先日】2008年11月26日
(33)【優先権主張国】EP
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 21408
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 21406
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 21407
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 21421
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 15954
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 17280
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM 15955
(73)【特許権者】
【識別番号】503260310
【氏名又は名称】セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(72)【発明者】
【氏名】フォルケンベルウ,ディッテ マリエ
(72)【発明者】
【氏名】セマンディ,セシル
【審査官】 野村 英雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−047035(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/099543(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/006969(WO,A1)
【文献】 特開平10−229819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23C 1/00−23/00
C12N 1/00− 7/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵乳製品を調製する方法であって、
i)乳に
a)ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)亜種ラクティス(lactis)株に属する細菌、及び
b)ラクトコッカス・ラクティス株CHCC4462(DSM21407)、CHCC3912(DSM21406)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるこれらいずれかの株の突然変異体、ストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018(DSM21408)、及びビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるこの株の突然変異体からなる群より選ばれるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高める株に属する細菌を植え付け、
ii)前記乳を発酵し、
iii)更なる微生物及び/又は添加物を発酵乳に随意に加え、そして
iv)発酵乳製品を随意に詰める
ことを含む方法。
【請求項2】
前記乳に、ラクトバチルス・ブルガリクス、ストプレトコッカス・サーモフィルス、ラクトコッカス・ラクティス及びラクトバチルス・アシドフィルスからなる群より選ばれる種に属する細菌を植え付けることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a) ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株、
b)ラクトバチルス・ブルガリクス株、
c)CHCC4462(DSM21407)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるCHCC4462(DSM21407)の突然変異体、CHCC3912(DSM21406)及びビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるCHCC3912(DSM21406)の突然変異体からなる群より選ばれるラクトバチルス・ラクティス株;並びに/又はCHCC7018(DSM21408)及びビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるCHCC7018(DSM21408)の突然変異体からなる群より選ばれるストレプトコッカス・サーモフィルス株、
を含む培養物を乳に植え付けることをステップi)が含む、請求項の1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株が、CHCC5445(BB-12(商標)(DSM15954)、CHCC7158 (DSM17280)及びBB-46(商標)(DSM15955)並びにこれらいずれかの株の突然変異体からなる群より選ばれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記発酵乳製品が、+6℃で28日間保存した後に、少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ステップi)の前記乳に、105〜3x107cfu/gのビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス及び/又は104〜3.5x106cfu/gのストレプトコッカス・サーモフィルス又はラクトコッカス・ラクティス細菌を植え付ける、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記発酵乳製品を、10ml〜5000mlの前記製品を含有する密閉した容器に詰める、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られた発酵乳製品。
【請求項9】
前記製品が+6℃で28日間保存した後に少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を含有する、請求項8記載の発酵乳製品。
【請求項10】
ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスと、ラクトコッカス・ラクティス株CHCC4462(DSM21407)、CHCC3912(DSM21406)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるこれらいずれかの株の突然変異体、ストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018(DSM21408)、及びビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるこの株の突然変異体からなる群より選ばれるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高める株に属する細菌とを含む発酵乳製品。
【請求項11】
103cfu/gのストレプトコッカス・サーモフィルス株を含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の発酵乳製品。
【請求項12】
a) ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株に属する細菌、及び
b)ラクトコッカス・ラクティス株CHCC4462(DSM21407)、CHCC3912(DSM21406)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるこれらいずれかの株の突然変異体、ストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018(DSM21408)、及びビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるこの株の突然変異体からなる群より選ばれるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高める株に属する細菌、
を含む、培養物の組成物。
【請求項13】
ストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018 (DSM21408)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるCHCC7018 (DSM21408)の突然変異体、ラクトコッカス・ラクティス株CHCC4462(DSM21407)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるCHCC4462(DSM21407)の突然変異体、CHCC3912(DSM21406)及びビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス株の成長を高めるCHCC3912(DSM21406)の突然変異体からなる群より選択される細菌株。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵乳製品における選ばれた菌種によるビフィズス菌の成長の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
乳製品、特にヨーグルトのような製品は、プロバイオティクス製品の市場の圧倒的多数を占める。乳製品はビフィズス菌等の有用なプロバイオティクス細菌を送達し、これらを消化管に導入するのに優れた媒体である。
【0003】
ビフィズス菌BB-12(登録商標)は、よく知られたプロバイオティクス細菌であり、Chr. Hansen A/S, Horsholm, DKより入手できる。BB-12(登録商標)の場合、有効な臨床的証拠において、1日の用量で少なくとも109〜1010cfuの生存プロバイオティクス細菌が必要となる(cfu/CFUとは、細胞形成単位の省略である)。したがって、発酵乳製品(例えば発酵乳ヨーグルト製品)1gにつき、プロバイオティクス細菌の例えば108cfuの生存細胞の高レベルを摂取することが望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本発明により解決される課題は、最終製品においてビフィズス菌の高細胞計数を得るために、発酵乳製品(例えば、ヨーグルト)を製造するための発酵過程において、乳中のビフィズス菌集団の成長を改善する方法を提供することにある。
【0005】
解決方法は、特定のラクトコッカス・ラクティス株が乳の発酵中にビフィズス菌の成長を顕著に改善するという、本発明の驚くべき発見によるものである。これら株の1つを用いることにより、生じる発酵乳製品は108cfu/g超(発酵直後)のビフィズス菌を含有する。これにより、例えば108cfu/gのビフィズス菌を有する製品をえるために、発酵終了後に余分なビフィズル菌を加えずにすむ。本願発明者らは異なる一連のラクトコッカス・ラクティス株を試験し、ラクトコッカス・ラクティスCHCC3912及びCHCC4462として同定され、それぞれDSM21406及びDSM21408のもとに寄託された株が乳発酵中にビフィズス菌の成長を顕著に改善することを見出した。実際のところ、ラクトコッカス・ラクティスのいくつかの他の株は、ビフィズス菌の成長に負に影響した。
【0006】
更に、本願発明者らは、ストレプトコッカス・サーモフィルス(CHCC7018)の株がビフィズス菌の成長を改善するという特有の特徴を有することを観察した。
【0007】
したがって、本発明の一態様は、発酵乳製品1gにつき少なくとも108cfuのビフィズス菌を含む製品等の発酵乳製品を調製する方法に関し、該方法は以下を含む:
i)少なくとも1つのラクトコッカス・ラクティス、少なくとも1つのストレプトコッカス・サーモフィルス株、少なくとも1つのビフィズス株及び随意に少なくとも1つのラクトバチルス・ブルガリクス株を含む培養物(例えばヨーグルト培養物)を乳に植え付け、ここで、該ラクトコッカス・ラクティスの1つは、ラクトコッカス・ラクティス株CHCC3912(DSM21406)、CHCC3912の突然変異体及びCHCC3912の変異体;又は、CHCC4462(DSM21407)、CHCC4462の突然変異体及びCHCC4462の変異体からなる群より選ばれるのが好ましく;
ii)好適な条件下で前記乳を発酵させ、そして
iii)随意に発酵乳製品の好適な量を好適な容器に詰める。
興味深い実施形態は、発酵乳製品1gにつき108cfuのビフィズス菌を含む発酵乳製品を調製する方法に関し、該方法は以下を含む:
i) 少なくとも1つのラクトバチルス・ブルガリクス株、少なくとも1つのストレプトコッカス・サーモフィルス株、少なくとも1つのラクトコッカス・ラクティス株及び少なくとも1つのビフィズス菌株を含むヨーグルト培養物を乳に植え付け、ここで、該ラクトコッカス・ラクティス株の1つは、ラクトコッカス・ラクティス株CHCC3912(DSM21406)又はCHCC4462 (DSM21407)のうちの1つであり;
ii)発酵乳1グラムにつき少なくとも108cfuのビフィズス菌 を有する発酵乳製品を得るために、該乳を好適な条件下で発酵させ;そして
iii)発酵乳製品の好適な量を好適な容器に詰める。
【0008】
また、本発明は、受託番号DSM21408のストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018及びその突然変異体/変異体、並びに本発明の株、随意にビフィズス菌株(例えば、BB-12(登録商標))等の他の株を含む培養物(スターター培養物等)に関する。興味深い組成物は、i)105〜1012cfu/gのBB-12(登録商標)及びii)105〜1012cfu/gのCHCC7018を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の態様は、発酵乳製品を調製する方法に関し、以下を含む:
i)乳に
a)ビフィズス菌株に属する細菌、及び
b)ラクトコッカス・ラクティス株、好ましくはCHCC4462(DSM21407)、CHCC3912(DSM21406)等のビフィズス菌株の成長を高める株、ストレプトコッカス・サーモフィルス株、好ましくはCHCC7018等のビフィズス菌株の成長を高める株及びこれらいずれかの株の突然変異体又は変異体からなる群より選ばれる株に属する細菌を植え付け;
ii)該乳を発酵させ;
iii)随意に更なる微生物及び/又は添加物を発酵乳に加え;そして
iv)随意に発酵乳製品を詰める。
現在好ましい実施形態において、ステップi)は更に、ラクトバチルス・ブルガリクス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトコッカス・ラクティス及びラクトバチルス・アシドフィルスからなる群より選ばれる種に属する細菌を乳に植え付けることを含む。
【0010】
本発明の方法の実施形態は、ステップi)が
a)ビフィズス菌株;
b)ラクトバチルス・ブルガリクス株;
c)CHCC4462、CHCC4462の突然変異体、CHCC4462の変異体、CHCC3912、CHCC3912の突然変異体及びCHCC3912の変異体からなる群より選ばれるラクトコッカス・ラクティス株;及び/又はCHCC7018、CHCC7018の突然変異体及びCHCC7018の変異体からなる群より選ばれるストレプトコッカス・サーモフィルス株
を含む培地を乳に植え付けることを含む方法である。
【0011】
他の実施形態は、発酵乳製品1gにつき、少なくとも108cfuのビフィズス菌を含む製品等の発酵乳製品を調製する方法に関し、ここで、該方法は以下を含む:
i)少なくとも1つのラクトコッカス・ラクティス株、少なくとも1つのビフィズス菌株、随意に少なくとも1つのストレプトコッカス・サーモフィルス株及び少なくとも1つのラクトバチルス・ブルガリクス株を含む培養物(ヨーグルト培養物等)を乳に植え付け、ここでラクトコッカス・ラクティス株は、受託番号DSM21406のラクトコッカス・ラクティス株CHCC3912、CHCC3912の突然変異体、受託番号DSM21407のCHCC3912又はCHCC4462の変異体、CHCC4462の突然変異体及びCHCC4462変異体からなる群より選ばれ、;
ii)好適な条件下で乳を発酵させ;そして
iii)随意に発酵乳製品の好適な量を好適な容器に詰める。
【0012】
更なる他の実施形態は、発酵乳製品1gにつき、少なくとも108cfuのビフィズス菌を含む発酵乳製品を調製する方法に関し、ここで、該方法は以下を含む:
i)少なくとも1つのラクトバチルス・ブルガリクス株、少なくとも1つのストレプトコッカス・サーモフィルス株、少なくとも1つのラクトコッカス・ラクティス株及び少なくとも1つのビフィズス菌株を含むヨーグルト培養物を乳に植え付け、ここで該ラクトコッカス・ラクティス株の1つは、受託番号DSM21406のラクトコッカス・ラクティス株CHCC3912又は受託番号DSM21407のラクトコッカス・ラクティス株CHCC4462であり;
ii)発酵乳1gにつき少なくとも108cfuのビフィズス菌を有する発酵乳製品を得るために、該乳を好適な条件下で発酵させ;そして
iii)発酵乳製品の好適な量を好適な容器に詰める。
【0013】
実施形態において、本発明の方法は更に、追加のストレプトコッカス・サーモフィルス株、好ましくはST-BODY-3(Chr. Hansen A/S, Horsholm, DK)及びST8833(DSM17876)からなる群から選ばれる株等のきめを出す株(texturizing strain)を該乳に植え付けることを含む。
【0014】
ビフィズス菌株は、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium asteroids、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum及びBifidobacterium pseudocatenulatumからなる群より選ばれる種に属することが好ましく、ビフィズス菌株はBifidobacterium animalis亜種lactisの株であることが現在好ましい。株の例は、受託番号DSM15954のCHCC5445 (BB-12(登録商標))、CHCC7158 (HN019、寄託番号DSM17280)、ATCC 27536として寄託されたビフィズス菌株、Bifidobacterium infantis株Bbi99(DSM 13692)、BB-420、BI-04、CHCC2037、LAFTI B-94、DN 173 010、STB-2938、R0071、R0175及びBB-46(商標)(DSM15955)からなる群より選ばれる株、並びにこれらの株のいずれかの突然変異体/変異体である。
【0015】
有用な実施形態において、得られた発酵乳製品は、発酵の終わりに発酵乳製品1gにつき少なくとも108cfuのビフィズス菌を含有し、及び/又は発酵乳製品は+6℃で28日間保存した後に少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を含有する。
【0016】
本発明の方法の重要な実施形態によれば、ステップi)の乳に105〜3xlO7cfu/gのビフィズス菌及び/又は104〜3.5xlO6cfu/gのストレプトコッカス・サーモフィルスもしくはラクトコッカス・ラクティス細菌を植え付ける。乳に同時に細菌種を植え付けてもよい。これは便利に乳に両方の細菌種を含むスターター培養物を植え付けることにより行われる。
【0017】
更なる実施形態において、乳に更に、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス株(例えば、ラクトコッカス・ラクティス亜種、ラクティスDN224; ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスDN223;及びこれらいずれかの突然変異体又は変異体株からなる群より選ばれる)等の少なくとも1つの細菌株を植え付ける。この追加のヘルパー生物が、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスDN224、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスDN223からなる群より選ばれるラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス株であることが現在好ましい。
【0018】
乳に各細菌種を別々に/連続して、又は2以上の細菌種を同時に植え付けてもよい。乳に全ての細菌種を同時に植え付けるのが現在好ましい。これは、便利に細菌種を含むスターター培養物を乳に植え付けることにより行われる。
【0019】
本発明の方法により得られる製品は、「ヨーグルト」と定義してもよい。即ち、乳にラクトバチルス・ブルガリクス株とストレプトコッカス・サーモフィルスを植え付けたときである。
【0020】
発酵乳製品(例えばヨーグルト等)は、便利に、25〜300ml又は50〜1000ml等の10〜5000mlの製品を含む密閉した容器に詰められる。代表的な容器は、10〜300ml、20〜200ml又は30〜100mlを含んでもよい。
【0021】
第2の態様において、本発明は以下を含む培養物に関する:
a) CHCC5445 (BB-12(登録商標))等のビフィズス菌株に属する細菌、及び
b)ラクトコッカス・ラクティス株、好ましくはCHCC4462、CHCC3912等のビフィズス菌株の成長を高める株、ストレプトコッカス・サーモフィルス株、好ましくはビフィズス菌株の成長を高める株(CHCC7018等)からなる群より選ばれる株に属する細菌、又はこれら株のいずれかの突然変異体又は変異体。
【0022】
本発明は、105〜1012cfu/gのBB-12(登録商標)及び105〜1012cfu/gのCHCC7018及び/又は105〜1012cfu/gのラクトコッカス・ラクティスCHCC3912もしくはCHCC4462を含む培養物(スターター培養物等)にも関する。培地は更に105〜1012cfu/gのDN224又はDN223を含んでいてもよい。
【0023】
本発明の更なる態様は、本発明の方法により得ることができる発酵乳製品、特にCHCC7018(DSM21408);CHCC7018の突然変異体;及びCHCC7018の変異体からなる群より選ばれるストレプトコッカス・サーモフィルス株を含む発酵乳製品に関する。本発明の発酵乳製品は103〜1010cfu/gのストレプトコッカス・サーモフィルス株を含むことが現在好ましい。
【0024】
本発明は、CHCC4462及びCHCC3912からなる群より選ばれる株及びこれら株のいずれかの突然変異体又は変異体に属する細菌を含む発酵乳製品にも関する。発酵乳製品は、好ましくは103、好ましくは105cfu/gの細菌株を含む。
【0025】
本発明の発酵乳製品は更に、103〜1010cfu/gのビフィズス菌及び/又は103〜1010cfu/gのラクトコッカス・ラクティス株(CHCC3912、CHCC4462、DN224又はDN223等)を含んでいてもよい。現在好ましい実施形態において、発酵乳製品は少なくとも105、好ましくは少なくとも107cfu/gのビフィズス菌及び/又は少なくとも105、好ましくは少なくとも107cfu/gのラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス株を含む。
【0026】
更なる態様において、本発明は、CHCC7018、CHCC7018の突然変異体、CHCC7018の変異体、CHCC4462、CHCC4462の突然変異体、CHCC4462の変異体、CHCC3912、CHCC3912の突然変異体及びCHCC3912の変異体からなる群より選ばれる細菌株に関する。好ましいのは、例えば、突然変異体/変異体株がビフィズス菌株(特にBB-12(登録商標))の成長を促進することができる等、母株の特徴を1以上(好ましくは全て)有する突然変異体/変異体株である。株は単離した形態であってもよく、例えば、実質的に他の細菌株がない状態であってもよい。
【0027】
好ましい実施形態において、ビフィズス菌は、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium asteroids、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum及びBifidobacterium pseudocatenulatumからなる群より選ばれる少なくとも1つのビフィズス菌である。2つ以上のこれら列挙された株を含む混合物を用いてもよい。
【0028】
方法の好ましい実施形態において、ビフィズス菌株はBifidobacterium animalis亜種lactisの株である。特に、株は受託番号DSM15954で寄託されたBifidobacterium animalis亜種lactis株BB-12(登録商標)(CHCC5445)である。
【0029】
他の好ましいBifidobacterium animalis亜種lactis株は、株HN019(DR-10(商標)又はHOWARU(商標)としても知られている)である。株は、台湾で2000年に販売されたFernleaf DR-10 bifidusと標識された市販の特殊調製粉乳製品から単離された。これはハンセン・カルチャー・コレクションで受託番号CHCC7158を有し、DSMZに受託番号DSM17280で寄託されている。
【0030】
ビフィズス菌cfu/g細胞計数の測定は、当該技術分野において標準的な方法に従って、寒天プレート上のコロニー計数により、発酵製品の連続希釈におけるコロニー形成単位(cfu)の数を定量化することにより行われる。好適な培地及びインキュベーションは以下の通りである:
培地: MRS (de Man他 1960. J. Appl. Bacteriol. 23 : 130)酸なし+ 1%ジクロキサシリン(SIGMA D-9016) + 1%システイン(MERCK n0 2839);及びインキュベーション: 嫌気条件における37℃で3日間。
【0031】
ここで述べたように、CHCC3912又はCHCC4462(及び/又はCHCC7018)の使用は、発酵中のビフィズス菌の成長から直接的に108cfu/g長のビフィズス菌を得られる可能性を提供する。したがって、最初の態様のステップii)の少なくとも108cfu/gのビフィズス菌は、発酵後に直接得られるcfu/gのビフィズス菌に関する。
【0032】
実施例で示したように、ラクトコッカス・ラクティス株CHCC3912又はCHCC4462及び/又はストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018と一緒に成長させた場合、ビフィズス菌BB-12(登録商標)は良好な生存率を有する。
【0033】
したがって、好ましい実施形態において、発酵乳製品は少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を1日+6℃で保存した後に有し、更に好ましくは少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を7日間+6℃で保存した後に有し、更に好ましくは少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を14日間+6℃で保存した後に有し、更に好ましくは少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を21日間+6℃で保存した後に有し、最も好ましくは少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を28日間+6℃で保存した後に有する。
【0034】
当業者は、ここで関連する細菌で乳を発酵させる好適な発酵条件を知っている。
【0035】
好適な条件は、例えば、乳に細菌を植え付け、pH4.4〜4.6を達成するまで(約8時間後)、40℃が最適である38℃〜43℃で発酵させる。
【0036】
6℃まで冷却すると、発酵とビフィズス菌等のここで関連する細菌の成長が停止する。
【0037】
好ましい実施形態において、ここで記載された改善した成長が105〜3x107cfu/gのビフィズス菌を植え付けること、及び同時に104〜3.5xlO6cfu/gの濃度で、ラクトコッカス・ラクティス株CHCC3912又はCHCC4462及び/又はストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018を植え付けることにより得られる。
【0038】
所望する場合、追加の細菌(例えば追加のビフィズス菌)を所望する時点で加えてもよい(例えば、発酵の完了後)。
【0039】
当業者に知られているように、様々な異なる発酵乳製品は乳の発酵により得ることができ、液体又は固体の形態であり得る。好ましい実施形態において、発酵乳製品は、ヨーグルト、飲むヨーグルト、撹拌型ヨーグルト、固形ヨーグルト及びヨーグルト様飲料、ビターミルク、バターミルク、サワークリーム、フレッシュチーズ及びチーズからなる群より選ばれる製品である。
【0040】
ここで記載したように少なくとも108cfu/gのビフィズス菌を含む発酵乳は、例えばカッテージチーズ、チョコレート、ジュース、肉製品及び年少乳児のための乾燥粉乳等の別の食用の食物製品に加えるための製品添加剤としても用いることができる。
【0041】
本明細書の内容において、ラクトバチルス・ブルガリクスは任意の好適な(例えば、市販されている)ラクトバチルス・ブルガリクス株であってもよい。当業者に知られているように、これは、最終的な発酵乳製品中において十分な量のラクトバチルス・ブルガリクスを得るために、十分な量が植え付けられてもよい。
【0042】
本発明の方法において、ヘルパー細菌等の所望の他の細菌を加えてもよい。このような細菌は、発酵中又は発酵完了後等に加えてもよい。このような追加の細菌の例として、ラクトコッカス及びラクトバチルスからなるリストから選ばれる細菌が挙げられる。好ましいラクトバチルスは、ラクトバチルス・アシドフィルス株LA-5(登録商標)(Chr. Hansen A/S, Denmarkより市販されている)である。WO98/54337 (Chr. Hansen, EP0985043 Blとして特許されている)に記載されているように、ピルビン酸塩代謝に欠陥がある乳酸ヘルパー菌を、細菌の寿命を改善する等のいくつかの改善を得るために、発酵中に加えてもよい。ピルビン酸塩代謝に欠陥がある株DN224(DSM 11037として寄託されている)及びDN223(DSM 11036として寄託されている)は、好適な細菌ヘルパー生物の例として記載されている。したがって、本発明の実施形態において、ここで記載するように、ピルビン酸塩代謝に欠陥がある乳酸細菌ヘルパー生物も発酵するために乳に加える。好ましい実施形態において、乳酸細菌ヘルパー生物は、受託番号DSM11036で寄託されたラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス株DN223及びラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス株DN224(No.DSM11037で寄託された)からなる群より選択された細菌である。最も好ましくは、乳酸細菌ヘルパー生物はDN224である。
【0043】
実施形態は、
i)105〜1012cfu/gのBB-12(登録商標)及び
ii)105〜1012cfu/gのCHCC7018、
iii)105〜1012cfu/gのDN224
を含む培養物等の組成物に関する。
【0044】
寄託された微生物[専門家の解決法]
株ラクトコッカス・ラクティスCHCC3912、ラクトコッカス・ラクティスCHCC4462、ラクトコッカス・ラクティスCHCC2907及びストレプトコッカス・サーモフィルス株CHCC7018DSMZに寄託されており(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH, Inhoffenstr. 7B, D-38124 Braunschweig, Germany)、それぞれの受託番号はDSM21406、DSM21407、DSM21421及びDSM 21408であり、寄託日は2008年4月23日である。寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の条件下で行われた。
【0045】
本願出願人は、寄託された微生物のサンプルが出願人に承認を受けた者のみに利用可能にすることを請求する。
【0046】
定義
本明細書の内容において、ヨーグルトスターター培養物とは、少なくとも1つのラクトバチルス・ブルガリクス株及び少なくとも1つのストレプトコッカス・サーモフィルス株を含む細菌培養物である。ここに従って、ヨーグルトとは、乳にラクトバチルス・ブルガリクス株及びストレプトコッカス・サーモフィルス株を植え付け、発酵させることにより得ることができる発酵乳製品である。
【0047】
本明細書の内容において、用語「乳」は、哺乳類又は植物の乳を含む。乳の例として、乳牛の乳(牛乳)、ラクダ乳、水乳牛、山羊乳、羊乳及び豆乳が挙げられる。随意に乳を、例えば酸(クエン酸、酢酸又は乳酸)を添加することにより酸性化し、又は例えば水と混合する。乳は生のまま、又は例えばろ過、滅菌、低温殺菌、均質化することにより加工してもよく、あるいは再構成された粉乳であってもよい。本発明による「牛乳」の重要な例は、低温殺菌された乳牛の乳である。乳は、細菌を植え付ける前、最中及び/又は後で酸性化、混合又は加工されてもよいことが理解される。
【0048】
本明細書の内容において、用語(好適な量の)発酵乳を好適な容器に「詰める」は、例えば人や人々が摂取できる製品を得るために発酵乳を最終的に詰めることに関する。このため、好適な容器はボトル又は同等のものでもよく、好適な量は例えば10ml〜5000mlであるが、容器の量は50ml〜1000mlであることが現在好ましい。
【0049】
本明細書の内容において、用語「突然変異体」とは、例えば遺伝子操作、放射及び/又は薬剤処理の手段により本発明(又は本発明で用いられる)の株から派生する株として理解されるべきである。突然変異体は、機能的に同等な突然変異体であることが好ましい。本発明の株の好ましい突然変異体は、乳培地でのビフィズス菌細胞の成長を高める突然変異体であり、例えば、母株と実質的に同一又は改善したビフィズス菌成長促進特性を有する突然変異体である。このような突然変異体は本発明の一部である。特に、用語「突然変異体」とは、株(本発明の株等)をエタンメタンスルホン酸(EMS)又はN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトログアニジン(NTG)等の化学的突然変異原、紫外線での処理等の任意の従来から用いられている突然変異処理にさらして得られる株又は自然発生する突然変異体を意味する。突然変異体はいくつかの突然変異処理(単一の処理は、スクリーニング/選択ステップが後続する1つの突然変異ステップとして理解される)にさらされるが、20個未満、又は10個未満、あるいは5個未満の処理が行われるのが現在好ましい。現在好ましい突然変異体において、母株と比べて、細菌ゲノム内の5%未満、又は1%未満、あるいは0.1%未満のヌクレオチドが他のヌクレオチドと置換され、あるいは欠失している。
【0050】
本明細書の内容において、用語「変異体」とは、乳培地でのビフィズス菌細胞の成長を高める株等、母株と機能的に同等な株と理解されるべきである。変異体は母株と同じ種に属するべきである。例えば、CHCC7018の変異体は、乳培地でのビフィズス菌細胞の成長を高める株等、例えば、母株と同じ又は実質的に同じ、あるいは改善したビフィズス菌成長促進特性を有する、CHCCC7018と機能的に同等なストレプトコッカス・サーモフィルス株として理解されるべきであり、また、CCHCC3912の変異体は、例えば、母株と同じ又は実質的に同じ、あるいは改善したビフィズス菌成長促進特性を有する、CHCC3912と機能的に同等なラクトコッカス・ラクティスと理解されるべきである。適切なスクリーニング技術を用いて同定され得るこのような変異体は、本発明の一部である。
【0051】
用語「a」及び「an」及び「the」及び本発明を記載する内容における似たような指示対象(特に後続する特許請求の範囲の内容において)は、ここで指示されない限り又は内容に明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「comprising(含む)」、「having(有する)」、「including(含む)」及び「containing(含有する)」は、他に記載がない限り、制約のない用語(即ち、「限定されないで含む」と意味する)として解釈される。本明細書の数値の範囲の引用は、ここで他に指示がない限り、範囲内に各別々の値を個別に参照する簡単な方法として単に意図したものであり、本明細書に個別に引用された場合、各別々の値は明細書に組み込まれる。本明細書に記載した全ての方法は、ここで他に指示がない限り又は内容に明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順番で行うことができる。任意及び全ての例の使用、又はここで提供される例示する言葉(例えば、「等」)は単に本発明はより良く説明することを意図するものであり、異なって記載されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書における言葉は、本発明の実施に必須であるとして非クレーム要素を示すものとして解釈すべきではない。
【実施例】
【0052】
実施例1:様々なラクトコッカス・ラクティス株を用いたBB-12(登録商標)の成長改善
乳培地(30秒間、99℃まで熱した9.5%還元脱脂粉乳)に0.01% BB-12(登録商標)F-DVS培養物と0.01%ラクトコッカスF-DVS培養物を植え付け、1x107CFUのBB-12(登録商標)濃度とした。その後、乳を16時間、40℃で発酵し、8℃で保存した。BB-12(登録商標)細胞計数分析を、それぞれ、1日、14日、28日及び45日の保存後に行った。
【表1】
【0053】
実施例2:様々なストレプトコッカス・サーモフィルス株を用いたBB-12(登録商標)の成長改善
乳培地(30秒間、99℃まで熱した9.5%還元脱脂粉乳)に0.01% BB-12(登録商標)F-DVS培養物と0.01%ストレプトコッカス・サーモフィルスF-DVS培養物を植え付け、1x107CFUのBB-12(登録商標)濃度とした。その後、乳を16時間、40℃で発酵し、8℃で保存した。BB-12(登録商標)細胞計数分析を、それぞれ、1日、14日、28日及び45日の保存後に行った。
【表2】
【0054】
実施例3:ストレプトコッカス・サーモフィルスとラクトコッカス・ラクティス株を用いたBB-12(登録商標)の成長改善
標準的な3Lヨーグルト製法に従って、ヨーグルトの生成を行った。新鮮な乳(0.5%脂肪)を加えた2%脱脂粉乳を、20分間、92℃で熱処理した。乳を43℃まで冷却し、培養物(培養物によっては0.016-0.023%)を植え付け、pH4.55になるまで発酵した。その後、ヨーグルトを撹拌し、25℃まで冷却し、5℃で保存した。
【0055】
結果:
【表3】
【0056】
データは3Lスケールでのヨーグルト生成を3回繰り返し行ったものの平均である(68「低い植え付け」2反復のみ)。
【0057】
参照培養物であるABY-10及びBY-700 (Chr. Hansen A/S, Horsholm, DK)は、発酵乳製品におけるBB-12(登録商標)細胞計数に関して、最善の培養物として知られている。
【0058】
培養物組成:
「68」:BB-12(登録商標)、ラクトバチルス・ブルガリクス及びCHCC4462(ラクトバチルス・ラクティスCHCC4462)を含有する培養物。
「74」:BB-12(登録商標)、CHCC7018、ラクトバチルス・ブルガリクス及びCHCC3912(ラクトコッカス・ラクティスCHCC3912)を含有する培養物。
【0059】
結論
CHCC7018、CHCC4462及びCHCC3912は、単独又は組み合わせた場合の両方において、発酵乳製品において少なくとも108cfu/gまでビフィズス菌BB-12(登録商標)の成長を発酵中に改善する。
【0060】
本発明を実施するための本願発明者ら知っている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態は本願明細書に記載されている。これら好ましい実施形態の変形は、先行する記載を読むことによって当業者に明らかになるだろう。本願発明者らは、当業者がこのような変形を適宜用いることを期待し、本願発明者らは本願明細書で具体的に記載した以外にも本発明が実施されることを意図する。したがって、適用される法律に許可されるように、本発明は、全ての変更及び付属する特許請求の範囲に記載された対象の均等なものを含む。更に、上記要素のいかなる組み合わせも、その全ての可能な変形において、本願明細書に他に示されていない限り、又は、内容に明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0061】
参照文献
1. EP111392B1
2. WO98/54337 (Chr. Hansen)
3. Saxelin M. 他 : The technology of probiotics. Trends in food science and technology, 第10巻, 1991,387-392頁
4. Martin-Diana A. B. 他 : Development of a fermented goat's milk containing probiotic bacteria. Int. Dairy J., 第13巻, 2003, 827-833頁
5. US 4588595 A (Okonogi Shigeo (JP) 他)
6. US 2005/031735 Al (Serata Masaki (JP) 他)
7. US 4187321 A (Mada Mitsuo (JP) 他)
8. US 5230912 A (Yajima Masako (JP) 他)
この特許書類に引用される全ての参照文献は、参照によりその全てを本願明細書に引用されたものとする。