【実施例】
【0058】
健康な被験体におけるピルフェニドンの薬物動態および安全性に対するCYP1A2インヒビターおよびCYP1A2インデューサーの影響を決定するために、非盲検の第1相(open−label Phase 1)試験を実行した。
【0059】
試験設計。この試験は、健康な被験体におけるピルフェニドンの薬物動態および安全性に対するCYP1A2阻害およびCYP1A2誘導の影響を調べるように設計された、第1相、非盲検、平行群(parallel−group)試験であった。54人の被験体を、喫煙者である27人の被験体(群1)および非喫煙者である27人の被験体(群2)からなる2つの群に登録した。各群(喫煙者および非喫煙者)は最低9人の女性および9人の男性を含むようにし、各群において等しい数の各々の性が登録されるように試みた。各被験体は、1日目と11日目に単一の801mg用量のピルフェニドンを受容するようにした。フルボキサミンの投薬は2日目に開始し、以下のスケジュールにしたがって最終用量まで用量設定した:
・2日目〜4日目:就寝時にフルボキサミン50mg
・5日目〜7日目:フルボキサミン50mgを、1日2回(朝と就寝時に)
・8日目〜11日目:朝にフルボキサミン50mg、および就寝時に100mg 。
【0060】
全ての薬物動態(PK)分析を、オープンソースソフトウェアプログラムのS ADAPT 1.5.6(Bauerら、AAPS Journal 9(1):E60〜83、2007)に実装されるMonte−Carloパラメトリック期待値最大化(parametric expectation maximization)を使用する、集団PK方法(population PK method)を使用して実行した。この分析についての構造モデルを、予備的な集団PK分析から取得した。この集団PKモデルを、1日目および11日目からのピルフェニドンおよび5カルボキシ−ピルフェニドンの血漿濃度−時間データに、別々にフィッティングさせた。一度、最終的な集団PKモデルを規定したら、AUC
0−∞推定値を、血漿PKプロファイルをシミュレートすることによって生成し、日にちの間(フルボキサミン共投与の影響を検定するため)および群の間(喫煙の影響を検定するため)の、統計的に有意な差について比較した。
【0061】
試験の主要エンドポイントとして、1日目と11日目との間の、そして喫煙者と非喫煙者との間のピルフェニドンおよび5カルボキシピルフェニドンのAUC
0−∞推定値における差を、有意性に関して検定した。フルボキサミンの影響の分析(すなわち、1日目 対 11日目)を、対になったデータの生物学的同等性についてのFDAの基準(FDA 2003)を使用して分析した。11日目のAUC
0−∞ 対 1日目のAUC
0−∞の比を、喫煙状態とフルボキサミン共投与との間の相互作用について検定するために使用した。他の被験体の特徴(例えば、身体のサイズまたは年齢)もまた11日目のAUC
0−∞ 対 1日目のAUC
0−∞の比と関連する場合、これらの共変量の有意性もまた検定した。喫煙者と非喫煙者との、1日目におけるピルフェニドンおよび5−カルボキシ−ピルフェニドンのAUC
0−∞における差の有意性を、他の有意な共変量の影響を考慮に入れるために、多変数線形回帰を使用して検定した。
【0062】
薬物動態の結果。この試験に登録した54人の被験体のうち51人を、PK分析に含めた。3人の被験体をPK分析から除いた。なぜなら、彼らが、フルボキサミン投薬レジメンでの適切なコンプライアンスのためのプロトコールによって指定された要件を満たさなかったからである。2人の被験体は、有害事象のために初期にこの試験を中止し、そして1人の被験体は、プロトコールが要求するフルボキサミン用量の73%しか摂取しなかった。51人全員の被験体は、分析に利用可能なPKサンプルの完全な全数(full complement)を有した。各被験体は、各日において2つのプロファイルを有した:1つはピルフェニドンについてのものであり、1つは5カルボキシピルフェニドンについてのものであった。全部で1224個のサンプルが存在した(1日あたり、被験体あたり12個);各サンプルについて、全部で2448の濃度についてピルフェニドンおよび5カルボキシ−ピルフェニドンをアッセイした。
【0063】
集団PK構造モデルを使用して、上記のデータへのロバストフィット(robust fit)を取得した。概して、上記データのフィットは優れていた:個々のプロファイルのうちの98%が0.9超のr
2値を有し、フィットに系統的偏り(systematic bias)は存在しなかった。
【0064】
試験日によって層化したAUC
0−∞のまとめの統計量を、表1に示す。喫煙状態によって特定した、ピルフェニドンおよび5−カルボキシピルフェニドンのAUC
0−∞値 対 試験日の対称的なドット密度プロットを
図2.7.2−3に示す。フルボキサミンの共投与が、ピルフェニドンのAUC
0−∞において有意な増加をもたらした(p<0.00001)。5−カルボキシピルフェニドンのAUC
0−∞に対するフルボキサミン共投与の統計的に有意な影響は存在しなかった。
【0065】
【表1】
フルボキサミン前およびフルボキサミン後のC
max推定値において大きな見かけの差も存在した;フルボキサミンの投与後にピルフェニドンのC
maxはより高くなったが、フルボキサミンの投与後に5カルボキシピルフェニドンのC
maxはより低くなった。11日目のC
max 対 1日目のC
maxの比についての平均(95%CI)は、ピルフェニドンについては2.09(1.94〜2.25)であり、5−カルボキシ−ピルフェニドンについては0.369(0.349〜0.390)であった。
【0066】
喫煙状態によって層化した、11日目のAUC
0−∞ 対 1日目のAUC
0−∞の比のまとめの統計量を表2に示す。喫煙者と非喫煙者との両方はフルボキサミンの共投与によって影響を受けたが、11日目のAUC 対 1日目のAUCの比がより大きいことによって証明されるように、喫煙者は、ピルフェニドンへの曝露がより顕著に増大したようだった。喫煙者と非喫煙者との間のデモグラフィックスにおける不均衡が存在する(喫煙者は、より若く、より重く、そして主に男性である)ことを考慮すると、11日目のピルフェニドンのAUC
0−∞ 対 1日目のピルフェニドンのAUC
0−∞の比に対する、これらの変数の影響を、多重線形回帰を使用して検定した。逆方向の排除(backward elimination)(除去のためのp値=0.10)を使用して、喫煙状態は、11日目のピルフェニドンのAUC
0−∞ 対 1日目のピルフェニドンのAUC
0−∞の比についての、唯一の有意な予測因子(predictor)であり;身体のサイズ、性別および年齢は有意ではなかった。
【0067】
【表2】
喫煙状態とピルフェニドンおよび5カルボキシピルフェニドンへの曝露との間の関係性を1日目からのAUC
0−∞推定値を使用して調べた。BSAと他の人口統計学的な変数(性別、クレアチニンクリアランス(mL/分)(CLcr)、年齢)との間の高い程度の相関および曝露と身体のサイズとの間の関連性の薬理学的な信頼性(pharmacologic plausibility)に起因して、最初にAUC
0−∞を身体の表面積に対して正規化し、その後、多重線形回帰を適用した。喫煙状態は、BSAに対して正規化したピルフェニドンのAUC
0−∞における変動性の唯一の有意な予測因子であった。BSAにおける差を考慮した後で、喫煙者が、AUC
0−∞において約50%の下落を有すると予測される点において、喫煙状態は顕著な影響を有した。5カルボキシ−ピルフェニドンのAUC
0−∞に関しては、唯一の有意な予測因子は年齢およびCLcrであった。
【0068】
まとめると、この試験の設計および実行は、ピルフェニドンの薬物動態に対するCYP1A2阻害および/またはCYP1A2誘導の影響についての、確固としたかつ有益な分析を可能にした。強力なCYPインヒビターであるフルボキサミンの投与は、有意な薬物間相互作用、そして顕著に増大したピルフェニドンへの曝露をもたらした。喫煙者は、おそらく喫煙の誘発性の影響により、(薬物間相互作用の不在下での)有意により低いピルフェニドンへの曝露を経験する可能性が高かった。
【0069】
ピルフェニドンへの曝露(AUC
0−∞)が、フルボキサミンでの10日間の投薬の後で、平均で6倍近くになったように、フルボキサミンの共投与は有意な薬物間相互作用をもたらした。被験体はまた、フルボキサミンの投与後にC
maxにおいて平均で2倍の増大を経験した。
【0070】
喫煙する患者へのピルフェニドンの投与は、ピルフェニドンへの曝露(AUC
o−∞)において有意な減少をもたらし、そしてそれは、平均で喫煙しない患者におけるピルフェニドンの曝露のおよそ50%の曝露であった。
【0071】
本発明は、種々の実施形態および実施例によって記載されたが、変形および改善が当業者に想到されることが理解される。したがって、特許請求の範囲に現れるような限定のみが、本発明にかけられるべきである。
【0072】
本発明の実施形態の例は、以下を含む:
1.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、およびピルフェニドンを代謝する、シトクロムP450(CYP)の強力なインデューサーの使用または投与を回避する工程を包含する、方法。
【0073】
2.前記CYPの強力なインデューサーが、ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間の間、回避される、パラグラフ1に記載の方法。
【0074】
3.上記患者が喫煙者であり、上記ピルフェニドンの投与から少なくとも2.5時間の間、喫煙を回避する、パラグラフ2に記載の方法。
【0075】
4.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、ここで、上記患者は、ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)のインデューサーを受容しており、上記方法は、有害な薬物反応を回避するために、ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)のインデューサーの使用または投与を停止する工程、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与する工程を包含する、方法。
【0076】
5.ピルフェニドンの投与の前に、上記CYPのインデューサーを停止する、パラグラフ4に記載の方法。
【0077】
6.上記ピルフェニドンの投与に先立つ4週間以内に、上記CYPのインデューサーを停止する、パラグラフ5に記載の方法。
【0078】
7.ピルフェニドンの投与と同時に、上記CYPのインデューサーを停止する、パラグラフ4に記載の方法。
【0079】
8.上記患者が喫煙者であり、上記方法が喫煙を停止する工程を包含する、パラグラフ1または4に記載の方法。
【0080】
9.ニコチン置換療法を上記患者に施す工程をさらに包含する、パラグラフ8に記載の方法。
【0081】
10.上記ニコチン置換療法が、ニコチンパッチ、ニコチンガム、ニコチンロゼンジ、ニコチン鼻スプレーおよびニコチン吸入器のうちの1つ以上を含む、パラグラフ9に記載の方法。
【0082】
11.塩酸ブプロピオン(Zyban)またはバレニクリン(Chantix)を上記患者に投与する工程をさらに包含する、パラグラフ8に記載の方法。
【0083】
12.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、および以下のうちの任意の1つ以上を行う工程を包含する、方法:
(a)ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)の強力なインデューサーを回避または停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(b)喫煙を回避または停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(c)ピルフェニドンとピルフェニドンを代謝するCYPのインデューサーとの共投与がピルフェニドンの治療効果を変更し得ることを上記患者に勧告すること;
(d)喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことを上記患者に勧告すること;および
(e)喫煙がCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、喫煙が減少したピルフェニドン曝露をもたらし得ることを上記患者に勧告すること。
【0084】
13.上記患者が喫煙者であり、上記方法が、上記患者に喫煙の代わりにニコチン置換療法を考慮に入れるよう勧告する工程をさらに包含する、パラグラフ12に記載の方法。
【0085】
14.ピルフェニドンでの処置の前に喫煙を止めるように、喫煙する患者を励ます工程をさらに包含する、パラグラフ12〜13のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
15.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が、約2400mgの総日用量である、パラグラフ1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
16.上記ピルフェニドンが、1日3回、約2400mgの総日用量で投与される、パラグラフ1〜15のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
17.上記CYPがCYP1A2を含む、パラグラフ1〜16のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
18.上記患者が特発性肺線維症(IPF)に罹患している、パラグラフ1〜17のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
19.上記ピルフェニドンが、食物とともに共投与される、パラグラフ1〜18のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
20.上記ピルフェニドンを代謝するシトクロムP450(CYP)のインデューサーが、カルバマゼピン、炭火で焼いた食物、タバコの煙、アブラナ科の野菜、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、マリファナの煙、モリシジン、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウのうちの1つ以上である、パラグラフ1〜19のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
本発明の実施形態の他の例は、以下を含む:
1A.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、ここで、上記患者は喫煙者であり、上記方法は、有害な薬物反応を回避するために喫煙を停止する工程、および治療上有効な量のピルフェニドンを投与する工程を包含する、方法。
【0093】
2A.上記患者が、ピルフェニドンの投与に先立つ4週間以内に喫煙を停止する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0094】
3A.上記患者が、ピルフェニドンの投与と同時に喫煙を停止する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0095】
4A.上記方法が、有害な薬物反応を回避するために喫煙を停止する工程を包含し、ここで、上記有害な薬物反応がピルフェニドンへの減少した曝露である、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0096】
5A.喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことを上記患者に勧告する工程をさらに包含する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0097】
6A.上記患者が特発性肺線維症を有する、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0098】
7A.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が、1日あたり2400mgまたは2403mgである、パラグラフ1Aに記載の方法。
【0099】
8A.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、および有害な薬物反応を回避するためにシトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの使用または投与を回避する工程を包含する、方法。
【0100】
9A.上記方法が、有害な薬物反応を回避するために、CYP1A2の強力なインデューサーの使用または投与を回避する工程を包含し、ここで、上記有害な薬物反応はピルフェニドンへの低減した曝露である、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0101】
10A.上記患者が喫煙者であり、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避する、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0102】
11A.上記患者が特発性肺線維症を有する、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0103】
12A.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が1日あたり2400mgまたは2403mgである、パラグラフ8Aに記載の方法。
【0104】
13A.ピルフェニドン療法を必要とする患者にピルフェニドン療法を施す方法であって、上記方法は、治療上有効な量のピルフェニドンを上記患者に投与する工程、および以下のうちの1つ以上を行う工程を包含する、方法:
(a)シトクロムP450(CYP)(CYP1A2)のインデューサーを回避または停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(b)喫煙が、ピルフェニドンへの減少した曝露をもたらすCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避すべきことを上記患者に勧告すること;
(c)ピルフェニドンでの処置の前に喫煙を停止すべきことを上記患者に勧告すること;
(d)喫煙する患者におけるピルフェニドンの投与が、喫煙しない患者と比較して、ピルフェニドン曝露において50%の減少をもたらすことを上記患者に勧告すること;および
(e)喫煙がCYP1A2代謝を誘導する可能性に起因して、喫煙が減少したピルフェニドン曝露をもたらし得ることを上記患者に勧告すること。
【0105】
14A.ピルフェニドンでの処置の前に喫煙を止めるように、喫煙する患者を励ます工程をさらに包含する、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0106】
15A.方策(a)が、CYP1A2の強力なインデューサーを回避または停止すべきことを上記患者に勧告することを含む、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0107】
16A.上記CYP1A2のインデューサーが、カルバマゼピン、炭火で焼いた食物、タバコの煙、アブラナ科の野菜、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、マリファナの煙、モリシジン、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウのうちの1つ以上である、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0108】
17A.上記CYP1A2インデューサーが、カルバマゼピン、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、モリシジン、オメプラゾール、リファンピン、リトナビルおよび喫煙からなる群より選択される、パラグラフ16Aに記載の方法。
【0109】
18A.上記CYP1A2インデューサーが、カルバマゼピン、ランソプラゾール、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウからなる群より選択される、パラグラフ16Aに記載の方法。
【0110】
19A.ピルフェニドン療法を必要とする上記患者が、特発性肺線維症について処置される、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0111】
20A.ピルフェニドンの上記治療上有効な量が1日あたり2400mgまたは2403mgである、パラグラフ13Aに記載の方法。
【0112】
本発明の実施形態のなお他の例は、以下を含む:
1B.ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンであって、上記処置することは、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避または停止することを含むことを特徴とする、ピルフェニドン。
【0113】
2B.ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置するための医薬の製造におけるピルフェニドンの使用であって、上記処置することは、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避または停止することを含むことを特徴とする、使用。
【0114】
3B.上記処置することが、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避することを含むことを特徴とする、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0115】
4B.上記患者が、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与を回避している、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0116】
5B.上記患者が、ピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、喫煙を停止している喫煙者である、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0117】
6B.上記患者が、ピルフェニドンの投与の前の4週間以内に喫煙を停止している、パラグラフ5Bに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0118】
7B.上記患者が、ピルフェニドンの投与の開始と同時に喫煙を停止している、パラグラフ5Bに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0119】
8B.上記患者が喫煙者であり、ピルフェニドンを使用するときに喫煙を回避する、パラグラフ1B〜2Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0120】
9B.上記CYP1A2のインデューサーが、カルバマゼピン、炭火で焼いた食物、タバコの煙、アブラナ科の野菜、エソメプラゾール、グリセオフルビン、インスリン、ランソプラゾール、マリファナの煙、モリシジン、オメプラゾール、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン リファンピン、リトナビル、喫煙およびセイヨウオトギリソウのうちの1つ以上である、パラグラフ1B〜4Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0121】
10B.上記患者が、肺線維症、特発性肺線維症、特発性間質性肺炎、自己免疫肺疾患、良性前立腺肥大、冠状梗塞もしくは心筋梗塞、心房細動、脳梗塞、心筋線維症、筋骨格線維症、術後癒着、肝硬変、腎臓線維症性疾患、線維症性血管疾患、強皮症、ヘルマンスキー−パドラック症候群、神経線維腫症、アルツハイマー病、糖尿病性網膜症または皮膚の病変、HIVと関連したリンパ節線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性肺線維症、関節リウマチ;リウマチ様脊椎炎;変形性関節症;痛風、他の関節炎状態;敗血症;敗血症性ショック;内毒素性ショック;グラム陰性敗血症;トキシックショック症候群;筋筋膜疼痛症候群(MPS);細菌性赤痢;喘息;成人呼吸促進症候群;炎症性腸疾患;クローン病;乾癬;湿疹;潰瘍性大腸炎;糸球体腎炎;強皮症;慢性甲状腺炎;グレーヴズ病;オーモンド病;自己免疫胃炎;重症筋無力症;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性好中球減少症;血小板減少症;膵臓線維症;肝臓線維症を含む慢性活動性肝炎;急性腎臓疾患もしくは慢性腎臓疾患;腎臓線維症;糖尿病性腎症;過敏性腸症候群;発熱;再狭窄;脳マラリア;発作もしくは虚血性傷害;神経性外傷;アルツハイマー病;ハンチントン病;パーキンソン病;急性疼痛もしくは慢性疼痛;アレルギー性鼻炎もしくはアレルギー性結膜炎を含むアレルギー;心肥大、慢性心不全;急性冠動脈症候群;悪液質;マラリア;ハンセン病;リーシュマニア症;ライム病;ライター症候群;急性滑膜炎;筋肉の変性、滑液包炎;腱炎;腱滑膜炎;脱出した、破裂したまたは脱した椎間板症候群;大理石骨病;血栓症;珪肺症;肺サルコーシス;骨粗しょう症もしくは多発性骨髄腫関連骨障害のような骨吸収疾患;転移性の乳房の癌腫、結腸直腸の癌腫、悪性黒色腫、胃癌もしくは非小細胞肺癌を含むがこれらに限定されない癌;対宿主性移植片反応;または多発性硬化症、狼瘡もしくは線維筋痛症のような自己免疫疾患;AIDSあるいは帯状疱疹、I型単純疱疹もしくはII型単純疱疹、インフルエンザウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)またはサイトメガロウイルスのような他のウイルス性疾患;あるいは真性糖尿病、増殖障害(良性の過形成または悪性の過形成の両方を含む)、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、カポージ肉腫、転移性黒色腫、多発性骨髄腫、転移性の乳房の癌腫を含む乳癌;結腸直腸の癌腫;悪性黒色腫;胃癌;非小細胞肺癌(NSCLC);骨転移;神経筋の疼痛、頭痛、癌性疼痛、歯痛もしくは関節炎の疼痛を含む疼痛障害;固形腫瘍の新脈管形成、眼の新生血管形成もしくは乳児期の血管腫を含む脈管形成障害;プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2に関連する状態(水腫、発熱、痛覚脱失または疼痛を含む)を含むシクロオキシゲナーゼシグナリング経路もしくはリポキシゲナーゼシグナリング経路に関連する状態;臓器の低酸素症;トロンビン誘発性血小板凝集;あるいは原虫感染症から選択される疾患に罹患している、パラグラフ1B〜9Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0122】
11B.上記患者が特発性肺線維症を有する、パラグラフ1B〜10Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0123】
12B.上記ピルフェニドンが、1日あたり2400mgまたは2403mgの総日用量で投与される、パラグラフ1B〜11Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0124】
13B.投与されるピルフェニドンの各用量が801mgである、パラグラフ1B〜12Bのいずれか1つに記載のピルフェニドンまたは使用。
【0125】
14B.ピルフェニドン療法を必要とする患者を処置することにおいて使用するためのピルフェニドンであって、上記処置することが、ピルフェニドンを上記患者に投与すること、およびピルフェニドンへの低減した曝露を回避するために、シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーに対して禁忌を示すか、それを回避または停止することを含む、ピルフェニドン。
【0126】
15B.(a)ピルフェニドンであって、必要に応じて容器内にあるピルフェニドン、ならびに(b)シトクロムP450 1A2(CYP1A2)の強力なインデューサーの随伴使用または共投与に対して禁忌を示すか、それを回避または停止することを含み、かつ必要に応じてパラグラフ1B〜14Bに記載の実施形態または上記のどこかに記載される実施形態のいずれかにしたがう、パッケージ挿入物、パッケージラベル、使用説明書または他のラベリング
を含むパッケージまたはキット。