【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記の問題を、請求項1に記載の接着剤の使用により解決する。好ましい変形形態および発展形態は、それぞれの従属請求項の対象である。
【0010】
本発明によれば、シリコーンをベースとする感圧接着剤は、低い接着力しか有さないという経験にも関わらず、十分な接着力をもたらし、それに加えて、必要な光学的要求も満たす、適切な接着剤が存在することが分かった。このようなシリコーン系接着剤、特に、このようなシリコーン系感圧接着剤は、ポリシロキサンをベースとする。
【0011】
ポリ(ジオルガノ)シロキサン(例えば、PDMS−ポリジメチルシロキサン)とシリケート樹脂(MQ樹脂)からなるシリコーン系感圧接着剤をトルエンまたはキシレンで希釈する。これらのシリコーン系感圧接着剤は、低エネルギーで、接着が難しい基板、特に、シリコーンまたは例えばUV塗料などのシリコーン処理された基板に対しても中程度の乃至良好な接着力を有することが判明している。Si−O−Si結合が非常に安定なため、シリコーン系感圧接着剤は、UV光、オゾン、化学薬品および高温などの環境の影響に対して優れた耐性を有し、したがって、極めて長いライフサイクルを有する。Si−O−Si結合の結合力は、シリコーンの生体親和性が高いことの理由でもある。C=C二重結合が存在しないことが、UV光とSi−O−Siポリマー主鎖との相互作用がないこととあいまって、著しい光学純度およびほぼ完全な光透過性をもたらしている。さらに、この種のシリコーン系感圧接着剤は、T
Gが最低では−120℃と低いため、−50℃の温度でもなお加工することができ、加えて、衝撃、振動、ノイズおよび温度影響に対する優れた吸収特性を示す。
【0012】
したがって、本発明は、以下の成分、すなわち
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなるヒドロキシ官能化オルガノポリシロキサン、
b)式:(R
13SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
1を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、R
1は置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは0.5〜1.2の数である)、
c)場合によって、安定剤、
d)場合によって、開始剤
からなる縮合架橋性シリコーンをベースとするか、または
以下の成分、すなわち
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなり、各分子中に少なくとも2つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
b)式:(R
13SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
1を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、R
1は、置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは、0.5〜1.2の数である)、
c)各分子中に少なくとも平均2個のケイ素結合水素原子を、成分a)、b)および存在する場合にはe)の全アルケニル基1モル当たり0.01〜10モルのケイ素結合水素原子が存在する量で有し、オレフィン系二重結合を含まないオルガノポリシロキサン、
d)元素周期表の第10族の有機金属触媒、
e)場合によって、インヒビター
からなる付加架橋性シリコーンをベースとする、感圧接着剤の使用に関する。
【0013】
この接着剤は、ASTM D 1003に従って、それぞれ86%を超える光透過率および5%未満のヘーズを有し、したがって、光学構成部品の接着に特に適している。凝集特性および接着特性が良好なため、これらの接着剤は、柔軟な物体、例えば、フィルムの接着にも特に適している。
【0014】
感圧接着剤
感圧接着剤として、特に、以下に挙げる成分からなる縮合架橋性シリコーンをベースとするものが使用される。
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなるヒドロキシ官能化オルガノポリシロキサン、
b)式:(R
13SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
1を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、R
1は、置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは、0.5〜1.2の数である)、
c)場合によって、安定剤、
d)場合によって、開始剤。
【0015】
この種のシリコーン系感圧接着剤は、市場で自由に入手することができる。例えば、DC 280、DC 282、Q2−7735、DC 7358、Q2−7406(Dow Corning製)、PSA 750、PSA 518、PSA 910、PSA 6574(Momentive Performance Materials製)、KRT 001、KRT 002、KRT 003(ShinEtsu製)、PSA 45559(Wacker Silicones製)およびPSA 400、PSA 401(BlueStar Silicones製)を挙げることができる。
【0016】
あるいは、感圧接着剤として、以下に挙げる成分からなる付加架橋性シリコーンをベースとするものも使用される。
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなり、各分子中に少なくとも2つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
b)式:(R
13SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
1を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、R
1は、置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは、0.5〜1.2の間の数である)、
c)各分子中に少なくとも平均2個のケイ素結合水素原子を、成分a)、b)およびe)の全アルケニル基1モル当たり0.01〜10モルのケイ素結合水素原子が存在する量で有し、オレフィン系二重結合を含まないオルガノポリシロキサン、
d)元素周期表の第10族の有機金属触媒、
e)場合によって、インヒビター。
【0017】
この種のシリコーン系感圧接着剤は、市場で自由に入手することができる。例えば、DC 7657、DC 2013(Dow Corning製)、KR 3700、KR 3701(ShinEtsu製)を挙げることができる。
【0018】
必要な接着特性を達成するために、前記のシリコーン配合物に、式(R
13SiO
1/2)
x(SiO
4/2)
1を有するいわゆるMQ樹脂を加える。式中、(R
13SiO
1/2)単位はM単位と称され、(SiO
4/2)単位はQ単位と称される。R
1はそれぞれ互いに独立に、一価の飽和炭化水素基、一価の不飽和炭化水素基、一価のハロゲン化炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基を表す。M単位とQ単位との比(M:Q)は好ましくは、0.5〜1.2の範囲である。
【0019】
MQ樹脂は、有利には重量平均分子量M
W500g/mol≦M
W≦100000g/mol、好ましくは1000g/mol≦M
W≦25000g/molを有するものであり、この場合、本明細書における平均分子量M
Wの表示は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定したものである(さらには下記の実験の部を参照されたい)。
【0020】
ポリジオルガノシロキサンとMQ樹脂との比が(重量パーセントで)、20:80〜80:20の範囲、好ましくは30:70〜60:40までの範囲である接着剤を使用すると、有利であることが判明している。
【0021】
この種のMQ樹脂は、市場で自由に入手することができる。例えば、SL 160、SL 200、DC 2−7066(Dow Corning製)、SR 545、SR 1000、6031 SL(Momentive Performance Materials)、CRA 17、CRA 42、MQ−Harz 803(Wacker製)を挙げることができる。
【0022】
樹脂改質剤の他に、さらなる添加剤を感圧接着剤に加えることもできる。これらの添加剤は、特に、光学特性を損なわないように選択する。さらなる添加剤として典型的には以下のものを利用することができる
・プロセス安定剤、例えば、白金触媒用のインヒビターとしての、ビニルシランまたはアルキノール、
・プロセス促進剤、例えば、アミノオルガニル、
・充填剤、例えば、二酸化ケイ素、ガラス(粉砕されているか、またはビーズの形態の)、酸化アルミニウム類、酸化亜鉛類(この場合、充填剤は、特に、光学的に可視ではないように細かく粉砕されている)、
・場合によって、好ましくはエラストマー性のさらなるポリマー(対応して利用可能なエラストマーには、とりわけ、数種を挙げるだけであるが、純粋な炭化水素をベースとするもの、例えば、天然または合成で製造されるポリイソプレンまたはポリブタジエンなどの不飽和ポリジエン;例えば、飽和エチレン−プロピレンコポリマー、α−オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの化学的に本質的に飽和のエラストマーおよび例えば、ハロゲン含有、アクリレート含有またはビニルエーテル含有ポリオレフィンなどの化学的に官能化された炭化水素が包含される)、
・可塑剤、例えば、液体樹脂、可塑化油または低分子量液体ポリマー、例えば1500g/mol(数平均)未満のモル質量を有する低分子量シリコーンオイル。
【0023】
縮合架橋性シリコーン系感圧接着剤には、十分な凝集を達成するために、好ましくはペルオキソ開始剤を配合する。特に好ましくはこのために、過酸化ベンゾイル(BPO)を使用する。ペルオキソ開始剤は特に、シリコーン系接着剤の固体成分に対して0.2〜5重量%の量で使用する。凝集と接着能の間で妥当なバランスを達成するために、特に、0.5〜2重量%のBPO含有率を選択する。接着剤を溶液コーティングする場合、先ず少なくとも2分間、70〜90℃の温度を選択して、溶媒を蒸発させる。続いて、少なくとも2分間、温度を170〜180℃に調整して、過酸化物分解を、したがって架橋プロセスを開始させる。
【0024】
特に、アルケニル官能化オルガノポリシロキサンと対応するSiH官能化オルガノポリシロキサンとを白金触媒によりヒドロシリル化反応させることにより、付加架橋性シリコーン系接着剤の十分な凝集が達成される。その際、溶液からコーティングする場合には、70〜90℃の温度および少なくとも2分間の滞留時間で、溶媒を先ず除去する。続いて、温度を100〜120℃に挙げ、最大2分間、一定に保持する。
【0025】
過酸化物または遷移金属触媒によるシリコーン系感圧接着剤の従来の架橋方法に加えて、これらの接着剤は、化学線、特に電子線によっても架橋させることができる。その際、溶液からコーティングする場合には、70〜90℃の温度および少なくとも2分間の滞留時間で、溶媒を先ず除去する。続いて、少なくとも10kGyの電子線量で架橋させる。タックおよび接着特性にマイナスの影響を及ぼすことなく、凝集をほぼ無段階に調整することができるので、この種の架橋は特に有利である(ドイツ特許第10 2007 053 432.0号(特許文献6)も参照されたい)。
【0026】
本発明のさらなる詳細、目的、特徴および利点は、下記の好ましい例示的実施形態を参照して詳述する。