特許第5753103号(P5753103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テーザ・ソシエタス・ヨーロピアの特許一覧

<>
  • 特許5753103-感圧接着剤 図000011
  • 特許5753103-感圧接着剤 図000012
  • 特許5753103-感圧接着剤 図000013
  • 特許5753103-感圧接着剤 図000014
  • 特許5753103-感圧接着剤 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753103
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】感圧接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 183/06 20060101AFI20150702BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20150702BHJP
   C09J 183/07 20060101ALI20150702BHJP
   C09J 183/05 20060101ALI20150702BHJP
   C09J 7/00 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   C09J183/06
   C09J11/06
   C09J183/07
   C09J183/05
   C09J7/00
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-552382(P2011-552382)
(86)(22)【出願日】2010年2月16日
(65)【公表番号】特表2012-519227(P2012-519227A)
(43)【公表日】2012年8月23日
(86)【国際出願番号】EP2010051912
(87)【国際公開番号】WO2010100024
(87)【国際公開日】20100910
【審査請求日】2012年11月12日
(31)【優先権主張番号】102009011165.4
(32)【優先日】2009年3月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】フーゼマン・マルク
(72)【発明者】
【氏名】ウーテシュ・ニールス
【審査官】 内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−516040(JP,A)
【文献】 特表2009−523883(JP,A)
【文献】 特表2012−519228(JP,A)
【文献】 特開2009−114445(JP,A)
【文献】 特開2005−075959(JP,A)
【文献】 特開2004−189945(JP,A)
【文献】 特開平09−169962(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/057304(WO,A1)
【文献】 特開2009−030028(JP,A)
【文献】 特開2010−143976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00− 5/10
9/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルの接着および製造のためのポリシロキサンをベースとする接着剤の使用であって、前記接着剤がASTM D 1003に従って86%を超える透過率およびASTM D 1003に従って5%未満のヘーズを有し、
前記接着剤が、以下の成分、すなわち
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位を有するヒドロキシ官能化オルガノポリシロキサン、
b)式:(RSiO1/2(SiO4/2を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、Rは置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは0.5〜1.2の間の数である)、
c)場合によって、安定剤、
d)場合によって、開始剤
を有する縮合架橋性シリコーンをベースとするか、または
前記接着剤が、以下の成分、すなわち
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位および各分子中に少なくとも2つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
b)式:(RSiO1/2(SiO4/2を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、Rは、置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは、0.5〜1.2の数である)、
c)各分子中に少なくとも平均2個のケイ素結合水素原子を有し、但し成分b)とは異なるオルガノポリシロキサン、
d)元素周期表の第10族の有機金属触媒、
e)場合によって、インヒビター
を有する付加架橋性シリコーンをベースとし、
ここで、前記オルガノポリシロキサンc)はオレフィン系二重結合を含まず、このオルガノポリシロキサンの量が、前記成分a)、b)および含有される場合にはe)の全アルケニル基1モル当たり0.01〜10モルのケイ素結合水素原子が存在するように選択されているオルガノポリシロキサンである、
使用。
【請求項2】
前記接着剤が感圧接着剤であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
接着剤が縮合架橋性シリコーンをベースとする場合に、前記接着剤に、ペルオキソ開始剤が配合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記ペルオキソ開始剤が過酸化ベンゾイルであることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記ペルオキソ開始剤が、前記接着剤の固体成分に対して0.2〜5重量%の量で使用されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の使用。
【請求項6】
前記接着剤が、化学線で架橋されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の使用。
【請求項7】
前記化学線が、少なくとも10kGyの線量の電子線であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
成分b)において、(SiO4/2単位(「Q単位」)に対する(RSiO1/2単位(「M単位」)の比が、0.5〜1.2の範囲であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の使用。
【請求項9】
前記オルガノポリシロキサン樹脂(MQ樹脂)の重量平均分子量MWが、500g/mol〜100000g/molの範囲であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の使用。
【請求項10】
前記オルガノポリシロキサン樹脂(MQ樹脂)の重量平均分子量MWが、1000g/mol〜25000g/molの範囲であることを特徴とする、請求項9に記載の使用
【請求項11】
前記オルガノポリシロキサンと前記オルガノポリシロキサン樹脂との比が、重量パーセントで20:80〜80:20の範囲であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の使用。
【請求項12】
前記オルガノポリシロキサンと前記オルガノポリシロキサン樹脂との比が、重量パーセントで30:70〜60:40の範囲であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記タッチパネルが導電性であり、かつ/または微細構造化表面を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の使用。
【請求項14】
前記接着剤が接着テープの形態で提供されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の使用。
【請求項15】
前記接着テープが少なくとも1つの接着層を有する、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記接着層が25〜150μmの範囲の層厚を有し、または前記接着層が100〜250μmの範囲の層厚を有することを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記接着層が50〜100μmの範囲の層厚を有し、または前記接着層が150〜200μmの範囲の層厚を有することを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
前記接着層が、1回のコーティングステップのみで製造されることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一つに記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の光学構成部品、特に光学フィルムを接着するための感圧接着剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤は今日、非常に多様に使用されている。例えば、工業分野では、最も多様な用途が存在する。エレクトロニクスの分野または家庭用電子製品(C.E.)の分野においては、感圧接着剤をベースとする接着テープが特に数多く使用されている。この場合、部品の数が多いため、感圧接着テープは、非常に迅速かつ簡単に加工でき、したがって、例えば、リベット締めまたは溶接などの他のプロセスは非常にコスト高及び煩雑なものになる。これらの感圧接着テープは場合によっては、通常の結合機能に加えて、さらに他の機能を果たさなければならない。例えば、それは熱伝導性、導電性またはさらに光学的機能であり得る。後者の場合には、例えば、吸光機能または光反射機能を有する感圧接着テープを使用する。さらなる光学的機能は例えば、適切な光透過である。この場合、非常に透明で、固有の呈色を示さず、高い光安定性をも有する感圧接着テープおよび感圧接着剤が使用される。
【0003】
多くの場合、光学的目的のための感圧接着剤は、結合機能の他に、空気を閉め出す機能を有する。というのは、空気は屈折率が1であり、光学フィルムまたはガラスは、通常は明らかにそれよりも高い屈折率を有するからである。屈折率の差は、光学構成部品への空気の移行部において反射を引き起こし、この反射が、透過性を低下させる。この問題を解決する方法の1つは、光学構成部品への光の移行を容易にし、かつ反射を低減する反射防止コーティングである。その代わりに、またはそれを補完して、光学構成部品と同様の屈折率を有する光学感圧接着剤を使用することもできる。これにより、光学構成部品における反射が明らかに最小になり、透過性が高まる。
【0004】
典型的な用途は例えば、LCDもしくはOLEDディスプレイ上へのタッチパネルの接着または容量式タッチパネルでのITO膜(酸化インジウムスズ)の接着である。特にITO膜の接着は、特別な難題である。例えばこの場合、感圧接着剤配合物の中性に特に要求が課せられる。感圧接着剤は、例えば、ITO膜と接触した場合に、長期間にわたって導電性にマイナスの影響を及ぼし得る、酸官能基を含むことは許されない。さらなる要求が、流動挙動(Auffliesverhalten)に関して存在する。例えば、多くのITO膜は、表面に構造を、通常は微細構造を有し、ここが、感圧接着剤で充填されるべきである。気泡形成は透過性を低下させるので、この充填は、気泡を封じ込めることなく行われるべきである。
【0005】
透明な接着のために、光学分野で使用されている数多くのアクリレート系感圧接着剤が公知である。米国特許第6,703,463B2号(特許文献1)、特開2002−363523号(特許文献2)または米国特許出願公開第2002/0098352A1号(特許文献3)には例えば、様々な屈折率を有するアクリレート系感圧接着剤が記載されている。しかし、これらの接着剤は、ITO膜に対する電気的中性の点で欠点を有する。
【0006】
しかしさらに、シリコーン系感圧接着剤も使用されている。そのような接着剤は、欧州特許第1652899B1号明細書(特許文献4)に記載されている。しかし、この場合に使用されているシリコーン系感圧接着剤は、非常に低い接着力しか有さず、したがって、最初から永久的な接着には適していない。さらなるシリコーン系感圧接着剤が、米国特許出願公開第2006/008662A1号(特許文献5)にも記載されている。ここに記載されている感圧接着剤も、低い接着力しか有さないので、永久的な接着には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,703,463B2号
【特許文献2】特開2002−363523号
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0098352A1号
【特許文献4】欧州特許第1652899B1号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/008662A1号
【特許文献6】ドイツ特許第10 2007 053 432.0号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上記で挙げられた欠点を有さない改良された光学感圧接着剤が依然として必要とされている。特に、適切な接着剤は、高い光学的透過性および高いUV安定性を有するべきである。導電性基板、特にITO膜を接着する好ましい用途では、接着剤は、不活性であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記の問題を、請求項1に記載の接着剤の使用により解決する。好ましい変形形態および発展形態は、それぞれの従属請求項の対象である。
【0010】
本発明によれば、シリコーンをベースとする感圧接着剤は、低い接着力しか有さないという経験にも関わらず、十分な接着力をもたらし、それに加えて、必要な光学的要求も満たす、適切な接着剤が存在することが分かった。このようなシリコーン系接着剤、特に、このようなシリコーン系感圧接着剤は、ポリシロキサンをベースとする。
【0011】
ポリ(ジオルガノ)シロキサン(例えば、PDMS−ポリジメチルシロキサン)とシリケート樹脂(MQ樹脂)からなるシリコーン系感圧接着剤をトルエンまたはキシレンで希釈する。これらのシリコーン系感圧接着剤は、低エネルギーで、接着が難しい基板、特に、シリコーンまたは例えばUV塗料などのシリコーン処理された基板に対しても中程度の乃至良好な接着力を有することが判明している。Si−O−Si結合が非常に安定なため、シリコーン系感圧接着剤は、UV光、オゾン、化学薬品および高温などの環境の影響に対して優れた耐性を有し、したがって、極めて長いライフサイクルを有する。Si−O−Si結合の結合力は、シリコーンの生体親和性が高いことの理由でもある。C=C二重結合が存在しないことが、UV光とSi−O−Siポリマー主鎖との相互作用がないこととあいまって、著しい光学純度およびほぼ完全な光透過性をもたらしている。さらに、この種のシリコーン系感圧接着剤は、Tが最低では−120℃と低いため、−50℃の温度でもなお加工することができ、加えて、衝撃、振動、ノイズおよび温度影響に対する優れた吸収特性を示す。
【0012】
したがって、本発明は、以下の成分、すなわち
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなるヒドロキシ官能化オルガノポリシロキサン、
b)式:(RSiO1/2(SiO4/2を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、Rは置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは0.5〜1.2の数である)、
c)場合によって、安定剤、
d)場合によって、開始剤
からなる縮合架橋性シリコーンをベースとするか、または
以下の成分、すなわち
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなり、各分子中に少なくとも2つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
b)式:(RSiO1/2(SiO4/2を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、Rは、置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは、0.5〜1.2の数である)、
c)各分子中に少なくとも平均2個のケイ素結合水素原子を、成分a)、b)および存在する場合にはe)の全アルケニル基1モル当たり0.01〜10モルのケイ素結合水素原子が存在する量で有し、オレフィン系二重結合を含まないオルガノポリシロキサン、
d)元素周期表の第10族の有機金属触媒、
e)場合によって、インヒビター
からなる付加架橋性シリコーンをベースとする、感圧接着剤の使用に関する。
【0013】
この接着剤は、ASTM D 1003に従って、それぞれ86%を超える光透過率および5%未満のヘーズを有し、したがって、光学構成部品の接着に特に適している。凝集特性および接着特性が良好なため、これらの接着剤は、柔軟な物体、例えば、フィルムの接着にも特に適している。
【0014】
感圧接着剤
感圧接着剤として、特に、以下に挙げる成分からなる縮合架橋性シリコーンをベースとするものが使用される。
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなるヒドロキシ官能化オルガノポリシロキサン、
b)式:(RSiO1/2(SiO4/2を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、Rは、置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは、0.5〜1.2の数である)、
c)場合によって、安定剤、
d)場合によって、開始剤。
【0015】
この種のシリコーン系感圧接着剤は、市場で自由に入手することができる。例えば、DC 280、DC 282、Q2−7735、DC 7358、Q2−7406(Dow Corning製)、PSA 750、PSA 518、PSA 910、PSA 6574(Momentive Performance Materials製)、KRT 001、KRT 002、KRT 003(ShinEtsu製)、PSA 45559(Wacker Silicones製)およびPSA 400、PSA 401(BlueStar Silicones製)を挙げることができる。
【0016】
あるいは、感圧接着剤として、以下に挙げる成分からなる付加架橋性シリコーンをベースとするものも使用される。
a)少なくとも1つのジオルガノシロキサン単位からなり、各分子中に少なくとも2つのケイ素結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
b)式:(RSiO1/2(SiO4/2を有するオルガノポリシロキサン樹脂(式中、Rは、置換または非置換の一価炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基であり、xは、0.5〜1.2の間の数である)、
c)各分子中に少なくとも平均2個のケイ素結合水素原子を、成分a)、b)およびe)の全アルケニル基1モル当たり0.01〜10モルのケイ素結合水素原子が存在する量で有し、オレフィン系二重結合を含まないオルガノポリシロキサン、
d)元素周期表の第10族の有機金属触媒、
e)場合によって、インヒビター。
【0017】
この種のシリコーン系感圧接着剤は、市場で自由に入手することができる。例えば、DC 7657、DC 2013(Dow Corning製)、KR 3700、KR 3701(ShinEtsu製)を挙げることができる。
【0018】
必要な接着特性を達成するために、前記のシリコーン配合物に、式(RSiO1/2(SiO4/2を有するいわゆるMQ樹脂を加える。式中、(RSiO1/2)単位はM単位と称され、(SiO4/2)単位はQ単位と称される。Rはそれぞれ互いに独立に、一価の飽和炭化水素基、一価の不飽和炭化水素基、一価のハロゲン化炭化水素基、水素原子またはヒドロキシ基を表す。M単位とQ単位との比(M:Q)は好ましくは、0.5〜1.2の範囲である。
【0019】
MQ樹脂は、有利には重量平均分子量M500g/mol≦M≦100000g/mol、好ましくは1000g/mol≦M≦25000g/molを有するものであり、この場合、本明細書における平均分子量Mの表示は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定したものである(さらには下記の実験の部を参照されたい)。
【0020】
ポリジオルガノシロキサンとMQ樹脂との比が(重量パーセントで)、20:80〜80:20の範囲、好ましくは30:70〜60:40までの範囲である接着剤を使用すると、有利であることが判明している。
【0021】
この種のMQ樹脂は、市場で自由に入手することができる。例えば、SL 160、SL 200、DC 2−7066(Dow Corning製)、SR 545、SR 1000、6031 SL(Momentive Performance Materials)、CRA 17、CRA 42、MQ−Harz 803(Wacker製)を挙げることができる。
【0022】
樹脂改質剤の他に、さらなる添加剤を感圧接着剤に加えることもできる。これらの添加剤は、特に、光学特性を損なわないように選択する。さらなる添加剤として典型的には以下のものを利用することができる
・プロセス安定剤、例えば、白金触媒用のインヒビターとしての、ビニルシランまたはアルキノール、
・プロセス促進剤、例えば、アミノオルガニル、
・充填剤、例えば、二酸化ケイ素、ガラス(粉砕されているか、またはビーズの形態の)、酸化アルミニウム類、酸化亜鉛類(この場合、充填剤は、特に、光学的に可視ではないように細かく粉砕されている)、
・場合によって、好ましくはエラストマー性のさらなるポリマー(対応して利用可能なエラストマーには、とりわけ、数種を挙げるだけであるが、純粋な炭化水素をベースとするもの、例えば、天然または合成で製造されるポリイソプレンまたはポリブタジエンなどの不飽和ポリジエン;例えば、飽和エチレン−プロピレンコポリマー、α−オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの化学的に本質的に飽和のエラストマーおよび例えば、ハロゲン含有、アクリレート含有またはビニルエーテル含有ポリオレフィンなどの化学的に官能化された炭化水素が包含される)、
・可塑剤、例えば、液体樹脂、可塑化油または低分子量液体ポリマー、例えば1500g/mol(数平均)未満のモル質量を有する低分子量シリコーンオイル。
【0023】
縮合架橋性シリコーン系感圧接着剤には、十分な凝集を達成するために、好ましくはペルオキソ開始剤を配合する。特に好ましくはこのために、過酸化ベンゾイル(BPO)を使用する。ペルオキソ開始剤は特に、シリコーン系接着剤の固体成分に対して0.2〜5重量%の量で使用する。凝集と接着能の間で妥当なバランスを達成するために、特に、0.5〜2重量%のBPO含有率を選択する。接着剤を溶液コーティングする場合、先ず少なくとも2分間、70〜90℃の温度を選択して、溶媒を蒸発させる。続いて、少なくとも2分間、温度を170〜180℃に調整して、過酸化物分解を、したがって架橋プロセスを開始させる。
【0024】
特に、アルケニル官能化オルガノポリシロキサンと対応するSiH官能化オルガノポリシロキサンとを白金触媒によりヒドロシリル化反応させることにより、付加架橋性シリコーン系接着剤の十分な凝集が達成される。その際、溶液からコーティングする場合には、70〜90℃の温度および少なくとも2分間の滞留時間で、溶媒を先ず除去する。続いて、温度を100〜120℃に挙げ、最大2分間、一定に保持する。
【0025】
過酸化物または遷移金属触媒によるシリコーン系感圧接着剤の従来の架橋方法に加えて、これらの接着剤は、化学線、特に電子線によっても架橋させることができる。その際、溶液からコーティングする場合には、70〜90℃の温度および少なくとも2分間の滞留時間で、溶媒を先ず除去する。続いて、少なくとも10kGyの電子線量で架橋させる。タックおよび接着特性にマイナスの影響を及ぼすことなく、凝集をほぼ無段階に調整することができるので、この種の架橋は特に有利である(ドイツ特許第10 2007 053 432.0号(特許文献6)も参照されたい)。
【0026】
本発明のさらなる詳細、目的、特徴および利点は、下記の好ましい例示的実施形態を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】片面感圧接着テープを示す図である。
図2】両面感圧接着テープを示す図である。
図3】基材なし感圧接着テープ(転写式接着テープ)を示す図である。
図4】タッチパネルの背面補強プレートの接着を示す図である。
図5】タッチパネルの様々な層の接着を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
製品構造
図1は、光学構成部品、特に光学フィルムを接着する際に使用するための片面接着感圧接着テープ1を示している。感圧接着テープ1は、接着層2を有し、この接着層は、上述の感圧接着剤の1種を基材3にコーティングすることにより製造された。感圧接着剤施与量(Haftkelebemassenauftrag)は好ましくは、5〜250g/mである。感圧接着剤は、特に光の可視領域で少なくとも86%の透過率を有し、このため、光学用途に特に適している。
【0029】
光学構成部品を接着する際の使用では、基材2としても、透明な基材2を使用する。基材2も同様に、可視光領域で透明であり、好ましくは、同様に少なくとも86%の透過率を有する。
【0030】
加えて(図示せず)、感圧接着テープ1を使用する前に接着層2をカバーし保護する剥離フィルムをさらに設けてもよい。接着層2を使用する前に、剥離フィルムを除去する。
【0031】
透明感圧接着剤を好ましくは、剥離フィルムで保護することができる。さらに、基材フィルムに1つまたは複数のコーティングを備えることも可能である。感圧接着剤施与量は好ましくは、5〜250g/mである。
【0032】
図2に示されている製品構造は、透明基材3を備えた感圧接着テープ1を示しており、これは、両面に感圧接着剤がコーティングされており、したがって、2つの接着層2を有する。各面の感圧接着剤施与量は、この場合も好ましくは、5〜250g/mである。
【0033】
この変形形態でも、好ましくは、少なくとも1つの接着層2が剥離フィルムでカバーされている。ロールに巻いた(aufgerollt)接着テープでは、この1つの剥離フィルムが場合によっては、第2の接着層2もカバーし得る。しかし、複数の剥離フィルムを設けてもよい。
【0034】
さらに、基材フィルムが1つまたは複数のコーティングを備えることも可能である。さらに、感圧接着テープの片面のみに、本発明による感圧接着剤を付与し、別の面には、他の透明感圧接着剤を使用することもできる。
【0035】
図3に示されている製品構造は、転写式接着テープ、すなわち、基材なし感圧接着テープ1の形態の感圧接着テープ1を示している。このために、感圧接着剤が、剥離フィルム4の片面にコーティングされて、感圧接着層2を形成している。感圧接着剤施与量は、この場合に通常は、5〜250g/mであり、25〜175g/mの接着剤施与量(Massenauftrag)が好ましい。場合によっては、さらにこの感圧接着層2の第2の面を、もう1つの剥離フィルムでカバーする。感圧接着テープを使用するには、剥離フィルムを除去する。
【0036】
剥離フィルムの代わりに、例えば、剥離紙などを使用することもできる。この場合、可能な限り平滑な感圧接着剤面を実現するために、剥離紙の表面粗さを低減すべきである。
【0037】
基材フィルム
基材フィルムとして、多数の高透明ポリマーフィルムを使用することができる。特に、特殊な高透明PETフィルムを使用することができる。例えば、商品名Hostaphan(商標)のMitsubishi社製、または商品名Lumirror(商標)のToray社製のフィルムが適している。物質の曇りの尺度であるヘーズ値は、好ましい設計(Auslegung)では、ASTM D 1003に従って5%未満の値を有するべきである。ヘーズ値が高いことは、対応する物質を通しての可視性が低いことを意味している。光透過率は好ましくは、550nmで86%を超え、特に好ましくは88%を超える。さらなる非常に好ましい種類のポリエステルは、ポリブチレンテレフタレートフィルムである。
【0038】
ポリエステルフィルムの他に、高透明PVCフィルムも使用することができる。これらのフィルムは、柔軟性を高めるために、可塑剤を含有してもよい。さらに、PC、PMMAおよびPSフィルムを使用することもできる。純粋なポリスチレンに加えて、結晶化傾向を低減するために、スチレンの他に、例えばブタジエンなど他のコモノマーを使用することもできる。
【0039】
さらに、ポリエーテルスルホンフィルムおよびポリスルホンフィルムを基材材料として使用することができる。これらは例えば、BASF社から商品名Ultrason(商標)EおよびUltrason(商標)Sで入手することができる。さらに、特に好ましい高透明TPUフィルムを使用することもできる。これらは例えば、Elastogran GmbH社から市場で入手することができる。高透明ポリアミド−およびコポリアミドフィルムならびにポリビニルアルコールおよびポリビニルブチラールをベースとするフィルムも使用することができる。
【0040】
単層フィルムの他に、多層フィルム、例えば同時押し出しで製造される多層フィルムも使用することができる。このために、前記のポリマー材料を互いに組み合わせることができる。
【0041】
さらに、フィルムを処理することができる。例えば酸化亜鉛の蒸着を例えば行うことができ、または塗料もしくは接着増進剤を施与することもできる。他の可能な添加剤は、UV保護剤であり、これは添加剤としてフィルム中に存在してもよく、保護層として施与してもよい。
【0042】
フィルム厚は、好ましい設計では、4μm〜150μm、特に好ましくは12μm〜100μmである。
【0043】
基材フィルムは例えば、光学コーティングを有してもよい。光学コーティングとして特に、反射を低減するコーティングが適している。これは例えば、空気/光学コーティングの移行部における屈折率の差を低減させることによって達成される。
【0044】
剥離フィルム
むき出しの(感圧)接着剤を保護するために、これを好ましくは、1つまたは複数の剥離フィルムでカバーする。剥離フィルムの他に(特に好ましいわけではないが)、一設計では、剥離層としてシリコーン処理層を有する例えば、グラシン−、HDPE−またはLDPE剥離紙などの剥離紙を使用することもできる。
【0045】
しかし好ましくは、剥離フィルムを使用する。剥離フィルムは、非常に好ましい設計では、シリコーン処理層、特にフルオロ−シリコーン処理層を剥離材として有する。さらに、フィルム状剥離ライナーは、それによって感圧接着剤の構造化が生じないように、極めて平滑な表面を有するべきである。これは好ましくは、アンチブロッキング剤不含のPETフィルムを、溶液からコーティングされたシリコーン系、特にフルオロ−シリコーン系と組み合わせて使用することにより達成される。フルオロ−シリコーン系の他に、好ましくは、剥離フィルム上のフッ素化炭化水素からなるコーティングも考えられる。
【0046】
コーティング
(感圧)接着剤は、溶液からコーティングすることができる。溶液からコーティングするために、(感圧)接着剤を、例えば、トルエン、ベンジン、ヘプタンなどの通常の溶剤に溶かし、次いで、コーティングノズルまたはドクターブレードによってコーティングする。特に好ましいのは、早すぎる架橋を防ぐために、溶液から(感圧)接着剤を調製することである。しかし、溶剤含有コーティングを可能にする他の全てのコーティング法を使用することもできる。
【0047】
使用
上述の(感圧)接着剤および(感圧)接着テープは特に、光学用途での使用に適しており、その場合、好ましくは保持時間が1カ月を超える永久的な接着が行われる。
【0048】
特に好ましい使用分野には、タッチパネルの接着およびタッチパネルの製造が含まれる。図4には、抵抗式タッチパネルでの典型的な接着が示されている。この場合、好ましくは転写式(感圧)接着テープ、すなわち基材を備えていないものが使用される。しかし、トップフィルムまたは補強プレートを、対応する基材を備えた片面(感圧)接着テープの形態で使用し、接着することもできる。
【0049】
図4は、第1の感圧接着テープ1を用いて基材6、例えば、プラスチックプレートまたはガラスプレートに接着されているタッチパネル5を示している。次いで、タッチパネル5上に、第2の感圧接着テープ1を用いて、通常はアンチスクラッチ層を有するトップフィルム7が施与されている。
【0050】
図5には、容量式タッチパネルにおける典型的な接着が示されている。特に、構造化ITO膜8を接着するには、構造の良好なぬれを達成するために、50g/mを超える接着剤施与量を有する感圧接着層2を使用する。
【0051】
シリコーン系感圧接着剤は特に、構造化平面上に気泡なしに積層させるのに適している。他の感圧接着剤と比較した場合の特別な利点は、気泡なしの積層を可能にするのに必要な層厚がはっきりとより薄いあることにある。例えば典型的な方法では、層厚175μm〜225μmのアクリレート系感圧接着剤をこの用途のために使用する。本発明による感圧接着剤を用いると、同じ特性を50〜200μmの層厚でも実現することができる。
【0052】
しかし他方で、このシリコーン系感圧接着剤は、特に厚い層厚にも、とりわけ250μmまでの層厚にも適している。このように厚い層の製造を特に、僅か1つのコーティングステップで行うことができるが、一方、アクリレート材料では、匹敵する層厚を得るために、複数のコーティングステップをしばしば必要とする。
【0053】
図5にはさらに、上述の感圧接着剤を用いた、保護フィルムまたは携帯電話ウィンドウ7、容量式タッチパネルの背面補強プレートとしての基材6、およびディスプレイ9の接着が示されている。この場合、感圧接着剤はそのままでも、転写式接着テープの形態でも、基材フィルムを備えた片面または両面感圧接着テープでも使用することができる。
【0054】

試験方法
A.接着力
剥離強さ(接着力)試験を、PSTC−101に従って行った。接着テープをガラスプレートに施与する。接着テープの2cm幅ストリップを、2kgローラを用いて3回往復ロール掛けすることにより接着する。プレートを挟んで固定し、粘着ストリップを、その自由端を介して、引張試験機で180°の剥離角で300mm/分の速度で引き剥がす。力は、N/cmで示す。転写式接着テープを測定する場合には、前もって剥離フィルムをそれから除去しておく。続いて、この剥離フィルムを23μm厚のPETフィルムで置き換える。
【0055】
B.透過率
550nmにおける透過率は、ASTM D1003に従って決定する。光学的に透明な感圧接着剤とガラスプレートからなる複合体を測定した。
【0056】
C.ヘーズ
ヘーズは、ASTM D1003に従って決定する。
【0057】
D.耐光性
感圧接着剤とガラスプレートからなる複合体を、4×20cmのサイズで250時間、Osram Ultra Vitalux 300Wランプを用いて、50cmの距離から照射する。照射の後に、試験方法Bに従って透過率を決定する。
【0058】
E.交互耐候試験(Wechselklimatest)
感圧接着剤を片面感圧接着テープ(接着剤施与量50g/m、Mitsubishi RNK 50タイプの50μmPETフィルム)として、ガラスプレート上に気泡なしに接着する。試験ストリップは、幅2cmおよび長さ10cmの寸法を有する。試験方法Aに従って、ガラス上での接着力を決定する。
【0059】
並行して、このような接着複合体を、交互耐候試験室内に置き、1000サイクル貯蔵する。1サイクルは、
−40℃で30分間保管、
−5分以内で85℃まで高温加熱、
−85℃で30分間保管、
−5分以内で−40℃まで冷却
を含んでいる。
交互耐候試験の後に、接着力を試験方法Aに従って再び測定する。
【0060】
F.導電性試験
感圧接着剤を片面感圧接着テープとして、Nitto Denko社製のITO膜(Elecrysta(登録商標))上に接着する。このITO膜は、12cm×2cmの寸法を有する。接着面積は10cm×2cmであり、各末端は、電気的測定のために1cmずつ残しておく。続いて、複合体を空調室内で、85℃および空気湿度20%で500時間保管する。次いで、DIN53482に従って表面抵抗を測定する。続いて、未処理のITO膜と比較した場合の低下(パーセント値)を決定する。
【0061】
G.ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
GPCを用いて、ポリマーの平均分子量(M)を決定することができる。MQ樹脂のM決定のために、以下の設定を使用した。溶離剤トルエン;測定温度23℃;先行カラム(Vorsaeule)PSS−SDV、5μm、10Å(10nm)、ID8.0mm×50mm;分離:カラムPSS−SDV、5μm、10Å(10nm)および10Å(100nm)および10Å(10nm)、それぞれID8.0mm×300mm;試料濃度3g/l、毎分当たり流量1.0ml;ポリジメチルシロキサン標準。
【0062】

例では、コーティングを連続コーティング用の通常の実験室用コーティング装置で行った。コーティングはクリーンルームISO5中でISO 14644−1規格に従って行った。ウェブ幅は50cmであった。コーティングギャップ幅は、0〜1cmの間で可変に調整可能であった。加熱路の長さは約12cmであった。加熱路中の温度は4つの帯域に区分することができ、それぞれ、室温から180℃の間で自由に選択することができた。
【0063】
サンプルの製造:
感圧接着剤のコーティングを溶液から剥離フィルム上に行った。こうして得られた接着フィルムを乾燥および架橋の後に、さらなる剥離フィルムで積層した。接着力を測定するために、剥離フィルムを23μm厚のPETフィルムで置き換えた。
【0064】
接着剤製造
a)縮合架橋性接着剤
縮合架橋性シリコーン系感圧接着剤をスペシャル・ボイリング・ポイント・スピリッツ(Siedegrenzenbenzin)(沸点=60〜90℃)で固体含有率45%まで希釈し、MQ樹脂および過酸化ベンゾイル(BPO)と混合し、30分間撹拌した。後続のコーティングの際に、50、100および150g/mの接着剤施与量(乾燥後)を選択した(約50、100および150μmの層厚に相当)。
【0065】
【表1】
【0066】
b)付加架橋性接着剤
付加架橋性シリコーン系感圧接着剤をスペシャル・ボイリング・ポイント・スピリッツ(沸点=60〜90℃)で固体含有率45%まで希釈し、MQ樹脂および白金触媒Syl−Off 4000(Dow Corning製)と混合し、30分間撹拌した。後続のコーティングの際に、50、100および150g/mの接着剤施与量(乾燥後)を選択した(約50、100および150μmの層厚に相当)。
【0067】
【表2】
【0068】
c)ESH架橋接着剤
付加架橋性シリコーン系感圧接着剤も、縮合架橋性シリコーン系感圧接着剤も、スペシャル・ボイリング・ポイント・スピリッツ(沸点=60〜90℃)で固体含有率45%まで希釈し、MQ樹脂と混合し、30分間撹拌した。後続のコーティングの際に、50、100および150g/mの接着剤施与量(乾燥後)を選択した(約50、100および150μmの層厚に相当)。
【0069】
【表3】
【0070】
参照例1の製造:
重合のために、安定剤を除去したモノマーを使用した。ラジカル重合用の通常の2L容ガラス製反応器に、アクリル酸32g、アクリル酸n−ブチル168g、アクリル酸2−エチルヘキシル200gおよびアセトン/イソプロパノール(97:3の比)300gを投入した。撹拌しながら窒素ガスを45分間通した後に、反応器を58℃に加熱し、Vazo67(登録商標)(DuPont社製、2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル))0.2gを加えた。続いて、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定してこの外部温度で反応を実施した。1時間の反応時間の後に、再びVazo67(登録商標)(DuPont社製、2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル))0.2gを加えた。3時間後および6時間後にそれぞれアセトン/イソプロパノール混合物150gで希釈した。残りの開始剤を還元するために、8時間後および10時間後にそれぞれ、Perkadox 16(登録商標)(Akzo Nobel社製、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート)0.1gを加えた。22時間の反応時間の後に反応を打ち切り、室温に冷却した。続いて、30%の固体含有率までイソプロパノールで希釈し、強く撹拌しながら、アセチルアセトナトアルミニウム0.3重量%を加えた。次いで、本発明による例1〜3と同様に、溶液を剥離フィルムにコーティングし、120℃で10分間乾燥させた。接着剤施与量は50g/mであった。試験方法Aによる接着力は、6.4N/cmであった。
【0071】
結果
試験サンプルの製造は、本発明による例1〜36が全て、高い接着力を有することを示した。接着力は、接着剤施与量に依存する。ポリアクリレート系感圧接着剤をベースとする参照サンプル1は、試験方法Aでは同様の接着力を示す。本発明による例1〜36は、全ての例が、一時的接着ではなく、永続的接着に適していることを証明している。
【0072】
光学分野における適合性に関して、さらなる光学的測定を実施した。光透過は、試験方法Bに従って透過率として決定する。感圧接着剤の曇りは試験方法Cにより決定し、ヘーズ値によって記載する。結果を次の表1にまとめて示す。
【0073】
【表4】
【0074】
試験から、本発明による全ての例は92%の高い透過率値を有するが、この値は、光反射によって落ちていることが明らかである。ガラス/ガラス接着では、反射損失を差し引いて、99%を超える透過率値が測定され得る。ポリアクリレートをベースとする参照例は、同様の透過率値を示す。したがって、本発明によるシリコーン系感圧接着剤は高い光学的透過に適している。試験方法Cに従ったヘーズ測定で、このことが確認される。測定されたヘーズ値は、本発明による全てのシリコーン系感圧接着剤で、1%未満であり、したがって、最高度の要求を満たしている。
【0075】
続いてさらに、様々な老化試験を実施した。第一に、耐光性試験を試験方法Dに従って実施した。この場合は、長期間の太陽光照射により、変色または黄変が生じるかどうかを試験する。このことは、例えばディスプレイなどによる長期間の照射に曝されるか、または屋外で使用される光学用途では特に重要である。結果を表2にまとめて示す。
【0076】
【表5】
【0077】
表2から、全ての例および参照例1は、安定した透過率を有し、透過率の低下を示さず、または参照例1の場合には非常に僅かな低下しか示さないことが推論できる。
【0078】
さらなる老化試験には、交互耐候試験が含まれる。この場合、携帯電話分野における最終用途でも起こり得る、接着剤が非常に様々な気候に曝される状況をシミュレーションしている。交互耐候試験は、試験方法Eに従って実施した。結果を、表3にまとめて示す。
【0079】
【表6】
【0080】
表3の測定は、本発明による全ての例で非常に安定な接着水準を示している。唯一注目すべきこととして、参照例1の場合に、PETフィルムからのガス放出をおそらく原因とする気泡形成が確認された。一方、本発明による例は、そのような問題を示さなかった。いずれの例でも、リフティング(Abhebung)などは生じなかった。このことは、接着強度が十分に高いことのさらなる間接的証拠である。
【0081】
最後の測定として、もう一度、全ての例および参照例で、ITO膜への接着を行った。ITO膜は、タッチパネルの製造にかなり頻繁に使用されている。この場合の目的は、感圧接着剤で接着した後でも、ITO層の導電性にマイナスの影響が及ばないことである。試験方法Fを用いて、接着を比較的長期間にわたって測定する。これによって、時間経過に伴って導電性にマイナスの影響を及ぼす老化作用が生じるかどうかをシミュレーションする。新品の測定値(Frischmessung)を保存された複合体と比較することにより、損失(パーセント表示)を決定する。タッチパネル用途では、良好な適合性を有するには、5%未満の損失が必要である。
【0082】
この試験の結果を表4にまとめて示す。
【0083】
【表7】
【0084】
測定結果から、比較例の参照1は、導電性の著しい低下をもたらすことが明らかである。参照例1は、ポリアクリレートをベースとし、アクリル酸基を含有する。一方、本発明による例1〜36は、ほぼゼロのITOの導電性の損失を示す。したがって、例1〜36はITO膜の接着に優れて適しており、やはり光学分野においてITO接着に使用される市販のアクリレート系感圧接着剤と比べて著しい利点を有する。
【0085】
まとめると、測定結果から、本発明による感圧接着剤およびその本発明による使用が、タッチパネルの接着または容量式タッチパネル用のITO膜の接着に非常に良好に適していることが証明される。本感圧接着剤は、例えばポリアクリレートをベースとする既存の感圧接着剤と比べて著しい利点を有する。
図1
図2
図3
図4
図5