【実施例】
【0050】
例1
マイクロエマルション組成物
この例は、複数のマイクロエマルション組成物の配合、それらの希釈可能性、及びそれらの有益なマイクロエマルション安定範囲(MSR)を示している。表1及び2で示されているデータは、示されている成分の好ましい配合ガイドラインを含む。範囲としては、約40wt%〜約60wt%の水、約15wt%〜約35wt%のエトキシレート非イオン性界面活性剤、約9wt%〜約24wt%のアルキルポリグリコシド界面活性剤、及び約10〜約25wt%の疎水性溶媒を挙げることができる。好ましい範囲としては、約45wt%〜約55wt%の水、約15wt%〜約のエトキシル化非イオン性界面活性剤、約20wt%のアルキルポリグリコシド、及び残部の疎水性溶媒を挙げることができる。一般的に、全非イオン性界面活性剤(エトキシレート+ポリグリコシド)の疎水性油(例えば鉱油)に対する比が1.4よりも大きいと、所望の特性を示すマイクロエマルションが提供される。
【0051】
それぞれの組成物のマイクロエマルション安定範囲(MSR)を示す。これは、特定の温度範囲で最大洗浄性能をもたらす透明マイクロエマルション液体、ゲル又は固体組成物を配合する能力を示す。すなわち清浄化能力は一般にMSR又はMSR付近において増加している。試料番号1−7〜1−18は、様々な温度範囲、例えば0〜40℃、40〜70℃及び75〜9
5℃において、透明流動性マイクロエマルション組成物を示す。またデータは、本発明の配合で可能な相対的に広いMSR(例えば30℃超)を示している。反対に、試料番号1−1〜1−5は、分散性のミルク状エマルションを作り(透明マイクロエマルションを作らない)、明確なMSRをもたらすことが見出されない。
【0052】
また任意のマイクロエマルション組成で重要な性質は、洗浄のために水性相によって希釈して透明溶液を得られることである。典型的に、濃縮物の約0.1〜1wt%希釈を使用して、系の強さを測定することができる。例は、1%での透明性データを示しており、全てのマイクロエマルションの例が透明な希釈物をもたらしている。対称的に、全てのエマルション例が、濁り〜ミルク状の希釈溶液をもたらしている。試料1−6の「近」マイクロエマルションは濁った外観を与え、透明なマイクロエマルションの外観を与えなかった。
【0053】
表1において報告されている成分の量は、重量百分率に関するものである。
【0054】
【表1】
【0055】
1.アルコール5−EOは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic L24−5で入手可能な、5分子のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤。
2.ポリグリコシドは、Henkelから名称Glucopon 625で入手可能な、アルキル化ポリグリコシド非イオン性界面活性剤。
3.(アルコール5−EO+ポリグリコシド)/疎水性油の比
4.MSR(マイクロエマルション安定範囲)
5.1%溶液透明性(RT)は室温でのものである。
【0056】
例2
ビルダーを伴うマイクロエマルション組成物
水相中の商業的なビルダー(有機及び無機キレート及びアルカリ度源)系及び疎水性溶媒としてのヘキサデカンを含有する様々なマイクロエマルション組成物を調製した。好ましいマイクロエマルション組成物は、
2000ppmの水性ビルダー
を含む水相を約50wt%、20wt%のエトキシル化非イオン性界面活性剤、20wt%のアルキルグリコシド界面活性剤、及び残部の疎水性溶媒を含有している。
【0057】
また表1で示すように、濃縮物の透明性と使用溶液の透明性との間には相関関係があり、様々なマイクロエマルション安定範囲(MSR)が利用可能である。
【0058】
【表2】
【0059】
1.活量2,000ppmのTurbo Speed;ミネソタ州セントポールのEcolab社から入手可能な、商業的なシリケート化洗濯用ビルダー系。
2.アルコール5−EOは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic L24−5で入手可能な、5分子のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤。
3.ポリグリコシドは、Henkelから名称Glucopon 625で入手可能な、アルキル化ポリグリコシド非イオン性界面活性剤。
4.MSR(マイクロエマルション安定範囲)は、透明単相流動性液体が存在する温度範囲。
【0060】
例3
他の疎水性相
様々な疎水性成分を含有する様々なマイクロエマルション組成物を調製した。これらのエマルション組成物は表3で報告している。成分の量は重量百分率に関するものである。
【0061】
【表3】
【0062】
1.アルコール5−EOは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic L24−5で入手可能な、5分子のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤。
2.ポリグリコシドは、Henkelから名称Glucopon 625で入手可能な、アルキル化ポリグリコシド非イオン性界面活性剤。
3.活量2,000ppmのTurbo Speed;ミネソタ州セントポールのEcolab社から入手可能な、商業的なシリケート化洗濯用ビルダー系。
4.MSR(エマルション安定範囲)は、透明単相流動性液体が存在する温度範囲。
【0063】
例4
マイクロエマルションでの繊維品洗浄
この例では、洗濯用洗浄剤としてのマイクロエマルション組成物の有用性を示す。従来の洗濯洗浄方法を使用して、本発明のマイクロエマルションと、標準の商業的な洗浄剤とを比較した。組成及び試験結果は、表4で報告している。
【0064】
35ポンド洗濯機に、20ポンドのいっぱいの繊維製品、適当な温度(第5欄)の11ガロンの水、商業的な洗浄剤(第2欄)、及び一連の商業的な汚れたモーターオイル(DMO)標準試験標本(1つの試験について6つ)を入れた。洗浄の増進剤(第3欄)を、様々な濃度(第4欄)で洗濯機に入れ、清浄化サイクルを10分間にわたって行い、その後で水を捨て、そして5分間にわたってすすいだ。試験標本は、Hunter Ultrascan Sphere Spectrocolorimeter(Hunter Lab.)を使用して反射率測定によって評価した。反射率は、表面によって反射される入射光の割合を数値的に表したものである。表面の清浄性は、L値(完全な白色の100から黒色の0まで変化する明るさの測定値、ほぼ肉眼で評価されるようなものである)及び白色指数(WI)(「完全な」白色からの対象物の相違の程度の測定値)の増加に関連付ける。両方の値は、非常に再現性のあるものであり、また光学的な検査による結果を数値的に表したものであることが分かっている。効果的で完全な清浄化はL及びWI値を、新しい繊維製品の値に戻す又はその値よりも大きくすることが示される。清浄化の欠如又は中間の程度までの除去は、それぞれ反射率を増加させず又は中間まで増加させる。
【0065】
表4の第7欄で報告されている結果は、本発明のマイクロエマルションの洗浄結果と商業的な溶媒に基づく洗浄増進剤の洗浄結果とを比較している。示されているように、溶媒に基づく洗浄増進剤の使用と比較して相当する汚れ除去結果が、重度の汚れの洗浄剤促進剤としての本発明のマイクロエマルションを使用して達成された。同様な結果を得るために、洗浄温度を30°F低下させることが本発明によって達成される(第6欄参照)。また第4欄で示されているように、本発明のマイクロエマルションは、VOC(揮発性有機化合物)の制限なしに作ることができ、燃焼性及び健康に関する問題に有意の影響を与えない。
【0066】
更なる添加剤を使用すること、又はマイクロエマルション組成を変更することによって、洗浄性を更に改良する本発明の能力を示す。ここでは、比較的低い洗浄温度でも、従来技術に対して10%の洗浄性の向上を実現することができる。
【0067】
【表4】
【0068】
1.Turobo Speedは、商業的なシリケート化洗濯用ビルダー系、Turbo Chargeは、商業的な界面活性剤系、及びEcolab2002は、開発された界面活性剤添加剤;これらは全てミネソタ州セントポールのEcolab社から入手可能。
2.洗浄増進剤は、TCD ILF−15強力汚れ洗浄添加剤(ミネソタ州セントポールのEcolab社)、又は試験するマイクロエマルションのうちの1つ。
3.汚れの除去は、明るさ(L)値の増加によって測定。
4.マイクロエマルションAの配合は、20.4%アルコール5−EOエトキシレート、20.4%アルキルグリコシド、12%鉱油、及び残部の水。
5.マイクロエマルションBの配合は、30.6%アルコール5−EOエトキシレート、10.2%アルキルグリコシド、12%鉱油、及び残部の水。
6.マイクロエマルションCの配合は、35.8%アルコール5−EOエトキシレート、5.0%アルキルグリコシド、12%鉱油、及び残部の水。
7.VOCは、揮発性有機化合物を意味する。
8.アルコール5−EOは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic L24−5で入手可能な、5分子のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤。
9.ポリグリコシドは、Henkelから名称Glucopon 625で入手可能な、アルキル化ポリグリコシド非イオン性界面活性剤。
【0069】
例5
マイクロエマルションによる硬質表面の清浄化
洗浄組成物を使用して、硬質表面及び産業的な部品を清浄化した。結果は表5で示している。かなりの汚れの層を有する使用済みの自動車のオイルパンを、2インチ×4インチの試験片に切断し、120°Fの溶液(水中の25wt%マイクロエマルション又は清浄化剤)中に15分間にわたって撹拌を伴って浸し、その後で室温で60分間にわたって浸した。試験片を試験溶液から取り出し、すすぎ、そして1(劣っている)〜5(優秀/完全)までの基準で視覚的に汚れの除去を評価した。
【0070】
示されているように、比較的無害の成分を使用するマイクロエマルション組成物は従来技術のものと同じぐらい有効に作用し、有害な高濃度のVOCの溶液を使用しない。すなわち、汚れ除去洗浄試験結果は、揮発性溶媒組成配合物で見出されるものと同様である(第1〜2行と第3〜9行との比較を参照)。また本発明のマイクロエマルション組成物は、ミネラルスピリット又はグリコールに起因する刺激性の臭いを示さない。
【0071】
この例は、枝分かれしたアルキル−ヒドロキシル−アミンが汚れ除去性能に関して有する好ましい効果を示す(試料番号5−3と、5−5及び5−8とを比較)。この促進は、第4〜6行と第7〜9行とを比較して示されるように最大であると考えられる。助剤のアルキル枝分かれの必要性は、試料番号5−5及び5−8と、5−10及び5−11とを比較することによって示される。
【0072】
【表5】
【0073】
1.VOCは、揮発性有機化合物を意味する。
2.汚れ除去の視覚的な等級は、洗浄後の清浄性に基づいている。優秀(5)=90%超の清浄性、良好(4)=80%超の清浄性、普通(3)=70%超の清浄性、劣っている(1〜2)=60%未満の清浄性。
3.Textile Care ILF−15は、2−EO単位超のエトキシレートと炭化水素溶媒との錯配合物を含有する商業的な汚れたモーターオイル清浄化製品(ミネソタ州セントポールのEcolab社)。
4.Buckeye XL−100(ミズーリ州メリーランドハイトのBuckeye International社)。
5.マイクロエマルションAの配合は、20.4%アルコール5−EOエトキシレート、20.4%アルキルグリコシド、12%鉱油、及び残部の水。
6.アルコール5−EOは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic L24−5で入手可能な、5分子のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤。
7.ポリグリコシドは、Henkelから名称Glucopon 625で入手可能な、アルキル化ポリグリコシド非イオン性界面活性剤。
【0074】
例6
マイクロエマルションによる産業的な部品の清浄化
洗浄組成物を、産業的な部品の洗浄のために使用した。この結果は表6で示している。汚れた自動車のオイルパンを、商業的な洗浄系で洗浄した。部品は15秒間の洗浄時間で5回擦り、すすぎ、そして1(劣っている)〜5(優秀/完全)までの基準で視覚的に汚れの除去を評価した。
【0075】
比較的無害の成分を使用するマイクロエマルション組成物は従来技術のものと同じぐらい有効に作用し、有害で場合によっては燃焼性の高濃度のVOC溶液を使用しない。すなわち、洗浄結果は、溶媒組成物で見出されるものと同様であり又はそれよりも優れている(第1〜2行と第3〜4行との比較を参照)。また本発明のマイクロエマルション組成物は、ミネラルスピリット又はグリコールに起因する刺激性の臭いを示さない。
【0076】
【表6】
【0077】
1.VOCは、揮発性有機化合物を意味する。
2.汚れ除去の視覚的な等級は、15秒間の洗浄時間で5回ブラシがけした後の清浄性に基づいている。優秀(5)=90%超の清浄性、良好(4)=80%超の清浄性、普通(3)=70%超の清浄性、劣っている(1〜2)=60%未満の清浄性。
3.Textile Care ILF−15は、2−EO単位超のエトキシレートと炭化水素溶媒との錯配合物を含有する商業的な汚れたモーターオイル清浄化製品(ミネソタ州セントポールのEcolab社)。
4.Buckeye XL−100(ミズーリ州メリーランドハイトのBuckeye International社)。
5.マイクロエマルション6−
3の配合は、20.4%アルコール5−EOエトキシレート、20.4%アルキルグリコシド、12%鉱油、及び残部の水。
6.アルコール5−EOは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic L24−5で入手可能な、5分子のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤。
7.ポリグリコシドは、Henkelから名称Glucopon 625で入手可能な、アルキル化ポリグリコシド非イオン性界面活性剤。
【0078】
例7
マイクロエマルションによるインクの除去
洗浄組成物を、インク除去のために使用した。この結果は表7で示している。産業的な洗濯機からの汚れた印刷所のタオルを、様々な組成物に予め浸し、その後で商業的な洗浄プログラムで洗浄した(例4でのように)。インクの除去は視覚的な試験によって評価した。
【0079】
全有機物活量が比較的小さいマイクロエマルション組成物は、インク汚れの予備しみ抜き剤として商業的な100%濃度の油よりもかなり良好な結果を示した。
【0080】
【表7】
【0081】
1.活量は、全有機物を基準としている。
2.未処理の標準対照タオルに対する視覚的な評価。
3.マイクロエマルションDは、20.4%のアルコール5−EOエトキシレート、20.4%のアルキルグリコシド、12%のジブチルドデカノエート、及び残部の水を含有しており、希釈して全有機物の活量が25wt%になるようにした。
4.マイクロエマルションEは、20.4%のアルコール5−EOエトキシレート、20.4%のアルキルグリコシド、12%のメチルソエート、及び残部の水を含有しており、希釈して全有機物の活量が25wt%になるようにした。
5.アルコール5−EOは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic L24−5で入手可能な、5分子のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤。
6.ポリグリコシドは、Henkelから名称Glucopon 625で入手可能な、アルキル化ポリグリコシド非イオン性界面活性剤。
【0082】
例8
2つのマイクロエマルション組成物を、表1に示すようにして調製した。
【0083】
【表8】
【0084】
1.エトキシレートは、Huntsman Chemicalから名称Surfonic 24−5で入手可能。
2.ポリグリコシドAは、Henkelから名称APG−625で入手可能。
3.ポリグリコシドBは、Henkelから名称APG−600で入手可能。
【0085】
試料の調製において、成分は示されている順序で加えた。それぞれの混合物は、全ての塊がなくなるまで、撹拌し、120°Fよりもわずかに低い温度にした。それぞれの混合物を、空冷して室温にした。組成物Fは、120°Fで白色のミルク状ミニエマルションであり、中間温度で透明になり、最終的に室温まで冷却すると非常にわずかに濁った。組成物Gは、冷却サイクルの間を通してわずかに不透明な外観を維持した。
【0086】
組成物Fは、セルフサービス洗車場で試験した。試験した乗用車は、初めに水のみで流して、いくらかの粒子を除去し、そして2オンス/ガロンの組成物Fの試験溶液でスポンジを使用して穏やかに洗浄した。試験した自動車は水のみですすいだ。最終的なすすぎの間に撥水効果が観察され、乾燥が促進された。乗用車本体のペイントは乾燥したときに良好な光沢を与えたが、風防ガラスは乾燥したときに、いくらかの過剰ではない水跡を残したが、膜は観察されなかった。結果は、他の実地試験組成物と比較して良好であり、これが非イオン性界面活性剤に基づく組成物であり、キレート化剤、水質調節剤又はアニオン性界面活性剤を含有しないことを考慮すると更に際だったものであった。
【0087】
上述の説明、例及びデータは、本発明の理解に役立つものである。しかしながら本発明は、様々な組成物及び方法で実施することができる。従って本発明は、特許請求の範囲で示されている。