特許第5753186号(P5753186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5753186カット面を有する光学要素を利用するマルチスポットレーザー手術用プローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753186
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】カット面を有する光学要素を利用するマルチスポットレーザー手術用プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/20 20060101AFI20150702BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20150702BHJP
   A61F 9/008 20060101ALN20150702BHJP
【FI】
   A61B17/36 350
   A61N5/06 E
   !A61F9/008 151
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-543172(P2012-543172)
(86)(22)【出願日】2010年12月3日
(65)【公表番号】特表2013-513430(P2013-513430A)
(43)【公表日】2013年4月22日
(86)【国際出願番号】US2010058942
(87)【国際公開番号】WO2011071776
(87)【国際公開日】20110616
【審査請求日】2013年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/285,400
(32)【優先日】2009年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508185074
【氏名又は名称】アルコン リサーチ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ティー.スミス
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−500043(JP,A)
【文献】 特表平08−501224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/20
A61N 5/067
A61F 9/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピースであって、光源に光学的に結合するように構成されたハンドピースと、
前記ハンドピース内の少なくとも1つの光誘導路であって、前記光源から前記ハンドピースの遠位端部まで光ビームを運ぶように構成された、少なくとも1つの光誘導路と、
前記ハンドピースの遠位端部におけるマルチスポット発生器であって、前記マルチスポット発生器が、カット面を有する光学要素を備え、前記カット面を有する光学要素の、カットされた端部表面が、前記光誘導路の遠位端部から間隔をあけて配置され、前記光ビームの経路に対して傾斜した平坦なカット面を備え、
前記マルチスポット発生器が、更に、ボールレンズを有し、
前記ボールレンズが、前記カット面を有する光学要素の内部にあり、
前記マルチスポット発生器が、前記光ビームを多数のビームに分割し、前記多数のビームの各部分を、多数のスポットに方向づける、
光学手術用プローブ。
【請求項2】
ハンドピースであって、光源に光学的に結合するように構成されたハンドピースと、
前記ハンドピース内の少なくとも1つの光誘導路であって、前記光源から前記ハンドピースの遠位端部まで光ビームを運ぶように構成された、少なくとも1つの光誘導路と、
前記ハンドピースの遠位端部におけるマルチスポット発生器であって、前記マルチスポット発生器が、近位の、カット面を有する光学要素と、遠位の、カット面を有する光学要素と、を備え、前記近位及び遠位の、カット面を有する光学要素の、カットされた端部表面が、前記光誘導路の遠位端部から間隔をあけて配置され、前記光ビームの経路に対して傾斜した平坦なカット面を備え、前記マルチスポット発生器が、前記光ビームを多数のビームに分割し、前記多数のビームの各部分を、多数のスポットに方向づける、
光学手術用プローブ。
【請求項3】
前記カット面を有する光学要素が、凹状のカット面を有する、請求項1又は2に記載の光学手術用プローブ。
【請求項4】
前記カット面を有する光学要素が、凸状のカット面を有する、請求項1又は2に記載の光学手術用プローブ。
【請求項5】
前記マルチスポット発生器が、更に、前記少なくとも1つの光誘導路と前記近位の、カット面を有する光学要素との間に、屈折率分布型(GRadient INdex:GRIN)レンズを有する、請求項に記載の光学手術用プローブ。
【請求項6】
前記カット面を有する光学要素が、面をカットされた光学接着剤を有する、請求項に記載の光学手術用プローブ。
【請求項7】
前記面をカットされた光学接着剤が、第1の屈折率を有する、第1の、面をカットされた光学接着剤であり、前記マルチスポット発生器が、更に、前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する、第2の、面をカットされた光学接着剤を有する、請求項に記載の光学手術用プローブ。
【請求項8】
前記第1の、面をカットされた光学接着剤が、凹状のカット面を有し、前記第2の、面をカットされた光学接着剤が、前記第1の、面をカットされた光学接着剤の、前記凹状のカット面と接触する凸状のカット面を有する、請求項に記載の光学手術用プローブ。
【請求項9】
前記光源が、レーザーを備える、請求項1又は2に記載の光学手術用プローブ。
【請求項10】
前記ハンドピースの前記遠位端部が、23ゲージ以下のサイズである、請求項1又は2に記載の光学手術用プローブ。
【請求項11】
ボールレンズが、カット面を有する光学要素の内部にある、マルチスポット光学手術用プローブを製造する方法であって、
前記方法が、
ハンドピース用のカニューレ内に光学接着剤を堆積させるステップであって、前記ハンドピースが、光ビームを、光源から前記ハンドピースを介して運ぶように構成された少なくとも1つの光誘導路を備えている、ステップと、
前記ボールレンズの周りに前記光学接着剤を成形して、前記光ビームの経路に対して傾斜した平坦なカットされた面を生成するステップと、
前記光学接着剤を硬化させるステップと、
前記カニューレと前記ハンドピースとを組み立て、前記ボールレンズの周りに前記光学接着剤を備えているマルチスポット発生器を、前記ハンドピースの遠位端部に形成するステップと、
を有し、
前記マルチスポット発生器が、前記光ビームを多数のビームに分割し、前記多数のビームの各部分を、多数のスポットに方向づける、
方法。
【請求項12】
前記光学接着剤が、第1の屈折率を有する第1の光学接着剤であり、
前記方法が、
前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する第2の光学接着剤を、前記第1の光学接着剤の前記カットされた面上に堆積させるステップと、
前記第2の光学接着剤を硬化させるステップと、
を更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記光学接着剤を成形する前記ステップが、前記カニューレに挿入された型ピンによって前記光学接着剤を成形するステップを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ハンドピースが、前記少なくとも1つの光誘導路と前記マルチスポット発生器との間に、屈折率分布型(GRadient INdex:GRIN)レンズを有する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年12月10日付けで出願された米国仮特許出願第61/285,400号に基づく優先権を主張するものであり、この内容は、本引用により、本明細書に包含される。
【0002】
本発明は、光学手術用プローブに関し、特に、カット面を有する光学要素を利用するマルチスポットレーザー手術用プローブに関する。
【背景技術】
【0003】
光学手術用プローブは、光を、様々な用途に対して、手術野に供給する。ある用途では、光を手術野内の多数のスポットに供給することが、有用である。例えば、網膜組織の汎網膜光凝固においては、汎網膜光凝固手術の時間を短縮するために、レーザー光を多数のスポットに供給することが望ましい。マルチスポットパターン用の多数のビームを作るために、様々な技術が採用されてきた。例えば、1つの方法においては、回折要素を利用し、到来するビームを多数のスポットに分割している。但し、単一の入力ビームから多数のスポットを、より簡単に作るためには、光学手術用プローブの遠位端部に配置することができるマルチスポット発生器を有することが望ましく、マルチスポット発生器は、レーザー手術用プローブとレーザー光源とを接続する追加要素を必要とせずに、既存のレーザー光源と共に、より簡単に利用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学手術用プローブの遠位端部において回折要素を利用する場合、問題が発生する可能性がある。一例として、回折要素は、多数の高次の回折を生じ、これらの高次の回折は、主要なスポットパターンと比べた場合に、光強度は小さいが、その影響は、常に無視できるものではない。別の例として、回折要素は、異なった屈折媒体内では、同じように機能しない。例えば、回折要素が、食塩水や油などのような空気以外の媒体内に配置された場合には、回折要素間の空間が、空気とは異なる屈折率を有する物質によって充たされる可能性があり、この結果、スポットパターンを壊す可能性がある。更に別の例として、スポット間の間隔が、異なる波長に対して変化する可能性があり、これは、照準ビームが特定の色であるのに対し、手術用ビームの色が異なる場合に、問題となる可能性がある。最後に、回折要素は、高価であると共に製造が困難であることが多く、特に、回折要素を、小さな領域、例えば、23ゲージ以下の手術器具の手術用プローブの遠位先端部など、に嵌め込まれるように構成しなければならない場合に当てはまる。従って、光学手術用プローブには、手術用プローブの遠位端部における光学要素を利用して、多数のスポットを、ターゲットエリアに生じさせるというニーズが、存在している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特定の実施形態においては、光学手術用プローブは、ハンドピースと、ハンドピース内の光誘導路と、ハンドピースの遠位端部におけるマルチスポット発生器と、を備えている。ハンドピースは、光源に光学的に結合されるように構成されている。光誘導路は、光ビームを、光源からハンドピースの遠位端部まで運ぶように構成されている。マルチスポット発生器は、カット面を有する光学要素を備え、カット面を有する光学要素の、カットされた端部表面は、光誘導路の遠位端部から間隔をあけて配置されている。カットされた端部表面は、光ビームの経路に対して傾斜した少なくとも1つのカット面を備えている。様々な実施形態において、カットされた端部表面は、凸状や凹状である。本発明の特定の実施形態においては、マルチスポット発生器は、更に、集束要素を備え、この集束要素は、例えば、屈折率分布型(GRadient INdex:GRIN)レンズ又はサファイアボールレンズなどである。特定の実施形態においては、カットされた端部表面は、光学接着剤に成形されており、マルチスポット発生器は、多数の光学接着剤材料を含むことができる。
【0006】
本発明の特定の実施形態において、マルチスポット光学手術用プローブを製造する方法は、ハンドピースのカニューレ内に光学接着剤を堆積させるステップを備えている。カニューレが形成されるハンドピースは、光ビームを光源からハンドピースを介して運ぶように構成された、少なくとも1つの光誘導路を備えている。この方法は、更に、光学接着剤を成形してカット面を生成するステップを備えている。この方法はまた、光学接着剤を硬化させるステップも備えている。この方法は、更に、カニューレとハンドピースとを組み立て、ハンドピースの遠位端部に光学接着剤を備えるマルチスポット発生器を形成する、ステップを備えている。様々な実施形態において、光学接着剤は、GRINレンズやサファイアボースレンズなどの集束要素上又はその周りに形成することができる。特定の実施形態においては、多数の光学接着剤が利用可能である。
【0007】
本発明のその他の目的、特徴、及び利点については、添付図面、添付図面に関する以下の説明、及び請求項を参照することにより、明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の特定の実施形態によるマルチスポット発生器を備える、光学手術用プローブのハンドピースの遠位端部を示す。
図2】本発明の特定の実施形態による、別のマルチスポット発生器を示す。
図3】本発明の特定の実施形態による、更に別のマルチスポット発生器を示す。
図4】本発明の特定の実施形態によるマルチスポット光学手術用プローブを製造する方法の、一実施例を示すフローチャートである。
図5】本発明の特定の実施形態によるマルチスポット光学手術用プローブを製造する方法の、別の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の特定の実施形態によるカニューレ101内のマルチスポット発生器102を備えている光学手術用プローブ用のハンドピース100の遠位端部を示しており、この「遠位」という用語は、プローブ100に沿ってターゲットエリアに向かう方向を意味し、その反意語である「近位」は、反対の方向を意味している。図示の実施形態においては、マルチスポット発生器102は、近位の、カット面を有する光学要素104と、遠位の、カット面を有する光学要素106と、を備えている。本明細書において、「カット面を有する」とは、複数のサブ表面(カット面)から形成された端部表面を有し、面と面との間の交差部が滑らかにならないようにされた、光学要素を意味している。これらのカット面は、平坦であってよいが、平坦であることは、必須ではない。例えば、カット面は、別のサブ表面と交差する湾曲したサブ表面であって、曲率がサブ表面の交差部に跨って滑らかにならないようになっているものでもよく、このような実施形態は、光学上の集束能力を与える。
【0010】
本発明は、光源が、レーザーを備え、光誘導路108は、光ビームを、近位の、カット面を有する光学要素104の、近位の平坦な面に送る。光誘導路108は、理論的には、ハンドピース100の遠位端部に光を伝達するのに適切な構造であれば、どんなものでもよいが、手術の用途においては、光ファイバが最も一般的に利用されている。ハンドピース100の遠位端部は、23ゲージ以下のサイズである。光誘導路108からの放射ビームの中心軸を「ビーム経路」と呼称する。光ビームは、光誘導路108から離れると、光誘導路108に結合されている光ビームの開口数の度合に応じて、発散する。この理由から、カット面を有する光学要素のカットされた光学表面は、発散するビームの各部分が異なる場所に屈折するように、光誘導路108の遠位端部から離されている。本発明の様々な実施形態では、少なくとも1つのカット面を、カット面の中心でカット面に対して垂直の方向が放射された光ビームのビーム経路に対して平行にならないように、方向付けしている。本明細書においては、このようなカット面を「ビーム経路に対して傾斜」していると表現する。
【0011】
カット面を有する光学要素104及び106は、それぞれ、異なる屈折率を有し、光誘導路108を出たビームが、発散し、近位の光学要素104の凹状のカット面と遠位の光学要素106の凸状のカット面との間のカットされた境界面が、遠位の光学要素106の遠位の平坦な面から出現する多数のスポットを生成する。この文脈における「凹状」及び「凸状」とは、カットされた表面が、ビーム経路に沿って光学要素の内側に形成されているか、或いは、外側に形成されているかを意味している。遠位の、カット面を有する光学要素106と、手術用プローブが挿入される媒体と、の相対屈折率に応じて、スポットは、光学要素106の遠位面から媒体内に入ると、更に発散する可能性がある。手術用プローブが食塩水中において利用されるように設計されている特定の例においては、例えば、近位の、カット面を有する光学要素104が、1.36の屈折率を有し、遠位の、カット面を有する光学要素が、1.58の屈折率を有するとすれば、カット面とビーム経路との間の角度が33〜55度の範囲内にあると仮定した場合に、約4mm離れたターゲットに対して1ミリメートルのオーダーのスポット間隔を生成することができる。
【0012】
図示の実施形態において、光学要素104及び106は、それぞれ、光誘導路からの光ビームの中心に一致するビーム経路に対して傾斜した、4つの三角形のカット面を有し、マルチスポット発生器102が、4つの出力スポットを生成する。但し、原則的には、カット面の数と形状とは、望ましい出力スポットのパターンを生成するように調節することができる。例えば、カット面の数を増大させることができる。別の例においては、中心スポットが多数のスポットによって取り囲まれるようにするために、ビーム経路に対して垂直な、中央の平坦なカット面を、傾斜配置した複数のカット面で取り囲むようにすることができる。
【0013】
カット面を有する光学要素104及び106は、光学接着剤で成形すると、有利である。光学接着剤を利用した、カット面を有する光学要素の成形は、いくつかの技術的利点を有している。1つの利点は、カット面を有する光学要素104及び106の屈折率を、多数の入手可能な材料から選択することができるという点にある。別の利点は、硬い屈折材料に比べて、カットされた表面を成形することが容易であることであり、硬い屈折材料は、適切な形状への成形、エッチング、切削、又は機械加工が困難である。第3の利点は、光学接着剤材料は、比較的壊れやすい回折格子のような他の光学要素と比べた場合、使用上比較的丈夫であるという点にある。第4の利点は、光学接着剤を他の光学要素の周りに形成することができ、光学接着剤と他の光学要素とを、マルチスポットパターンを生成する際に、相互に作用させることができるという点にある。
【0014】
カット面を有する光学要素を、別の光学要素の周りに形成することができる方法の一例として、図2は、ボールレンズ206の周りに形成された、カット面を有する光学要素204を備える、本発明の特定の実施形態によるマルチスポット発生器202を示している。ボールレンズ206の主な機能は、ボールレンズ206の遠位側でコリメートされるか又は収束するように、入射ビームを集束させることである。ボールレンズ206は、光源からの光がレンズを透過するように屈折材料で形成された、球面レンズ又は近似球面のレンズなら、どんなものでもよい。コリメートされた又は収束するビームへ集束させるために、ボールレンズの屈折率は、包囲している接着剤媒の屈折率よりも大きくなければならない。一例は、約1.76の可視光屈折率を有するサファイアボールレンズと、1.57〜1.58という低い屈折率の接着剤である。図示の実施形態においては、カット面を有する光学要素204の凸状のカットされた端部表面208は、カットされた端部表面208が光誘導路108の遠位端部から間隔をあけて光誘導路108の方向を向くように、構成されている。従って、放射された光ビームの各部分は、カット面を有する光学要素204によって多数のスポットに屈折し、これらのスポットは、ボールレンズ206を通って、カット面を有する光学要素204の平坦な遠位表面から外部に伝達される。更なる実施形態においては、カットされた端部表面208は、凹状とすることができる。ボールレンズ206は、様々なスポットに導かれるビームを、ある程度、収束させることができ、ハンドピース100の端部からの距離が増大した場合に急激に広がらないマルチスポットパターンを生成することができ、従って、マルチスポットパターンを、ハンドピース100の遠位端部とターゲットエリアとの間の間隔が多少変動しても、より一定したスポット間隔を有するようにすることができる。
【0015】
更なる実施形態は、近位の集束レンズと、カット面を有する光学要素のカットされた表面と、を内蔵している。図3は、近位の、カット面を有する光学要素304と、遠位の、カット面を有する光学要素306と、円筒形の屈折率分布型(GRadient INdex:GRIN)レンズ308と、を組み込んだ、マルチスポット発生器302の一例を示している。光誘導路108から放射された光ビームは、広がり、次に、GRINレンズ308により、コリメート又は収束される。このコリメート又は収束された光ビームは、次に、近位の、カット面を有する光学要素304の、平坦な近位面に進入し、コリメート又は収束された光ビームの各部分は、カット面を有する光学要素304と306との、カットされた表面の間の境界面を通過するときに、多数のスポットに屈折する。前述の実施形態と同様に、この結果、遠位の光学要素306の平坦な遠位面から放射されるマルチスポット出力ビームが生成される。ビームがGRINレンズによってコリメート又は収束されているため、カット面を有する光学要素304と306との、傾斜したカット面は、図1の実施形態と比べた場合に、例えば15〜35度の範囲内のように、ビーム経路に関してより浅く傾斜させることができる一方、ターゲットゾーンにおける多数のスポット間に、同一程度の広がりを生成することができる。
【0016】
図4は、カット面を有する光学要素を、異なる屈折率を有する光学接着剤で形成する方法の一実施例を示す、フローチャート400である。ステップ402において、第1の光学接着剤を、手術ハンドピースのカニューレ内に堆積させる。特定の例においては、このステップにおいて、センタリングシリンダを利用し、光ファイバをカニューレ内に配置してもよく、第1の光学接着剤を光ファイバの遠位端部上に直接堆積させてもよい。別の例においては、GRINレンズを、カニューレ内に、光誘導路の遠位端部に配置することが可能であり、第1の光学接着剤を、GRINレンズの遠位端部上に堆積させることができる。ステップ404において、カットされた表面を、光学接着剤に形成する。例えば、凸状の、面をカットされた形状を有するピンを、カニューレの遠位端部から光学接着剤内に鋳込み、光学接着剤に凹状のカットされた表面を生成してもよい。光学接着剤を成形する適切な技術なら何でも利用でき、精密成形技術を利用して、常に正確に接着剤のカットされた表面を生成することができれば、特に有利である。次に、ステップ406では、例えば紫外線(UV)や、熱や、化学硬化剤等、に晒すことにより、第1の光学接着剤を硬化させ、これにより、第1の光学接着剤を所望の形状で固め、成形用のピンを取り除くことができるようにする。
【0017】
ステップ408では、予め硬化させた光学接着剤の、遠位の面上に、第2の光学接着剤を堆積させる。第2の光学接着剤は、第1の光学接着剤の凹状のカット面に適合し、第2の光学接着剤に、凸状のカット面を生成する。第2の光学接着剤の遠位表面は、次に、型板を押し付けることにより、平坦化してもよい。或いは、光学接着剤の堆積を他の方法で制御して、望ましい形状を生成することができ、例えば、閉じた成形容積内に導入する等によって、望ましい形状を生成することもできる。後者の場合には、必要に応じて、2つのカットされた表面を形成することもできる。ステップ410では、第2の光学接着剤を硬化させて、第2の光学接着剤を望ましい形状に固める。第1の及び第2の光学接着剤に対して、異なる硬化プロセスを利用してもよい。例えば、接着剤を光によって硬化させる場合には、第2の接着剤を硬化させるために利用される光の波長は、第1の接着剤を硬化させるために利用される波長と異なってもよく、第1の接着剤が、硬化放射線に過度に晒されて、マイナスの影響を受けないようにすることができる。光硬化型の接着剤の別の実施形態では、第2の光学接着剤を成形するために利用される型板又は他の閉じた成形型を、硬化放射線に対して透過性を有する材料(例えば、UV硬化放射線の場合には、石英等)で製造してもよく、第2の接着剤を、型板が存在しても硬化できるようにすることができる。型板は、次に、硬化の後に、除去することができる。第1の及び第2の光学接着剤を有するカニューレは、次に、ステップ412で、手術用ハンドピースに組み込まれ、この方法は完了する。
【0018】
図5は、本発明の別の実施形態により、別の光学要素の周りにカット面を有する光学要素を形成する方法の、一実施例を示すフローチャート500である。ステップ502では、光学接着剤を、ボールレンズの周りの型板上に堆積させる。ステップ504では、ボールレンズの周りに形成された光学接着剤を、カニューレの遠位端部に押し込む。型板は、カニューレとのアライメントを円滑に行うために、カニューレガイド部を備えることができる。光学接着剤をカニューレに押し込むと、過剰な光学接着剤がカニューレから押し出され、堆積させる接着剤の量を十分に慎重に制御すれば、常に正確な量の光学接着剤が最終的にカニューレ内に残る。
【0019】
ステップ506では、カットされた表面を、光学接着剤の近位端部に形成する。カットされた表面は、凸状又は凹状とすることができる。カットされた表面は、例えば、端部上に相補的なカットされた表面を有するピンを利用し、このピンをカニューレの近位端部に挿入することにより、形成してもよい。ステップ508では、光学接着剤を硬化させ、光学接着剤を望ましい形状に固め、型ピン及び型板を取り除くことができる。ステップ510では、ハンドピースとカニューレとを組み立て、この方法を完了する。
【0020】
本発明は、本明細書では、一例として示されており、従って、当業者は、様々な変更を行うことができる。本発明を詳細に説明したが、特許請求されている本発明の範囲を逸脱することなしに、様々な変更、置換、及び代替を実施することができることを、理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5