特許第5753227号(P5753227)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753227
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0338 20130101AFI20150702BHJP
【FI】
   G06F3/033 411
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-132150(P2013-132150)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2015-7849(P2015-7849A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2013年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】713005990
【氏名又は名称】持吉 祐弥
(72)【発明者】
【氏名】持吉 祐弥
【審査官】 滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−302580(JP,A)
【文献】 米国特許第04795952(US,A)
【文献】 国際公開第2012/086601(WO,A1)
【文献】 特開平11−154031(JP,A)
【文献】 特開2002−169654(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/136960(WO,A1)
【文献】 特開2004−227266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が親指を挿入して本体部に対して動作させることが可能な操作部と、
前記本体部に対する前記操作部のX軸方向の動作を検出するX軸検出手段と、
前記本体部に対する前記操作部の前記X軸方向と直交するY軸方向の動作を検出するY軸検出手段と、
前記本体部に対する前記操作部の前記X軸方向及び前記Y軸方向と直交するZ軸方向の動作を検出するZ軸検出手段と、
前記操作部を押し下げた際に前記操作部に反力を付与する押し下げ側付勢手段と
を備え、
前記押し下げ側付勢手段は、前記操作者が前記操作部を前記X軸方向若しくは前記Y軸方向又は前記X軸方向及び前記Y軸方向、すなわち水平方向に動作させ、前記Z軸方向には動作させない場合に、前記操作部が押し下げ側に動作することがない程度の硬さを有し、
前記操作部を引き上げた際に前記操作部に反力を付与する引き上げ側付勢手段を備え、
前記引き上げ側付勢手段は、操作者が前記操作部を前記X軸方向若しくは前記Y軸方向又は前記X軸方向及び前記Y軸方向に動作させ、前記Z軸方向には動作させない場合に、前記操作部が引き上げ側に動作することがない程度の硬さを有する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記押し下げ側付勢手段の硬さは、前記引き上げ側付勢手段の硬さよりも硬い
ことを特徴とする請求項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、XYZ軸、すなわち3次元の入力操作を直感的かつ容易に行うこと目的とした入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、入力装置の操作者が、リング部に親指を挿入し、親指を上下方向に動かすことで、指スティック部を上下方向に動作させ、各種機器に対してZ軸方向の入力操作を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1の図1参照)。上述した従来の入力装置は、操作者が親指を上下方向に動かすことで、指スティック部を上下方向、すなわち垂直方向に容易に動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−227266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の入力装置は、操作者が前後左右方向、すなわち水平方向に指スティック部を動作させる際に、誤って下方向に指スティック部が押し込まれて誤操作が発生してしまう場合があり、水平方向に指スティック部を動作させることが困難な場合があった。このように、従来の入力装置は、操作者が3次元の入力操作を直感的かつ容易に行うことができない場合があるという課題があった。
【0005】
以上のことから、本発明は、操作者が3次元の入力操作を直感的かつ容易に行うことができる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
操作者が親指を挿入して本体部に対して動作させることが可能な操作部と、
前記本体部に対する前記操作部のX軸方向の動作を検出するX軸検出手段と、
前記本体部に対する前記操作部の前記X軸方向と直交するY軸方向の動作を検出するY軸検出手段と、
前記本体部に対する前記操作部の前記X軸方向及び前記Y軸方向と直交するZ軸方向の動作を検出するZ軸検出手段と、
前記操作部を押し下げた際に前記操作部に反力を付与する押し下げ側付勢手段と
を備え、
前記押し下げ側付勢手段は、前記操作者が前記操作部を前記X軸方向若しくは前記Y軸方向又は前記X軸方向及び前記Y軸方向、すなわち水平方向に動作させ、前記Z軸方向には動作させない場合に、前記操作部が押し下げ側に動作することがない程度の硬さを有し、
前記操作部を引き上げた際に前記操作部に反力を付与する引き上げ側付勢手段を備え、
前記引き上げ側付勢手段は、操作者が前記操作部を前記X軸方向若しくは前記Y軸方向又は前記X軸方向及び前記Y軸方向に動作させ、前記Z軸方向には動作させない場合に、前記操作部が引き上げ側に動作することがない程度の硬さを有する
ことを特徴とする。
【0008】
さらに、前記押し下げ側付勢手段の硬さは、前記引き上げ側付勢手段の硬さよりも硬い
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の入力装置は、操作者が3次元の入力操作を直感的かつ容易に行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る入力装置を模式的に示した斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る入力装置の側面図である。
図3】第1の実施形態に係る入力装置の制御ブロック図である。
図4】第1の実施形態に係る入力装置のA−A断面を示した断面図である。
図5】第1の実施形態に係る入力装置の操作部を押し下げた状態のA−A断面を示した断面図である。
図6】第1の実施形態に係る入力装置の操作部を引き上げた状態のA−A断面を示した断面図である。
図7】第2の実施形態に係る入力装置のA−A断面を示した断面図である。
図8】第2の実施形態に係る入力装置の操作部を押し下げた状態のA−A断面を示した断面図である。
図9】第2の実施形態に係る入力装置の操作部を引き上げた状態のA−A断面を示した断面図である。
図10】第3の実施形態に係る入力装置のA−A断面を示した断面図である。
図11】第3の実施形態に係る入力装置の操作部を押し下げた状態のA−A断面を示した断面図である。
図12】第3の実施形態に係る入力装置の操作部を引き上げた状態のA−A断面を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る入力装置の種々の実施形態について、図面を用いて説明する。各図中、矢印Xは左右方向(X軸方向)の左方向を、矢印Yは前後方向(Y軸方向)の前方向を、矢印Zは上下方向(Z軸方向)の上方向をそれぞれ示す。言い換えれば、XY軸方向は水平方向を、Z軸方向は垂直方向をそれぞれ示す。
【0012】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明に係る入力装置の第1の実施形態について説明する。
(構成)
はじめに、本実施形態に係る入力装置の全体構成について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、本体部2と、操作部3とを備えている。本実施形態に係る入力装置1の本体部2は、本体部2の前方向側の部分に操作者が入力装置1を把持する際に人差し指F1を挿入する環状の第1の挿入部10と、中指F2を挿入する環状の第2の挿入部11とを備えている。また、本体部2は、本体部2の下部に操作者が入力装置1を把持する際に薬指F3及び小指F4で握る支持部2aを備えている。このように、本体部2の形状は、操作者が入力装置1を片手で支持しやすい形状となっている。操作部3は、操作者が親指Tを挿入可能となっている。
【0013】
また、入力装置1は、第1の挿入部10の本体部2の前面に人差し指F1で押す第1のボタン20を備えている。また、入力装置1は、第2の挿入部11の本体部2の前面に中指F2で押す第2のボタン21を備えている。
【0014】
図3に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、本体部2の内部にX軸検出手段4と、Y軸検出手段5と、Z軸検出手段6と、制御部7とを備えている。X軸検出手段4は、操作部3の矢印LRで示すX軸方向の動作を検出する。Y軸検出手段5は、操作部3の矢印FBで示すY軸方向の動作を検出する。Z軸検出手段6は、操作部3の矢印UDで示すZ軸方向の動作を検出する。X軸検出手段4、Y軸検出手段5及びZ軸検出手段6は、例えば、可変抵抗器、光学センサ、磁気センサ又は加速度センサ等を用いて、本体部2に対する操作部3の相対的な位置の変化を検出する。
【0015】
制御部7は、矢印LR,FB,UDで示す操作部3の動作に伴いX軸検出手段4、Y軸検出手段5及びZ軸検出手段6における検出結果に基づく信号が入力され、この入力された信号に基づき各種機器8にXYZ軸の制御信号を出力する。制御部7は、マイコン、例えばUSB内臓PICマイコンである。
【0016】
各種機器8は、例えば、3D画像表示ソフトウェア、3Dゲームソフトウェア又は3DCADソフトウェア等のXYZ軸の制御を必要とするソフトウェアを動作させるコンピュータである。また、各種機器8は、XYZ軸の制御を必要とする、例えば、ロボット又は医療機器等であり、これ以外にも、XYZ軸の制御を必要とする機器であれば適用可能である。さらに、各種機器8は、例えば、ブラウザを動作させるコンピュータとして、制御部7はX軸検出手段4及びY軸検出手段5から出力された信号に基づきポインタの位置を制御し、Z軸検出手段6から出力された信号に基づきブラウザの上下のスクロールを制御するようにすることも可能である。
【0017】
次に、本実施形態に係る入力装置の本体部の内部の構成について説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る入力装置1の本体部2は、外殻30と、ジョイスティック31と、可変抵抗器32と、スライド部33と、第1のばね34と、第2のばね35とを備えている。
【0018】
外殻30は、本体部2の外殻であり、外殻30の内側は内部に備える部品を固定できる構造となっている。ジョイスティック31は、操作部3と接続され、上述したX軸検出手段4及びY軸検出手段5としての役割を果たす。可変抵抗器32は、上述したZ軸検出手段6の役割を果たす。
【0019】
スライド部33は、ジョイスティック31の下部に位置している。また、スライド部33は、可変抵抗器32のノブ32aと接続され、上下方向に動作可能となっている。第1のばね34は、スライド部33の上部と外殻内壁上部30aとの間に位置している。第2のばね35は、スライド部33の下部と外殻内壁下部30bとの間に位置している。第1のばね34及び第2のばね35は、ジョイスティック31の側方にそれぞれ位置している。
【0020】
すなわち、第1のばね34は、操作部3を押し下げた際に、操作部3に反力を付与する押し下げ側付勢手段である。また、第2のばね35は、操作部3を引き上げた際に、操作部3に反力を付与する引き上げ側付勢手段である。
【0021】
(作用)
図5に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3に親指Tを挿入して操作部3を押し下げることにより、第1のばね34がスライド部33と外殻内壁上部30aとの間で圧縮されて収縮し、操作部3に反力を付与する。そして、操作者が親指Tの力を抜くと第1のばね34が伸張し、スライド部33が押されて操作部3を元の位置に戻す。
【0022】
第1のばね34の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を押し下げるのに硬すぎない硬さとする。また、第1のばね34の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を水平方向に動かす際に、操作部3が押し下げ側に動作することがない程度の硬さとすると好ましい。
【0023】
図6に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3に親指Tを挿入し、操作部3を引き上げることにより、第2のばね35がスライド部33と外殻内壁下部30bとの間で圧縮されて収縮し、操作部3に反力を付与する。そして、操作者が親指Tの力を抜くと第2のばね35が伸張し、スライド部33が押されて操作部3を元の位置に戻す。
【0024】
第2のばね35の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を引き上げるのに硬すぎない硬さとする。また、第2のばね35の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を水平方向に動かす際に、操作部3が引き上げられることがない程度の硬さとすると好ましい。
【0025】
さらに、一般に、親指Tの力は、押し下げる動作の方が強く、引き上げる動作の方が弱い。このため、第1のばね34の硬さを第2のばね35の硬さよりも硬くし、第1のばね34の硬さと第2のばね35の硬さを適宜設定することがより好ましい。
【0026】
(効果)
以上、説明したように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3を水平方向に動かす際に、誤って操作部3が押し下げ又は引き上げられることにより、下方向又は上方向に入力操作が行われてしまう誤操作を防ぐことができる。
【0027】
さらに、親指Tの力の特性を考慮し、第1のばね34の硬さと第2のばね35の硬さを適宜設定するため、誤操作を防ぎつつも、操作者が垂直方向に操作する際に操作を阻害することがない。
【0028】
このため、本実施形態に係る入力装置1は、従来の入力装置では誤操作が発生する場合があった水平方向への入力操作であっても、直感的かつ容易に入力操作を行うことができる。したがって、本実施形態に係る入力装置1によれば、操作者が3次元の入力操作を直感的かつ容易に行うことができる。
【0029】
また、本実施形態に係る入力装置1は、第1のばね34及び第2のばね35は、ジョイスティック31の側方に位置しているため、入力装置1の縦方向の長さを短くすることができる。したがって、入力装置1をゲームコントローラー等に組み込む際に、縦方向のスペースに余裕のない場合であっても、横方向のスペースに余裕がある場合には、入力装置1をゲームコントローラー等に組み込むことができる。
【0030】
〔第2の実施形態〕
以下、本発明に係る入力装置の第2の実施形態について説明する。ここで、本実施形態に係る入力装置と、第1の実施形態に係る入力装置とで共通する部分については、同一の符号を付すこととし、再度の説明は省略することとする。
【0031】
(構成)
次に、本実施形態に係る入力装置の本体部の内部の構成について説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る入力装置1の本体部2は、外殻30と、ジョイスティック31と、可変抵抗器32と、棒状部材40と、第1のばね34と、第2のばね35とを備えている。
【0032】
外殻30は、本体部2の外殻であり、外殻30の内側は内部に備える部品を固定できる構造となっている。ジョイスティック31は、操作部3と接続され、上述したX軸検出手段4及びY軸検出手段5としての役割を果たす。可変抵抗器32は、上述したZ軸検出手段6の役割を果たす。可変抵抗器32のノブ32aは、不図示の接続部材によりジョイスティック31と接続されている。
【0033】
棒状部材40は、ジョイスティック31の下部に位置し、ジョイスティック31の下面に接続されている。第1のばね34は、ジョイスティック31の下面と外殻内仕切り部30cとの間に位置している。第2のばね35は、棒状部材下端鍔部40aと外殻内仕切り部30cとの間に位置している。第1のばね34及び第2のばね35は、ジョイスティック31の下方に位置している。
【0034】
すなわち、第1のばね34は、操作部3を押し下げた際に、操作部3に反力を付与する押し下げ側付勢手段である。また、第2のばね35は、操作部3を引き上げた際に、操作部3に反力を付与する引き上げ側付勢手段である。
【0035】
(作用)
図8に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3に親指Tを挿入して操作部3を押し下げることにより、第1のばね34がジョイスティック31の下面と外殻内仕切り部30cとの間で圧縮されて収縮し、操作部3に反力を付与する。そして、操作者が親指Tの力を抜くと第1のばね34が伸張し、ジョイスティック31の下面が押されて操作部3を元の位置に戻す。
【0036】
第1のばね34の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を押し下げるのに硬すぎない硬さとする。また、第1のばね34の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を水平方向に動かす際に、操作部3が押し下げ側に動作することがない程度の硬さとすると好ましい。
【0037】
図9に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3に親指Tを挿入して操作部3を引き上げることにより、第2のばね35が棒状部材下端鍔部40aと外殻内仕切り部30cとの間で圧縮されて収縮し、棒状部材40を介して操作部3に反力を付与する。そして、操作者が親指Tの力を抜くと第2のばね35が伸張し、棒状部材下端鍔部40aが押されて操作部3を元の位置に戻す。
【0038】
第2のばね35の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を引き上げるのに硬すぎない硬さとする。また、第2のばね35の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を水平方向に動かす際に、操作部3が引き上げ側に動作することがない程度の硬さとすると好ましい。
【0039】
さらに、一般に、親指Tの力は、押し下げる動作の方が強く、引き上げる動作の方が弱い。このため、第1のばね34の硬さを第2のばね35の硬さよりも硬くし、第1のばね34の硬さと第2のばね35の硬さを適宜設定することがより好ましい。
【0040】
(効果)
以上、説明したように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3を水平方向に動かす際に、誤って操作部3が押し下げ又は引き上げられることにより、下方向又は上方向に入力操作が行われてしまう誤操作を防ぐことができる。
【0041】
さらに、親指Tの力の特性を考慮し、第1のばね34の硬さと第2のばね35の硬さを適宜設定するため、誤操作を防ぎつつも、操作者が垂直方向に操作する際に操作を阻害することがない。
【0042】
このため、本実施形態に係る入力装置1は、従来の入力装置では誤操作が発生する場合があった水平方向への入力操作であっても、直感的かつ容易に入力操作を行うことができる。したがって、本実施形態に係る入力装置1によれば、操作者が3次元の入力操作を直感的かつ容易に行うことができる。
【0043】
また、本実施形態に係る入力装置1は、第1のばね34及び第2のばね35は、ジョイスティック31の下方に位置しているため、入力装置1の横方向の長さを短くすることができる。したがって、入力装置1をゲームコントローラー等に組み込む際に、横方向のスペースに余裕のない場合であっても、縦方向のスペースに余裕がある場合には、入力装置1をゲームコントローラー等に組み込むことができる。
【0044】
〔第3の実施形態〕
以下、本発明に係る入力装置の第3の実施形態について説明する。ここで、本実施形態に係る入力装置と、第1の実施形態に係る入力装置とで共通する部分については、同一の符号を付すこととし、再度の説明は省略することとする。
【0045】
(構成)
次に、本実施形態に係る入力装置の本体部の内部の構成について説明する。
図10に示すように、本実施形態に係る入力装置1の本体部2は、外殻30と、ジョイスティック31と、可変抵抗器32と、棒状部材40と、第1のばね34´と、第2のばね35´とを備えている。
【0046】
外殻30は、本体部2の外殻であり、外殻30の内側は内部に備える部品を固定できる構造となっている。ジョイスティック31は、操作部3と接続され、上述したX軸検出手段4及びY軸検出手段5としての役割を果たす。可変抵抗器32は、上述したZ軸検出手段6の役割を果たす。可変抵抗器32のノブ32aは、不図示の接続部材によりジョイスティック31と接続されている。
【0047】
第1のばね34´は、ジョイスティック31の下面と外殻内仕切り部30dとの間に位置している。第1のばね34´は、外殻内仕切り部30dと接続されており、ジョイスティック31の下面とは接続されていない。第2のばね35´は、ジョイスティック31の下面と外殻内仕切り部30dとの間に位置している。第2のばね35´は、ジョイスティック31の下面及び外殻内仕切り部30dと接続されている。第1のばね34´及び第2のばね35´は、ジョイスティック31の下方に位置している。
【0048】
すなわち、第1のばね34´及び第2のばね35´は、操作部3を押し下げた際に、操作部3に反力を付与する押し下げ側付勢手段である。また、第2のばね35´は、操作部3を引き上げた際に、操作部3に反力を付与する引き上げ側付勢手段である。
【0049】
(作用)
図11に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3に親指Tを挿入して操作部3を押し下げることにより、第1のばね34´及び第2のばね35´がジョイスティック31の下面と外殻内仕切り部30dとの間で圧縮されて収縮し、操作部3に反力を付与する。そして、操作者が親指Tの力を抜くと第1のばね34及び第2のばね35´が伸張し、ジョイスティック31の下面が押されて操作部3を元の位置に戻す。
【0050】
第1のばね34の硬さと第2のばね35´の硬さを合わせた合成硬さは、操作者が親指Tで操作部3を押し下げるのに硬すぎない硬さとする。また、合成硬さは、操作者が親指Tで操作部3を水平方向に動かす際に、操作部3が押し下げ側に動作することがない程度の硬さとすると好ましい。
【0051】
図12に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3に親指Tを挿入して操作部3を引き上げることにより、第2のばね35´がジョイスティック31の下面と外殻内仕切り部30dとの間で引っ張られて伸張し、操作部3に反力を付与する。そして、操作者が親指Tの力を抜くと第2のばね35´が収縮し、操作部3を元の位置に戻す。
【0052】
第2のばね35´の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を引き上げるのに硬すぎない硬さとする。また、第2のばね35の硬さは、操作者が親指Tで操作部3を水平方向に動かす際に、操作部3が引き上げ側に動作することがない程度の硬さとすると好ましい。
【0053】
(効果)
以上、説明したように、本実施形態に係る入力装置1は、操作者が操作部3を水平方向に動かす際に、誤って操作部3が押し下げ又は引き上げられることにより、下方向又は上方向に入力操作が行われてしまう誤操作を防ぐことができる。
【0054】
さらに、親指Tの力の特性を考慮し、押し下げ側は第1のばね34´及び第2のばね35´が反発力を付与し、引き上げ側は第2のばね35´のみが引っ張り力を付与するため、誤操作を防ぎつつも、操作者が垂直方向に操作する際に操作を阻害することがない。
【0055】
このため、本実施形態に係る入力装置1は、従来の入力装置では誤操作が発生する場合があった水平方向への入力操作であっても、直感的かつ容易に入力操作を行うことができる。したがって、本実施形態に係る入力装置1によれば、操作者が3次元の入力操作を直感的かつ容易に行うことができる。
【0056】
また、本実施形態に係る入力装置1は、第1のばね34´及び第2のばね35´は、ジョイスティック31の下方に位置し、かつ、第1のばね34´は第2のばね35´の内側に位置しているため、入力装置1の横方向の長さをより短くすることができる。したがって、入力装置1をゲームコントローラー等に組み込む際に、横方向のスペースに余裕のない場合であっても、縦方向のスペースに余裕がある場合には、入力装置1をゲームコントローラー等に組み込むことができる。
【0057】
以上、本発明に係る入力装置1の第1から第3の実施形態では、本体部2の形状は、片手で把持する形状を例として説明しているが、これ以外の形状であっても良い。例えば、両手で把持する従来のゲームコントローラーと同様の形状とし、従来のゲームコントローラーのジョイスティックのノブの部分に操作部3が位置するように、従来のゲームコントローラーに入力装置1を設置するようにしても良い。この場合、左ジョイスティックと右ジョイスティックを備えるゲームコントローラーでは、左ジョイスティック又は右ジョイスティックもしくは左ジョイスティック及び右ジョイスティックの位置に入力装置1を設置することができる。
【0058】
また、第1のばね34,34´及び第2のばね35,35´は、配置位置や、設置本数や、サイズや、線径や、形状等を適宜設定することが可能である。また、上述した第1のばね34,34´及び第2のばね35,35´は、ばね以外の公知の弾性体に置き換えることも可能である。さらに、押し下げ側付勢手段及び引き上げ側付勢手段としての役割を果たすものであれば、どのような部品や機構であっても適用することが可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 入力装置
2 本体部
2a 支持部
3 操作部
4 X軸検出手段
5 Y軸検出手段
6 Z軸検出手段
7 制御部
8 各種機器
10 第1の挿入部
11 第2の挿入部
20 第1のボタン
21 第2のボタン
30 外殻
30a 外殻内壁上部
30b 外殻内壁下部
30c,30d 外殻内仕切り部
31 ジョイスティック
32 可変抵抗器
32a ノブ
33 スライド部
34,34´ 第1のばね
35,35´ 第2のばね
40 棒状部材
40a 棒状部材下端鍔部
T 親指
F1 人差し指
F2 中指
F3 薬指
F4 小指
図1
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図2
図3