(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5753290
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】杭への部材接合方法及び杭への部材接合構造
(51)【国際特許分類】
E01D 19/02 20060101AFI20150702BHJP
E02D 27/32 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
E01D19/02
E02D27/32 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-37769(P2014-37769)
(22)【出願日】2014年2月28日
【審査請求日】2014年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141521
【氏名又は名称】株式会社技研製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】北村 精男
(72)【発明者】
【氏名】田内 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山根 崇史
【審査官】
石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−133971(JP,A)
【文献】
特開2000−336946(JP,A)
【文献】
特開平10−008466(JP,A)
【文献】
特開2012−219481(JP,A)
【文献】
特開2013−112998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 19/02
E02D 27/32
E01D 1/00
E01D 21/00
E02D 5/24−5/54
E02D 11/00
E04G 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭部材に他の部材を接合する杭への部材接合方法であって、
周方向に分割された互いに対峙する分割端部同士がシリンダー装置によって連結された固定用カラーを前記杭部材に外嵌めし、前記シリンダー装置を介して前記固定用カラーを縮径変化させて当該固定用カラーの内周面で前記杭部材を、当該固定用カラーの前記分割端部同士で前記他の部材をそれぞれ挟むように掴持することにより、前記杭部材に前記他の部材を接合する杭への部材接合方法。
【請求項2】
前記固定用カラーを拡径変化させる方向への前記シリンダー装置の伸縮を制限する楔を当該シリンダー装置に適用することで、前記杭部材及び前記他の部材を掴持する掴持力の減少を防止することを特徴とする請求項1に記載の杭への部材接合方法。
【請求項3】
前記他の部材に設けられた突起部を前記固定用カラーにより掴持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の杭への部材接合方法。
【請求項4】
前記他の部材を、前記杭部材を挿通する開口を有し地表近傍に埋設される笠状部材とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の杭への部材接合方法。
【請求項5】
前記他の部材を、橋梁下部部材とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の杭への部材接合方法。
【請求項6】
杭部材に他の部材を接合する杭への部材接合構造であって、
シリンダー装置と、周方向に分割された互いに対峙する分割端部同士が前記シリンダー装置によって連結された固定用カラーと、を備え
前記固定用カラーが前記杭部材に外嵌めされ、前記シリンダー装置を介して前記固定用カラーが縮径変化して当該固定用カラーの内周面で前記杭部材を、当該固定用カラーの前記分割端部同士で前記他の部材をそれぞれ挟むように掴持することにより、前記杭部材に前記他の部材を接合することが可能に構成された杭への部材接合構造。
【請求項7】
前記固定用カラーを拡径変化させる方向への前記シリンダー装置の伸縮を制限する楔を備えることを特徴とする請求項6に記載の杭への部材接合構造。
【請求項8】
前記他の部材に突起部を備え、当該突起部が前記分割端部間に配置されたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の杭への部材接合構造。
【請求項9】
前記突起部に孔が設けられ、前記シリンダー装置のピストンロッドが、当該孔に通されて前記分割端部同士を連結した構造を備える請求項8に記載の杭への部材接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭部材に他の部材を接合する、杭への部材接合方法及び杭への部材接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物、橋梁などの建造物を支持する基礎部材として杭が用いられている。杭は地中に打設され、頭部に建造物の下部が接続され、当該建造物を支持する。杭は、建造物から垂直荷重、水平荷重、転倒モーメントなどの負荷を受ける。
従来、杭の支持力を増大させるための技術として節部や拡径部が設けられた節付杭が提案されているが、この技術の問題点を解決するために特許文献1には、基礎杭と当該基礎杭を挿通する開口を有する笠状部材とからなる杭基礎構造が提案されている。かかる笠状部材は、地表付近に埋設されるとともに杭部材に接合される。さらに、笠状部材の開口から上部に突出した杭部材の頭部に建造物の下部が接合される。
一般に、杭部材と他の部材との接合はボルト接合、溶接等の方法による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−219481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、杭部材と他の部材との接合をボルト接合、溶接等の従来の方法により行うと次のような問題がある。
すなわち、一度接合すると接合を解くことが困難であり、解体や接合位置の調整が困難であるという問題、施工荷重が非常に大きくなった場合に施工不能となる恐れがあるという問題、杭部材と他の部材との接合部分が水中等の場合には、その接合作業の効率の低下、要するコストの増大が顕著になるという問題がある。
【0005】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、杭部材に他の部材を接合するにあたり、接合作業、接合解放作業、位置調整作業に係る作業性を良好にするとともに、その接合作業の結果、高い接合力を容易に付与することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、杭部材に他の部材を接合する杭への部材接合方法であって、
周方向に分割された互いに対峙する分割端部同士がシリンダー装置によって連結された固定用カラーを前記杭部材に外嵌めし、前記シリンダー装置を介して前記固定用カラーを縮径変化させて当該固定用カラーの内周面で前記杭部材を、当該固定用カラーの前記分割端部同士で前記他の部材をそれぞれ挟むように掴持することにより、前記杭部材に前記他の部材を接合する杭への部材接合方法である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記固定用カラーを拡径変化させる方向への前記シリンダー装置の伸縮を制限する楔を当該シリンダー装置に適用することで、前記杭部材及び前記他の部材を掴持する掴持力の減少を防止することを特徴とする請求項1に記載の杭への部材接合方法である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記他の部材に設けられた突起部を前記固定用カラーにより掴持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の杭への部材接合方法である。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記他の部材を、前記杭部材を挿通する開口を有し地表近傍に埋設される笠状部材とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の杭への部材接合方法である。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記他の部材を、橋梁下部部材とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の杭への部材接合方法である。
【0011】
請求項6記載の発明は、杭部材に他の部材を接合する杭への部材接合構造であって、
シリンダー装置と、周方向に分割された互いに対峙する分割端部同士が前記シリンダー装置によって連結された固定用カラーと、を備え
前記固定用カラーが前記杭部材に外嵌めされ、前記シリンダー装置を介して前記固定用カラーが縮径変化して当該固定用カラーの内周面で前記杭部材を、当該固定用カラーの前記分割端部同士で前記他の部材をそれぞれ挟むように掴持することにより、前記杭部材に前記他の部材を接合することが可能に構成された杭への部材接合構造である。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記固定用カラーを拡径変化させる方向への前記シリンダー装置の伸縮を制限する楔を備えることを特徴とする請求項6に記載の杭への部材接合構造である。
【0013】
請求項8記載の発明は、前記他の部材に突起部を備え、当該突起部が前記分割端部間に配置されたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の杭への部材接合構造である。
【0014】
請求項9記載の発明は、前記突起部に孔が設けられ、前記シリンダー装置のピストンロッドが、当該孔に通されて前記分割端部同士を連結した構造を備える請求項8に記載の杭への部材接合構造である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シリンダー装置を介して固定用カラーを縮径変化させて当該固定用カラーの内周面で杭部材を、当該固定用カラーの分割端部同士で他の部材をそれぞれ挟むように掴持するので、杭部材に他の部材を接合するにあたり、シリンダー装置を介して固定用カラーを縮径変化させることで接合作業を行うことができ、シリンダー装置を介して固定用カラーを拡径変化させることで接合解放作業を行うことができ、接合解放状態で位置調整作業を行うことができ、これらの作業性が良好である。それとともに、その接合作業の結果、固定用カラーの内周面で杭部材を、当該固定用カラーの分割端部同士で他の部材をそれぞれ挟むように掴持するので高い接合力を容易に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る杭への部材接合構造を垂直視した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る杭への部材接合構造を水平視した図である。
【
図3】シリンダー装置の軸方向に見たシリンダー装置と楔の配置を示した図である。
【
図4】(a1)はシリンダー装置の軸に垂直に水平視した構造図で解放状態を示す。(b1)は(a1)に対応し、シリンダー装置の軸方向に見たシリンダー装置のピストンロッドと可動楔の配置を示した図である。(a2)はシリンダー装置の軸に垂直に水平視した構造図で接合状態(締結状態)を示す。(b2)は(a2)に対応し、シリンダー装置の軸方向に見たシリンダー装置のピストンロッドと可動楔の配置を示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る杭への部材接合構造を適用した橋梁の側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る杭への部材接合構造を適用した橋梁の側面図であり、
図5に対し中央の橋梁下部を上昇調整した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0018】
図1及び
図2に示す杭部材1に他の部材である笠状部材2や
図5及び
図6に示すように橋梁下部部材10Aを接合する場合につき説明する。その接合のために、固定用カラー3と、シリンダー装置20と、楔5A,5Bとが用いられ、これらの詳細は、
図3及び
図4に示した。
図5及び
図6に示すように、杭部材1は地盤30に打設されている。杭部材1は、円筒状の構造物であり、コンクリート管や鋼管が適用される。
図5及び
図6には、杭部材1が打設される地表GLが水面WL下にある状況を示す。
【0019】
図1及び
図2に示すように笠状部材2は、杭部材1を挿通する開口を有し、下方ほど内径及び外径が拡径するテーパー状の形状をなし、地表GL近傍に埋設される。また、笠状部材2の上端部には上方に突出した突起部2Aが設けられている。この突起部2Aは、溶接等で笠状部材2本体に予め固定されている。
【0020】
固定用カラー3は、本実施形態では周方向に2つのパーツ3A,3Bに分割されたものを適用する。
図1に示すようにカラーパーツ3A及びカラーパーツ3Bのそれぞれは、略180度の中心角を有する円弧状部分の両端に半径方向外側に延出する分割端部3A1,3A2(3B1,3B2)が連続して形成されたものである。
すなわち、固定用カラー3は180度で分割された構成であり、周方向に分割された互いに対峙する分割端部3A1と3B1同士、及び分割端部3A2と3B2同士がそれぞれシリンダー装置20によって連結される。
固定用カラー3の円筒状に形成された内周面に杭部材1の外周面が対向するように、固定用カラー3は杭部材1に外嵌めされる。また、それとともに、突起部2Aが、分割端部3A1(3A2)と3B1(3B2)の間に配置される。
【0021】
シリンダー装置20は、カラーパーツ3Aとカラーパーツ3Bとを連結し、これらのパーツ3A,3Bからなる固定用カラー3を縮径・拡径変化させるためのアクチュエータであり、エア、油などの作動流体の出入力路9A,9Bが接続され、遠隔操作が可能である。
シリンダー装置20を介して固定用カラー3を縮径変化させて固定用カラー3の内周面で杭部材1を、固定用カラー3の分割端部3A1(3A2)と3B1(3B2)同士で突起部2A、すなわち、他の部材である笠状部材2をそれぞれ挟むように掴持することにより、杭部材1に他の部材である笠状部材2を接合する仕組みである。接合固定には楔5A,5Bを併用する。
【0022】
図1、
図4に示すように、ピストンロッド8の筒部4から一方に突出した端部8Aが、分割端部3A1,3B1(3A2,3B2)及び突起部2Aに設けられた孔(符号なし)に通され、その端部で座金6及びナット7により、その逆側で筒部4によって規制されることで、分割端部3A1,3B1(3A2,3B2)同士、従ってカラーパーツ3A,3B同士が連結されるとともに、突起部2A、従って笠状部材2と固定用カラー3も連結される。
【0023】
ピストンロッド8の筒部4から他方に突出した端部8Bにおいては、その端部に固定される座金6及びナット7と、これに対向する筒部4の端面との間に固定楔5A,可動楔5Bが介装される。
固定楔5Aは、孔(符号なし)が設けられていて、この孔にピストンロッド8が通されることでピストンロッド8の径方向に移動しないように保持される。可動楔5Bは、
図3及び
図4(b1)(b2)に示すように、ピストンロッド8を回避する門型の構造を有し、ピストンロッド8を跨ぐようにピストンロッド8の径方向内側に移動して、筒部4と固定楔5Aとの間に嵌入される。
これによって、分割端部3A1,3B1(3A2,3B2)及び突起部2Aが強固に締結保持される。
このように、固定用カラー3を拡径変化させる方向へのシリンダー装置20の伸縮を制限する楔5A,5Bをシリンダー装置20に適用した構成である。楔5A,5Bを適用した接合作業後、シリンダー装置20の作動流体の圧力の低下があっても、この楔5A,5Bにより、固定用カラー3を拡径変化させる方向へのシリンダー装置20の伸縮を制限し、杭部材1及び笠状部材2を掴持する掴持力の減少を防止する。
【0024】
改めて、本実施形態の杭への部材接合方法をその手順に沿って説明する。
杭部材1を地盤30に打設した後、シリンダー装置20を介して連結された笠状部材2及び固定用カラー3に杭部材1を挿入する態様で、笠状部材2及び固定用カラー3を降下し、笠状部材2を地表GL付近に埋設する。この時、
図4(a1)(b1)に示すように、シリンダー装置20は緩んだ状態であって、固定用カラー3は、杭部材1が挿入されるに十分な内径を有する。
笠状部材2の埋設後、ピストンロッド8の端部8Aの突出量を減少させるようにシリンダー装置20を動作させる。これに伴い、固定用カラー3は縮径変化する。このように、固定用カラー3を縮径変化させて固定用カラー3の内周面で杭部材1を、固定用カラー3の分割端部3A1,3B1(3A2,3B2)同士で笠状部材2の突起部2Aをそれぞれ挟むように掴持することにより、杭部材1に笠状部材2を接合する。
次に、
図4(a2)(b2)に示すように、可動楔5Bを筒部4と固定楔5Aとの間に嵌入し、杭部材1と笠状部材2との接合を強固に保持する。
【0025】
次に、杭部材に接合する他の部材を、橋梁下部部材とする場合につき説明する。
図5及び
図6に示す橋梁10の下部部材10Aは、鋼管などによる円筒体で構成される。下部部材10Aに杭部材1の杭頭が挿入され橋梁10が支持される。この下部部材10Aの下端部外周面に下方に延出するように突起部10A1が予め溶接等で設けられている。この突起部10A1は、笠状部材2での突起部2Aに相当する部分であり、固定用カラー3に掴まれる部分である。
杭部材1に外嵌めされた固定用カラー3を下部部材10Aの下に配置し、シリンダー装置20を介して固定用カラー3を縮径変化させて、笠状部材2の場合と同様に、固定用カラー3の内周面で杭部材1を、固定用カラー3の分割端部同士で突起部10A1をそれぞれ挟むように掴持することにより、杭部材1に下部部材10Aを接合する。この接合によって、橋梁下部部材10Aと杭部材1が一体構造となりより強固な橋梁を構築できる。
笠状部材2での突起部2Aが上方に延出しているのに対し、下部部材10Aの突起部10A1が下方に延出している点が異なるだけであって、その接合構造の詳細は、
図1〜
図4に示したものと同様であり、楔5A,5Bも同様に適用する。
なお、下部部材10Aの接合に適用される固定用カラー3に関しては、杭部材1の挿入を案内する笠状の案内部3Cを設けることで、その挿入を円滑にすることができる。
【0026】
固定用カラー3の設置は、杭部材1が下部部材10Aに挿入される前に、シリンダー装置20によって固定用カラー3を下部部材10Aの下端に連結することで行うこともできるし、杭部材1が下部部材10Aに挿入された後に、下部部材10Aの下方で杭部材1の外周にカラーパーツ3A,3Bを配しシリンダー装置20によって連結するようにして組み立てることで行うこともできる。
【0027】
図5及び
図6に示すように接合位置は任意の位置が選択できる。
一旦、接合した後でも、シリンダー装置20を緩めて固定用カラー3を拡径変化させることで接合解放作業を行うことができ、接合解放状態で例えば
図5に示す様態から
図6に示す様態へと位置調整作業を行うことができる。十分に位置調整を行った後に、可動楔5Bを打ち込むことが好ましい。可動楔5Bを打ち込んだ後に再度位置調整を行う場合、及び解体する場合には、可動楔5Bをピストンロッド8の径方向外側に移動して解放する。
【0028】
以上のように、遠隔操作でシリンダー装置を作動させて締結しさらに楔を効かせることで、高い接合保持力を容易に付与することができ、その接合作業、接合解放作業及び接合位置の調整作業が容易である。
また、杭部材1の軸方向に沿って任意の位置に固定用カラー3を配置することができるので、杭部材1に対し任意の高さ位置に笠状部材2や橋梁下部部材10A、その他の任意の部材を接合することができる。
このように任意の高さ位置で接合できることによって、杭部材1に対する笠状部材2の接合位置を調節し、
図5及び
図6に示すように地形の変化に対応することができる。
また、任意の高さ位置で接合できることによって、
図5及び
図6に示すように橋梁下部部材10Aの位置を調節し橋梁の高さ調節が可能である。
また、杭部材1周りで固定用カラー3を回転させることができるので、杭部材1に接合させる他の部材の杭部材1の軸を中心にした配置角度を任意に選択でき、方向性を持った部材を杭部材1に接合する場合に便宜がよい。
【0029】
以上の実施形態においては、固定用カラーの分割部が2箇所に設けられた。これに拘わらず、固定用カラーをC型とすることでその分割部を1箇所とすることも可能であるし、固定用カラーの周方向の分割部品数を増加することで3箇所以上とすることも可能である。固定用カラーの分割部の数は、他の部材の掴持箇所(=シリンダー装置20の設置箇所)の数に等しい。したがって、杭部材に接合する他の部材に対する均等な掴持力や強固な掴持力を付与するために、固定用カラーの分割部を複数箇所とすることが好ましい。
【符号の説明】
【0030】
1 杭部材
2 笠状部材
2A 突起部
3 固定用カラー
3A1 分割端部
3A2 分割端部
3B1 分割端部
3B2 分割端部
5A 固定楔
5B 可動楔
8 ピストンロッド
10 橋梁
10A 橋梁下部部材
10A1 突起部
20 シリンダー装置
【要約】 (修正有)
【課題】接合作業、接合解放作業、位置調整作業に係る作業性を良好にし、高い接合力を容易に付与する部材接合方法を提供する。
【解決手段】杭部材1に他の部材(笠状部材2や橋梁下部部材など)を接合するにあたり、周方向に分割された互いに対峙する分割端部3A1(3A2)と3B1(3B2)同士がシリンダー装置20によって連結された固定用カラー3を杭部材に外嵌めし、シリンダー装置を介して固定用カラーを縮径変化させて固定用カラーの内周面で杭部材を、固定用カラーの分割端部同士で他の部材をそれぞれ挟むように掴持することにより、杭部材に他の部材を接合する。
【選択図】
図1