【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、添付の請求項に開示されたような方法および装置に関する。
【0006】
本発明は、1つ又はそれ以上の半導体基板をクリーニングする装置に関する。該装置は、
・クリーニングされる表面を有する基板を保持するための手段と、
・洗浄液と接触した状態で、泡形成のための核生成(nucleation)部位を有する核生成表面を含む核生成構造と、
・核生成表面が、クリーニングされる前記表面に面するように、前記核生成構造を搭載するための手段と、
・洗浄液を供給し、クリーニングされる表面と核生成表面の間のスペースに充分に充填するための手段と、
・前記液を、前記スペースに存在している状態で、振動音響力に曝すための手段と、を備える。
【0007】
好ましくは、該装置を特定の洗浄液との組合せで使用した場合、少なくとも核生成部位は、前記洗浄液と接触した状態で、クリーニングされる表面より大きな接触角を示す。洗浄液が水である場合、核生成部位は、好ましくは、クリーニングされる表面より大きな疎水性を有する。核生成構造の材料は、洗浄液に関して無孔性でも多孔性でもよい。核生成構造は、多孔性基板でもよく、基板表面の孔は前記核生成部位を形成する。
【0008】
一実施形態によれば、前記核生成構造は、核生成基板であり、以下、前面および後面を有する「テンプレート(鋳型)」と称しており、核生成表面は前面にあり、前記核生成表面は空洞パターンを備え、前記空洞は泡核生成部位を形成する。
【0009】
前記テンプレートは、電極を備えてもよく、前記電極は、前記空洞の底部を形成したり、あるいは前記空洞の底部と電気接続されており、該装置は、前記電極とクリーニングされる表面との間に電位差を供給するように、電圧源または該装置を電圧源と接続する手段をさらに備え、前記スペースは前記液で充填されている。
【0010】
一実施形態によれば、核生成構造は、チャネルを備え、各チャネルは、テンプレートの後面と前記空洞の1つの底部との間に延びており、該装置は、ガス状物質を供給するための供給手段をさらに備え、前記物質は、テンプレートの後面からチャネルを通って空洞に流れ、前記スペースは前記液で充填されている。
【0011】
他の実施形態によれば、前記核生成構造は、核生成部位として機能する孔または開口(22)を有する膜(membrane)である。
【0012】
一実施形態によれば、本発明に係る装置は、
・前記洗浄液で充填可能なタンクと、
・前記基板および前記核生成構造を前記タンク内に搭載するための手段と、
・前記タンクの底面または側壁に配置され、前記音響力を生成するためのトランスデューサと、を備える。
【0013】
他の実施形態によれば、本発明に係る装置は、
・クリーニングされる表面を有する単一の基板を保持するための手段と、
・洗浄液を、クリーニングされる表面に供給するための供給手段と、
・核生成表面とクリーニングされる表面との間に液体膜が形成できように、前記核生成構造を搭載するための手段と、
・核生成構造と接触して配置され、前記音響力を生成するためのトランスデューサと、を備える。
【0014】
後者の実施形態に係る装置は、クリーニングされる基板のための回転可能ホルダをさらに備え、クリーニングされる表面に対して垂直な中心軸の周りに基板を回転させ、前記供給手段は、クリーニングされる表面に液体を供給しながら、基板が回転するように配置される。
【0015】
本発明に係る装置において、前記核生成構造は、前記基板に対して静止した状態で構成され、前記基板は前記音響力に曝される。
【0016】
本発明に係る装置は、前記核生成構造を前記基板に対して移動させるための手段をさらに備え、前記液体は前記音響力に曝される。
【0017】
本発明は、同様に、洗浄液を用いて半導体基板をクリーニングする方法に関する。前記方法は、
・クリーニングされる表面を備えた基板を用意し保持するステップと、
・前記洗浄液と接触した状態での泡形成用の核生成部位を有する核生成表面を備える核生成構造を用意するステップと、
・核生成表面が、クリーニングされる表面に面するように、前記核生成構造を搭載するステップと、
・基板と核生成表面の間のスペースに充分に充填することによって、前記核生成表面およびクリーニングされる前記表面を前記洗浄液と接触させるステップと、
・前記洗浄液を振動音響力に曝して、前記液体中に泡を生じさせ、前記泡は、核生成構造の表面に核生成を生じさせ、前記泡は、クリーニングされる表面に作用する抗力を生じさせるようにしたステップと、を含む。
【0018】
方法の一実施形態において、少なくとも前記核生成部位は、前記洗浄液と接触した場合、クリーニングされる表面より大きな接触角を示す。
【0019】
一実施形態によれば、クリーニングされる前記基板および前記核生成構造は、前記洗浄液で充填されたタンク内に浸漬され、続いて液体を前記音響力に曝す。
【0020】
他の実施形態によれば、前記音響力は、トランスデューサによって生成され、トランスデューサ表面に対して垂直な伝搬方向に液体中を伝搬する音響波を生成する。前記基板および核生成構造は、前記伝搬方向に対してある角度で配置され、前記角度は、クリーニングされる基板を通る音響エネルギーの伝送を最大化するように選択される。
【0021】
本発明に係る方法の一実施形態によれば、前記核生成構造は、クリーニングされる前記表面に接近して配置され、前記洗浄液の膜が、核生成構造とクリーニングされる表面との間に形成される。