(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5753397
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】骨または椎骨を安定化するためのインプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20150702BHJP
A61B 17/68 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/58 310
【請求項の数】21
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-35424(P2011-35424)
(22)【出願日】2011年2月22日
(65)【公開番号】特開2011-177506(P2011-177506A)
(43)【公開日】2011年9月15日
【審査請求日】2013年12月16日
(31)【優先権主張番号】10154844.4
(32)【優先日】2010年2月26日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/308,940
(32)【優先日】2010年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511211737
【氏名又は名称】ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ・ビーダーマン
(72)【発明者】
【氏名】ビルフリート・マティス
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・パブスト
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・メーア
(72)【発明者】
【氏名】マンジャ・ヘルツォーク
【審査官】
石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0287249(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
A61B 17/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨または椎骨に少なくとも1つのねじ(2)によって固定可能なインプラント体(1、100、100′)を含み、
前記インプラント体は、前記ねじのねじ山との協働のための雌ねじを有するねじ山部(91、91′、910)を有する少なくとも1つの穴(9a、9b、9c、9a′、9b′、900a、900b′)を含む骨または椎骨を安定化するためのインプラントにおいて、
前記穴には、前記ねじが前記ねじ山部を通ってねじ込まれる際に前記ねじをガイドするガイド部材(11、11′、11′′、111)が設けられ、
前記ガイド部材(11、111)は、少なくとも部分的に前記穴の中に配されるように前記インプラント体の中に挿入可能な別個の部分であり、
前記ねじ山部(91、91′、910)は、前記ガイド部材の材料よりも柔軟性のある材料から形成される、インプラント。
【請求項2】
前記穴は、少なくとも1つの非ねじ山部(92、92′、920)を有し、前記非ねじ山部は前記ねじ山部(91、91′、910)の外径よりも大きな直径を有する部位(92、92′、920a)を有し、前記ガイド部材(11、111)は、当該大きな直径を有する部位(92、92′、920a)内に位置する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記ガイド部材(11、111)は、少なくとも1つの位置にて、前記穴の直径を前記ねじ山部(91、91′、920)の内径と同じまたは若干小さい直径に制限するように構成される、請求項1または2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記非ねじ山部(92、92′、920)は、前記穴への前記ねじの挿入方向において、前記ねじ山部(91、91′、910)の前に配される、請求項2に記載のインプラント。
【請求項5】
前記ガイド部材(11、111)は、前記ねじが前記ねじ山部を通ってねじ込まれる際に前記ねじ(2)に加えられるトルクを高めるように構成および配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項6】
前記ガイド部材は直線部材(11)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項7】
前記ガイド部材は、少なくとも部分的に前記穴の中に突き出るピン(11)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項8】
前記ピン(11)は、自身の長手方向軸が前記穴のねじ山部(91、91′)のねじ山軸に垂直な状態で延在する、請求項7に記載のインプラント。
【請求項9】
前記ガイド部材は、2つの自由端を有する湾曲部材(111)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項10】
前記ガイド部材は略円形のクリップ(111)である、請求項1〜5または9のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項11】
前記ガイド部材は略円形のクリップ(111)であり、前記非ねじ山部(920)は、前記クリップがプレストレスの下で保持される円形の溝部(920a)を含む、請求項2に記載のインプラント。
【請求項12】
前記インプラント体は、前記ガイド部材の材料よりも柔軟性のある材料から形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項13】
前記インプラント体の材料は生体適合性プラスチック材料である、請求項12に記載のインプラント。
【請求項14】
前記生体適合性プラスチック材料はPEEKまたはPEKKである、請求項13に記載のインプラント。
【請求項15】
前記ガイド部材(11、111)は、前記インプラント体の材料よりも柔軟性のない材料から形成される、請求項1〜14のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項16】
前記ガイド部材(11、111)の前記材料は生体適合性金属である、請求項15に記載のインプラント。
【請求項17】
前記生体適合性金属は、チタン、チタン合金、ニチノールまたはステンレス鋼である、請求項16に記載のインプラント。
【請求項18】
前記インプラント体の材料よりも柔軟性のない材料から形成されるねじをさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項19】
前記ねじは、前記ねじが完全に挿入されると前記ガイド部材に当接する端部(24)を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項20】
前記ねじは、前記ねじが前記穴にロックされるように前記ガイド部材が留まる凹部(23)を含む、請求項19に記載のインプラント。
【請求項21】
前記インプラントは、椎骨間インプラントまたは骨プレートである、請求項1〜20のいずれか1項に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、骨または椎骨を安定化するためのインプラントに関する。このインプラントは、少なくとも1つのねじにより骨または椎骨に固定されるインプラント体を含む。インプラント体は、骨ねじを受け入れるためのねじ山部を有する少なくとも1つの穴を有する。この穴の中に、ガイド部材が設けられ、ねじがねじ山部を通ってねじ込まれる際にねじをガイドする。詳細にはインプラントは、椎骨間ケージまたは骨プレートであるが、ねじ穴を通って延在するねじによって人間または動物の体の骨部分に固定される任意の他のインプラントであり得る。
【背景技術】
【0002】
ねじによって隣接する椎骨に固定されるケージの形態にある椎骨間インプラントが、たとえばUS2009/0030520A1に記載される。このケージは、チタンまたはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)といった生体適合性材料から形成され得る。
【0003】
ケージがたとえばPEEKのような生体適合性プラスチック材料から形成される場合、このような材料が金属と比べて柔軟性が大きい。これにより、ねじがねじ山部を通ってねじ込まれる際に、ねじのための穿孔がある程度曲がってしまう場合があるという問題が起こり得る。この結果、穿孔を通るようにねじをねじ込むのに必要なトルクが、金属の相互接続部と比較してかなり低くなり得る。たとえば臨床用途において、弱いおよび/または骨粗鬆症の骨質の場合、このような低いトルクでは、ねじが既にどこまで進んだのか、およびねじが正しい向きを向いているのかといったことについて、外科医は少ないフィードバックしか得られない。
【0004】
US7,618,456B2は、任意の生理学的適合性材料、好ましくは非強化プラスチックから形成され得るケージの形態にある椎骨間インプラントを記載する。非強化プラスチックは繊維強化プラスチックに対して有利であると言われる。非強化プラスチックからなり、雄ねじが11°から14°の荷重斜面を示す適切な骨ねじが用いられ得る。この荷重斜面の相対的に小さい傾斜により、高いクランプ力が達成され得、その結果、プラスチックの半径方向への伸張および割れの危険性が低減される。さらに、穿孔は、プラスチックインプラント構造における骨ねじの固定の向上のための内側のねじ山に取り付けられたメタルブッシュの形態にあってもよい。公知のインプラントはさらに、金属の穿孔領域において、部分的にプラスチックからなってもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US2009/0030520A1
【特許文献2】US7,618,456B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、骨または椎骨を安定化するためのインプラント、詳細には、高い安全性を保証すると同時に、外科医にとって取扱易さが向上した椎骨間インプラントまたは骨プレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載のインプラントによって解決される。この発明のさらなる発展例が従属項において与えられる。
【0008】
インプラントは特に、PEEK、PEKK、または同様の材料といった生体適合性プラスチック材料から形成され得る。これらの材料は金属から形成されるインプラントよりも柔軟性があるが、外科医は金属骨ねじを用いることができ、当該骨ねじをねじ込む際に必要なフィードバックおよび型締力を得る。
【0009】
この発明に係るガイド部材により、骨ねじを誤った場所に配置する危険性が大幅に低減される。
【0010】
インプラントが、X線照射の下で見ることができないPEEKまたはPEKKといった生体適合性プラスチック材料から形成されていても、当該ガイド部材はX線照射の下で見ることが可能である。これは、外科手術後の検査に有用である。
【0011】
ガイド部材は、インプラント体において、骨ねじのための穴が非常に小さい場合でも設けられ得る。
【0012】
添付の図面を用いたこの発明の実施例の説明からさらなる特徴および利点が明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】椎骨間ケージの形態である、第1の実施例に係るインプラントの分解斜視図である。
【
図2】骨ねじがそれぞれの穴を通った状態の
図1のケージの斜視図である。
【
図3】ピンを受け入れるためのピン穴の部分を示す穴のみの領域におけるインプラントの部分の概略上面図である。
【
図4】穴のねじ山軸を含む面に沿った、穴とピンとの断面図を示す図である。
【
図5】穴が直線穴として概略的に示される、ねじを穴に挿入する第1のステップの図である。
【
図6a】ねじが穴のねじ山部を通ってねじ込まれる第2のステップの概略図である。
【
図7a】骨ねじが穴を通って完全にねじ込まれる第3のステップを示す図である。
【
図8】プレートの形態である第2の実施例のインプラントの分解斜視図である。
【
図9】骨ねじが穴を通ってねじ込まれた状態である、
図8のインプラントの斜視図である。
【
図10】第1および第2の実施例の修正例の斜視図である。
【
図11】さらなる修正例に係るピンの斜視図である。
【
図12】プレートの形態にある第3の実施例のインプラントの分解斜視図である。
【
図13】骨ねじが穴を通ってねじ込まれる状態である、
図12のインプラントの斜視図である。
【
図14】ガイドクリップが挿入された状態である第3の実施例の穴の上面図である。
【
図17】
図16における線B−Bに沿ったクリップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および
図2に示される第1の実施例に係るインプラントは、骨ねじ2により隣接した椎体に固定され得るインプラント体1を含む。インプラント体は、前部方向から腰椎の脊柱の2つの隣接した椎骨の間に導入されて椎間板を置き換える前方腰椎体間固定ケージ(anterior lumbar interbody fusion cage;Alifケージ)の形態にある。しかしながら、インプラントは、取り除かれた椎間板または椎骨に置き換わるのに好適な任意の他のケージ状の要素の形態であり得る。
【0015】
インプラント体は表壁3、裏壁4、右側壁5、および左側壁6を有し、これらの壁は、右および左側壁が表壁および裏壁を接続するように一体で形成される。表壁3はインプラント体の前壁に相当し、裏壁は後壁に相当する。さらに、内壁7が裏壁から表壁へ延在し、両者を右側壁と左側壁との間の実質的に中間で接続する。これらの側壁と内壁との間の空っぽの空間は骨移植材料で充填され得る。
【0016】
隣接した椎体の終末板との係合を促進するために、壁の上面および底面に歯部8が設けられる。表壁、側壁、および裏壁に沿ったインプラント体の外形は、2つの隣接した椎体の間の空間を充填するように構成される。したがって、前部の表壁3の幅は、後部の裏壁の幅より大きくあり得、インプラント体の高さは、裏壁4から表壁3の方向に増加する。
【0017】
インプラント体はさらに、表壁3に設けられる少なくとも1つ穴、示される実施例では、3つの穴9a、9b、9cを含む。中心穴9aは、実質的に左側壁と右側壁との間の中心に設けられ、上方向に傾斜する。側穴9b、9cは中心穴9aの両側に配され、下方向に傾斜する。しかしながら、インプラント体は、示されるインプラント体に限定されず、さらなる穴および/または異なる傾きを有する穴を有し得る。たとえば、4つの穴が表壁に設けられてもよい。さらに、中心穴9aは内壁7の一部を通って延在する。
【0018】
図3および
図4において特に見られ得るように、穴9a、9b、9cの各々は、ねじのねじ山と共同する雌ねじを有するねじ山部91を有する。さらに、ねじ山部91と表壁3の表面との間に非ねじ山部92が設けられる。非ねじ山部92の内径は、ねじのねじ山の外径よりも若干大きい。
図3および
図4に見られ得るように、非ねじ山部92の周辺部上の一部を切り取るような態様で延在するピン穴10が設けられる。ピン穴の長手方向軸は、ねじ山部91のねじ山軸に対して垂直に延在する。ピン11の形態にあるガイド部材がピン穴10に挿入される。示される実施例では、このピンは実質的に円筒形である。ピンおよびピン穴の直径は、ピン11が挿入されると、円の割線のように穴9aの非ねじ山部92の中に、ねじ2の挿入を妨げない範囲で突き出るような直径である。ピン11は、ねじ2がねじ山部91を介してねじ込まれる際に、ねじ2に加えられるトルクを強めるような態様で非ねじ山部92の直径を制限するよう構成される。直径の制限は、ねじ山部91のねじ山軸に対して垂直な面において非対称的である。ピンは粗面を有してもよい。
【0019】
好ましくは、ピン11は、ねじ山部91に隣接またはその近くに位置する非ねじ山部92における位置に配される。
【0020】
図1および
図2では、中心穴9aのみがピン11を有する。しかしながら、側穴9b、9cもガイド部材としてピン11を有してもよい。
【0021】
骨ねじ2は、ねじ山部91の雌ねじと共同する骨ねじ山を有するねじ山シャフト21を有する。ねじ山シャフト21の近傍には、非ねじ山部22が設けられる。非ねじ山部22は、穴の非ねじ山部92の内径よりも若干小さい外径を有する。非ねじ山部22と、ねじドライバーとの係合のための凹部24aを有する端部24との間には、直径が小さくなった首部23が設けられる。首部23のサイズは、ピン11との係合のための溝部を形成するようなサイズである。
【0022】
好ましくは,インプラント体の材料は、たとえばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)またはPEKK(ポリエーテルケトンケトン)といった生体適合性プラスチック材料である。特に、ねじ山部91は生体適合性プラスチック材料で形成される。ピンを形成する材料は好ましくは、チタン、ステンレス鋼といった生体適合性金属、たとえばニチノールのようなNi−Ti合金といった好適な生体適合性合金、または繊維強化プラスチック材料である。一般的には、インプラント体の材料は、ピンの材料よりもより柔軟である。たとえば、インプラント体の材料は、ピンの材料よりも弾性率が低い、および/または引張強さが低い。この関係を有するプラスチック材料および金属に限らず、任意の材料の組合せが用いられ得る。たとえば、インプラント体はより柔らかいプラスチックから形成され得、ピンはより硬いプラスチックから形成され得る。
【0023】
ねじは通常、上述したように、生体適合性金属または強化プラスチック材料から形成される。ねじは、ピンの材料と同じまたは異なる材料から形成され得る。さらに、ねじはインプラント体の材料と同じ材料から形成され得る。
【0024】
使用時には、椎間板の除去の後、2つの隣接する椎骨の間にインプラント体を挿入すると、インプラント体は、それぞれの穴を通って椎体の終末板の中に骨ねじ2をねじ込むことで固定される。
【0025】
ここで、骨ねじと穴との協働を
図5〜
図7を参照して説明する。
図5〜
図7は、
図1から
図4に示されるインプラント体の傾斜穴と比較して、直線穴の中への骨ねじの挿入を簡素化した概略的な態様で示す。
図5に示されるように第1のステップでは、適切な長さの骨ねじ2を選択し、ピン11をガイド部材として有する穴9a、9b、9cの1つの中に前進させる。次いで、
図6aおよび
図6bに示されるように、ねじはねじ山部91の中にねじ込まれる。これにより、ねじ山部91は、インプラント体がより柔軟性のある材料から形成される場合、加えられたトルクによってある程度、幅が広がり得る。しかしながら、ピン11は、ねじ山の頂がピンに沿ってスライドし、その後ろで留められるような態様で穴の直径を制限するので、ピンはガイドおよび固定部材として作用する。これにより、ねじの挿入の間、インプラント体の材料が曲がって誤った経路に沿って骨の中にねじがねじ込まれるのを防止する。ピンはさらに、挿入の間に加えられる必要なトルクを高める。これは、特に骨が弱いおよび/または骨粗鬆症の場合、外科医にフィードバックを与える。このガイド機能は、ねじ山の頂がピンの後ろに留まると、ピンによって加えられるプレストレスまたはばね作用によって達成される。
【0026】
ねじが完全に挿入されると、ピンはねじの首部23の中に留まり、端部24は、自身の平面がピンに面するとともに停止部として作用する状態でピンと当接する。
図7aおよび
図7bに示されるこの状態において、当該当接は、ねじが完全に挿入されたというフィードバックを外科医に与える。同時に、ピンが首部23に留まるのでねじがロックされる。
【0027】
ねじの非ねじ山部22は、穴のねじ山部91よりも長さが大きいので、インプラント体は骨に対して引っ張られ得る。ねじ山部91は、ねじが穴を通って押し戻されるのを防止する。
【0028】
図8および
図9にインプラントの第2の実施例を示す。インプラント体100は骨プレートの形態である。第2の実施例において、第1の実施例と同一の部分は同様の参照番号を付し、その詳しい説明は繰り返さない。骨プレート100は略長方形状であるが、このような長方形状に限定されない。骨プレート100は、上面101と、底面102と、上面101から下面102へ延在する複数の穴9a′、9bとを有する。当該図に示される具体的な実施例では、傾斜穴9a′および直線穴9b′が存在する。これらの穴は、前述の実施例と同様のねじ山部91′および非ねじ山部92′を有する。ピン穴10は各穴に対応付けられ、ピン11が前述の実施例と同様に挿入される。ガイドおよびフィードバック機能は前述の実施例と同じである。
【0029】
第1および第2の実施例の修正例を
図10および
図11に示す。当該修正例は、
図10に示されるように、ピン11′がピンの中心に対して実質的に対称である自身の側の1つに薄厚部11aを有する点が異なっている。さらなる修正例では、
図11に示されるように、ピン11′′は自身の側の1つの一方の端部にのみ薄厚部11′′aを有する。薄厚部の他の構成も考えられ得る。このような薄厚部を有するピン11′、11′′はある程度の弾力性を有するとともに、ピンと、ねじと、穴との許容差を補償し得る。
【0030】
図12〜
図18を参照して、第3の実施例を記載する。第3の実施例のインプラント体は、第2の実施例と同様の骨プレート100′である。骨プレート100′は、上面101と底面102と穴900aおよび900bとを有する。第3の実施例は、ガイド部材が直線ピンではなく円形部材であるという点で前述の実施例と異なる。
図14〜
図18に示されるガイド部材は、スナップリングのような、スロットと2つの開放端部とを有する実質的に円形のクリップ111である。さらに、クリップは、上側に凹部111aを有し、底側に凹部111bを有し得る。これらの凹部は、雌ねじの旋回部分に類似し、骨ねじ2のねじ込みを促進する。穴の非ねじ山部920は、この実施例ではねじ山部910に隣接して示される、大きな直径を有する円形溝部920aを含む。溝部920aは、クリップ111の収容のために機能する。溝部920aおよびクリップ111のサイズは、クリップがプレロードの下で挿入され、溝部920aにおいて拡張される場合、ねじ2を挿入するのに必要なトルクが増加するような態様で非ねじ山部920の直径を制限するようなサイズである。これにより、クリップは前述の実施例と同様のガイドおよびフィードバック機能を提供する。クリップ111は、金属といった、インプラント体の材料よりも柔軟でない材料から形成される。使用時には、クリップ111はまず溝部の中に挿入される。次いで、ねじがクリップと穴のねじ山部とを通って導入およびねじ込まれる。当該クリップは、加えられるトルクが増加するようにねじをガイドする。最後にクリップは、ねじの端部のための停止部として作用するとともに、ねじが押し出されるのを防止する。
【0031】
これらの実施例に係るガイド部材が金属から形成される場合、インプラント体自体がたとえ見えなくても、X線照射の下で見ることができる。
【0032】
この発明は上述した実施例に限定されない。修正例が考えられ得る。たとえば、多くの異なるタイプのプレートおよびケージが考えられ得る。さらに、骨ねじの形状は実施例に示された骨ねじに限定されない。多くの異なるタイプの骨ねじが用いられ得る。ガイド部材も他の形状を有し得る。穴のねじ山部には二条以上のねじ山が設けられてもよく、2つ以上のピンが設けられてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 インプラント体、 100, 100′ 骨プレート、 2 骨ねじ、 9a,9b,9c,9a′,9b′,900a,900b′ 穴、 91,91′,910 ねじ山部、 11,11′,11′′ ピン、 111 クリップ